きまぐれな日々

昨日の新聞の一面トップは、「沖縄ノート」訴訟判決の記事だった。大阪地裁の判決は、太平洋戦争末期の沖縄戦における「集団自決」に旧日本軍が関与したことを認め、「沖縄ノート」の著者・大江健三郎氏と出版元の岩波書店に出版差し止めと損害賠償を求めた原告の元戦隊長と遺族の請求を棄却し、大江氏側の勝訴となった。

こういう判決が出た時の各紙の社説はパターンが決まっていて、予想通り、朝日毎日東京(中日)の各紙は判決に肯定的で、読売産経は否定的だった。読売は、「集団自決の背景に多かれ少なかれ軍の「関与」があったということ自体を否定する議論は、これまでもない。この裁判でも原告が争っている核心は「命令」の有無である」と書いているが、後者をことさらに取り上げて、"「軍命令」は認定されなかった" という見出しを社説につけている。一方、朝日は、「「命令があったと信じるには相当な理由があった」と結論づけた」、毎日は「判決は、大江さんが引用し、「軍命令があった」とする戦後間もなくの証言集などの資料的価値を認め、住民証言は補償を求めるための捏造(ねつぞう)だとする原告の主張を否定した」と書いていて、読売の社説の見出しを読んだ人が朝日や毎日の社説を読むと、頭が混乱するに違いない。私には、軍の関与があって命令はなかったとする読売の主張はわけがわからない。開幕シリーズに3連敗したプロ野球・巨人の試合に原辰徳監督は関与していたが采配はふるわなかったと言っているようなものだ。理解不能である。

そもそも、この訴訟は2005年に起こされたものだ。大江健三郎の「沖縄ノート」の出版は1970年、その内容に疑義を呈した曽野綾子の「ある神話の背景」の出版は1973年だ。それが、2005年になって訴訟が起こされたのは、十数年くらい前から、産経新聞や産経文化人、それに右翼政治家らが推進した旧日本軍賛美の風潮に乗ったものだというほかない。この訴訟の原告側弁護士には、あの稲田朋美、テロを肯定する女にして、映画を検閲しようとした言論の自由の敵である稲田朋美が名を連ねているが、そのことからだけでもこの訴訟の性格は明らかだろう。旧日本軍人やその遺族は、彼ら歴史修正主義者たちによって利用されたのだ。

ところで、「稲田朋美」を検索語にしてGoogle検索をかけると、当ブログは4番目に引っかかるのだが、検索結果の画面に表示される「関連検索」がスゴい。たとえば、「稲田朋美 オリックス」というのがあって、一昨年10月15日付の「ストレイ・ドッグ」の記事が筆頭で引っかかるのだが、この記事には、
稲田代議士が、何とオリックス100%子会社「オリックス債権回収」の違法とも思える借金取立の代理人を夫(も弁護士)と共に務めているという。
と書かれている。稲田は、政治思想的に極右であるばかりではなく、竹中平蔵の盟友・宮内義彦とつるんだ過激な新自由主義者であり、その実践までしていたらしいのだ。思想極右にして経済極右。そのスーパーウルトラ極右ぶりは、安倍晋三をもしのぐかもしれない。

かと思うと、「稲田朋美 徴農」という「関連検索」もあるが、そういえば、一昨年8月29日、「『立ち上がれ! 日本』ネットワーク」(事務局長・伊藤哲夫日本政策研究センター所長)主催のシンポジウム「新政権に何を期待するか?」で、稲田が「ニート問題を解決するために徴農制度を実施すべきだ」と主張したことが当時話題になったものだ。同じシンポジウムで、稲田は加藤紘一の実家への放火テロ事件を笑いながら紹介して、会場が爆笑に包まれたとされる。

Wikipediaの「徴農制度」の記述がふるっているので、以下に紹介する。

徴農制度(ちょうのうせいど)は、軍事における徴兵制度と同様に農作業への従事を国民の義務として定める制度。

概説

本来は第一次産業に従事する人員数の確保を目的としているが、毛沢東主席時代の中国における下放政策(上山下郷運動)やポル・ポト政権下のカンボジア(民主カンプチア)のようにしばしば人格形成のカリキュラムとして採用されるケースが存在する。こうした傾向は極左思想だけでなく極右思想においても共通しており、日本においては農本主義と右翼が強く結びつく傾向があるが、国際的には農本主義と共産主義の方が親和性は高い。このような思想的背景により、徴農制度(下放)は左翼・右翼双方の国家主義に支持される政策となる。

なお、毛沢東政権下の下放政策やポル・ポトの例においては、適不適を無視した一律的な労働が課せられ効率的でなかったことや、強制的な労働による勤労意欲の低下、農業に慣れるまでの時間などから経済的に大きな損失を出し、いずれも徴農実施時の農業生産は大きく低下し、多数の餓死者を出す悲惨な結果に終わっている。

また、人格形成の面から言っても農村での生活が道徳的に好ましいという科学的データは存在せず、住みなれた場所から離れて集団生活を送ることによって、PTSDに陥る危険もある。

日本における議論

近年の日本では、政治家や実業家(稲田朋美東国原英夫、また水野正人・ミズノ社長など)が「ニートを徴農制で叩き直す」と言ったプランを主張する事例も見られるようになっているが、こうした制度の義務化は日本国憲法第18条(刑罰以外の奴隷的拘束及び苦役からの自由)に反するものと言う解釈が通説になっており、刑法改正によりニートという行為を犯罪と定義して徴農を刑罰として科すか、憲法改正を伴わなければ日本において徴農制が実施される可能性は極めて低いと見られている。

(Wikipedia ? "徴農制度" より)

つまり、稲田朋美や東国原英夫のような極右は、毛沢東やポル・ポトのような極左ときわめて親和性が高いということだ。そういえば、輸入食料品の値上がりから食料自給率の低下が問題になっているが、この対策として毛沢東がやったような下放政策を実施せよと極左が主張しているのを最近見たことがある。こういう極左は、ある日突然稲田朋美を熱狂的に支持し始めるのではないだろうか。

常識ある人間なら、稲田や東国原らが主張する徴農(下放)政策など歯牙にもかけないのは当然だ。日本を毛沢東の中国やポル・ポトのカンボジアのような、権力者が国民を大量虐殺する国にされてはたまったものではないからだ。しかし、このような異常な政治家を、3年前の総選挙で福井一区の有権者は選んでしまった。

もうそろそろ次の総選挙を考慮する必要が出てきたが、この稲田朋美は絶対に落選させたい議員の筆頭格だ。もちろん安倍晋三なんかも落選させたいが、残念ながらその見込みは薄い。しかし、稲田は普通にやっても選挙区では当選する可能性はきわめて低い。それは良いのだが、稲田は、極右の人たちの間で人気が高いから、比例区で復活当選する恐れがある。だから、それを許さないくらい総選挙では自民党を惨敗させなければならないと思う今日この頃である。


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経営難に陥っている新銀行東京に東京都が400億円を追加出資する議案は28日、都議会本会議で賛成多数で可決されたが、自民党都議の2人が本会議を欠席した。
http://www.asahi.com/politics/update/0328/TKY200803280374.html

上記朝日新聞の記事にあるように、本会議を欠席した自民党都議のうち、樺山卓司(かばやま・たかし)氏は、自身のブログ「かばさんの活動日誌」で、新銀行東京に対して批判的な意見を述べ続けている。
"どうする新銀行東京 その1 「石原銀行の誕生」" (3月12日)
http://blog.livedoor.jp/togikai/archives/671590.html

"どうする新銀行東京 その2 「どの様にして銀行は出来たのか」" (3月14日)
http://blog.livedoor.jp/togikai/archives/675527.html

"どうする新銀行東京 その3 「今こそ都議の資質が問われている」" (3月15日)
http://blog.livedoor.jp/togikai/archives/676901.html

"どうする新銀行東京 その4 「いよいよその時は来た!」" (3月25日)
http://blog.livedoor.jp/togikai/archives/694097.html

一番新しい3月25日の記事で、樺山都議は「そして最終日の28日の本会議、いずれにしても自身の信念に基づいて、都民に誤解を招かぬ様な、間違いのない判断をしようと思う」と書いたが、結局本会議を欠席した。都議の本心と周囲の圧力が軋轢を生じた結果、反対票を投じるのでなく欠席を選択したのではないかと想像されるが、自民党の都議からも石原に対して懐疑的な意見を表明する人が出てきたところに注目すべきだろう。

それにしても、公明党の賛成票がなければ新銀行東京への追加出資は賛成45票、反対55票で否決されていたことになる。公明党の罪は極めて重い。

昨年の統一地方選では神奈川県知事選も行われたが、自民党から杉野正氏が立候補していたのに、石原は対立候補であるネオコン・ネオリベ仲間の現職・松沢成文を応援し、自民党神奈川県連の激しい怒りを買った。

昨年4月6日付記事でもお伝えしたが、河野太郎・自民党神奈川県連会長は、昨年3月23日付の自身のメルマガに、
知事選で戦っている相手の応援に入ってきた奴のところになんで応援に行かなければいけないのかと県選出の一回生がかみついた。だいたい、自民党の推薦もいらないと言ってる人じゃないの? 一体全体、どーしちゃったんだ」
と書き、石原慎太郎および石原を応援した自民党本部への不信感をあらわにした。

どうせ公明党の連中なんか池田大作の命令によって自由にものがいえなくなっているのだから、自民党の心ある人たちに勇気を出してもらって、石原を追いつめてもらうことを期待したほうがまだマシかもしれない。

もちろん、ジャーナリストの方々にも、今までのふがいない報道の汚名返上となる石原追及を期待したい。
読売新聞の社説(2月26日)に、もはや撤退するしかない、店じまいすべきだと引導を渡された「新銀行東京」に対する東京都による400億円の追加出資がほぼ決まった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080326-OYT1T00428.htm

読売新聞は、この記事でも、「新銀行の再建計画の実現性や責任の所在などが明らかにならないままの可決で、今後、都民の批判が強まる可能性がある」と手厳しい。

「FACTA Online」「阿部重夫編集長ブログ」 によると、最初にこの件を問題視して取り上げたのは、昨年1月20日発売の月刊「FACTA」2007年2月号の記事 "重篤「慎太郎銀行」の深い闇" だったという。
http://facta.co.jp/article/200702055.html

以下、「阿部重夫編集長ブログ」から引用する。

月刊誌FACTAは07年1月20日発売号で、どこよりも早く「重篤『慎太郎銀行』の深き闇」を報じて警鐘を鳴らした。そこでは06年12月に金融庁が最後通牒を突きつけていたスクープが書かれている。それを都や知事が知らなかったとは言わせない。少なくともこの記事は、同年4月の都知事選を控えたスキャンダルとして石原陣営を緊張させたのだ。彼は3選のためにひたすら「臭いものにフタ」で済ませた。

(中略)

現在の新聞などの報道の原点はここにある。都知事選前に報道を手加減し、新銀行東京の惨状を追及しなかった都庁クラブ詰め記者は恥を知るべきである。日ごろ大政翼賛型の記事しか書いていないから、責任回避に汲々とするだけの知事に恫喝されるや、呑まれて怯んでしまうのだ。それを悔いるなら、今からでも知事の首を取る覚悟で臨むべし。都議会で400億円追加増資に賛成するような都議は、次期都議選で落選させなければならない。

石原ファミリーの選挙区(石原伸晃の東京8区、石原宏高の東京3区)で、新銀行東京に対する情実融資例が一つでもあれば、知事は一発辞任である。

(「FACTA Online」?「阿部重夫編集長ブログ」・"「石原慎太郎銀行」の深き闇――1年前のFACTA第一報で明らか" より)

この「新銀行東京」の問題は、石原にとってよほど突かれたくなかったものらしく、都知事選を控えた昨年の都議会でも、民主党都議の質問に切れたことがある。当ブログの昨年3月9日付記事の抜粋を以下に再録する。

「新銀行東京」については、都庁内では当初から「うまくいくはずがない」と囁かれていたもので、実際、2006年9月期決算で154億円もの赤字を記録した。青木さんの記事(注:月刊「現代」2007年4月号掲載の青木理『石原慎太郎 「モノ言う知事」の品性と功罪』)には書かれていないが、最近、都議会で民主党の田中良幹事長から「都知事は業績悪化の責任を取るべきだ」との追及を受けた石原は、議長から発言を許されてもいないのに、「馬鹿な質問すんな!」などと怒鳴り、その行為を議長に注意されてもなお、周りにだけ聞こえるような声で、「バカなこと言ってんじゃない」と繰り返し、しまいには「卑怯で下賤だ」と吐き捨てた。このことからも察しがつくように、石原にとってもっとも突かれたくない失政の一つが、この「新銀行東京」なのである。

(「きまぐれな日々」 2007年3月9日付 "石原慎太郎批判(その4)?イデオロギー抜きの石原批判" より)

なお、「FACTA」の記事より一足早く、2006年末に発売された「週刊現代」の2007年1月6・13合併号の記事 "新銀行東京設立の『真』の狙い" も、新銀行東京が、主に石原の三男・石原宏高の選挙地盤の品川区と大田区の企業に融資していたことから、身内の選挙対策ではないかとこれを批判していた。その頃は、「週刊ポスト」や「サンデー毎日」も、毎週のように石原批判の特集を組んでいたし、選挙戦中の昨年3月18日に放送された「報道2001」での都知事選候補者による討論でも「新銀行東京」の問題は築地市場の移転問題と並んで大きく取り上げられ、石原は浅野史郎、吉田万三、故黒川紀章の三氏に袋叩きに遭って、論戦に完敗していた。それでも、東京都民は都知事選で石原を当選させてしまったのである。「少しは反省してよね! だけどやっぱり石原さん!」などというふざけたキャッチコピーを、「護憲派」を自称していた藤原紀香が宣伝していたが、思い出しただけでもムカムカする。

ところで「FACTA」の阿部編集長は、「都議会で400億円追加増資に賛成するような都議は、次期都議選で落選させなければならない」と書いているが、賛成した都議の一覧表は、「きっこのブログ」 に掲載されている。
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2008/03/post_e899.html

