きまぐれな日々

大阪のダブル選挙は、予想通り大阪府知事選では松井一郎、大阪市長選では橋下徹の圧勝に終わった。昨夜は午後8時にこの2人の「当確」が報じられることはほぼ間違いないと確信していた私は、その時刻を期して『kojitakenの日記』に予定稿を書き上げておいて、8時にNHKテレビが松井と橋下の当確を報じたテロップを出したのを確認した2,3秒後に同ブログに「橋下徹・松井一郎ダブル当確! まさに『20時の惨劇』! やはり時報と同時だった」と題した記事を公開した。

さらに、「橋下徹一派圧勝だが、今回は『愚民』云々と書く気にはなれない」と題した記事を公開したが、これがどこかのサイトにリンクを張られたらしくてアクセスが殺到し、大ブーイングを浴びた。私としては、石原慎太郎を投票させた東京都民を「愚民」呼ばわりして非難した今年の4月とは違って、非難を抑えた筆致で書いたつもりだったのだが、それでも(都知事選の時とは比較にならないほど弱かったとはいえ)ブーイングを浴びたのだった。コメント欄で、

呆れるほど独自視点ですね。これほどまで全く同意できないエントリーも初めて見ました。

と呆れられた上、熱湯浴のTwitterには

ざまあみろ!お前が考えてるように世間は動かないんだよ。悔しかったら祖国に帰りなさい

と嘲笑されたが、こんなコメントやTwitterを見るとアドレナリンが分泌するのが(佐野眞一みたいだけど)私の「習い症」であって、こいつらのおかげでこのところ更新が滞っていた当ブログを月曜日の朝に更新する気力が起きたというわけである。

大阪ダブル選挙への論評については、昨日の『kojitakenの日記』にずいぶん記事を書いたが、当エントリでは橋下徹にすり寄る醜態を演じた「既成政党」及びその政治家に対する批判に論点を絞りたい。

橋下徹は今回の選挙を「既成政党対『大阪維新の会』」だとする対立構図をでっち上げ、それをマスコミが鵜呑みにして宣伝するという醜態を演じたが、既に多くのサイトで指摘されているように、今回の選挙はそんな構図では全くなかった。それどことか、無党派層と比較しても民主党や自民党の支持者の方が橋下徹に親和的なのではないかという疑念を、昨日『kojitakenの日記』の記事「濱口桂一郎氏のブログ記事『これぞリベサヨ?』はやはり『トンデモ』だった」に書いた(なお、この記事はタイトルと記事の主旨がかなり隔絶している。書き始めた時の意図とは違う記事になってしまったためだが、あえてそのままにしておいた)。

その「既成政党」たる民主党、自民党、みんなの党、国民新党といった「保守政党」の政治家たちが、大阪ダブル選挙の期間中を含めて橋下徹にすり寄る発言をしたことはマスメディアにも報じられている。具体的な人名を挙げれば、小沢一郎(民主党)、原口一博(同)、石原伸晃(自民党)、渡辺喜美(みんなの党)、亀井静香(国民新党)らである。

これらのうち、私にとって衝撃的だったのは亀井静香だった。というのは、上記5人のうち亀井以外の4人は、小沢一郎を含めていずれも「小さな政府」を志向する人たちであり、橋下と親和性が高いのは当然だと思っていたのだが、「反新自由主義」系の右派だとばかり思っていた亀井静香までもが橋下一派を糾合した新党構想を口にしようとは予想していなかったのだ。

現実には、その少し前に亀井静香が国民新党として橋下を支持すると明言したほか、亀井の新党構想がささやかれていたこともネットで知っていたが、前者には腹を立てながらも、後者についてはたとえば産経新聞などの願望を文章にしただけの「飛ばし記事」だろうと高をくくっていたのだった。まさか記者会見で亀井が言い出そうとは予想していなかった。

この一件で「亀井静香は馬脚を現した」と私は思った。2005年の「郵政解散」直後に小泉自民党の後任が受けられず、それどころか刺客を送られて自民党離党に追い込まれた亀井静香だが、それでも「反新自由主義」は亀井の思想信条などではなかったのである。それが証拠に橋下ばかりではなく河村たかしらの「減税日本」すなわち「日本版ティーパーティー」に対しても亀井は秋波を送った。それどころか石原慎太郎を党首にするなどとほざいた。もちろん、亀井静香らと一緒になるメリットよりデメリットの方がはるかに大きい橋下は、亀井の誘いを歯牙にもかけなかった。

