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きまぐれな日々

皆様のお住まいの地域では日食はご覧になれただろうか。私の住所では薄雲がかかっていたが、観察用のグラスで金環日食が観察できた。太陽が欠け始めた6時台にはえらく晴れていたが、その後いったんやや厚い雲に覆われて太陽が見えなくなったあと、雲が薄くなって、金環をかなりはっきり観察することができた。

だが、ブログ記事は今日もいつもの無粋な橋下ネタで行く。更新頻度がめっきり少なくなった当ブログだが、今年に入ってから橋下徹の批判ばかりしている。政治に関するニュースの主たる関心事が橋下をめぐることばかりだからだが、それは橋下が次から次へと仕掛けをしてくるからでもある。一昨日には関西広域連合の会合で「原発の『ピーク時限定』再稼働」とやらを「提案」して呆れさせた。リンク先の日経新聞記事の見出しは、「大飯原発、橋下市長が夏だけの再稼働案に言及」となっているが、公開されたばかりの時には、「大飯原発、橋下市長がピーク限定再稼働案に言及」となっていた。あたかも真夏の電力需要のピークになる数時間だけ原発を稼働させるかのような見出しだったのだが、橋下の発言自体がそのようなものだったのではないかと思われる。原発は運転を開始したり停止したりするのに日数を要するから、いったん再稼働させれば一定期間動かし続けなければならないくらい中学生でも知っているが、橋下がそれを知っていたかどうかはともかく、橋下がいつでも「原発のスイッチを入れ」て森永卓郎の熱い支持を調達できる人間であることは、この一件ではっきりした。しかし、翌日関西広域連合の会合に細野豪志が現れると、橋下は何食わぬ顔をして「脱原発」の闘士気取りに逆戻りしていたようだ。

そんな橋下だが、中央の政治家たちの間での人気は絶大だ。

少し前まで、当ブログは小沢一郎を批判することが多かったが、最近では私が小沢に対して腹を立てる最大の理由も「橋下にすり寄っていること」になった。橋下にすり寄ってはつれなくされる小沢からは、かつての「剛腕政治家」の面影が失われつつある。

小沢一郎に限らず、鳩山由紀夫にせよ菅直人にせよ野田佳彦にせよ、以前から、というのは3年前の衆院選の前から橋下に周波を送り続けていた。橋下の新自由主義は、民主党の体質にも相通じるものがあるからだろう。しかし、今年行われるのか来年になるのかはわからないけれども、支持率が暴落している民主党に最近の橋下は冷淡だ。

その一方で橋下は東京都知事の石原慎太郎に対しては思わせぶりな言葉を口にする。それに有頂天になったのか、石原は橋下と連携し6月にも政治塾「日本維新の会」を立ち上げたいと抜かした。以下読売新聞より。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120518-OYT1T01005.htm

石原知事「日本維新の会」設立へ、橋下氏と連携

 東京都の石原慎太郎知事は18日の記者会見で、新党構想に関連し、橋下徹大阪市長が率いる地域政党・大阪維新の会との連携を念頭に、6月にも政治塾「日本維新の会」(仮称)を設立したいとの意向を表明した。

 政治塾はたちあがれ日本の人材育成塾を母体とする予定で、次期衆院選をにらみ、第3極の結集を目指す。

 石原氏は先月、新党構想の「白紙」を宣言していたが、構想の具体化に向けて再始動した形だ。

 石原氏は、昨年1月に開講したたちあがれ日本の人材育成塾について、「すでに優秀な人材を修練している。さらに拡大した形で、積極的に手伝って人材を育てたい」と述べた。

 大阪維新の会については、「東京と大阪が連携して新しい人材を政界に送り込む。全体で『日本維新の会』のようなものを作っていきたい。6月に大阪とも話して具体的なメッセージを発したい」と語った。民主党の小沢一郎元代表との連携に関しては、「手を組むことは全くない」と強調した。

(2012年5月18日23時34分 読売新聞)


悪いが私はこのニュースを知って鼻で笑ってしまった。だって、「日本維新の会」とは、同じように橋下にすり寄ろうとした民主党の原口一博が昨年結成していたからだ。

東日本大震災と東電原発事故が起きる前の昨年2月24日、毎日新聞が下記の記事を掲載した。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110224ddm005010085000c.html(註:リンク切れ)

原口前総務相:「日本維新連合」準備会合に57人 橋下氏は「一線画す」

 原口一博前総務相は23日、国会内で地域主権改革などの政策実現を目指す政策グループ「日本維新連合」の準備会合を開いた。統一選を控えて内閣支持率が低迷するなかで、橋下徹大阪府知事や河村たかし名古屋市長らの地域政党と連携する布石としたい考えだ。

 会合には、民主党の若手を中心に国会議員計57人が出席。小沢一郎元代表に近い議員が多く、3月中旬にも正式に発足させる。原口氏は首長や非議員も参加して地域主権改革を進める政治団体「日本維新の会」も発足させる考えを示した。

 民主党の中山義活衆院議員ら小沢元代表に近い東京都選出の国会議員9人も24日、「東京維新の会」を設立する。ただ、橋下氏は23日、原口氏との電話で「民主党が日本維新の会に入ると分かりにくくなる。一線を画させてもらう」と慎重に対応する考えを伝えた。【笈田直樹】

(2011年2月24日 毎日新聞)