転載自由とのことなので、次回の都議選で落選させるべき都議のリストを転載する。
(注:採決に欠席した樺山たかし氏(自)、佐藤裕彦氏(自)および議長のため投票しなかった比留間敏夫氏(自)をリストから外しました=2008.3.30追記)

秋田 一郎(自)、石井 義修(公)、石川 芳昭(公)、
石森 たかゆき(自)、伊藤 興一(公)、上野 和彦(公)、
宇田川 聡史(自)、内田 茂(自)、遠藤 守(公)、
遠藤 衛(自)、大松 成(公)、神林 茂(自)、
川井 しげお(自)、川島 忠一(自)、菅 東一(自)、
木内 良明(公)、きたしろ 勝彦(自)、串田 克巳(自)、
倉林 辰雄(自)、こいそ 明(自)、小磯 善彦(公)、
古賀 俊昭(自)、崎山 知尚(自)、桜井 武(自)、
新藤 義彦(自)、鈴木 章浩(自)、鈴木 あきまさ(自)、
鈴木 一光(自)、鈴木 貫太郎(公)、鈴木 隆道(自)、
高木 けい(自)、高倉 良生(公)、高島 なおき(自)、
高橋 かずみ(自)、高橋 信博(自)、田島 和明(自)、
田代 ひろし(自)、橘 正剛(公)、立石 晴康(自)、
田中 たけし(自)、谷村 孝彦(公)、東野 秀平(公)、
ともとし 春久(公)、中嶋 義雄(公)、長橋 桂一(公)、
中山 信行(公)、野上 純子(公)、野島 善司(自)、
野村 有信(自)、服部 ゆくお(自)、早坂 義弘(自)、
林田 武(自)、東村 邦浩(公)、藤井 一(公)、
松葉 多美子(公)、三田 敏哉(自)、三原 まさつぐ(自)、
三宅 茂樹(自)、宮崎 章(自)、村上 英子(自)、
矢島 千秋(自)、山加 朱美(自)、山田 忠昭(自)、
吉倉 正美(公)、吉野 利明(自)、吉原 修(自)、
米沢 正和(自)

それにしても、一昨日(25日)のテレビ報道では、公明党の判断が注目されるなどと言っていたが、公明党が追加出資に反対するなどと予想したおめでたい人は誰もいないだろう。創価学会に牛耳られた公明党の議員には、そもそも自分の頭で考えたり判断したりする自由など与えられておらず、上からの命令によってロボットのように追加出資に賛成させられたのだ。都議会にせよ国会にせよ、公明党というのは日本の政治に害毒を垂れ流す存在でしかない。だが、地方選の投票率は特に都会では著しく低いので、公明党の議員が大量に当選し、今回のように石原を助けるのである。公明党は特に東京や大阪などで異様に強いが、前のエントリで書いたように、民度の低い東京や大阪ならではといえよう。私は、公明党は政教分離を定めた日本国憲法に違反する政党であって、解散が相当であると考えているが、これには当たらないとする強引な憲法解釈がまかり通っていて、公明党は現在も存続を許されている。

しかしながら、橋下徹や石原慎太郎の人気にはほとほと手を焼く。この2人に東国原英夫を加えた3人は、都道府県知事の中でも、代表的な「ポピュリスト」(大衆迎合主義者)だろう。国政ではコイズミや細川護熙らが代表的なポピュリスト政治家だが、自公政権に反対する勢力は、安倍晋三には勝てても、彼らポピュリストに勝ったことは一度もない。この5人はまた、揃って新自由主義者でもあるが、新自由主義者というなら安倍晋三だって同じだ。昨年の参院選では、有権者は安倍の新自由主義より民主党の「国民の生活が第一」を選択した。しかし、今年1月の大阪府知事選では、民主党の候補を「極右ポピュリスト」の橋下徹が圧倒した。つまり、有権者は政治に暮らしを良くしてもらいたいと強く望んでいるが、同時にその政治には強いリーダーシップを求めている。そして、そのリーダーシップが、よしんば格差を拡大する方向のものであったとしても、リーダーに選ばれた者であればアッパー・クラスに移ることができるのではないかと幻想を抱いて、ポピュリストに希望を託すのだろう。3年前の総選挙におけるコイズミはその極端な例だが、第三者的に見れば典型的な「負け組」の人たちが、旧来の秩序を「ぶっ壊して」くれるコイズミを支持しさえすれば、秩序が壊れた世界でなら自分も「勝ち組」に入れるかもしれないと一縷の望みを抱いて自民党に投票したのだ。

安倍晋三を倒すのは容易でも、ポピュリズムを得意とする新自由主義者を倒すのは容易ではない。彼らと同じ手法、たとえばワンフレーズ・ポリティクスなどによるのでは、マスコミを敵に回すも同然だから勝てないだろう。「柔よく剛を制す」の積み重ねで、地道にポイントを稼いでいって倒すしかないのではなかろうか。ブロガーの皆さまも、昨年の参院選直前のような勝てそうな時にだけ活性化するのではなく、こうした時期にこそ声をあげる必要があると思う。根気が求められる話だ。


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東京都知事の石原慎太郎と並んで、大阪府知事の橋下徹は不愉快な話題ばかり提供してくれる。今度は、大阪府議会警察常任委員会で、警察の留置場を本来の拘置所の代わりに使う代用監獄制度について、「治安維持などの点から考えると、実務上の必要性もある」との考えを示した(asahi.comより=下記URL)。
http://www.asahi.com/politics/update/0324/OSK200803240055.html

この朝日新聞記事にもあるように、代用監獄制度は「冤罪の温床になっている」との批判が根強い。国際人権(自由権)規約委員会も、2度にわたって廃止勧告を行っているほか、1993年に国連自由権規約委員会が日本政府に代用監獄の廃止を勧告した。さらに、昨年5月には国連の拷問禁止委員会が日本政府に改善を求めた。

昨年4月30日および5月1日のライブドア・ニュースで、海渡雄一弁護士が、代用監獄の問題点について語っている。
「代用監獄問題とは何か(上)」
http://news.livedoor.com/article/detail/1903200/

「代用監獄問題とは何か(下)」
http://news.livedoor.com/article/detail/1904530/

代用監獄への拘留によって虚偽の自白や証言が引き出された例として、鳩山邦夫が「冤罪ではない」と発言して話題になった志布志事件や、先日被告の無罪が確定した引野口事件が挙げられる。

それにしても呆れるのが、弁護士だった橋下が代用監獄は必要だと発言したことだ。弁護士とは、被告人の弁護人として法廷で主張・弁護などを行う職業なのではなかったのか。

しかし、さらに呆れるのが大阪府民であって、朝日新聞は、「橋下徹知事に批判的な発言をすると、抗議が殺到する状況になっている」と報じている。
http://www.asahi.com/politics/update/0318/OSK200803180103.html

朝礼で橋下に直接意見を言った職員には1000通を超える抗議のメールが府に届き、府議会で橋下の著書の一節を批判しながら答弁を求めなかった民主党府議に、橋下が「答弁の形も与えないようなひきょうな大人にはなってほしくない」と反論したところ、それに呼応した府民が民主党府議の事務所に「知事をいじめるな」などという非難のメールを送ったり匿名の抗議電話をかけたりした。その過激さは、与党・自民党の府議さえ「怖い。自由な議論ができなくなる」と心配するほどだという。むき出しの強権政治家・橋下を熱狂的に支持するとは、大阪というのは「判官びいき」どころか「弱い者いじめ」を好むサディストたちや、橋下にいじめられたいマゾヒストたちが住む街なのだろう。

それにしてもこれは、7年前、コイズミが総理大臣になった頃を思い出させる話だ。当時、コイズミや田中真紀子外相を批判した人には日本中から抗議が殺到した。日本をぶっ壊した男・コイズミを国民は熱烈に支持したのだ。現在の「橋下フィーバー」はその大阪版だろう。これに対しては、「衆愚」以外の形容を私は思いつかない。

首都・東京でも、「新銀行東京」の失敗に対しては都知事・石原慎太郎に責任があるとの意見が大多数であるにもかかわらず、その石原への支持がなお5割前後を保つという矛盾した世論調査結果が出ており、このことは東京都民には論理的思考力を持たない人が多いことを示すが、東西の二大都市の民度の低下には匙を投げたくなる。東京都と大阪府は日本から切り離してそれぞれ独立させてはどうだろうか。もっともそんなことをしたら、東京国と大阪国が徴兵制を敷いて軍事同盟を結び、日本を侵略しそうだが。

冗談はともかくとしても、東の石原慎太郎、西の橋下徹は「日本の恥」としか言いようがあるまい。


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台湾の総統選挙は下馬評通り国民党の馬英九が民進党の謝長廷を下して、8年ぶりの政権交代となった。

台湾では、国民党が右派、民進党が左派と色分けされ、韓国に続いて右派が政権を奪回した形となったが、台湾においては右派の国民党が親中で、左派の民進党が独立指向で親日的だ。かつて長く独裁政治を行った国民党の蒋介石は外省人(大陸から台湾に渡来した人)で、台湾の軍隊もその流れをくんで外省人が多い。外省人は国民の15%に過ぎず、台湾に独立の機運が高まることを警戒している。だから台湾の軍隊は中国よりも独立運動の方を警戒している。だから、台湾では右翼が親中、リベラルが反中の傾向がある。また、アメリカも台湾の独立を警戒しており、独立運動に対して露骨な内政干渉をしているくらいだ。ブッシュが大統領に就任した2001年には、一時台湾重視に舵を切ったこともあったが、現在ではとっくに中国重視に戻っている。だから、今回の総統選は、中国にとってもアメリカにとっても都合の良い結果になったのだ。単純に親米と反中反韓だけを鸚鵡返ししていればよいと思っているネット右翼は、このあたりの込み入った状況を理解しようとすべきだと思う。

だが、前のエントリで書いた通り、今回民進党が敗れたのは、陳水扁政権が新自由主義の経済政策をとった結果、台湾社会の格差が拡大し、それが嫌われたからだ。昨年の韓国、今年の台湾と、左派・リベラルの政権が新自由主義が仇となって敗れたが、日本では昨年、極右政治家・安倍晋三率いる自民党が、やはり新自由主義による格差問題を咎められて参院選で惨敗した。政治思想がリベラルだろうが極右だろうが、新自由主義をとる政権はどの国でも退潮してきている。「国民の生活が第一」なのである。右翼も左翼も、いい加減イデオロギー遊びは止めたほうが良い。そんなものは、国民の生活には何の足しにもならない。

しかし、日本の新自由主義勢力はまだまだ諦めていない。昨日はフジテレビ「報道2001」とテレビ朝日「サンデープロジェクト」に竹中平蔵が出ていた。「報道2001」では浜矩子と出ていて日銀総裁問題にコメントしていたが、竹中と浜の主張は正反対だった。しかし、両者は自説を主張するだけで、突っ込んだ議論にはならなかった。「サンプロ」では、「報道2001」とは打って変わって、竹中はくつろいだ様子で、余裕を持ってアメリカの金融危機問題を語り、日本は法人税を引き下げるべきだと言っていた。田原総一朗は竹中の全面的な味方だから、田原から批判を受けることはないだろうとタカをくくって言いたい放題だった。

前回のエントリに、kechackさんから、「敵が萎えている時に、弱った敵を殺せと言うのは、組織率が20%を切った日教組を未だに批判し続けることを目的としてしまった右翼と同じ穴の狢のような気がする」とのコメントをいただいたが、昨日テレビ出演した竹中平蔵は「萎えている」ようには全く見えなかった。田原総一朗の竹中へのゴマすりも、醜いの一語に尽きた。

「サンプロ」の後半は、大谷昭宏をキャップとして取材が行われ、一昨年から随時放送されている「言論は大丈夫か」のシリーズで、トラックバックいただいた 「大津留公彦のブログ2」 にも紹介されている。
http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/89_bc4a.html

これは良い特集だった。大谷昭宏は、テレビで共演している橋下徹に対しては異様に甘かったりするなど、何かと問題のあるジャーナリストではあるが、このシリーズについては評価したい。


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このところ隔日でしか記事を公開できず、書きたいことが書き切れずにストレスがたまる今日この頃だが、読者の皆さまはいかがお過ごしだろうか。春の陽気に誘われてお出かけの方も多いだろう。

コメントやトラックバックへの反応が遅れてしまっているにもかかわらず、新しいエントリを起こすことをご容赦いただきたいと思う。過去2つのエントリで取り上げたチベット騒乱については、コメント欄で論争が起きているが、ブログ管理人は論争には参加しないので、その点ご承知おき願いたい。

中国や北朝鮮の軍事力については、昨年12月20日のエントリ "ミサイル防衛と「ワーキングプア」" でも紹介した田岡俊次の 『北朝鮮・中国はどれだけ恐いか』 (朝日新書、2007年)が参考になる。アメリカによるバイアスのかかった情報によって中国の軍事力は過大評価されているというのが著者の指摘だ。

今日、台湾の総統選が行われているが、国民党の馬英九氏の当選が有力とされている。国民党というと蒋介石の党で、台北の国際空港には長く蒋介石の名が冠されていたほどの独裁体制だったが、2000年の政権交代により、台湾独立を指向しているといわれる民進党の陳水扁政権が続いていた。その間、台北の国際空港も改名されたのだが、今回、8年ぶりの政権交代が有力視されているのは、陳水扁政権の新自由主義政策が国内の貧富の差を拡大したからだといわれている。先般の韓国の政権交代も、新自由主義経済政策への韓国国民の不満が原因だったとされており、新自由主義への反発は東アジアでも主流になってきている。