亀井とは別ルートで橋下との連携を模索しているのは小沢一郎である。小沢は側近に「橋下とはつかず離れずでいけ」と支持した、と先日の朝日新聞に出ていた。露骨に橋下にすり寄るのは、もともと新自由主義政策を掲げる点で橋下と近い「みんなの党」の渡辺喜美だ。自民党では石原伸晃や田野瀬良太郎が橋下にラブコールを送っている。中央の保守政治家たちが雪崩を打つように橋下へ橋下へとなびく現象が見られたのである。

私は2008年にはよく橋下批判の記事をブログに書いたが、最近はあまり橋下を取り上げていなかった。それは、2008年に橋下が行なった2つの悪行によって橋下の本性は私にとってはあまりにも明らかであって、ことさらに橋下批判の記事を書く気力が起きなかったためだ。

2つの悪行のうち1つは、橋下がテレビで大阪の私立高校生と本気で論戦し、高校生たちを泣かせた件だ。この件に関する問題点については、『kom's log』の2008年10月27日付エントリ「ボクタチの闘争」に書き尽くされているので、同エントリ及びそこからリンクされている『Transnational History』(旧『dj19の日記』)の同年10月24日付エントリ「橋下知事『日本は自己責任が原則』…私学助成の不安を訴える女子高生を泣かす」をご参照いただきたい。

もう1件は、当ブログの2008年9月20日付エントリ「一度に346人の府立高校非正規職員の首を切る橋下徹」で取り上げた件である。橋下の悪行は題名の通りだが、この時驚いたのはこのエントリについた「はてなブックマーク」で大阪人と思われる人たちから大ブーイングを浴びたことだ。

この2件で思い知ったのは、橋下の徹底した「弱者切り捨て」の政治である。最近一部の週刊誌で報じられたように、橋下は逆境をはね返して這い上がった人間だが、往々にしてそういう人物が弱者に対して苛烈な政治を行うことが多いのは残念なことだ。橋下はその典型例である。

亀井静香にせよ小沢一郎にせよ、こんな人間と手を組もうとしたこと自体、「郵政民営化反対」だの「国民の生活が第一」だのといったスローガンは、有権者を騙して権力を握ることだけが目的の方便に過ぎなかったと批判するほかないだろう。橋下の「カイカク」はまず弱者から搾り取ることから始まるのである。

あとは「独裁」と「恐怖政治」。今回、「大阪都構想」とやらで選挙民を釣った橋下だが、橋下の本質は「教育基本条例」にこそある。今後の大阪が阿鼻叫喚の修羅場となることは間違いないが、その橋下を選びとったのは大阪市民であり、橋下一派の松井一郎を選びとったのは大阪府民である。思わず「自己責任」と言いたくなるが、大阪には橋下(一派)に投票しなかった人たちも大勢おり、その人たちにまで橋下の悪政のしわ寄せが及ぶと思うとやりきれない。

何が橋下(一派)の圧勝を許したのか。保守政治家もあるだろうしメディアもあるだろうし「強そうな者、頼れそうな者」にすがる、「小沢信者」にも似た橋下支持者たちのメンタリティもあるだろう。この問いに対する答をこの記事で出すことはできないが、一つだけ思うのは「もう日本は行き着くところまで行くしかないのか」ということである。上記『kom's log』のエントリ「ボクタチの闘争」の冒頭部分に書かれている下記の文章が重みを増してきた。

バカだ、と一蹴すればよい話なのだが、そういっていられるのは実は今日明日の話であって、今後15年ぐらいのスパンで考えれば一蹴するわけにもいかぬ症状である。


それからたった3年が経過しただけで、事態はここまで悪くなってしまった。
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大阪のダブル選挙投開票が目前だが、「大阪維新の会」を主宰する橋下徹の独裁を許すか許さないかは大阪市民や大阪府民の判断である。今年4月の東京でも都知事選の議題はネットでは全然盛り上がらず、石原慎太郎の圧勝を易々と許した。そんな東京の人間が大阪をどうこう言える筋合いは全くないのだが、東京にせよ大阪にせよ「強そうな者、頼れそうな者に全権を委ねる」人々が多数を占めるという、愉快ならざる気持ちになる結果になるのは目に見えている。今から日曜日の夜が憂鬱だ。果たして橋下一派の勝利が報じられるのは何時何分頃になるだろうか。東京都知事選の時には8時ジャストだったが、大阪の少なくとも市長選はそれと同じになるのではないか。

