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きまぐれな日々

今回の大阪府知事選で橋下徹に投票した大阪府民の間に、「熊谷貞俊陣営の橋下に対する中傷ビラの配布はいただけなかった」という意見が多く見られる。当ブログにもこの主旨のコメントをいくつかいただいた。

このビラについて、「AERA」 2月4日号が報じている。同誌によると、問題のビラは、
熊谷候補を支援する「夢ある大阪」が作成したもので、表には熊谷候補のシンボルマークであるクマの怒り顔と、「『本物』の知事候補へ あなたの一票を」とあった。裏には、「こんな人を知事にしていいんですか?」と大きな見出しがあり、明らかに対立候補だった自民、公明両党推薦(ママ)の弁護士橋下徹氏の発言が並んでいた。内容が誹謗中傷にあたるかは別として、大阪府選挙管理委員会の許可を得た「公認ビラ」だった
とのことだ。

記事にはビラの写真が出ていて、下記のような「橋下語録」が掲載されている。
  • 日本人の買春は、中国へのODAみたいなもの。
  • ウソをつけない奴は政治家と弁護士になれないよ!
    ウソつきは政治家と弁護士の始まりなの。
  • アメリカの核の傘に入っているから抗議できない。日本も核兵器を持つべき。
  • 脱税は所詮自分のお金を国に払わなかっただけに過ぎない。
  • 一夫一妻制なる制度に、世の男女は振り回されすぎだよ。
これらは、いずれも著書やテレビ出演などで橋下が行った発言を集めたものだ。確かにネガティブキャンペーンにはあたるかもしれないが、誹謗中傷にはあたらないだろう。むしろ橋下という男がどういう人間かを知らしめるために必要な情報だったと思う。

ところが、「AERA」の報じるところによると、読売新聞大阪本社の販売局が、新聞に折り込まれたこのビラの回収を指示したのだという。同誌は、サンケイ折込広告社に取材して、読売による回収の事実を明らかにしている。朝日、毎日はもちろん、産経新聞社もビラの回収などは指示していないが、読売だけがこんなことをやった。「AERA」の取材に対し、読売は、社として「ビラ回収」を一時的に指示したことを認めたものの、その後「ビラ配布OK」に判断を変更したと説明し、一部の販売店でビラ配布をしなかった事実に対しては、明確な返事をしなかった。

熊谷候補は25日に読売新聞大阪本社を訪れて抗議するとともに、公平な取扱いを求めたそうだが、そもそも、「AERA」が指摘するように、本来、新聞社と新聞販売店は別々の会社だから、ビラを入れる入れないの判断は新聞社が決めるものではない。読売新聞のやろうとしたことは、一種の言論統制にほかならず、大阪府民の「知る権利」を侵害するものだと当ブログは考える。

ネガティブキャンペーンというと、昨年の参院選前に、自民党が「消えた年金問題」をすべて民主党の菅直人代表代行に推しつけようとしたビラを思い出すが、その件と今回の件は性格が全く異なる。「消えた年金」の菅氏誹謗ビラは、菅氏が厚生大臣を務めていた頃の内閣が、自民・社会・さきがけの連立政権であって、総理大臣は自民党の故橋本龍太郎氏だったことを頬かむりしたものだが、橋下の一連の著述や発言に、熊谷候補や民主党は何もかかわっていない。これを無視して両者を一緒くたに論じるのはフェアではない。

また、こういった背景があるのに、橋下陣営による熊谷陣営のネガティブキャンペーン批判の言い分を認めてしまう「リベラル・左派系」のブログっていったい何なんだろう、と思ってしまう。「カナダde日本語」によると、「民主党も知名度があってルックスのいい候補者を立てるべきだった」と主張した「リベラル・平和系ブログ」があったそうだが、「語るに落ちる」とはこのことだ。


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 昨年の大阪市長選では、民主党と国民新党が推薦した平松邦夫氏が、自公推薦の現職・関淳一氏を破った。関氏は、市政の「改革」を掲げていた人だった。

 この勢いと、橋下徹擁立の際のすったもんだを考え合わせると、大阪府知事選でも民主党・社民党・国民新党推薦の熊谷貞俊氏に勝機は十分あったはずだ。しかし結果はダブルスコアの惨敗だった。

 熊谷氏出馬表明の直後の時期、最初の段階が勝敗を分けた。熊谷氏の資質を云々する声もあるが、財界とのつながりの忌避をいうなら、梅田章二候補に票が流れるはずだ。実際流れたのだろうが、その影響は微々たるものだった。

