きまぐれな日々

世間の話題は五輪のフィギュアスケートだし、小沢一郎と新興宗教の信者が書く文章は相変わらず「犬察」と「悪徳ペンタゴン」と「マスしゃぶ」のことばかりだが、新聞の一面トップを連日賑わせているのはトヨタのリコール問題である。

トヨタ自動車の豊田章男社長がアメリカ議会下院の監督・政府改革委員会の公聴会で証言したニュースは、全米でも大きく扱われていると思う。アメリカ人は小沢一郎など誰も知らないが、トヨタの名前を知らないアメリカ人は誰もいない。アメリカでここまでこの件が大きなニュースになったのは、昨年、メキシコとの国境に近い西海岸の大都市・サンディエゴでトヨタ車が意図しない急加速による死亡事故を起こしたことがきっかけだった。私は昔、そのアメリカ西海岸でトヨタ車に乗せてもらいながら、周りを走るアメ車のオンボロぶりに呆れていた思い出がある。アメリカで「トヨラ」(としか聞こえない)のテレビコマーシャルもずいぶん見た。今でも多くのアメリカ人はトヨタ車の方が自国ブランドの車より品質が高いと思っているだろう。そのトヨタが問題を起こしたから大騒ぎになったのだ。

もっとも、トヨタをめぐる問題がアメリカで大騒ぎになるのは、何も今に始まったものではない。10年ほど前にも巨額の損害賠償請求騒ぎがあったように記憶している。ただ今回は、リーマン・ショックに端を発するアメリカ発の世界金融危機の結果、ビッグ3が苦境に陥っていたという背景があって、大きく注目されているのだろう。

豊田社長は、リコールの原因として「人材(育成)が、経営拡大のスピードについていけなかった」ことを挙げたが、こういう発言を聞くと、小泉純一郎がトヨタを代表格とする輸出産業を過度に優遇する政策をとったことを思い出す。リーディング・カンパニーの業績を上げれば、トリクル・ダウンで日本全体の景気も良くなると考えていたのだろうか。しかし、2003年以降、トヨタをはじめとする大企業の業績は急伸したにもかかわらず、民間の平均給与所得は1998年から9年連続で減少した。そして、トヨタの人材育成が業績の急伸を受けた経営拡大のスピードについていけなかったという豊田社長の言葉をそのまま受け取るならば、大企業優遇に過度に傾斜した小泉政権の経済政策は、優遇された大企業にとっても必ずしも良いことばかりではなかったと言うべきかもしれない。

アメリカでは、トヨタはリコールが遅れたとして批判されているが、さらにその要因は何かと考えると、トヨタがあまりにも自社の製品に自信を持ちすぎていたことが挙げられるかもしれない。一部には、「トヨタは金儲け主義に走りすぎた」と批判する向きもあるが、それは必ずしも正しくない。小泉があまりにトヨタなどを優遇しすぎたから、儲かって仕方がなかったというのが本当のところだろう。品質管理や品質保証に関してトヨタの技術陣は本当に厳しくて、トヨタに納品する立場になった業者の苦労話というか残酷物語は、私も何度か耳にしたことがある。無理難題とも思えるトヨタの要求を満たす部品をトヨタに納品するために死ぬ思いで働いている人たちは、日本には大勢いるのである。中には、「死ぬ思い」どころか本当に過労死する人もいる。私など、トヨタに関して本当に厳しく批判されるべきは、トヨタを頂点とする巨大な食物連鎖の構造だと思っている。トヨタの下請け、孫請け、曾孫請けとつながる産業の構造においては、「搾取」という言葉がぴたり当てはまり、トヨタの繁栄の陰で、多くの労働者が血を流す苦しみを味わっている。過重な労働を強いられながら、業績が悪いと職を失う。トヨタの社員はクビになることなんかなくても、孫請け、曾孫請けになるとそうはいかない。本当は、そういう人たちに救いの手を差し伸べるのが政治のあるべき姿のはずだが、小泉純一郎に代表される新自由主義者の政治家たちは、こともあろうに百獣の王にたらふく食わせる政策をとった。そしてその結果、空前の格差社会が日本に現出しただけでなく、彼らが支援した百獣の王を驕らせ、隙を生じさせてしまった。これが今回のリコール騒動の本質ではないかと私には思える。トヨタが業者の尻を叩きながら築き上げてきた製品の品質への信頼が揺らいでしまったのである。百獣の王も、あまりに食べ過ぎるとメタボになり、動きが鈍くなってしまうだろう。それが現在のトヨタの姿だと思えてならない。盛者ならぬ盛車必衰というべきか。

さて、以下は蛇足。「またか」と言われそうな中身なので、お読みになりたい方だけどうぞ(笑)。
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今朝はブログの更新ができず、いつもと違う時間帯の更新になったが、今朝PCがインターネットにつながらなかったためである。だが、何者かの陰謀だというつもりはない(笑)。

長崎県知事選と東京都の町田市長選で、民主党の推す候補者が負けたが、西松事件のあった昨年春にも千葉県知事選で森田健作が圧勝したり、秋田県知事選で自公が推す佐竹敬久氏が民主党の推す川口博氏を破って、すわ自民党復調かと騒がれたものだった。2003年以降、5度の国政選挙のうち、たった一度だけを除いて、自民党は国政選挙直前に勢いを失って議席を減らす結果が続いている。今年の参院選もそうなるだろう。だが、今回は与党・民主党も公約を実行できないことに対する批判を受ける立場になるから、3年前の参院選や昨年の衆院選のような民主党一人勝ちにはならないと思う。みんなの党が不気味に頭をもたげるかもしれない。

現在、国政の問題では、小沢一郎の「政治と金」の問題は別にして、以下の2点が焦点になっているように見える。1点は税制改革の問題で、消費税を論点にして民社国連立政権に早期の消費税増税を呑ませようとするマスコミに対し、政府、特に民主党左派と社民党がそれに有効な反撃ができない状態だったが、ようやく菅直人財務相が土曜日(20日)に行った東京・町田市長選の応援演説を、朝日新聞が「所得税累進制の強化「本格的に議論を」 菅財務相が意欲」という見出しで報じた(下記URL)。
http://www.asahi.com/politics/update/0220/TKY201002200270.html

その一方で、産経新聞は相変わらず馬鹿な記事を書いていて、それに引っかかった人たちも多数いたようだが、これらの件に関しては、昨日の『kojitakenの日記』のエントリ「菅直人財務相が『累進性再強化』を強調」(下記URL)に書いた。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20100221/1266719440

この他、読者の皆さまにお読みいただきたいエントリを3件、やはり『kojitakenの日記』に、「『高額所得への課税や法人税課税を含む税制改革』に関するおすすめのエントリ」と題して紹介した(下記URL)。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20100221/1266737277

とにかく、マスコミがあまりにもひどい恣意的な報道をするものだから、先週は当ブログを3回更新したほか、昨日は裏ブログでも力み返ってしまった。昨年夏までは平日は毎日更新していたとはいえ、今年は昨年ほどゆとりのない生活をしているので、それなりにこたえる。税制改革問題におけるでたらめなマスコミ報道は、小沢一郎の「政治と金」についての報道よりよっぽどひどいと思うのだが、そう思うのはどうやらごく一握りの人間に過ぎないらしい。

今日のメインは、もう1つの焦点である普天間基地移設問題だが、この問題についてもネットでの議論は活発とはいえない。先週突如浮上した「キャンプ・シュワブ陸上案」には頭痛がしたが、これに対するネット言論の反発の弱さは信じられないほどだ。たとえば、前のエントリで税制改革の議論に不熱心だと批判した植草一秀は、いまだに民主党のブレーンに登用されたいという見果てぬ夢を持っているのかどうか知らないが、普天間基地移設に対してもきわめて不熱心で、小沢一郎を攻撃するメディア談合組織がどうのこうのと、タイトルに機種依存文字を用いながらおバカな記事を書き続けている。おかげでいつも教祖さまの顔色を伺ってばかりいる信者たちもまともな記事を書けずにいる。

そんな中にあって気を吐いているのが、『日本がアブナイ!』である。普段は民主党政権に対して甘すぎるのではないかと思うこともしばしばあるこのブログだが、今回のキャンプシュワブ陸上案に関しては、マスコミ報道に基づいて民主党政府の動きを厳しく批判している。

「やっぱ政府主導で進んでいたCシュワブ陸上案+社民に連立離脱の圧力か?」(2月20日付)では、管理人は、

 このような米国の強い姿勢(圧力)を受けてか、政府では、もう今月はじめには陸上案の検討を始めていたようなのである。(-"-)
 しかも、それを、あえて国民新党の案として提案するように求めたという話まで出ていた。(ーー)

と書いて怒っているし(論拠は2月15日付の琉球新報)、「陸上案は、沖縄県民にも地元住民にも米国にもベターじゃない!」(2月21日付)では、さらに突っ込んだ政府批判をしている。長くなるが引用する。

 沖縄の県民にとって、沖縄県内に基地を移設する<県内に新しい基地を作る>ことは、どう見てもベターではない。
 また、名護市民にとっても、キャンプ・シュワブの陸上案は、海上案に比べて、決してベターだとは言えないのだ。(ーー゛)

 自民党政権下で合意された移設案は、さんごやジュゴンでも知られる辺野古の海を埋め立てるものだったので、多くの人たちは、反対運動を行なう時に、「辺野古の美しい海を守ろう」とアピールして来た。(・・)

 そして、鳩山首相や小沢幹事長らも、「あの海を埋め立ててはいけない」と理解を示す言葉をクチにしていたので、地元住民も、尚更に民主党政権に期待していたところがあるのだけど・・・。

 まさか鳩山首相や平野官房長官は、辺野古の海の埋め立てさえ回避できれば、それでいいのだと思っているのだろうか?

 自分たちは、県外移設の公約は守れなかったけれど。懸命に努力して、何とかこの海の埋め立てだけはやめさせることができたと。
 陸上案に替われば、同じCシュワブに基地が移設されても、海が守れるだけベターだと思え、有難いと思えとでも言いたいのだろうか?(`´)


* * * * *

 実は陸上案は、地元住民にとっては、ベターどころかワース(worse=より悪い)だと考えられているのだ。(-"-)

 そもそも地域に新しい基地ができる、米軍の兵士が増えて、演習や活動も増えるということ自体、もうその地域の住民にとっては負担増=ワースなのである。

 しかも、今回の陸上案によって、基地内に長い滑走路を作ることになれば、山や野が切り崩す必要があり、環境面に問題が出る。
 また、小さな滑走路を作るケースも含めて、陸上でヘリが発着したら、近隣の住宅の上を往来する機会が増えて、安全性や騒音の問題が生じるからだ。(**)
<結局、第2の普天間を作ることになるだけ。>


 かつて自民党政権時代に、米国との交渉において、この陸上案も候補に上がっていたのだが。米国側も、上述のような理由や、滑走路が射撃の演習施設と近いなど不便な点があるために、反対の意向を示したとのこと。(・・)
 
 それで、近隣住民の安全性や騒音のことを考えて、それらの問題を解決するベターな方法として、辺野古の海に滑走路を作る海上案が浮上することになったのだから。
 また陸上案に戻したら、ワースになってしまうのだ。(ーー)

(『日本がアブナイ!』 2010年2月21日付エントリ「陸上案は、沖縄県民にも地元住民にも米国にもベターじゃない!」より)


ふだん勇ましく「悪徳ペンタゴン」と戦っているつもりのヒーロー、ヒロインたちにも、このくらい熱い記事を書いてもらいたいものだが、実際に上がってくるエントリは、型にはまった陳腐なアジテーションか、さもなくばつまらない、いや時には唾棄すべき陰謀論ばかりだ。どのブログも最初はそうではなかったのだが、似た者同士がつるんで徒党を組み、ムラ社会を形成したあげく、みな初心を失ってしまった。そんな中にあって、4年半ずっと変わらないスタンスで記事を発信し続ける『日本がアブナイ!』は貴重な存在だ。

この記事では、キャンプシュワブ陸上案が厳しく批判されているが、実際、沖縄の人たちの反発もさることながら、アメリカの反応がかんばしくなく、社民党も、阿部知子政審会長の不審な言動はあったものの、福島瑞穂党首が国民新党が唱えたこの案を厳しく批判して、この案が通る可能性は薄れた。