大阪のことは仕方ないかもしれないが、国政にかかわる政党や政治家が大阪ダブル選挙に際していかなる行動をとったかはよく覚えておいた方が良いだろう。この件に関してよくまとめられていると思うのが、かつてその選挙制度に関する論考を植草一秀が好意的に取り上げたことのある上脇博之・神戸大学教授のブログ記事「大阪ダブル選挙の対立構図は『独裁vs反独裁!』(『維新vs既成政党』ではない!)」である。具体的にいうと、国民新党、みんなの党、公明党、石原伸晃(自民党)、原口一博(民主党)、小沢一郎(民主党)などが「独裁」を肯定する橋下徹に事実上手を貸している国政の政治勢力ならびに政治家たちである。民主党に関しては、非主流派の小沢・鳩山系が橋下徹に親和的だからといって、現執行部を含む主流派が橋下と対決する姿勢をとっているかというとそうでもないことも付言しておく。とにもかくにも、最終的に日本を滅ぼすのは橋下との対決を避けようとする政治家の面々だと私は考えている。

最近の政治の話題は「TPP」一色だったが次の焦点は「消費税増税」に移る。前回のエントリでは、「消費税増税」に論点が移ってしまう前に書いておきたいと思って、労働者派遣法の改正に関し、民主党が自民党や公明党と妥協して「製造業への派遣」と「登録型派遣」の禁止を法律から外すという「骨抜き」をしようとしていること、そして小沢一郎がそれに関して沈黙していることを批判した。すると、この部分に関して「世直し大工」氏から批判のコメントをいただいた。以下に紹介する。

 民主党のていたらくぶりは古寺多見さんのおっしゃる通りですが後半の製造業派遣「原則禁止」削除の記事については古寺多見さんの知識のなさに呆れてものが言えません。この法律のお陰で「人夫出し」と呼ばれる日雇い派遣会社が多く潰れました。建築業というのは親方一人、職人数名の超零細企業の寄せ集めで成り立っているのです。
 通常の仕事であれば職人達でまかなえますが、材料の搬入など人出が必要な時には対応出来ません。
そのために現場で動ける「人夫」が重宝されていました。
 多くの親方(社長)は職人として働いており、3日前の人員確保など考えてる暇などありません。作業当日の朝「3人必要だ」といえば簡単に調達出来た「人夫出しの仕事」のお陰で仕事が成り立っていたのです。そこに集まる労働者も毎日現金収入が得られ、通常のアルバイトより高額な日給(8000円~1万円程度)の所得を得ていました。

民主党が出したこの法案はこの日雇い労働を規制する法案で、この法案のお陰で多くの労働者は路頭に迷う事になったのです。

民主党の「岡田」がこの法案に反対したのは親族である「イオングループ」の影響です。
 これは人材派遣方以前からあったパートタイマー改正法案が施工され 企業とパートタイマーが直接雇用できなくなり、そのため「人材派遣会社を作り派遣社員としてパートタイマーを働かせる事になったのです。
現在スーパーなどで働いているパートさんは法律上「派遣社員」になります。昔からあった契約社員もこの悪法である改正パートタイマー法のお陰で派遣会社に属する「派遣社員」になりました。その結果所得は激減しました。
今の日本の雇用体系は「正規雇用社員」と「派遣労働者」の二種類だけなのです。

「経団連」がどうのこうのと言う前に何故、「派遣社員」が増加したのかをきちんと調べてから発言して下さい。あまりにも無知としか言い用がありません。 

2011.11.17 03:58 世直し大工


このコメントに関して、「風太」さんからも、

世直し大工さんの指摘については、知り合いの関係者から少しだけですが聞かされていたことがあります。

とのコメントをいただいた。しかし、私には「世直し大工」氏の主張がさっぱり理解できなかった。

この「世直し大工」氏のコメントをめぐる議論の経緯は、『kojitakenの日記』の何件かの記事に書いたので、興味のある方は下記のリンク先をご参照いただきたい。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20111117/1321540451

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20111118/1321550171

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20111118/1321574371

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20111118/1321614392

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20111119/1321666106

議論といっても「世直し大工」氏から一度返事をいただいただけだった。『kojitakenの日記』及び当ブログのコメント欄からは、「風太」さんにもコメントをお願いしたのだが、一度も返事をいただいていない。

「労働者派遣法」の改正については、読者の関心も非常に薄いように思われるし、何を書いてもムダかと思っていたのだが、この記事を書く直前の23日深夜に、「世直し大工」氏から『kojitakenの日記』に再度コメントをいただいたので、その前にいただいたコメントとあわせて、こちらのブログでも紹介しておく。こちらで紹介するのは、「はてな」ユーザーにコメントを限定している『kojitakenの日記』よりコメントがつきやすいかもしれないと思うからだ(なお、「はてな」には登録するだけで「はてなダイアリー」に日記を開設せずともコメントできる。登録は簡単だしオプションをつけなければ無料だから、そんなにバリアは高くないと思うのだけれど)。

