きまぐれな日々

「asahi.com」が一昨日(25日)夜、イギリスのフィナンシャル・タイムズの社説が、2月25日付社説で、「日本の危機は政治がマヒしているせいで悪化している」として、日本はすぐに総選挙を実施して、意思決定できる政府をつくるべきだと訴えたと報じた。

ネット右翼から「はてなサヨク」などと揶揄されているものの、実際には新自由主義者や「媚権厨」の巣窟である「はてなブックマーカー」たちの間では、

元記事見てみないと信用できん。普通なら民主党の非協力さが批判されるべきだし。

だとか、

朝日のニュースじゃ信用できない。原文をあたらないとね。

などと、ふだん権力に尻尾を振って、「麻生内閣の低支持率はマスコミの偏向報道のせい」などと言ってイキがっている頭の悪い連中があたふたしていたのが笑えた。

フィナンシャル・タイムズの社説
は、現在は読むのに登録が必要になっているが、掲載直後には余分な手続きなしで読める状態で公開されていて、

It is time for an election. There is little point to paralysed governments.
(今こそ選挙が必要だ。麻痺した政府には、ほとんど何の意味もない。)

と結ばれていた。しかも、gooニュースで日本語訳が読める。これによると、

過去35年間で最悪となるだろう危機は、政治の無為と麻痺によって深刻さを増している。

哀れな麻生太郎首相率いる政府による対応は、もうずっと不十分だ。ほんの数カ月前には、ただの見せかけでしかない景気浮揚策を後押しして、世界経済の回復を待つべしと主張していたのだ。

だとか、

現在検討中の対策のひとつに「株価維持」がある。株価を支えるために25兆円もの公的資金を投入するというものだ。これは日本の政策決定者にとってはお馴染みの手段で、もっと小規模な景気対策案はすでに国会提出されている……が、大方の予想通り、国会で足止めをくらっている。どちらの景気対策案も金がかかりすぎるし、実施されても銀行は一息つけるだけで、効果は一時的でしかない。

日本はむしろ、経済の均衡回復に集中すべきだ。国民の消費を刺激する真の財政出動に加えて、企業が非生産的な資金を内部留保しないよう政府が止めさせる必要がある。銀行に資本注入しなくてはならないのなら、証券市場を支えて間接的にするのではなく、直接やるべきだ。しかしこうした政策のメリットはいずれも、麻生政権がこんなに弱体化したままの状態では、机上の空論に過ぎない。今こそ選挙が必要だ。麻痺した政府には、ほとんど何の意味もない。

などと、実に的確な指摘がなされている。特に、「国民の消費を刺激する真の財政出動」を求めるくだりなどを見ていると、新自由主義(サッチャリズム)の本家本元だったイギリスのフィナンシャル・タイムズがこんな社説を書くとは、世界は急激に新自由主義から脱しつつあり、「新自由主義から社会民主主義の時代になると言っているのは世界中で日本だけだ。カイカクが足りないから景気が悪化しているのだ」と力説している竹中平蔵など前時代の遺物に過ぎないことがよくわかるだろう。内部留保にしても、朝日新聞や毎日新聞は、切り崩しはナンセンスだと書いたが、フィナンシャル・タイムズは内部留保の蓄積を止めさせよと主張している。いかに日本の新聞が、「リベラル」面した新聞社も含めて、財界に絡め取られて権力の一部になってしまっているかを痛感する。

その朝日新聞は、今朝(27日)の社説で、「改めて早期解散を求める」と書いている。フィナンシャル・タイムズの援軍を得たせいか、元気たっぷりの長い社説だが、内容は当たりさわりのないもので、読ませる文章にはなっていない。

それにしても、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の三首相が、コイズミが獲得した膨大な議席に恋々とするあまり解散をしなかったことが、自民党政権の寿命を縮めたといえる。

かつて浅野史郎氏は、東京都知事選に立候補する前年の2006年9月18日、安倍政権発足の直前に、「新首相は即座に衆院解散を」と題した文章を朝日新聞に寄稿した。浅野氏は、

 「政権の正統性」ということからも、衆院選挙を経ないで成り立つ政権は国民の信任をまだ得ていないのだから、その足場は弱い。そんなことでは、憲法改正や消費税引き上げなど、議論すら持ち出せないだろう。政権のためにも、解散をして民意を問い、正々堂々たる政権を打ち立ててこそ思いきった改革にも打って出られる。小泉政権での郵政民営化の課題達成は、あの総選挙での大勝利があったからこそもたらされたことを、今更引用するまでもない。

と書いた。もし安倍晋三の頭がもっと良くて、浅野氏が書いたような解散総選挙を内閣発足直後に行っていたら、自民党は議席数をかなり減らしはしただろうが引き続き第一党の座を確保し、安倍はおそらく今なお首相の座にいただろうし、安倍の念願である改憲や、財務省や経団連の念願である消費税率引き上げへの道を歩んでいたことだろう。当然、平沼赳夫や城内実は、安倍が解散した総選挙で自民党公認で当選し、改憲や教育カイカクに尽力していただろう。昨年のリーマン・ショックが存続していた場合の安倍政権にどんな影響を与えたかまでは想像がつかないが、軍需によって景気浮揚を目指す動きでも高まっていたかもしれない。

実際にはそうならず、安倍がコイズミに逆らえないチキンだったことは、日本国民にとって不幸中の幸いではあった。そして、福田康夫にも「大連立」工作が露呈して議論が紛糾した時、麻生太郎にも政権発足直後に、それぞれ解散総選挙の大チャンスがあったのに、彼らはみすみすそれを逃した。福田や麻生もまた、コイズミの呪縛から脱せなかったのである。

そのコイズミも、朝日新聞が "「過去の人」?"(大阪本社発行統合版5面の見出し)と書くまでに神通力が衰えた。麻生太郎は、英経済紙に解散を要求されてもなお政権の座にしがみつくのだろうが、命脈はもう持たない。いっそ腹をくくって破れかぶれで解散するしかなく、その際にコイズミ一派と大喧嘩でもすれば、自民党の内紛をマスコミがはやし立てて、自民党の議席が少しくらいは増えるかもしれないと思う今日この頃である。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

スポンサーサイト
昨夜遅く、ブログのアクセスカウンターが270万を越えた。当ブログのアクセスカウンターは、開設と同時に設置した。開設当初は数日に一度しか記事を書かないどころか、アクセスもしない日が多く、当然ながらそんな日にはカウンターの数字は1つも増えなかったが、その頃を入れて2年10か月あまりで270万件とは、われながらよく続いたものだと思う。毎日更新だともたないので、週に何回かは休むことにしている。以前は平日3?4回と土日の週5?6回の更新にしていたが、現在は土日祝を休んで平日に更新することにしている。このパターンはまた変えるかもしれないが、今後も平均して週4回程度は更新していきたい。

ついこの間まで、「新参者」とか自称していたような気がするが、ブログを3年コンスタントに続ける人間はそんなに多くなく、おかげでGoogleなどの検索エンジンにはずいぶん引っかかりやすくなった。そうなってこそのブログ運営である。たとえば最近、下関市長の江島潔について書いた昔のエントリへのアクセスが急増しているが、安倍晋三と親密な関係にあることで知られる江島潔が今年の下関市長選に出馬しないというニュースが報じられたためだった。このニュースを知った人が、検索語「江島潔」でネット検索をかけたところ、江島を批判する当ブログのエントリに行き当たったということになる。それにしても、この時期に市長選不出馬を表明するとは、まさか衆院選出馬を狙っているのではなかろうかという気もするが、実際のところはどうなのだろうか。

ところで、かくも長い間ブログを続けるのは、かなり疲れのたまる作業だ。それでも続ける動機は、私の場合ははっきりしていて、コイズミらの新自由主義と安倍晋三らの新保守主義を打倒するのが目的である。たかが日に4千件から5千件程度、ユニークアクセスならその半分程度のアクセス数でどんな力があるのかはいまだにわからないが、連鎖反応とか相乗効果というのもあるだろう。但し、最近では私はブログの巡回先が減っていて、その代わりにYahoo! のヘッドラインや「はてブニュース」などで注目を集めている記事を読むことが多い。トラックバックも、原則として記事中でリンクを張った参照先にしか送っていない(いただいたTBに対しても返信が滞りがちになっているが、ご容赦願いたい)。

そんなあがきを続けている今日この頃だが、産経FNN合同世論調査でコイズミ発言が「意外に不評」だったと報じた記事などを読むと、やっとここまできたかという感想だ。麻生太郎首相の郵政民営化をめぐる発言を批判したコイズミの発言に、「評価する」が36.4%、「評価しない」が56.3%という調査結果で、やっと「反コイズミ」が「コイズミ支持」に20ポイントの差をつけるところまできた。コイズミには政局を起こす力はやっと失われつつある。もっとも、「構造改革」については「評価していない」が53.6%で「評価している」は44.2%と、その差は9ポイント程度しかなく、最近の橋下徹フィーバーなどを見ると、国民の考え方までが変わったとは思わないが、コイズミの呪縛からは、コイズミ政権誕生から8年経って、やっと脱しつつある。

だが、自民党に代わって政権与党となるであろう民主党の政策がどのようになるかは、まことに心許ないものがある。長年の政官業癒着構造を壊す必要があるのは当然だが、その壊した分をサービスに回さなければならない。間違っても、「小さな政府」などを志向してはならない。しかし、民主党には「小さな政府」志向の人が多いように思う。かつて「普通の国」を目指すとしていた小沢一郎は、外交・防衛政策ではタカ派だったが、地元では利益誘導型の旧来自民党型の政治家だった。だから、松下政経塾出身の政治家ほど新自由主義志向ではなく、むしろ新自由主義者たちを力で抑えているように見えるのが辛うじて救いだ。あとは、政治思想では距離が大きいながら、経済左派同士で手を組んだ国民新党と社民党が、どこまで民主党を社民主義寄りに引っ張っていけるかどうかが、今年成立するであろう連立政権の成否の鍵を握っている。

しかし、「給付金」一つとっても、「バラマキ」という言葉でしか批判できないようでは、それこそコイズミと同じである。当ブログは、給付金は方向性自体は間違っていないと以前から言ってきたが、同様の主張をするブログは少ない。有名ブログでそういう主張をしているところがあるが、別に私はそこに追随したわけではなく、社民主義的あるいは修正資本主義的な考え方をすれば、そういう結論にしか行き着かないのである。「もっと効果的な再分配を行うべきだ」という批判ならわかるが、「バラマキ」という新自由主義者の愛好する言葉は、みだりに使うべきではない。

森永卓郎が先週、「定額給付金は本当に意味のない政策か」と書いたが、これは私の溜飲を思いっきり下げてくれた記事だ。

 不況時に減税をするのは、ごく普通の経済政策である。それがなぜか日本ではバラマキだと批判されてしまう。だが、財政政策というのは、基本的には減税と公共事業しかない。公共事業に対する風当たりが強い現在、減税もだめだというならば、いったいどういう政策をとればいいのか。

とか、

 自分の財布が苦しくてしかたがないのに、「減税には反対だが、増税は理解できる」と主張するとは、これほどお人好しで扱いやすい国民はほかにあるだろうか。百歩も百万歩も譲って、それで景気が上向けばいいが、そうならないから問題なのである。

あるいは、

 では、もし定額給付金反対論者のいう「バラマキ」をやめて、萎縮を続けていくとどうなるか。それは来年度予算を見るとよくわかる。来年度予算の最大の特徴は、税収見通しが7兆円も減っていることである。だめだ、だめだといって萎縮していると、どんどん税収も減って悪循環に陥ってしまうことになる。定額給付金に反対する野党や評論家は、そのことを理解しているのだろうか。

などなど、正論のオンパレードである。社民党や国民新党は、森永氏と同じ方向性を持つ経済政策を持っている。たとえば社民党は定額減税を公約に掲げていたはずである。社民党のような、社民主義の立場からの給付金批判ならよいが、単に「バラマキ」というだけの給付金批判には、私は与しない。

森永氏は、今週のコラム「衝撃的な実質GDPマイナス12.7%という数字」でも、「財務省の分身である与謝野大臣では大規模な景気対策は望めない」として与謝野馨を手厳しく批判しているが、これにも全面的に同意する。森永氏は、

