きまぐれな日々

沖縄県知事選は、4年前に続いて大接戦となったが、結局現職の仲井真弘多氏が前宜野湾市長の伊波洋一氏を破って再選された。菅政権はもちろん、船橋洋一もナベツネも岸井成格も佐藤優も皆胸をなで下ろしていることだろう。もちろん小沢・反小沢とは何の関係もなく、それは今年1月の名護市長選で稲嶺進氏が当選したあと、鳩山内閣の官房長官を務めていた無能な平野博文が何を言ったかを思い出せば明らかだ。

朝日新聞は、投票日前日の夕刊に「基地問題に焦点が当てられがちだが、完全失業率が高い沖縄県にとって、雇用対策は大きな焦点だ」と書いた。別に仲井真弘多を応援するとは書いていなかったが、その方向の印象操作をしていた。だが、基地とひきかえに沖縄が受け取る補助金が、再分配のために正しく使われているかといえばそうではない。仲井真弘多は、普天間飛行場の県内移設容認から「県外移設」へと看板を掛け替えて再選を果たしたが、「国外移設」までは唱えていない。朝日新聞の後藤啓文那覇総局長にしても、「県内移設の道は残っていない」とはするものの、「日米安保の維持という原点に立ち返るのであれば、仲井真氏が掲げた本土移設に真剣に取り組むべき時だ」と主張するにとどまる。

選挙の開票速報は、NHKなどの速報と並行して、仲井真応援者が圧倒的に多い2ちゃんねるの速報板を見ていた。当初競り合っていたが、那覇市の票が開くとみるみる差が広がり、10時台にNHKが仲井真氏の当確を打った時点で、2ちゃんねるを見るのは止めた。那覇市で仲井真弘多が圧勝したところに、伊波洋一の敗因の一端がうかがわれる。那覇では、旧同盟(鳩山由紀夫との結びつきが強い旧民社の系列)が仲井真氏を、旧総評(旧社会党の系列)が伊波氏をそれぞれ推したのではないかと思うが、それに加えて、無党派層にも「経済なら仲井真」という幻想が浸透していて、それが仲井真票を押し上げたのではないか。伊波氏の主張は基地問題のほぼ一点張りだったというが、基地問題と再分配の問題をリンクさせて訴えていかなければ、今後の選挙でも、いわゆる「革新陣営」が失地を回復するのは難しいと思う。

もっとも、再分配の主張自体、なかなか浸透しづらいもので、それよりも一見わかりやすい「減税」の方が大衆の心をとらえる。それを十二分に利用しているのが、名古屋市長の河村たかしである。

先週の週末は、河村が名古屋市長を辞職して、来年2月の愛知県知事選とのダブル選挙にする狙いをむき出しにした。要するに、自民党を離党して愛知県知事選に立候補を予定している大村秀章への援護射撃をしようというわけだ。

その直前に、名古屋市選挙管理委員会が、河村が主導する名古屋市議会の解散請求署名の有効署名数が、必要な数に達していないとの判断を示した時には、選管を批判する声を多く取り上げたマスコミも、中日新聞が「辞任に大義なし」、毎日新聞が「愛知県知事選への援護射撃であることは明白」とするなど、辞任表明に関しては河村を厳しく批判し、河村は、記者会見で辞任の理由について問い詰められてしどろもどろになるという醜態を晒した。

しかし、それでもなおかつ名古屋市民の間では、河村の辞任を支持する意見が、不支持とする意見をわずかに上回っている。昨今の日本の政治におけるポピュリズムの蔓延を考える時、愛知県知事選では大村が勝ち、名古屋市長選では河村が圧勝することはほぼ間違いないのではないか。

それに目をつけて、河村や大阪の橋下徹に秋波を送るのが、小沢信者さんたちが大好きな原口一博である。以下、朝日新聞記事(下記URL)から引用する。
http://www.asahi.com/politics/update/1128/TKY201011280172.html

原口氏、連立組み替えの必要性語る 地域政党連携も視野

 民主党の原口一博前総務相は28日、菅内閣の支持率が急落していることについて「支持のない(連立の)枠組みは国民や国益にプラスにならない」と述べた。国民新党との連立の枠組みを見直し、自民党や公明党を視野に入れた連立組み替えが必要との考えを示したものだ。東京都内で記者団に語った。

 また、原口氏は「大阪府の橋下(徹知事)さんやいろいろな首長さんが地域政党を作っており、連携も視野に入れたい」とも語り、橋下知事が代表の地域政党「大阪維新の会」や、河村たかし名古屋市長の「減税日本」との連携にも意欲を示した。

(asahi.com 2010年11月28日19時14分)


原口のポピュリズム全開ぶりには、唖然とするばかりである。国民新党を切って、自民党や公明党と連立を組む、それどころか橋下や河村とも連携しようというのだ。テレビで名を売ったため、何を勘違いしたか「次期総理大臣候補」だと思い込んでいるらしい原口だが、橋下や河村など、人気のある人間には見境なく飛びつく軽薄さが我慢ならない。だが、「敵味方思考」しかできない小沢信者の間では、原口の人気は異様に高い。

最近、小沢一郎は「ネット重視宣言」をしたそうだが、言い方を変えれば、これは小沢一郎の「ひきこもり宣言」である。そこで、原口は自ら頂点の座を目指そうと発信を始めたのかもしれないと思うが、まあなんというか、この程度で政治家が務まるのかと笑ってしまう。

そもそも、小沢一郎にも橋下徹にも河村たかしにも言えるのだが、支持者が「無血革命」や「庶民革命」などの言葉を無邪気に信じている時点でダメだと思う。それは、具合が悪くなると、水戸黄門よろしく権力者が現れて、下々のために仕事をしてくれるという都合の良い信仰でしかない。

経済も社会も縮んでいく時代においては、一人一人が立ち上がらなければ立ち行かない、今はそんな状況ではないかと思える。


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仙谷由人官房長官の「暴力装置」発言をめぐる馬鹿馬鹿しい議論が巻き起こっていた最中に、北朝鮮による韓国領延坪島への砲撃事件が起き、民間人2人を含む韓国人4人の死亡が報じられた。

これは、誰が何と言おうが許してはならない蛮行である。いかなる主体が行ったものであれ、殺人は殺人。昔から私はずっとこの考えを持っているから、アメリカやイスラエルによる殺人には猛り狂うけれども、北朝鮮による殺人については、「北朝鮮が主張する軍事境界線を越えて、アメリカと韓国が合同軍事演習をやったからだ」などと言い訳して北挑戦をかばう、カビの生えたような前時代的な左翼の言論には断じて与しない。殺人は殺人であり、北朝鮮を弁護すべき理由はこれっぽっちもない。共産党の志位委員長が、

砲撃を受けた延坪島と同島への航路が韓国側に属することは、北朝鮮自身も認めていることであり、北朝鮮の言い分はまったく成り立つものではない

と指摘したことを、「しんぶん赤旗」が報じているので参照されたい(下記URL)。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-11-25/2010112501_01_1.html

しかし、この件を口実にして、朝鮮学校の高校無償化からの適用除外の解除を停止する指示を、菅直人首相が出したことは、断じて支持できない。

「高校無償化からの適用除外の解除の停止」と書いたが、何重否定か分からなくて混乱した読者もおられるだろう。これは、民主党の目玉政策の一つである高校無償化から、「旧民社の害毒」・中井洽が言い出したことで、当時の首相・鳩山由紀夫が、中井をたしなめるどころか中井に「理解を示して」しまい、国連の人種差別撤廃委員会から「懸念」を示されるという、国辱ものの事態を招いた。