まず18日にいただいたコメント。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20111117/1321540451#c1321556685

yonaosi 2011/11/18 04:04

 労働労働者派遣法を述べる前に「パートタイム労働法の改正」について述べなければなリません。 「パートタイム」労働者とは主たる就業先の企業と直接 (就業時間・賃金)などの取り決めを行う雇用形態でスーパーなどのパートタイマーや短期的なアルバイト、自動車製造工場などの「期間従業員」、一般企業などの契約社員がこの「パートタイム労働法」の適応を受けていました。 昔の雇用体系は正社員とパートタイマーの2つに分類されていました。この時点では労使共にうまくいっていたのですが、パートタイマーの人権・処遇の改善を求める政治的な動き(社会党だったと思うが・・・)でこの「パートタイム労働法」が改正され、一定期間(最長1年間)を超えた場合、その場所で同じ仕事をする場合は正社員と同じ労働条件(賃金・労働時間・社会保障など)にする以外労働契約の更新は認めないという法案に改正されました。結果、企業は直接雇用形式を取りやめ、第3者が雇用者である派遣労働に変わっていったのです。 派遣労働であればこの「パートタイム労働法」の適応外になるためです。スーパーなどもこの「パートタイム労働法の改正」により直接雇用から「派遣労働」へと変わりました。 スーパーの場合ほとんどが形式上の雇用契約となり、独自の派遣会社を持ち労働者と雇用契約を結ぶことができます。そのため「派遣労働者」は急増しパートタイム労働者は消滅しました。
 その増加した「派遣労働者」を更に規制しようとしたのが「労働者派遣法」なのです。
労働者のためと言いつつも結果的に労働者の雇用を減少させ、所得の低下へとつながりました。
20年以上も前のことですがダイハツで期間従業員を6ヶ月間していたことがありますが、その時代は今のような派遣労働ではなく直接雇用の「契約社員」であったため健康保険や失業保険なども全てダイハツと同じでした。今は更に条件の悪い「派遣労働」に変わっています。何故派遣労働者が増えたのかはこの「パートタイム労働法の改正」が原因です。安っぽい正義感のお陰で結局苦しんだのは労働者たちだけでした。

 私のまわりにもこの「パートタイム労働法の改正」で涙を飲み込んで仕事をしている人が大勢います。 本当にその労働者の為になっているのかどうかを考えなくてはいけません。
ただ単に規制をすれば良いという単純なものではありません。

 ちなみに私は小沢信者でも極右勢力や極左勢力でもありませんし、民主党崇拝者や自民党崇拝者でもありません。自分自信が何をすべきかぐらいはわかっているつもりです。

ちなみにTPPには大反対です。


続いて23日のコメント。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20111118/1321550171#c1322058963

yonaosi 2011/11/23 23:36

このパートタイム労働法改正案は度々変更・更新が繰り返されていまのではっきりとした事は言えませんが「派遣労働が問題化する以前のはなしです。当時も「派遣労働」はありましたが、現在のように製造業やスーパーのような小売業に認められたものではありませんでした。 期間工、契約社員、パートタイマーは全て直接雇用でその働く企業と直接雇用されていました。正規社員以外の労働者はこの「パートタイム労働法」の対象でした。この年に改正されたパートタイム労働法の改正点は

- 同一労働同一賃金、同一待遇の原則、有給休暇や賞与など正規社員と同等
- 会社は労働契約を明確にし、契約期間・賃金の掲示を示し、契約更新は認めない。正社員になる場合は除く。
- 休憩場所の差別的待遇を改める

といった現行法と趣旨は同じですが罰則規定が現行法よりもあまりにも厳しかったため、企業は労働者と契約を結ぶのをやめ、規制の緩やかな「派遣労働者」へと雇用形態を変えていったのです。
この法案の狙いは「パートタイム労働者」を強制的に「正規労働者」に変更させる目的があったため雇用者・労働者にとってハードルの厳しすぎる法案となってしまいました。 これは当時野党であった民主党・社会党・共産党が押し切った形で法案化した経緯があります。自動車業界で働く「期間工」もこの「パートタイム労働法」の対象となるためその逃げ道として「労働者派遣法」に製造業も含めるとして今度は自民党が押し切ったかたちとなりました。それから数年後「リーマンショック」がおこり、「派遣村問題」が発生したのです。
ちなみに「福岡パルコ」の仕事をしました。2ヶ月の短期契約でしたが、本来なら請負契約を結ぶのが普通ですが、「派遣社員」として登録、仕事をしました。
行きつけの大手スポーツクラブのインストラクターも以前は契約社員でしたが「派遣社員」としての雇用契約を結ばされ嘆いていた事がありました。

