コイズミの時限爆弾がまた一つ炸裂した。
「後期高齢者医療制度」は、世論の強い反発を受けている。テレビのニュース番組も連日トップで取り上げている。福田首相は、評判の悪いこの制度の通称を「長寿医療制度」に変更するよう舛添厚労相に指示し、その姑息さは世論やマスコミに総スカンを食った。
だが、この制度はコイズミ内閣末期の2006年6月16日に国会で強行採決されて成立したものだ。これは、コイズミ内閣時代最後の国会の閉会2日前のことである。奇しくも、この国会が閉会した2006年6月18日は、安倍晋三の総理大臣就任を阻止するための「AbEndキャンペーン」がスタートした日だ。コイズミの経済政策をそのまま引き継いだ上、憲法改定まで目指したトンでもない思想極右兼経済極右の安倍晋三の首相就任を阻止することはできなかったが、安倍は失政を重ねて就任わずか1年で政権の座を追われた。しかし、安倍退陣のあと首相に就任した福田康夫も、コイズミ「カイカク」の流れを止めることなど全然できやしない。今回の「後期高齢者医療制度」の件でも、コイズミが仕掛けた時限爆弾の炸裂に対し、何の手を打つこともできなかった。
ことここに至って、ようやくマスコミもコイズミをかばいきれなくなったのか、後期高齢者医療制度がコイズミ内閣時代の強行採決によってこの4月からの施行が決まったことを伝えるようになった。
3年前の郵政総選挙で、コイズミ率いる自民党にあそこまで圧勝させなければこんなことにはならなかったかもしれない。しかし、このところ後期高齢者医療制度への批判キャンペーンをずっと張っている「サンデー毎日」が先週号(4月20日号)の記事の副題にいみじくも "「ガソリン」に目を奪われるな!" と銘打ったように、昨年の参院選で「国民の生活が第一」と主張して圧勝した民主党もまた、社会保障の問題をおろそかにしてこなかったか。それを私は問いたい。
アメリカでは、大統領選の共和党候補が確定したマケイン氏が連邦ガソリン税を一時撤廃する案を発表した(下記は4月16日付朝日新聞記事)。
http://www.asahi.com/international/update/0416/TKY200804160044.html?ref=rss
一方、米民主党はこれを批判している。ガソリン減税はアメリカでは新自由主義色の強い共和党の政策だ。日本の民主党はガソリン減税にばかり熱心だが、鉄道やバスなどの公共交通の急速な衰退に対する危機感が薄すぎるのではないだろうか。「週刊東洋経済」の4月19日号は「鉄道革命 世界で大復権がはじまった!」という特集を組んでいるが、現在、ヨーロッパを中心に、モータリゼーションの本家本元・アメリカでさえ鉄道の見直しが進んでいる。ところが日本では、自民党も民主党もこの流れに逆行しているようにしか見えない。民主党は、自民党との違いを明確化することこそ政権奪取への道だと思うのだが、最近は再び新自由主義への接近が感じられるようになった。自民党と民主党が新自由主義の「カイカク」競争を再開したら、日本国民の絶望は深まるばかりだろう。
さすがに、後期高齢者医療制度の問題では、4野党は2月28日に廃止法案を衆院に提出しているし、自民党にさえ制度見直しの声があがって、平沢勝栄ら中堅議員が制度見直しの議連を今日(17日)にも発足させるというニュースが流れた。だが、自民党については、強行採決までしておきながら、いまさら何を、というのが正直な感想だ。民主党をはじめとする野党は、ガソリン税の問題なんかより、社会保障や年金の問題で自民党との違いを鮮明にすべきだろう。自民党は、コイズミ?安倍の新自由主義路線を総括して見直さない限り、これらの問題については国民への訴求力に関して野党に勝てないのだから。
テレビなどのマスコミは、医療制度では政府自民党の政策を批判しながら、一方では「福田首相がカイカクを後退させた」などといって、コイズミ復帰待望論を煽ったりしている。繰り返すが、後期高齢者医療制度を強行採決したのはコイズミ内閣時代の自民党だ。「サンデー毎日」が書くところの「史上最悪の国家犯罪」の主犯であるコイズミを持ち上げるなど言語道断。マスコミはどこまで面の皮が厚いのだろうかと呆れるばかりだ。