その後、文科省が朝鮮学校にも無償化を適用する方針を示したが、政府は今回の砲撃事件を受けて、これを一時停止する方針を示した。菅直人首相が直接指示したものらしい。

だが、これはいうまでもなく筋違いである。北海道新聞のコラム「卓上四季」が、

日本で暮らす高校生にどんな責任があるというのか。こんなときにこそ冷静に理非を判断して節を曲げないのが、大人の国の対応だろう。

と書く通りである。

ここで共産党を持ち上げて民主党を批判すると、また何か言われそうだが、こういう時に冷静に近隣の共産主義国を批判する共産党と、すぐ「朝鮮嫌い」の右寄りの人たちに迎合して、国際社会から人種差別撤廃条約に違反する差別国家とみなされても仕方ない政策をとる民主党政府との違いにため息が出る。確かに、朝鮮学校の無償化からの適用除外の言い出しっぺは、「旧民社の害毒」・中井洽かもしれないが、鳩山由紀夫が中井を増長させ、菅直人が人気とりに利用する。こんな時こそ、小沢一郎がビシッと菅直人を批判すれば、小沢一郎を見直そうともいうものだが、配下に極右を含むタカ派国会議員を多数抱える小沢一郎は、決して菅直人にそんな諫言はしないだろう。それどころか、「インターネットを通じ、自分の本当の姿、率直な意見を伝える機会を数多く持ちたい」などと、「ネット重視宣言」をする始末だ。私はこれを知って、小沢一郎自身が「小沢信者」になってどうする、と思ってしまった。「裸の王様」とはこのことである。

結局、民主党のトロイカは、揃いも揃って馬脚を現してしまったなあと思う今日この頃なのだが、こんな状態になると、ますます橋下徹ら、地方の右寄り・新自由主義寄りの人たちの台頭が懸念される。

その一人、名古屋市長・河村たかしが主導する市議会の解散請求(リコール)で、市選管による審査の結果、有効署名数がリコールに必要な数に届かないことが明らかになった(下記URLの中日新聞記事参照)。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2010112490170826.html

河村は、「民主主義の恐るべき危機だ」などと息巻いているが、議員定数と議員報酬をそれぞれ半減し、市民税の減税を行うと、一時的に名古屋市民の拍手喝采を受けるかもしれないが、市政のサービスは低下し、結果的に名古屋市の富裕層しか特をしない結果になる。これが河村のやり方であり、さらに自民党国会議員の大村秀章を愛知県知事選に担ごうとしている。

3年前の「消えた年金」問題で大村が赤恥をかいたことはともかく、厚労副大臣も務めた大村が「減税真理教」の河村と手を組むとは何を考えているのか。大村は、昨年初め、年越し派遣村に厚労省の建物を開放した時にもこれにかかわったことがあり、自民党の政治家の中ではマシな部類かと見直したこともあったが、しょせん大村は大村だった。

大阪府知事の橋下徹は、「手続き面で無効になった署名がたくさんあるんじゃないか。制度の欠陥で名古屋市民の意思表示が全部パーになるのはおかしい」と述べ、河村に「めげずにがんばってもらいたい」とエールを送るなど、全面的に河村をバックアップする構えだが、そういえば小沢信者方面から橋下徹を批判する声が小さくなってきた。それでも、今でも彼らは橋下には批判的なのに河村には容認的という矛盾したスタンスをとっている。かつては、稲田朋美をこき下ろしながら、極右的な主張が稲田とほとんど変わらない城内実を支持していたこともある彼らは、矛盾も何のその、「敵味方思考」だけで政治家の支持不支持を決めるのだが、橋下徹と河村たかしのどこがどう違うのか、一度きっちり説明してほしいものである。

名古屋市議会のリコールは不成立の見通しだが、愛知県知事選に続いて、来年4月の統一地方選では名古屋市議会選挙もある。現状では、河村市長派が大幅に躍進することは間違いないだろう。大衆迎合政治家・河村たかしとの闘いは、これからが本番だ。


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このところ、「鍋党」そっちのけ尖閣ビデオ流出の件や仙谷由人の「暴力装置」の件ばかり取り上げることになってしまっているが、私にとってはこの2件は「合わせ技一本」みたいなものであり、尖閣ビデオを流出させた海保職員(海上保安官)を「逮捕しないでくれ、処分しないでやってくれ」と叫んだり、仙谷由人の「暴力装置」発言に「自衛隊の隊員たちも決していい気持ちはしない」、あるいは「命懸けで国土を守る自衛官への冒涜だ」などと叫ぶ、俗情に流された意見が世論の大勢を占める状態には、それこそ「日本がアブナイ!」と感じてしまう。

特に後者の件で、常日頃「反戦平和」を旗印にしている人たちまでもが、仙谷由人の「失言」と表現している件にも失望させられる。つい数年前まで「護憲」を掲げていた朝日新聞(撤回したという話は聞かないから、今でも建前上は「護憲」なのだろう)が、「『暴力装置』の表現は、かつて自衛隊を違憲と批判する立場から使用されてきた経緯がある」などとミスリードするものだから、「左の朝日がそんなことを書くくらいだから」とばかり、国民の大多数がその方向に流れてしまっている。

だが、朝日新聞が「左」だの「護憲」だの「進歩的」だの「リベラル」だのという時代はとっくに過去のものになっている。既に経済政策に関しては、10年も前から新自由主義志向の強い「経済極右」的傾向を顕著に示してきた朝日だが、最近は政治思想的にもすっかりおかしくなった。「『暴力装置』の表現は、かつて自衛隊を違憲と批判する立場から使用されてきた経緯がある」なんて嘘は、読売新聞でさえ書かない。他にそんなことを書くのは、夕刊フジ城内実くらいのものである。

それもそのはず、自衛隊(や警察)を「暴力装置」と呼ぶのは、別に左翼の専売特許でも何でもなく、政治を論じる場合の基本的な了解事項だ。石破茂小林よしのり池田信夫(ノビー)、植草一秀(ミルトン・フリードマンの信奉者)といった、そうそうたる「右」の論者も、こぞって「自衛隊は暴力装置」だと主張する。それが当たり前だからだ。

世耕や朝日新聞などに騙されて、Twitterで

マックス・ウェーバーによる「暴力装置」とは「軍隊・警察は国家権力の暴力装置である。国家から権力奪還するためには社会の中に新たな暴力が組織化されなければならない」と暴力革命を是とし、国家は悪であるとの認識では?仙谷官房長官がこの考えであれば、マルクス主義から脱却していないの?

などとつぶやいた自民党参院議員の佐藤正久は、誤りを指摘されてこれを訂正し、

マックス・ウェーバ?が暴力革命を是とするとした呟きは誤りでした。取り消せて頂きます。ご指摘ありがとうございました。

と書いた。無知は褒められないが、誤りを訂正する態度だけは評価できる。本記事の初めの方で書いた、「命懸けで国土を守る自衛官への冒涜だ」とは、自民党総裁・谷垣禎一がTwitterに書いた言葉だが、谷垣は佐藤正久とは違って訂正も何もしていない。この男は世襲政治家だが、やはり世襲政治家にろくな人間はいない。こんな男に自民党総裁が務まるのだから、自民党も堕ちたものである。

そもそも、仙谷由人自身、護憲派ではない。明文改憲論者である。石破茂とは、政治的スタンスにさしたる違いはない。一昨日(20日)に書いた「kojitakenの日記」の記事にいただいた、kemouさんのコメントに、的確な指摘がなされているので、以下引用する。

kemou 2010/11/21 01:08

仙谷に対する批判として「仙谷は(元)左翼だから、ウェーバーと同じように暴力装置という言葉を使った石破とは違い、自衛隊を貶す意味で使ったに違いない」というものがあります。そこで気になったので仙谷が過去にどのように「暴力装置」という表現を使ったか彼のサイト内を検索してみました。すると以下の3つの文章が出てきました。

http://y-sengoku.com/06/00/00112901.html
http://y-sengoku.com/06/05/051003.html
http://y-sengoku.com/06/04/040308.html

一番上のURLから一部引用しますと「権力の背後には物理的な強制手段があります。これは警察力、軍事力を独占することで、国家権力にさせる、というのが近代主権国家であります。(略)中央集権的な国家権力以外に、警察力、軍事力を持つことができないというのが、明治維新政府の、疑似近代国家と言ってもいいでしょう。そういう近代国家というのは、物理的な強制手段、暴力装置を独占するというところに、徴税権や裁判権の現実的な機能を担保する根拠があるわけです」とあります。

これは完全にウェーバーのそれと同じで、左翼云々とは無関係ですね。
さらに仙谷はこれらの文章でそれに続けて憲法の中に自衛隊が存在する根拠を書くべきと、
憲法9条を変えることに言及し、さらに護憲論への批判も少なからず加えています。