前記田岡氏の著作は、中国本土の国共内戦で、蒋介石の国民党が毛沢東の中国共産党に追われて敗走を重ねていた時、世界各国が次々と国民党を見放していったのに、一人スターリンのソ連だけが蒋介石を支援し続けていたことを指摘している。ソ連は、同じ共産主義の中国共産党が中国を支配することを望んでいなかったのだ。これは、ソ連が自国に有利な密約を国民党と結んでいたからで、蒋介石の長男の夫人はロシア人である。のち、中国とソ連が激しく対立したのは必然だった。田岡氏が書いているように、
国際政治、国家戦略の目的は一国の安全と経済上の利益であり、「価値観」とか「イデオロギー」「感謝」といった抽象的な単語は意味が乏しい
のである。「自由と繁栄の弧」がどうのと言っている麻生太郎など、大うつけ者というほかない。実際には安倍晋三でさえ、表では北朝鮮を非難しながら裏では北朝鮮に媚を売る「媚朝外交」をしていたことを、「週刊現代」にしばしば叩かれていた。以上書いたことはネット右翼の主張に対する嫌味だが、「社会主義国」に対すると追及の矛先が鈍る左翼諸氏に対しても、同じことが言いたい。イデオロギーだけで政治を考えるのは不毛だ。護憲運動にしたって、イデオロギーのおもちゃにしてはいけない。人間が第一なのだ。

その意味で、新自由主義は右翼・保守・リベラル・左翼を問わず戦うべき敵だと思う。今朝の日本テレビ系「ウェークアップ!」でも、混合診療をめぐって、白石真澄なる極端な新自由主義者が全面解禁を主張し、解禁反対論者の本田宏氏との討論では目を吊り上げて自らの主張をがなり立てていた。白石は、混合診療の禁止は財産権の侵害だと叫ぶばかりで、本田氏が日本ではすでに世界でももっとも高負担・低保障の国なのにこれ以上患者の負担を増すのか、と聞いても、白石は論理的な反論もできないくせに大声で自説をわめき続けていた。私はこれを見ていて、年金問題を長妻昭と議論したときの大村秀章を思い出してしまった(笑)。元厚生官僚だった浅野史郎・前宮城県知事は、全面解禁は時期尚早、それよりも厚生労働省がよく効く薬の保険適用をもっと早く認可すべきだと、これは主な大手新聞の社説に近い主張だったが、浅野氏の意見と比較しても、白石のヒステリックな主張はいかにも異様で、「なにがなんでも規制緩和」という新自由主義のイデオロギーに全身を支配され、強迫観念に突き動かされている人間のように見受けられた。実際、白石は浅野氏に対しても、「厚生労働省は、いったん認可した薬の認可を取り消すなど、逆方向のこともやっている」などと食ってかかったが、安全性に問題があると認められた薬の認可が取り消されることがなぜ問題なのか、私には理解できなかった。コイズミの「構造カイカク」は、こんな人間がオピニオン・リーダーとして振舞うことのできる異常な空気を作り出してしまったのだ。

こんな馬鹿げた空気は、絶対に変えていかなければならない。


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世間一般は「春分の日」の休日という方が多いと思う。中には21日を休みにして4連休という方もおられるかもしれない。昨日は雨だったが、季節はすっかり春らしくなった。残念ながら今日も当ブログ管理人には仕事があるが、春分の日というと「新じねん」のおーるさんの命日ということになるのだろうか。今年はうるう年で20日が春分の日だけれど、一昨年はたぶん21日が春分の日だったから、明日が三回忌なのだろう。ご冥福をお祈りしたい。

さて、チベット騒乱を取り上げた一昨日のエントリが反響を呼び、15件の「はてなブックマーク」をいただいたせいもあってか、多くのコメントをお寄せいただいた。しかしその過半数が左右双方からの批判であって、チベット問題で声を上げている人を右翼呼ばわりするなというのがあったかと思うと、ダライ・ラマにはアメリカの息がかかっている、そんなやつを擁護するなというのもあった。文章のロジックを読めない人ばかりなので呆れてしまう。前者についていうと、「ネット右翼がここぞとばかり声を張り上げている」という意味のことを書いたが、「声を張り上げているのは(ネット)右翼(ばかり)である」などとはひとことも書いていない。それどころか、リベラル・左派系のブログも声をあげていると書いた。後者については、私は中国政府のプロパガンダの尻馬に乗って騒いでいる中国版ネットウヨともいうべき中国のブロガーを批判したのであって、彼らは中国の兵士がチベットの子供を射殺している動画が「YouTube」に公開されるやそれを削除する中国政府に対しては何も言わないのである。それに対する反論がダライ・ラマ批判というのは、全く筋が通っていない。要は、ネット右翼もネット左翼も揃ってバカばかりということだ。彼らは、日本なりアメリカなり中国なりの権力に媚びる「媚権派」としてひとくくりにした方が良いかもしれない。

今回失望させられたのは、この問題について日本共産党が沈黙していることで、かつて中国共産党にもソ連共産党にも批判を行い、北朝鮮による拉致問題についても、自民党や社会党がこれを無視していた1988年にいち早く国会で取り上げ、北朝鮮の犯行ではないかと指摘した共産党の伝統はどこにいってしまったのかと思う。前記「YouTube」の削除や、騒乱での死者を過小に見積もったり、一方的にチベット民族に非があるような映像を国内のニュースで流すなどの情報操作を中国政府がしていると全世界に報じられているだけでも、今回の騒乱について中国に疑念を持たざるを得ないというのが大方の見方だろうと思うのだが。

一方、「dj19の日記」で知ったのだが、民主党の枝野幸男議員を代表とする「チベット問題を考える議員連盟」が国会内で総会を開き、チベット騒乱への中国政府の鎮圧行動を「五輪開催国にふさわしく、武力の行使や人権侵害を行わないよう自制を求める」と非難する声明を発表したそうだ。この議連には自民党や社民党の議員も加わっている。社民党の阿部知子議員は、よくテレビでお目にかかる同党の政審会長だ。

しかし同じ「アベ」でも、安倍晋三が下村博文や稲田朋美と一緒にしゃしゃり出てきて、チベット出身でダライ・ラマ法王アジア・太平洋地区担当初代代表のペマ・ギャルポ桐蔭横浜大教授と国会内で会談して「チベットの人々の人権が確保されるよう努力したい」などと発言したのには鼻白む思いだ。この発言自体には問題ないのだが、加藤紘一議員の実家が放火されて全焼した時、多くの人がテロを非難するコメントをしたのに、当時首相だったコイズミと官房長官だった安倍はしばらく沈黙していた。
"小泉純一郎と安倍晋三が発した言論の自由への「負のメッセージ」"
(2006年12月3日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-192.html

また安倍は、伊藤一長・前長崎市長が市長選の最中にテロの凶弾に遭って死亡した時にも、テロを非難する言葉が口をついて出てこなかった。それどころか、犯人が所属していた暴力団が、安倍の非公然後援会「安晋会」と関係していたのではないかとの可能性が山岡俊介氏によって指摘された。
"長崎市長を射殺したテロの「真犯人」"
(2007年4月20日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-320.html

また、会談で安倍と同席した稲田朋美は、先日も靖国神社の映画を検閲しようとした件を当ブログでも非難したばかりだが、繰り返して書いているように、加藤紘一の実家へのテロを後援会で笑い話のように紹介し、実質的にテロを肯定した女だ。
"嘘つきが「教育改革」を進め、テロ肯定者が「伝統と創造の会」を主宰している"
(2006年11月23日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-184.html

国内で言論テロと断固として戦うどころか、事実上テロを助長している安倍晋三や稲田朋美に、どうしてチベットの騒乱を「人権問題として重視していく」ことなんかができるんだろうか。へそが茶を沸かすとはこのことである。


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最近よく訪れる 「はてブニュース」 を見ると、「国際」 のカテゴリに実に多くのエントリがあって、その多くがチベットの暴動に関するものだ。特にネット右翼たちが大騒ぎしていて、なぜふだん反戦を訴えているリベラル・左派系ブログが沈黙しているのかという人たちが多い。

当ブログが直接槍玉に挙がっている記事にはまだお目にかかっていないが、多忙な生活の合間にブログの記事を書いている身としては、好き勝手なことを言うやつらだなあと思う。実際には、かなりの数のリベラル・左派系ブログが中国の暴挙を批判する記事を公開している。それに、ちょっと前のイスラエルによるガザ侵攻の時は、右派も左派も全然反応しなかったのである。当ブログ管理人も関心は持っていながら記事にはしなかったのだから偉そうなことは言えないが、「ガザ侵攻」を検索語にしていろいろ検索しても、新聞社が社説に取り上げた例はほとんど見つからなかった(侵攻への報復としてイスラエルのユダヤ教神学校が銃乱射を受けた事件を東京新聞が取り上げたくらいだと思う)。「ガザ侵攻」のGoogle検索で2006年の侵攻を記述したWikipediaの次の2番目に引っかかったのはブログ 「カナダde日本語」 の記事だが、やはり日本とカナダではニュースの優先順位が全然違うのだろう。

このイスラエルのガザ侵攻と比較すると、中国のチベット弾圧への敏感な反応には驚くばかりだ。ネット右翼たちは、ここぞとばかり中国を叩きたいのだろう。

もっとも、「ITmedia News」 の報じる、「チベット暴動、中国ブログにあふれるナショナリズム」 と題された記事などを読むと、中国にも日本のネット右翼に相当するような馬鹿どもが大勢いて、ナショナリスティックかつヒステリックなダライ・ラマ非難および中国政府による弾圧の擁護を叫んでいるらしい。こういう報道を見ていると、中国の旧悪を暴きたくなるのが、ひねくれ者たる当ブログ管理人の習性である。

今回のニュースを聞いて思い出したのは、1979年の中国のベトナム侵攻、同じ年のソ連のアフガン侵攻、それに1989年の天安門事件の3件だ。79年のソ連のアフガン侵攻は国際社会の反発を招き、アメリカが翌80年のモスクワ五輪をボイコットする方針を明らかにすると、日本や中国もこれに追随した。当時の中国はアメリカよりもソ連との仲が悪かったのである。

その中ソ対立の代理戦争となったのが、前記ソ連のアフガン侵攻の10か月前に中国が起こしたベトナム侵攻だった。これは、カンボジアに侵攻してポル・ポト政権を倒して親ベトナムのヘン・サムリン政権を樹立させたベトナムに、「懲罰」を与えると称して中国がベトナムを侵略した戦争である。今回のチベット騒動について、中国は「人民戦争」だと称して世界を驚き呆れさせたが、29年前の対ベトナム戦争を中国が「懲罰戦争」と称した時にも呆れかえったものだ。しかも、ベトナムに倒されたポル・ポト政権がカンボジア国内で大虐殺を行っていたことは、カンボジアに侵攻したベトナム軍によって既に明らかにされていた。ベトナムのカンボジア侵攻には、カンボジアで迫害を受けていたベトナム系住民を救うためという大義名分もあったのである。日本でも、朝日新聞の井川一久記者らは、早くからポル・ポト率いるクメール・ルージュの犯罪行為を暴く報道をしていた。しかし、日本の左翼、特に社会党系の論者たちの多くは中国側に立ち、ポル・ポト政権の虐殺報道を、何の根拠もなく否定していたのだった。井川記者の報道も、朝日新聞では主流にはなれなかった。朝日だけではなく、毎日も読売も中国寄りの報道をした。これは、絶対に総括されなければならない左翼およびマスコミの失態だったと私は考えている。

1989年の天安門事件については、否定的な評価が定まっているので、いまさら付言することは特にない。

私自身は、昨年12月11日のエントリで、中国を「世界一過激な新自由主義国」と評しているが、2004年に一度だけ中国本土を仕事で訪れたことがある。訪問先は日本企業の中国工場だった。中国政府はひところずいぶん反日感情を煽っていたが、一般的な中国人民は反日的などでは全然ないし(実際、冷戦時の70?80年代には中国の敵意はもっぱらソ連に向かっていて、日中は友好関係にあった)、悪い印象は全然ない。しかし、急速に開発が進んでいて、これが中国全土に進むと、地球環境にはかなりのダメージを与えるだろうなとは思った。そして、そのことが頭に浮かぶと、いつも私は「それでは地球の資源を無駄遣いしている先進国の生活はどうなんだろう」と思ってしまうのだ。中国は貧しいままであれ、などという資格は私たちにはない。すべての国が先進国のような経済活動をしていては地球環境は持たない、とは始終頭をよぎることである。

ジャーナリスト・田畑光永さんの "チベット「騒乱」の背景" と題された記事を読むと、1979年(中国がベトナムを侵略した年)と2004年(私が中国を訪れた年)では、今回騒乱の起きたラサの町は様変わりしていて、いまや漢民族の経済進出によってラサは観光地として栄え、その中でチベット人は「住まわせてもらっている」かのようだとのことだ。

もはや、中国が「社会主義国」であるという観念は捨てたほうが良いのではないかと思う。前述のように私は中国は過激な新自由主義国だと考えている。最近は中国でも社会保障に力を入れよ、という「新左派」が論壇で力を増しているそうだが、そういう勢力が「台頭」してきたということは、現状がそうではないという意味であり、要は中国は共産党一党独裁の資本主義国家なのだ。それも、むき出しの資本主義。中国と比較したら、20世紀末までの日本の方がよほど社会主義的だったといえるかもしれない。

もし、「中国は社会主義国だから」と思って批判を躊躇している人がいるとしたら、それはナンセンスだと思う。


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フジテレビの「報道2001」に、菅直人がゲストで出ていたが、竹村健一が、「民主党が参議院で多数を取ったおかげで、これまで政府・自民党がいい加減なことをずいぶんやってきたことがわかった」と前置きしながら、民主党に妥協を求める注文をしていた。竹村の主張の後段はともかく、従来の自民党政治のデタラメぶりを批判したことに注目したい。

老舗のブログ 「かみぽこぽこ。」 は、日銀総裁人事についての記事中で、さらに明快に指摘している。
http://plaza.rakuten.co.jp/kingofartscentre/diary/200803130000/