ブログ主のmewさんは、

日米(軍事)同盟や日本の防衛政策、ひいては日本の「国のあり方」&平和主義にもつながる問題なので、沖縄や基地と関わりのない人も含めて、もっと国民全体に考えるべきなのではないかと思うし。

と書いているが、実際、本土の人間にとって論じるのは難しいけれども、決して避けて通ってはならない問題だと思う。

たまたま最上敏樹著『国境なき平和に』(みすず書房、2006年)を読んでいたら、沖縄サミットが行われた2000年7月に書かれた「沖縄リアリズムの切なさ」という文章に惹かれた。以下引用する。


 サミットの空洞化は数年前から進行していたが、その空虚な会議を繰り返すだけなら、開催地が沖縄である必要は全くなかった。あったとすれば、なお残るアジアの冷戦をどう終えるか、それを討議することであったろう。沖縄が、日本で最も冷戦的状態に閉じ込められた地域だからである。

 冷戦の終わりは、軍事的安全保障ばかりが万能ではないという認識だけでなく、自分の軍事的安全保障のために自分以外の誰かに犠牲を負わせるのはおかしい、という認識も生んだ。明らかに沖縄は、その潮流から異様に取り残されている。

 であるなら、わざわざ沖縄に集まった首脳たちが討論すべきは、東アジアの情勢が本当に沖縄取り残しを必要としているのか、という点のはずだった。もっともそれは、当事者たる日本国及び米国政府(注:当時は日本が森喜朗首相、アメリカがビル・クリントン大統領の時代)にその気がなければ始まらない。見たところ、両国政府にその気はなかった。とすれば、沖縄で開催する必要はますますなかったことになる。

 最近の米兵犯罪に対する大統領の謝罪はあったものの、沖縄の人たちの命や生活に関する、ほとんどの問題が残された。巨大な嘉手納基地もそのまま残り、普天間の問題もうやむやで残る。それ以上に、五年前に集団暴行を受けた小学生の心の傷も、これまで人々がこうむった不正義も、これから受けるかもしれない被害への不安も、そのまま残されるのだ。

 こうして沖縄に問題が残り、沖縄について語るべきことが残る。しかしそれを、私たちヤマトンチュ(本土の人間)はどう語りうるのだろう。おそらく、まずは事態の不条理と、それに関するウチナンチュ(沖縄の人間)の選択の切なさを、徹底的に感じてみることなのではないか。

 在日米軍基地の七五パーセントが集中し、それによる不安全に人々が日常的にさらされてもいることは、どう正当化しようとも不条理である。れっきとした主権国家の国民でありながら、自国政府に十分に保護されるどころか、しばしば見捨てられるに等しいことも多い。それも不条理と呼ぶほかないものだろう。

 それを国家安全保障の見地からするとリアリズムだと肯定する人もいる。しかしそうだろうか。みずからの犠牲においてではなく、他人の犠牲において展開されるリアリズムなど、たんなるコロニアリズム(植民地主義)なのではないか。

(最上敏樹『国境なき平和に』(みすず書房) 136-137頁、初出は2000年7月の共同通信配信)


この文章が書かれてから10年になるが、ここで指摘されている問題点が何一つ変わっていないのは驚くべきことだ。冷戦構造において、「共産主義の脅威から国を守る」ことが存在理由の一つだった自民党は、1990年代前半の時点で既に歴史的役割を終えていたのだが、小泉純一郎というペテン師を担ぎ出すことによって延命に成功し、以後昨年ついに政権を明け渡すまで、延々と生き長らえた。これは、日本全体にとっても沖縄にとっても不幸なことだった。ようやく昨年政権交代が実現し、鳩山由紀夫首相は「無血革命」などと口にしたが、その言葉が実態からかけ離れていることを何より示すのが、普天間基地移設問題をめぐる鳩山内閣の迷走ぶりではないか。民主党の関係者や支持者の中には、「民主党は昨年の総選挙のマニフェストには普天間基地の県外・国外移設は謳っていない」と逃げを打つ者もいるが、一昨年に発表された「沖縄ビジョン2008」で、日米地位協定の改定や米軍普天間飛行場の県外、国外移設を目指す姿勢を打ち出した。当時の「琉球新報」(2008年7月15日付社説)は、

 だが、民主党の沖縄ビジョンに対し、政府内には「実際に政権を取ればその通りにはいかない」との冷ややかな見方もある。
 既成の枠にとらわれた官僚の思考パターンからすれば「できるわけがない」という結論しか導き出せないのだろう。

と書いている。官僚といえば、民主党の売り物は「脱官僚」だったはずだ。普天間基地の県内移設で決着させようとする民主党の面々は、結局小泉純一郎と同じで、官僚のうち叩き易い人たちだけを叩いて、税制や外交・安全保障政策など国政の基本的な部分では高級官僚の言いなりの人たちなのではないか。現状ではそう思われても仕方ないだろう。普天間基地移設問題の進め方いかんによって、民主党政権は鼎の軽重を問われる。
2010.02.22 20:55 | 米軍基地問題 | トラックバック(-) | コメント(9) | このエントリーを含むはてなブックマーク
菅直人財務相が「3月から消費税の議論を活発化させる」と言ったのか言わなかったのか私はよく知らないが、そう言ったことにしたい新聞各紙や与謝野馨(笑)などは、一斉に「自民も民主も消費税増税論だ」と既成事実化しようとしている。前回のエントリでコメントを紹介したsweden1901さんのほか、前回のエントリにコメントいただいたぽむさん、それにブログでは『ニコブログ』『広島瀬戸内新聞ニュース』などが、政府税調の専門家委委員長に神野直彦・関西学院大学教授が就任した意義を指摘したり、政府税調や菅財務相の狙いは早期の消費税率引き上げなく再分配の強化だと声を大にして主張しても、多勢に無勢でその声はかき消される。民主党議員のうち、右派や中間派などには与謝野に近い意見の人間も多いと思われ、そういう人たちは早期の消費税率引き上げへと傾く。かくして、どんどん消費税率引き上げへの圧力は高まっていく。社民主義的な政策を志向する勢力がいかに少数派であるかを思い知らされるのは、こういう時である。

特に一番頼りにならないのは、元有名エコノミストの植草一秀や、一昨年に植草を中心として反自民勢力を結集しようと言っていた人たちのブログであり、マネタリスト崩れ(つまりもともとは新自由主義側のエコノミスト)で、時には「地球温暖化陰謀論」までかますばかりか、城内実ブログと相互リンクを張っている植草は、消費税騒ぎが持ち上がった2月14日以降、ブログで一度もこの件に触れないばかりか、2月16日付エントリでは、なんとリチャード・コシミズのブログにリンクを張って、その記事を称えている。そして、それを誰も批判しない。などと書くとどこかの有名ブログみたいな表現だが、そう書きたくなるほど批判者の声は小さい。当ブログは声を大にして植草とコシミズを批判する。「リベラル・左派」たちの腰抜けぶりはひど過ぎる。読者の皆さまには、リチャード・コシミズとはいかなる人物か、ネット検索などで当たってみられることをおすすめする。コシミズの正体を知れば、それを持ち上げる植草も信用できなくなるだろう。いや、コシミズだけではなく、昨年植草との共著を出版した副島隆彦(通称ソエジー)についても、正体をご存じない方がおられたらよく調べてほしい。

上述のような怪しげな人物を持ち上げたり、共著を出していることを措いたとしても、そもそも植草はビジョンをはっきり示さない。福祉国家を目指すのか、中負担中福祉を目指すのか、あるいは以前書いていたように「良い小さな政府」を目指すのか、それさえはっきりしない。一昨年から意見を変えていないとすれば、植草は「小さな政府」論者ということになる。「リベラル・左派」が手放しで礼賛すべき人物であるとは私には思えない。

もっとも、そんな植草もブログで傾聴すべき主張をすることもある。昨年には、国会議員の定数削減に反対するエントリを上げた。だが、そんな時に限って、信者、もとい植草のフォロワーたちは、これを無視する。小沢一郎や鳩山由紀夫は衆議院議員定数の比例代表分80人の削減を主張しているから、信者たちはそちらを優先させたのかもしれない。「三種の神器」の中にも順位があって、小沢一郎のランクが一番上らしい。植草や鳩山由紀夫は、小沢よりはるかに格下として彼らに扱われている。これはネットの世界だけで通用するヒエラルキーであり、リアルとの隔絶には目が眩むほどだが、これが「政治ブログ」をやっている者たちの実態なのだ。右系のブログ言論は、ネット右翼たちが主導権を握ってしまったが、その「左」版といったところだろう。彼らの主導権を打ち破らなければ「政治ブログ」がリアルを動かすことはないだろうが、それ以前に「ブログ」というジャンルが衰退する方が早いのではないかという気が最近してきた。

ブログの世界における支配原理を一言でいうと何になるだろうか。「同調圧力」だと私は思う。○○さんが城内実さんを応援している。○○さんによると、城内さんって素晴らしい人らしいね。ブログでも良いこと書いてるよ。そうだねえ、城内さんは日本の政治を変えてくれるホープさんだ、私も応援するよ。

そんな具合に、城内実(だけではないが)の評判が、中身そっちのけで高まっていって、それを批判する人間のブログは、「ああ、あのアホブログ、また城内実さん叩きをやってやがる。卑しいやつだな。リベラルはみなドン引きしてるよ。あいつ、あんなに城内さんに粘着するなんて病的だよね。きっと精神を病んでるに違いないよ」などと陰口を叩かれるのである。

果たして、城内実衆院議員が民主党政権とコラボして素晴らしい日本政治を切り開く日が来るのかどうか。そして、その政権のブレーンとして植草一秀教授が政府の経済政策を仕切る日が来るのかどうか。私は楽しみでならない。

ま、嫌味はこのくらいにしておいて、多少の人間関係のもつれはあっても、利権やしがらみのないブログの世界でさえ、ここまで「同調圧力」に支配されるのだから、リアルの政治シーンにおいて、代議士たち、特に政権与党の政治家に対する「同調圧力」はすさまじいものだろうと思う。最初に書いた消費税の議論もその一つであり、マスコミと経団連と自民党が政権与党に対して「早期の消費税率引き上げ」を求める圧力をかける。これに対して、菅直人は適切な反撃ができず、福島瑞穂は野党党首のような発言をする。菅氏も福島氏も、政府が早期の消費税率引き上げをやらないと断言する方向に言論をもっていくことができない。これは前回にも書いた。

前回は、ふがいない菅氏や福島氏とは対照的な政治家として亀井静香をほめたのだが、普天間基地移設の問題になると亀井氏をほめるわけにはいかない。ちょっと前まで、普天間基地移設の問題に関しても社民党をサポートする発言をしていた亀井静香を筆頭とする国民新党の主張が一変し、嘉手納基地統合案だとかキャンプシュワブ陸上案などを言い出した。毒饅頭でも食ったのではないかと私は邪推するし、これを社民党の福島瑞穂党首が批判したのも当然だと思うのだが、なんと社民党内で阿部知子政審会長が国民新党の肩を持って福島党首の足を引っ張る発言をした。政府税調の件では福島瑞穂は批判されるべきだが、普天間基地移設に関しては批判されるべきは福島党首ではなく阿部氏だ。社民党のレゾン・デートルに関わる普天間基地移設問題で簡単に原則を捨てて良いはずがない。