 もはや、日本経済は八方塞がりに陥っているといって過言ではない。唯一、これを打破する方法があるとしたら総選挙しかない。

 わたし個人の意見では、ぜひとも早く解散・総選挙をしてほしいのだが、負けが決まっている戦いを自民党がやるとは思えない。あるとしたら、党の顔を取り替えての総選挙になるだろうが、それではまた余計な時間がかかってしまう。とはいっても、もはやそれしか解決方法が見当たらないのが実情なのだ。

とコラムを締めくくっているが、肝心の民主党が新自由主義や緊縮財政路線の経済政策をとってしまっては元も子もない。私は、きたる総選挙においては、選挙区では民主党候補に投票するが、比例区では民主党以外(もちろん自公以外)の政党に投票すると決めている。それは、民主党の経済政策に信を置けないからであると同時に、より経済左派の政策をとる政治勢力に伸びてほしいからである。どれだけ民主党の経済政策をまともな方向に向かわせるかに、日本経済や社会の再生がかかっていると思う今日この頃である。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

中川昭一の「もうろう会見」引責辞任に伴って、ネットでは左右から「陰謀論」が巻き起こり、私は連日それを批判しているわけだが、当ブログのコメント欄では私の陰謀論批判を批判する意見の方が多く、また「陰謀論はなぜダメなのか」を説明しないといけないのかと思った。気の重い作業だが、一応トライしてみる。

もっとも最近、私が陰謀論がダメな理由について説明したのは、昨年11月3日の『kojitakenの日記』のエントリ「陰謀論はなぜダメなのか」である。

これにも書いたように、私に限らず、「陰謀論」批判者は、陰謀の存在そのものを否定しているのではない。陰謀が行われているのではないかと考えるのは、仮説を立てるということである。そして、仮説に過ぎないことを疑ったり批判をすることを許さないドグマ(教義)にしてしまう論法を、私は「陰謀論」と言っているのだ。ただ単に陰謀の存在を仮定して疑うことについては、何も言っていない。ドグマに反する意見を表明すると、「そんなことを言う人間は、○○の手先なのではないか」などと言い出すのが「陰謀論者」の論法なのである。

昨年11月3日というと、田母神俊雄の「論文」(笑)が世間を騒がせていた頃だ。同じ日の『kojitakenの日記』のエントリ「できそこないの陰謀史観に満ちあふれた田母神俊雄論文のお粗末」にも書いたように、田母神はさんざんコミンテルン陰謀論を展開したあげく、

日本ではいま文化大革命が進行中なのではないか。

などと捨てゼリフを吐いている。私は、

このような反知性的な論文を発表して「文革2008」を推進しているのは、ほかならぬ田母神俊雄である。「お前が言うな」と言いたい。

と書いた。

陰謀論が危険なのは、それを煽動に使う人たちが出てくるところである。昨年11月8日付エントリ「田母神俊雄、渡部昇一、元谷外志雄、佐藤優らに呆れる日々」は、当ブログの人気エントリの1つだが、そこにも書いたように、佐藤優はアパグループ会長・元谷外志雄が展開する陰謀論を絶賛している。そこには政治的な思惑があるのではないかと私は疑っている。これは、私の「陰謀仮説」である。

この佐藤優は、岩波書店が大々的に売り出した論客であるが、その本質は明らかに右翼である。ブログの世界でも(岩波の『世界』でだけではなく)、「右も左もない」などとする論者に人気があり、当ブログはすぐに右翼だの左翼だのと人を色分けしたがるとして評判が悪い(笑)。しかし、たとえば「右も左もない、オレは下や」というのは、政治経済の2次元空間において、経済軸における位置のみが重要で、政治思想軸上の位置はどうでも良いと言っているに等しく、私にはとうてい首肯できない。最近になってようやく、『世界』編集部に佐藤優との関係を見直す動きがあると耳にしたが、時既に遅しで、佐藤優はもうずいぶん「左」側に食い込んだ。わけのわからない佐藤の「護憲論」を絶賛しているブログもあった、ってそれは例の「右も左もない」とこだっけ(笑)。

最近感じるのは、実体は「右」の人たちがリベラル・左派にすり寄って、「左」側に影響を及ぼそうとしていることだ。当ブログにも、在阪準キー局が放送している右翼報道バラエティ番組で青山繁晴が何やらしゃべっている動画にリンクを張ったネット右翼のブログのエントリを紹介するコメントを寄せて、それについてコメント欄で議論していたり、小沢一郎首班の次期内閣の防衛大臣が田母神俊雄だとか拉致問題担当大臣が佐藤優だのと、まるで管理人である私に喧嘩を売っているのではないかと思う不愉快なコメントを寄こす人たちが後を絶たない。特に昨日(24日)は不快だった。青山繁晴は、勝谷誠彦と並んで電波芸者の中でも私がもっとも嫌う人間の一人だし、ぼやきなんとかというブログも、滅多に見ないけれどもこれまた私がもっとも嫌うブログの一つである。

実際には、次期防衛大臣は浅尾慶一郎だろうし(浅尾も問題が多い男だが)、田母神など間違っても入閣などするはずがない。田母神が入閣したと同時に、一瞬にして内閣支持率は今の麻生内閣をも下回ってしまうだろう。森田敬一郎氏が書いているように、

「内橋克人財政経済担当大臣」「財政経済諮問会議の民間委員の一人は神野直彦氏」

のような社民主義志向であるなら、当ブログはもろ手を挙げて歓迎する。田母神や佐藤優などは、平沼赳夫や城内実などが中心となる「真正保守」(笑)の政治勢力を結集させて、そこの「影の内閣」の閣僚に入れておけば十分だ。そんな政治勢力と「共闘」する必要などさらさらないと私は考えている。

当ブログはそういうスタンスであるから、佐藤優や田母神俊雄などを持ち上げるコメントはできるだけ投稿しないでほしい。彼らを歓迎するブログなどいくらでもあるのだから、そちらに投稿した方が効果的ではないかと思う今日この頃である。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

昨日(23日)放送された政治お笑い番組『TVタックル』などを見ていると、やはり中川昭一が酩酊状態で記者会見に臨むのは常態だったようだ。もはや、どんなに隠蔽しようとしても真実は明らかだ。

中川(酒)と麻布高校の同窓生である官僚がソムリエの資格を持っているとかいって、だから中川に酒を飲ませた官僚が悪いと責任転嫁するむきもあるが、常識的に考えて、G7などの大仕事の場で酩酊状態で会議および会見に臨む人間は、民間企業だったら解雇されてしまうだろう。中川(酒)の醜態に弁護の余地などない。

ロシアの故エリツィン大統領は、中川(酒)の上をいく酒乱だったが、それがなぜ許されたかというと最高権力者だったからだ。そして、1993?94年の一時期を除いて、戦後半世紀以上も続いてきた自民党政権も、いつしか世襲政治家の王国と化した。一昨年、堺屋太一が当時の安倍晋三内閣の弱点を「ベルサイユ化」にあると評したが(2007年8月18日付当ブログエントリ「「ベルサイユのバカ」と化したアベシンゾー」参照)、その指摘は福田康夫にも麻生太郎にも、そして中川昭一にも当てはまる。今の自民党は「ベルサイユのバカ」だらけだと言っても過言ではない。中川(酒)は、ベルサイユ宮殿の住人だったから、これまで酒の上の粗相が許されてきたのだが、いまやフランス革命前夜にもなぞらえても良いくらい社会が混乱している。だから、これまで許されてきたことが許されなくなってきたのだ。

それにしても、毎日新聞が11%、日本テレビが9.7%の内閣支持率を出したというのに、麻生太郎首相はなお意気軒昂だ。止せばいいのに、オバマに会いに行く。死に体内閣の総理大臣が、どうせ尻拭いは次の政権がやるからと、無理な注文にほいほい同意してまた国益を損ねるのではないかとしか思えないのだが、麻生はどこ吹く風である。

今朝(24日)の朝日新聞に、テレビでおなじみの星浩編集委員がコラムを書いているが、麻生首相の意識と民意に隔たりがあり、麻生は、やれ中国の胡錦濤と会談した時外務省の用意した文書など読まずに自分の意見を述べただの、世界は「外交の麻生」を評価しているだのと言っているらしいが、国民の不信感との乖離は大きく、政権の破局は遠くないだろうとのことだ。

星浩の言うことは、年明け早々国会で政局になるだろうと予想して外すなど、あまりあてにはならないが、麻生が自己の力を過信しているとの評価には同意する。『TVタックル』でも誰だったか同じことを言っていた。それもこれも、麻生の周りにいるのが、政権運営に行き詰って簡単に政権を投げ出す前職および元職の総理大臣や、アル中で酔っ払って記者会見をするのが当たり前の財務大臣だとか、そんなやつばかりだから、自分が偉く思えるのだろう。

そして、そんな政治家たちを甘やかしてきたというより癒着してきたのが新聞記者たちである。読売新聞の越前谷知子は、いったい何をしにローマに行ったのか。なぜ読売新聞は、ウェブのコンテンツから越前谷記者に関する記述を消したのか。また、朝日新聞の曽我豪は、麻生太郎が昨年の『文藝春秋』11月号に寄せた手記を書いたと言われているが、それは本当か。本当なら、なぜそんなことをしたのか。新聞社は麻生内閣支持率を調査するが、新聞社の支持率も調査してみるが良い。おそらく、どの新聞社も麻生内閣をさらに下回るような支持率しか得られないはずだ。ただ、自紙の読者に調査対象を限れば、産経新聞の支持率だけは高率になるだろうけれど。あれは『聖教新聞』と同じようなもので、産経イデオロギーの信者が読む新聞だ。

そして、ネットに蔓延する陰謀論、やれ官僚と読売新聞が「愛国者」たる中川昭一や麻生太郎を陥れたのだとするネット右翼や、いやそうではない、「ユダヤ金融権力」のしわざだとする一部左翼の陰謀論も、とどのつまりは中川昭一や麻生太郎ら腐敗した政治家たちを利するものでしかない。陰謀論について私が言いたいことは、2007年12月23日付エントリ「ネットに横行する「トンデモ」や「陰謀論」を批判する」に書いたとおりであって、それに付け加えるものは何もない。「水からの伝言」は誰にでもわかるインチキだし、アメリカの気象兵器だか地震兵器だかが新潟県の大地震を引き起こした、などと言っても信用する人などd誰もいないが、官僚と読売新聞の記者が中川昭一を陥れようとした、などと言われると信用する人が多いことには驚くばかりだ。

そこまでして、日本の腐敗した政治家たちを甘やかしたいのか。彼らが日本の経済や社会をどん底に突き落とすのに手を貸したいのか。私は怒りを抑えることができない。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

先週末は、マスコミ(活字媒体及び電波媒体)やインターネットを問わず、メディアに流れる情報について、ずいぶん考えさせられることが多かった。

まず大阪府知事・橋下徹をめぐる件。先週日曜日(15日)、当ブログ管理人が「メモ代わり」に使っている『kojitakenの日記』に、テレビ朝日『サンデープロジェクト』に出演した大阪府知事・橋下徹が番組冒頭で発した言葉について、それを批判的に紹介する短いエントリを公開したところ、この記事にアクセスが殺到した。大部分が記事を非難して橋下を擁護する反応だった。

短い捨て台詞のような私の記事に対し、「批判するなら対案を出せ」、「批判するなら批判の根拠を示せ」などの非難を受けたが、そもそも『kojitakenの日記』は、メモ代わりにしているブログであって、まとまった文章はこちらの『きまぐれな日々』に書くことにしている。もちろん、そんなことは読者にいちいちおことわりはしておらず、私が勝手に決めたことだが、そもそもウェブログにそれ以上のことを求める方がおかしいのであって、橋下批判の根拠は、『kojitakenの日記』ではあえて示さなかった。あんな状況で書いたところで、さらに揚げ足を取って議論を混乱させてやろうと考える人間の思う壺にはまってしまうだけだ。

このエントリでも、件の『kojitakenの日記』における橋下徹批判の根拠を明示はしない。神野直彦東大教授の本でも読んで、財政の役割について学んでほしいと思うだけだ。神野教授の著書を紹介したエントリは、当ブログに書いた。

ただ、国と地方自治体では事情が異なる部分もあり、橋下徹に対しては、コイズミや竹中平蔵に対するような全否定はできない。それについても、先週、非難の嵐を受けた時にはわざと何も書かなかった。マスメディアの煽動によって生じた怒涛のような「橋下フィーバー」に対するカウンターの意思表示を重視したからだ。あんな状況下において、わざわざ「橋下の政策にも見るべきところはある」などと書く必要はない、そう考えた次第だが、最近話題になった件でいうと「国直轄事業負担金」の問題については、これを批判した橋下には大いに理がある。