以下引用する。

ただ、そんな「日銀人事」の過程だけど、
なにも意義がないというわけではない。

「日銀人事が初めて国民に注目された」
「これまで日銀総裁に
財務(大蔵)出身者が
何度も起用されていたことに
国民が初めて注目した」

というようなことがあると思う。
要は、これまで何度か書いてきた

「衆参ねじれ国会下における政治力学」

つまり、参院を野党が抑えたことで
政府・与党がこれまで長年
適当にごまかして通していたことが
ぜんぶ参院で

「野党の関所」

で引っかかるようになった。

防衛省でも厚労省でも
法案が参院で引っかかって
モタモタしているうちに、
これまで自民党・官僚・業界によって
長年行われてきた政治の恥部ともいえる
スキャンダルがボロボロ出てきた。

(「かみぽこぽこ。」 2008年3月13日 「日銀人事に思う。(前編)」より)

このブログは、久々に読んだのだが、かつてネット検索でよく引っかかってしばしば記事を読んだことがある。郵政総選挙の頃やその前の頃の記事に、見覚えのあるものがずいぶんあって懐かしく思い出した。管理人さんは2003年からブログを続けておられるようだ。論調は、必ずしも反政府・与党系ではなく、コイズミの構造カイカクに対しても、懐疑的だが明確な反対の立場には立たない。

私は、「かみぽこぽこ。」さんのような意見こそ中立の立場に立ったものだと思う。マスコミは、従来反政権的だと見られていた朝日新聞が、日銀総裁問題では一方的に民主党に譲歩を求めている。毎日新聞も朝日に引きずられたように、歯切れが悪いながらも民主党批判をしているし、読売・日経・産経などにいたっては、当然ながら民主党非難の大合唱だ。大新聞は、いまや揃って自民党のタイコモチと化したかのようだ。

私は、民主党には日銀総裁人事なんかより年金や社会保障の問題に力を入れてほしいと思うし、この日銀総裁人事の問題については、民主党を全面的に支持する立場はとらないのだが、それでも、一方的に民主党の譲歩ばかりを迫るマスコミの論調には強い違和感を持っている。「ねじれ国会」に関しては、民主党のやり方に一部稚拙なところがあるにしても、本当に問題なのは、衆議院で与党が3分の2を上回る議席を持ちながら、参議院では少数派であるという事実を自民党が受け入れることができず、安倍晋三政権当時のようなゴリ押しの方法に頼りがちなところではないか。だから行き詰まるのである。よく、与野党双方に責任があるというが、より責任が重いのは自民党のほうであることはいうまでもない。

昨年の参院選の結果を受けて、国内の論壇では新自由主義に批判的な意見が次第に強まり、NHKやTBS、それに「週刊東洋経済」などが新自由主義を批判したり、福祉国家を評価する報道を行った。

これに対し、今年に入ると新自由主義者が猛然と反撃に出た。竹中平蔵がテレビに頻繁に出演するようになり、経済財政製作担当の内閣府特命担当大臣・大田弘子は1月18日、「残念ながら、もはや日本は『経済は一流』と呼ばれる状況ではなくなった」と述べた。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080118it11.htm?from=navr

上記読売新聞の記事にあるように、この時、大田は 「2006年の世界の総所得に占める日本の割合は24年ぶりに10%を割り、1人あたり国内総生産(GDP)は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で18位に低下した」と日本経済の凋落ぶりを訴えたのだが、これは新自由主義政策の失敗の帰結であるとともに、ここ数年の円安の影響だったと思うのだが、大田やそのバックにいる竹中平蔵、それに彼らを応援する田原総一朗らは、「福田政権がカイカクを後退させた」せいにしようとしていた。こういう主張を聞いて、私などは「盗人猛々しい」と思ったものだ。福田康夫が責められるとしたら、それはコイズミや安倍晋三の「カイカクを引き継いだ」ことにある。

このところのアメリカ経済の変調により、急激な円高・ドル安が進んでいるが、今朝のフジテレビ「報道2001」に出演した榊原英資は、円/ドル為替レートはここ10年の日本のデフレとアメリカのインフレ率を考えると、過度の円安が調整されただけで、現在の1ドル=100円でさえ、10年前の1ドル=130円に相当する円安であって、これはかつて榊原氏がドル売り介入をした水準であると指摘し、今後さらに円高・ドル安が進んで、夏までには1ドル=90円を突破するだろうと予想していた。

そもそも、ドルはユーロなど諸国通貨に対してはここ数年ずっと値を下げ続けており、ただ円だけが対ドルレートがあまり変化しなかった。日本は、米国債をせっせと購入してはアメリカ経済を支えていたが、それももう限界に達したというところなのではないだろうか。これは、輸出に頼る日本の企業にはもちろん打撃だろうが、日本の企業はそれでなくても法人税の減税や円安によって恩恵を受けてきたのに、9年連続で平均給与所得が下がり続けてきたことからもわかるように、利益は勤労者には還元できなかった。今回の円高によって、日本国民の輸入品の購買力は上がるが、給与が下がっていたのでは消費にブレーキがかかる。今後は内需拡大なくして景気拡大はない。福田首相でさえ(というと語弊があるかもしれないが)、企業に賃上げを求めているのは、人気取りの意図もあるかもしれないが、そうした背景もあるのだと思う。企業の経営陣には英断を求めたい。

それにしても、新自由主義政策をとったことによる経済失政まで新自由主義推進に利用しようとする新自由主義者の面の皮の厚さにはあきれるばかりだ。先日、イギリスの「エコノミスト」誌が、「Japain」(Japanと「痛み」を意味するpainを引っかけたタイトル)と題する特集を組み、話題になっているが、これも日本国内の新自由主義者が呼び込んだようなものだというべきだろう。

この特集に対し、民主党の岩國哲人国際局長は5日、ほかならぬ「エコノミスト」誌が主催する「日本国政府とのビジネス円卓会議」の昼食会の席上で講演を行ない、この特集に対して「エコノミスト」誌に抗議した。民主党がホームページで報じている(下記URL)。
http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=12821

以下引用する。

 岩國国際局長は、(中略)長年政権の座につき続ける自民党に対して、民主党が政権交代に向けて追い込んでいる時に、英「エコノミスト」誌が極めて否定的な見方を羅列した記事を掲載したことに、過去の同誌の論調と反し「ねじれ」があると指摘しつつ、苦言を呈した。

 さらに、表紙に「Japa”i”n」として日本の国名を「Pain(苦しみ、苦痛)」であると「いたずら」するのは、「いたずらの度が過ぎる」とし、いずれの国に対してであれ、国民の敬愛する国名をこのように茶化すのは問題であるとして、国民を代表する国会議員として、また民主党の国際局長として抗議するとともに公式な謝罪を要求した(会場から拍手あり)。

(民主党ホームページより)

「報道2001」では、竹村健一がこの岩國哲人氏の抗議を、番組中で称賛した。竹村は「民主党」と口にする時、若干口ごもって、本当は野党なんか褒めたくないんだけど、という竹村の心の揺れが感じられて面白かったが、アメリカの奴隷に成り下がった自民党からはこんな声は出てこないのだから仕方がない。私は長年に渡って竹村というのはどうしようもない右翼のコメンテーターだと思って嫌い続けてきたが、竹村は昨年、従軍慰安婦問題についての安倍政権の姿勢を批判した。今回の竹村の指摘には、その時に次いで驚かされた。これは、竹村が変わったのではなく、竹村でさえ政府・自民党を批判せざるを得ないほど自民党が極端に右傾するとともに、対米隷従の姿勢を強めたせいだろう。売国の新自由主義者に乗っ取られた自民党政権をこれ以上存続させると、日本という国自体が存亡の危機に瀕してしまう。

とにかく、今日の「報道2001」は、フジテレビの番組だって捨てたものではないと思わせる部分があった(もちろん、片山さつきの主張を聞かされたりもしたが)。そういえば、昨日のエントリに対し、「カナダde日本語」の管理人・美爾依さんから、
確かに花岡氏の記事は、エンタメの部類されても当然かもしれませんね(笑)。しかし、個人的には、花岡氏の個人攻撃はするべきではなく、そのバックで圧力をかけて記事を書かせている政府こそ責められるべきだと思います。花岡氏を非難すればするほど、ネトウヨは喜ぶし、彼は有名になるだけですから。
とのコメントをいただいた。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-593.html#comment2918

確かにその通りで、いまやフジ産経の主張がまともに思えるほど、自民党の政権運営は末期的な症状を呈している。大政奉還の時期が迫っているというべきだろう。


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土曜日なので軽い記事で。

昨日(3月14日)の当ブログは、週末の割にはアクセスが多く、久しぶりに3000件を超えた。どこも同じだと思うが、ブログへのアクセス数は、月曜?木曜>金曜>>土日という傾向があるのだが、昨日アクセス数が増えたのは、一昨日のエントリ "ジャーナリストとしての基礎もなっていない花岡信昭" が7件の 「はてなブックマーク」 をいただいた影響が大きい。

当ブログのエントリは、一部の人気ブログのように二桁以上の「はてなブックマーク」を受けることはほとんどないが、たまに数件の「はてブ」(「はてなブックマーク」の略称)をいただくことがある。「はてブ」の文化は結構ストイックで、仲間内で馴れ合ってブックマークをつけ合うことなどは嫌われるようだ。もちろん自作自演の「はてブ」など論外で、以前自分のエントリに1日3件の「はてブ」をつけていたブログがあったが、誰からも相手にされず、4件目のブックマークが全くつかなかったのを呆れて見ていたことがある。さすがに当該ブログは、そのうちにこの愚行をやめた。きっとアクセス数増の効果が全くなかったからだろう。

ところで、「はてなブックマーク」が5件を超えると、「はてブニュース」 というサイトに掲載されることがある。花岡を批判した当ブログの記事も掲載されたのだが、なんと「エンターテイメント」 に分類されていた!!
http://labs.ceek.jp/hbnews/list.cgi?k=7
(3月14日 09:15に登録されています)
花岡信昭は、もはやお笑いの範疇に属する人なのだろう。

「はてブニュース」の「エンターテイメント」に登録された「きまぐれな日々」の当該記事のすぐ下には、「本気で作ってみる十代の必読書リスト十点」 というのがあって、藤子・F・不二雄の「ドラえもん」や手塚治虫の「ブラック・ジャック」などコミック4点が挙がっている。でも手塚治虫からどれか一点を選ぶなら、「火の鳥」だろうと私は思う。また、すぐ上に挙がっている 「Google Sky」 にはブッ飛んだ。私自身も 「はてブ」 をつけたが、ものすごい勢いで「はてブ」の件数が増えていっている。

毎日新聞が報じた、"岐阜公立高校入試:答え!?黒板に 「欠席」の書き取りで" というニュースも、「エンターテイメント」に分類されている。
岐阜県で13日にあった公立高校一般入試で「欠席」を漢字で書く問題があるにもかかわらず、一部の試験会場で、受験生に欠席者がいないことを示す「欠席なし」の文字が黒板に書かれていたなどとして、県教育委員会はこの問題について受験生全員を正解にした。
(毎日新聞 2008年3月14日)
という記事だが、私もそのバカバカしさに笑ってしまった。「Munchener Brucke」の管理人・kechackさんが「問題が簡単すぎやしないか?」とコメントをつけていたが私も同感で、こんな問題が高校入試に出題されること自体がお笑いだ。3月13日の「四国新聞」に、田勢康弘が「江戸時代に全国のあちこちで古事記や万葉集を読み合うグループができていた」、「私(注:田勢康弘氏)の郷里の山形県の農家の蔵に戦前の総合雑誌のバックナンバーがそろっているのを見つけて驚いた」と例を引いて、かつての日本人の教養の高さ及び現在の日本人の水準の低下を嘆いているが(田勢康弘 「愛しき日本」 より 「政治と教養・有権者の水準も重要」)、今日はそういう話には深入りしないでおこう。

「はてブニュース」のリストには、他にも面白いものがいくつもあるのだが、最後に一つだけ 「たけくまメモ」"柴田錬三郎の芸術的「言い訳」" をあげておく。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_26d2.html

80年代末に古書で1万円の値がついたという柴田錬三郎の『うろつき夜太(やた)』を手にとってみたくなる記事だ。ブログの管理人・竹熊健太郎氏は漫画の原作などを書いているプロのライターで、ブログに1900万件ものアクセスを集めるだけのことはあると感心した。
当ブログは、平日は朝に記事を公開することが多い。夜は、9時台にアクセス数のピークがあり、10時台、11時台とアクセス数が減っていくのが普通だ。

だが、一昨日(12日)は様相が違った。午後11時台にアクセスが急増したのだ。アクセス解析を見てみると、検索語に「稲田朋美」を用いた検索エンジン経由の訪問が、午後11時23分以降急増していた。

この日は、夜のニュース番組を見ていなかったのだが、おそらくテレビで稲田について何か報じられたのだろうと思った。しかし、ネット検索では何も分からなかった。そこで、某所で質問をしてみてご存知の方に教えていただき、ようやく事情がわかった。

下記の朝日新聞記事をご覧いただきたい。
http://www.asahi.com/national/update/0312/TKY200803120422.html

国会議員横ヤリの「靖国」試写会に80人 偏向指摘も

2008年03月12日23時16分

 靖国神社を題材にした中国人監督のドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の国会議員向け試写会が12日夜、都内で開かれ、約80人の議員らが出席した。試写を求めていた自民党の稲田朋美衆院議員は「偏ったメッセージがある」と話し、映画に政府出資法人から助成金が出されたことの是非を、さらに検証し続ける姿勢を示した。(以下略)

(asahi.comより)

このニュースがTBSの「NEWS23」でも報じられ、検索語「稲田朋美」で当ブログにたどり着かれた方が多数おられたという次第だ。

靖国神社に関する映画を検閲しようという、いかにも自民党タカ派的な発想が端緒となり、映画会社がこれを拒否して、逆に全議員を対象に異例の試写会を開いたものだ。

上記朝日新聞記事からさらに引用する。

 映画は4月12日から都内と大阪の計5館で公開予定で、昨年12月からマスコミ向け試写が始まっていた。映画の中で南京事件の写真が使われていることなどから、週刊誌などが「客観性を欠く」「反日映画」などと報道。政府出資の基金から助成金が出ていたことも問題視した。これを受け稲田議員は「助成が適切だったかどうか、議員として検証したい」とし、同議員が会長を務める自民若手議員の勉強会「伝統と創造の会」と、同じく同党議員でつくる「平和靖国議連」との合同の試写会を、文化庁を通じて要請していた。