この内紛を報じる記事についた「はてなブックマーク」を見ていると、参院で過半数を得た民主党がいつでも社民党を切れるようになった影響が出ているのだろうなどとコメントしている人がいるが、これこそマスコミ報道を鵜呑みにする意見というべきだろう。民主党が社民党を切るつもりだったら、わざわざ政府税調の専門家委委員長に神野直彦氏(民主党左派と社民党のブレーン)を呼ぶはずがないし、藤井裕久前財務相の後任に、日経新聞などが待望していた野田佳彦あたりを据えたに違いない。もちろん財務相が野田佳彦であれば政府税調に神野教授を呼ぶことなど考えられず、財政再建論に立つ新自由主義系の学者を呼んで、早々に消費税率を引き上げる方向に突進しただろう。しかし、政府はそういう人事は行わず、賢明な判断を下した。それは、民主党のトロイカの方針によるものだろう。鳩山由紀夫も小沢一郎も決して「左」の政治家ではなく、むしろ地の体質は右寄りだが、自民党と同じ路線をとってしまえば民主党政権は長く続かないことくらいはわかっているのではないだろうか。だから菅直人が藤井裕久の後任に就き、神野直彦教授に政府税調の専門家委委員長に就任してもらった。もっとも、現状でも内閣府副大臣の大塚耕平のように、櫻井よしこが主宰する国士様勢揃いのシンクタンクで、二桁の消費税率を想定していると発言した大馬鹿者もいるが(前々回のエントリで大塚を甘く評価してしまったのはひどい誤りだった)、こういう人間は更迭してでも、神野教授の構想に沿って税制改革を進めてほしいと思う。七奉行たちの意見は、おそらく皆大塚耕平と似たようなもので、すぐに自民党と同じ路線へと傾く。七奉行が民主党政権の主導権を握るくらいなら、現在のトロイカの方がよほどマシだ。私はそう思っている。七奉行が天下を取った時こそ、社民党は切り捨てられるだろう。

だが現在はそんな状況ではないのだから、社民党の政治家たちはもっと堂々とした態度をとればよいと思うのだが、阿部知子はそうはしない。おそらく多くの人が感じていると思うのだが、福島瑞穂と阿部知子はもはや不倶戴天の間柄になっていて、特に阿部氏にとっては福島党首を叩ける材料ならば何にでも飛びつくという状態にまで間がこじれているのではないかと思う。理屈より感情が優先しているのであり、だから普天間基地移設問題で国民新党の肩を持つような筋の悪い批判をしているのではないか。人間はどこまでも感情の動物だと思う。

いま焦燥感を持って思うのは、おそらく今ほど社民党や民主党左派にとって大チャンスを迎えた時期はないのに(だって民主党右派や中間派をさしおいて政策の主導権を握れる立場にいるんだぜ)、なぜこんなドタバタをやっているのかということだ。この機を逸するなら、二度と再び好機には巡り会えないように思えてならない。だから私は、社民党と民主党左派に「喝」を入れ続けるのである。
2010.02.19 08:11 | 税制 | トラックバック(-) | コメント(12) | このエントリーを含むはてなブックマーク
普段は見ない正午(16日)のNHKニュースで、またぞろ「3月から消費税を議論する」と称するニュースをやっていた。前回のエントリで書いたように、マスコミが勝手に菅直人財務相の発言をねじ曲げて、消費税に議題を設定しようとしている捏造報道である。私が見た時には社民党の福島瑞穂党首と国民新党の亀井静香代表がコメントしていた。亀井静香は、普天間基地問題に関する発言は全くいただけないけれども、税制改革に関する発言はいたってまともで、税制全体を議論するのだ、4年間上げない消費税の話ばかりするほど暇じゃないと、記者団の質問を一蹴していた。しかし福島瑞穂は、社民党はあくまで消費税率を上げることには反対だ、特定財源の見直しなど、まずムダを削減すべきだと答えていた。これはいただけなかった。

いや、もし福島氏が野党の党首であるならこの答えで構わない。間違ったことは言っていない。しかし、連立与党の大臣の発言としては失格だ。前回のエントリで言及した政府税調の専門家委委員長・神野直彦氏(関西学院大学教授)は、民主党左派のブレーンであると同時に、社民党のブレーンでもある。「財政再建厨」の藤井裕久前財務相が退任して、後任に菅直人が就任し、政府税調の専門家委委員長に神野教授に就任してもらって、ようやく民主党左派や社民党の思うような方向の税制改革に乗り出せる下地ができたというのに、マスコミの議題設定に福島瑞穂自身が乗ってどうするのだ。まず「消費税率引き上げには反対」だと表明したとは、そういう意味だ。福島瑞穂は、「誰が消費税を上げるなんて言ったんですか」と記者団の質問を一蹴した上で、政府が進めようとしている税制改革をPRするべきだった。私は何も、消費税率を引き上げよと言っているのではない。政府税調の方針だって、まず所得税・法人税の課税ベースを拡大して、所得税の累進制を実質的に高めることなどから議論が始まるはずだし、その次にくるのは環境税の導入などではないか。それは社民党の政策とも一致するはずだ。何より気に食わなかったのは、ムダの削減を強調する福島党首の発言が、民主党右派とまでは言わないけれども、枝野幸男あたりの民主党中間派の発言のように聞こえたことだ。なぜ社会民主主義を標榜する政党の党首が、福祉国家の理念を語らないのか。ムダの削減だけだったら、新自由主義者の主張と何も変わらない。前回のエントリで、毎日新聞の神野教授へのインタビュー記事を紹介したが、この中で神野教授は、

諸外国では公共サービスを豊かにするため増税するが、日本は公共サービスの縮小を含む行政の無駄を削らない限り増税できないという不思議な世論が形成されている。これは異様だ。

と言っている。昨日の福島瑞穂のコメントは、神野教授のこの批判の対象になるように、私には思えた。環境税に関しても、社民党はもっとも熱心な推進派のはずだが、なぜかその意義を強くPRしていないように見える。この例に限らず、最近の福島瑞穂には失望させられることが多い。

菅直人も菅直人だ。「民主党としても与党3党としても『消費税の議論をやるべきではない』と言ったことはない」などと発言した。これも、間違ったことは言っていないのかもしれないが、議題を「消費税」にしたい記者団の狙いに乗ってしまうところがなんとも軽率であり、福島瑞穂と同じ失敗をやらかしている。記者団の誘いになんか乗らずに、一連の報道はマスコミのミスリーディングだと、もっと声を大にして主張すべきではないのか。こんなことでは、何のために政府税調の専門家委委員長に神野直彦教授を招いたのかわからなくなる。福島瑞穂と菅直人に代表される社民党と民主党左派に、私は「喝」を入れたい。これが書きたかったために、いつもの月・金の週2回更新のペースを破って、ブログを更新する次第だ。その点、「4年間上げない消費税の話ばかりするほど暇じゃない」と言い放って記者団をバカにした亀井静香はさすがで、社民党や民主党左派にもこのくらいの勝負勘の持ち主が欲しい。

マスコミが消費税を議題設定しそうだと見るや、与謝野馨はこれに悪乗りして、「超党派で消費税や年金を議論しよう」などとほざいている。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100216-OYT1T01052.htm

消費税や年金、与謝野氏「超党派で協議を」

 自民党の与謝野馨・元財務相は16日、CS放送「日テレG+(ジータス)」の番組収録で、消費税率引き上げや年金制度改革について、「一つの政党でやると責任をかぶる。民主党がそう(議論が必要だと)思うなら、全党派で政治的思惑を超えてテーブルについてもいい」と述べ、超党派での協議を求めた。

 菅財務相が消費税を含む税制改正の論議を3月に開始する方針を示したことについては、「無駄の排除と行革、税制改革は同時並行でやらないといけない。少し良心的になってきた」と語った。

(2010年2月16日19時22分 読売新聞)


何が「少し良心的になってきた」だ。前回も書いたが、消費税増税で財政再建をしようとする自民党の政策は、現政権の政策とは全く違う。やはり前回も書いたように、私は以前からこの与謝野馨という政治家が大嫌いである。与党時代には、「政策通」などと言われていたが、それは与謝野の知恵などではなく、官僚の入れ知恵を自分の知見のように見せかけていただけだ。そしてその政策は、財務官僚から教えを受けただけあってゴリゴリの「財政再建厨」。こんなのを持ち上げていたマスコミや、その虚像に騙されていた人が悪い。幸か不幸か、野党になって官僚の入れ知恵がなくなると、与謝野の地が出てきた。先日の鳩山首相に対する品性下劣な代表質問に呆れた人も多いだろう。

与謝野に限らず、官僚からレクチャーを受けられなくなる議員は地を露呈することが多く、平沼赳夫などもそうだ。経産相を務めていた頃には、あたかも識見の高い政治家であるかのようなイメージを醸し出していた平沼だが、郵政選挙で自民党を追放されると、「上野動物園のパンダのランラン(笑)は謀殺されたのではないか」とか「蓮舫議員は元々日本人じゃない」などのトンデモ発言ばかり連発するようになった。官僚のお助けの得られない自民党議員なんて、吹き替えの音源を失ってしまった口パクの歌手みたいなものだろう。

罵詈雑言はこのくらいにして、前回のエントリにいただいたsweden1901さんのコメントを紹介する。明らかにブログ主より数段レベルの高いコメントをくださるsweden1901さんには、いつも深く感謝している。以下紹介する。

本日のエントリーのタイトル
【議論を本格化させるのは「消費税」ではなく税制全体の見直し】
に大きくうなずきながら拝読しました。

今朝の朝日新聞の見出しを見て、「え?」と感じて本文を読んでみると、
>菅直人副総理兼財務相は14日、東京都内で記者団に対して
>「所得税、法人税、消費税、環境税と、全部の税制のあり方の
>議論を3月ぐらいから本格的に始めたい」と述べた。

とあります。
それなのに、見出しをもう一度見直してみると、
【「消費税、3月ぐらいから本格的に議論」 菅財務相】
ですからね。消費税増税を煽り続けている朝日新聞ならではだなあと、逆に納得がいきましたが。
http://www.asahi.com/politics/update/0214/TKY201002140183.html

他紙の見出しを並べてみます。
日経【財務相「消費税論議、3月から」 税収減受け前倒し】
毎日【菅財務相:消費税議論「3月から」 大幅前倒し意向】
読売【菅財務相「消費税含めた税制議論、3月に開始」】

このように、主要4紙では読売だけが、「消費税に限らない、税制全体」の論議であることを明示しています。
マスコミのミスリード、ここに極まれり、といった感があり、本当に呆れます。

私の消費税の税率アップに関するスタンスは、これまでも何度かコメントさせていただいています。kojitakenさんとほぼ同様だと思います。

所得税の累進性再強化、法人税の引き上げ、租税特別措置の抜本的見直し。
加えて、各特別会計の不用金、剰余金の無駄を省くことをまず徹底的に行うべし、というものです。
さらには、消費税増税を目論んでいる財務省その他の勢力が主張する「消費税増税のための理由」の一つが、「社会保障費の不足」なのですから、「事業主(=企業)の社会保険料負担率のアップ」も当然議論に組み入れられるべきです。

それでもなお、税収が足りないときに初めて、「低所得層に、より重い負担を強いることになる」消費税の税率アップが議論されるべきである、と考えます。
当然、欧米諸国の例に倣い、食料品、医薬品は軽減税率を適用し、低所得層への負担を減じる措置を十分に講じることが必須です。

また、消費「税率」だけがよく議論の対象となり、
「日本の消費税率は5%で、欧米より極端に低い。」と、財務省のみならず、朝日・日経など主要紙、ニュースステーションの古舘伊知郎、ZEROの村尾信尚は二言目には言っているわけですが本当にそうなのかをよく見極めないといけません。

国税・地方税を合わせた国全体の税収に占める、消費税による税収の割合は、
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/021.htm
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/101.htm
この2つのページから算出すると、
・日本14.8%
・イギリス22.3%
・フランス25.9%
・ドイツ28.8%
・アメリカ10.3%
です。
ドイツを基準にするなら、日本はほぼ半分と言えるでしょうが、その他の欧米諸国全体からすれば、極端に低いわけではない。

なお、消費税に、酒税・タバコ税・ガソリン税などを加えた「消費課税」の、税収全体に対する割合となると、日本と欧米諸国の差はもっと縮まって、
・日本29.6%
・イギリス36.1%
・フランス39.6%
・ドイツ46.6%
・アメリカ22.1%
・スウェーデン35.5%
です。

もし日本の消費税率が10%あるいは12%にアップされたら、間違いなく日本は、「消費税収の、税収全体に占める割合」が一気にトップクラスになります。そんな「低所得層から搾取し、富裕層を優遇する」、トンでもない社会を受容するわけにはいきません。

