下記URLの記事をそのまま転載していますが、できましたら転載元(下記URL)を直接ご参照ください。
http://hiroseto.exblog.jp/8238205
-------- (転載開始) --------
みんなで「生きにくさ」を考えよう!
8・31雨宮処凛さんが広島にやってくる!
(転載大歓迎)
みなさん。希望を持って暮らせていますか?安心して働いておられますか?
今の時代、そのどちらも難しいのではないでしょうか?
派遣やパート・アルバイトのみなさん、将来に大変不安を感じておられると思います。
正社員の皆さん、最近仕事はきつくないですか?
若い皆さん。自分たちは、お父さんお母さんや周囲の期待にこたえられず、悩んでいませんか?ご年配の皆さん。病気になったときに不安はありませんか?ご家族や自分の介護などの不安はありませんか?
どれにも当てはまらないという方は、少ないと思います。
でも、一人で悩んでいても、なかなか問題は解決しません。ひとりではどんな有能な人でもなかなかいい知恵が出てこなかったりします。一人では行動に移ろうとしても度胸がいるかもしれません。
でも、みんなで話し合い、考えたらいい知恵が出てくるかもしれません。助け合って行動に移せるかもしれません。東京などでは、給料を払ってもらえなくて困っている若者が、みんなで話し合い、みんなで社長さんに掛け合って給料を払ってもらった、という例もおおくあります。
作家の雨宮処凛さんは、とくに若者の生きづらさの問題に向き合ってこられました。雨宮さんをお呼びして、みんなで話し合いましょう。
とき 2008年8月31日(日) 16時開場・16時半スタート(20時終了)
(その後、交流会あります。ぜひご参加ください)。
ところ 広島市西区民文化センター(スタジオ 150人収容)
参加費:500円
形式:主催者と雨宮さんの対談の後、自由討論形式にします。
ご協力くださる方募集中!
さて、イベントを開催するには、いろいろな面で力が必要です。みなさまのご協力をお待ちしております。
呼びかけ人:伊達純 猪原薫 山田忠文 増田千代子 さとうしゅういち
連絡先 雨宮処凛さん講演会IN広島実行委員会
さとう hiroseto@f2.dion.ne.jp 09031714437 伊達 jundandy@yahoo.co.jp FAX0829−56−1799
賛同カンパ:団体2000円、個人1000円。
ご協力いただける方は、申込書をFAXかメールでお送りの上、以下の郵便貯金口座にお送りください。
郵便口座名 社会市民連合 記号 15530 番号 24218141
8月31日・雨宮処凛さん講演会IN広島に賛同します
お名前(団体名) (肩書き)
連絡先(電話またはメールアドレス、住所)
チラシなどへのお名前の公表の可否 可 否
-------- (転載終了) --------
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これは、2ちゃんねる掲示板で発掘されたのが一昨年6月3日、『薫のハムニダ日記』が『世界日報』韓国語版記事を訳したエントリを公開したのが6月5日だった。翌6日、『きっこの日記』が取り上げてネットで広く知られるようになり、一週間後の13日には『しんぶん赤旗』が報じ、翌週の19日には大手マスコミが一斉に小さく(笑)報じた。
この経緯は、一昨年6月23日の当ブログ記事「電通と暴力団とカルトが作ったものじゃない」でまとめたことがある(下記URL)。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-75.html