(asahi.comより)

要は一部の右翼週刊誌が稲田らをたきつけて、ヒョイヒョイと稲田がそれに乗ったというワケだ。NHKの番組を改変させた安倍晋三や中川昭一と同じ発想である。しかも、肝心の映画の内容は、自民党のタカ派議員仲間である島村宜伸衆院議員が「一貫したストーリーを見せるというよりは、様々な場面をつなげた映画。自虐的な歴史観に観客を無理やり引っ張り込むものではなかった」(前記朝日新聞記事より)と述べるなど、右派を刺激するような内容では全くなく、稲田は振り上げた拳の下ろしどころがわからず恥をかいた格好だ。

そもそも、「稲田朋美」の検索語で当ブログが上位で引っかかるのは、以前に公開した下記記事がアクセスを集めたからだ。

"嘘つきが「教育改革」を進め、テロ肯定者が「伝統と創造の会」を主宰している"
(2006年11月23日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-184.html

上記URLの記事に書いたように、稲田は一昨年夏に起きた加藤紘一衆院議員の実家への放火事件を笑いものにした。この事件は、加藤が当時首相だったコイズミが靖国神社に参拝しようとしていたことを批判したために起きた。言論の自由に対する許されざる挑戦だが、稲田はあろうことかこのテロを肯定したのである。こんな人物が国会議員をやっていること自体許されないと私は思う。

そして、映画を検閲しようとした今回の件も、いかにも稲田らしいというほかない。稲田は衆議院福井1区選出の議員だそうだが、次の総選挙では稲田を落とすべく、福井1区の有権者には良識を求めたいし、野党には強力な対立候補を立ててもらいたい。

[追記] (2008.3.15)
最初にこの件を問題にした右翼週刊誌というのは「週刊新潮」(2007年12月20日号)だったようだ。


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このところ、産経新聞の花岡信昭記者がネットで話題になっている。沖縄で起きた米兵による女子中学生暴行事件や、イージス艦が漁船を沈めた事件に関して、暴言を書き散らしたからだ。

私にとっては、産経新聞の記者がめちゃくちゃな記事を書くのは当然至極のことで、特に驚くにはあたらないので、これまで花岡批判には深入りしなかったのだが、同様にかなり遅れてから花岡の愚論をまとめた 「たんぽぽのなみだ?運営日記」 の記事がよくまとまっているので、これにリンクを張っておく。

「たんぽぽのなみだ?運営日誌」より 「花岡信昭」
http://taraxacum.seesaa.net/article/88940836.html

最初はあまり興味のわかなかった花岡だが、思考パターンに面白い傾向があることがわかってきたので、ちょっと興味を持って、Wikipediaを調べてみた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B1%E5%B2%A1%E4%BF%A1%E6%98%AD

まず、下記の記述に爆笑してしまった。

2006年には「モーニング娘。」が日本語を壊したとのコラムをホームページにアップした。また「歌もダンスも下手だ」と記述していたため、ファンから「よく調べもせず断定的にイメージだけで攻撃している」と強い反感を買い、ホームページが炎上し現在閉鎖されている。(ドメイン自体はアフィリエイト業者に買われ、現在はSPAMサイトとして稼動している。)

HPに不用意なことを書いて炎上し、ドメインが買われてSPAMサイトと化しているとは!!!
日経BPのコラムで、「常識的判断と沈着冷静な報道スタンス」が必要だとご高説を垂れておられる大記者の行状とは信じられない。

さらに驚いたのは、一昨年月刊 「WiLL」 に、社民党の土井たか子元党首について、「土井氏は知る人ぞ知ることではあるが、本名『李高順』、半島出身とされる」と書いて、昨年土井氏が出版社を提訴したのだが、その記事を書いたのが花岡だったことだ。

この提訴の件は、朝日新聞のサイトで報じられて知ったのだが、「きまぐれな日々」で取り上げるつもりだったのが、機を逸して記事にし損ねた思い出がある。だが、現在ではリンクの切れている当該の朝日新聞記事を、「kojitakenの日記」 に記録しておいた(下記URL)。但しそれには、「WiLL」の記事が花岡の手になるものだったことは記載されていない。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20070425/1177520853

だから、このヨタ記事をまさか自称「全国紙」の元政治部長さまが書いていたとは、想像もつかなかったのである。だが、Wikipediaには花岡が書いたと書かれているし、ネット検索で他の情報に当たってみても、間違いなく花岡が書いたもののようだ。

つまり、花岡は情報の裏を取るという、私のような門外漢でも知っているジャーナリストのイロハさえ実行しておらず、あやふやな伝聞をあたかも事実であるかのように書き散らす、そこらのネット右翼と同じような人間だということだ。

私は安倍晋三について、ネット右翼が政治家をやっているような男だなあと前々から思っていたが、同様に花岡信昭はネット右翼が「全国紙」の政治部長を務め、今また同じ社に舞い戻って「客員編集委員」になったような人物なのだ。こんな人物が新聞記事を書いているとは。この世の現実とは信じたくない思いだ。実体が何もなく、空虚そのものの産経新聞社という会社がこの世に存在していることに、背筋が凍りつく今日この頃である。


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3月5日のエントリでも軽く触れたが、自民党の福田良彦衆院議員が、先日の岩国市長選挙に立候補したために自動失職し、4月27日に衆議院山口2区の補選が行われることになった。

この補選には、自民党から山口県柳井市出身で内閣官房地域活性化統合事務局長の山本繁太郎氏、民主党から前回衆院選で福田氏に敗れ、比例中国ブロックで復活当選した民主党の平岡秀夫衆院議員が立候補する。

注目すべきは、共産党が候補者の擁立を見送ったことだ(下記は朝日新聞記事)。
http://www.asahi.com/politics/update/0310/TKY200803100289.html

これで、補選は自民党と民主党の一騎打ちになった。平岡秀夫は、「リベラルの会」に属する民主党左派の護憲派候補である。

一方の山本繁太郎はというと、Google検索をかけると筆頭で引っかかるのが、 "ノーパンしゃぶしゃぶ「楼蘭」 顧客名簿" である(笑)。
http://www.rondan.co.jp/html/news/roran/

「建設省」のところに、「山本 繁太郎(文書課長)」の名前が確かにある。

また、2位で引っかかるのが「きっこのブログ」に掲載された、イーホームズ・藤田東吾社長のメッセージである(2006年11月29日)。
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2006/11/post_5c21.html

以下引用する。

山本繁太郎は、国民の命を犠牲にしてまで、「耐震偽装隠蔽事件」を成功させたご褒美として国土交通審議官のポジションを与えられていました。間違い人事です!山本繁太郎が「弱いものいじめ」をする為にレスリングを教えた山口県の斉藤道場や東大レスリング部の先輩、先生、後輩の方々、そして、同じく、「弱いものいじめ」をする為に東大法学部で間違った法律を教えた東大の先生や先輩の方々、是非に、山本繁太郎を叱ってやってください。

伊藤公助とともに、新興の中小デベロッパーの資金源を利権として確保するために暗躍した国賊、山本繁太郎を、愛の鞭の一叩きをしてあげてください。罪を償わせてあげていただきたいです。それが関係者の義務であります。

(「きっこのブログ」 2006年11月29日 「藤田社長からのメッセージと映像」より)


いくら安倍晋三のお膝元で、安倍の一族・岸信介、佐藤栄作らを輩出した(排出した?)超保守王国の山口県とはいえ、社民党も共産党も候補を立てず、自民党からはノーパンしゃぶしゃぶの顧客で耐震強度偽装問題でも藤田社長から告発された山本繁太郎なのだ。これは、民主党にとっては絶対に負けられない補選だろう。

この補選を有利に戦うためにも、先の岩国市長選挙は絶対落とせなかったのだが、それはもう言っても仕方がない。だが、もしこの補選を民主党が落とすようなことがあったら、執行部の責任問題に発展してもおかしくないのではないか。それでなくても、最近の民主党は参院選で掲げた「国民の生活が第一」という立場に本当に立っているのか国民から疑いの目を向けられており、支持率が低下している。

褌を締め直して補選に全力を傾注してもらいたい。その前に解散に追い込むのなら補選は行われないわけで、もちろんそれでもかまわないが、はっきり言ってそれは無理だろう。


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昨日(3月10日)は東京大空襲の日だった。今年は、TBSテレビで大空襲の特別番組が組まれたせいもあってか、ブログでも大空襲を取り上げたところが多かったようだ。当ブログでは昨年3月10日に東京大空襲を取り上げたが、昨年は大空襲を取り上げたブログはあまり多くなかったと思う。かつては、1945年3月10日の東京大空襲や、3月13・14日の大阪大空襲は、新聞などのマスコミによって大きく取り上げられていたものだ。

ところで、戦争末期に米軍が空襲を行ったのは、いうまでもないが東京大空襲や大阪大空襲だけではない。東京でも、3月10日の大空襲は下町が焼かれたのだが、4月4日には立川市が爆撃され、5月25日には渋谷など東京の山の手が大空襲を受けた。大阪でも、3月14日には港区が空襲を受けたが、6月8日には大阪市北部が大空襲を受けた。

各地にお住まいの皆さまは、ご自分の住んでおられる町が空襲を受けたかどうか調べてみられると良いかもしれない。四国・中国地方では、1945年6月29日に岡山、同7月4日には高松、徳島、高知、7月26日には松山が空襲を受けた。そして、8月6日には広島に原爆が投下されたのである。

何の罪もない市民を無差別虐殺したアメリカの悪逆非道ぶりには呆れて言葉もないが、"東京大空襲 日本は「抗議」、米は「黙殺」" と題された朝日新聞の記事によると、第2次世界大戦の末期、日本は都市部などへ繰り返される爆撃を「国際法違反だ」と米国に抗議していたが、米国は抗議を「黙殺」することを決定したという。約10万人が犠牲となる東京大空襲が始まったのは、その3日後のことだった(下記URL参照)。
http://www.asahi.com/national/update/0310/TKY200803100199.html

この記事によると、日本軍は1938年から中国・重慶などを無差別爆撃、死者は1万人を超えたとされるが、米国もこれを「国際法上の問題」と批判していたという。日本は、自国のやっていた無差別殺人に頬かむりしながらアメリカを非難したのだが、アメリカもそんな日本を非難しながら、同じことを日本に対してやったのだ。双方とも、どうしようもない外道の政治権力だったというほかない。こんな政治権力を持った国民は不幸だ。戦勝国たるアメリカの戦争犯罪に対しても、敗戦国の戦争犯罪同様、厳しくその責任を追及する必要があると当ブログは考える。ルーズベルトやトルーマンは、ヒトラーや東条英機に比すべき戦争犯罪人と評するべきだろう。

だが、日本人がアメリカの戦争犯罪の追及より前になすべきことは、日本人の戦争責任の追及だ。坂口安吾は、戦後いち早く天皇制の問題に切り込んだ作家だったが、その安吾に、「もう軍備はいらない」 (1952年)という文章がある。

東京大空襲のことを思いながら、ネット検索で行き着いたこの文章に感銘を受けた。何箇所か引用する。

 今日までの金持というものは、だいたいにねかせた財産をもち、その大小によって金持の番附がつくられるような富の在り方であった。莫大な預金、広大な所有地。そしてそれは泥棒が主として狙う富でもあった。だが、財産とか富貴というものがそれだけだとは限らない。泥棒がどうすることもできないような財産もありうるであろう。
 高い工業技術とか優秀な製品というものは、その技能を身につけた人間を盗まぬ限りは盗むわけにはゆかない。そしてそれが特定の少数の人に属するものではなく国民全部に行きたわっている場合には盗みようがない。
 美しい芸術を創ったり、うまい食べ物を造ったり、便利な生活を考案したりして、またそれを味うことが行きわたっているような生活自体を誰も盗むことができないだろう。すくなくとも、その国が自ら戦争さえしなければ、それがこわされる筈はあるまい。

(中略)

 日本という国も泥棒の心配がいらない身分におちぶれてみて、いろいろのことが分らなければならない道理であったろう。
 昔は三大強国と自称し、一等国の中のそのまたAクラスから負けて四等国に落ッこッたと本人は云ってるけれども、その四等国のしかも散々叩きつぶされ焼きはらわれ手足をもがれて丸ハダカになってからやッと七年目にすぎないというのに、もうそろそろ昔の自称一等国時代の生活水準と変りがないじゃないか。足りないものは軍艦や戦車や飛行機だけ。つまり負けるまでは四等国の生活水準を国防するために超Aクラスのダンビラをそろえて磨きあげて目玉をギョロつかせていただけのことではないか。
 人に無理強いされた憲法だと云うが、拙者は戦争はいたしません、というのはこの一条に限って全く世界一の憲法さ。戦争はキ印かバカがするものにきまっているのだ。四等国が超Aクラスの軍備をととのえて目の玉だけギョロつかせて威張り返って睨めまわしているのも滑稽だが、四等国が四等国なみの軍備をととのえそれで一人前の体裁がととのったつもりでいるのも同じように滑稽である。日本ばかりではないのだ。軍備をととのえ、敵なる者と一戦を辞せずの考えに憑かれている国という国がみんな滑稽なのさ。彼らはみんなキツネ憑きなのさ。本性はまだ居候の域を卒業しておらず、要するに地球上には本当の一等国も二等国もまだ存在せず、ようやく三等国ぐらいがそれもチラホラ、そんなものだ。大軍備、原子バクダンのたぐいは三好清海入道の鉄の棒に類するもので、それをぶらさげて歩くだけ腹がへるにすぎない。

(中略)

 けれども、現在どこかに本当に戦争したがっている総理大臣のような人物がいるとすれば、その存在は不気味というような感情を全く通りこしている存在だ。同類の人間だとは思われない。理性も感情も手がとどかない何かのような気がするだけだ。しかし私はその実在を信じているわけではない。むしろ、そういう誰かは存在しないのじゃないかと考える。それほどのバカやキ印は考えられない気になるからだ。
 けれども、日本の再軍備は国際情勢や関係からの避けがたいものだと信じて説をなす人は、こういう奇怪な実力をもった誰かの存在を確信しているのだろうか。そんな考えの人も不気味だね。同じ不気味にしても、完全犯罪狂の殺人鬼よりもそそっかしくてメンミツでないらしいので、ソラ怖しいよ。