2010.02.15 23:11 sweden1901


sweden1901さんからはもう1件コメントをいただいている。sweden1901さんに先立ってコメントいただいた「田舎税理士」さんの「非課税・不課税部門が日本の消費税制にはとても多く、実質的に見て貧困層ほどその恩恵を受け易くなっている」というコメントに対する反論である。以下紹介する。

>田舎税理士さん

>確かに消費税は逆進性が高いと言えますが、統計学的に見て、逆再分配等という事は殆どあり得ない。だって、非課税・不課税部門が日本の消費税制にはとても多く、実質的に見て貧困層ほどその恩恵を受け易くなっているんですから。

国税庁のweb siteにあるこのページに非課税範囲が示されています。
ホーム>税について調べる>タックスアンサー>消費税>課税取引・非課税取引>「非課税となる取引 」
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6201.htm

これを簡略化したものは財務省のページ↓にあります。
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/106.htm

そして消費税非課税の範囲は、欧米諸国と比較して、広いとはとても言えません。
参考↓
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/108.htm

同じページに、食料品をはじめとする軽減税率が欧米諸国で導入されていることがよく分かる欄があります。(イギリスでは食料品などはゼロ税率)
それ以外の国の軽減税率はwikipedia(消費税)に載っています。

このように軽減税率を適用すれば、低所得者層に厳しい税制とは言えなくなるかもしれませんが、現在の日本の消費税は「実質的に見て貧困層ほどその恩恵を受け易くなっている」とはとても言えないのではないでしょうか。

2010.02.16 00:11 sweden1901


sweden1901さんからはこのような優れたコメントがいただけるのだが、どういうわけか民主党系あるいは社民党系のブログはいたって低調だ。最近、城内実の公式サイトと相互リンクが張られていることに気づいた植草一秀センセのブログは、政府税調や税制改革には全然触れずに(植草センセは神野教授に教わらなかったのかなと思って調べてみたら、残念ながら在籍期間は重なっていなかった)、悪名高いリチャード・コシミズなんかに入れ上げているみたいだし、そのせいもあるのか、「勇気ある自Endクラブ」(by dj19さん)はどこも取り上げていない。過去二度の国政選挙区に民主党公認で立候補した民主党左派の戸倉多香子氏も、金子勝は取り上げているけれども神野直彦や政府税調は取り上げていない。さすがに、『広島瀬戸内新聞ニュース』はアクションが早くて、私が前のエントリを書き上げて、さあ公開しようと思った時には、すでにその数時間前にエントリが上がっていたことを知って感心したが、これは例外であって、概して民主党系及び社民党系ブログの動きが鈍く、そうこうしている間にマスコミに易々と議題設定をされてしまいそうだ。皆さん、小沢一郎に関する問題にはあんなに熱心なのに、税制はどうでも良いのだろうか。この状態だと左からは「民主党は自民党と一緒」と言われ、右からは民主党に早期の消費税増税の圧力がかかる。民主党左派から社民党にかけてのポジションからの声が小さ過ぎて、何とも苛立たしい。

「喝」を入れるべき対象はもっとたくさんありそうな気がする。
2010.02.17 08:00 | 税制 | トラックバック(-) | コメント(15) | このエントリーを含むはてなブックマーク
まずお知らせ。昨日の『kojitakenの日記』に、伊勢崎賢治さんの新刊『アフガン戦争を憲法9条と非武装自衛隊で終わらせる』(かもがわ出版、2010年)の書評を書いた(下記URL)。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20100214/1266123722

上記書評記事にも書いたが、この本の製作にはブログ『お玉おばさんでもわかる 政治のお話』を運営しているお玉さんが関わった。以前私は、城内実の評価をめぐってお玉さんのブログ記事を批判したことがあるが、平和を志向し、陰謀論に反対することに関しては、お玉さんと私は同志といえる。伊勢崎さんの本の内容には賛否いろいろな意見が出ると思うが、とにかくご一読をおすすめしたい。

さて、国会の論戦では、民主党と自民党が去年までとは攻守ところを変えた論戦を展開しているが、テレビでどえらくもてはやされていた与謝野馨の代表質問はひどかった。私はもともと与謝野馨など全く買っていなかったので、「ああ、地が出たな」と思っただけだが、テレビが作り上げた「政策通にして紳士」という虚像に騙されていた人たちには、品性下劣としか言いようのない与謝野の質問はショックだったようだ。

で、その与謝野による鳩山由紀夫首相への追及などどうでも良いと思う。それよりひどいと思ったのは、昨日(14日)のテレビ朝日『サンデープロジェクト』に出演した与謝野の消費税率に関する発言である。消費税率を上げて財政再建をしなければならない状態なのに、民主党はバラマキばかりしている、消費税は上げねばならず、その税率は10%では追いつかないかもしれない、15%くらいにする必要があるかもしれないと、そんな主張をしていた。相変わらずゴリゴリの「財政再建厨」であり、与謝野なんかに経済政策を任せたら、民主党発どころではない与謝野馨発の大恐慌を招いてしまうだろう。財政再建論者とはすなわち「小さな政府」論者のことであり、自民党は新自由主義から全然脱却できていない。その象徴が与謝野馨である。

昨日は、菅直人財務相が、「消費税について3月ぐらいから本格的に議論する」と発言したとかでマスコミが一斉にこれを報じている。自民党の谷垣禎一総裁は、菅財務相の発言を「(4年間は消費税増税を行わないとしてきた民主党の)公約を維持できなくなったと自白しているに等しい。自分たちの主張に責任を取るべきだ」と批判したそうだが(共同通信による)、これってマスコミが読者をミスリードする記事に、自民党総裁ともあろうものが引っかかったみっともないニュースであると私には思えた。

どこがミスリードなのか。

一連の「政治と金」の問題に隠れてほとんど目立たなかったが、1月末、政府税調の専門家委員会の委員長に、神野直彦・関西学院大学教授が就任した。2月4日付の毎日新聞には、神野教授へのインタビュー記事が出ている。

聞きたい:政府税調・専門家委委員長、神野直彦・関西学院大教授

 政府税制調査会が設置した「専門家委員会」の委員長に就任した、神野直彦関西学院大教授が毎日新聞のインタビューに応じた。専門家委が約2年をかけてまとめる中長期の税制ビジョンについて聞いた。【聞き手・赤間清広】
 ◇所得税・法人税、課税ベース拡大を

 ??専門家委の役割は?

 ◆委員選考も任され、税財政に加え社会政策や環境分野の専門家も委員に加えた。新しい時代に沿った租税構造を構築するためだ。ただ、我々はあくまで政府税調のスタッフ。ビジョンを示す一方で「この問題には別の考えがあり、それにはこうしたメリットがある」という判断材料を提示する努力も必要だ。

 ??何から手をつけますか。

 ◆今の税制の問題点は90年代以降、所得税、法人税の減税が相次ぎ、税収調達能力が低下したことにある。深刻な不況の中、税率引き上げは難しいとしても、所得税、法人税の課税ベース(対象)拡大はできる。景気が回復すれば、自然に税収が伸びる本来の姿を取り戻すべきだ。

 ??財政再建の観点から消費税増税を求める声があります。

 ◆諸外国では公共サービスを豊かにするため増税するが、日本は公共サービスの縮小を含む行政の無駄を削らない限り増税できないという不思議な世論が形成されている。これは異様だ。

 ??消費税は、どう位置づけるべきでしょう?

 ◆福祉や子育てなど公共サービス充実のため、国民全体で等しく負担を分かち合うという理念であれば、消費税も有力な選択肢になる。友愛型の社会を目指すなら、消費税と所得税を税収の両輪とし、環境税などで補完する仕組みが望ましいのではないか。一方、日本が米国型の「小さな政府」を標ぼうし、公共サービスを最小限に抑えるというなら、高所得者の課税に重点を置いた所得税中心の税制を築き、消費税自体を廃止する選択肢もあり得る。どういう社会を目指すのか、将来ビジョンをまず明確にすることが必要だ。

(毎日新聞 2010年2月4日付)


この毎日新聞の記事では短すぎてわかりづらいところがあるが、『週刊金曜日』の1月29日号に、神野教授へのインタビュー記事が掲載されていたようだ。そこから抜き書きしたブログを見つけたので、下記にURLを示す。
http://blogs.yahoo.co.jp/koganemusida/59537293.html

以下引用する。

要旨
「消費税頼みではなく、税収調達能力の回復を」と題し、1929年以来の大恐慌次期には問題解決型改革と、ビジョン的解決が必要である。

1、当面の課題解決のために、次の4つを上げている(注:3つしかない)。
(1) 租税特別処置の見直し:法人税などに開いている穴、企業へ優遇している穴を埋める。
(2) 所得税控除の見直し:控除主義から手当て主義に変える。他の先進国でやっている手当て主義は、控除も受けられない貧困層に優しい。
(3) 暫定税率の廃止・自動車課税の見直し:世界(EU)も自動車関係税とガソリン税を環境関係に衣替えして課税強化する。

2、ビジョン的解決のためには「自然増収する構造を」作る。
不況のうちに自然増収できる構造を作っておければ、景気が良くなれば自然に増収する。不況が進めば自動的に減税になる。

 1990年代日本は資本所得に対する租税負担を軽くすれば資本が流入して経済が成長すると信じ、法人税を引き下げて所得税の累進税率の最高税率を引き下げてきた。その一方で消費税に重点を置いた。
しかし、消費税の問題点は経済成長があった場合に自然増収が無いことで、増収するには消費税率を上げるしかない。所得税の累進税率の場合は、国民所得が一伸びれば税率が高い上のランクに入るために税収は1.5倍に自然増収する。

 1990年と2000年の一人当たり国民所得は全く同じであるが、所得税は16兆円、法人税は10兆円近く減り、合計26兆円も減少してしまった。今後11兆円増収しなければならないから消費税を12%にしなければならないと財務省・自民党・竹中平蔵一派等の均衡財政主義・富裕層大企業減税主義者から強力に主張されてきた。

だが、所得税を見直す余地が大きいからと、単に最高税率を上げるという形式面ではなく課税ベース(範囲)と税率を組み合わせる、または控除を考慮して、実質的に累進性を高める方法もある。

そして、税制を変更するためには公平な税制を構築する必要があり、そのためには「納税者番号の導入」の必要になる。個人識別番号を導入し全ての所得を補足しているスウェーデンでは、多くの国民が「こんなに所得が少ないわけが無い。もっと所得があるはずだ」といって増額修正をするそうです。
これは、スウェーデンの年金は所得とリンクした所得比例年金なので、現在の所得で将来の年金が違ってくるからだそうです。

また、ストックホルム大学の女性教授が、日本の子供手当ての議論を着て驚いていたそうです。子供がいない家庭は「子供がいる家庭のために負担などしたくない」といい、「子供のいる家庭は「貴方の老後を支えるのは私たちの子供ではないですか」と反論する。「日本国民には連帯の意識は無いのですか」と教授は質問したそうです。

「税金は担税者である国民が負担しあうもの。やさしさと悲しみを社会で分かち合うための負担が租税である」と位置づけなおすことが必要です。(これが鳩山首相の友愛精神)

なお、租税特別措置とは、特定業界の減税や短期間の税負担減免のことで、国税だけでも約300項目ある。特定業界優遇や利益誘導の温床との批判があり、政府税調では期限到来の租税特別措置は原則廃止の方向である。

また、日本の所得税は非常に多くの非課税措置や控除があり、全ての課税可能な収入のうち27%しか課税されていない。抜け穴が多いといわれる米国の所得税でも課税ベースは日本のほぼ2倍だそうです。


政府税調専門家委員会の委員長はこのような考えを持っているわけである。特に赤字ボールドで示した財務省・自民党・竹中平蔵一派への批判は、そのまま昨日のテレビ番組における与謝野馨の発言に当てはまる。与謝野は紛れもない新自由主義者であると私が決めつけ、批判するゆえんである。

ちなみに、神野教授を専門家委員会の委員長に招聘したのは、菅直人財務相の意向による。前任の財務大臣だった藤井裕久は、与謝野馨同様の「財政再建厨」であり、藤井大臣の下では税制改革など進みようがなかっただろう。小沢一郎と対立してまで藤井氏を財務大臣に任命したのは、鳩山首相の大失策だった。