これらを見ると「(元)左翼云々?」は完全に的外れで、
石破との一致性のほうがより際立ってきます。

どうも右側の(中の馬鹿な)人達は「仙谷=社会党出身」ということにばかり惑わされて、
仙谷由人に対して実態とはかけ離れた攻撃を加えてるように思えます。


日頃から「反戦平和」を訴える人間であれば、仙谷が石破と同様の政治的立場をとる人間であることをとらえて、仙谷を批判すべきだと思うが、それどころか「命懸けで国土を守る自衛官への冒涜だ」などと情緒的につぶやく谷垣禎一に対する批判さえもできず、仙谷由人の発言を「失言」と言ってしまう、書いてしまうようではダメだ。政治学では当たり前の用語を「言葉狩り」してしまう今の日本はとてもアブナイ。そうは思わないか。

まさにこの文章を書きながら、柳田稔法相の辞任(後任は仙谷由人が兼務するとのこと)を知ったが、柳田稔の発言は弁護のしようのない「失言」であるのに対し、仙谷由人の「暴力装置」は失言ではない。むしろ、筋の悪い批判を行った世耕弘成こそ強く批判されるべきだ。この批判があまりに筋が悪かったことは、安倍晋三、平沼赳夫、稲田朋美らでさえ騒いでいないことからも明らかであり、バカみたいに騒いでいるのは、石原慎太郎や城内実など、極右政治家の中でも軽薄な連中だけである。だが、その軽薄な主張が多数の国民の心をとらえている。

どんどん台頭してくる極右言論に対する対抗言論があまりに弱すぎる。頭の痛い問題である。


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前回のエントリを公開したあと、ブログのテンプレートを変えた。これは、同エントリで紹介した東本高志さんのブログ「『草の根通信』の志を継いで」で、「沖縄県知事選の期間中、背景をイハカラー(黄)で統一します」というキャンペーンを知り、伊波洋一候補を支持する当ブログがこれに賛同したためだ。直接には、「vanacoralの日記」がブログの背景をオレンジ色にしたことに触発された。黄色でなくオレンジ色なのは、「はてな」には背景色が黄色のテンプレートがないためとのことだ。私も「はてな」に「kojitakenの日記」を持っているが、ある理由からオレンジ色には抵抗があることと、FC2だったら背景色が黄色のテンプレートも用意されていることから、「はてな」の方は従来通りで、こちらのブログを沖縄県知事選の期間限定で、背景を黄色にすることにした。

さて本論だが、今回のエントリでは、柳田稔法相に対する批判を、ある程度大きく扱うつもりだったが、連日続く「右」側からの猛攻で、それどころではなくなった。全く言及しないわけにはいかないので一言だけ述べておくと、柳田稔というのは、旧民社の政治家であって、鳩山内閣に引き続いて、菅内閣でも「旧民社の害毒」はとどまるところを知らないということだ。鳩山内閣と菅内閣の断絶を主張する意見が、主に小沢信者に多いが、私の目につくのは連続性ばかりであって、普天間基地移設問題にしても、無能な平野博文や高校無償化らから朝鮮学校を除外しようとした中井洽から現在の柳田稔まで連綿と続く「旧民社の害毒」といい、菅内閣は鳩山内閣の延長であるとしか私には思えない。もちろん総理大臣である菅直人の責任は免れないが、民主党内でかなりの勢力を占め、民主党を「右」に引っ張る旧民社には、「その代わり」といえるような政治の能力さえほとんどないから、ゴロツキみたいなものとしかいえない。彼らは今後淘汰されてしかるべきだし、菅首相は柳田法相を罷免すべきだろう。

このところ何度かとりあげた尖閣ビデオの流出事件については、石原慎太郎と佐々淳行が「中国の漁船(の漁師が)モリで突いてる」というデマを拡散したことが見逃せない。15年ほど前にブームになった「と学会」の会長・山本弘氏さんが、ご自身のブログで石原と佐々の蛮行を検証している(下記URL)。
http://hirorin.otaden.jp/e135038.html

山本さんの検証記事によると、石原は10月24日、フジテレビの『新報道2001』で「政府の関係者から聞いた。日本の巡視船の乗組員が何かの弾みに落ちたのを、中国の漁船(の漁師が)モリで突いてるんだって。それは『仄聞ですが』と、数人の人から聞いた」と発言した。山本さんが書く通り、「仄聞」(そくぶん)とは、「ほのかに聞くこと。うわさに聞くこと」という意味であり、要するに石原は「ソース不明の情報ですよ」と言っているわけだ。海上保安庁の広報担当者は26日、「そういう事実はない。巡視船の乗組員は海に転落していないし、誰もケガをしていない」とコメントした。

しかし、11月7日に、大阪・読売テレビが制作する悪名高い極右番組「たかじんのそこまで言って委員会」に出演した元自衛官・惠隆之介氏は、「乗員が海に落ちたらしいという情報ですね。それをモリで突こうとしたという関連も、私は聞いております」と発言した。ただし情報の出所については口をつぐんだ。

さらに、翌11月8日に、テレビ朝日「ワイド!スクランブル」に出演した佐々淳行氏は「検挙活動の際に、中国船に(海保職員が)3人乗ったところで、離れて、1人突き落としているという、複数の、確実と思われる情報があります。それが一生懸命泳いでいるのをモリで突いた。さらにはね、乗り切っちゃって沈めようとした」と発言した。

ここで注目されるのは、石原が「仄聞」と言っていた情報が、佐々によって「確実と思われる情報」にアップグレードされてしまったことだ。これが、「嘘も100回言えば本当になる」というファシストの手口であり、1930年生まれで、ヒトラーがドイツの総統であった頃に少年時代を過ごした佐々は、80歳を目前にしてその手口を真似ているわけである。佐々の目的は政府転覆であり、そのためには手段を選んでいないことはいうまでもない。佐々から私が思い出したのは、関東大震災の時に、警察官僚の正力松太郎が、「朝鮮人が暴動を起こしている」というデマをばら撒き、これが日本人による朝鮮人虐殺を引き起こしたことだ。佐々も元警察官僚である。警察官僚とは、こんなことばかりやる人たちなのか。

石原や佐々のような老害が妄言を撒き散らすかと思えば、中年世代も負けてはいない。昨日(18日)の参院予算委員会で、官房長官の仙谷由人が、自衛隊について「お装置」と発言したことに噛みついて、仙谷長官と菅直人首相から謝罪発言を引き出したのは、世耕弘成だった。あっけなく謝罪した政府にも呆れたが、さらに酷かったのは野党とマスコミであり、たとえば「夕刊フジ」はこんな記事を書いた。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20101118/plt1011181654010-n1.htm

以下引用する。

 まず、この日の失言王となったのは仙谷氏だ。同日午前の委員会では、防衛省が関連行事の来賓に政治的発言を控えるよう求める通達を出したことに対する質疑が行わた。この中で、仙谷氏は「公務員の世界では、(言動に)政治的中立性が求められる」と指摘。そのうえで、「暴力装置でもある自衛隊、軍事組織でもあるから、シビリアンコントロールが効かなければならない」と語ったのだ。

 「暴力装置」という表現は、ロシア革命で主導的役割を担ったレーニンの著書「国家と革命」に出てくるほか、かつて自衛隊を違憲と批判する立場から使用されてきた経緯もある。

 当然、委員会室は怒号で包まれ、質問者である自民党の世耕弘成幹事長代理は発言の撤回と謝罪を要求。仙谷氏は「不適当だった。自衛隊のみなさんには謝罪致します。撤回して実力組織と言い換える」と陳謝した。

 また、菅首相も同日午後の委員会で、「(仙谷氏を)後で呼んで注意する」と述べるとともに「内閣の責任者として私からもおわびしたい」と述べた。

(ZAKZAK 2010年11月18日)


私がこの記事を読んで呆れたことはいうまでもない。「暴力装置」という言葉からマックス・ウェーバーを思い出したのは当然だろう。政治学には門外漢の私でさえ簡単に思い出すほど有名なことだから、政治家なら誰しもウェーバーを想起して当然だろう。暴力装置であるからこそ、仙谷由人が言う通り、文民統制(シビリアンコントロール)が不可欠なのだ。こんなことは「常識」の範疇に属する事項だろう。それを「左翼のDNA」などとほざく渡辺喜美とは、なんて馬鹿な政治家だろうか、世襲政治家なんてやっぱりこの程度なんだな、記事もフジサンケイグループのZAKZAKらしいな、と鼻で笑ったのだった。ところが、フジ産経ばかりではなく、マスコミがこぞってこの仙谷発言を問題視していたので仰天した次第だ。