しかし、橋下よりずっと以前、4年前からこの問題に取り組んできた自治体がある。それは秋葉忠利市政下の広島である。そう伝える記事が『JanJan』に掲載された。おなじみのさとうしゅういち記者が書いた記事である(下記URL)。
http://www.news.janjan.jp/area/0902/0902217923/1.php

ところが、こうした秋葉市長の努力を、中央マスコミだけならまだしも、広島市政を担当している地元の記者さえ知らず、逆に橋下を引き合いに出して、広島市長はどう考えているのかと質問したというのである。

さとう記者は、下記のように書いている。

■根深いマスコミの「権威主義」

 それにしても、秋葉市長が4年前に見直しを行ったときは、マスコミは取り上げない。ところが、自民党・公明党が応援したタレント出身で知名度が高い橋下知事が「今頃になって」取り組み始めたことは大きく取り上げる。しかも、地元の広島市のマスコミ記者まで、それに加担している……。

 そもそも、大阪府と同じように、広島市もかなり財政は危なかった。ただ、橋下知事が福祉や教育をカットしたのに対し、秋葉市長は、出来る範囲での福祉の充実に取り組んだ。橋下知事は自民・公明の支持を得ているせいか、やはりハコモノには踏み込みが足らないが、秋葉市長は政党の推薦を受けなかったこともあり、ハコモノをゼロベースで見直すことができました。

 本来なら橋下知事の前に、秋葉市長をほめるべきでしょう。とくに地元のマスコミ記者は。。

 ここにマスコミの「権威主義」を感じてしまいます。マスコミは、地方自治をもっと「政策本位」で取り上げるべきではないか。そのように感じました。

(『JanJan』 2009年2月22日付記事 "「国直轄事業負担金」廃止運動 大阪府知事より広島市長が先"より)


ところで、橋下徹は最近、目立って中央のマスコミに露出する頻度が増えた。マスコミ受けは上々のようである。その中央のマスコミは、権力者に対してどういうスタンスで報道を行っているのか。これを考えさせられたのが、先週以来大問題となっている前財務相・中川昭一の「もうろう会見」引責辞任問題である。引責辞任が決まった翌日(18日)、朝日新聞と毎日新聞(いずれも大阪本社発行統合版)が、「もうろう会見」という言葉をカギカッコで片方が括り、もう片方が括らなかった以外は一字一句違わない見出しの記事で、中川(酒)の辞任を報道していた。ともに、中川(酒)を強く非難するニュアンスを見出しに強くにじませていたわけだが、両紙に対し、読売新聞は抑えた見出しのつけ方をしていた。「もうろう会見」が問題となった17日の社説で、朝日と毎日は取り上げたが、読売は取り上げなかった。もちろん、辞任翌日の18日付朝刊では、再度社説で取り上げた朝日・毎日とともに、読売も渋々この件に関する社説を書いたが、やはり歯切れが悪かった。

これを見て、私は「また読売か、ひどいもんだなあ」と思ったが、問題は単に読売新聞が中川(酒)批判に積極的でなかったにとどまらなかった。毎日新聞が、中川(酒)がG7の昼食会を途中で抜け出し、財務省の玉木林太郎国際局長や日本から取材で同行した女性記者、イタリア人通訳など数人で会食したと報じたのである。毎日新聞は記者の名前はおろか、所属するメディアの名前も出さなかったが、その後すぐ、同席した女性記者というのが読売新聞の越前谷知子記者、日本テレビの原聡子記者、ブルームバーグの下土井京子ら3人だったことがネットに広まった。

私はこの件はだいぶ遅れてから知ったのだが、某巨大掲示板では、読売新聞の女性記者が中川昭一に前夜大量の酒を呑ませ、 「会見は面白い事になるわよ」などと言ったという真偽不明の情報が駆け巡り、それをもとにして財務省の官僚と読売新聞の記者らが共謀して中川(酒)を陥れようとした、という陰謀論のストーリーができあがったらしい。

私はそんなネットの馬鹿騒ぎなど知らなかったから、金曜日のエントリを書く前に、玉木林太郎氏の名前でネット検索をかけたら、玉木氏は中川(酒)と麻布高校の同期生で普段から仲が良く、中川は政策の立案を玉木氏に頼りきっていた、などと書かれていたので、ネットに広がっている陰謀論を「ガセ」と判断して、"「ローマの窮日」中川昭一は陥れられたのではなく自滅した"と書いたのである。

だから、これを書いた時点では、中川(酒)が会見で泥酔状態にあってもうろうとしていたことは、何も先週突然始まったことではなく以前からの常態で、ただマスコミがそれを咎めもせず、テレビの画面では中川(酒)の受け答えがたまたままともに見える映像のみを選んで放送し、新聞もあえてヨレヨレぶりを報じていなかったことまでは知らなかった。

今回の事件では、読売グループの新聞社とテレビ局の女性記者と中川(酒)の関係についてまで憶測する向きもあるが、それはそういう記事を得意にする方面にお任せしたい。私としては、政治家と大マスコミ、ことに読売グループなど全く信用していないから、彼らがどんな破廉恥な行ないをしていようが、「大いにあり得る話」だとしか思えない。もちろん、彼らは単なる「業界人」に過ぎず、「ジャーナリスト」の名になど全く値しないことはいうまでもない。

中川(酒)の飲酒辞任劇のことを書いていたら、ふと、河島英五の「酒と泪と男と女」という歌の一節を思い出した。飲んで 飲んで 飲まれて 飲んで、飲んで 飲みつぶれて眠るまで 飲んだ中川昭一は、会見で静かに眠る寸前だった。今回の一件で、中川(酒)の政治生命は終わるのだろうか。彼にとっては忘れてしまいたいことに違いあるまいが、選挙区の有権者をはじめとする国民はこの件を決して忘れてはならないと思う今日この頃である。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

辞任した中川昭一の後任が、誰もが「よりにもよって」と声をあげた最低最悪の増税爺にして超緊縮財政論者の与謝野馨だった(但し、予算成立までの暫定的な兼任らしいが)から、またぞろ中川(酒)の泥酔辞任が「○○の陰謀」によるものではないかとの声が出ている。

当ブログは、コイズミが麻生太郎首相批判を始めて以来、「お前が言うな」と、一貫してコイズミを徹底的に批判してきたが、麻生や中川(酒)を、右側から擁護する陰謀論者たちと共闘するわけにはいかない。「敵の敵は味方」というのは、道を誤る考え方である。ちょっと前、政権交代に躍起の民主党が、コイズミの麻生批判に飛びつこうとした時、当ブログが民主党を厳しく批判したのも、「敵の敵は味方」の論理の落とし穴を警戒したからだ。思い出しておきたいのは、あの郵政解散の時に、当時民主党代表だった岡田克也がガッツポーズをしたことである。あれは、誰の目にも大きな敵失に見えた。これでコイズミは終わりだと思ったが、そうは問屋が卸さず、期待とは真逆の結果になった。

当ブログは、基本的に新自由主義にも国家主義的な新保守主義にも反対であるから、コイズミ一派に対しても平沼赳夫一派に対しても徹底的に批判する立場を貫く。「敵の敵は味方」の論理はとらない。結果的に意見が一致することもあるかもしれないが、それは「たまたま」であって、たとえばコイズミに対しては、それぞれ独立して違った角度から批判していると考えている。

面白いと思ったのは、上田勝さんと仰る方の『DAILYPOINT SQUARE』というブログの記事で、この人は「小泉が動いた!本格化する麻生降ろしへの動き」と題された記事を見ていると、コイズミにかなり親和的な人みたいで、私と立場は全然合わないのだが、「「真の保守」達の嘆き」「中川昭一擁護の声が痛々しい」などの国家主義者たちを批判するエントリは、わさびがよくきいている。後者は、城内実のブログを題材として、極右たちの間に蔓延する陰謀論を批判したものだ。以下、一節を引用する。

中川昭一氏の衝撃的な会見映像から昨日の辞任に至るまで、あちこちのブログを訪問した。特に香ばしい匂いを発していたのが城内実氏の「とことん信念」ブログである。城内実氏と言えば、郵政民営化に反対し、小泉自民党から公認を受けられず、刺客に敗れた前衆議院議員だ。あのアパグループ代表で小松基地友の会会長の元谷外志雄氏とも親交が深い関係からか、多くの「真の保守」派達のコメントが寄せられ、中には中川氏酩酊状態の原因を某国政府機関の陰謀とみなすものさえあって、痛々しさにあふれていた。

(『DAILYPOINT SQUARE』 2009年2月18日付エントリ「中川昭一擁護の声が痛々しい」より)


ここで書かれているように、中川(酒)の泥酔辞任の一件における極右たちの陰謀論丸出しの議論には、またかとうんざりさせられる。中川(酒)を陥れようと官僚が読売新聞の記者と謀ってどうこう、という記事はあちこちで読んだ。だが、他の冷静なソースを当たってみると、くだんの官僚氏は中川(酒)の実務を常にサポートしていた人で、中川(酒)本人にはたいした能力はなく、官僚頼みの政治家だった。また、読売新聞について批判されるべきは、「中川(酒)を陥れた」ことではなく、中川(酒)が飲酒して泥酔していたことを知っていながら、それを記事にするのが遅れたことだろう。

そもそも、中川(酒)の飲酒癖については、読売新聞の記事にも書かれているように、以前から何度も失態を演じてきたもので、そもそもこのような人物を財務相に据えた麻生太郎首相に問題がある。今朝の新聞を読んでいると、麻生は憔悴しきって目を潤ませていたそうだが、思い出すのは松岡利勝元農水相が自殺した時の首相だった安倍晋三の反応である。状況は呆れるくらいそっくりで、安倍も麻生も昭和の有名な総理大臣の「孫」である。「東京に三代住めば白痴になる」と放言して批判を浴びたのは故大平正芳首相だったが、それを思い起こさせる元・現首相のていたらくである。

それもこれも、世襲政治が招いた失態だ。現在、『週刊文春』では上杉隆が厳しい世襲政治批判を展開している。小倉秀夫弁護士は、ブログで小渕優子議員を批判して、

 結局,小泉=竹中ラインが,中産階級を破壊すべく様々な改革を繰り広げる間,この種の人たち(注:小渕優子議員に代表される人たち)はぬくぬくと特権を味わいつづけてきたわけで,「世代間闘争」を訴える新自由主義者たちは,「中高年正社員」にわずかながらの富をはき出させる情熱のごくわずかでもこの種の特権階級に相応の富をはき出させるためには使わないわけです。要するに,目くらましをしているだけなのです。

と書いている。

そこにこそ問題がある。そもそも、中川(酒)、麻生、安倍らはみな能力に問題のある世襲議員である。どうしようもない無能政治家である麻生や安倍とは違って、中川にはまだ少しは頭の切れるところもあったが、飲酒癖が招いた失態を何度も繰り返してきた男が、閣僚ポストの「渡り」をしてきたのが、世襲政治家王国自民党の政権だったのだ。中川(酒)、麻生、安倍といった極右政治家とコイズミら新自由主義政治家は同じ穴の狢であって、両者をともに厳しく批判するのが当ブログのスタンスである。城内実とは断じて共闘などしない。

今朝(20日)の朝日新聞には、「薬と酒、ローマの窮日」と題された記事が出ている。朝日新聞の記者も中川(酒)の飲酒を疑ったが、裏が取れないまま朝刊の締め切り時刻が過ぎてしまったとする記事である。テレビ報道よりかなり中川の飲酒疑惑を追及する報道が遅れたイイワケをしていて、「ユーチューブ」などにこれらの映像が勝手に投稿された、と書いてインターネットの著作権侵害批判もしているのだが、記事の内容はともかく、「ローマの窮日」という見出しにはウケた。もっとも私が読んだのは大阪本社版であって、東京本社の紙面も同じ表現を用いているかどうかは知らない。中川昭一も、会議や記者会見から脱走して、つかの間のローマの休日を楽しみたかったに違いないが(実際、会議及び会見のあとにはバチカン観光を楽しんだらしいが)、この窮状に陥ったのは中川昭一の自業自得の自滅であって、誰に陥れられたわけでもないと思う今日この頃なのである。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