「労働者派遣法」を厳しくすれば企業や労働者は「請負業」として仕事をしていくしか働く道はありません。 建築業でいうところの「一人親方」と同じになり、労働関連法規の対象外となり、労働環境はますます悪化します。
労働者の労働環境を改善するための法律がじつはさらに悪化させることになるのです。

現在のパートタイム労働法はこの派遣村問題以降だいぶ変更されたみたいです。
このへんは私ではなく「社労士」のほうが詳しいと思います。私が知っていることは以上です。これ以上のことはわたしにはわかりません。お近くの「社労士事務所」にお問い合わせください。(費用は払えませんが・・・。)


パートタイム労働法は自民党・宮澤喜一内閣当時の1993年に制定され、同じく自民党・安倍晋三内閣当時の2007年に初めての大きな改正が行なわれた。

18日にいただいたコメントを読み、パートタイム労働法について調べた結果と照らし合わせた結果、「世直し大工」氏は1993年のパートタイム労働法制定について書いているのではないかと私は推測したのだが、昨日いただいたコメントを読むと、どうやらそうではなく2007年の改正について述べていたものらしい。当時の民主党代表は岡田克也ではなく小沢一郎であり、民主党は小泉政権の苛烈な新自由主義政策に対抗して、「国民の生活が第一」の路線に転換していた。従って、イオングループ一族の岡田克也が小売業の利益のために云々という、「世直し大工」氏の最初のコメントは、完全な誤りである。そんな人間がよくもぬけぬけと

「経団連」がどうのこうのと言う前に何故、「派遣社員」が増加したのかをきちんと調べてから発言して下さい。あまりにも無知としか言い用がありません。

とほざけたものだなと、その面の皮の厚さには感心するばかりだし、「世直し大工」氏の3件のコメントはどれをとっても誤りだらけで、正しいところを探す方が難しいほどひどいものだが、本記事の主旨は何も「世直し大工」氏を槍玉に挙げることではない。

何が「世直し大工」氏に3件のコメントに表出しているような誤解をさせたのか。そこに問題があるというべきだろう。もとをたどれば1995年の日経連による「新時代の『日本的経営』」にあり、この提言の目的はいうまでもなく企業の労働コストを下げることにあった。

その線上に沿って、まず「特定の業種についてのみ認められる」というポジティブリスト方式だった派遣業務においてその対象業務を増やし(1996年改正)、次いでポジティブリスト方式を「特定の業種以外は派遣労働が認められる」ネガティブリスト方式にして派遣労働が原則自由化され(1999年改正)、最後にネガティブリストから製造業を外して製造業への派遣労働が認められた(2003年改正)。このあとの2つ、すなわち1999年と2003年の改正こそ、日本において派遣労働者を増やし、格差を拡大して「ワーキングプア」を激増させる元凶なのである。要するに労働者が怒りの矛先を向けるべき政治勢力は1999年と2003年の法改正に賛成した政党や政治家であって、2007年のパートタイム労働法改正の局面における民主党(当時小沢一郎代表)・社民党・共産党ではない。

なお、前回のエントリを公開した当初、一部誤りを書いていた。1999年と2003年の民主党代表はいずれも菅直人だったが、民主党は1999年の法改正に賛成し、2003年の法改正には反対した。また、小沢一郎は前回にも書いた通り1999年の法改正においては与党議員としてこれを推進する立場にいた。少なくとも1999年当時の自由党と民主党は批判されなければならない。

「世直し大工」氏のように、掲示板で経済問題に関して意見を活発に表明している労働者の方でさえ上記のような誤解をしてしまうほど、「反貧困」の運動体を含む日本の労働運動の力は弱い。さるブログのコメント欄で、『kojitakenの日記』は民主党と小沢一郎を批判することしかできなかったと論評されたが、それは私に筆力が欠けていることのほか、「反貧困」の運動体に今なお期待しているからでもある。

だが、働く者の多くが橋下徹だの小沢一郎だのの「力の強そうな者、頼れそうな者」に期待を託している間は何も望めないし、「反貧困」に限らず、「脱原発」にせよ「TPP」にせよ沈黙かさもなくば邪魔しかしなかった小沢一郎に対して何もできない、あるいは「格差拡大」「原発推進」「TPP推進」「消費税増税」を実行しようとしている「野ダメ」野田佳彦に対して何もできない、(もしそんなものが本当に存在するとしたら)「民主党リベラル派」とは一体何なのだろうか。