「2ちゃんねる」の書き込みから、大手マスコミの報道まで16日。異様なタイムラグの長さであり、これはこの件が「タブー」とまではいわないまでも大手マスコミがあまり取り上げたがらない自民党の政治家と統一協会の関係にかかわるものだったからだろう。フリージャーナリストの有田芳生がなぜか安倍晋三をかばうコメントをして回っていて、それがこの件を報じた『週刊朝日』、『サンデー毎日』、『アサヒ芸能』に揃って掲載されたりもした。その有田も、最近の『酔醒漫録』のエントリ「山拓V安倍の茶番劇はもういい」では、
と書いており、いまや完全に安倍を見放している。威勢のいい台詞を語るだけで何らの成果もあげずにプッツン退場した無責任な安倍ちゃんには、もはや拉致問題など語って欲しくはない。
ただ、「ポスト小泉」を決める自民党総裁選を控えた当時は、安倍晋三を批判する言論はなかなかマスコミに載らなかった。『週刊現代』や『週刊ポスト』でさえ、しばらく安倍批判記事がほとんど載らない時期があったほどだ。
だから、当時は「本当のことはマスコミではわからず、ブログを読まなければダメだ」と言う人が続出して、それで私などもいい気になっていたこともあるのだが、それでも当時の当ブログが主にやったことは、なかなかネットでは参照されない雑誌記事の紹介だった。一次情報源を持たないブログがやることは、世に氾濫している情報の重みづけを変えて、真に有用な情報だと考えるものを選び、それに管理人の視点による解釈を加えて再発信していくことだと当時から考えていた。前記『薫のハムニダ日記』による、日本にいてはなかなかわからない韓国のメディア情報の紹介は、ブログというメディアの特質を活かした、きわめて貴重な実践だと思う。私は、心あるジャーナリストたちへのリスペクトは忘れたことがないし、「マスゴミ」なる用語は過去に使用していないはずだ(ブログ内検索では見つからなかった。当エントリ公開後は当エントリのみが検索されると思う)。
何が言いたいかというと、「ネットでなければ本当のことはわからない」と言いながら、疑似科学や陰謀論を垂れ流しているブログがあまりに多く、ブログ言論に普遍性を持たせたいと思う私がよしとする方向からどんどん逸脱してしまっているということだ。現状では、むしろ「ネットだけを見ていたのでは本当のことはわからない」といえる。
私は以前からずっと、「情報源をネットだけに頼るブログはダメだ」と言い続けており、それについて某ブログと意見が対立していたのだが、例の「水からの伝言」騒動は、私にいわせれば、その対立構造がそのまま「共感派」(むしろ「共感強要派」と読んだ方が実態に即していると思う)とそれに対する反対派(決まった名前はないが、私は「私闘論理派」と呼んでいる)の対立構造に引き継がれている。共感はもちろん大事だが、そこにとどまってしまって、知ることや考えることをおろそかにしてしまってはならない。「いいじゃないか、にんげんだもの」という言い方をされると、背筋がぞわーっと気持ち悪くなってしまう。スローガンの連呼は、やっぱり思考停止だ。
このところ、ようやく疑似科学や陰謀論の落とし穴に気づくブロガーの方が増えてきたようだ。一方で、相も変わらず対米隷従反対、○○は××の陰謀だ、と騒いでいるだけのブログもある。そのようなブログを読んでいると、コイズミのポピュリズムを批判していたりする。しかし、私にはかかるブログもコイズミと同じポピュリズムにはまり込んでいるように見える。いや、コイズミは意図してやっていたが、陰謀論的思考からポピュリズムにはまってしまうブログにはその自覚さえないように見えるところがイタい。そもそも現在は、アメリカの方から日本に対米隷従の姿勢を改めろと促している段階にきていると私には思える。新自由主義は、いまやアメリカの圧力などではなく、日本国内の勢力によって自律的に運動が行われていると考えるべきだ。それなのに、ことさらにアメリカの圧力を持ち出す姿勢は、この国をナショナリズムの方向に引っ張っていこうというたくらみがあるからではないのか。そのせいかどうか、右派民族主義勢力と陰謀論者や疑似科学愛好者は、やたらと親和性が高い。