ここ数日、ブログに新しい記事を書く気分が重い日が続いている。本当に重大なのはこんなことではない、こんなことを書くのは、たとえアンチであっても新自由主義の片棒担ぎに過ぎないのではないかという思いが心を重くするのである。

特にコイズミのことは、下手に書きたくない。ロシアでコイズミが給付金再議決に欠席を明言した時、またぞろ自民党のカイカク派や民主党が軽薄な反応を示すのではないかとも思った。ついこの間、コイズミが麻生太郎首相を批判した時、民主党の輿石東が「私たちの意見を代弁してくれている」と言ったと聞いた時の失望といったらなかった。

しかし、流れは急激に変化している。コイズミの造反宣言に、中川秀直ら自民党のカイカク派はどうやら同調しないらしい。コイズミチルドレンを率いる武部勤も給付金再議決に賛成すると明言した。コイズミが造反した場合、麻生首相の周辺はコイズミを処分すると言っているらしく、もし麻生がコイズミを自民党から除名した場合、麻生の人気は一気に高まる可能性がある(笑)。

今朝(19日)の朝日新聞の一面には、次の総選挙を麻生の下で戦うべきか、自民党の都道府県連にアンケート調査した結果が報じられている。「地方自民 渋々「麻生氏で」」という見出しがついている(大阪本社発行統合版)。自民党の都道府県連は、コイズミカイカクの見直しというか、「カイカク」以前の路線への回帰を求めているのだが、コイズミ批判がタブーになっていた自民党中央の「空気」にひきずられて「カイカク」を総括できない麻生にしびれを切らしている形だ。

調査の詳報は4面に出ていて、ウェブでも読める(下記URL)。
http://www.asahi.com/politics/update/0218/TKY200902180312.html

紙面では、4つの質問(二択)とそれに対する都道府県連の回答及びコメントをまとめた表が掲載されている。これを見ると、次の総選挙は麻生首相で戦うべきか、次の首相で戦うべきかと言う問に対して6割が麻生を支持。次の首相で、と回答したのは山形、群馬、岐阜、静岡、大阪、山口、沖縄だった。選挙の時期を問う2番目の問には、任期満了選挙を望む声が圧倒的で、麻生を批判したコイズミの言動に共感できるかという3番目の問には、共感するとしたのは岩手、群馬、福井、長野、三重、島根のわずか6県連だった。そして、コイズミカイカク路線を継承すべきか転換すべきかときく最後の問には、継承すべきと答えたのは千葉、神奈川、静岡、京都、佐賀、長崎のやはり6県連だけだった。なぜか問3と問4でコイズミ寄りの選択肢を選んだ県連は、1県も重複していない。つまり、「コイズミによる麻生批判に共感」し、かつ「コイズミカイカク路線を継承すべき」だと答えた都道府県連は、ただの1つもないのである。東京都連はどうかというと、「次の総選挙は麻生首相の下で戦うべきで、選挙は予算及び関連法案成立後の今春が良く、麻生を批判したコイズミには共感できず、コイズミカイカク路線を転換すべき」という回答だ。ネオリベの牙城かと思っていた自民党東京都連でさえ、ここまで「コイズミカイカク」離れが起こっているのかと驚いた。橋下府政下の大阪府連は、麻生首相の下では戦えないとしているものの、コイズミの麻生批判には共感できないとし、コイズミカイカク路線の転換については、「その他・無回答」だった。

この記事などを読むと、一番コイズミカイカクの継続を強く求めているのは、実は財界およびマスメディアなのではないかと思う。選挙民の支持を急速に失っている自民党の都道府県連は、党中央にコイズミカイカク離れを強く求めているのだ。これは、彼らの立場に建ってみれば当然のことだろう。想像力を持った人間なら、誰にでもわかることだ。

「はてなサヨク」(略して「はてサ」)などと呼ばれることもある「はてな」ブックマーカーも、上記の調査結果に現れている自民党の都道府県連およびその背後にいる日本全国の保守層有権者の意識と比較すると、ずっとネオリベ(新自由主義)寄りだ。おっと、新自由主義は「リバタリアニズム」の訳語だとか思い込んでいる経済学者もいるようだが、もちろんそうではなく、「ネオリベラリズム」の訳語である。

局所的な「橋下徹フィーバー」などもあるとはいえ、今やメインストリームは「新自由主義からの脱却」である。だからこそ、民主党はいまさらコイズミ一派にすり寄る愚を犯してはならない。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

一昨日には強気に留任の意向を見せた中川昭一財務相だが、昨日、予算案成立後に辞任するとの意向を明らかにし、それでも野党が即時辞任を求めて問責決議案を出すと、責任を取って辞表を提出した。

こういう展開になると、朝日新聞と同じことしか書けなくなって全く面白くないのだが、中川の辞任は当然であって、中川だけではなく麻生太郎首相の後手に回った対応は拙劣そのもので、もはや政権の体をなしていない。

思い出すのは、閣僚の不祥事を庇っては、その都度情勢が悪化して閣僚が辞任に追い込まれた安倍晋三内閣であって、その中でも参院選2か月前の一昨年5月28日に松岡利勝農水相が自殺した件は衝撃的だった。そして、中川昭一の父・中川一郎も1983年に自殺している。

中川昭一は、中川秀直と区別するために、ネットのスラングでは、「中川(酒)」などと表記される(中川秀直は「中川(女)」)。酒癖が悪いのは以前から知られていたが、世界経済、その中でも特に日本経済が未曾有(笑)の危機に瀕している時に行われたG7で酩酊状態になっているようでは、仕事ができない状態と見られても仕方ない。

財務相と金融担当相を兼務していた中川の辞任は、「経済の麻生」をもって任じ、「まず景気だ」とか「政局より政策」などと言っていた麻生内閣の土台が崩れ去ったことを意味する。朝日新聞の見出しは「首相退陣 流れ加速」(大阪本社発行統合版、1面真ん中)と打たれており、昨夜の『報道ステーション』では朝日新聞編集委員の星浩が後任の首相候補の名前を挙げていた。いわく、谷垣禎一とか高村正彦とか野田聖子とか舛添要一など。いずれも、自民党の負けを最小に抑えるには適当な人たちではないかと思えるが、このうち誰が総理総裁になっても、短命の「自民党政権最後の総理総裁」にならざるを得ない。しかし、現在は自民党や民主党云々などと言っていられるような経済や社会の状態ではない。国民生活が崩壊していっているのだ。ここであえて自ら犠牲となって選挙管理内閣の首班となる勇気を、自民党の心ある政治家に求めたい。間違っても、「なんとか劇場」などを起こそうとしてはならない。そして、首相になって組閣したら、なるだけ早い時期の解散総選挙を行うことだ。「政局より政策」などと言いながら無策を続けた結果、麻生政権が発足してからの4か月あまりの間は、まるまる政治空白になってしまった。これ以上こんな状態を続けてはならない。本当は麻生太郎こそ、当初の目論見通り、内閣発足早々の臨時国会冒頭解散を行うべきだった。解散を先送りすればするほど自民党の議席は減ると、当時から当ブログはずっと主張していた。

それにしても、国会で多数を占めている勢力が集団で間違い続けるのだからどうしようもない。公明党は、福田康夫では勝てないと福田下ろしに動き、麻生で解散総選挙をもくろんだが、情勢のあまりの悪さに麻生が立ちすくんでしまい、現在の状態に至った。

そんなわけで、麻生内閣の先はそんなに長くないのだろうが、いただけないのは与謝野馨経済財政相が財務相と金融担当相を兼務することだ。与謝野は、中川昭一とは対照的な緊縮財政論者であり、リーマン・ショック直後の昨年9月16日に、「日本経済のファンダメンタルズの健全性というのは、相対的には高いと私は思っております」などとほざいていた。与謝野はこんな超楽観論に基づいて、緊縮財政路線を歩もうとしていたわけだ。コイズミ時代、いやその前の90年代後半からずっと続く外需頼みの自民党政権の失政によって、世界経済危機で日本経済こそ最悪のダメージを受ける体質になっていたことを、与謝野は全く理解していなかった。能力的に大きな疑問符をつけざるを得ない。

せめて中川の後任には、もう少しマシな人物を据えるのではないかと私は思っていたのだが、よりにもよって与謝野の兼任。麻生太郎や中川昭一と全然方向性の違うはずのこの人事は、もはや麻生がまともに政権を運営する意欲を失っている現われに、私には見える。安倍晋三、福田康夫に続く「政権投げ出し」は目前なのではないか。安倍や福田は、それでも1年持ったが、麻生内閣は発足後まだ5か月も経っていない。

だが、現状を招いた最大の戦犯はコイズミであることを最後に指摘しておきたい。コイズミ劇場の「郵政解散・総選挙」で空前の議席数を獲得したあと、コイズミは政権を退いた。そして、その議席を頼んで「力の政治」を行ったあげく、参院選で惨敗して衆参の「ねじれ」を招いたのが安倍晋三だった。その後の福田康夫も麻生太郎も解散できなかった。福田は、「大連立」騒動が勃発した時、麻生は就任直後に、いずれも最大のチャンスがあったが、それを活かせなかった。それは、どんなに自民党が善戦しようが、衆院選で議席の大幅減は避けられなかったからだ。コイズミの勝ち逃げこそ、もっとも罪が重かった。

これを書きながら、自民党のことだから、いっそのことコイズミを選挙管理内閣の首班にして解散総選挙を行うのではないかという考えが脳裏をよぎったが、麻生は曲がりなりにも「脱カイカク」を目指していたのだろうから、せめて芝居っ気なしで粛々と解散総選挙を行える後任に道を譲って、潔く内閣総辞職して、次の選挙管理内閣の下で、可及的速やかに解散総選挙を行うべきだ。なお、本来なら自民党はいったん民主党に政権を譲り、民主党の選挙管理内閣下で解散総選挙を行うのが筋だと思うが、私は自民党にそこまでの良識は期待していない。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

郵政民営化をめぐって麻生太郎首相とコイズミがドタバタを演じたあとは、中川昭一財務相がG7会議後の会見で、眠そうにしてろれつが回らず、トンチンカンな受け答えをしたことがテレビで話題になっている。中川は、イイワケまで筋が通らず矛盾していて、会議や会見の時に泥酔していたことは明らかだ。

いかにも「叩いてください」といわんばかりの醜態にはあきれ返るばかりなのだが、中川昭一といえば政治思想タカ派のきわめて好ましくない面と、積極財政指向の反新自由主義的政策の多少は評価できる面を持った政治家なので、大臣辞任につながるかもしれないこの失態のあと、麻生内閣の経済政策がどうなるかが懸念される。中川も消費税増税論者ではあるが、たとえば与謝野馨などは消費税増税論者にして強烈な緊縮財政派であり、今後の日本経済の建て直しのためにはもっとも好ましくない人物だ。

時あたかも、2008年10?12月度のGDPが、年率換算でマイナス12.7%になると報じられた。世界中で、財政出動や消費税減税(イギリス)などによって、現在の恐慌に対処しようとしているところに、日本でだけ消費税増税が議論されている。

麻生太郎は中川昭一を留任させようとしているし、森喜朗は自民党議員の麻生政権離れ阻止に必死だが、その森が7年前の今頃記録していた「歴史的」な低支持率のあと、国民の熱狂に迎えられてコイズミが現れる前夜を思い出させる雰囲気だ。

今回は、コイズミのようなスーパースターこそいないものの、連日書くように混乱期を経て橋下徹が登場する懸念がますます高まっている。そういえば、先般自民党を離党した渡辺喜美が真っ先に声をかけた相手が橋下だった。いつになるかはわからないが、彼らが結集して「カイカク」新党ができ、民主党を中心とした次期政権が成果をあげられずに批判を受ける中、「カイカク」新党が勢力を伸ばしていくことも考えられる。

橋下については、反新自由主義の闘士・そにっくさんから13日のエントリにいただいたコメントを紹介しておきたい。

大阪府の単年度財政黒字は政府の本来の役割を放棄しただけですので、こういうのを喜ぶ大阪府民にはそう遠くない将来にしっぺ返しが来ます。
kojitakenさんもハーヴェイの新自由主義をお読みになったようなのでお分かりだと思いますが、橋下知事の改革は「成功」するでしょう。そのとき橋下知事を応援した府民の相当数が大阪には住んでいないでしょう。大阪の将来はハーヴェイが調査した70年代から80年代と同じことになるのだろうと思います。