特に声を大にして言いたいのは、肝心な時に大ボス・小沢一郎の顔色をうかがい、ボスの真意を「忖度」する、いわゆる「ソンタクズ」と揶揄される人たちが、いくら勇ましいことを言ったり、仮に「護憲派」であったところで、そんな人間を信用して未来を託すことなど全くできないということだ。

日本の政治をここまでダメにしてしまった要因として、「(保守)二大政党制」及びそれを生み出した「小選挙区制」が挙げられるが、これを推進した政治家としてもっとも責任が重い人間が小沢一郎であることは今さらいうまでもない。

やはり結論はいつも同じ「小沢一郎の打倒なくして日本の未来なし」になるのだが、今さら小沢一郎を倒したところで日本の焦土化はもはや止められないのではないかという悲観論からどうしても離れられない。
初めに、昨日(15日)の毎日新聞岩手版の記事を紹介する。

http://mainichi.jp/area/iwate/news/20111115ddlk03010066000c.html

民主県連:県議選、過半数割れ「平野氏の入閣が一因」 異例の個人批判 /岩手

 民主党県連は13日、盛岡市内で総務会・常任幹事会を開き、9月にあった知事選・県議選を総括した。

 県議選で目標とした定数(48)の過半数に届かなかった要因の一つとして、7月に放言で引責辞任した松本龍氏の後任に県連副代表の平野達男復興担当相が入閣したことを挙げ、「菅政権の延命を後押しした上、その後の(民主党)代表選でも独自に活動した」と名指しで厳しく批判した。

 県連代表代行の菊池長右エ門衆院議員は、異例の個人批判を行った経緯について「震災対応の遅れなどを理由に菅政権の早期退陣を目指して行動する中、仮に平野氏が入閣要請を受けなければ退陣がもっと早くなっただろう」と指摘。その後の民主党代表選でも小沢一郎元代表のグループが支持する候補とは別の候補を支援したとし、「元代表の胸中をそんたくした場合、ここまで(総括文に)書かなければいけないと考えた」と説明した。

 また、陸前高田、一関の両選挙区で現有議席を確保できなかった衆院3区で「特に党勢退潮が顕著である」とし、各総支部の立て直しを求めた。

 民主党籍を持つ達増拓也知事が再選を果たした知事選は、得票率が目標を上回る68%となり、全市町村で他候補に勝利したことから「完勝に近い圧勝」と総括した。【金寿英】

(毎日新聞 2011年11月15日 地方版)


この記事を読んで何の問題も感じない人間はどうかしていると思う。これは、記事を書いた毎日新聞(岩手支局?)の金寿英記者にその意図があったかどうかはともかくとして、岩手県の民主党における小沢一郎の「個人崇拝」を戯画化した記事だ。

小沢一郎の異様さはこういうところにある。今ダブル選挙を行なっている大阪の橋下徹や今年4月に4選を果たした東京の石原慎太郎についてもいえることだが、「強そうな者、頼れそうな者」として持ち上げられた彼ら権力者は「信者」を生み出し、個人崇拝の対象になるのである。

9月の新内閣発足以来、野田政権(「野ダメ」政権)の悪行は目を覆うばかりで、TPP参加表明を強行したあとには「消費税増税」の政局が待っている。その野田内閣が発足した時、「菅、枝野、岡田、仙谷が内閣を去って爽やかな秋風内閣デス」などと言っていた「小沢信者」がいた。この人間は、「これから、国民の生活が第一へと本気度を示せば、拉致問題と普天間問題も解決へ前進しそうな内閣」だなどと、「野ダメ」内閣を天まで届かんばかりに持ち上げていたが、それからわずか2か月。「野ダメ」内閣や民主党はいったい何をやってきたのか。

ひどかったのはTPP政局で、民主党内の「TPP反対派」と呼ばれていた人たちは、野田佳彦の明白な「TPP参加表明」を「あれは参加表明ではない、関係国と協議に入るだけだ」などという意味不明の言葉を吐いて、結局内閣不信任案提出どころか民主党離党もしなかった。

私は最初っからそういう経緯をたどるほかないと確信していたから、あまりに予想通りだったので拍子抜けしたほどだが、山田正彦らを正真正銘の「TPP反対派」だと思い込んでいた(信仰していた?)人たちは「山田の裏切りは許せない」と怒り狂っている。だが、あんなのは裏切りでもなんでもない。最初からそういう人たちなのである。

鍵はボスの小沢一郎の真意にあった。腹の底では「TPPに反対ではない」小沢一郎は、手の者たちの行動を抑えたのである。これまでの長年にわたる小沢の軌跡を知っている人間にとっては、小沢が「TPP反対」に打って出るはずがないことなどあまりにもわかりきった話だった。「小沢さんならTPP反対に立ち上がってくれるはず」という小沢信者の信仰は、妄想に過ぎなかった。

