昨日(4月28日)のテレビ朝日「TVタックル」で、チベット騒動や北京五輪などについての議論がされていた。
自民党議員や民主党タカ派の長島昭久、それに評論家の金美齢らが中国批判一辺倒の論陣を張ることは十分予想できたが、驚いたのは大谷昭宏が彼らと一緒になって中国批判の大合唱に加わっていたことだ。
これに対し、張景子という名の元「北京放送キャスター」だという中国人女性が中国批判の矢面に立って、中国共産党を弁護する論陣を張っていた。私は普段は「TVタックル」などの平日の政治バラエティ番組はあまり見ないので知らなかったのだが、この種の番組によく出てくるらしい。本人はどういうつもりかわからないが、テレビ局は明らかに張氏を視聴者が怒りをぶつけるターゲットに設定している。昨日の「TVタックル」はそれがよくわかる露骨な番組作りだった。
中国政府の人権抑圧は、その張景子でさえ認めている。だが、私が面白いと思ったのは張景子と金美齢の言い争いにおいて、満州民族(女真族)出身の張が、中国共産党政府は旧満州地方の教育で女真語(という表記が妥当かは知らないが)を認めている、と言うのに対し、台湾の本省人(第2次大戦終戦時以前から台湾に住んでいた人)である金美齢が、外省人(終戦後に中国本土から渡ってきた人)である蒋介石が教育の場で台湾語を禁じ、中国語(北京語)を強制したことを非難しながら、そのアナロジーでチベット人を抑圧する中国政府を批判していたことだ。
もちろん、中国政府の女真族、台湾人、チベット人に対する抑圧の程度はそれぞれ異なり、女真族より台湾人、台湾人よりチベット人に対して苛烈であることはいうまでもない。だから、張景子の主張によってチベット騒乱に対する中国政府の行動を正当化することはできない。それはそうだ。だが、見ていてどうしてもフラストレーションがたまっていった。そして、私の気持ちを代弁してくれたのが森永卓郎だった。
森永は、「民主党から自民党まで右翼席(彼らや大谷昭宏の席は視聴者から見て右側にあった)が騒いでいるが、なぜアメリカがイラクでやったことや市場原理主義を世界に押し付けたことなどには何も言わずに中国ばかり批判するのか」と言い、自民・民主の議員や大谷昭宏らからブーイングを浴びた。だが、私も26日のエントリでも書いたように、中国で五輪をやるなと言うのなら、イラクやアフガンその他で悪逆非道の行ないをしてきた世界最大のテロ国家・アメリカで五輪を行うことを真っ先に否定しなければならないはずだと思う。アメリカを批判できない人間が中国にだけイチャモンをつけるなんてちゃんちゃらおかしい。当ブログはこのようにアメリカを批判しているからこそ、3月18日付エントリに書いたような中国批判を行う資格があると考えている。
先に書いた金美齢の発言で思い出したのだが、70年代には日本の右翼は蒋介石を熱烈に支持していたし、金大中事件を起こした韓国の朴正熙も支持していた。その蒋介石は、金も言っていたように、教育の場で台湾語の使用を禁じる人権抑圧の独裁政治を敷いたのである。朴正熙は、日本にいた金大中を、KCIAに拉致させ、田中角栄と密約を交わしてこの件を政治決着させた。右翼は、今に至るもこれらの人権抑圧を行った蒋介石や朴正熙を支持したことについて、何の総括も行っていない。そして、アメリカが起こしたイラク戦争も不問に付している。そんな右翼がチベット問題の人権問題で中国政府を批判するなど笑止千万。へそが茶を沸かすよ。
「TVタックル」のあとのニュース番組を見ていると、古賀誠が「山口2区の選挙結果は民意の反映ではない」という意味不明のたわごとを発したかと思うと、その補選で敗れたノーパンしゃぶしゃぶの顧客にして耐震偽装問題の真の責任者である山本繁太郎が、「補選で後期高齢者医療問題が争点になるとは思わなかった」と言っていた。これにはさすがの私も仰天した。
これを見て確信した。もはや、自民党に政権担当能力はない。このまま自公政権を継続させることは国民の利益を損ねる。一刻も早い政権交代が必要だ。
#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党関係の記事も、どうかご覧下さい。
↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。