その後、大阪の「真の改革」が行われることになると思いますが、その主役は橋下が泣かせた高校生たちの世代ということになります。
ある生徒が言っていましたね。
「あんなやつに負けんように勉強せなあかんねん」と。
まったくそのとおりです。
そして、時間は彼女たちに味方します。
20年後、住民や企業の入れ替えが済んで様変わりした大阪に、再び人間の血の通った地域を再生させるのは彼女たちの仕事になるのでしょう。

(そにっくさんのコメント)


かつてあれほどコイズミに騙されたのに、今また橋下に騙される人たち。新自由主義者は「失われた10年」と言うが、実際にはそのあとの10年の方がもっと悪かった。さらに20年経って、ようやく焦土から日本が立ち直るとすれば、それまでどれほど多くの人が犠牲になっていくことだろうかと考えると気が滅入ってしまう今日この頃だ。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

言うことがコロコロと変わる麻生太郎首相。G7終了後の会見でろれつが回らない中川昭一財務相。もはや手の施しようのない状態で、麻生内閣の支持率は日本テレビの調査でついに9.7%と、10%を割り込んだ。朝日新聞の調査で初めて15%割れしてから、さほど日も経っていない。

もはや、麻生内閣は持たない。誰もがそう思っていると思う。中川財務相の醜態は、麻生内閣が統治能力を失った象徴だろう。二日酔いなら論外だが、健康不安の場合でも、会見であのような状態になるまで代行も立てずに放置してはいけない。

予算案成立とともに、自民党で「麻生下ろし」が始まるとする見方もあるが、私はこれ以上麻生内閣の支持率が下がっても、喜んではやし立てる気分には全くなれないでいる。それは、麻生内閣のあとに来るものに対する、悪い予感があるからだ。

果たして、私を含む自公政権反対の人たちが考えているような政治になるだろうか。あっさり、民主・社民・国民新党・新党日本の連立政権ができるだろうか。ものごとは、自分たちにとって都合の良い方にばかりいくはずもないのは当然である。与党は、なんとしても生き残りを図る。公明党だったら、民主党にすり寄るという手があるが、自民党の場合、少し前なら「大連立」があった。

だが、一昨年秋に「大連立」構想が潰れ、民主党が、小沢一郎の締めつけもあるのかもしれないが結束を保っている現状では、「大連立」は実現できない。渡辺喜美は、自らが接着剤となって大連立を実現させる、と意気込んでいたが、現在ではメディアへの露出がめっきり減った。

保守系のメディアは、もはや麻生内閣を見放したようだ。このタイミングで、コイズミが麻生首相の「郵政民営化に反対だった」という発言を捉えてこれを猛批判し、給付金は「3分の2」を使うに値しないと言うなど、脅しをかけてきたが、メディアは反応がさまざまながら、いまさらそんなことを言い出したコイズミに冷淡な姿勢が目立った。朝日新聞の「天声人語」(2月14日付)は、下記のようにコイズミを批判した。

▼与党には、ワンフレーズに世論が踊った小泉劇場を懐かしむ向きがある。だが、格差の拡大、地方の衰弱、軽くなった首相の言葉など、劇場の残響も忘れ去るわけにはいかない。同じ歌に酔うほど、有権者は甘くはなかろう▼へらへら、くねくねの麻生節も情けないが、説明不足の再来も困る。そもそも、引退して息子に譲るという人が政局の主役になるようでは、そこにある危機は乗り切れないだろう。「懐メロ」頼みの政治はごめんである。

(2008年2月14日付 朝日新聞「天声人語」より)


TBSテレビの『サンデーモーニング』に出演した浅井信雄にいたっては、マスコミはコイズミの発言を黙殺すべきだとまで言って、コイズミ応援団として鳴らした岸井成格は顔色を失っていた。

このように、コイズミの神通力は薄れてきたのだが、代わって、大阪ですさまじい神通力をつけてきた男がいる。知事の橋下徹である。昨日、橋下はテレビ朝日の『サンデープロジェクト』に出演したが、冒頭で田原総一朗に大阪府政の黒字化の目処が立ったことについて聞かれた橋下は開口一番、「サービスを削って黒字化しただけ、府民に迷惑をかけていて、ほめられた話ではない」と言った。

これを聞いて私は、なんて狡猾なやつかと思った。府政黒字化への批判として真っ先に上がるのが、「職員の首を切ってサービスを削れば、誰にだって黒字化はできるが、府民に痛みを与える施策は普通は行われない」というものであり、先手を打ってその批判を封じた形だからだ。

だが、私は裏ブログ『kojitakenの日記』を持っており、これは主にマスコミ報道や政治番組の内容を手早くメモしておくのに使っている。これに、前記サンプロ冒頭での橋下発言を書き、「こんな橋下を支持し、応援する大阪府民っていったい...」という煽り文句をつけて記事を結んだところ、橋下信者支持者の大阪府民からすさまじい反発を受け、『kojitakenの日記』の昨日(15日)のアクセス数は、トータルアクセス数にして過去最多、同ブログ初の5桁となる13,053件(ブログカウンタに表示されているユニークアクセス数では9,854件)に達し、記事についた「はてなブックマーク」のコメントは、記事への批判と橋下徹への絶賛で埋め尽くされた。1日5桁のアクセス数は、こちらの『きまぐれな日々』でも、『きっこの日記』にリンクを張って紹介された時(一昨年4月と同6月の二度、のべ3日間5桁を記録)以外には記録したことがない。

同エントリのコメントで書いたように、番組ではそのあと、橋下がやりたいことを速射砲のようにしゃべりまくっていた。その中には、再生可能エネルギーへの注力など、本来民主党などの野党が政権を取った時の政策として、もっと大々的にアピールしていかなければならないことも含まれていて(これは東京の石原慎太郎もやっている)、自民党のボンクラ国会議員たちとは違う能力を橋下に感じた。だが、橋下の本質は、高校生とガチンコの議論をして自己責任論を叫んで高校生たちを泣かせた冷酷非情な新自由主義者であり、今後も当ブログは徹底的に橋下を批判していく。

しかし、現実には世間、特に大阪では橋下支持の声が圧倒的に大きい。このところ、前記の『kojitakenの日記』に限らず、橋下を批判したり、疑問を呈したりする記事に、すさまじい反応があって、橋下擁護と反批判でブックマークコメントが埋め尽くされるとは、前のエントリで書いたばかりだが、今回は私自身のブログがその例となった。これは、大阪府の財政が11年ぶりに黒字化する目処が立ったと報じられた時から顕著になった現象だろう。実際には、黒字化にはからくりがあって、府の財産の売却によるところが大きく、それはいつまでも続くものではないし、大阪府の腐敗は今なお進んでいると冷静に指摘する人もいるが、それはあくまで例外で、大阪府民の多くは橋下徹の煽動にまんまと乗せられているように見える。

コイズミが総理大臣を辞めたあとに社会の格差拡大と経済危機が大問題となったと同じ結果に、今後大阪府民は直面すると思うが、その時には橋下はもはや大阪府知事ではないだろう。国政に進出しているに違いない。私は、昨日の「サンプロ」や橋下批判記事への反応を見て、橋下が国政に進出する時期はそう遠い先ではないと予感した。

『kojitakenの日記』の「そういえば『バンキシャ!』で麻生内閣支持率が9.7%だったようだが」と題したエントリで、私は下記のようなシナリオを想定した。

自民党は、民主党に政権を渡し、小沢一郎を首相とする選挙管理内閣ができる。

そして、自民党は「一からの再出発」を図ると称して、麻生太郎が総裁を辞任し、その後継には突如大阪府知事の地位を投げ出した橋下徹が座る。

そして、解散総選挙。「橋下劇場」が幕を開ける。

選挙結果は自民・民主伯仲となるが、民主党が分裂し、同党の新自由主義者たちが作った新党と橋下自民党が「大連立」ならぬ「中連立」政権を作る。


実際には、いくらなんでもいきなりこんなことにはならないだろうが、麻生政権または次の政権のもとで総選挙が行われ、そのあと間違いなく国政は混乱する。橋下は、その時期に救世主よろしく国政に参入するのではなかろうか。来年には参院選があるが、そこで橋下がリーダーとなったカイカク政党(それには渡辺喜美や東国原英夫も加わるだろう)が勢力を大きく伸ばすことも考えられる。

なにしろ、橋下の「痛みを伴うカイカク」を大阪府民は受け入れ、これを熱狂的に支持しているのだ。コイズミは引退しても、ポストコイズミはいる。そして、日本国民は何度だって騙される。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

コイズミが、昨日(12日)開かれた「郵政民営化を堅持し推進する集い」で、郵政民営化をめぐる麻生太郎首相の発言について「怒るというより、笑っちゃうくらいただただあきれている」と批判した。また、定額給付金の支給を裏付ける2008年度第2次補正予算の関連法案について、「3分の2を使ってでも成立させないといけないとは思わない」と発言した。

「笑っちゃうくらいあきれる」と聞いて、「お前が言うな」と思ったのは私だけではないだろう。日本をぶっ壊した犯人が何を言うかと思う。マスコミは、すわ政局か、などと騒いでいるが、そんなに大騒ぎするような問題だろうか。

『kimera25』経由で知ったのだが、「郵政民営化を堅持し推進する集い」に出席した議員は下記の通りである。

 【町村派】伊藤公介(9)、中川秀直(9)、小池百合子(5)、木村太郎(4)(以上衆院)、山本一太(3)(参院)
 【津島派】伊藤達也(5)、棚橋泰文(4)
 【古賀派】塩崎恭久(4)
 【山崎派】武部勤(7)、石原伸晃(6)、広津素子(1)
 【無所属】小泉純一郎(12)、水野賢一(4)、菅原一秀(2)、小野次郎(1)、片山さつき(1)、佐藤ゆかり(1)、藤田幹雄(1)(以上衆院)

ご覧の通り、コイズミにごく近い一握りの議員だけ。ニュースソースは時事通信で、朝日新聞を見ると「約20人」としか書いていないが、リストを数えてみると参加者は18人だ。山本一太は出席したが世耕弘成は不参加で、あれだけいたコイズミチルドレンも、4人しか参加していない。コイズミの威光は、もはやその程度のものなのだ。

民主党の鳩山由紀夫幹事長は、給付金問題への造反を期待しているそうだが、それは愚かな考え方であって、自民党の内紛は、自民党への注目を高める。次の総選挙は、現在圧倒的に民主党が優勢と言われているが、そんなものは短期間に変わる。かつてコイズミは、選挙の直前に自民党の支持率を立て直す名人だった。2005年の郵政解散・総選挙では、テレビ局が毎週報じるコイズミ内閣や自民党の支持率が、1週間ごとに数ポイントずつ上がっていって、解散前には自民党と民主党の支持が拮抗していたのに、解散後は「刺客作戦」によって自民党内の争いにのみ注目が集まった。その愚を繰り返してはならないのだが、2001年のコイズミ内閣発足当時、コイズミと「カイカクを競う」路線をとる誤りを犯した鳩山にはそれが理解できないのかもしれない。

なお、2003年の衆院選で、解散直前の内閣改造(安倍晋三の幹事長抜擢が目玉だった)で内閣支持率を上げたこともあったが、自民党の議席増には結びつかず、不人気だった森内閣時代の2000年の総選挙より大幅に議席を減らした。これは、安倍が実際にはマスコミが煽るほどコクミンテキニンキがなかったせいもあるが、与野党の対立構図の選挙になったからだ。コイズミが選挙で成功した2回(2001年参院選、2005年衆院選)は、いずれも党内の「抵抗勢力」を相手にコイズミがファイティングポーズをとった時だった。01年は、自民党候補がこぞって「我こそがカイカク者」だと主張したが、05年にはコイズミが「抵抗勢力」を公認せず刺客を送り込んだ。

自民党は、こうやって国民の目をくらませて政権を延命させていたことを忘れてはならない。これだけ麻生内閣が不人気なのに民主党の支持率が思うように上がらないのは、民主党の政策というか、新自由主義者が多い同党の体質に問題があるからだ。それを是正しようともせず、自民党の内紛に期待しようとするかのような鳩山発言は愚の骨頂だ。