国会で質問した世耕弘成や、その尻馬に乗った丸川珠代が、ウェーバーを知らなかったのか、知っていながらとぼけて仙谷長官や菅首相を攻撃したのかはさだかではないし、どちらでも良いことだ。前者なら「こいつら馬鹿じゃないか」、後者なら「この卑怯者め」、と思うだけの違いであって、いずれにしても世耕や丸川の評価を改善することには、間違ってもならない。

実際、過去に自民党の石破茂が、「第7回朝日アジアフェロー・フォーラム」で、

警察と軍隊という暴力装置を合法的に所有するというのが国家の1つの定義のはず

と述べたことが、asahi.comに残っている(下記URL)。
http://www.asahi.com/international/aan/hatsu/hatsu090414d.html

国会での世耕や丸川の質問、特に、「謝って済む問題だと思っているのか」とヒステリックに菅首相を責め立てた丸川の狂態は、いくら東大を出たからといって、テレビ朝日から自民党と渡り歩いたこの政治家の頭の中はスッカラカンなんだなと思って軽蔑したが、それ以上にどうしようもなかったのが、仙谷由人も菅直人も簡単に謝罪したことだ。そういう空気に、今日本の政治が包まれている。自民党総裁の谷垣禎一までもが、「『暴力装置』とは左翼文献に見られる表現だと聞いている」などとコメントし、その空気に乗った。谷垣は、石破茂を自民党から除名すべきではあるまいか。

そして、何より呆れたのが朝日新聞だ。asahi.comには石破茂による「警察と軍隊という暴力装置」という発言が残っているのだが、朝日新聞に載った記事は下記URLだ。18日付夕刊に載った。
http://www.asahi.com/politics/update/1118/TKY201011180169.html

「kojitakenの日記」にも書いたので、ここでは記事からの引用は最小限にとどめるが、この記事で私が目を剥いたのは、

 「暴力装置」の表現は、かつて自衛隊を違憲と批判する立場から使用されてきた経緯がある。

というくだりだ。一瞬産経の記事かと目を疑ったが、間違いなく朝日の夕刊に出ているし、asahi.comにも載っている。読売や毎日の記事には見つからなかったが、朝日がこんなことを書いた以上、「バスに乗り遅れるな」とばかり、早晩読売も毎日も追随するのではないか。何より、夕刊フジの記事に表現が酷似していることには驚く。

当ブログが以前から朝日新聞を「経済極右」と見なしていることは、継続的な読者の方はご存知だと思うが、最近の同紙の若手記者には、政治思想や外交・安全保障関係でも右派的な考えを持つ者が目立ってきたようだ。思い出すのは、昨年だったかに星浩が「最近の記者は支局勤務を嫌がる」などと言っていたことだ。マスコミにコネ入社が多いことは有名だが、世襲記者が(記事を書いたのが世襲記者とは限らないが)世襲政治家と癒着して、彼らの言うままの言葉を自社の見解であるかのように垂れ流す。朝日の記事を夕刊フジがパクったのか、夕刊フジの記事を朝日がパクったのか、はたまた、誰か政治家のコメントか何かを、朝日と夕刊フジの記者がともに引用先を明記せずに垂れ流したのかはわからないが、どのケースであってもろくでもない話だ。そして、一つだけ確信できることは、記事を書いた朝日新聞記者が常識を欠いていることだ。学生時代に勉強などまともにしなかったに違いない。

それにしても、朝日新聞にこんな記事が載る時代になったのかと、世間の急激な右傾化には目も眩むばかりだ。こういう時だからこそ、当ブログは「KY」(空気を読めない)に徹して、というより空気に逆らって、意見の発信を続けていきたいと思う今日この頃である。
2010.11.19 09:00 | 朝日新聞批判 | トラックバック(-) | コメント(17) | このエントリーを含むはてなブックマーク
今回も尖閣ビデオ流出問題の件から始めるが、この件で勢いづいたのが国内の極右勢力である。政治家でも、石原慎太郎、安倍晋三、城内実ら、いつもの極右政治家たちが勇ましい言葉で大衆を扇動している。『kojitakenの日記』で、一昨日(13日)には安倍晋三と城内実、昨日(14日)には石原慎太郎をそれぞれぶっ叩いておいたので、興味のある方はご参照いただきたい。

今回の件は、最初に政府がビデオの存在を思わせぶりに口にして、一部の国会議員に映像の一部だけを見せるなどしておきながら、間抜けにもセキュリティ管理がずさんで、易々と海上保安官にビデオの流出を許したという拙劣さが最大の問題だ。政府は厳しく批判されて当然だろう。

だが、その批判が、ビデオを流出させた海保職員を英雄視するという、「右」からの偏狭なナショナリズムによるものが圧倒的に多いところに、事態の深刻さがある。

中には、「『知る権利』によくぞ応えてくれた」と、海保職員を絶賛する馬鹿者どもが少なからずいるが、私にとってこれほど腹立たしい意見はない。

これまでにも何度か書いたように、私が小学生だった頃の1972年に起きた「西山事件」は、私がジャーナリズムへの関心を持つきっかけになる事件だったが、当時家で購読していた毎日新聞は、連日「知る権利」を見出しに踊らせて大々的にキャンペーンを張っていた。毎日新聞の西山太吉記者(当時)が、1971年に沖縄返還をめぐる密約を暴いたが、ニュースソースを佐藤栄作内閣に突き止められて、翌1972年4月に、外務省女性事務官とともに、国家公務員法違反で逮捕されたためだ。

毎日新聞はこれにいきり立ち、連日政府批判の大キャンペーンを張ったが、のちに民主党議員になった東京地検特捜部所属の検察官・佐藤道夫(2009年に76歳で死去)の奸計によって、下半身の問題にすり替えられて、『週刊新潮』その他の大々的な攻撃を受けた毎日新聞は世論の支持が得られず、すごすごと引き下がった上に大幅な部数減を招いて経営破綻するに至ったのだった。

その事件と今回のどこが違うのか。いうまでもなく、西山元記者は在野のジャーナリストとして日米両政府間の密約に迫ったものであるのに対し、今回は政府の対応に不満を持つ海保職員が、政府がもったいぶって公開を渋っていた動画を公開したものであることが最大の違いだ。つまり、西山元記者の取材は権力と対峙していた人間がやったのに対し、今回の事件は権力側の人間がやったことなのである。つまり権力の内紛ないしは権力のタガのゆるみであって、真実に迫ったネットの勝利でも何でもない。

右翼や安倍晋三・城内実・石原慎太郎ら極右政治家が海保職員を英雄視するのは、彼らの利害からいって当然だろうけれど、それに呼応するかのように一部の小沢信者が海保職員を持ち上げているのには頭が痛い。ここらの心理機構を考えてみると、小沢信者というのは、小沢一郎という「剛腕」の持ち主による、「上からの革命」を期待している人たちだから、秘密にアプローチしたのが権力に対峙する側だろうが権力側だろうが、そんなことには何のこだわりもなく、無邪気にマンセーしてしまえるのかもしれない。

その西山元記者へのインタビューが12日付の朝日新聞に掲載された。ネットには流れなかったようなので、要旨を紹介する。以下の文章は、朝日新聞掲載の西山氏インタビューの自由な引用であり、記事の文章を大幅に省略している(特にインタビューの前半)ことをおことわりしておく。

 私(=西山太吉氏、引用者註)の事件で、最高裁は国家公務員の守秘義務の対象となる秘密について「一般に知られていない(非公知)」「保護に値する」の2要件を見たす場合に限定されるという凡例を示した。違法な秘密は保護に値しないはずだが、政府側の偽証、でっちあげによって正当化されてしまった。

 今回の事件の映像について、政府が当初非公開としたことは否定しないが、その後の経緯から、これを「非公知」とはいえないと思う。海上保安官を罪に問えるだろうか(、疑問だ=引用者註)。

 今回の事件を受け、政府は機密保全に関する罰則強化に言及している。掲げてきた旗印を捨て去る兆しではないか。民主党政権は国家情報の公開こそが民主主義の要であるとして、沖縄返還密約も徹底調査したはずだ。情報公開を大前提とした枠組みの中で適切な情報管理がなされるよう、国民もメディアも監視を強める必要がある。

