私がブログを始めた直後の2年前に、当時内閣官房長官だった安倍晋三が、統一協会(統一教会)系の団体が開催した大会に祝電を送っていたことが報じられ、ネットで大騒ぎになった。
これは、2ちゃんねる掲示板で発掘されたのが一昨年6月3日、『薫のハムニダ日記』が『世界日報』韓国語版記事を訳したエントリを公開したのが6月5日だった。翌6日、『きっこの日記』が取り上げてネットで広く知られるようになり、一週間後の13日には『しんぶん赤旗』が報じ、翌週の19日には大手マスコミが一斉に小さく(笑)報じた。
この経緯は、一昨年6月23日の当ブログ記事「電通と暴力団とカルトが作ったものじゃない」でまとめたことがある(下記URL)。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-75.html
「2ちゃんねる」の書き込みから、大手マスコミの報道まで16日。異様なタイムラグの長さであり、これはこの件が「タブー」とまではいわないまでも大手マスコミがあまり取り上げたがらない自民党の政治家と統一協会の関係にかかわるものだったからだろう。フリージャーナリストの有田芳生がなぜか安倍晋三をかばうコメントをして回っていて、それがこの件を報じた『週刊朝日』、『サンデー毎日』、『アサヒ芸能』に揃って掲載されたりもした。その有田も、最近の『酔醒漫録』のエントリ「山拓V安倍の茶番劇はもういい」では、
ただ、「ポスト小泉」を決める自民党総裁選を控えた当時は、安倍晋三を批判する言論はなかなかマスコミに載らなかった。『週刊現代』や『週刊ポスト』でさえ、しばらく安倍批判記事がほとんど載らない時期があったほどだ。
だから、当時は「本当のことはマスコミではわからず、ブログを読まなければダメだ」と言う人が続出して、それで私などもいい気になっていたこともあるのだが、それでも当時の当ブログが主にやったことは、なかなかネットでは参照されない雑誌記事の紹介だった。一次情報源を持たないブログがやることは、世に氾濫している情報の重みづけを変えて、真に有用な情報だと考えるものを選び、それに管理人の視点による解釈を加えて再発信していくことだと当時から考えていた。前記『薫のハムニダ日記』による、日本にいてはなかなかわからない韓国のメディア情報の紹介は、ブログというメディアの特質を活かした、きわめて貴重な実践だと思う。私は、心あるジャーナリストたちへのリスペクトは忘れたことがないし、「マスゴミ」なる用語は過去に使用していないはずだ(ブログ内検索では見つからなかった。当エントリ公開後は当エントリのみが検索されると思う)。
何が言いたいかというと、「ネットでなければ本当のことはわからない」と言いながら、疑似科学や陰謀論を垂れ流しているブログがあまりに多く、ブログ言論に普遍性を持たせたいと思う私がよしとする方向からどんどん逸脱してしまっているということだ。現状では、むしろ「ネットだけを見ていたのでは本当のことはわからない」といえる。
私は以前からずっと、「情報源をネットだけに頼るブログはダメだ」と言い続けており、それについて某ブログと意見が対立していたのだが、例の「水からの伝言」騒動は、私にいわせれば、その対立構造がそのまま「共感派」(むしろ「共感強要派」と読んだ方が実態に即していると思う)とそれに対する反対派(決まった名前はないが、私は「私闘論理派」と呼んでいる)の対立構造に引き継がれている。共感はもちろん大事だが、そこにとどまってしまって、知ることや考えることをおろそかにしてしまってはならない。「いいじゃないか、にんげんだもの」という言い方をされると、背筋がぞわーっと気持ち悪くなってしまう。スローガンの連呼は、やっぱり思考停止だ。
このところ、ようやく疑似科学や陰謀論の落とし穴に気づくブロガーの方が増えてきたようだ。一方で、相も変わらず対米隷従反対、○○は××の陰謀だ、と騒いでいるだけのブログもある。そのようなブログを読んでいると、コイズミのポピュリズムを批判していたりする。しかし、私にはかかるブログもコイズミと同じポピュリズムにはまり込んでいるように見える。いや、コイズミは意図してやっていたが、陰謀論的思考からポピュリズムにはまってしまうブログにはその自覚さえないように見えるところがイタい。そもそも現在は、アメリカの方から日本に対米隷従の姿勢を改めろと促している段階にきていると私には思える。新自由主義は、いまやアメリカの圧力などではなく、日本国内の勢力によって自律的に運動が行われていると考えるべきだ。それなのに、ことさらにアメリカの圧力を持ち出す姿勢は、この国をナショナリズムの方向に引っ張っていこうというたくらみがあるからではないのか。そのせいかどうか、右派民族主義勢力と陰謀論者や疑似科学愛好者は、やたらと親和性が高い。
こういうたくらみに騙されないためには、何をしていけば良いのか。今後の当ブログの大きなテーマになりそうだ。
