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きまぐれな日々

今日から3連休の方も多いと思うが、仕事が忙しくて休みどころではない方、お出かけを予定されている方、日ごろたまった疲れを取ろうと思っている方などさまざまだと思う。私の場合は、3日間のうち仕事もあるけれども、外出予定もあり、疲れをとる休養に充てる時間もあるから、この生きづらい新自由主義社会にあっては比較的恵まれたほうなのだろうなあと思う。疲れはずいぶんたまっているけれども。

ブログは3日間とも更新できると思うが、いつもとちょっと違う趣向の記事にしたいと考えている。初日の今日は、ここしばらくたまっていたものをぶちまけるエントリにしたい。

数日前から気になっているのが、7月14日のエントリ「「貧困大国ニッポン」 (『文藝春秋』8月号の湯浅誠論文) より」で、Black Joker氏とasdnof氏の間でかわされている論争だ。

もともとのきっかけは、7月12日のエントリ「『論座』休刊説と『ロスジェネ』創刊 ? 鈍感な「保守リベラル」」にいただいたasdnof氏のコメントだった。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-678.html#comment3671

よくわらからないのですが。

> 猛烈な勢いで貧困に直面する国民が増えている現在

どこにそんなデータがあるのですか?
高齢化社会なのでフローでは当然そうですが、キャッシュで貧困がみとめられるデータはないと思いますが。

> 新自由主義は基本的に産業、特に製造業にダメージを与えるものなので

どういう論理で?
最も規制から自由だった、つまりもっとも市場原理にさらされた製造業のみが世界で戦えているのですが?

経済学の常識中の常識とあまりにかけ離れているようなので伺わせてください。

2008.07.12 14:59 URL | asdnof



最初これを読んだ時およびこのコメント欄でのasdnof氏とのやりとりを通じて、氏は典型的な新自由主義者だと私は思った。

それで、7月14日のエントリで、私は、

新自由主義者は、今の日本社会で格差が拡大しているデータがあるのか、それを示せとか、加藤智大が起こした「秋葉原事件」を新自由主義(コイズミカイカク)と結びつけるのは良くない、などと言うのだが、そんなことを言う人たちは、自分がいかに恵まれた立場にいるかを自覚していないのだ。


と書いた。ここで私は2人の論者を念頭に置いていたが、そのうちの前者は、いうまでもなくasdnof氏である。

ところが、ここでのコメント欄におけるasdof氏とBlack Joker氏との論争中、asdnof氏は下記のようなコメントを書いた。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-680.html#comment3690

たびたびですいませんが。

先にネオリベとレッテル張りする方が多いのですが、リベラル・左翼、ロスジェネの立場で書いていることを前提としてください。

赤木氏の主張は、
1) 経営者層
2) 労働者層
という古典的な左派フレームワークに
3) 非正規雇用者層
というレイヤを追加することで、2),3)の格差を論じたものだと思います。肌で実感されるのは2),3)の格差の話だと思いますが、「2)は恵まれていないから問題ではない」「近寄るのが気持ち悪い」というのが、ロスジェネ以外の左派思想でしょうか?

2)の既得権益は堅持し、かつ平等を謳う事が、リベラル・左翼としては理解不能なのですが。

2008.07.14 23:24 URL | asdnof


と書いた。これを読んで、私は初めてasdnof氏が赤木智弘氏に影響を受けた主張をしているのだと気づいた。それくらい、そこに至るまでのasdnof氏の主張は、新自由主義者のそれとそっくりだったのである。

それまでにも私はしばしば、赤木智弘氏の言論に不用意に近づいて、安易に共感を表明することに対して、軽率さや危うさを感じていたが、その実例を自ら管理するブログのコメント欄で目にすることになるとは予想しておらず、これはちょっとしたショックだった。

赤木智弘氏の理想は福祉国家のはずだ。彼がどこかでそれをはっきり書いているのを見たことがある。

ところが、赤木氏の文章を字面だけしか読み取れないasdnof氏のような人は、新自由主義者を利するような主張に走って、よりマイルドな方法論で福祉国家を目指す行き方を攻撃する。それは、最終目標である福祉国家に至る道筋において、現時点でより過酷な境遇に晒されている人の方が、受ける痛みはずっと多いから、そんなやり方ではたまったものではない、どうせそんな社会では生き延びられないから、周りを巻き込んで一度戦争でもしてぶっ壊してしまえ、という主張だ。asdnof氏とは別人だが、この主旨の主張をコメントではっきり書いた人もいた。

その痛ましさに私などは暗い気持ちになるのだが、そんなところに、本当に「下」かどうか疑わしいブロガーが、「赤木智弘さんは面白い人ですよ」なんて言い出すから、その言論に対する無自覚さに私は唖然とするのだ。そんな人は、赤木氏の言論に煽動された人たちが、先の戦争の時と同じように、日本の社会を一度大クラッシュさせる方向性をあと押しすることに協力しているも同然だと思う。大クラッシュが起きた時、いかにおおぜいの人が犠牲になるか。具体的にどのような事象が生じるか。そこまでの想像力を働かさずして、安易に「赤木智弘さんは面白い人だ」などと口にすべきでない。

みんなで楽しく談笑しながら権力者の悪口を言っていれば日本の政治、日本の社会が良くなるのなら、こんなうまい話はない。しかし、現実はそんな生易しいものじゃない。権力はそんなにお人よしじゃない。水からの主張が批判を受けたら、「自分がやられたらいやだと思うことをやるな」などと、一対一の友人関係と公共の場で政治的言説を世に問うことを混同した泣き言を言う姿勢や、そのナイーブな心性を、私は批判してやまないのである。


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