しかし、上記のような主張を持つ神野教授を、「消費税率引き上げに積極的だ」などと書くマスコミが後を絶たないのだから困ったものだ。マスコミは、どういうわけかわからないが、民主党政権に消費税率の引き上げを強烈に求めている。だから、菅財務相の発言を曲解して、おそらく税制改革の議論を進めるという意図の発言だったに違いないものを、税制には当然ながら消費税も含むから、「消費税の議論を本格化させる」などと報じ、そのミスリードに、こともあろうに自民党総裁の谷垣禎一ともあろうものが騙されて、「民主党の公約違反だ」などとトンチンカンなことを言う。この程度の人間に総裁が務まるのだから、自民党の将来は真っ暗だといえるだろう。一方、昨日サンプロに出ていた民主党の大塚耕平氏は、税制改革を進めるのだときっちり説明していたように見えた。サンプロでは、与謝野馨の馬鹿さ加減ばかりが目立った。

もちろん、民主党にも新自由主義者は大勢いるのだが、政府税調専門家委員会の委員長に神野教授を選んだだけでも、自公政権よりはずっと社民主義寄りの政策が期待できるだろう。昨年11月14日付の『kojitakenの日記』で、勉強の意味も兼ねて、神野教授の著書『財政のしくみがわかる本』(岩波ジュニア新書、2007年)より抜き書きしたが、神野教授は、財政赤字の何が問題かというと、借金返済に金が使われると、国民生活や企業活動を支えるサービスができなくなって所得再分配の機能を果たせなくなることだとする。また、消費税は負担が逆進的なので、消費税増税による財政再建には、逆再分配が行われる危険があるとも書いている(同書135頁)。これらは、与謝野馨や谷垣禎一らの主張する、消費税増税による財政再建を真っ向から批判するものである。消費税については、神野教授は、福祉国家を目指すのであれば、所得税や法人税の課税ベースを上げ、環境税を導入した上で、それでも公共サービスを充実するためには足りない分を、消費税率を上げて補うという考え方のはずだ。だから順序としては消費税率引き上げはあと回しになり、次の総選挙が行われる2013年以降に消費税率を上げるという構想になるものと思われる。それだったら、4年間は消費税率を引き上げないという民主党の公約には反しないのではないだろうか。繰り返して書くが、現在の民社国連立政権の政策は、財政再建のために消費税率をすぐにでも上げるという自民党の政策とは全く異なる。ところが、マスコミがでたらめな報道をするものだから、それが正しく伝わらない。今ほどマスコミの質が低下した時代は経験したことがない。

蛇足だが、現在「国策捜査」に抗議して気勢を上げている小沢一郎信者たちの中には、増税には何でも反対という人たちが少なからずいて、たとえば環境税にも反対している。その論拠として、「地球温暖化陰謀論」などを持ち出す者もいる。しかし、環境税は2011年度には間違いなく導入される。民主党より左の政党で環境税に反対する政党などなく(だって公共サービスを行うためには税収が必要だからね)、それどころか「みんなの党」でさえ導入に賛成だから、彼らには自民党を支持するしか選択肢がなくなるはずなのだが、さすがにそんなことはできないだろうから、政治ブログから離れていくのではないか。おそらく、今の「小沢信者」たちは、1年後には雲散霧消しているはずだ。

ま、そんな人たちは論外だからどうでも良い。私は、最近になってようやく、なんだかんだ問題は山積しているとはいえ、民主・社民・国民新党の連立政権は自公連立政権よりはずっとましだということを理解した。民主党は、決して自民党と同じではない。
2010.02.15 08:12 | 税制 | トラックバック(-) | コメント(10) | このエントリーを含むはてなブックマーク
起訴された石川知裕議員は民主党を離党したが議員辞職まではしなかった。私の予想していた通りであり、私自身は石川氏が議員辞職する必要は全くないと思うが、民主党離党は仕方がないと思う。無理筋の捜査ではあったが、政治家個人の闘争と政権政党としての闘いは分けた方が良い。無罪が勝ち取れれば復党には何の障害もない。

国政には課題が山積で、企業・団体献金の全面禁止や取り調べの全面可視化を法制化するよりも、貧困対策や景気対策などの経済政策を優先させよという声もあり、それももっともなのだが、経済政策を議論すれば企業献金の禁止や取り調べの可視化ができないわけでもなかろう。検察の無理筋の捜査から始まった今回の事件からも、政治は成果を勝ち取らなければならない。せっかく政権交代したのだから、民主党がマニフェストに謳った企業・団体献金の全面禁止と取り調べの全面可視化は必ずや早急に法制化しなければならない。それができなくて何のための政権交代か。民主党政権にはどうせたいした景気政策など打ち出せないのだから、企業献金禁止と取り調べの可視化で民主党が手抜きすることは許されない。いや、他の人は許しても当ブログは許さない。

企業・団体献金の全面禁止は政業の癒着に歯止めをかけるものなら、取り調べの全面可視化は警察や検察による人権侵害やでっち上げ捜査に歯止めをかけるものだ。当ブログ管理人が最近苛立つのは、取り調べの全面可視化に反対している(私に言わせれば)国賊の衆院議員のリストを毎日新聞のアンケートを元に作成・公開までしたのに、この件に対する反応がいたって鈍いことだ。もっとも、小沢一郎熱烈支持系のブログなどを読んでいると、石川知裕の離党に反対する声が鈍いと怒っていたから、人間誰しも自分がもっとも訴えたいことへの反応が思ったほどではないとイラつくもののようだが、取り調べの可視化の件に関しては特に、日本人のお上への隷従意識を強く感じて不快だ。

それでなくとも最近は検察が失態を重ねている。厚生労働省の雇用均等・児童家庭局長を務めていた村木厚子氏が昨年虚偽公文書作成、同行使容疑で逮捕・起訴された事件は、当時の舛添厚労相が村木氏について賛辞としかとれない発言をして注目されたが、当初から冤罪ではないかといわれていた。案の定というべきか、公判で検察側の証人である村木氏の元上司・塩田部長(当時)が「事件は壮大な虚構」と証言し、検察側は旗色が悪くなった。塩田氏は、「『村木さんを無実の罪に陥れてしまった』と気づき、今日は『実は記憶に無いことを、供述させられてしまった』ということを証言するために、法廷に来た」と証言したそうだ(下記URL参照)。
http://www.janjannews.jp/archives/2573227.html

石川議員逮捕直後の1月18日付エントリ「小沢一郎を乗り越えるべきは東京地検特捜部ではなく国民だ」で紹介したように、西松事件の大久保隆規氏の裁判でも、検察側の証人(元西松建設部長)が検察に不利な証言をして、大久保氏無罪が囁かれる展開になっていた。今回の事件での大久保氏再逮捕と起訴で、検察は大久保被告の訴因変更を申請するとの見方が新聞等で流れている。もし本当に申請されて認められれば、西松事件裁判の無罪を回避するために東京地検特捜部が大久保氏を今回も逮捕したのではないかと勘繰られても仕方ないだろう。

前回のエントリでリンクを張って軽く触れた佐藤栄佐久福島県前知事は、知事在職中に収賄容疑で逮捕されたが、二審で収賄額0円と認定された(それなのになぜか有罪判決は覆らなかった)が、ブログで検察の取り調べについて下記のように書いている(下記URL)。
http://eisaku-sato.jp/blg/2010/02/000033.html

真実を貫こうとしても、検察官の意に沿う供述をするまでは、決して保釈されません。弁護士との接見は平日に30分ほどあるのみで、検察官は拘置中、土日なく、早朝から夜半まで取調べを行います。検事が思う通りの供述が得られないと、娘が高校生になるまでここから出さない、県議、支持者を皆逮捕する、等と恫喝し、怒鳴り、机をたたき、背広を床にたたきつけたことを、弟は法廷で証言しました。

「これでは誰でも犯罪者にされてしまう」と。

その法廷で検事が証人の証言中に突然、派手に机を叩き、傍聴人も裁判官もその場にいた全ての人が肝を冷やしたことは先述のとおりですが、法廷内ですら相手を威圧する行動をとるのだから、これが密室だったらどれほどか、想像に難くありません。

私との接見の際、弁護士が「弟さんは判断能力が失われてきている」と伝えられたのを覚えています。連日、長時間の取り調べはそれ自体、精神と肉体を痛めつける物ですが、洗脳に近い効果があることを私自身も感じました。

任意の事情聴取も、密室で長時間拘束し、脅迫的、高圧的に供述を促す点では同じです。

(佐藤栄佐久 公式ブログ 2010年2月4日付「国民はどこにいるのか。国民は誰が護るのか。【1】」より)


文章はこのあと、『週刊朝日』が報じた石川議員の女性秘書の取り調べについて書かれているが、この件についてはいくつかの有名ブログでも取り上げられたので、ここでは省略する。

大阪府枚方市の中司宏市長(当時)や、小堀隆恒副市長らが逮捕・起訴された談合事件で無罪判決を受けた小堀副市長の書簡も、違法としか思えない検察の取り調べの過酷さをうかがわせるものだ。
http://www.kiku-sakura.net/kobori.html

以下引用する。

4,それでも、検察官は私の話を聞き入れません。汚職警察官の言うことが正しいと決め付け、私がそうでないと何度も申し向けても聞く耳を持ちませんでした。挙句、「二度と枚方に住めないようにしてやる。」、「お前ら家族も町を歩けないようにしてやる。」などと怒号し、机を叩きつけたり、パイプ椅子を蹴り飛ばしたりし続けました。拘置所の看守が、近所から苦情が出ていると取調べの最中にクレームを述べに来たり、多数の取調べを目の当たりにしている看守が私に「間違いをおかすなよ。」と自殺の心配をしなければならないほど過酷な取調べが続いたのです。

その上、排尿障害でカテーテルを挿入され、その挿入に問題があったがため出血が酷く、まともな手当てもされないまま、オムツを履かされ出血が止まらない状況で取調べを受けたのです。その屈辱は一生消えることはないでしょう。私は、法治国家の日本の現実かと恐ろしくなりました。

5,勾留中、私には弁護士以外とは面会できないという措置が講じられていました。
保釈後、マスコミが、私が罪を認めたであるとか、1000万円受け取ったなどと虚偽の報道を競うようにしていたことを知り愕然としました。特捜部からリークされた虚偽の事実を、そのまま平然と報道するマスコミの姿は、それまで私が持っていたマスコミ像とは全く違っていました。権力と戦う正義感に燃えるマスコミ像というのは、単なる幻想であることを思い知りました。

事件について何も知らず、マスコミからの情報にだけ接する一般人の考えは当然誤った方向に導かれます。私が勾留中、私の家族には「松岡農林水産大臣のように自殺されてはどうですか」と書かれた匿名の手紙が届きました。あの時、私の家族に何かあったとしても、マスコミは責任を認めなかったでしょう。
これが報道の自由を標傍するマスコミの実態なのかと虚しくなりました。

(小堀隆恒・枚方市前副市長の書簡より)


こういう取り調べの実態を知るにつけ、取り調べの可視化の必要性を痛感するが、取り調べの可視化に反対する安倍晋三や城内実を含む57人の衆院議員のリストを掲載した前々回のエントリ「『取り調べの全面可視化』に反対する衆院議員の名前を晒す」に、「負け組みの矜持」さんから下記のようなコメントをいただいた。

取調べでの全面可視化は、日米地位協定の視点からも絶対に実施されなければならないことです。

今回の石川衆議院議員秘書に対する「取調べ」からわかることは、日本の検察・警察体制は戦前と変わらない前近代的なものであり、このような体制にある国に自国民を引き渡すような「非国民政府」はないでしょう。

それにしても、日本の司法(裁判所)は一体、どうしたというのでしょうか。検察のいいなりではありませんか。今回の小沢問題は、実は司法(裁判所)とマスコミの権威の失墜ではないかと思っています。

2010.02.05 11:19 負け組みの矜持


「負け組みの矜持」さんが指摘されるように、沖縄の読谷村で起きた米兵によるひき逃げ事件で、容疑者の二等軍曹が「取り調べの可視化」を求めて黙秘していることを、『琉球新報』が報じている(下記URL)。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-155353-storytopic-111.html