こういうたくらみに騙されないためには、何をしていけば良いのか。今後の当ブログの大きなテーマになりそうだ。
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http://ameblo.jp/dewisukarno/day-20080701.html
(注:現在は「きっこの日記」の記事は削除されています)
きっこさんは、「デヴィ夫人の考え方とは根本的に違う部分も多い」と断った上でこの記事を紹介している。私もまた、北朝鮮はいまなお犯罪的な性格の強い国家だと考えている人間だ。だが、それにもかかわらず、北朝鮮に対して湧き上がった国民の悪感情に乗じて人気を高めた安倍晋三を許すことができない。
いまでもおかしいと思うのは、拉致被害者を一時帰国のあと北朝鮮に帰すという約束を破ったことだ。これを主導したのは安倍であり、当時国民は安倍を支持し、安倍への批判が許されないおかしな雰囲気ができたのだが、国家間の約束は約束だ。約束が破られれば北朝鮮政府が怒るのは当たり前であり、対北交渉はもつれる。そして、それこそが安倍晋三の狙いだったのである。つまり、日本国民の北朝鮮に対する悪感情を、日本を「戦争のできる美しい国」にしようとする安倍の野望に利用しようとしたのだ。そのためには、日朝国交正常化交渉など進んでもらっては安倍にとっては困る。だから安倍はひたすら対北強硬論を唱え続けてきたのだ。
しかし、安倍の頼ったアメリカが方向転換してしまった。北朝鮮のテロ支援国家指定解除は、見直されなんかしない。アメリカは拉致問題なんか全く顧慮していない。極東のことは極東でなんとかしろ。但し、戦争は望まない。いまや極東は世界の工場だから、戦争なんかになったらアメリカが困る。それが、アメリカのスタンスだ。そして、それはアメリカの都合からきた政策とはいえ、世界平和にとっても、日本の国民生活にとっても、決して悪い方向ではない。
だから、自民党政府であっても対北朝鮮政策は必ず転換されなければならないし、彼らにも理性はあるからそうするはずだと私は考えている。もちろんそれは、民主党など野党が政権をとった場合も同じことだ。自民党から弾き出された平沼一派などは、自民党を見限って民主党とくっつき、自らのタカ派政策を行わせようなどとバカなことを考えているのだと思うが、そんなものが現実になる可能性はほとんどない。
とにかく、北朝鮮問題で政府を「右」から責める右翼に同調すべきではないと思う。今の自公政府で問題なのは、それよりも経済政策だ。日曜日(6月29日)のNHK「日曜討論」でも、額賀福志郎財務大臣が消費税増税と所得税・法人税の減税を主張していた。額賀というと、小泉内閣の防衛庁長官だった一昨年、ミサイルに対する敵基地攻撃論を唱えた右派だ。津島派の人間で、この派閥はもともとそれほどタカ派指向ではなかったのだが、額賀は顔にはっきり表れているように軽薄な人間で、新保守主義と新自由主義の機運の高まりに乗って、次々と馬鹿げたことを言うのである。昨年の総裁選レースから早々と下りざるを得なくなったドタバタ劇は見苦しいの一語で、こんな人物が津島派の有力者だというのだから、自民党の人材払底は深刻だ。
しかし、とにもかくにも額賀は福田内閣の財務大臣なのだ。その政策は冷酷非情、コイズミ−安倍の流れをしっかりと引き継いだ「国民皆殺し政策」というしかない。こう書くと、「勝ち組」のつもりでいる人たちは、俺たちは痛くも痒くもない、かえって好ましいと思うのかもしれないが、「負け組」が食い尽くされ、斃れてしまったあとは、搾取の対象を失った「勝ち組」の食い合いになり、その大部分が「負け組」に転落し、日本は焦土と化すのだ。いまや、新自由主義政策を一刻も早く止めなければならない段階だ。