もちろん、議員を20人も集められないコイズミには、いくらなんでも自民党不利の情勢を劇的に改善する力はないと思うが、ポストコイズミならいる。橋下徹である。検索語「橋下徹」によるGoogle検索で、当ブログの2007年12月13日付エントリ「大阪府民は「極右ポピュリスト」橋下徹を打倒せよ」が上位で引っかかるが、このエントリは「橋下徹」で検索して見つかるものの中では、少数派の橋下批判記事であるため、時折橋下支持者(多くは名なし)から書き捨ての批判コメントをいただく。もちろんそれらは遠慮なく削除させていただいているが、これを書いた一昨年12月13日は、大阪府知事選の告示前であり、その前に行われた大阪市長選では民主党が推した平松市長が勝った余勢もあって、まさか橋下が圧勝するなどとは夢にも思わなかった。

このところ橋下が話題になっているのは、もちろん大阪府の財政黒字化の目処が立ったからだ。職員の首を切りまくり、サービスを大幅に低下させれば黒字化など誰にだってできるが、常人にはそんな非常識なことをやらないだけの話なのだが、それを指摘した『捨身成仁日記』のまっとうそのものの橋下批判エントリに、批判コメントを伴った大量の「はてなブックマーク」がつく事態は「異常」の一語に尽きる。信じたくないがこれが現実だ。テレビで大阪府民へのインタビューを見ていたら、府民は「70点」だの「80点」だのと高い点を橋下につけて絶賛していた。日本国民は、いつでも「コイズミの再来」を歓迎する素地を持っていることは認識しておかなければならないだろう。

ここでは、首切りの例ではなく、橋下が閉鎖しようとしている大阪府立国際児童文学館(吹田市)の存続を女優の竹下景子が訴えている件を紹介しておく。私は読売新聞(大阪)のサイトの記事でこれを知った。1月31日に同館で行われたトークショーの中で竹下さんは、同館の蔵書が約70万点に上ることに触れながら「出版された時のまま保存されており、図書館にはない良さがある。児童文学の価値がこれから知られていく中で、ますます大事な場所になる」と、約110人の参加者に存続への理解を求めたとのことだ(前記読売新聞の記事より引用)。トークショーの様子は、国際児童文学館のウェブページでも見ることができる。

これが正常な市民的感覚だと私は思うのだが、残念ながら日本人の多くはそうした感覚を失ってしまったようだ。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

アメリカの金融危機に端を発した今回の不況は「100年に一度」などと言われるが、それが決して大げさな表現ではないことは、今後明らかになっていくだろう。時代はもはや乱世であり、その幕は開いている。それが東京ではさほど表面化していないだけの話で、いずれは東京人の尻にも火がついて、上を下への大騒ぎになる。

極端に外需に偏った産業の構造は、大きく改められなければならず、その変革は、いやでも「痛みを伴った」ものにならざるを得ない。今後シフトしていくべき分野の柱の一つが再生可能エネルギーであり、アメリカでもオバマが「グリーン・ニューディール」を掲げている。

しかし、原子力利権にどっぷり浸かった日本の行政はこの分野に不熱心である。再生可能エネルギーの分野は、電力や鉄鋼業界が推進する原子力発電にとって好ましくないので、これらの業界にのみ配慮していたのである。従来は、同じようにこの分野に不熱心だったブッシュ政権に追随していた。

ところで滑稽なのは、政府に批判的なはずのブログなど市民メディアの間に、「地球温暖化論は原発推進のための捏造だ」などとする「地球温暖化陰謀論」が蔓延していることだ。彼らが信奉する学者の一人が、中部大学総合工学研究所教授の武田邦彦氏である。

この武田氏を批判した記事が、『週刊文春』の先週号(2月12日号)に出ている。椎名玲、吉中由紀両氏の署名入り記事である。この記事は、「ペットボトルはリサイクルのために回収するのを止めて、焼却するほうが環境にやさしい」などとする武田氏の主張に、根拠を示して反論している。

たとえば、上記ペットボトルの件は、武田氏は「1キロの新品ペットボトルを作るためには容量の2倍の石油を使えば済むが、卵シートなどにリサイクルする場合、3.5倍もの量がいる」と主張するが、財団法人政策科学研究所の「平成16年度容器包装ライフ・サイクル・アセスメントに係る事業調査報告書」によるとリサイクルした方が環境にやさしく資源を節約できるし、国立環境研究所の森口祐一氏によると、「確かに新品のペットボトルを作るのに石油は2倍必要だが、卵シートや繊維などにリサイクルするには、ペットボトルの重量の5分の1程度しかかからない」とのことだ。

3.5倍と5分の1ではえらい違いだ。しかも、文春の記事によると武田氏の著書のデータには捏造の可能性まで浮上しているのだという。武田氏の著書に掲載された「ペットボトルの再利用量」の表の内容が、出所とされた「PETボトルリサイクル推進協議会」発表のデータと大きく違っているとのことだ。

武田氏は、「マイ箸持ち歩きより割り箸を使え」とも主張していて、これは国産の割り箸は不要な木を使っているので木の成長に必要な間引きにつながり、森林を守ることになるという理屈だが、それは20年前の話で、現在は日本で流通している割り箸の大部分は、中国などからの輸入品で、各国の森林破壊の要因になっていると記事は指摘している。

記事の著者は武田教授に公開質問状を送ったが、ペットボトルのリサイクル量データについては、「PETボトルリサイクル推進協議会を名誉毀損で訴えようと思っている」などと回答したものの、データの根拠は示さずじまい。塩化ビニルの有害性について、「塩ビによる健康被害は知られていない。これについては私が高分子学会で特別講演しています」などと答えているが、塩化ビニルには生体に異常をもたらす内分泌攪乱物質が含まれていることを、記事では「循環資源研究所」所長・村田徳治氏のコメントを引用して紹介している。

書く本書く本次々にベストセラーになる武田邦彦教授とは、このようにきわめて怪しげな主張をなす人物らしい。このような人物の珍説に惑わされて、「地球温暖化陰謀論」などを撒き散らす愚行は、いい加減に止めた方が良い。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

麻生内閣の支持率がまた下がった。2月7, 8日の朝日新聞による電話調査で、支持率はついに14%にまで低下した。同じ2日間に行われた共同通信の調査でも支持率は18%に低下している。

私は、麻生内閣の支持率はもう自民党のコアな支持者だけが残る状態まで下がっていて、これ以上下がりようがないのではないかと思っていたのだが、自民党支持者までもが見放し始めたといえる状態だ。

ここまで支持率が下がると、当然のことながらネットで読めるブログの記事でも麻生批判の大合唱になっており、当ブログでもその大多数と同じような批判になってしまってイマイチ面白くないのだが、それでも書いておかなければならないことはあるので、麻生批判を行いたい。

なんといっても最低なのは現状認識で、麻生は福井県の講演会で「日本経済の現状はそんなに大変じゃない」とほざいた。今朝の朝日新聞には『文藝春秋』、『世界』、『週刊東洋経済』などの広告が掲載されているが、いずれにも経済危機の深刻さを伝える見出しがずらりと並んでいる。雑誌の中身は全然見ていないが、『週刊東洋経済』の2月14日号には、「図解 戦後最悪の日本経済 オイルショックを上回る垂直落下、急増する失業者、マイナス12%成長へ」という記事が出ている。いろんな経済学者が寄稿しており、新自由主義的な傾向の経済学者だと思っていた野口悠紀雄が「日本でケインズ政策は、戦後初めて必要になった」などと書いている。一方、どういうわけか池田信夫なる四流学者も同誌に寄稿しており、「重要なのは金融・労働市場の改革。もっと「創造的破壊」を」などと叫んでおり、要は竹中平蔵の主張をさらにエキセントリックにした絶叫をしているようだ。池田のトンデモ記事を含む多くの経済危機関連記事が出ているようだから、買って読んでみたいと思う。

問題は、野口悠紀雄のいうように「戦後初めて」なのか、小野善康がいうように長期不況が「定常的な状態」なのかはともかく、乗数効果の大きな積極財政が求められるこの時期に、「日本経済、そんなに大変じゃない」という麻生にまともな政策は期待できないということだ。麻生には、従来の利権構造を守ることしか頭にないに違いない。

郵政民営化問題でも麻生は責任逃れの発言を繰り返していて、みっともないことこの上ない。トラックバックいただいた『dj19の日記』のエントリ「麻生政権の迷走」に手際良くまとめられているが、麻生は昨年9月の自民党総裁選の時には「私は郵政民営化を担当した大臣ですからね、忘れないでください」と明言していたのに、「かんぽの宿」譲渡問題をきっかけに郵政民営化自体への批判が強まると、「私は総務大臣だったが、郵政民営化担当大臣ではなかった。担当は竹中平蔵大臣だったことを忘れないでほしい」などと言い出す始末だ。つまり、悪いのは竹中だ、僕ちゃんは悪くないんだ、というつもりらしいが、まるで小学生のイイワケとしか思えない。一方、コイズミら郵政民営化を推進するグループが、明後日(12日)会合を開くらしい。自民党の内紛になるかどうか。

そもそも麻生は総理大臣の器ではなかった、とは月並みな結論だが、それ以外言いようがないと思う今日この頃なのである。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

「郵政民営化に私は反対だった」とか「消費税増税はどうでもよかった」などと言う麻生太郎首相を見ていると、じゃああんた、いったい何のために総理大臣をやってるの、と言いたくなる。

「100年に一度」といわれる世界金融危機は、生半可なものではなく、『週刊東洋経済』の2月7日号には「雇用壊滅!」という巨大な見出しが躍っている。不振は製造業だけではなくなっており、四国の第二地銀である香川銀行と徳島銀行は先日経営統合を発表したし、勝ち組企業の代名詞であるテレビ局でさえ、日テレの氏家齊一郎取締役会議長が「テレビ広告はさらに減る、生き残るのは2?3社だ」と発言して話題になっている(『週刊東洋経済』1月31日号)。

そんな状況なのに、麻生はひたすら政権延命だけに腐心し、総選挙のリミットまであと7か月に迫った現在、どこかで民主党が失策をやらかしてくれないかと待ち続ける日々だ。民主党がほころびを見せたスキを突いて、たちどころに解散総選挙をやろうとしていることは明白だが、現実に聞こえてくるのは自民党内の不協和音ばかりである。

一方で、国会で民主党がやっている「論戦」というのも全然心に響かないので、ブログで取り上げる気にはならない。朝日新聞を読んでいても、最近は見出しに目を走らすだけで終わらせる記事が大部分で、じっくり読もうという気を起こさせる記事がめっきり減っている。

八方ふさがりだが、中でももっともひどいのは政府の無能というほかない。政治家の世襲禁止と、政権が行きづまった時の与党内での総理大臣たらい回し禁止を法律で定めない限り、日本の政治はさらに悪くなることはあっても良くなることは金輪際あり得ないと思うが、総選挙をやって国会議員の分布を現在とは様変わりさせなければ何も始まらない。しかし、麻生は政権に醜くしがみついている。

経済が日に日にすさまじい勢いで崩落している現状で、麻生無能内閣はひたすら延命に専念する。日本は再び焼け野原にならなければ再起できないのではないかと悲観するようになった今日この頃である。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

郵政民営化をめぐるゴタゴタが、政界やマスコミ界で続いている。

「かんぽの宿」の売却問題では、日本郵政は譲渡契約を結んでいたオリックス不動産への売却を断念したと報じられた。この問題は鳩山邦夫総務相が売却にクレームをつけたことに端を発し、鳩山氏と竹中平蔵が論戦を演じて注目された。1月9日付の日経新聞と同18日付の朝日新聞が鳩山氏を批判する社説を掲載したが、朝日新聞出版が発行している『週刊朝日』は3週連続のキャンペーン記事で日本郵政・オリックス側を批判する記事を掲載するなど、グループ内で論調が分かれる。この件は時が下るにつれて日本郵政・オリックス側というか竹中平蔵・宮内義彦側の旗色がどんどん悪くなっており、昨日もTBSテレビの「ニュース23」を見ていたら、500億円で応札しようとしたが事前審査で門前払いされたという大阪の不動産業者が「出来レースだ」と息巻いていたことが報じられた。109億円での売却ではオリックスの宮内義彦はぼろ儲けであり、これぞ「郵政民営化利権」というほかない。