この時、民主党の連中は橋下に振られている。なお、記事に「小沢元代表に近い」とある中山義活は、当時鳩山派に属していたが、現在では「中間派」の鹿野派に移籍した。「気合いだあ」で悪名高いが、半面計算高いところもある人間だ。

今回の石原の発言は、原口一博や中山義活の「二番煎じ」に過ぎない。あの極右のマッチョ政治家までもが橋下にゴマをすりまくる姿を見て「石原慎太郎ヲワタ」と思ったのは私だけではなかろう。

しかし、そんな石原のラブコールには橋下が脈のありそうな反応を示すものだから、鳩山由紀夫がやきもちを焼いている。
http://mainichi.jp/select/news/20120520k0000m010049000c.html

鳩山氏:大阪維新の会の政権公約案を批判

 民主党の鳩山由紀夫元首相は19日のテレビ東京の番組で、橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が政権公約に「参院廃止」などを検討していることに関し「できないぐらい大きなテーマを挙げて『すぐにできる話ではない』で済まそうとしている。マニフェストとはほど遠く、正攻法ではない」と批判した。

 鳩山氏は小沢一郎民主党元代表に近く、橋下氏と連携する石原慎太郎東京都知事が「小沢切り」を明言していることへの反発が発言の背景にあるとみられる。石原氏は小沢グループなど現職議員との連携も否定しており、鳩山氏は「国政をより理解している方々が加わって行動することが必須ではないか」と不快感を示した。

 鳩山氏はまた、野田佳彦首相が政治生命を懸ける消費増税法案の衆院採決について「まだタイミングではない」と反対する姿勢を示した。【木下訓明】

(毎日新聞 2012年05月19日 20時15分)


記事には「批判」などという見出しがついているが、そんな格好良い発言ではむろんなく、「橋下さんよ、石原なんかと組まないでわれわれ(民主党小沢・鳩山派)と組んでくれよ」と泣きついていると読むべきだ。

以前から橋下に露骨にすり寄っている小沢一郎、安倍晋三、渡辺喜美といった面々も含め、全く懲りない人たちだと思う。ところで、今回過去の報道をたどって気がついたのだが、最近原口一博の影がさっぱり薄い。やはり昨年の菅内閣不信任案の時に態度を豹変させた件のイメージが悪く、人気を暴落させたのだろう。政治家の人気なんてそんなものだ。

原口一博もマスコミにおだてられて「大物」っぽいイメージを演出していた政治家だったが、今ではすっかり凋落している。橋下もそうならないものかと思っているのだが、橋下は次から次へと話題を提供してくるものだから、なかなか人気が落ちない。

橋下が振りまく話題の多くはろくでもないものである。文楽やオーケストラの弾圧、「親学」のトンデモ思想を取り入れて批判を浴び、結局引っ込めた「家庭教育支援条例案」、「つくる会」の歴史修正主義を取り入れた「子どもたちが近現代史を学ぶ施設」、それに毎日放送(MBS)記者罵倒事件。最後の件については、橋下が25分間にわたってブチ切れてMBSの記者を怒鳴りまくり、しかも橋下の認識の方が誤っていたというオチまでついたひどいものであり、私は『kojitakenの日記』で、「橋下徹を非難し、『毎日放送叩き』に反対するキャンペーンを開始します」と宣言した。この日の同ダイアリーへのアクセス数は、トータルアクセス数で4万2千件、ユニークアクセス数で3万2千件を超えた。多くは「橋下信者」によるアクセスと思われ、記事に対する反応もネガティブなものが大多数だったと思われるが、橋下が何かやらかすたびにタイムリーに反撃し、「橋下へと草木も靡く」状況に少しでも抗いたい。

今年に入ってからの当ブログの橋下批判の記事に対し、「橋下を右翼だというのは間違っている」とか、「橋下を新自由主義者と決めつけるのは適切ではない」などというコメントをいただいたが、ここ最近の橋下の妄動を見るだけでも、橋下が右翼にして新自由主義者であることは明らかだ。

3年前の「政権交代」直前の時期に出版された新書の類を読み直してみると、小泉・竹中の新自由主義「構造改革」路線への怒りをストレートに表したものが多い。リアルの政治においても、安倍晋三政権が発足早々にブチ上げた「ホワイトカラー・エグゼンプション」は世論の猛反発にあって潰れた。ほんの数年前にはそんな熱気があったが、政権交代が失敗に終わると、小泉よりひどい新自由主義者の橋下徹に人々が靡くようになった。思うのだが、ホワイトカラー・エグゼンプションも言い出したのが安倍だったから潰れたのであって、小泉や橋下のような「人気者」が言い出したのであれば世論は受け入れてしまうのではないか。実際には小泉政権時代から準備されていた政策だったのにもかかわらず、今でも「ホワイトカラー・エグゼンプション=安倍晋三の失政」というイメージが人々に強く残っているように思われる。

橋下人気の源泉の一つは「脱原発」(のポーズ)だが、これもいつまで続くかわかったものではない。橋下はずいぶんと財界の期待も集めているようだが、その財界にとって絶対に譲れないのが「原発再稼働・原発維持」である。これまで橋下は「脱原発」の看板を掲げて自らの人気浮揚に利用してきたが、どうやって「脱原発」志向の民意の支持を保ちながら方向転換しようかと頭を悩ませていることだろうと想像する。それが、「小沢一郎無罪判決」の日に路線転換を示唆したり、一昨日の「ピーク限定再稼働」(笑)発言につながったものだろう。

橋下徹に信用できるものなど何一つない。何が何でも橋下を打倒しなければならない。
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