同紙の記事によると、弁護人の高江洲歳満弁護士は「密室で取り調べを行う日本の捜査が問題だ。密室での取り調べは米国で『拷問の名残が残る歴史的遺物』ととらえられている。公正な取り調べのために、可視化や弁護士の立ち会いを進めるべきだ」と指摘しているとのことだが、「取り調べの可視化」を日本が行わないことが日米地位協定の改定の障害の一つになっている。この琉球新報記事についた「はてなブックマーク」を見ると、

これが事実なら,アメリカ側が拒否するのも分かる。アメリカ側の外圧を期待するしかないのかしら。(haruka-izumiさん)

米国から圧力がかかることはないだろう。不平等な地位協定のままの方が美味しい。(softboildさん)

などの、皮肉なコメントが読める。城内実代議士も、「○○の裏に某国政府筋がいるのではないか」などと怪しげな陰謀論を振りまくくらいなら、現に不平等な日米地位協定を改定する妨げを取り除く「取り調べの可視化」賛成に転じるべきだと思うのだが、いかがだろうか。そういう筋の通った行動をとらないから、先日来『kojitakenの日記』でウォッチしているように、自身のブログをコメンテーターたちにからかわれるのである。

今日は本当は別の話題について書くつもりだったのだが、結局前振りのつもりで書き始めた「取り調べの可視化」に関する件だけで終わってしまった。来週からは話題を改めたいと思う。
2010.02.12 08:17 | 取り調べの可視化 | トラックバック(-) | コメント(16) | このエントリーを含むはてなブックマーク
昨日(7日)の「政治番組」でも、「小沢一郎問題」がメインで取り上げられたが、私はもはや集中して番組を見ることはできなかった。この件に関して政治がなすべきことは、「企業・団体献金の全面禁止」と「取り調べの可視化」、この2件をスピーディーに法制化することだ。

ところが、またしても民主党が怪しい動きを見せているようだ。昨日トラックバックいただいた『たかしズム「ネトウヨ、バカウヨ、ネット右翼、恥さらし、売国奴、日本の恥」を語るための、たかしのブログ』は、上記サンプロに出演した郷原信郎氏の発言を引いて、下記のように書いている。

今朝(2月7日)のサンデープロジェクトがだんぜん面白かった。特に郷原信郎氏の発言が気に入った、彼はこう言ったのだ。自身の不起訴決定後に行なった記者会見での小沢氏の「不起訴は公平公正な検察当局の捜査の結果として受け止めている。」という発言は、問題である、一度は「到底容認できない。断固として信念を通し闘っていく決意だ」などと言っておきながら、自分ひとり不起訴になった途端に前言撤回するというのでは、検察と裏で「取引」したと勘ぐられても仕方がないだろう、というものであった。その直後、例によって田原総一朗が「郷原さんは小沢さんの味方だと思っていたが違うの?」などと、クダラナイ茶々を入れていたのは言うまでもない。

(『たかしズム「ネトウヨ、バカウヨ、ネット右翼、恥さらし、売国奴、日本の恥」を語るための、たかしのブログ』 2010年2月7日付エントリ「小沢問題についてもう少し」より)


実は番組を見ながらあらぬことを考えていたので、郷原氏のこの発言も聞き落としていたのだが、そんなことを言っていたとは私にも意外だった。

前回のエントリで、昨年の衆院選前に、毎日新聞のアンケート(「えらぼーと」)に対して、「取り調べの可視化」に反対する、と回答した現職衆議院議員の一覧を示したが、もちろんそこに示した面々以外は全員賛成しているのだから、「取り調べの可視化」を早く法制化せよ、というのが私の言いたいことだ。そこで、賛成すると答えた自民党、他の保守系政党(みんなの党、国民新党、新党大地、新党日本)及び自民党系無所属の賛成者を下記に示す。

自民党(53人) 武部勤(北海道12)、金田勝年(秋田2)、小野寺五典(宮城6)、遠藤利明(山形1)、加藤紘一(山形3)、吉野正芳(福島3)、額賀福志郎(茨城2)、梶山弘志(茨城4)、小渕優子(群馬5)、柴山昌彦(埼玉8)、松野博一(千葉3)、斎藤健(千葉7)、浜田靖一(千葉12)、平将明(東京4)、石原伸晃(東京8)、菅原一秀(東京9)、井上信治(東京25)、松本純(神奈川1)、菅義偉(神奈川2)、長勢甚遠(富山1)、馳浩(石川1)、塩谷立(静岡8)、野田聖子(岐阜1)、古屋圭司(岐阜5)、田村憲久(三重4)、三ツ矢憲生(三重5)、伊吹文明(京都1)、二階俊博(和歌山3)、谷畑孝(大阪14)、竹本直一(大阪15)、細田博之(島根1)、竹下亘(島根2)、逢沢一郎(岡山1)、岸田文雄(広島1)、中川秀直(広島4)、河村建夫(山口3)、山口俊一(徳島2)、大野功統(香川3)、塩崎恭久(愛媛1)、山本公一(愛媛4)、福井照(高知1)、中谷元(高知2)、山本有二(高知3)、古賀誠(福岡7)、今村雅弘(佐賀2)、谷川弥一(長崎3)、衛藤征士郎(大分2)、坂本哲志(熊本3)、江藤拓(宮崎2)、徳田毅(鹿児島2)、秋葉賢也(比例東北)、長島忠美(比例北陸・信越)、野田毅(比例九州・沖縄)

みんなの党(4人) 渡辺喜美(栃木3)、柿沢未途(東京15)、浅尾慶一郎(神奈川4)、山内康一(比例北関東)

国民新党(2人) 松下忠洋(鹿児島3)、下地幹郎(沖縄1)

新党大地(1人) 鈴木宗男(比例北海道)

新党日本(1人) 田中康夫(兵庫8)

自民党系無所属(3人) 中村喜四郎(茨城7)、小泉龍司(埼玉11)、平沼赳夫(岡山3)


無所属では、他に民主党系無所属の川口博(秋田2、「民主党・無所属クラブ」)が賛成している。

全衆院議員が賛成している共産党・社民党及び衆院議員の大部分が賛成している民主党・公明党については賛成者リストをわざわざ作成する必要はあるまい。もちろん平野博文も渡部恒三も取り調べの全面可視化に賛成している。昨年の総選挙では、有権者は彼らの主張を検討して候補者を選んだのである。「えらぼーと」で「賛成」と答えた国会議員たちには、取り調べの全面可視化を速やかに法制化するよう努力することが求められるのは当然だ。でっち上げとしか考えられない捜査によって逮捕され、二審では贈収賄額が0円と認定されたにもかかわらず有罪判決自体は覆らなかった佐藤栄佐久・福島県前知事(この裁判で佐藤氏の弁護人を務めているのが宗像紀夫氏である)が書いたブログ記事(前編後編)を読めば、たいていの国会議員だって身につまされるだろうし、それでも取り調べの完全可視化に反対する政治家たちとはいったいどういう人たちだろうと、私は疑念を抱かずにはいられない。

ところで、『村野瀬玲奈の秘書課広報室』にも好意的にご紹介いただいたエントリ「小沢一郎を乗り越えるべきは東京地検特捜部ではなく国民だ」で書いたように、私は小沢一郎は乗り越えなければならない政治家だと考えている。いや、5月に68歳を迎える小沢一郎だって、自らが抱えている矛盾を自覚しているのではないか。だから、昨年、「西松事件」で大久保隆規秘書が逮捕され、いわゆる「小沢信者」たちが「企業献金を受け取って何が悪い」などと信じられない開き直りを見せていたさなかに、自ら「企業・団体献金の全面禁止」を言い出したのではないだろうか。これを、自分を乗り越えよと小沢一郎自身が言っていると解釈するのは、あまりに小沢一郎に好意的な見方だと言われるかもしれないが、小沢一郎の主張自体は、(たとえ「お前が言うな」と言いたくなるとは言っても)決して間違ってはいない。これまた何度も書くけれども、この不意打ちを食った町村信孝がテレビの政治番組で逆上していたさまは、今思い出しても笑える。同時に、立場を失った小沢信者たちにも笑えたのだが、彼らは全く反省の色を見せず、性懲りもなく「小沢不起訴はゆうちょ銀行の資金を米国債で運用することでアメリカとバーター取引したものではないか」などと書く始末だ。大部分が日本国際で運用されている郵貯資金の運用先を、そっくり米国債でリプレイスするといわんばかりのこんな非常識な陰謀論には、彼らの師匠・植草一秀も与しないから、この手の陰謀論は城内実ブログのコメント欄のような、反米兼反小沢一郎の右側の人たちが集まる場所でぶすぶす燻るにとどまっている。

上記リンク先の城内実ブログには、たとえばこんなコメントがある。

西郷 2010/02/5 18:59:59

■最悪!小沢、米要人との会見後、一転して不起訴!
どうやらカラクリが明らかになりましたね。
最悪です…。

ゆうちょ銀の資金、米国債で運用も 亀井大臣が見解
http://www.asahi.com/business/update/0204/TKY201002030498.html

郵政『米』営化に戻りました。
小沢は同じ朝鮮人小泉と一緒の方向にシフトしました。


なんとも醜悪きわまりないコメントだが、ひところ、「リベラル・左派」系のブログの間で流行した「右も左もない」というトレンドの行きつく先は、こういう連中との「共闘」だったことを指摘しておかなければならない。小泉純一郎が推進した新自由主義の政治も、小沢一郎が引きずる経世会の金権体質も、ともに乗り越えなければならないと私も思うけれども、小泉批判にせよ小沢批判にせよ筋の通ったものでなければならず、「小泉は朝鮮人だ」、「小沢も朝鮮人だ」などと認定して憎悪の炎をかき立てるようなレイシストたちと共闘なんかしてはならないことは当然だ。

何かあると、すぐに「アメリカの陰謀」だとか「ユダヤの陰謀」だなどと認定する陰謀論は、ずっと反体制に慣れてきた一部トンデモ左翼の心をとらえるのだろうが、不毛だ。現在、政治権力が民主党にあることは措くにしても、権力に対峙する場合、権力が陰謀を弄しうるハンデ戦を強いられるのは当然だ。だから陰謀論に傾きたがる心理は理解できないでもないが、陰謀仮説がドグマと化して仮説への批判を受けつけない姿勢になると、それは容易に全体主義、ファシズムにつながる。かなりの数のリベラル・左派ブログが、上記のようなレイシズム剥き出しのコメントがブログに頻繁に掲載される城内実に理解を示す姿勢をとってきたことは、それらリベラル・左派ブログが容易に全体主義、ファシズムに協力する体質を持っていることのあらわれだと私は考えている。

幸い、今回「X氏」とやらが提供したガセネタに引っかかって馬脚を現した城内実から、これまで彼に理解を示していた多くのリベラル・左派のネットワーカーが去っていったが、それは単に城内がヘタを打ったからに過ぎず、ネットワーカーたちの体質は何も変わっていないのではないか。そう悲観的に思う。

そもそも陰謀論に傾きやすいのは、相手がとてつもない力を持った強大な存在だから仕方がない、という現状追認の姿勢の反映なのではないか。リアルの政治家たちは、さすがにそんな陰謀論には与しないと思うが、強大なアメリカに逆らっても仕方がない、というあきらめ思考の持ち主は多いのではないか。特に岡田克也、前原誠司、北澤俊美、平野博文といった人たちから私はあきらめの思考を感じる。石橋湛山のように、アメリカに向かって言いたいことの言える政治家は現在日本の民主党と自民党には存在せず、辛うじて小沢一郎が、かつて自民党幹事長時代にアメリカに追従ばかりしていた前歴があるとはいえ、現在は対米隷従を前提としない思考をしているように見える。私は昨年、「小沢一郎でなきゃアメリカに対抗できない」と叫ぶ小沢信者たちをさんざん批判したが、昨年来の民主党首脳の言動を見ていると、小沢が睨みを利かしていなければ、今頃普天間基地問題はとっくに辺野古への移設が決まっていたのではないかと思える。岡田克也を見よ、前原誠司を見よ、北澤俊美を見よ、平野博文を見よ。報道される彼らの言動に接すると、何をそんなに卑屈にしてるんだ、とイライラが募る。それでいて沖縄に対しては高圧的な態度をとるから余計に腹が立つ。これではまるで藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』に出てくるスネ夫ではないか。そう言いたくなるほど民主党の政治家たちはふがいない。もちろん、自民党は民主党の小心者たちが回帰しようとしている政策をとる集団だから論外だ。残念ながら、小沢一郎は日本の政治にとっていまだに必要悪なのではないかと思えるが、最初に書いたように小沢一郎を乗り越えなければ日本の政治は前進できないという基本的な認識は変わらない。リベラルの側から小沢一郎を乗り越える政治家が出てこなければならないし、そういう政治家を育てていかなければならない。ただ、その道のりがはるかなものであることを痛感する。