この件は、コイズミ時代の置き土産で知る人ぞ知るものだったそうだが、舞台裏を知っていた鳩山邦夫は、本音では「反カイカク」であり、国民新党と民主党がこの件を追及しようとしているとの情報を察知して、先手を打って日本郵政・オリックス側に仕掛けたバトルだったと思われる。遅れて社説を掲載した毎日新聞(1月31日付)と読売新聞(2月1日付)の社説は、いずれも施設売却の不透明さを批判する内容になっている。それだけに、1月18日付の朝日新聞社説の恥さらしぶりが際立つ(笑)。当ブログは、朝日新聞の経済記事は、日経と並んで国内メディアでも「極右」に位置するとずっと指摘してきた。日経も朝日経済部も、竹中平蔵の支配下にあるといっても過言ではない。

昨日呆れたのは、麻生太郎首相が「郵政民営化に賛成でなかった」と言ったことだ。そんなことを言うのなら麻生は、郵政民営化法案に反対し、4年前の総選挙で刺客を送られて有権者の審判を受けるべきだった。しかし、そうはしなかったどころか、そもそも麻生太郎は2003年9月にコイズミ内閣に総務大臣として入閣し、郵政民営化を担当した男である。それが、どの面下げて今頃「郵政民営化に反対だった」などと言えるのか。しかも、麻生はコイズミが「郵政総選挙」で獲得した議席を頼りに政権にしがみついている。これほど筋の通らない話はない。郵政民営化に反対なのだったら、「カイカクを直ちに止めよ」というマニフェストを作成して衆議院を解散し、国民に信を問うべきだろう。郵政民営化の見直しはもちろん必要だが、当時責任ある立場にあった人間の安易な「転向」は許されない。転向するなら自らの失政の責任をとらなければならない。

麻生のみならず、自民党は(マスコミもそうだが)コイズミの「構造カイカク」を総括できていない。町村派内もそれでガタガタしていて、森喜朗はなし崩し的に中川秀直の力を弱めた上でつなぎ止めて無力化しようとしており、安倍晋三が森側について「若手・中堅」とやら(多くは世襲議員)の反発を抑えているようだ。下手に中川を領袖として小池百合子らを含む「カイカク」派が自民党を引っ張る立場に立ったり、逆に分裂を指向して民主党に接近することは、いずれも百害あって一利なしなので、森や安倍が彼らを飼い殺しにしようとしてくれることは、新自由主義に反対する側にとっても大いにありがたい。かつて一部で噂されていた、総理大臣を麻生から小池に代えての解散総選挙の線は、もはやほとんどなくなった。よほどのことがない限り、麻生太郎首相の下での解散あるいは任期満了によって総選挙が行われることになるだろう。

一方、民主党内も実は構造カイカクの総括など全然できていない。昨年、月刊誌『Voice』でコイズミ・竹中の「カイカク」路線を基本的に正しいとする立場を明確にした前原誠司を代表格とするカイカク派は党内に多数いるが、彼らを小沢一郎が抑え込んでいる形だ。現状では、次の総選挙で民主党が大勝して政権交代が起きる可能性が高いが、そのあと民主党の分裂が起き、厳しい選挙を勝ち抜いた自民党のカイカク派が(コイズミチルドレンはほとんど残っていないだろうし、塩崎恭久あたりだって安閑とはしていられないが)、それに対応する民主党の勢力とくっつくことはあり得る話だ。

だが、コイズミ内閣のような新自由主義政権が再び日本に生まれることは、もはやないだろう。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

派遣切りに続いては正社員切り。ほとんどの企業が業績を悪化させ、2008年10?12月期のGDPは、年率換算にして二桁のマイナスが見込まれている。そうなれば、石油ショックの頃の1974年1?3月期以来34年ぶりになる。そして2009年1?3月期も同様になるのではないか。

こういう怒涛のような現実の前では、たとえば民主党の前原誠司が麻生太郎首相を「やるやる詐欺」だと非難して国会が紛糾したなどというニュースを聞いても、空々しくてまともに取り上げる気にならない。

昨夜のテレビでは、毎日放送(TBS系)が制作している久米宏の番組に竹中平蔵が登場し、しゃべりたい放題しゃべっていた(毎日放送は大阪の放送局だが、番組の収録は東京で行われているそうだ)。「私がそんなに悪いのか」とかなんとか、そんなキャプションがついていたが、テレビもようやく竹中平蔵が非難を浴びていることは認めたものの、積極的に竹中の反撃を後押しするありさまだ。特に、毎日放送だけでなく大阪の民放がネオコン・ネオリベの牙城になっている。先の週末に日本テレビで湯浅誠らが出演した貧困問題の番組を関東ローカルでやっていたそうだが、その時間帯に関東を除く日本列島の大部分では、日テレ系の大阪・よみうりテレビが制作するやしきたかじん司会の右翼番組が流れていた。私はこの番組をほとんど見ないが、橋下徹をスターダムにのし上げる原動力になった番組の一つだそうだ。また、ネット右翼のブログで、「アンカー」「ムーブ!」など関西の番組起こしも、などと謳っているところがある。前者は関西テレビ(フジテレビ系)、後者は朝日放送(テレビ朝日系)制作の番組で、ネット右翼の喜ぶような内容なのだろう。後者に勝谷誠彦が出て妄言を垂れ流していることは風の便りで聞いている。

久米宏の番組では、ビデオで流れた森永卓郎や亀井静香のコメントを竹中が批判していた。スタジオにおける竹中に対する批判者は荻原博子と作家の室井佑月だったが、「経済ジャーナリスト」の荻原は完全に竹中に押されて竹中の言い分を部分的に認めながら食い下がるスタンスしかとれなかった。室井佑月はブログを開設していて、リベラルな思想信条の持ち主のようだが、昨年4月を最後に更新されていない。とてもないが竹中には歯が立たない。室井佑月に竹中批判の役割を押しつけるのは酷だ。久米宏はというと中立の司会者に徹していたが、何も言わないということは実質的に竹中を後押ししていたに等しい。そもそも、『ニュースステーション』時代も、久米宏はむしろコイズミ・竹中の「カイカク」に好意的だったように思う。

金子勝や森永卓郎らでも竹中の猛攻を受けてたじたじになるほど、速射砲のように繰り出される竹中の雄弁はすさまじく、電波媒体で竹中と論争して視聴者に「竹中を言い負かした」という印象を与えるのは不可能に近い。田原総一朗あたりが司会する番組だと、田原や御用コメンテーターたちが竹中の援護射撃をするからなおさらだ。

だが、活字の世界では竹中批判が圧倒的に主流で、だから竹中も電波媒体で必死に反撃するのだろう。今後どうなるかというと、竹中の顔など見たくもないという視聴者が増えて、竹中では視聴率が取れないというデータが出て、それでやっと竹中の出番が減っていくのだろうが、その時には日本経済は今以上にひどい泥沼にはまっているだろう。

秋までには必ず総選挙もあるのだが、日に日にひどくなる不況の中、どんな結果になるかはかえって不確実さを増しているように思う。というのは、民主党も国民の積極的な支持を得ているとはいえないからだ。無党派層の票は自民党よりは圧倒的に民主党に流れるだろうが、不況があまりにひどくなって政治への絶望感が深まると、投票率自体がかなり下がる可能性があり、そうなると自民党が第一党の座を守る可能性さえ出てくる。『週刊現代』の2月14日号に、4月26日投開票を想定した総選挙の予想が出ているが、3人の評論家は、民主党過半数から自民党第一党維持まで予想が割れている。ただ、苦戦が予想されていた自民党大物が巻き返す一方、コイズミチルドレンの不振は続いていて、ネオリベ勢力の大幅な議席減だけは間違いない。

共産党の得票率は大幅に上がると思うのだが、小選挙区の比重の高い選挙制度に阻まれて大幅な議席増には至らない。改めて90年代の「政治改革」の罪深さを思う。そもそも、「カイカク」と名のつくものにろくなものはない。

なんだか、竹中平蔵と自民党の反撃の様子ばかりを記述する意気の上がらないエントリになってしまったが、絶望してしまってはおしまいである。決して絶望してはならない。人民の一人ひとりが社会を、政治を変えていくという気持ちを持って思考し行動するしかないと思う今日この頃である。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

石の上にも3年というが、少し前に知人に教えてもらったところによると、ウェブサイトの寿命は3年といわれているのだそうだ。当ブログは4月で開設3周年を迎える。ここまでは、幸いにもコンスタントに更新できる状態が続いたが、もちろんいつどうなるかはわからない。しかし、これまで3年間の蓄積は無駄にはなっていないと感じる。

なぜそんなことを書くかというと、もうだいぶ前からなのだが、ネット検索をしていて自分の書いたブログ記事が上位で引っかかる頻度が、ブログを続けるにつれてどんどん増していっているからだ。当ブログのアクセスでもっとも多いのは、トップページへのアクセスで、最新のエントリを読んでいただいているが、その他にウェブ検索や他のブログ等からのリンクによって過去のエントリにいただくアクセスがある。それを仮に「個別エントリへのアクセス」と称するが、アクセス解析(最近は月々の解析結果は非公開にしている)を行って集計してみると、800件強の全エントリのおよそ4分の1にあたる211件のエントリについて、個別エントリへのアクセス累計(2007年4月集計開始)が1000件を超えていた。

今日のエントリを書こうとして調べた検索語「金持ち増税」によるGoogle検索では、当ブログの昨年12月17日付エントリ「自民党までもが「金持ち増税」の必要性を認めたが...」が上位で引っかかった。ちなみに、筆頭で引っかかったのは、『世界の片隅でニュースを読む』の昨年2月15日付エントリ「「金持ち増税」論は少数意見ではない?山口二郎・宮本太郎共同論文を読む」である。

私などは、不況期には金持ちにお金を出してもらって景気を刺激するのは当たり前だと思うのだが、マスコミはなぜか異様なまでに逆進性の強い消費税増税にこだわる。今ほど景気が悪くなかった1997年の消費税増税でさえ日本経済の足を思いっきり引っ張ったのだから、2011年の消費税増税など気違い沙汰の一語に尽きるのだが、なぜマスコミがそんなことを主張するかというと、単に彼らが金持ちだからである。

しかし、先週金曜日(1月30日)に自民党幹事長の細田博之が、

雇用されているみなさんが消費をいたずらに削減(節約)するのは、むしろ罪なことだ。そういうことは避けなければいけない

と言った(URL)ことは、批判しないわけにはいかない。この細田というのは、世論の袋叩きを浴びた中山成彬の日教組批判を、テレビで延々と擁護し続けたり、選挙に異様に強い渡辺喜美の離党を牽制しようとして「離党したら刺客を送る」と脅したつもりになったり(自民党は実際に刺客を送るらしいが、細田の期待に反して何の牽制にもならず、渡辺は離党した)などと、落日の自民党政治家がなに偉そうにしてるんだ、としか思えない夜郎自大の男だが、今回の消費者批判の発言もいかにも細田らしいと思う。

細田は、

実際にはお金をたくさん持っている人がいるが、『これから不況になる』ということで、使わなくなっている

と言った。これは実際その通りだが、なぜ中間層以上の「実際にはお金をたくさん持っている人」が金を使わなくなってしまったかというと、それはただでさえ社会保障の貧弱だった日本で、コイズミが「痛みを伴うカイカク」と称して社会保障をどんどん削っていったからだ。こんな社会では、多少お金に余裕があっても安心できないから、金持ちが金を貯め込んでしまうのである。コイズミ内閣の官房長官も務めた細田には、「節約」を批判する資格などなく、「お前が言うな」のタグをつける必要がある。

今は、金持ちに金を出させて、庶民に金が回るようにしなければならない時期だ。政府紙幣の発行も悪い案ではないのだろうが、1月26日付エントリでご紹介したように、かつて同様の提案を行った榊原英資は、「相当にバブリーな政策なので、金の使い方が問題だ」と言っていた(榊原氏自身は「農業支援を行え」と主張していた)。新自由主義側がこれをやると、またぞろバブルの発生に使われてしまう。「サービスの大きな政府」が強力な再分配を行うことこそが必要だ。