「日曜討論」では、額賀の主張に対し、東京大学の神野直彦教授が、社会保障の財源を消費税に限るような議論はおかしい、税制を抜本的に見直すべきだと主張していた。明言はしなかったが、所得税の累進制再強化や法人税増税を念頭においておられるとテレビを見ていた私は解釈した。
私が注目しているのは、そのような政策を民主党が打ち出せるかということだ。いまのところ民主党は「無駄を省く」ことしか言っていない。確かに、長年の一党独裁政治による政官業の癒着構造はひどくて、相当のムダはあるだろう。しかし、削られに削られつつある社会保障を充実させるには、財源が必要だ。そして、私はずっと先の段階では消費税増税も必要だろうと思うが、格差が拡大し、貧困に直面している国民がものすごい勢いで増えている今は、消費税増税なんかやってはダメで、税制の一部を新自由主義改革前に戻すことは絶対にやられなければならないと考えている。民主党は、その議論から逃げている。現状では、自民党政府みたいにおおっぴらに「国民皆殺し政策」をぬけぬけと主張しないだけマシな程度に過ぎない。
ところで、「日曜討論」で神野教授は「環境税」の創設について言及していた。この「環境税」というのは、温室効果ガス排出削減を狙いとして、一部ヨーロッパの国で導入されている税だが、日本では産業界が強く反対している。北海道洞爺湖で開催されるサミットを前に、環境問題に注目が集まっているので、軽く触れておきたい。
朝日新聞の「論壇時評」(6月26日)は温暖化論議について取り上げているが、これは主張の分かれるテーマだ。
「論壇時評」では、温暖化対策を温室効果ガスの削減だけに絞って、他の気候影響因子を扱わない現行の仕組みでは、効果が不十分だとする論文(伊藤公紀=『論座』7月号)、30年後に気温が0.9度上がっても環境危機にはならないとする論文(武田邦彦=『中央公論』7月号)、二酸化炭素の増加は温暖化の原因ではなく結果で、根本要因は「『宇宙線の照射量が支配する雲量』によって、ほぼ解決」済み、むしろ今後は地球寒冷化が予想されるとする書籍(丸山茂徳=講談社刊『「地球温暖化」論に騙されるな!』)などが紹介されているが、「論壇時評」の執筆者・松原隆一郎氏は、それに続いて下記のように書いている。
とはいえこうしたIPCC(注:気候変動に関する政府間パネル)への批判もまた、一個の仮説である。では何故、特定の危機解決策に膨大な資源が投じられるのか。「予防原則」がその理由であろう。因果関係が確証されなくとも結果が取り返しのつかないものと予測されるならば、事前に手を打つべしとする考え方である。
(朝日新聞 2008年6月26日付 「論壇時評」より)
松原氏は、「仮説が決定的に反証された際は、いかなる政治的・経済的なしがらみがあろうとも速やかに解体すべきである」と主張しており、これには私も賛成だ。だが、現状は温室効果ガスによる温暖化説がもっとも有力な仮説とされている段階で、「地球温暖化論は誤りだと証明された」とは到底いえないと思う。陰謀論は耳に心地よく、そちらに流れがちな心理は理解できるが、それは決して科学的な態度とはいえないだろう。「論壇時評」における松原隆一郎氏のような態度が、まっとうな考え方だと思う。環境税の導入についても、今後大いに議論されるべきだろう。
当ブログは、ネット言論が右派、左派を問わず現実離れしており、最近その傾向がますます激しくなってきていることを憂慮している。右翼の「維新政党・新風」は国民からほとんど支持されていないが、「9条ネット」だって国民にほとんど支持されていない点では「新風」と何ら変わらない。
そして、最近「アルバイシンの丘」の記事「そりゃあないぜ天木さん」(下記URL)が指摘するように、天木直人氏までもが、ブッシュ大統領の弾劾決議案を誤訳してまで「9・11陰謀論」に加担しようとしている。
http://papillon99.exblog.jp/8406106/