それでも、陰謀論や無力感に別れを告げて、前向きに進もうではありませんか皆さん。そう言いたい。


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小沢一郎は結局「嫌疑不十分」により不起訴処分となった。先週末、小沢が二度目の事情聴取を受けたあと、自らの進退に言及した時には、私は小沢が立件されると思ったし、野党や民主党内の反主流派も勢いづいた。民主党で特に目立ったのは前原誠司と野田佳彦の「偽メール事件」コンビだった。前原も野田も、私の大嫌いな渡部恒三が名づけたという「七奉行」のメンバーだそうだが、渡部の言う「七奉行」とはそもそも渡部自身や小沢一郎を含む「竹下派七奉行」に由来するものだろう。昨年末に、過去の栄光にすがる前世紀の遺物・渡部を囲む会などをやったという連中に、これからの日本を背負って立つことなど到底できそうにない。小沢一郎の不起訴で、彼らは一転してあわてふためいていることだろう。

まあ、浮かれていたのは何も民主党内の反主流派だけではなく、自民党もそうだっただろうし、われらが城内実センセイにいたっては、「小沢一郎民主党幹事長の例の土地購入原資を巡る問題と関わりのあるX氏」に、「城内実のファンなので是非会って欲しい」と言われたのに舞い上がったらしく、「小沢一郎問題」にかかわる怪情報をブログに公開した。前回のエントリで紹介した通りである。

城内センセのエントリからは、血湧き肉躍るセンセの興奮が伝わってきた。上気して頬を紅潮させたセンセの顔がまざまざと思い浮かぶかのようだった。もちろん、一方でCIA陰謀論を匂わすフレーズも挿入して、左側の陰謀論者たちへのサービスも怠りないあたり、さすがは東京大学経済学部卒の学歴を誇るセンセだ。しかしその一方で、センセには愛すべき(?)「不用意さ」もある。下記のくだりが読者の多くに見咎められてしまったのである。

 五、国策捜査だとか取り調べの全面可視化が必要だと叫び、検察に対する悪のイメージを流布したり、挑発するようなことを言えば言うほど、検察側は淡々と法と正義にのっとって処理せざるをえなくなる。

(『城内実の「とことん信念」ブログ』 2010年1月30日付エントリ「◎ 政 治 ◎ 小沢一郎幹事長と「陸山会」の問題」コメント欄より)


これはいったい誰が誰に向かって言っていることなのか。もちろん、X氏が城内実にこう言った、と城内実は書いているのだが、小沢一郎に対する東京地検特捜部の脅しにも見えるし、取り調べ可視化を求める世論というか、ブログに書いている内容だから、ネット言論に対して、「お前ら、取り調べの可視化なんかを要求したら、検察側は淡々と法と正義にのっとって処理せざるをえなくなるぞ、つまり小沢一郎は逮捕されるぞ」と恫喝しているようにも受け取れる。

ネット言論というのは、世論とずいぶん違った傾向があって、どういうわけか城内実は「左」側にも多くの熱心なファンを持っていたのだが、上記のブログ記事に彼らは一斉に反発し、城内実から離れていった。城内が国籍法改正に反対した際に差別記事を書いた時や、眞鍋かをりさんをポスターに無断使用したことが発覚したのに真鍋さんになかなか謝罪しなかった時にも城内支持を止めなかった人たちが、今回は一斉に「城内離れ」を起こした。それは、取り調べの可視化反対論者であることが知られている城内実の本音がはしなくも露呈して、ようやく熱心な「左」側のシンパの人たちも城内実の正体を悟ったためだろう。

犯罪の容疑者に対する取り調べの全過程を録音・録画(可視化)する「取り調べの可視化」は、何も石川知裕や小沢一郎のためにあるのではない。無実の罪で14年もの長きにわたって菅谷利和さんが投獄された足利事件のような、違法な取り調べやでっち上げが招いた冤罪を起こさせないために必要不可欠なのである。もちろん、国会議員の大部分もこのことを理解している。その一方で、警察や検察は取り調べの可視化の動きに反対している。権力を振りかざして、自らに都合の良い(容疑者にとって不都合な)自白を容疑者に強要するなどの従来のやり方ができなくなるためだろう。

そんな警察や検察の言い分を認めて、取り調べの可視化に反対している国会議員もいる。昨年、毎日新聞が衆院選候補者にアンケート(「えらぼーと」)を行ったが、その「問10」は取り調べの可視化への賛否を問うている。「犯罪の容疑者に対する取り調べの全過程を録音・録画(可視化)することに賛成ですか、反対ですか」という問である。

大部分の国会議員が取り調べの可視化に賛成している、と書いたが、反対者もいる。アンケートに回答した当選者のうち、反対と回答した者は57人で、「非該当」すなわち賛成、反対以外の回答をした者が10人、設問に答えなかった者が19人、アンケート自体に回答を出さなかった者が3人である。以上を合計しても89人にしかならないことをまず知ってほしい。

取り調べの可視化に反対した衆院議員は下記の通りである。現在の第一党は民主党だが、反対者は自民党に圧倒的に多いので、順番は自民党を最初に書く。括弧内は選挙区で、選挙区で落選して比例で復活した者も、立候補した選挙区で表記する。

自民党(45人) 町村信孝(北海道5)、伊東良孝(北海道7)、江渡聡徳(青森2)、大島理森(青森3)、木村太郎(青森4)、永岡桂子(茨城7)、茂木敏充(栃木5)、新藤義孝(埼玉2)、林幹雄(千葉10)、森英介(千葉11)、小池百合子(東京10)、下村博文(東京11)、鴨下一郎(東京13)、平沢勝栄(東京17)、田中和徳(神奈川10)、小泉進次郎(神奈川11)、宮腰光寛(富山2)、稲田朋美(福井1)、高木毅(福井3)、棚橋泰文(岐阜2)、高市早苗(奈良2)、田野瀬良太郎(奈良4)、松浪健太(大阪10)、西野陽(大阪13)、西村康稔(兵庫9)、石破茂(鳥取1)、赤沢亮正(鳥取2)、阿部俊子(岡山3)、加藤勝信(岡山5)、安倍晋三(山口4)、後藤田正純(徳島3)、平井卓也(香川1)、鳩山邦夫(福岡6)、麻生太郎(福岡8)、武田良太(福岡11)、園田博之(熊本4)、金子恭之(熊本5)、古川禎久(宮崎3)、小里泰弘(鹿児島4)、佐田玄一郎(比例北関東)、近藤三津枝(比例近畿)、柳本卓治(比例近畿)、村田吉隆(比例中国)、河井克行(比例中国)、山本幸三(比例九州・沖縄)

民主党(9人) 石原洋三郎(福島1)、大泉博子(茨城6)、松崎公昭(千葉8)、後藤祐一(神奈川16)、萩原仁(大阪2)、山口壮(兵庫12)、松野頼久(熊本1)、山口和之(比例東北)、金森正(比例東海)

公明党(1人) 漆原良夫(比例北陸・信越)

国民新党(1人) 亀井静香(広島6)

無所属(1人) 城内実(静岡7)


賛成でも反対でもない回答(「非該当」)をしたのは、下記の10人。自民党で賛成しそうな大物が何人か混じっているが、おそらく党内世論を慮ったものだろう(笑)。

自民党(6人) 福田康夫(群馬4)、河野太郎(神奈川15)、谷垣禎一(京都5)、谷公一(兵庫5)、村上誠一郎(愛媛2)、保利耕輔(佐賀3)

民主党(3人) 松本剛明(兵庫11)、山口和之(比例東北)、笠原多見子(比例東海)

みんなの党(1人) 江田憲司(神奈川8)


この設問に答えなかったのは下記の19人。このうち森喜朗と山本拓は全設問に対して答えていない。また、無所属の川村秀三郎は、院内会派「民主党・無所属クラブ」に属している。

自民党(15人) 佐藤勉(栃木4)、与謝野馨(東京1)、甘利明(神奈川13)、金子一義(岐阜4)、橘慶一郎(富山3)、森喜朗(石川2)、北村茂男(石川3)、山本拓(福井2)、大村秀章(愛知13)、川崎二郎(三重1)、石田真敏(和歌山2)、高村正彦(山口1)、岩屋毅(大分3)、北村誠吾(長崎4)、森山裕(鹿児島5)

民主党(2人) 木村剛司(東京14)、糸川正晃(福井2)

公明党(1人) 東順治(比例九州・沖縄)

無所属(1人) 川村秀三郎(宮崎1)


最後に、毎日新聞のアンケート自体に回答しなかった者は下記の3人。

民主党(3人) 田中真紀子(新潟5)、藤井裕久(比例南関東)、沓掛哲男(比例北陸・信越)


「取り調べの可視化」に反対している面々を見ると、3つのことに気づく。まず、亀井静香や平沢勝栄のような元警察官僚や、城内実のような元警察官僚の息子や、後藤田正純のように元警察官僚の大叔父を持つ者が反対していること。次に、元首相で賛成している者が一人もいないこと。小泉純一郎のドラ息子・小泉進次郎までもが反対している(もっとも、落選した海部俊樹は賛成している)。そして、「国士様」に反対者が多いこと。もっとも、何度も書くように、平沼赳夫は元検事総長の養子であり「国士様」であるにもかかわらず賛成しているから、いちがいには言えない。

反対者の顔ぶれ以上に注目すべきは、ここに名前を挙げた89人以外の衆院議員は、すべて取り調べの全面可視化に賛成する、とする回答を毎日新聞に寄せたことだ。あの人もこの人もみな「賛成」と答えているのである。

朝日新聞と毎日新聞は、「取り調べの可視化」に賛成の立場を社論にしているにもかかわらず、民主党が検察に対抗するために「取り調べの可視化」を持ち出すのはおかしい、と書いた。違う。民主党が小沢一郎の首と引き替えに「取り調べの可視化」を延期することで検察と手打ちなどしてはならないと書くべきだったのだ。

取り調べの可視化法案は是非とも成立させなければならない。


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先週の日曜日(1月24日)に自民党の党大会が行われたが、マスメディアはあまり大きく取り上げなかった。今回は、ニュースとしては旬を過ぎてしまったが、まずこれを取り上げる。

党大会で発表された自民党の運動方針案は、事前に産経新聞がデフォルメして要約したほど極端なものではなかったけれども、いわゆる「保守」を前面に打ち出したものだった。

この党大会では、新綱領も採択された。河野洋平総裁時代の1995年から綱領に盛り込まれた「小さな政府」の項目が、格差社会を生んだ市場原理主義の負のイメージを招くとの観点から(共同通信による)「すべての人に平等な政策を実行する政府」と改められた点が注目される。但し、自民党HPを見ると、なぜか小泉純一郎総裁時代の2005年11月22日に採択された旧綱領が、新綱領の下に掲載されている。「小さな政府」の項目の記載は下記の通り。

  • 小さな政府を
    私たちは、国、地方を通じて行財政改革を政治の責任で徹底的に進め、簡省を旨とし、行政の肥大化を防ぎ、効率的な、透明性の高い、信頼される行政をめざします。また、国、地方の適切な責任分担のもとで、地方の特色を活かす地方分権を推進します。

この項目が削除されたのは良いが、「保守色」を強めるようではこの党の前途は暗い。これでは、小泉純一郎路線から安倍晋三路線への転換でしかなく、それでは2006年に総理総裁が小泉から安倍に代わった時から何の進歩もない、いや、「小さな政府」の看板を取り下げただけが変化だとすると、自民党は「国家社会主義」路線へと舵を切ろうとしているといえるかもしれない。