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「後期高齢者医療制度」は、世論の強い反発を受けている。テレビのニュース番組も連日トップで取り上げている。福田首相は、評判の悪いこの制度の通称を「長寿医療制度」に変更するよう舛添厚労相に指示し、その姑息さは世論やマスコミに総スカンを食った。
だが、この制度はコイズミ内閣末期の2006年6月16日に国会で強行採決されて成立したものだ。これは、コイズミ内閣時代最後の国会の閉会2日前のことである。奇しくも、この国会が閉会した2006年6月18日は、安倍晋三の総理大臣就任を阻止するための「AbEndキャンペーン」がスタートした日だ。コイズミの経済政策をそのまま引き継いだ上、憲法改定まで目指したトンでもない思想極右兼経済極右の安倍晋三の首相就任を阻止することはできなかったが、安倍は失政を重ねて就任わずか1年で政権の座を追われた。しかし、安倍退陣のあと首相に就任した福田康夫も、コイズミ「カイカク」の流れを止めることなど全然できやしない。今回の「後期高齢者医療制度」の件でも、コイズミが仕掛けた時限爆弾の炸裂に対し、何の手を打つこともできなかった。
ことここに至って、ようやくマスコミもコイズミをかばいきれなくなったのか、後期高齢者医療制度がコイズミ内閣時代の強行採決によってこの4月からの施行が決まったことを伝えるようになった。
3年前の郵政総選挙で、コイズミ率いる自民党にあそこまで圧勝させなければこんなことにはならなかったかもしれない。しかし、このところ後期高齢者医療制度への批判キャンペーンをずっと張っている「サンデー毎日」が先週号(4月20日号)の記事の副題にいみじくも "「ガソリン」に目を奪われるな!" と銘打ったように、昨年の参院選で「国民の生活が第一」と主張して圧勝した民主党もまた、社会保障の問題をおろそかにしてこなかったか。それを私は問いたい。
アメリカでは、大統領選の共和党候補が確定したマケイン氏が連邦ガソリン税を一時撤廃する案を発表した(下記は4月16日付朝日新聞記事)。
http://www.asahi.com/international/update/0416/TKY200804160044.html?ref=rss
一方、米民主党はこれを批判している。ガソリン減税はアメリカでは新自由主義色の強い共和党の政策だ。日本の民主党はガソリン減税にばかり熱心だが、鉄道やバスなどの公共交通の急速な衰退に対する危機感が薄すぎるのではないだろうか。「週刊東洋経済」の4月19日号は「鉄道革命 世界で大復権がはじまった!」という特集を組んでいるが、現在、ヨーロッパを中心に、モータリゼーションの本家本元・アメリカでさえ鉄道の見直しが進んでいる。ところが日本では、自民党も民主党もこの流れに逆行しているようにしか見えない。民主党は、自民党との違いを明確化することこそ政権奪取への道だと思うのだが、最近は再び新自由主義への接近が感じられるようになった。自民党と民主党が新自由主義の「カイカク」競争を再開したら、日本国民の絶望は深まるばかりだろう。
さすがに、後期高齢者医療制度の問題では、4野党は2月28日に廃止法案を衆院に提出しているし、自民党にさえ制度見直しの声があがって、平沢勝栄ら中堅議員が制度見直しの議連を今日(17日)にも発足させるというニュースが流れた。だが、自民党については、強行採決までしておきながら、いまさら何を、というのが正直な感想だ。民主党をはじめとする野党は、ガソリン税の問題なんかより、社会保障や年金の問題で自民党との違いを鮮明にすべきだろう。自民党は、コイズミ?安倍の新自由主義路線を総括して見直さない限り、これらの問題については国民への訴求力に関して野党に勝てないのだから。
テレビなどのマスコミは、医療制度では政府自民党の政策を批判しながら、一方では「福田首相がカイカクを後退させた」などといって、コイズミ復帰待望論を煽ったりしている。繰り返すが、後期高齢者医療制度を強行採決したのはコイズミ内閣時代の自民党だ。「サンデー毎日」が書くところの「史上最悪の国家犯罪」の主犯であるコイズミを持ち上げるなど言語道断。マスコミはどこまで面の皮が厚いのだろうかと呆れるばかりだ。
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