 一方、流出映像をもとに「弱腰外交だ」とあおり、対中強硬路線や日米同盟強化を声高に主張する勢力がいる。日中関係は日米関係に匹敵する外交の柱。中長期的視野に立ち、様々なトラブルを冷静に忍耐強く乗り越えて確立することは日本にとって死活問題だ。

 これまで日本の領海で海上保安庁の公務執行を妨害してきた中国船をはじめ外国船は数知れない。自民党政権から脈々と続く「見て見ぬふり」の累積の末、今回は逮捕の局面に至ったに過ぎない。

 自民党は、大臣の問責決議などで政府の責任を追及する構えだ。東京地検は今年4月、沖縄返還をめぐる密約の存在を認める判決を下したが、政権交代までの37年間、「密約はない」と国会で偽証してきたのは自民党政権だ。重大な外交交渉結果の密約を否定し、国民をだまし続けておきながら、情報をめぐる危機管理のあり方を糾弾する姿勢は矛盾もはなはだしい。

(朝日新聞 2010年11月12日付 西山太吉・元毎日新聞記者へのインタビューより)


これは、実にバランスのよくとれた主張であって、西山氏が現役時代に敏腕記者であったことをよくうかがわせるものだと思う。まず、今回の事件で保安官を犯罪に問うのは難しいのではないかとの見解を示し、次に、罰則強化などもってのほか、そんなことをやったら、民主党政権の公約違反だと、民主党政府に強く釘を刺し、さらに論点を「弱腰外交」との自民党など右側からの政府批判に移して、これに対する反論を行い、最後に沖縄密約について37年間嘘をつき通してきた自民党を厳しく批判するという、すっきりして論理的、かつ説得力のある主張である。

同じ紙面の、西山元記者のインタビューの下には、佐藤優のインタビューも出ている。小沢信者の多くは、この佐藤優を支持しているが、この佐藤は、何度も書くように、安倍晋三やイスラエルを支持する政治思想右翼である。しかし、左側に向けてもいい顔をして読者を騙すのが佐藤の得意技であり、朝日のインタビューでは新聞の読者層も考慮して、「左」にいい顔をする佐藤の面が出ている。バカバカしいから佐藤の主張はここでは紹介しない。

その代わり、11日に告示された沖縄県知事選の話をする。

mixiに開設した「鍋党」コミュニティに、東本高志さんが、沖縄県知事選を取り上げたご自身のブログ「『草の根通信』の志を継いで」のエントリ「佐藤優の論に異議あり ――本日の『写真で見る・知る沖縄』ブログ」を紹介されていた。

東本さんは、鍋党コミュにお寄せいただいたコメントで、沖縄の米軍基地問題について、「これも『本土』と沖縄に横たわる根底的な再分配の問題というべきではないでしょうか?」と書かれているが、その通りだと私も思う。その上で、東本さんは佐藤優を以下のように批判している。

佐藤優は上記の「評論」の中で次のように述べています。

11月28日の沖縄県知事選挙は、事実上、仲井真弘多氏と伊波洋一氏の一騎打ちとなる。いずれの候補が当選しても、外務官僚、防衛官僚が望む米海兵隊普天間飛行場の県内移設を認めることにはならない。(略)そのために、仲井真候補も伊波候補も、選挙で当然生じる感情的しこりが、官僚に付け込むすきを与えないように『戦後処理』を考えながら選挙戦を展開してほしい。


佐藤は仲井真氏と伊波氏を同列に並べて「いずれの候補が当選しても、県内移設を認めることにはならない」と述べていますが、この論じ方に私は彼の意図的なトリックを感じます。佐藤は「県外移設」という言葉こそ最近口にしだしたものの「県内移設反対」とは絶対に言わない仲井真氏を当選させたいと本音のところでは思っているのです。しかし、普天間基地の県外移設を強く求める沖縄県民の「民意」の前ではそのことをあからさまにすることはできない。そこで「いずれの候補が当選しても、県内移設を認めることにはならない」などと間接的に仲井真氏をバックアップする論陣を張ろうとしているのです。私たちはこの佐藤のトリックにだまされてはならないでしょう。

(「『草の根通信』の志を継いで」 2010年11月13日付エントリ「佐藤優の論に異議あり ――本日の『写真で見る・知る沖縄』ブログ」より)


上記引用文のあと、東本さんは、目取真俊氏のブログ「海鳴りの島から」を引用しながら、佐藤優に対する批判を続けているが、内容については、下記リンク先に飛んでご参照いただきたいと思う。
http://blogs.yahoo.co.jp/higashimototakashi/9335200.html

この沖縄県知事選では、自公が現職の仲井真弘多を推しており、対立候補の伊波洋一を社民、共産、社大(沖縄社会大衆党)が推すほか、うさんくさい下地幹郎が幹事長を務める国民新党もなぜか伊波氏を推すという対立構造になっているが、民主党は自主投票を決め込んでいる。もちろん、菅執行部が本音では仲井真の当選を願っていることは想像に難くないが、民主党内反主流派の小沢派も、議員や信者たちが佐藤優なんかにかぶれているようでは、実質的に仲井真に味方しているようなものだろう。そうでなくとも、小沢信者の少なからぬ割合を占めると思われる元左翼までもが、佐藤優だの鈴木宗男だのに取り込まれているうちは、自民党の復調は着実に進んでいき、沖縄県知事選も4年前に続いて仲井真弘多の軍門に下ってしまうのではないかと恐れる今日この頃である。仲井真弘多のみならず、佐藤優にも「ノー」を突きつけない限り、「本土」と沖縄の再分配問題は前に進まない、と強く主張する次第である。


[PS] (2010.11.17)

当ブログも、東本高志さんに倣って、沖縄県知事選の期間中、デザインを変えて「イハカラー」の黄色にしてみました。


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前回のエントリには、思わぬ大きな反響があったようだが、実は先月末頃から今週初め頃まで、ここ数年ではもっとも調子が悪い日々が続いていて、せっかくmixiの「鍋党」コミュニティを発足させたというのに、不活発をきわめていた。そのせいなのか、『龍馬伝』を見たあとに続いてNHKスペシャルを見たせいなのか、Nスペのキャスターの姓を「坂本」だとばかり思い込んでいて、記事でもそう表記していたのだが、正しくは「城本」だったことを、前回のエントリにTBいただいた『ニコブログ』の記事で知った。同ブログのエントリ「NHKスペシャル『862兆円 借金はこうして膨らんだ』 詳細メモ&感想」(下記URL)に、私が散々悪態をついた番組の内容が文字起こしされているので、興味のある方はご参照いただきたい。
http://nikonikositaine.blog49.fc2.com/blog-entry-1634.html

キャスターの城本勝氏には失礼なことをしたと遺憾の意を表したいが、『ニコブログ』の記事にあるように、番組内容はひどいの一語に尽きた。妙にやつれて、戦時中の「銃後の妻」を思わせた首藤奈知子アナとのコンビは本当に最悪で、もう二度とこのコンビのNHKスペシャルは見たくないと思えた。

個人的には、ようやく最低の調子が続いた日々を脱し、気力を取り戻しつつあるが、世間は尖閣ビデオ流出の件で大騒ぎになっている。特に憂慮すべきは、ビデオを流出させた神戸の海上保安庁職員が英雄扱いされている風潮である。

このビデオ流出騒ぎは当初、陰謀論系ブログ左翼と石原慎太郎(笑)が「アメリカの陰謀だ」という陰謀論を唱えていたが、私は最初から海保のセキュリティ管理がいい加減だったからビデオが流出したのだろうと思っていた。どうやらその通りだったようだ。USBメモリあたりを使って持ち出したんじゃないかとも思っていたが、これまたその通りで、今時職場のコンピュータからUSBにファイルを落とせるようになっていること自体、信じ難いセキュリティの甘さだが、役所である程度以上の役職についている人間だったらありそうなことだとも思う。こんなのは法律で罰則を強化する以前の話だ。

それにしても頭が痛いのは、国内に高まる反中の機運が、海保職員を「英雄」視するムードを作り始めたことだ。私は朝はNHKニュース(おはよう日本)、夜はテレビ朝日の報道ステーションを見るのが日課だったが、最初に書いた少し前までの体調不良によって、ここ最近は朝のNHKニュースをほとんど見ていない。だから知らなかったのだが、NHKは海保職員に味方するような報道ぶりらしい。テレビ朝日の方はそこまでひどくはないのであまり気づかなかったが、前のエントリで書いたNHKスペシャルといい、NHKが急速に右翼化しているのだろうか。