自民党議員や民主党タカ派の長島昭久、それに評論家の金美齢らが中国批判一辺倒の論陣を張ることは十分予想できたが、驚いたのは大谷昭宏が彼らと一緒になって中国批判の大合唱に加わっていたことだ。
これに対し、張景子という名の元「北京放送キャスター」だという中国人女性が中国批判の矢面に立って、中国共産党を弁護する論陣を張っていた。私は普段は「TVタックル」などの平日の政治バラエティ番組はあまり見ないので知らなかったのだが、この種の番組によく出てくるらしい。本人はどういうつもりかわからないが、テレビ局は明らかに張氏を視聴者が怒りをぶつけるターゲットに設定している。昨日の「TVタックル」はそれがよくわかる露骨な番組作りだった。
中国政府の人権抑圧は、その張景子でさえ認めている。だが、私が面白いと思ったのは張景子と金美齢の言い争いにおいて、満州民族(女真族)出身の張が、中国共産党政府は旧満州地方の教育で女真語(という表記が妥当かは知らないが)を認めている、と言うのに対し、台湾の本省人(第2次大戦終戦時以前から台湾に住んでいた人)である金美齢が、外省人(終戦後に中国本土から渡ってきた人)である蒋介石が教育の場で台湾語を禁じ、中国語(北京語)を強制したことを非難しながら、そのアナロジーでチベット人を抑圧する中国政府を批判していたことだ。
もちろん、中国政府の女真族、台湾人、チベット人に対する抑圧の程度はそれぞれ異なり、女真族より台湾人、台湾人よりチベット人に対して苛烈であることはいうまでもない。だから、張景子の主張によってチベット騒乱に対する中国政府の行動を正当化することはできない。それはそうだ。だが、見ていてどうしてもフラストレーションがたまっていった。そして、私の気持ちを代弁してくれたのが森永卓郎だった。
森永は、「民主党から自民党まで右翼席(彼らや大谷昭宏の席は視聴者から見て右側にあった)が騒いでいるが、なぜアメリカがイラクでやったことや市場原理主義を世界に押し付けたことなどには何も言わずに中国ばかり批判するのか」と言い、自民・民主の議員や大谷昭宏らからブーイングを浴びた。だが、私も26日のエントリでも書いたように、中国で五輪をやるなと言うのなら、イラクやアフガンその他で悪逆非道の行ないをしてきた世界最大のテロ国家・アメリカで五輪を行うことを真っ先に否定しなければならないはずだと思う。アメリカを批判できない人間が中国にだけイチャモンをつけるなんてちゃんちゃらおかしい。当ブログはこのようにアメリカを批判しているからこそ、3月18日付エントリに書いたような中国批判を行う資格があると考えている。
先に書いた金美齢の発言で思い出したのだが、70年代には日本の右翼は蒋介石を熱烈に支持していたし、金大中事件を起こした韓国の朴正熙も支持していた。その蒋介石は、金も言っていたように、教育の場で台湾語の使用を禁じる人権抑圧の独裁政治を敷いたのである。朴正熙は、日本にいた金大中を、KCIAに拉致させ、田中角栄と密約を交わしてこの件を政治決着させた。右翼は、今に至るもこれらの人権抑圧を行った蒋介石や朴正熙を支持したことについて、何の総括も行っていない。そして、アメリカが起こしたイラク戦争も不問に付している。そんな右翼がチベット問題の人権問題で中国政府を批判するなど笑止千万。へそが茶を沸かすよ。
「TVタックル」のあとのニュース番組を見ていると、古賀誠が「山口2区の選挙結果は民意の反映ではない」という意味不明のたわごとを発したかと思うと、その補選で敗れたノーパンしゃぶしゃぶの顧客にして耐震偽装問題の真の責任者である山本繁太郎が、「補選で後期高齢者医療問題が争点になるとは思わなかった」と言っていた。これにはさすがの私も仰天した。
これを見て確信した。もはや、自民党に政権担当能力はない。このまま自公政権を継続させることは国民の利益を損ねる。一刻も早い政権交代が必要だ。
#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党関係の記事も、どうかご覧下さい。
↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。

スポンサーサイト