私は以前には天木直人を買っていたのだが、昨年6月に悪名高い「独立党」のリチャード・コシミズの後援会にゲストとして招かれ、意気投合したことを昨年秋頃に知って、天木氏に疑問を持つようになった。ちなみに、「独立党」は現在内紛を起こしているらしく、「独立党のブログ」は近日中に閉鎖予定とのことだ(笑)。独立党によると、北朝鮮はユダヤと手を結んでいるらしいから、当然彼らも日朝国交正常化交渉など反対なのだろう。
とにかく、ブログ言論界にはありとあらゆる魑魅魍魎が跳梁跋扈している。そのことを顧慮せず、ただ「みんな仲良くしましょう」というだけの物言いとか、批判を勝手に「いじめ」に置き換えて、批判者に対して罵倒の限りを尽くすような、ネットでしか通用しない言説にはいい加減うんざりしてきた。
ちょっとブログの運営についても悩むことが多くなってきた今日この頃なのである。
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アメリカによる北朝鮮のテロ支援国家指定解除なんて、前々から予想されていたし、何も突然決まったわけでもないのに、産経新聞や読売新聞ばかりか、経済紙の日経新聞や左派的とされる朝日新聞に至るまでアメリカ批判の大合唱になったことには、あきれ返ってしまった。
一方、再三指摘するように、自民党の政治家たちは、安倍晋三のような一部の例外的極右を除いてすでに対北朝鮮の政策を転換している。先日、安倍晋三と山崎拓が見苦しい言い争いをしていたが、理は明らかに山崎拓の側にある。そして、そんなことはマスコミ各社は十分承知のはずだ。近い将来、彼らも社論を大きく転換させることになるだろう。それがミエミエなのに、各社はアメリカを批判し、テロ国家指定解除までの45日間にアメリカがこれを撤回することを期待する、などと書く。6月29日に放送されたテレビ朝日「サンデープロジェクト」で司会の田原総一朗は、「そんなのあり得ない」と一笑に付した。
6月28日付エントリで、私は『世界』7月号に掲載された田原の文章を紹介したが、その冒頭に、昨年秋に北朝鮮を訪問した田原が朝日新聞に書いた文章が引用されている。
"北朝鮮をめぐる世界情勢が大きく変わりつつある中で、日本との関係だけが凍りついて、置き去りにされているという感じが強い"
(『世界』 2008年7月号掲載 田原総一朗「水面下の交渉は始まっている」より)
私は何も、拉致問題をなおざりにせよと言っているのではない。拉致問題は北朝鮮の国家による犯罪だ。だが、北朝鮮はすでに2002年の日朝首謀会談の席上で小泉首相(当時)に拉致問題について謝罪している。もちろん未解決の部分は多いが、北朝鮮が拉致を認めるや、日本で「反北朝鮮」の世論が高まり、安倍晋三がそれに乗じて対北強硬路線を唱え、それが国民の支持を得た。そして、安倍政権が成立した2006年には、北朝鮮のミサイル発射と核実験、それに安倍政権が発動した制裁措置によって、日朝間の緊張関係が一気に高まった。しかし、安倍内閣の強硬外交は何の成果もあげることができず、完全に行き詰まったのである。福田内閣は、いまやはっきりと対北政策の方向転換をしようとしている。それを、「対米隷属のあらわれだ」と評するむきもあるが、田原の言うように、世界情勢全体が大きく変わっているのである。アメリカは国内の金融バブル崩壊と、手を引くわけには行かない中東を抱えている。共和党政権はもちろん、オバマも明確にイスラエルに傾斜した発言をしており、中東への介入は今後も続くが、アメリカにはもはや極東に過大なコストをかける余力はない。だから、安倍のように日米同盟を利用して軍拡をたくらむような政治家は、アメリカにとってもいい迷惑なのである。
それに、日本はなんといっても過去の植民地支配を清算しなければならない。拉致問題だけ声高に叫んで、従軍慰安婦が存在したことも認めない、そんな身勝手な行き方は、国際社会では通用しない。昨年、従軍慰安婦の件で安倍がブッシュに謝罪させられたことを思い出す必要がある。