(坂口安吾 「もう軍備はいらない」 より)

「もう戦争はコリゴリ」、それが当時の国民の圧倒的な声だったに相違ないが、日本の再軍備はその後進んで行き、現在では自衛を超えて、かつて非難し合いながら戦ったアメリカの軍事戦略に組み入れられるに至った。

そして、坂口安吾が想像もつかなかった、「本当に戦争したがっている」 化け物のような総理大臣は、坂口がこの文章を書いた54年後に現れた。その人物を、立花隆は「魑魅魍魎」と形容している。
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/06-10/061027asyura-tachibana.htm

安倍晋三は1年で首相の座を追われたとはいえ、「安倍的なるもの」は今も健在である。しかも、安倍やその前任者コイズミは、新自由主義政策をとって「格差拡大」を引き起こした。日本国民の安全は、外敵によってではなく、国の為政者によって脅かされた。現在の福田首相も、耳当たりの良い言葉を口にしているが、実行力が伴わず、コイズミや安倍が切った方向へと国は漂流している。

そして、これにストップをかけるために努力すべき野党第一党の民主党も、枝葉にばかりこだわっていて国民の不信感を招き、福田内閣の支持率が下がっているのに、民主党の支持率も下がって逆に自民党の支持率がこのところやや上昇気味だ。小沢一郎体制が求心力を失いつつあるようだが、またぞろ前原誠司が対中強硬姿勢を叫んだり憲法改定を目指す超党派の議連に参加したりしてアピールし始めた。国民が生活の改善と安定を求めているのに、ごく一部の人たちしか求めていない憲法改定にばかり執心して選挙で惨敗したのが安倍晋三だったが、このまま前原の突出がエスカレートするようでは、民主党の党勢も落ちていくだろう。民主党の政治家たちは、なぜ手をこまねいてこれを黙認しているのか。

国民が求めているものと政治とのギャップがますます拡大してきた。こういう時には、強い指導者への渇望が起きやすい。きわめて危ない状態だ。特に「リベラル」を自認する政治家や言論人の奮起が求められる今日この頃だ。


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今日(3月9日)の当地は、気温がだいぶ上がって春らしくなった。夜になって小雨が降ったが、このあと暖かくなるらしい。これまでは、雨が降るとそのあと大陸の高気圧が張り出してきて寒くなったが、天気の変化のパターンが春のものに変わってきた。

そういえば、関西では「奈良のお水取りが終わると春が来る」と言うことを思い出した。お水取りは、狭義には奈良の東大寺で3月12日深夜に井戸から香水をくみ上げる行事を指すが、この香水は福井県小浜(おばま)市から送られてくるものだ。この小浜市がアメリカ大統領選の民主党候補争いでヒラリー・クリントン氏と激戦を演じているバラク・オバマ氏を応援していることは、皆さまよくご存知だろう。昔、NHKの連続テレビ小説に「ひらり」というのがあって石田ひかりが主演していたが、彼女はヒラリー・クリントンを応援しているのだろうか?

しかし、今朝のTBSテレビ「サンデーモーニング」のトップがこのヒラリーとオバマの米大統領選民主党候補争いだったことにはちょっとがっかりした。イージス艦が漁船を真っ二つにした事件など、マスメディアはあっという間に忘れようとしているようだ。その前に騒がれていた防衛利権の闇の問題など、もう誰も触れようとしない。あまりに物忘れがよすぎるというものだ。こんな調子だったら、気がついたらいつの間にか安倍晋三が首相に返り咲いてしまうのではないかと危惧するほどだ。

世の中には、絶対忘れてはならないものがある。冤罪に問われた人たちの問題はその一つだ。「長野智子blog」 で知ったのだが、明白な冤罪事件の一つである引野口事件についての福岡地裁での裁判で5日、片岸みつ子さんに無罪判決が出て、この模様が今日午後のテレビ朝日「ザ・スクープ」の冒頭で紹介された。片岸さんは兄を殺された上、殺人犯に仕立て上げられ、夫は捜査を苦に自殺してしまった。無罪判決が出たのは喜ばしいが、失われたものはあまりにも大きい。

ましてや、番組の後半で取り上げられた御殿場事件や、瀬戸内海放送(本社・高松市)が追っている高知のスクールバス・白バイ衝突事件などは、地裁でも高裁でも有罪判決が出て、現在最高裁で争われている。

当ブログは、2月28日のエントリで、仙台の「筋弛緩剤事件」で守大助被告の上告を最高裁が退けた決定を出したことを紹介した。この事件も、「週刊ポスト」や月刊「現代」のほか、前記のテレビ朝日「ザ・スクープ」(まだ「スペシャル」ではなく通常枠で放送していた頃)でも取り上げられ、守大助さんは無実だと考えている人が多いと思うが(私もその一人である)、最高裁の決定は、ニュースなどでもさほど大きく取り上げられず、みんな忘れっぽいんだなあとため息をついた。さすがは、戦争犯罪人である岸信介(安倍晋三の母方の祖父)を、戦後十数年で総理大臣にしてしまった国民だけのことはある。

あいにく、私はものごとをしつこく覚えている人間なので、上記の冤罪事件には今後も注目していきたいし、民意を無視したKY政治をやった安倍晋三が復活を狙う動きをするたびに、安倍の旧悪をしつこくほじくり返して批判し続けていきたいと考えている。


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山口二郎というと、民主党左派のイデオローグで、そのためか保守論壇よりむしろ中道右派や共産党系の言論から批判を浴びることが多い。民主党右派に近い中道右派は、山口は高負担高福祉を主張する純粋な社民主義者で、民主党をそんな方向に持っていったら支持を失うと言う。実際には、山口二郎は福祉国家と新自由主義的国家をともに超える「第三の道」を唱導していた人ではないかと私は思うのだが。また、共産党系の人たちは、山口が消費税率引き上げを主張するのを批判する。現実にはスウェーデンの消費税率は25%、ノルウェーは24%である(但し食料品については両国とも消費税率は12%であり、スウェーデンの場合、食料品、ホテル代、交通費などは12%、書籍や新聞などと文化事業に関わる一部商品やサービスに対しては6%の税率となっている=スウェーデン大使館のHPより)。共産党支持者は、社会民主主義をとる北欧諸国よりさらに平等性の強い、共産主義に近い社会を理想としているのだろうと私は考えている。

なぜこんな前振りを書いたかというと、「世界」3月号に載った山口二郎と宮本太郎(ともに北海道大学)の世論調査を、今ごろブログで紹介しようとしているからだ。「世界」はそろそろ4月号が発売される頃で、1か月も経っているから、すでにブログでも論じられているだろうと思って検索をかけたら、案の定 「世界の片隅でニュースを読む」 に紹介されていた。
http://sekakata.exblog.jp/6797689/

これは、左側から山口を批判する立場に立って書かれたレビューである。ただ、このレビューは消費税増税の是非に論点を絞ったものである。本エントリでは論文に掲載された世論調査自体をじっくり紹介したい。

さて、ようやく本論だが、山口と宮本が行ったのは、「日本人はどのような社会経済システムを望んでいるのか」という世論調査だ。この観点は、マスコミの世論調査からは意外に抜け落ちている。世論調査はRDD法により、サンプル数は全国で1500である。政党支持率は自民党が23.7%、民主党が22.3%と拮抗しており、以下さまざまな設問に対して、全体、自民党支持者、民主党支持者別の回答結果が示されている。

小泉・安倍両政権の改革によって、日本の社会がどうなったかという問いに対しては、「経済的な活力が高まり、豊かさを取り戻した」という選択肢への賛意は、全体で7.8%、自民党支持者でも14.0%に過ぎず、民主党支持者では5.9%である。一方、「貧富の差や都市と地方の格差が広がった」という選択肢には、全体で64.9%、民主党支持者では70.1%、自民党支持者でも58.9%が賛成している。要するに、自民党支持者でさえ、小泉・安倍の「改革」は失敗だったと考えているということだ。

「改善すべき日本型制度」については、「競争原理を導入し、平等の行き過ぎを見直すこと」が全体で10.6%(自民党支持者16.8%、民主党支持者6.4%)、「公的な社会保障を強化する」が全体で36.7%(自民党支持者28.4%、民主党支持者37.5%)となっている。

「生活の脅威」については、「年金制度の破綻」が最多で、全体で55.6%(自民党支持者で51.7%、民主党支持者で60.6%)、次いで「医療の崩壊」が全体で34.5%(自民党支持者で31.1%、民主党支持者で38.4%)、以下、環境破壊(30.7%)、財政赤字(29.1%)、経済の停滞(16.2%)、治安の悪化(15.6%)と続き、「外国の脅威」は挙げられた選択肢の中では最低の7.4%(自民党支持者11.2%、民主党支持者5.6%)に過ぎない。この中で、「経済の停滞」と「治安の悪化」については自民党支持者で高い数字を示すが、「財政赤字」はむしろ民主党支持者の方が数字が高い。

さらに、「日本のあるべき社会像」では、「アメリカのような競争と効率を重視した社会」が全体で6.7%(自民党支持者6.3%、民主党支持者5.5%)、「北欧のような福祉を重視した社会」が全体で58.4%(自民党支持者50.3%、民主党支持者61.3%)、「かつての日本のような終身雇用を重視した社会」が全体で31.5%(自民党支持者41.4%、民主党支持者31.5%)となっている。

ここで非常に面白いのは、アメリカ型の競争社会をよしとする新自由主義的意見を持つ人は、民主党支持者(5.5%)ばかりか自民党支持者(6.3%)までもが全体(6.7%)を下回っており、きわめて少ないことだ。まさか社民党や共産党の支持者がこんな選択肢を選ぶはずがないから、唯一可能な解釈は、42.2%を占める「支持政党なし」の層にこの選択肢を選んだ人が比較的多いということになる。つまり、新自由主義の政治勢力を支えているのは無党派層なのである。自民党支持者で多いのは、北欧型の福祉国家に次いで「かつての日本のような終身雇用制を重視した社会」であって、高年齢層が中心だと思うが、これが保守の保守たるゆえんだと思う。そして、現在の新自由主義政党化した自民党は、もはや彼らの要求にこたえるものではなくなっているのである。

最後が「社会保障の財源」で、「行財政改革を進めるなど国民の負担を増やす以外の方法を採るべき」が最多で全体で44.0%(自民党支持者35.0%、民主党支持者45.9%)、以下、「消費税ではなく、法人税や所得税など裕福な人や企業に負担させるべき」が全体で35.4%(自民党支持者35.4%、民主党支持者37.6%)、「消費税率の引き上げはやむをえない」が全体で17.5%(自民党支持者26.5%、民主党支持者15.3%)と続き、「そもそも今の社会保障で十分」は全体でわずか2.0%(自民党支持者2.3%、民主党支持者1.2%)である。

前掲の「世界の片隅でニュースを読む」は、これをとらえて、山口の主張する消費税引き上げは民意に反すると主張するのだが、順序として行財政改革(但し社会保障削減を伴わない)、法人税引き上げや所得税の累進性の再強化と進み、それでも足りない場合に消費税増税という選択肢が出てくるのではないか。その前に、米国債の売却を行うという選択肢があってしかるべきではあるが。現実問題として、コイズミがやったように、行財政改革は往々にして社会福祉の削減などの公共サービスの低下を伴う。「カイカク」の実態に注意する必要があるのだ。

また、昨日のエントリも触れたが、同じ「世界」3月号に掲載された大瀧雅之が指摘しているように、教育や介護といった民営化に適さない分野の民営化が大きな問題を引き起こしていることを忘れてはならない。教育については、80年代にサッチャーが始めて大失敗に終わった教育カイカクに、四半世紀も経ってから追随しようとした安倍晋三や、その協力者として視察団を率いてイギリスを訪問した平沼赳夫らは大馬鹿者もよいところであって、サッチャーの教育カイカクは教育に市場原理を導入しようとしてイギリスの教育を荒廃させたのである。だから、安倍晋三のみならず平沼赳夫も実質的に新自由主義者であると私は考えている。民主党に平沼一派と組もうとする動きがあるとも噂されているが、とんでもない話だ。

話を山口二郎らの調査結果に戻すと、この世論調査は、誘導尋問的な選択肢が散見されるとはいえ、非常に面白いものだ。民意は新自由主義の社会など全く望んでおらず、旧来自民党的な終身雇用を前提とした社会や北欧的な高福祉社会への指向がきわめて強く、年金問題や医療の問題への関心が高いことがわかる。これらが、昨年の参院選で民主党の圧勝と自民党の惨敗をもたらしたことは明らかだ。但し、民主党支持者はその一方で「大きな政府」への警戒心も今なお強く、そこを「小さな政府」を標榜する新自由主義勢力に突かれているというのが、現在の政治の状況だろう。

参院選の時点では、安倍自民党が新自由主義指向、転向した民主党が福祉国家指向と分かれるかに見えたが、その後福田首相が「カイカク」色を薄めると、「せんたく議連」などという新自由主義色の強い超党派の集団が現れるなど、自民党と民主党が入り乱れた混乱状態が始まり、それに乗じて「改憲」で超党派議連を作る流れまで生じるなど、すっかり混迷した政治状況になった。

何より、新自由主義勢力の後退に焦ったマスコミが、アメリカのサブプライム問題に起因する日本株価の低迷を「福田政権がカイカクを後退させたから株価が下がった」などというデマを垂れ流してまで、新自由主義勢力の応援に必死だ。こんな宣伝にダマされてはならない。


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今年の春闘に関して、福田康夫首相は、経団連会長の御手洗冨士夫に、「景気浮揚のためにも春闘に期待する」と述べ、賃上げへの協力を求めた(以下毎日新聞記事)。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080307k0000m020115000c.html

