きまぐれな日々

アメリカ下院が金融安定化法案を否決したことによって、29日のNY市場平均株価は777ドル下げ、これが世界各国の株式市場に波及した。30日には485ドル反発したが、ドドーンと下げてはその何割か反発するというおなじみのパターンだ。

法案否決は、11月4日の下院選挙で苦戦している共和党の議員が、人気とりのために大量に造反したせいだとされている。共和党は法案説明にブッシュ批判を盛り込んだ民主党のせいにしているそうだが、なにか所信表明演説に民主党批判をてんこ盛りに盛り込んだ麻生太郎を思い起こさせる話だ。法案に反対したのは、主に共和党右派の議員たちだった。

ここはいうまでもなく、かつての日本を思い起こせば、公的資金の投入が正解なのだが、これは市場原理主義(すべて市場に任せて、政府は介入しない)という新自由主義の大義に反するため、手のつけられないネオコン・ネオリベの共和党議員が、「素朴な庶民感情」に阿って、一斉に反発したのだ。その軽挙妄動は全世界を揺るがせることになった。

これが、日本の総選挙の日程にも影響を与えている。時事通信などは、早々と解散総選挙の大幅な先送りの可能性を報じていたし、昨夕の毎日新聞は、細田博之、加藤紘一、津島雄二らの解散先送り論を伝えている。加藤紘一などは、「解散を1、2週間延ばすとか、補正予算を通すとかではなく、選挙をやらない、とはっきり示すべきだ」と言っている。

政権交代を望むブロガーや読者など多くの方々は、「そんなことをごちゃごちゃ言ってないで、一刻も早く解散総選挙をやれ」と言われると思うのだが、私は加藤紘一の主張の方が正論だと思う。しかし、私の見立ては解散総選挙先送りではなく、ずばり11月2日投票だ。

なぜかというと、投票日をそれ以降にするメリットが自民党にとって全くないからだ。当ブログは、ずっと以前から、解散総選挙の日程は、衆議院で再可決可能な3分の2以上の議席数を持っているメリットと、総理大臣の専権事項、いわば伝家の宝刀である「解散権」の威力が、任期満了に近づくにつれて失われるデメリットをはかりにかけて、デメリットがメリットとつり合うくらいに大きくなった時期に解散を行うと予想してきた。前にも書いたが、ちょうど1年前、昨年9月30日に、

私が福田康夫だったら、できるだけ引き延ばしながらも、解散権という伝家の宝刀の威力が落ちない頃合いを見はからって、自民党の都合の良い時期に解散しようとすると思う。その時期は、ずばり来年秋頃だろう。

と予想している(「お前は解散権を理解していない」とかわけのわからないイチャモンをつける輩がいるから、しつこく書いておく)。

あちこちで指摘されているように、アメリカの大統領選が11月4日にあり、選挙をそれ以降に先送りするメリットは、自民党にとっては何もない。だから、11月2日投票は、自民党にとって動かせないだろうと私は考えている。現時点では、この日を投票日に設定することが、自民党の獲得議席を、現在の持てる力としては最大にすることになる。もちろん、そこまで自民党有利の日程を組んだところで、自民党が勝てる保証は何一つないのだが、少なくとも負け方をミニマムに抑えることはできる。

私が注目していたのは、民主党びいきの朝日新聞がどう書くかということだった。朝日新聞は、未明の記事(1日午前3時2分)で、

10月26日で調整していた衆院総選挙の投開票日は、11月2日以降になる見通しだ。

と書いている(下記URLの記事)。
http://www.asahi.com/politics/update/1001/TKY200809300406.html

つまり、補正予算案の審議入りが決まる前は、3日解散、14日公示、26日投票にするつもりだったのが、補正予算案を衆参で審議したあとの解散、21日公示、11月2日投票に延びたと言っているのだ。

朝日の記事には、

ただ、金融危機の拡大で、自民党内には解散・総選挙の時期をさらに先送りすべきだという声も出ており、首相の判断にも影響を与えそうだ。

とも書かれているが、そんなことにはならない。しばらく前から、自民党は「小沢代表の代表質問によって解散の時期を判断する」と言っている。つまり、自民党は小沢一郎の代表質問の文言にイチャモンをつけて、解散にもっていくというわけだ。

自民党の議員は、アメリカ発金融危機のことも、日本の国民生活のことも、実は何も考えていない。景気対策にしても、麻生太郎の頭にあるのは、金持ちや大企業を優先した施策だ。森永卓郎は、

彼(麻生太郎)が口にするのは、研究開発投資減税、不動産取得減税、株式投資の減税など、要は大企業や金持ち側に対する減税ばかりである。

と書いている。

そんな麻生のことだから、何だかんだと理由をつけて、結局11月2日投票に持って行くに決まっている。そう私は予想している。


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