不思議なことに、安倍政権の頃は私が書いているような意見は、リベラル・左派のブログではごく当たり前だったのだが、外交的にはハト派色を見せる福田政権に代わって、なぜかブログ言論においては左派と極右が手を結ぼうとする動きが強まり、安倍や平沼赳夫のような極右に対する批判が弱まっている。これは、私には全く理解できないことだ。
ためしに、『世界』7月号に掲載された共同提言「対北政策の転換を」を読んでみると良い。提言者は、石坂浩一、川崎哲、姜尚中、木宮正史、小森陽一、清水澄子、田中宏、高崎宗司、水野直樹、山口二郎、山室英男、和田春樹の12氏である。
この提言は5章、14ページにわたるものだが、最後の「まとめ」から一部引用する。
日朝国交正常化は日本と北朝鮮の関係を正常化するものである。その意味では日本がアジア諸国との間で二国間の過去の関係を清算することを長くつづけてきた努力の最後をなすものである。しかし、いまや日朝国交正常化は核ミサイル問題の解決を課題にふくむことによって、東北アジア六ヵ国の共通の関心事になっている。アメリカ、韓国、中国、ロシアがその成功をのぞんでいる。
(中略)
いまではすべての国が六者協議の前進を願い、日本が拉致問題ばかりに目を奪われた外交から脱して、日朝交渉を軌道に戻すことを願っている。米韓中露の指導者は日本国の代表者に拉致問題解決への協力を求められるたびに、表面的には共感する姿勢を示しながら、それは日本が自分で交渉して解決するしかないと嘆息しているだろう。
いまは、むしろ日米間の乖離を露出して解決を妨げないようにするためにも、米朝交渉の後追いをする受動的な外交姿勢を改める必要がある。日朝国交正常化に積極的になることが、歴史認識をめぐってなお問題を抱えている日韓両国民の未来に向けた協力をも可能にするのである。
日本は日朝国交正常化交渉を真剣に進めることを通じて、核・ミサイル問題の解決に貢献し、六者協議の中でイニシアティヴを発揮することができる。そうなれば、遠からず、広島で六者協議の会合を開くことも可能になるだろう。北朝鮮の代表に広島の原爆資料館を見てもらうことは意義深いことである。
六者協議の二〇〇五年九月一七日共同声明は、北朝鮮の核問題の解決の先には、東北アジア六ヵ国の安全保障協力のしくみを考えることを明記している。朝鮮半島の平和と協力は東北アジアの平和と協力の軸であり、カナメである。日朝国交正常化は、まさに日本がこの地域の未来の構築に積極的に、主体的に、戦略的に関与していく大きなステップを踏み出すことなのである。(後略)
(『世界』 2008年7月号掲載 「<共同提言> 対北政策の転換を」より)
以上は、決して「進歩的文化人」の理想論などではない。同じ『世界』7月号に掲載された、自民党衆議院国家基本政策委員会委員長である衛藤征士郎へのインタビューで、衛藤は、自民党の「朝鮮半島問題小委員会」設立の目的および意思は、ずばり日朝国交正常化にあると明言している。さらに、
と語っている。そして、衛藤は、戦前の日本が行った侵略行為に十分な注意を払いつつ交渉を進めると明言しているのだ。戦前の砲艦外交ならいざ知らず、二一世紀の今日にあって、外交とか外交交渉というものはすべて「対話」です。だから、圧力や制裁を、わざわざ目の前に品揃えをして見せる必要はない。拉致問題にしろ、核の問題にしろ、あるいはミサイルの問題にしろ、いかにわれわれが成果を手中におさめることができるか、それが外交なのです。
衛藤は福田康夫首相と親しい。衛藤の発言は、福田首相の意向に沿ったものだろう。今後、日本の対北朝鮮政策は、劇的に転換されるはずだ。拉致問題でも大きな進展があるかもしれない。
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