 ネットで調べてみると、熊谷氏の 「上から目線」 を批判し、それより 「庶民の目線」 で語る橋下を支持し、投票したという声が結構見られた。

 この「上から目線」というのは、2005年頃から使われ始めた一種の流行語らしく、「ポピュリズム 上から目線」でGoogle検索すると、一番上に当ブログを批判するブログ記事が引っかかって苦笑させられるのだが(注:その後ほかならぬ本エントリなどに抜かれて5位に落ちた)、もとはお笑い芸人がテレビでしきりに使って、それがネットでも広まったもののようだ。ネットには「上から目線」批判に対する反批判も一昨年頃から結構あるようだし、昨日はいくつかの有名ブログでも取り上げられていたようで、ここでくどくどと書くと、またブログの番人から「小型なんとか」だとか言われそうだが、「上から目線」批判というのは、一種の思考停止だということは指摘しておかねばならない。

 上記の当ブログを批判したブログのコメント欄には、ほかならぬブログ管理人が地方を見下すコメントを書いていたりして、それだけで自家撞着していて面白いのだが、まあ余計なことはこれ以上書かないでおこう。

 ポピュリズム批判というのは、日本では保守政権支持の側が野党を批判する際に多用されるようになったと記憶している。そのきっかけは、渡邉恒雄(ナベツネ)の著書 『ポピュリズム批判』 (1999年)ではなかっただろうか。ナベツネがこの本を出したあと、田原総一朗がテレビで野党を批判するのに「ポピュリズム」という言葉を多用するようになった。2000年に東京都知事・石原慎太郎が外形標準課税を言い出した時、朝日新聞はこれを支持し、読売新聞は「大衆迎合」だとしてこれを批判したが、これを取り上げた「サンプロ」で田原が「ポピュリズム」という言葉を絶叫していたと記憶している(外形標準課税は、故美濃部亮吉・元東京都知事が温めていたアイデアを石原がパクったものだった)。それ以来、ポピュリズムとは、一般に「大衆迎合主義」という意味で用いられるようになった。

 当時や現在の野党よりよほど「ポピュリズム」という言葉がピッタリ当てはまる小泉純一郎が総理大臣になると、この言葉はさらに広まったが、石原慎太郎、小泉純一郎、それに橋下徹らは、「大衆に迎合している」というより、「大衆を煽動している」という形容がぴったりくる人たちだ。橋下については、例の光市母子殺害事件の被告弁護団への懲戒請求を煽った件が象徴的だろう。だから、ポピュリズムを「大衆迎合主義」というより「大衆煽動主義」と定義すべきだという意見もあり、私はそれももっともだと思う。

 今回、熊谷氏を「上から目線」と批判して「庶民の目線」でものを語る橋下に投票した大阪府民にとっては、光市事件弁護団の懲戒請求の一件をとっても、「庶民の感覚に合致した言動」に映るのだろうし、ひとたび橋下が優勢だとわかると、みな「バスに乗り遅れるな」とばかりに橋下支持に流れる。これは、2005年の郵政総選挙の時と同じだし、昨年の参院選も、残念ながらこれの裏返しという側面が強かったということを、リベラル・左派系の人間も認めざるを得ないのではなかろうか。

 いずれにしても、「大阪府民は適切な選択をした」とは私は思わない。リベラル・左派系にも、「上から目線」批判を恐れてか、努めて冷静に選挙結果を受け入れようとする意見が見られるが、それはもちろん「大衆煽動主義」ではないけれど、「大衆迎合主義」ではあると思う。民主党の選挙戦略や選挙戦術、それにこれまで自公と相乗りで与党になってきたことからまともに自公と戦う姿勢を見せなかったことへの批判の声もあり、当ブログの昨日のエントリに対しても、もっと民主党を批判せよというコメントもいただいたが、当ブログは民主党批判など前からやっている。選挙結果について民主党など野党を責めるだけにとどめて、有権者に対しては何の批判もするなというのは、自らを「大衆」の立場に置いて、それへの無批判を暗に要求する、厚かましくも不誠実な態度だと思う。

 例の擬似科学批判との絡みでいうと、アインシュタインの相対性理論を理解するより、コンノケンイチが「アインシュタインの相対性理論はデタラメだった」と主張する新書を読む方が、ずっと気楽だし「庶民的」な行ないだ。だが、そういう姿勢からは科学技術は発達しないし、そのような擬似科学を支持する態度が正しいか間違っているかというと、「間違っている」に決まっている。

 社会科学や政治問題は、簡単に割り切れない部分が多いのだが、基本的に私は同様のスタンスで臨むものである。
大阪府知事選について書くのは気が重いが、まずは 「kojitakenの日記」 に書いた私の予想(下記URL)が大外れに終わったことを認めておかなければならない。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20071223/1198363813