コイズミ政権時代の後半、私はあるイギリス人と定期的に話す機会があって、彼はイギリスの社会と日本の社会を比較してイギリスの社会保障を紹介し、日本はアメリカと同じで低福祉の国で、コイズミはその方向をさらに促進しようとしていると言っていた。当然ながら、彼はサッチャーを嫌い、アメリカを馬鹿にするイギリスのリベラルだが、サッチャーによるカイカク以前には、イギリスは「小さな福祉国家」を目指す国だった。同じ新自由主義といってもアメリカとイギリスは違い、もともと小さな政府だったアメリカは、酷薄な格差社会となってしまったが、イギリスはサッチャーがかなり過激に破壊した今でも、実質的には福祉国家と言ってよいのではないかと思う。日本はアメリカ同様、もともと小さな政府だったところに、コイズミや安倍晋三がサッチャリズムを真似てでたらめな「カイカク」を行ったものだから、ワーキングプアの問題が起きた。いや、コイズミ以前の橋本龍太郎内閣発足前夜あたりから新自由主義政策は酷薄の度を増してきていた(さらに遡ると、もちろん中曽根康弘に行き着く)。1998年に日本の自殺者が年3万人を超え、今もいっこうに減らないが、これは橋本龍太郎やコイズミ、安倍晋三らが犯した殺人であるといっても過言ではない。

なすべきことは、社会保障の充実であることは論を待たないのだが、その財源に消費税を充てる発想こそ「さもしい」としか言いようがない。アメリカのオバマは大統領選挙戦で金持ち増税を公約し、イギリスは消費税率を引き下げたというのに、日本だけ「金持ち増税」をいうと脊髄反射で「金持ちが国外に逃げていくぞ」と脅しのコメントが返ってくるようではどうしようもない。自民党でさえ、金持ち増税の必要性を認めているこのご時勢に、「金持ち増税」の検索語によるネット検索で当ブログごときが上位で引っかかるようではどうしようもないのである。具体的には、分離課税だらけで実質的にはあのアメリカよりも累進性が弱くなっている所得税制を改めたり、法人税そのものは妥協して据え置くとしても、環境税を創設して環境に優しくない企業には応分の負担をしてもらうことなどが必要だ。現在のような緊急時にはそれだけでは足りないので、無利子国債発行などが検討されて良い。

最後っ屁をかましておくと、「金持ち増税をすると金持ちが国外に逃げていくぞ」と脅し文句を口にする(あるいは書き込む)のは決まって貧乏人である。金持ちはもっとずっと狡猾であり、貧乏人にそういうことを言わせて、自らはジャーゴンを駆使して新自由主義を正当化する屁理屈を捏造して「洗練された議論」と称するのである。しかし、現実の大不況が彼らの戯言が誤りだったことを立証した。これから、大きな時代の転換が始まる。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

朝日・日経・読売の大手新聞「勝ち組」三紙の共同運営サイト「あらたにす」が1周年を迎えたそうで、先週金曜日(30日)の紙面に3紙の論説責任者の鼎談が掲載されていた。

私が読んだのは朝日新聞だが、読売新聞と日本経済新聞にも掲載されたことだろう。「あらたにす」のサイトでも読めるが、つまらない記事であり、アクセス数アップに協力してやるのも癪なので、リンクは張らない。サイトでは昨年の論説責任者の鼎談も読めるが、千葉県知事選に立候補を表明している白石真澄が司会をしている。極端な新自由主義者であるこんな女に司会させること自体、「あらたにす」の性格を現している。「新's」とも表記するようだが、「新自由主義新聞社連合」という意味なのだろう。

もともと新聞の社説など読む人はほとんどいないが、Googleで検索してみると、「あらたにす」と入力すると「失敗」とか「毎日新聞」という複合語検索の候補が表示されて笑える。「あらたにす 毎日新聞」で検索してみると、下記のブログ記事が引っかかった。
http://d.hatena.ne.jp/n-asakaw/20080201/p1

「【メディア】「あらたにす」,毎日新聞が入っていないのは残念」と題されたこのブログ記事は、下記のように三大新自由主義紙の社説を寸評している。

日経:ハイエク
読売:体制
朝日:感想文

 日経は基本的に,政府の市場への関与を最小限にする,いわゆる「小泉-竹中」路線のような政策を支持する。読売は,自民党の政策にほぼ寄り添う論調。

 そして朝日は…新聞に掲載済みの事実をつぎはぎして提示し,最後に「慎重に議論すべき」ないし「許されてはならない」といった感想文で締める。つまり,読者にとって新しい情報がない。もちろん,ときとして人を唸らせる社説も登場する(特に科学関連)。だが傾向として,「論説委員は,現場の記者から何も話を聞かず,自社の新聞に載った記事を読んだだけで執筆したんじゃね?」と思わせる社説が多すぎる。読者は感想文なんて求めていない。

(『ITとエレクトロニクスの知的備忘録』 2008年2月1日付エントリ「【メディア】「あらたにす」,毎日新聞が入っていないのは残念」より)


新自由主義にして財界の代弁者・日経、自民党の機関紙・読売に対して、明確な主張を示さない朝日という取り合わせだ。このブログ主は毎日新聞の社説をほめているが、確かに同じ問題を取り上げたとき、毎日新聞が一番マシな社説を掲載することが多い。その毎日新聞が英字紙のエロ記事事件を起こした時、それに便乗して『サンデー毎日』に叩かれた恨みを晴らそうとした程度の低い「元政治家」が城内実である。

それはともかく、田中康夫は「新聞(全国紙)は毎日新聞と産経新聞だけあれば良い」と言ったそうだが、うなずけなくもない。いや、新自由主義の日経、自民党そのものの読売と極右の産経の三社を比較した時、産経の方向に引っ張られるのはそれこそファシズムへの道だからろくなことはないか。

朝日新聞の話題に戻ると、「感想文」と評されてから1年。その間、朝日新聞の論説主幹は若宮啓文から村松泰雄に代わった。若宮啓文時代に「右傾化した」と評された朝日新聞だが、論説主幹が代わってさらに右傾化の度を強めたようにも見える。論説主幹の交代に先立って、主筆に船橋洋一が就任しており、船橋が朝日新聞の論調をリードしているようなのだが、船橋は竹中平蔵との共編著のある人間である。

最近も、1月18日付社説で「かんぽの宿」のオリックス不動産への譲渡に横槍を入れた鳩山総務相を批判したり、1月24日付社説でソマリアへの海自護衛艦派遣をあっさり容認した。自民、民主両党に消費税増税を執拗に求め続けているのも異様だ。

消費税増税については、読売新聞がもっとも熱心で、これはナベツネの方針なのだろう。日経は、消費税そのものより法人税減税に熱心だ。『Munchener Brucke』が、日経の大林尚が、非民主的なやり方をとってでも法人税を引き下げよ、とコラムで書いたことを紹介し、話題を呼んだが(下記URL)、これが日経に限らず「勝ち組」三紙の論説委員たちの感覚である。
http://d.hatena.ne.jp/kechack/20090201/p1

ところで「あらたにす」に加わっていない全国紙が産経新聞と毎日新聞だが、産経は新自由主義に反対した方が評判をとって部数が伸びると思うのに、実際にやっていることは逆で、派遣村を誹謗するなどした。毎日新聞は、以前にはコイズミ・竹中の構造改革を支持する社説をずっと掲載していて、「記者の目」などの多様性とは対照的な社説の硬直性とネオリベ支持が目立っていたが、昨年からやや軌道修正した。積極財政も全国紙としては早い段階から支持したし、消費税増税も、支持のニュアンスを見せながらも、国民の7割が反対していることに考慮した社説を掲載した。この大不況で、潰れる新聞社が出るとしたらまず毎日新聞ではないかと思われるのだが、座して死を待つより思い切った社論の転換に活路を見出せとは当ブログがつねづね言っていることである。その観点からすると、まだまだ及第点はやれないとはいえ、毎日新聞は全国紙では一番マシとはいえるだろう。

それにしても、「あらたにす」三紙を読んで感じるのはやりきれない疎外感である。今ほど、大新聞社のエリート記者たちが読者を疎外している時代はなかったように感じる。「あらたにす」は死んだ。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

中谷巌も麻生太郎も新自由主義からの転向を表明した今日この頃だが、今後はコイズミや竹中平蔵をはじめとして、これまで新自由主義の旗を振って日本の社会や経済をぶっ壊した戦犯たちを、日本人自らの手で断罪し、裁くべきだと思う。

機を見るに敏というか、「空気の読める」人たちは、中谷巌が典型例だが、いち早く新自由主義批判側に身を転じ、生き残りを図っているが、彼らが犯した犯罪同然の行為は、徹底的に追及されなければならない。

特に見過ごせないのは、日本における新自由主義の開祖である中曽根康弘が、市場原理主義批判の論調をとっていることである。サッチャーとレーガンが新自由主義政策を推進していた1982年に総理大臣に就任した中曽根は、外交・安全保障政策では「ロン・ヤス関係」(ロナルド・レーガンと中曽根康弘)と称する対米隷従路線をとり、経済政策では民活(民間活力の活用)路線で民営化を推進し、小さな政府を目指した。中曽根路線を極端な形で推し進めたのがコイズミである。中曽根は、コイズミによって政界引退に追い込まれてからコイズミに批判的なスタンスをとるようになり、コイズミ政権末期頃から行き過ぎた日米関係一辺倒の外交を批判していたし、最近では市場原理主義批判もするようになった。

前のエントリを書くために中谷巌について調べていた時、『安原和雄の仏教経済塾』の記事「相次ぐ新自由主義者たちの変節」に行き当たった。著者の安原和雄氏は足利工業大学名誉教授で元毎日新聞論説委員。この記事は昨年11月12日に書かれており、その直前の昨年11月8日付朝日新聞に掲載された中曽根のインタビュー記事を引用しながら中曽根の変節を指摘、自らの責任に言及しない中曽根を批判している。

同じ記事には、昨年11月7日の経済同友会主催シンポジウム「新・日本流経営の創造」において中谷巌が「新自由主義への反省の弁」を述べたことが紹介されている。

安原さんの記事に、現在「モラルなき拝金主義」を批判している中曽根が、かつて「リンリ、リンリと鈴虫でもあるまい」と述べて、政治倫理を求める民の声に「リンリ」すなわち「倫理」を揶揄(やゆ)した、とある。これは1983年12月に行われた総選挙の際になされた発言で、その直前の同年10月に田中角栄元首相がロッキード事件裁判の一審で有罪判決を受けたこともあって、政治倫理が総選挙の争点になっており、中曽根内閣は「田中曽根内閣」として批判され、総選挙では敗北を喫した。「日刊ゲンダイ」などは「田中曽根 退陣へ」との見出しで報じて、私は期待したのだが、結局自民党は新自由クラブと連立を組んでこの危機を乗り切り、長期政権となった中曽根内閣は、政権後期にバブル経済を引き起こした。1986年の衆参同日選挙で自民党が圧勝するなど、自民党政権はそのピークに至ったが、中曽根の失政によって、その後の日本経済の混乱がもたらされた(よりにもよって中曽根の路線をさらに極端に推進したのが、やはり長期政権となったコイズミ内閣だった)といえると思う。中曽根はコイズミや竹中平蔵らと並んで、戦後日本政治最大の戦犯といっても過言ではあるまい。

現在政治家や経済学者などに求められていることは、新自由主義が誤りであったことを認め、過去に新自由主義政策を推進した人たちの責任を追及し、二度と同じ誤りを繰り返さないようにすることである。中曽根は、過去の自らの政治を棚に上げて新自由主義批判や対米隷従の外交・安全保障政策批判を行っているが、「お前が言うな」と言いたい。90歳になってもなお持ち前の「風見鶏」ぶりを発揮していることには呆れる。中曽根は、改憲の夢をまだ持ち続けており、盟友・渡邉恒雄(ナベツネ)の読売新聞を利用して、つい数年前には世論調査でも改憲賛成が反対を大きく上回るところまでこぎ着けていた。その後、安倍晋三がその短い首相時代にあまりに性急に改憲路線を突っ走ったことが警戒されて、改憲反対の世論が賛成を上回る再逆転が起きたが、党内に改憲派と護憲派を抱え、前者の方が多い民主党の動向次第では、改憲への動きが再燃する可能性もある。

この30年を現在の方向に引っ張ってきた原動力が、中曽根でありナベツネであった。一昨年の「大連立」の仕掛人も彼らで、森喜朗を入れた「老害三兄弟」と揶揄したが、中曽根やナベツネに対して、森喜朗では団子の大きさが小さすぎる。兄の2人の10分の1もないに違いない。しかし中曽根やナベツネは文句なしの戦犯である。彼らを徹底批判せずして日本の再生はない。いくら大勲位だろうが、テレビでありがたいご託宣を垂れる偉人になど祭り上げてはならない。


↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング