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きまぐれな日々

1月31日、朝日新聞・日本経済新聞・読売新聞が共同で運営する日経・朝日・読売インターネット事業組合は、ニュースサイトの「新s あらたにす」を開設した。
http://allatanys.jp/

月間400万PVを目指しているそうだが、3新聞社が運営しているウェブサイトへのリンクが張ってあるだけのものだ。私はブックマークする気にさえならなかった。

私にとっては、全国の地方紙と共同通信によるサイト 「47news」
http://www.47news.jp/

や、毎日新聞のサイト
http://mainichi.jp/

のほうが、よほど有用だ。朝日新聞が日経や読売と共同運営のサイトを始めると発表したのは昨年だが、それ以来朝日は主張に新自由主義色を強め、政治思想的にも従来のリベラル色が薄まってきたように思う。

たとえば、大阪府知事選で橋下徹が当選したことを受けての社説で、毎日新聞は過去に橋下が行った極右的発言を指摘したが、朝日新聞はこれをスルーした。
毎日新聞 1月28日付社説 「大阪府知事選 タレント知事で終わるな」
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080128ddm005070150000c.html
(以下一部引用)

 橋下氏も官僚出身ではない点は共通しているが、知事になって、一体何をやりたいのか。選挙戦を通して一番肝心なそこが明確に伝わらなかった。
 タレント時代には、核武装を主張したり、山口県光市の母子殺害事件で被告弁護団の懲戒請求を呼び掛けるなどの過激な発言が批判を浴びた。それを指摘されて「あれは話芸」と弁明したことも記憶に新しい。
 テレビ番組受けする発言で耳目を引くやり方は、知事としては通用しない。タレントではなく、どんな知事を目指すのか、直ちにその行動が問われることを肝に銘じなければならない。

朝日新聞 1月29日付社説 「大阪府知事―言葉は重いぞ、橋下さん」
http://www.asahi.com/paper/editorial20080129.html#syasetu2
(以下一部引用)

 橋下氏の心配なところは、言葉の軽さだ。知事選への立候補が報道されたとき「2万%ない」と否定しておきながら、すぐに前言を翻した。
 当選後には、二重行政の解消などの公約実現を「かなりハードにやる」と述べた。今度は「あれは話芸だった」ではすまされない。知事の言葉の重みを肝に銘じ、新風を吹き込んでほしい。

両者を比較してみたらわかるように、朝日の社説は橋下の「言葉の軽さ」は批判しているが、その内容は批判していない。

もちろん、朝日にも良いところがあって、2月1日付の社説 「教育再生会議―安倍氏と共に去りぬ」 で、
 安倍氏が熱心だった徳育の教科化は、最終報告の提言にも盛り込まれている。だが、文科省も中央教育審議会も消極的で、見送られる公算が大きい。
 時の政権の影が色濃ければ、その行く末も政権とともにあるものだろう。福田政権になって、文科省や官邸はすっと距離を取り始めた。これに対し、委員からは不満や恨み言が聞かれた。
 しかし、どうだろう。提言そのものに力があれば、旗振り役の安倍氏が去っても、その提言は世論の支持を得たのではないか。結局、提言には見るべきものがなかったということだろう。
と、歯切れよく前首相・安倍晋三が主導した教育再生会議をネガティブに総括しているのは評価できる。ただ、本当は教育再生会議には、「見るべきものがなかった」どころか、きわめて危険な方向性を持っており、それを批判してほしかったのだが、今の朝日にはそこまで期待できない。しかし、この件を取り上げていない毎日新聞よりは評価できる。

本当は、朝日と日経・読売なんかの比較ではなく、リベラル寄りとされる朝日・毎日・中日(東京)の3紙の社説を比較して、いずれの主張にもっとも見るべきものがあるかと比較したいところだ。現状では、中日>>毎日>朝日の順番だと思う。昨年2月、朝日新聞はしきりに民主党の菅直人に東京都知事選出馬を促していたが、もしあの時菅氏が出馬していたら、民主党左派は壊滅的打撃を受け、参院選での民主党大勝もなかったのではなかろうか。

朝日新聞は、「あらたにす」を宣伝する1月31日付の社説 「あらたにす発足―言論の戦いを見てほしい」 で、
 現代の新聞の主張にも、驚くほど違っていることが少なくない。例えば、読売は自ら改憲案をつくって憲法改正の旗を振るが、朝日は現行憲法、特に9条を活用することを基本と考えている。イラク戦争、靖国問題などでも、多くの新聞がさまざまな論を張ってきた。
 比べて読めば、それぞれの主張が立体的に浮かび上がる。どちらに説得力があるかは読者が判断する。
と主張するが、こと経済政策に関しては、この3紙はいずれも新自由主義推進の立場に立つ。中でも、朝日は日経と主張の先鋭性を競い合っており、この点に関しては読売は比較的穏健だ。残念ながら毎日新聞も読売に近く、新自由主義推進の立場をとる。朝日・毎日は、「改革」のポジティブな語感に未だに引きずられているように、私には見える。読売・産経が政治思想面から、朝日・毎日・日経が経済思想面からコイズミを支持したのが、日本を「ぶっ壊した」コイズミ内閣を5年半も持たせてしまった原因だと私は考えている。

テレビや経済雑誌(「週刊東洋経済」 1月12日号の北欧特集=1月10日付エントリ参照)などでは、新自由主義を批判し、社会民主主義に光を当てる報道が現れ始めているのに、新聞が未だに「カイカク」マンセー一本槍というのは、健全な言論状況とはいえない。社内における言論の自由度が大きいといわれる毎日新聞あたりには、新自由主義支持の記事が混ざっていてもかまわないから、鋭く新自由主義を批判する記事も現れてほしいものだと思う。

とにかく、より多様な言論が戦いを繰り広げるようになってほしいものだ。その意味では、リベラル・平和系といわれるブログが馴れ合って、互いの批判を許さないような「空気」を作ったりしている状況は、言語道断だといえる。


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