もちろん、自民党やその支持者、右翼らは攻勢に出ているし、なぜか小沢信者の一部か相当数かは知らないが、自民党や右翼に同調する動きも見られる。過激な新自由主義者として知られる藤沢数希の言説を引用して菅政権を攻撃した小沢信者もいるし、某有名ブログのコメント欄に掲載された告知からは、佐藤優、副島隆彦、植草一秀にかぶれたあげく小沢一郎を信仰するようになった小沢信者の信仰告白が読める(昨日の『kojitakenの日記』を参照)。佐藤優は安倍晋三とイスラエルを支持する政治思想極右であり、副島隆彦はリバタリアンを自称して河村たかしを熱烈に支援する新自由主義者であることはいうまでもない。

彼らに比べれば橋下徹の方がまだマシで、産経新聞の報道によると、橋下は「本人には気の毒だが、公務員は政治家の決定に従うべきだ」、「僕はどういう理由があったとしても、公務員が政治家の決定に従わなくてはならないと思う。そこが崩れたら政治行政は成り立たない」、「非公表を決めた責任は民主党政権が取るべきだ。そうした大きな判断も公務員に委ねると、政治が回らなくなる」などと語ったそうだ。河村たかしはこの件で何か言ったことがあるだろうか?

この橋下発言を報じたのが産経新聞ということで思い出したのだが、ビデオを流出させた海保職員に大阪の読売テレビがインタビューしている。私は、今回の流出が神戸で起きたと聞いた時、嫌な予感がした。今回の発言では右翼や小沢信者よりまだマシだったとはいえ、橋下徹が英雄視されている関西。神戸は兵庫県だが、他の近畿各府県と同様、テレビのエリアは大阪発の広域エリアに属する。

当ブログは、日曜日になるたびに、昨年3月のエントリ「新保守主義と新自由主義が一体となった『たかじん』の番組」へのアクセスが一定レベルあるが、かつて同番組のネットエリア内に住んでいた私は、読売テレビが日本でももっとも右寄りの放送局であることを知っている。他にも、土曜日の朝に辛坊治郎がやっている全国ネットの番組があり、これもひどく右寄りだが、たかじんの番組はもっとひどい。あの番組をご存じない首都圏のリベラル・左派の方は幸運だ。せっかくの休日に不快な思いをするリスクがそれだけ少ないのだから(もっともエリア内でも見なければ良いだけの話ではあるが)。

そんな読売テレビの記者が、問題の海保職員と接触している。早くも海保職員には、田母神俊雄の向こうを張る右翼のスター誕生かという呼び声も聞こえてくるほどだ。

一昨年には、NHKは田母神を英雄扱いなどしなかったと記憶する。ところが今回は海保職員を擁護するような論調なのだとすると、それだけ日本社会の右傾化が急速に進んでいるということなのだろう。

今回の事件では、5.15事件(1932年)から2.26事件(1936年)へと至った過程との類似を指摘する声も聞かれる。現在、時の政権への批判の声も強まっているが、現政権でもっとも強く批判されるべきは、「大きな政府」の方針を示そうとしない経済政策についてだろう。ネット右翼や小沢信者はよく「マスゴミ」という言葉を使うが、マスコミにも見るべき記事はあって、たとえばTPPの問題に関しては、11月7日付朝日新聞に、農業保護に使われる政府支出が、日本はEUと比べてはもちろん、アメリカと比べても際立って少ないことを示すグラフが載っているが、日本がTPPに参加すると、農作物の国内価格を高く維持できなくなる分、政府の農業保護額が大きくなることが示されている。つまり、「大きな政府」への覚悟なくして、TPPへの参加などできない。ところが、菅政権にそんな覚悟など全く感じられない。

だからといってTPPに参加しない選択肢をとれば、政府支出など必要なくて、「減税日本」で「小さな政府」にすれば日本は良くなる、などというお花畑も望めない。再分配が行き届かなくなって、日本の社会は血液が全身に回らないような状態になってしまった。それは、「サービスの大きな政府」に転換すべき時期(田中角栄が「福祉元年」とうたった1973年以降)に、石油ショックもあったけれども、それ以上に新自由主義が時代の流行となって、日本政府はとるべき方向と正反対の政策をとってしまったことが間違いなのであって、小沢一郎が『日本改造計画』を書いた頃ブレーンとしていた大蔵官僚の思想も、その間違った新自由主義思想に基づいていた。その流れを汲むのが河村たかしの「減税日本」なのである。

菅直人首相がTPPに積極的な姿勢を示したのは、この件への取り組みを支持した前首相・鳩山由紀夫の路線を踏襲したものでもあるが(鳩山は、その責任者だったにもかかわらず、「政局が第一」の発想のみによってTPP参加反対を主張しているが、元からTPP参加に反対していた民主党議員らは鳩山を白眼視しているそうである。鳩山とは見下げ果てた男である)、経団連の強い意向によるものだろう。一方で法人税減税を強く求めながら、政府支出を増やさなければならないTPP参加も強く求めるとは、経団連はいったい何を考えているのか。そればかりではなく、租税特別措置を見直して法人税減収をさせないなら、法人税減税なんてお断りだとほざく経団連こそ、日本の財政赤字拡大の超A級戦犯だと私は思うが、NHKの番組は決してそんなことは言わない。せっかく法人税減税はおことわりだと経団連の方から言ってくれているのだから、政府は法人税減税をせずに課税範囲の拡大だけをやって法人税の増収を図るべきだと私は真面目に考えている。

「鍋党」の方向へと話がそれそうだから元に戻すが、経済政策では強く批判されるべき菅政権だが、今やその菅政権を「弱腰」として政治思想上の「右」側から攻撃するのがトレンドになっていることは問題だ。経済政策からいっても、公共サービスは、昔の高度成長時代の企業による福利厚生や、それ以前の共同体による助け合いでまかなえばよいと考えるのが保守の考え方だが(安倍晋三が昭和30年代を描いた漫画『三丁目の夕日』を好む心性を持っていることを思い出されたい)、それ以前に火遊び大好きな安倍晋三や麻生太郎は危険すぎる。小沢信者のみならず、民主党内でも極右やタカ派を多く抱える小沢派や鳩山派による政府批判が、彼ら保守というより右翼を助ける事態を、私は恐れている。

そもそも鳩山由紀夫は明文改憲論者であり、小沢一郎は解釈改憲論者なのだから、外交・安全保障政策では(でも)決してほめられない菅直人よりさらに「右寄り」なのだが、なぜ護憲派を自認する人たちが彼らにシンパシーを抱くのか私には全く理解できない。なんだかんだいって普天間基地移設問題で現行案に回帰したのは鳩山政権なのだ。

仙谷由人や前原誠司の悪影響が目立ち、何をしたいのかさっぱりわからない菅直人の印象も悪く、全く頼りない菅政権は、今後も期待はできないけれども、それに代わるのが政界再編を経ての右翼政権だったり、それを支えるのが民主党の小沢派や鳩山派であるのでは、菅政権よりもっと悪い政治が到来するだけだと私は思うものである。


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mixiの「鍋党」コミュニティには、これを書いている時点で44人の方にご加入いただいた。コミュは、今のところまだ「入れものだけがある」状態でしかないが、別にROMでも何でも構わないので、お気軽に参加していただきたいとお願いする次第だ。

それにしても、昨日放送されたNHKスペシャル「借金862兆円はこうして膨らんだ」は、ひどい番組だった。財政赤字を積み上げた歴史を、旧大蔵省幹部の極秘証言録を入手したと称して、財務省の論理、財政再建厨の論理から、「これだけ『お国の借金』があるのだから、国民は社会保障切り捨てに耐えろ、消費税の大幅増税を受け入れろ」と脅迫するだけの、最低の番組だった。これほど一方的な立場からのプロパガンダに徹した「NHKスペシャル」を見た記憶は、私にはほとんどない。

八つ当たりすると、司会の城本勝と首藤奈知子も最低で、城本というのは政治取材23年のキャスターらしいが、はっとさせられる言葉など皆無だったし、かつて松山放送局発の四国ローカルニュースでよくお目にかかった首藤奈知子アナは、政治・経済に関する番組をやる器とは思えない。