以下引用。

春闘:福田首相、経団連会長に賃上げを要請

 福田康夫首相は6日夕、官邸に日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)を招き、「景気浮揚のためにも春闘に期待する」と賃金上げへの協力を求めた。これに対し、御手洗会長は「経済状況は厳しくなっているが、余力のあるところは賃上げに努力する」と述べ、「財政状況が厳しいのは承知しているが、政府も賃金の上昇が手取りの増加に結びつくように、(所得税)減税などを検討してほしい」と要望した。

 春闘に絡み、首相が経営側に賃上げの対応を求めるのは異例。

 福田首相は同日付のメールマガジンでも「企業と家計は車の両輪。給与引き上げの必要性は、経済界も同じように考えているはず」と語っている。【内山勢】

(毎日新聞 2008年3月6日 21時00分)

2002年1月から、戦後最長の景気拡大期に入っていることになっているが、給与所得者の平均年収は9年連続で減少している。1998年というと、参院選の自民党惨敗を受けて首相になった小渕恵三が対米盲従の新自由主義政策を始めた年で、この小渕はのちのコイズミの極端な新自由主義のさきがけとなる悪政を行った政治家であり、私なら戦後日本を悪くした首相の五本の指に数え入れる(他に岸、中曽根、コイズミ、安倍)。

福田首相の発言は、急落している内閣支持率を回復させるための人気とりと評するむきもあると思うが、少なくとも日本をぶっ壊したコイズミや、ホワイトカラー・エグゼンプションを「残業時間が減って、少子化対策になる」などとほざいた頭の弱いアベシンゾーとは異なって、まともな感覚を持った政治家であることを示している。この意見は正論そのものであって、新自由主義経済人の代表格である御手洗は苦虫を噛み潰したような顔でこの言葉を聞いたに相違ない。

ところで、私は上記の毎日新聞記事に「はてなブックマーク」をつけたのだが、今見ると、「国の関与主義もここまできたか とても自由主義経済じゃねえな」などというコメントをつけている人がいるのを見て腰を抜かすほど驚いた。この人は、長年にわたって行われた新自由主義のプロパガンダにすっかり洗脳されているのだろう。資本の論理をもっともっと暴走させて、国民生活が破壊されることを受け入れよと言っているのも同然なのだから。

今日はもう一つ、福田首相を見直す材料を紹介したい。昨日のエントリ "日本国民はコイズミの復活を許すな" に、nesskoさんのブログ 「一人でお茶を」 から "福田首相の「賢政」" と題した記事のトラックバックをいただいた。
http://d.hatena.ne.jp/nessko/20080306/p1

これは、岩波書店の月刊雑誌「世界」の3月号に掲載された、東京大学の大瀧雅之教授の論文 "「金融立国論」批判" 中の注釈で、サブプライムローン問題に対する福田首相の対応を大瀧教授がほめたものだ。以下引用する。

 こうした狂騒(筆者注:サブプライム問題をめぐるアメリカ金融市場の混乱)の中、福田康夫首相の株式・商品市場のヴォラティリティー(脆弱性)への距離を置いた冷静的な対応は、近年まれに見る「賢政」である。金融経済学者や労働経済学者(最低賃金と生活保護および障害者自立支援法にまつわる彼らの議論・答申を看過しないで頂きたい)の目を覆い耳を塞ぎたくなるほど露骨に営利企業の意を汲んだ発言や答申に対して、新聞報道の限りだが、福田現首相はたしなめるようにきわめて常識的な対処で臨んでいる。

 サブプライム問題の端緒は小泉・安倍政権時代のものであるから、現在の喧噪は福田内閣の施政とは全く無関係である。つまり「市場原理」の貫徹が「構造改革」のうたい文句だが、サブプライム問題による邦銀の動揺は、小泉・安倍政権時代に金融業に不公正な保護政策がとられていたことの証左である。金融資産市場の動揺(特に株価の下落)が「構造改革」に不熱心な福田内閣の責任との暴言も相次いでいるが、上述の因果から考えれば、むしろ市場不介入を維持するのが「構造改革」の筋ともいえるのではないか。

 なお余談だが、筆者がもっとも民営化に不適と考えていた「教育」や「介護」の株式会社化・民営化が、大変なスキャンダルを巻き起こしていることに留意されたい。メディアは一部の不心得者の仕業として処理しようと目論んでいるが、経済理論から素直に考えればこうした悲喜劇は個人でなくシステムの問題である。

 (引用元:大瀧雅之「「金融立国論」批判」 岩波『世界』2008年3月号=「一人でお茶を」経由)

書店には、まだ「世界」3月号が置いてあったので、さっそく買い求めて該論文を読んでみた。サブプライム問題とは、「モノライン」と呼ばれる債務保証会社が、本来無価値同然の派生金融商品に債務保証という錬金術を施したことによって生じたバブルであって、弾けるべくして弾けたものだというのが、大瀧氏によるこの問題の解説だ。モノライン各社には、高い社債格付けがついており、現在、その格付けが引き下げられたとかで騒いでいるが、もともとの高い格付け自体がデタラメだっただけの話で、新自由主義の世界の馬鹿騒ぎには毎度のことながら呆れる。「金融経済学者や労働経済学者の目を覆い耳を塞ぎたくなるほど露骨に営利企業の意を汲んだ発言や答申」というのは、新自由主義者のご都合主義への痛烈な批判であって、新自由主義が立脚している新古典派経済理論によれば、その種の金融機関救済策を政府がとることこそ、政府の市場への介入だろう。ところが、新自由主義者はそんな矛盾を平気で犯すのである。その最悪の例が、1998年にアメリカのヘッジファンド、LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)が破綻した時に、アメリカ政府が救済のために巨額の資金を注入したことだ。新自由主義とは、「頑張った者が報われる社会」を目指すものなどではさらさらないのである。

それを考えれば、「何もしなかった」福田首相こそ、「構造カイカク」の本来あるべき精神に忠実だったといえるワケで、福田首相が「構造カイカク」に不熱心だから景気が後退したなどというのは、新自由主義者の言いがかりに過ぎないことがよくわかる。だが、恥知らずにもそんな言説をばら撒いているのが、竹中平蔵であり、その走狗の田原総一朗や朝日系メディア(テレビ朝日及び朝日新聞社)なのである。

何だか、「自End」ブログにあるまじき、福田首相擁護のエントリになってしまったが、福田康夫というのは、是々非々とはいわぬまでも、是非々々くらいのスタンスをとれる対象だ。これがコイズミや安倍だと「非」をいくつつけても足りないくらいだから、6年半にわたった「コイズミ?安倍時代」が終わったのは、まあ良かったことなのだろう。問題は、福田康夫にはコイズミや安倍が進めてきた悪い流れを止める力がないことであり、福田政権を批判するなら、経済軸の「右側」からではなく、福祉国家を目指す側からの言論を展開していかなければならないと思う今日この頃だ。


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このところの政治をめぐる言論の閉塞状況はますます強まるばかりだ。

毎日新聞調査で、福田内閣に対する不支持率が5割を超え、いよいよ内閣が末期症状を呈してきたが、安倍内閣当時には対決色を鮮明にしていた野党第一党の民主党が、昨年秋の「大連立」構想露呈以来、玉虫色の態度をとっているせいもあって、メディアの報道は受け皿を必ずしも民主党に求めず、あろうことかコイズミの再登板を待望する声を取り上げたりする。

昨日(3月5日)に立ち読みした週刊誌の中で特にひどかったのが「週刊朝日」で、同誌は、英「エコノミスト」誌の記事を引用しながら、外国人が、3年前の総選挙(郵政選挙)で日本はやっと資本主義国になったと言うだの、コイズミの再登板はいつかと聞くだのと書いて、臆面もなくコイズミをマンセーしている。唯一同意できるのは、安倍晋三について、信じられないことにまだ復権する資格があると本人が考えているらしいとの外国人の見方を紹介した箇所だけだった。彼らが日本の政治家で好ましくないと考えているのは、一に安倍、二に小沢一郎・民主党代表、三に旧来自民党の政治家たちということらしく、要するにコイズミの復帰を期待しているということだ。同じ記事中のコラムで、田中秀征が「リベラル」と「改革」を軸とした第三極の結集が必要、と書いている。田中は、コイズミや細川護熙に近い人物である。

「PledgeCrewの日記」 が、このところの福田内閣支持率の急落に触れて、下記のように指摘している。
http://d.hatena.ne.jp/PledgeCrew/20080228

しかし、前の安倍内閣の支持率急落と現在の福田内閣支持率とを、前の前の小泉内閣での異常に高い支持率が持続したことと比べて見ると、このような数字の急激な変動は、一部の野党支持者らが考えているように、必ずしも手放しで喜べるようなものではないのではという気がする。

つまり、今なお国民が求めているものは、安倍のような「空気が読めない」指導力の弱い指導者でも、福田のような調整型で、あまり個性が感じられずアピール力に欠けた指導者でもなく、まさに小泉のように機を見るに敏で、策略に長け、扇動もうまい「強力な指導者」だということになりはしないだろうか。

そのことは、最近のあちらこちらの地方選挙の結果でも、証明されているように思える。

(「PledgeCrewの日記」 2008年2月28日より)


残念ながら、この指摘は当たっていると言わざるを得ない。ついこの年末年始には、NHKの名番組 「ワーキングプアIII」 (当ブログでも昨年12月17日のエントリで紹介)やTBSの「サンデーモーニング」が新自由主義の問題点を痛烈に批判し、週刊東洋経済の新年号が 「北欧はここまでやる」 という大特集を組む(当ブログでも1月10日付エントリで紹介)など、時代の流れは新自由主義の否定、福祉国家への方向転換へ向かうかと思われたが、それはほんの一時的な現象にとどまってしまった。

私は、民主党が道路問題に焦点を絞ったためにこんなことになったのではないかと思う。この件に関して、当ブログは広島のさとうしゅういちさんから、民主党は「道路作るな主義」など訴えていないとお叱りを受けた。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-583.html#comment2864

しかし私には、この問題についての民主党の主張に呼応して、昨年の新自由主義批判から旧来自民党的体質への批判に重点を移した人たちも結構いて、それがコイズミ復活待望論の呼び水になっているような気がしてならないのである。自民党では、昨年までコイズミを厳しく批判していた加藤紘一の動きがこのところおかしいのが気になる。

一昨日のエントリで、テレビ番組がちょっと年金問題を取り上げただけで当ブログのアクセス数が一時的に急増したと書いたが、民意はやはり「消えた年金」問題や格差解消を強く望んでいる。たとえば年金問題で、大村秀章や片山さつきなどの自民党の論者を一蹴した長妻昭などは、民主党の期待の星だと思うが、なぜか民主党は自らの得意分野である年金問題をフィーチャーしようとせず、政界再編をにらんでか、自民党と妙な裏工作にばかり精を出しているようにしか見えない。だから、問題を解決してくれる強い指導者を求める声が高まってくる。そして、前記「週刊朝日」のようなマスコミが、コイズミ復活待望論を煽り始めた。悪い方、悪い方へと流れが向かっている。

米民主党のバラク・オバマが呪文のように "change" を唱えて支持を集めているのを見て、コイズミのワンフレーズ・ポリティクスを連想して危うさを感じる、と指摘する人は多いが、オバマとコイズミでは政策のベクトルが正反対であることに留意すべきだ。一昨日(日本時間では昨3月5日)の「ミニ・チューズデー」ではヒラリー・クリントンが踏みとどまったが、オバマが有利になるたびに「オバマ氏に暗殺の危機高まる」とか、「オバマ発不況が到来する」という記事がマスコミに現れるのにもうんざりする。そんな回りくどい言い方をせずに、「オバマには大統領になってほしくない」とはっきり書けば良いではないか。

それはともかく、オバマにしてもクリントンにしても、目指しているのは中産階級の再興だ。ところが、「カイカク」を唱えながらコイズミが行ってきたのは、中産階級の破壊だったのだ。そこがポイントである。私は米民主党候補にオバマがなるかクリントンがなるかより、彼らのいずれかが、またぞろ「規制緩和」などを唱えて新自由主義色を明確にしたマケインを倒せるかの方が重要だと思う。そして、日本人にとっては、いつコイズミ政治を総括して、コイズミの呪縛から抜け出せるか。それが大きな課題だと思う。

「脱コイズミなくして国民の幸せなし」。こう強く主張したい。


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安倍晋三が町村派に復帰するらしい。
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2008/03/04/20080304ddm005010121000c.html

上記の毎日新聞の記事によると、首相就任と同時に森派(現町村派)を離脱した安倍は、昨年9月の首相退任後も無派閥のまま、福田首相と距離を置く中川昭一元政調会長らの勉強会「真・保守政策研究会」に出席するなどして、実質的に町村派のオーナーである元首相・森喜朗の不興を買っていたようだ。そのため、安倍の動きを封じるために森が安倍を町村派に復帰させようとしているのではないかと毎日新聞は見ているようだ。一方、時事通信は単純に、安倍が政治活動を本格化させるため復帰を決意したのではないかと見ている。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008030300803

当ブログとしては、毎日新聞の見方に軍配を上げたい。この手の水面下の動きに関しては、森喜朗と安倍では、その巧拙に大きな差がある。安倍など、森からすれば赤子の手をひねるようなものだろう。

ところで、このところ拡大しつつある超党派の動きの中には、憲法改定を狙うものもある。中曽根康弘が会長を務める新憲法制定議員同盟、自民党議員やOBで形成されていたのだが、4日、国会内で総会を開き、新たな役員として、鳩山由紀夫(民主党)や亀井静香(国民新党)を顧問に、前原誠司(民主党)らを副代表に迎え入れることにした。
http://www.asahi.com/politics/update/0304/TKY200803040304.html

90歳に手が届こうかという中曽根は今でも意気盛んで、大改憲連合を作ろうとしている。人生最後の仕事のつもりなのだろう。

ところが、上記のリンクを張った朝日新聞の記事にあるように、総会には安倍晋三も出席し、「改憲は私のライフワーク」と述べたらしいのだ。安倍は、生活問題を何とかしてほしい、という国民の願いをそっちのけにして、ひたすら憲法改定にのみこだわった「KY政治」をしたあげく、参院選で大敗して首相の職を追われたことについて、全く何の反省もしていないようだ。