ポピュリズムを甘く見て煮え湯を飲まされた、というと、3年前の「郵政総選挙」が忘れられないが、24日のエントリでも触れたように、野党第一党である民主党がそもそも風任せ、というかポピュリズム的傾向の強い政党であって、2003年の衆院選と2004年の参院選では無党派層の支持を得て自民党の議席に肉薄(2003年衆院選)ないしは上回った(2004年参院選)。コイズミマジックにやられた郵政総選挙のことや、安倍晋三が「空気」を読めずに四面楚歌となって自民党が惨敗した昨年の参院選のことは、何度も書いてきたからくどくどと繰り返しはしない。ただ、自民党大勝、民主党惨敗に終わった「郵政総選挙」だけではなく、その逆の結果に終わった昨年の参院選からも、民主党のポピュリズム体質は全然改まっていないことがはっきりした。

この選挙結果に対して、書くべき言葉が出てこないので、当ブログや「kojitakenの日記」へのコメント、それに橋下に反対の声をあげたブログの記事を紹介することにしたい。

当ブログには、sonicさんから、
大阪が死にましたね。
というコメントをいただいた。大阪というと「判官びいき」の街というイメージだったが、それも今は昔だ。
「kojitakenの日記」のエントリ 「投票終了と同時に橋下徹当確の報道」 には、3件のコメントをいただいた。
nagonagu 2008/01/27 21:00 恐るべしポピュリズム。これを超えていくには、どうしたらいいんでしょうね。超えなければならないことだけはわかっているんだが。
どうしたらいいのか。私も「kojitakenの日記」の該当エントリを書きながら自問自答していたのだが、答えが出てこなかった。一つだけ指摘したいのは、現在、「リベラル・平和系」とされるブログの間には、ポピュリズムを克服するどころか増幅する傾向が見られることだ。そのことは、nagonaguさん(宮城康博さん)にも議論にかかわっていただいた擬似科学および陰謀論に関するブログ間の論争の件から強く感じた。
nakedmikan 2008/01/27 21:45 本当に残念ですが橋下に当確が出てしまいました。
郵政選挙の空しさよりはマシな気がしますが、もっとも人の上に立ってはいけないと思う種類の人間が首長になってしまったのは本当に悔しいです。
このブログを含めて橋下を落選させたいと思っていた人たちのやっていた方向は、よりまともな社会を目指すこととしては間違いが無いものだと思いますが、今回は私も含め不十分だったと思います。
この橋下の再選を阻むのは勿論ですが、当面は次の衆議院選挙に向けて自ENDを願うものもブロガーとしても、いったいどのような動きをするべきか再考の余地があるように思います。
今回は、気づいたときにはもうどうしようもない流れができていた感じで、郵政総選挙の時(当時はブログを開設していなかったが)をいやでも思い起こさせる展開になった。昨年の東京都知事選の時は、強大な敵に挑む感覚だったが、「郵政総選挙」や今回の選挙は、「まさか」という思いだ。やはり、「ポピュリズム」という元凶を元から断たなければダメなのだと思う。
kechack 2008/01/28 02:30  結局は有権者のレベルはこんなものです。昨日までガソリン国会で民主党をポピュリズムと批判した自公がポピュリズムを以って勝利したのはなんとも皮肉です。
 小沢一郎なんかは、有権者のレベルを案外把握しているから、ガソリン値下げ隊みたいな猿芝居を敢えてやったりするんですよね。政治意識の高い人はああいうの批判しますが、実態は案外プラスだったりするんですよ。
 自民党はこの成功体験を活かしたいところですが、ムリでしょう。衆議院の候補者はもう満杯で、無党派層の人気を喚起できそうなタレント候補を擁立する余地はありません。それが出きるのは、前回落選者を大量に出し、空白区を残している民主党の方です。
kechackさんは、ブログ「Munchener Brucke」でより突っ込んだ分析をされている。
「大阪府知事選でも自民党反転が難しい二つの理由」
http://d.hatena.ne.jp/kechack/20080127/p1
大阪府在住のブロガーの切実な声も紹介したい。
「反戦な家づくり」 より 「やけ酒でも飲むしかないか・・・」
http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-491.html

「晴天とら日和」 より 「(橋下当選・ケッ!):大阪で生まれた女やさかい、・・・・」
http://blog.livedoor.jp/hanatora53bann/archives/51149879.html
とらちゃんの橋下落選キャンペーンを盛り立てた 「カナダde日本語」 をはじめ、多くのブログによる橋下落選運動は実らなかった。再三書くように、ポピュリズムとの闘いが大きなテーマとして残った形だ。ブログからの発信力を増すためには、いかにこれを克服するか、今後公開するエントリを通して答えを出していくしかない。