「野ダメ」は「TPPには一段落つけた。今後は消費税だ」と思っているに違いないが、消費税の問題では小沢一味もTPPとは違った動きをするかもしれない。消費税の問題はいずれ当ブログでも扱うだろうから、この記事では昨日(11月15日)に報じられた下記のニュースに触れておこう。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111115-OYT1T00381.htm

製造業派遣「原則禁止」削除…民自公が大筋合意

 政府提出の労働者派遣法改正案に盛り込まれた「製造業派遣」と「登録型派遣」をそれぞれ原則禁止する規定について、民主、自民、公明3党が両規定の削除で大筋合意したことが15日、分かった。両規定に反対する自公両党に民主党が譲歩した。

 同改正案は修正のうえ、今国会で成立する見通しとなった。

 同改正案は派遣労働者の待遇改善を目指し、2010年の通常国会に提出された。改正案には、〈1〉派遣元企業が得る手数料の割合を明示するよう義務づけ〈2〉製造業への派遣は原則禁止〈3〉仕事がある時だけ派遣元と雇用契約を結ぶ登録型派遣は秘書や通訳などの専門26業種以外で原則禁止――などを規定した。

 このうち、製造業派遣と登録型派遣の原則禁止には、経済界に「急な仕事の発注に対応できない中小企業が影響を受ける」などと反対意見が強い。自公両党も経済界の懸念を踏まえて政府案を批判。同改正案は衆院で継続審議となり、今国会でも実質的な審議に入れないままになっている。

 このため、民主党は、製造業派遣と登録型派遣の原則禁止以外の待遇改善策の実現を急ぐ必要があると判断し、両規定の削除に応じることにした。

(2011年11月15日11時15分 読売新聞)


製造業への派遣を認める労働者派遣法は2004年に改正されたが、この時岡田克也菅直人代表時代の民主党は改正案に反対した。民主党は派遣労働を原則自由化した1999年の同法改正時にはこれに賛成したが、昨年だか今年だかに枝野幸男が「賛成したのは誤りだった」と言った。ちなみに1999年当時の民主党代表もやはり菅直人であり、小沢一郎は自由党、つまり連立与党の側にいて同法改正を推進していた。

今回、民主党が自公に妥協したことは、要するに「経団連に屈した」のと同じことであり、「1999年の労働者派遣法改正に賛成したのは誤り」どころか、2004年の同法改正に民主党が反対したことさえ否定する、めちゃくちゃな妥協であり経団連への屈服だ。これは考えられないほどひどい退歩である。

これもまあ、「野ダメ」が代表を務める今の民主党ならやりそうなことだと思うが、民主党内の小沢一郎一味がこの件で「野ダメ」執行部を批判して騒いだという話は寡聞にして知らない。要するに、なんだかんだ言って「小沢自治労」(右翼の評論家・屋山太郎の命名)もまた「経団連となあなあ」の保守政治家に過ぎないということだ。

こんな小沢一郎のような政治家に夢を託す世の「リベラル・左派」のふがいなさを嘆くほかはない。発売中の『サンデー毎日』で小沢一郎にインタビューしている鳥越俊太郎などがその代表格だが、このインタビューを読んで「小沢さんはやっぱり『TPP反対派』だし、『脱原発派』なんだな」と思って安心する「小沢信者」は「アホの活き造り」以外のなにものでもない。事実は小沢一郎は菅内閣当時の浜岡原発の再稼働を受けて内閣不信任案騒動を起こしたが、野田佳彦のTPP参加表明に際しては手の者の動きを制止したのである。小沢一郎の真意はこれらの結果から読み取らなければならない。

大阪をダメにするのが橋下徹、東京をダメにするのが石原慎太郎なら、日本をダメにするのは小沢一郎である。その害毒はあまりにもひどい。目に余る。

[追記](2011.11.17)
2004年の労働者派遣法改正の審議は2003年に行なわれ、当時の民主党代表は最初当記事に書いた岡田克也ではなく菅直人でした。訂正します(本文も訂正しました)。
11月に入って初めての更新になる。今後の当ブログの更新は、しばらくは週2回以上の更新は難しく、週1回の更新がせいぜいになりそうだ。当分の間、『kojitakenの日記』の更新が中心になると思う。