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これは、2ちゃんねる掲示板で発掘されたのが一昨年6月3日、『薫のハムニダ日記』が『世界日報』韓国語版記事を訳したエントリを公開したのが6月5日だった。翌6日、『きっこの日記』が取り上げてネットで広く知られるようになり、一週間後の13日には『しんぶん赤旗』が報じ、翌週の19日には大手マスコミが一斉に小さく(笑)報じた。
この経緯は、一昨年6月23日の当ブログ記事「電通と暴力団とカルトが作ったものじゃない」でまとめたことがある(下記URL)。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-75.html
「2ちゃんねる」の書き込みから、大手マスコミの報道まで16日。異様なタイムラグの長さであり、これはこの件が「タブー」とまではいわないまでも大手マスコミがあまり取り上げたがらない自民党の政治家と統一協会の関係にかかわるものだったからだろう。フリージャーナリストの有田芳生がなぜか安倍晋三をかばうコメントをして回っていて、それがこの件を報じた『週刊朝日』、『サンデー毎日』、『アサヒ芸能』に揃って掲載されたりもした。その有田も、最近の『酔醒漫録』のエントリ「山拓V安倍の茶番劇はもういい」では、
と書いており、いまや完全に安倍を見放している。威勢のいい台詞を語るだけで何らの成果もあげずにプッツン退場した無責任な安倍ちゃんには、もはや拉致問題など語って欲しくはない。
ただ、「ポスト小泉」を決める自民党総裁選を控えた当時は、安倍晋三を批判する言論はなかなかマスコミに載らなかった。『週刊現代』や『週刊ポスト』でさえ、しばらく安倍批判記事がほとんど載らない時期があったほどだ。
だから、当時は「本当のことはマスコミではわからず、ブログを読まなければダメだ」と言う人が続出して、それで私などもいい気になっていたこともあるのだが、それでも当時の当ブログが主にやったことは、なかなかネットでは参照されない雑誌記事の紹介だった。一次情報源を持たないブログがやることは、世に氾濫している情報の重みづけを変えて、真に有用な情報だと考えるものを選び、それに管理人の視点による解釈を加えて再発信していくことだと当時から考えていた。前記『薫のハムニダ日記』による、日本にいてはなかなかわからない韓国のメディア情報の紹介は、ブログというメディアの特質を活かした、きわめて貴重な実践だと思う。私は、心あるジャーナリストたちへのリスペクトは忘れたことがないし、「マスゴミ」なる用語は過去に使用していないはずだ(ブログ内検索では見つからなかった。当エントリ公開後は当エントリのみが検索されると思う)。
何が言いたいかというと、「ネットでなければ本当のことはわからない」と言いながら、疑似科学や陰謀論を垂れ流しているブログがあまりに多く、ブログ言論に普遍性を持たせたいと思う私がよしとする方向からどんどん逸脱してしまっているということだ。現状では、むしろ「ネットだけを見ていたのでは本当のことはわからない」といえる。
私は以前からずっと、「情報源をネットだけに頼るブログはダメだ」と言い続けており、それについて某ブログと意見が対立していたのだが、例の「水からの伝言」騒動は、私にいわせれば、その対立構造がそのまま「共感派」(むしろ「共感強要派」と読んだ方が実態に即していると思う)とそれに対する反対派(決まった名前はないが、私は「私闘論理派」と呼んでいる)の対立構造に引き継がれている。共感はもちろん大事だが、そこにとどまってしまって、知ることや考えることをおろそかにしてしまってはならない。「いいじゃないか、にんげんだもの」という言い方をされると、背筋がぞわーっと気持ち悪くなってしまう。スローガンの連呼は、やっぱり思考停止だ。
このところ、ようやく疑似科学や陰謀論の落とし穴に気づくブロガーの方が増えてきたようだ。一方で、相も変わらず対米隷従反対、○○は××の陰謀だ、と騒いでいるだけのブログもある。そのようなブログを読んでいると、コイズミのポピュリズムを批判していたりする。しかし、私にはかかるブログもコイズミと同じポピュリズムにはまり込んでいるように見える。いや、コイズミは意図してやっていたが、陰謀論的思考からポピュリズムにはまってしまうブログにはその自覚さえないように見えるところがイタい。そもそも現在は、アメリカの方から日本に対米隷従の姿勢を改めろと促している段階にきていると私には思える。新自由主義は、いまやアメリカの圧力などではなく、日本国内の勢力によって自律的に運動が行われていると考えるべきだ。それなのに、ことさらにアメリカの圧力を持ち出す姿勢は、この国をナショナリズムの方向に引っ張っていこうというたくらみがあるからではないのか。そのせいかどうか、右派民族主義勢力と陰謀論者や疑似科学愛好者は、やたらと親和性が高い。
こういうたくらみに騙されないためには、何をしていけば良いのか。今後の当ブログの大きなテーマになりそうだ。
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