番組内容はさらに最低で、どこからけなしていったら良いか迷うほどひどかった。1965年の不況で初めて赤字国債を発行したあと、国の財政を借金漬けにした元凶として、田中角栄の「福祉元年」(1973年)をあげていたが、ここで早くも「社会保障費の増大」を槍玉に挙げる番組の制作姿勢がむき出しになった。だが、事実は田中角栄は当然の政策を行おうとしただけの話だ。そこに折悪しく石油ショックが襲ってきたのが、日本にとって不運だった。

番組はさらに、1978年の福田赳夫内閣の大型予算を批判していたが、元来緊縮財政志向の強い政治家だった福田赳夫が、この年に大型予算を組んだのは間違いではなかったはずだ。これで1979年には景気が回復したのだが、またしても折悪しく、第2時石油ショックに襲われた。

1979年に、福田赳夫から代わった大平正芳首相が一般消費税導入を掲げながらこれを撤回し、衆院選でも自民党が大敗に追い込まれた件では、自民党を総選挙で敗北させた国民は馬鹿だったと言わんばかりのナレーションだった。

何よりおかしいのは、この番組はバブルを招いた中曽根政権や、バブル期に壮大なバラマキをやった竹下政権への言及が何もなかったことだ。いきなり細川政権時代の「国民福祉税」構想に話が飛び、細川護煕がインタビューに応じていた。米クリントン政権の圧力で所得税減税を強いられて減った税収の穴埋めとして、大蔵官僚と小沢一郎が主導して消費税増税を狙ったが、消費税増税は実現できず、所得税減税だけが実施されたので、バブル期の税収増で発行を止めていた赤字国債を再び発行する羽目になったという言い方をしており、要するに大蔵官僚や小沢一郎の主張通りに消費税をしなかった政府及び増税を許さなかった国民が悪いといわんばかりだった。

そもそもこの番組では、バブル期を中心に所得税減税をどんどん進めていって所得税の累進性を大幅に緩めたことについて、何一つ言及していなかった。「所得税」という言葉さえも用いなかったのではないか。「消費税を増税しなかったから財政赤字が膨らんだ」という一点張りだった。

そして、悪名高い橋本龍太郎政権の「6大改革」については、せっかく橋本政権時代に与謝野馨らが尽力して財政再建の足がかりを作ったのに、運悪く1997年の山一証券破綻などで頓挫したと言わんばかりであって、橋本内閣の緊縮財政志向が日本経済に冷水を浴びせたという、当時は当たり前だった認識については、完全に頬かむりしていた。橋本政権の失政は、1998年の参院選における自民党大敗につながったことだったにもかかわらず。

番組は小渕内閣時代の大型財政出動を批判したが、小泉・竹中の「構造改革」には全く触れずに終わった。それは、NHKが入手したという「旧大蔵省幹部の極秘証言録」というのが、昭和40年(1965年)から平成12年(2000年)までの分だったからだとNHKは言うのだろう。白々しい話である。

もちろん、番組では財政の収支を家計にたとえる、いつもの粗雑な洗脳のロジックを駆使していた。確か数年前に結婚したはずの首藤奈知子アナが政府の財政を家計にたとえて城本勝に質問し、城本がそれに答えるわざとらしい演出には呆れた。

朝日新聞の経済担当論説委員、小此木潔は、著書『消費税をどうするか』(岩波新書、2009年)に、

「消費税を導入したい、引き上げたい、という思いの強さが災いして、直接税を減らしすぎた」―― 表立っては言えない「反省」の言葉を財務省幹部から聞くようになって久しい。消費税を導入し、財源として大きく育てようとする「税制改革」路線が、所得税や住民税に代表される直接税を減らす要因になってしまったというのである。官僚がこうした反省を口にするようになったのは、日本経済がデフレから回復し始めてもなかなか税収が戻らない状況が続いたためでもあるようだ。

と書いているのだが、番組に登場した「元大蔵省幹部」たちは、誰もそんなことは言わなかった。「経済右派」との評価が定着しつつある朝日新聞の記者が書くようなことさえ、NHKスペシャルでは全く触れない。20年ほど前、大蔵官僚が直間比率の是正だとか税制の簡素化だとかを錦の御旗にしてどんどん金持ち減税を進めていったことなど、もちろん何も触れない。1991年度に26.7兆円あった所得税収が、2009年度には12.9兆円と半分になり、1989年度に19兆円あった法人税収が2009年度には6.4兆円と3分の1になったことなど、その気配もうかがわせない。ましてや、累進制のはずの所得税が、分離課税だらけの制度のせいで超富裕層にとってはむしろ逆進的になり、超金持ち優遇税制になっていることなど、天地がひっくり返ってもNHKは言わない。これらはみな、ほかならぬ財務省の資料に示されていることだというのに。

NHKはただただ、社会保障費の政府支出が増えたから、それなのに消費税を増税しなかったから、「お国の借金」がこんなに膨れ上がったんですよ、国民の皆さん、我慢しましょう、欲シガリマセン、勝ツマデハ、と、すっかり頬がこけて貧相になった愛媛県出身の首藤奈知子に実質的に言わせているだけである。

NHKは、こんな番組で視聴者を騙して洗脳できると思っているのかと、あまりにひどい番組内容と、しもじもを見下したエスタブリッシュメント層の構成員たるNHKのテレビマンの傲慢さ、それにそれとは裏腹の彼らの頭の悪さに呆れ返った。あんなプロパガンダに易々と騙されるほど、大衆は馬鹿ではない。プロパガンダは、もっと巧妙にやらなきゃダメだよ(笑)。

NHKへの悪態はともかく、「鍋党」としてやるべきことは、まず事実を正しく訴えることだと理解した。前回のエントリでも引用した『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事から再度引用すると、

  • 庶民にとって本当に負担が重いのは、年金保険料や介護保険料、国保料などであり、社会保障の保険料主義、さらには、企業主義的、家族主義的な日本の福祉が限界にきていること。

  • 日本の政府規模は決して大きくないこと。社会保障や教育費も他の先進国と比べて低いし、これからは社会資本のメンテナンス需要も考えたら実は公共事業費だって一定程度は必要で、そうなるとある程度大きな政府にする必要がある。それにはある程度お金持ちから負担をいただく必要がある。

  • 日本の税制はお金持ちに有利になってしまっている。

といった事実を正しく理解していただけるような資料を、鍋党ブログなりホームページなりに掲載して広く知ってもらうことだ。政府税調専門家委員会の会議資料に、題材は豊富にある。ちょっとトライしてみたいと思う。


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アメリカの中間選挙では、事前のメディアの予想通り共和党が大勝し、「ティーパーティー」(茶会運動、茶会党などと訳される)が躍進した。

「日本版ティーパーティー」を目指す河村たかし・名古屋市長らに対抗して立ち上げる運動と名称として、前回のエントリで挙げた「鍋党」という名称には賛否両論があったものの、「鍋党」に代わる名称の候補としては、「朱の盤」さんから「ナベたたき党」という案をいただいたのみだった。朱の盤さんの案は、片仮名の「ナベ」である点に大いにウケたものの、「叩く」より「作る」イメージがあった方が良いなあと思うし、他に案を出された方がいなかったこともあって、とりあえずは「鍋党」という名称を用いたいと思う。ナベを叩くデモをやったあと、同じ道具を使って鍋料理をやる、というのも一興だろう。

「鍋党」運動の始め方について、『広島瀬戸内新聞ニュース』から大変参考になるTBをいただいている(下記URL)ので、引用して紹介する。
http://hiroseto.exblog.jp/13547458

とりあえず、mixiで、コミュニティーを立ち上げる。ブログもつくる。

その上で、情報発信を行うべきでしょう。


  1. 税制や社会保障の現状と直面する課題について、情報を発信する。

  2. 議会改革について、冷静な情報発信を行う。

1については、

  • 庶民にとって本当に負担が重いのは、年金保険料や介護保険料、国保料などであり、社会保障の保険料主義、さらには、企業主義的、家族主義的な日本の福祉が限界にきていること。

  • 日本の政府規模は決して大きくないこと。社会保障や教育費も他の先進国と比べて低いし、これからは社会資本のメンテナンス需要も考えたら実は公共事業費だって一定程度は必要で、そうなるとある程度大きな政府にする必要がある。それにはある程度お金持ちから負担をいただく必要がある。

  • 日本の税制はお金持ちに有利になってしまっている。

  • 河村市長は、減税すれば、ボランティア活動にお金が回る、と主張するが、キリスト教の思想的な基盤(神様の恵みは世の中に還元するのが当然)がない日本にアメリカのような理屈が当てはまるのか?