最近の憂鬱の種は野田佳彦「野ダメ」政権と橋下徹の強引な政治手法だ。世間では野田は「安全運転」をしているというが、私にはとうていそうは見えない。TPPにせよ原発再稼働にせよ沖縄米軍基地移設問題にせよ消費税増税にせよ、議論なしで突っ走っている。私に言わせれば「野ダメ」政権のやり方はむしろ大阪の橋下徹に似ているし、民主党内でいえば小沢一郎に近い。批判されるとすぐぶれた鳩山由紀夫や菅直人とは全然違う。

今回はその「野ダメ」批判ではなく、前回に続いて橋下徹を中心に書く。大阪市長選は共産党が候補者の擁立を取り下げたことが話題になっている。同市長選では前回の府知事選で橋下を支援した自民党や国政の与党・民主党に加えて「左」の共産党も「橋下打倒」を第一義にしたことから、橋下は「既存政党対『維新の会』」という構図で大阪市民の気を引こうと懸命だ。

だが、本当に大阪市長選はそんな構図になっているのか。

まず、既存政党の中でも「みんなの党」と国民新党は橋下支持を打ち出している。「みんなの党」と橋下の方向性が一致することは誰にでも理解できるが、問題は国民新党が橋下を支持したことだ。亀井静香は「橋下の方向性は正しい」と言ったと報じられているが、2008年の大阪府知事選で熊谷貞俊を担いで橋下と戦った同党がなぜ方向転換したか、明確な理由を亀井は語っていない。国民新党もまた「野ダメ」や橋下と同じ「問答無用」の態度をとるのかとげんなりさせられる。

さらに問題なのは民主党と自民党だ。10月31日の朝日新聞4面に、「橋下人気 すくむ民自」という題された記事が出ていたが、2007年11月の大阪市長選と翌年1月の大阪府知事選で民主党がいかに熱心に平松邦夫と熊谷貞俊を支援したかが書かれている。同記事によると、

07年10月、民主党の小沢一郎代表は平松氏と並んで記者会見し、「大阪で広い、厚い支持を得られることは、総選挙でも大変大事なことだ」と強調した。

とのことだ。また、大阪府知事選で現民主党衆院議員の熊谷貞俊が橋下に敗れたあと、小沢一郎は熊谷貞俊との会話で

「60年続いた政権をつぶすのは革命だ。民主党はそれがわかっているのかな」

と言ったと記事は報じている。

ところが、今回の大阪市長選では、

小沢氏も側近に「橋下の悪口は言うな。つかず離れずにいけ」と指示しているという。

とのことで、まあ小沢の場合いつものことなのだが、態度を変えた理由については何一つ語らない。こんな政治家に「リーダーシップがある」などと思う人間はどうかしている。

同記事には、民主党の大阪府選出の国会議員があの無能な平野博文に「維新の会と真正面から戦いたくない」と懇願していることや、自民党もまた本音では「橋下を刺激したくない」ことが書かれている。

さらに呆れ返るのは自民党の石原伸晃である。11月7日の朝日新聞4面に石原の妄動が報じられていた。同記事によると、9月24日に石原は橋下と大阪で密会し、「大阪都構想」への賛意を表明したという。自民党幹部の一人は「維新をみんなの党に渡してはいけない」と言ったそうだ。大阪ダブル選挙で「維新の会」と戦っているはずの自民党の中にこんな輩がいる。石原伸晃といえばいうまでもなく石原慎太郎の長男の「世襲議員」であり、父親と似通った体質を持つ橋下徹に親近感を持つのかもしれない。しかし政治家としては橋下の方が石原伸晃などとは比較にならないほどしたたかだ。

この記事には亀井静香の10月26日の記者会見でのコメントが出ている。亀井は、

「国民の要望に根付いているから橋下氏は強い支持を得る」

と言ったとのことだ。小沢一郎や石原伸晃だけではなく、いまや亀井静香も「ポピュリズム政治」にすっかり冒されたらしい。共産党が「反ファシズム」のために候補者擁立を取りやめたことは心強いが、小沢一郎、石原伸晃、亀井静香らのベテラン保守政治家たちは、「ファシズム」の前にはひとたまりもない情けない面々だと強く批判するほかない。

「維新の会」対「既存政党」などと言ったって、「既存政党」の実情はかくのごとしなのだ。すっかり橋下徹の人気に恐れ入っている。私が大阪ダブル選挙の行方を全く楽観視できないのは、こういうベテラン政治家たちのていたらくに呆れ返っているからであって、本気で勝ちたいと思っていない人間がいくら大勢いたって選挙には勝てない。

あとは大阪市民・大阪府民の良識だけが頼りだ。


[追記](2011.11.9)
公明党も橋下との対決を避け、自主投票とする方針らしい。長年の「自公政権」でこの党もすっかり腐り切ってしまったようだ。