さすがに、「靖国参拝」は綱領には出てこず、運動方針案でも1箇所に書かれているだけではある。しかし、谷垣禎一が総裁をやっていながらこんな運動方針案が出てくるところに、私は失望する。とは書いたものの、実際にはもう谷垣には何の期待もしていないのだけれど。

そもそも、「歴史と伝統、文化を尊び、道徳の高揚に努めます」と言ったあとに、「靖国神社参拝を受け継ぎ」という文章が続くことがおかしい。靖国神社にいったいどんな歴史があるというのか。梅原猛は、「日本古来の神道では、えらい人を神に祀るということはあり得ない」と言っている(『梅原猛の授業 仏教』(朝日文庫、2006年)251頁)。神に祀る人はみな、世の中を恨んで死んだ人、高い位につきながら流されたり殺されたりして世の中を恨んでいる人が神さまに祀られていると言う。国のために死んだ人だけ靖国神社に祀り、戦犯の東条英機まで祀るのは日本の神道の精神ではない、中国や韓国の被害を受けた人を祀るのが日本の神道の精神だと梅原は主張する(前掲書251-252頁)。当ブログ2006年10月4日付エントリ「梅原猛さんの新刊『神殺しの日本?反時代的密語』」で、梅原猛が教育勅語を「伝統精神の上ではなくむしろ伝統の破壊の上に立っている」と批判していることを紹介しているが、自民党の運動方針案にはさすがに「教育勅語」までは登場しない。しかし、靖国神社に参拝することを「歴史と伝統、文化の尊重」だとか「道徳の高揚」だ、などと勘違いしている自民党運動方針案の行きつく先が「大日本帝国憲法」や「教育勅語」の復活であることは当然だ。梅原猛は、『梅原猛の授業 仏教』で、「教育勅語の本当の思想は儒教でも神道でもなく、実は西欧から取りいれた十九世紀の国家主義思想で、それを儒教と神道で少し色をつけたに過ぎないのです」と指摘している。こんな方向性を持つ政党が「小さな政府」を捨てたら、それこそ「国家社会主義」の再来だ。自民党の目指す方向が、産経新聞が書くような「保守」ではなく、明治時代から先の戦争に敗戦した時代へ時計の針を戻そうとする反動的な国家主義に過ぎないことは明らかである。自民党は民主党政府の政策を「国家社会主義だ」と批判するが、実は下野した自民党こそ「国家社会主義政党」なのである。

よく指摘されるように、自民党が今なお「小泉構造改革」を総括できていないのも一面の真実なのだが、新自由主義政党としては既に「みんなの党」があり、民主党にも自民党にも飽き足らず、かつ「小泉構造改革」に今なお幻想を持つ層の支持を集めて、昨年の総選挙でも善戦したし、現在の電波芸者の中でも三宅久之などは「みんなの党」を持ち上げる発言をしている。河野太郎なども、しばしば心はもはや自民党にはあらず、と思われる発言をしているが、私は自民党は早く新自由主義勢力と国家主義勢力の2つに分裂すればよいと思う。安倍晋三、森喜朗、稲田朋美らは後者に属するし、分裂した自民党の国家主義勢力側には、平沼赳夫や城内実も参加して、この2人と安倍晋三によるトロイカ体制で、華々しく「真正保守」たちの新党を立ち上げればよいのではないだろうか。きっと、「確かな野党」として一定の勢力を国会で確保することができるに違いない。何しろ、彼らにはネット右翼という強い味方がついている(笑)。

ところで、小沢一郎の政治資金問題についてだが、城内実は下記のように「憶測」している。

 一、検察側は水谷建設などから関係者の供述だけではなくかなりの物的証拠を握っている。
 二、先般の東京地検特捜部による小沢一郎幹事長に対する事情聴取はあくまで形式的なもので、「最後にいいわけの機会を与えてあげよう。実際にどういういいわけをするか聞いてみようではないか。」という程度のもの。
 三、2月4日に逮捕された石川知裕代議士の拘留期限が切れるが、再逮捕されると思われる。その際、政治資金規正法事件からより刑罰の重いあっせん利得罪、贈収賄事件に切り替わる可能性が高い。小沢一郎幹事長までいくかで現在水面下で最後のせめぎあいをしているところであるが、世間一般の予想に反して相当厳しい状況である。

(『城内実の「とことん信念」ブログ』 2010年1月30日付エントリ「◎ 政 治 ◎ 小沢一郎幹事長と「陸山会」の問題」より)


どうやら政界の一部では、小沢一郎と検察の対決は、今週いよいよおおごとになりそうだと見られているようだ。それを見越してか、自民党の右派議員と無所属、それに「改革クラブ」などの連中が、田母神俊雄を担いで、全国規模の大衆組織だという「頑張れ日本! 全国行動委員会」を結成し、明日(2日)にその結成大会を東京都内で開催するそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100131/stt1001310946001-n1.htm

この組織は代表が田母神俊雄、幹事長が水島総(さとる)で、結成大会には安倍晋三や平沼赳夫が来賓として出席すると産経新聞は報じているが、「チャンネル桜」には、登壇予定者のリストが掲載されており、下記の人たちが登壇する予定だ。

安倍晋三、平沼赳夫、下村博文、高市早苗、山谷えり子、衛藤晟一、西田昌司、稲田朋美、大江康弘、城内実、中山成彬、西村眞悟、赤池誠章、萩生田光一、馬渡龍治、林潤、田母神俊雄、小田村四郎、日下公人、加瀬英明、西尾幹二、田久保忠衛、井尻千男、小林 正、福地 惇、西岡力、すぎやまこういち、増元照明、富岡幸一郎、藤井厳喜、潮 匡人、西村幸祐、井上和彦、大高未貴、高清水有子、三橋貴明、石平、小山和伸、土屋たかゆき、三宅 博、松浦芳子、三輪和雄、村田春樹、坂東忠信、英霊来世、saya、各地方議員 ほか多数


なんとも香ばしいメンバーである。上記には政治家のほか産経文化人らも大勢いるが、だいたいこういった人たちが現在「極右」に分類される政治家とその応援団である。たとえば麻生太郎あたりは、これらの人々からは若干距離を置いている。政治家でいえば、なんといっても安倍晋三と平沼赳夫が両巨頭だ。

ところで、『kojitakenの日記』にいただいたコメントには、下記のような指摘もあった。

rebma129 2010/01/31 20:19

田母神をトップに担いでるけど、実質的な主催者は水島と松浦芳子。
産経の報道を一見すると、大規模な政治運動の始まりと錯覚しそうだが
これまでチャンネル桜がやってきた運動の名前を変えただけ。
水島はトランスデジタルの捜査の進捗と石垣島の件で告訴されて焦ってると思われ、
ずらっと並ぶ政治家も、彼らを看板=盾にした警察・検察への牽制球だろうね。


「トランスデジタル」についてはよく知らなかったのだが、下記記事が検索で引っかかった。
http://outlaws.air-nifty.com/news/2009/01/post-3b5d.html

以下引用する。

【注目記事】週刊金曜日1月9日号「破綻したIT企業トランスデジタルの怪」

先週(注:2009年1月)発売された「週刊金曜日」(=左写真)に、トランスデジタルをめぐるレポートが掲載された。

周知のように、トランス社には山口組系2代目古川組の企業舎弟・永本壹桂ら反社会勢力が増資に関与し、破綻前には小切手、手形が乱発されていた。この事件には捜査当局も重大な関心を寄せているが、同レポートはトランス社と「日本文化チャンネル桜」(水島総代表)との疑惑に迫っている。

昨年8月7日、防衛省市ヶ谷本部に隣接する「ホテルグランドヒル市ヶ谷」で400人を超える参加者を集めた盛大なパーティーが催された。歴代の防衛大臣3人や田母神前空幕長らを呼んだパーティーは、トランス社の子会社「メディア241」が主催した。当時、チャンネル桜は、メディア241が運営するCSチャンネルの放送枠を借りており、同パーティーで発表された「ガンバレ自衛隊!・安全保障アワー」なる新番組も実質上、チャンネル桜が制作するという関係にあった。すでに、防衛省が全面的にバックアップするこの新番組は数本の収録も終え、9月からの放送開始を待つばかりであったが、その直前にトランス社が破綻し、番組自体も立ち消えになってしまった。

そして、注目されるのは、トランス社がこうした一連の「防衛省プロジェクト」を名目に2億円もの資金を使っていた、と同レポートが指摘している点だ。トランス社には後藤幸英社長のほか防衛大卒の役員も顔を揃えていたわけで、一体この資金はどこにどのように消えたのか。詳しくは同レポートをご覧いただきたい。

(東京アウトローズWEB速報版 2009年1月15日付)


なるほどねえ、それで政治家たちを集めてデモンストレーションってわけなのかねえ。そういえば、「頑張れ日本! 全国行動委員会」に参加する政治家たちは、安倍晋三、城内実、稲田朋美、高市早苗(以下略)ら、「取り調べの全面可視化」に反対する議員がずらり並んでいる。但し、平沼赳夫はなぜか取り調べの可視化に賛成している(以上、毎日新聞「えらぼーと」への回答より)

そういえば、先に引用した城内実のブログには、書き手の意図を測りかねる文章が含まれている。

 四、検察側や特定の政党に大変詳細な情報を提供をしている個人ないし団体関係者がいる。某国情報機関か。いずれにせよ、その存在は不明。事実だとすると田中角栄が逮捕されたロッキード事件に似ている。
 五、国策捜査だとか取り調べの全面可視化が必要だと叫び、検察に対する悪のイメージを流布したり、挑発するようなことを言えば言うほど、検察側は淡々と法と正義にのっとって処理せざるをえなくなる。


小沢一郎と検察の対決の激化を期待しているような文章の中にあって、この「四、」はCIAが小沢一郎を陥れるために検察や自民党に情報を提供しているといわんばかりの書き方をしており、なぜか城内実を批判しないことでも知られる植草一秀の「悪徳ペンタゴン」を思わせる陰謀論になっている。一方、「五、」は「取り調べの可視化」を要求して検察を刺激したら、「検察側は淡々と法と正義にのっとって処理せざるを得なくなる」とのことで、このくだりは城内が何を言いたいのかさっぱりわからない。淡々と法と正義にのっとって処理するって、それこそ検察のあるべき姿じゃん。

さすがに城内実のブログにも突っ込みのコメントが入っている。

ゲスト 2010/01/31 16:15:56

感じたことというか、推測を述べているんですね。
少し質問をさせてください。

五、国策捜査だとか取り調べの全面可視化が必要だと叫び、検察に対する悪のイメージを流布したり、挑発するようなことを言えば言うほど、検察側は淡々と法と正義にのっとって処理せざるをえなくなる。・・・について

 →国策捜査と言っている方は少ないと思います。同種の事件・案件と比較して、法の適用や捜査方法がバランスを欠いたものであるから、恣意的な検察権力の行使ではないかという指摘をしているのだと思います。先生はこの指摘に対してどういうご見解を持っていますか?
 →全面可視化は過去の冤罪事件への反省から言われてきたことです。これを検察への挑発とらえるとすれば、検察の傲慢以外の何物でもないと思います。先生は全面可視化についてどういう見解を持っていますか?
 →検察側の法と正義とは何ですか?先程の指摘(法の適用や捜査方法がバランスを欠いたもの)に対して検察側の見解が全く述べられていない今の段階で、検察に法と正義があると言えると思いますか?

八、・・・事実上の違法な「個人献金」・・・
 →「事実上の違法な」という概念は成り立たないと思います。

(『城内実の「とことん信念」ブログ』 2010年1月30日付エントリ「◎ 政 治 ◎ 小沢一郎幹事長と「陸山会」の問題」コメント欄より)


このコメントにはウケた。おそらくコメント主は城内実が取り調べの全面可視化に反対していることを承知の上で、嫌味のコメントを寄せたものだと思う。

それにしても、城内実が民主党の大混乱を期待してwktkしていることだけは十分伝わってくる。こんな城内実を力強く応援したリベラル・左派ブロガー諸賢のご見解を是非とも伺いたい今日この頃である。


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