  • 日本の議員数は多くはない。また、河村市長は、ボランティア議員を主張するが、日本では北欧と比べても労働時間も長い。供託金も高い。そういう条件の違いを無視していいのか?また、給料も議員数も半減したら、議会機能が弱体化するのではないか?

などの論点を整理し、発信していきたいとおもいます。グラフや動画などビジュアルな資料も活用し、情報を発信していきたいとおもいます。

とりあえず、参考になるのは以下です。

政府税調専門家委員会会議資料
http://www.cao.go.jp/zei-cho/senmon/sensiryo.html


「とりあえず、mixiで、コミュニティーを立ち上げる」ことは、私も考えていたので、立ち上げてみた。コミュニティ(以下「コミュ」と略称)の名称は、「鍋党?再分配を重視する市民の会」とした(下記URL)。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=5325543

参加するには、mixiに未登録であればまず登録して(mixiは以前には「招待制」だったが、現在は自由に登録できるようになったと思う)、さらに、コミュへの参加をご申請いただくという2段階の手続きがあるが、mixiに登録いただければ上記リンク先から確認できるコミュの趣旨にご賛同いただける方であれば、どなたでも承認したいと考えているので、積極的なご参加をお待ちしている。

コミュは、税制や社会保障、議会制度などに関するものにしたいと思うが、現在ちょっと管理人の元気がないので、これを書いている時点で、コミュには現在自己紹介のトピックを一つ設けただけで、まだ何もない。参加者全員にトピックを立ち上げる権限があるので、皆さまの参加とトピ立てを期待する次第だ。

コミュの立ち上げは、ほんの第一歩に過ぎないが、再分配重視派の市民の声を結集して盛り上げて行ければ、と思う。



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明日アメリカの中間選挙だが、確実視される共和党の勝利以上に、ティーパーティー(茶会運動)が注目されるだろう。想像もしたくないが、2012年の大統領選でサラ・ペイリンが当選することなどあり得るのだろうか?

日本でサラ・ペイリンが推進する茶会運動に対応する運動をやっている政治家として、いま一番目立つのは河村たかしだろう。少し前は橋下徹が注目されていて、昨年の衆院選前に橋下が民主党にすり寄ったところ、鳩山由紀夫を筆頭に、小沢一郎も菅直人もみんな橋下に秋波を送り、橋下は橋下で小沢一郎にすり寄る姿勢を見せたことに、私はブチ切れたものだ。

今日発売の『AERA』11月8日号には、「河村と小沢『減税新党』へ」という記事が出ているらしい。私はまだ目にしていないが、発売日前の週末に記事をご覧になった方によると、河村たかしは大村秀章に愛知県知事選出馬を薦めたり、郵政解散・総選挙を強行した小泉純一郎の政治を「独裁ではない」と弁護したり、北朝鮮の核を理由に辺野古基地必要論をぶつなどしているとのことで、要は新自由主義と新保守主義を全開にした「河村節」を炸裂させているらしい。

小沢一郎が河村たかしと組んで「減税新党」を結成するとは私は思わないが、『日本改造計画』の時代から、小沢一郎が「所得税と住民税の大幅減税」の主張を続けていて、それを表に出さなくなった時期はあっても、過去の自らの主張を取り下げる声明をしたことは一度もないことも確かだ。

そんな小沢一郎が、「受難」「殉教」のイメージから、「反権力」や「反体制」自体が自己目的化した人たちの支持を集め、最近では従来共産党を支持していた人からも支持者を奪っていることは憂慮すべきことだ。「小沢信者」どころか「小沢支持者」ともいえない「護憲派」の人が、小沢信者が大好きな「特捜暴走 ― 小沢失脚への陰謀」と題した動画を紹介しているのを某所で見て、ため息が出たものだ。池田香代子氏に至っては、

小沢なら、対中関係をこんなことにはしなかった、普天間など米軍基地のことでアメリカにきちんとものを言った、小沢なら景気も回復し、官僚支配もなりをひそめていたはずだ、小沢なら……期待値はどんどん上がります。それが見果てぬ夢なのかどうか、私には判断がつきかねますが、気持ちは分かります。それほど、この幻滅はきつい。

などと書いている。菅政権に代わった6月以降はともかく、それまでの9か月間、小沢一郎が幹事長として鳩山政権を支えていたことなど池田氏は覚えておられないらしい。ま、ご自身の名声を高めた『ソフィーの世界』邦訳出版の年についての記憶もあやふやな方のようだから、健忘症も仕方ないのかもしれないが、市井のブロガーならともかく、護憲派の論者として知られる池田氏が無邪気に「小沢信者」に加担することが、一般の護憲派の人たちに与える悪影響は計り知れない。

もちろん、鳩山政権に続いて人々に幻滅を与えている菅政権の罪も重い。松下政経塾と旧民社に支えられて菅政権が発足した時点で、私は菅直人政権不支持をブログで表明したが、菅直人がここまで「総理大臣になって何をやりたいのかわからない」政治家だとまでは思っていなかった。普天間についてはもちろん、野田佳彦を予想通り財務相に留任させた時点で経済政策にも期待していなかったが、鳩山政権同様取り調べの全面可視化に不熱心であるばかりか、企業献金を再開させるなど、鳩山政権より悪い政策も打ち出した。後者は岡田克也の主導と思われるが、前原誠司や仙谷由人からも批判される閣内不一致のぶざまさだ。

小沢一郎に支持者を奪われてしまう少数派の護憲政党も問題だが、これまで「消費税増税反対」というだけで、「高福祉高負担」のビジョンを熱心に語らなかったことが、小沢一郎に支持者を奪われる結果につながった。小沢一郎に接近しているとされる河村たかしが事実上「政府の再分配なんて要らない」と主張し、これを書いている時にもみのもんた司会のテレビ番組で「有権者は減税を要求しなきゃダメですよ」と持論をぶつなど、やたらと目立っているのとは対照的に、共産党と社民党の存在感は現在非常に希薄で、特に「小沢一郎別働隊」とも評される社民党が精彩を欠くさまは、目を覆いたくなるほどひどい。

ところで、アメリカでは保守の草の根運動といわれる「ティーパーティー」に対抗する「コーヒーパーティー」という運動を、リベラルの無党派層が立ち上げたらしい。『広島瀬戸内新聞ニュース』がこれを取り上げていて、

ティーパーティーの人びとは、あらゆるメディアで『自分たちこそ真のアメリカだ』と豪語しています。でも、彼らの変革の仕方は危険なんです。

という「コーヒーパーティー」の主張を、

「河村市長支持(橋下知事、みんなの党支持)の人びとは、あらゆるメディアで『自分たちこそ真の改革派だ』と豪語しています。でも、彼らの変革の仕方は危険なんです」といいかえましょう。

と提言している。私はこれに賛成だ。

日本でやる場合、ネーミングが問題ですが。

とのことだが、この記事についた「はてなブックマーク」で、maangieさんが

麦茶は季節外れだし…。芋粥なんてどうかな。僕、好きなんですが。そもパーティが「党」も意味するトコが面白いワケで…。日本なら鍋でどうだ!?

とコメントされている。

なるほど、鍋か。それは良いかもしれない。鍋パーティーなら「鍋党」かな。ナベツネや渡辺喜美と紛らわしいという難点はあるが、彼らはもともと「なべ」ではなく「へ」(屁?)である。「渡」の「辺」、つまり「わたのへ」が転訛して「わたなべ」になったのではないか。つまり、「ナベツネ」は本当なら「ヘツネ」と呼ばれてしかるべきなのである。「辺」ではなく「鍋」ってことで、私も「鍋党」に一票入れたい。

いや、冗談ではなく、本当に「鍋党」を立ち上げるべきではないかと考えている。もちろん、名前は「鍋党」に限らず、もっと気の利いた名前があればそれでも良いが、現時点で「鍋」を上回る妙案は私にはない。

名前はともかく、河村たかし、橋下徹や「みんなの党」に対抗する「草の根運動」を立ち上げたいものだと思う今日この頃である。


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