このように、あつかましくも復権を付け狙う安倍が重要視していると思われるのが、先日の岩国市長選に出馬して当選した福田良彦氏が衆議院議員を自動失職したために、(それまでに衆議院の解散がない限り)4月27日に行われることになった山口2区の補選だ。すでに民主党は比例中国ブロックの平岡秀夫衆院議員が立候補を表明しているが、自民党は山口県出身の官僚・山本繁太郎氏に立候補を要請するようだ。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news-spe/iwakuni/08/iw_08_08030101.htm

この記事によると、自民党では安倍晋三の弟である岸信夫参院議員の出馬まで期待していたらしいが、擁立には至らなかったようだ。民主党は、岩国市長選では井原勝介前市長に対してなぜか本腰を入れて応援しようとせず、その結果選挙は残念な結果になってしまったが、ここで山口2区の補選まで落とすようでは、ますます安倍の復権に手を貸してしまうことになる。特に平岡秀夫は民主党にあっては前原誠司が代表を務めていた頃の改憲路線に異を唱えた人物でもある。

とにかく、安倍晋三を「過去の人」などとなめていたら痛い目に遭う。民主党は山口2区の補選には全力を挙げてもらいたい。


[参考記事]
「カナダde日本語」 より
"安倍晋三の復帰を祝して(自滅)" (3月4日)
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-804.html


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今年に入って、いわゆるリベラル・左派系の政治ブログが低迷している。当ブログへのアクセス数はピーク時の6割程度まで減っているが、これは何も当ブログに限った話ではなく、各種ブログランキングの得点を見ても、政治ブログは全体的にアクセスが減っているように思われる。

今年に入って、民主党は与党との論戦の争点を「道路特定財源制度」に絞った。多くのブログでも、この問題に焦点を当てた記事がずいぶん公開されたが、大きく盛り上がることはなかった。沖縄米軍の女子中学生事件やイージス艦の衝突事件は、道路問題よりはよほど関心を集めたが、世論への影響力はごく限定的だった。

ところが昨日の午後9時から10時までの時間帯に、突如として当ブログへのアクセスが急増した。その理由は、テレビ朝日の「TVタックル」で「消えた年金」問題が取り上げられ、民主党の長妻昭、山井和則両議員と自民党の大村秀章、松浪健太両議員が論争を展開したからだ。このメンバーでは勝負にならないことは当然で、番組に出演していた弁護士の谷澤忠彦氏は、自民党の2人を厳しく叱責していた。大村の、一方的に噛まれる「ウナギ犬」ならぬ噛ませ犬ぶりは今回も健在で、なぜ自民党がこんな男の出演を認めたのかよく分からないが(確か参院選前はテレビ出演禁止だったはずだ)、ほとぼりもさめた頃とでも考えたのだろうか。

大村は、昨年6月に「サンデープロジェクト」で行われた長妻昭との論戦にも完敗したのだが、そのことに触れた記事を、「kojitakenの日記」 でPRしたせいもあってか、ブログへのアクセスが急増した。

多くのアクセスをいただいた当ブログのエントリは下記である。
"自民党の「年金問題の切り札」・大村秀章の醜態"
(2007年6月17日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-373.html

但し、昨日の「kojitakenの日記」では触れなかった同ブログの記事 「2ちゃんねるの大村秀章スレッド」 にまでアクセスがあったから、テレビで大村を見て呆れた人がネット検索で該記事を発掘してくれたものだろう。

新しく公開するエントリよりも過去のエントリの方がアクセスを集めたわけだが、他の案件と比較して、年金問題や社会保障の問題に対する国民の関心がきわめて高いことが改めて示されたと思う。

振り返れば、民主党は「国民の生活が第一」と訴えて、昨年夏の参議院選挙で圧勝した。しかし、その後の同党は、小沢一郎代表が「ISAFへの自衛隊参加」で物議をかもしたり、福田康夫首相と共謀して「大連立」を成立させようとするなど、迷走が目立った。今朝の新聞が「せんたく」と「せんたく議連」の合同発足総会を伝えているが、これは「大連立」構想へのカウンター的側面も強いだろう。民主党からは野田佳彦氏や枝野幸男氏のほか、顧問に岡田克也、前原誠司両氏が名を連ねている。一時、小沢一郎に接近したとの観測もあった前原氏が加わったことが、私の目を引いた。

しかしながら、「せんたく」には悪名の高い松沢成文や東国原英夫が名を連ねていることからも分かるように、ネオコン、ネオリベ的な性格も持っている。たびたび書くが、アメリカの政党でいうなら共和党的な集団だと思う。一方で、昨年夏の参院選の結果に示された民意は、新自由主義から福祉国家指向への政策転換を促すものだ。その間には、大きなギャップがあると思う。

野党第一党にして参院の与党である民主党は、参院選後、単なるPR不足なのか、本当におろそかにしていたのかはわからないが、いまいち国民に真剣さが伝わってこない社会保障問題への取り組みに全力を傾注し、国民にアピールしてほしいものだ。


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イージス艦衝突事件については、防衛省の無責任な隠蔽体質もさることながら、石破茂防衛大臣および福田康夫首相の能天気な対応が信じられず、マスコミも世論も石破や福田に対する追及で一気に盛り上がるものと思っていた。しかし、今日(3月2日)の政治番組を見ると、そうとばかりもいえないようだ。

フジテレビの「報道2001」では、先週、石破が(捜査権のある)海上保安庁が捜査していることを理由に、乗組員と接触していないだの、情報が入ってこないだのと嘘をつきまくっていたビデオが流され、司会の黒岩祐治アナウンサーが石破を追及していた。

「現時点で乗組員に接触していない」と述べていたことを黒岩アナに突っ込まれた石破は、「今この瞬間と言えば良かった。質問を受けた時点ということだ」と釈明したが、「今この瞬間」、すなわちテレビに出演している瞬間に乗組員と接触できないなどということは当たり前のことだ。この馬鹿げたイイワケには、黒岩アナもあきれ返っていた。

しかし、番組に寄せられたファックスなどには、石破を激励する意見も結構あった。それに続くNHKやテレビ朝日(田原総一朗)の番組でも、石破の責任が厳しく問われたとは言い難かった。信じられないことに、マスコミは、石破が防衛省の体質の「改革者」であるかのようなイメージ作りをしており、石破はそれに守られている、そんな印象さえ受けた。フジテレビの世論調査でも、石破が防衛大臣を「辞任すべきでない」とする意見が60%以上だったそうだ。

こんなマスコミ人の態度や世論などを見ていると、自分がすごい右翼のように思えてくる。なぜなら、私は自衛隊とは祖国を、そして国民を守る組織だと考えているからで、その自衛隊が、あろうことか自らの過失によって、漁船を真っ二つにへし折って、漁民2人を行方不明にしてしまったのだ。絶対あってはならない事故だし、自衛隊や防衛省の責任は、いわゆる「左右」の立場を超えて厳しく追及されてしかるべきだと思った。そして、こういう思いは、少なからぬ非武装中立論者のいる左派よりも、右派の方が強いのではなかろうか、事故が起きた時、とっさにそう思った。

しかし、実際に右派、特にネット右翼から沸き起こったのは、漁船の「自己責任論」なるとんでもない新自由主義的意見だった。リアルの右派論者でも、産経文化人として著名なクライン孝子は、「さるさる日記」で漁船の自己責任論を撒き散らしている。産経新聞社自体は、そのような立場はさすがにとっていないが、同紙の花岡信昭記者は、沖縄米軍兵士による女子中学生暴行事件で、女子中学生の自己責任論を唱えていた。クラインの論理は、花岡の女子中学生自己責任論を敷衍すれば自然に行き着くものであり、それを 「bogusnews」 に痛烈に皮肉られた。
http://bogusne.ws/article/85060453.html

さすがに、クラインや花岡の正気とは思えない主張に眉をひそめる、健全な保守の方もおられる。
http://d.hatena.ne.jp/nessko/20080301/p1

こういう意見が地方の保守の感覚だろう。東京で思いっきり新自由主義に毒された産経新聞の記者や、遠くドイツから怪電波を飛ばす学歴および職業不詳の怪女は、「ぶっ飛んでいる」というほかない。

しかしそれにしても都会の右派やマスコミの不感症には呆れる。女子中学生の事件では、昨日(3月1日)の読売テレビ(日本テレビ系)「ウェークアップ!」で、司会の辛坊治郎やコメンテーターが「加害者が日本人だったら、報道もされていない事件だ」などとノタマっていたのには、頭に血が昇った。こういう日本人としての誇りも何もない人間が、保守の論者として通用している。私はよく、「お前は左翼だ」と言われるが、クラインや花岡、辛坊らの方がよほどサヨクで、私自身はゴリゴリの右翼ではないかと思ってしまう。彼らの倒錯ぶりには、頭がくらくらする思いだ。

一方、左翼からすると、この問題を突っ込むことは、自衛隊違憲論や非武装中立論と齟齬をきたすという思いがあるのかもしれず、だから追及が鈍るのかなと勘繰ってしまう。私自身は、自衛隊は警察力に限定する程度に縮小する方が良いとは思うが、自衛権自体は認められるべきであると考えている。いずれにしても自衛隊が祖国を防衛し、国民の生命を守るという使命を帯びており、その任務はきわめて重大だ。

そう思うからこそ、事故の真相解明および防衛省や石破の責任追及は、与野党を問わず真剣にやってもらいたいと思う。特に、何度も書くことだが、防衛省の隠蔽工作に積極的にかかわったようにしか見えない石破には、危機管理能力が全くないことがはっきりした。事故の真相を解明するためには、石破の行動も厳しく検証・批判し、最終的には防衛大臣を辞任してもらわねばならない。

最後に、当ブログの読者からも、管理人同様、石破や福田康夫の危機管理能力に疑問を呈するコメントが寄せられているので、これを紹介したい。いずれも、一昨日のエントリ "危機管理能力ゼロの石破茂、福田康夫、それに自民党" へのコメントである。

まず、観潮楼さんのコメント。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-580.html#comment2846
にもかかわらず、TV・ラジオでは「被害者家族が言ってるから」と
石破をかばう声の意外にしぶといこと。
そんなに国家にへつらって何のメリットがあるかと言いたい。
昨日の『毎日』にあった与良正男の『発信箱』を読んで
考え直したほうがいい。

続いて、ブログ 「Dendrodium」 の管理人・わこさんのコメント。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-580.html#comment2855
kojitaken様の仰る通り、石破防衛相だけでなく、福田総理にも危機管理能力が全く無い事を痛感させられています。
此れが国家間のことであった時のことを想像すると、ぞっとするような無能ぶりですよね。

最後に、JMaEndさんのコメント。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-580.html#comment2856
石破、福田の無能を痛感する人が
多ければいいんですが石破をかばう人
は多いんです。ネットウヨみたいな人
ばかりではない感じです。
この見る目なさの方が深刻かと思いました。

皆さん揃って愛国者だなと思うが、残念ながらこういう声は主流にはなっていないようだ。

こんなことで良いのだろうか。


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月初の日が土曜日にあたり、月ごとのブログアクセスデータをまとめるのにちょうど良い日だった。

昨年は毎月当ブログにアクセスデータをまとめた記事を公開していたが、アクセス解析の結果、この種の記事は読者に特に不人気であることがわかったので、今年は裏ブログ 「kojitakenの日記」 で主要データだけ簡単にまとめることにした。2月度のデータについては下記URLの記事に一部を公開している。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20080301/1204338241

アクセス解析の詳細なデータは公開していないが、昨年後半からエントリ毎のアクセスデータを集積しており、どのエントリが長期にわたってアクセスをいただいているか、どういうエントリに人気がないかがわかって興味深い。

もっとも人気がないのは、お知らせの記事およびアクセス解析の記事である。次いで人気がないのは、ブログ論の記事。よく、書く材料がなくなると、ブログ論をぶつ人がいるが、そういう記事はあとから参照されることはほとんどないだろう。スローガンの連呼やバナーの宣伝だけでは、ブログは生き残れない。

この伝でいくと、当エントリなどはすぐに忘れ去られる運命にあるのだが、だからこそアクセス数の少ない土曜日に、軽い気持ちで書き飛ばしているのである(笑)。

公開直後にアクセスが殺到するのは、人気ブログからリンクを張られたり、「はてなブックマーク」 を多数いただく場合などだ。一方、長期にわたってアクセスされるのは、公開直後のアクセスだけではだめで、多くのリンクを張られて、検索エンジンで上位でひっかかる記事として生き残らなければならない。よく、SEO (Search Engine Optimization, 検索エンジン最適化)がどうのといわれるが、私はものぐさなので、そんなものを研究したことはない。ただ、タイトルのつけ方とタグには注意を払っている。

ブログのアクセス数には波があって、当ブログの場合は参院選が行われた昨年7月と、前首相・安倍晋三が辞意を表明した昨年9月にアクセス数のピークがあったが、この時期に書いた記事は現在ではあまり参照されていない。むしろ、安倍内閣発足後2か月後くらいの一昨年11月頃に書いた小泉政権と対比しての安倍政権論や、昨年12月頃に書いた新自由主義や格差問題、それにポピュリズムや陰謀論について論じた記事などが生き残っている。

私は、古い記事がどれくらい参照されるかがブログの優劣を決めると考えている。当ブログについては、古い記事で長く生き残っているものは、おそらく平均的なブログよりはちょっと多い部類だとは思うが、満足できるレベルには遠く達していない。

ブログのアクセスデータを見ながら、息の長いブログにするための道のりは果てしなく遠いなあと思う今日この頃である。


※重要なお知らせ

当ブログへのコメントにおいて、「名無し」及び「通りすがり」を禁止ワードに設定しました。これらの言葉がコメント中にあると、コメントは受け付けられません。当ブログへのコメントでは、これらの言葉を用いないように注意してください。よろしくお願いします。


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