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当地は、朝方ずいぶん冷え込んだが、大阪も最低気温0度近くまで冷え込んだようだ。天気予報によると、今日の大阪の天気は晴時々曇、予想最高気温は7度とのことだ。平年より気温は低いものの、冬型の気圧配置が緩み始めてきており、お出かけには決して悪い天気ではなさそうだ。

大阪府民の有権者の方々には、是非大阪府知事選の投票所に足を運んでいただきたい。

現在全盛の新自由主義がさらに推進されると、橋の下にいたら、橋がいきなり倒壊して、下敷きになって死んでしまう時代がくるかもしれない。

そんな事態を招き寄せないための一票を、是非投じていただきたいと思う。
このところブログの更新が1日おきになっているが、仕事が忙しいという理由のほか、先日来繰り広げている陰謀論や擬似科学批判の根が結構深いことがわかってきて、これはうかつなエントリを上げられないなと思い始めているためでもある。

たとえば、このところ目立つようになったのが、地球温暖化に関して、大気中の二酸化炭素濃度の増加が地球温暖化をもたらしているという説には科学的根拠がないという言説である。この当否については、当ブログは何も言わない。CO2による地球温暖化の仮説は、それによって自然現象がかなりよく説明されるから議論の対象になっているのだと思うが、仮説は仮説であり、それに対する懐疑論があっても全然不思議ではない。しかし、次のような記述を目にすると、何じゃそれ、と思ってしまう。
http://dokuritsut.exblog.jp/d2008-01-18

定説であるかのごとく流布される、CO2排出量と地球温暖化との因果関係は、実は科学的には何ひとつ立証されていない。世に言う地球温暖化問題は、原発産業をも独占する、ユダヤ権力によるただのプロパガンダである可能性が極めて高い。

こういう言説を知ったうえで、たとえば下記の記事なんかを読むと、これを書いたブログの管理人がいかに「陰謀論」に毒されているかが一目瞭然だ。
http://interceptor.blog13.fc2.com/blog-entry-1481.html

ユダヤとかって聞いただけで短絡的にレイシズムに直結しちゃう賢い風味の駄菓子みたいな脳みそは、「ユダヤ的思考」っていうものの見方もできない「人種」に囚われる記号主義の自縛思考

該ブログが零落した理由がよーくわかった今日この頃だ(笑)。その厚かましい主張は、「噴飯もの」の一語に尽きる。

こんなことを書くと、すぐに「沖縄返還の密約を追及した毎日新聞の西山太吉元記者は陰謀論者だとでも言うのか」とか、「kojitakenは高知のスクールバス冤罪疑惑事件で『陰謀論』を支持しているではないか」などと言い出す馬鹿があとを絶たないのだが、仮説を立てて現実がその仮説に適合するかどうかを検証し、適合しない部分があれば仮説を修正するというのは、自然科学、社会科学、ジャーナリズムを問わない普遍的な方法論だ。西山元記者や、高知スクールバス事件を報道して冤罪疑惑を告発した瀬戸内海放送(本社・高松市)のジャーナリストはその原理原則に忠実だった。そして、西山氏の仮説は正しかった(それどころか、沖縄返還をめぐる巨大な密約の、ほんの一部だった)ことが、アメリカで公開された公文書から、ここ数年で明らかになってきている。

一方、仮説がドグマ(教義)と化したり、仮説に蓋然性がなかったりするところから、「陰謀論」が生まれる。レイシズムを撒き散らすリチャード・コシミズや、同様の流れに沿ったブログ記事を垂れ流す「ぬぬぬ?」はその典型例だ。彼らのポピュリズムは、俗情に媚びて世に害毒を流すものでしかないと当ブログは考える。

当ブログは、このようなポピュリズムおよび陰謀論に強く反対するものだ。これらは、いずれファシズムにつながるものだからである。


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大阪府知事選の投票日まであと3日だが、世論調査では橋下徹候補(自民・公明支持)が熊谷貞俊候補(民主・社民・国民新推薦)や梅田章二候補(共産推薦)らにかなりの差をつけてリードしているそうだ。自民党や公明党の本部が推薦を出せなかったほど「筋の悪い」候補である橋下が優位に立っていることに対して、失望を禁じ得ない。

橋下惨敗というブログ管理人の予想は大きく外れることになりそうだが、同様の例として、昨年4月の東京都知事選での石原慎太郎や、7月の参院選東京選挙区での丸川珠代の当選がある。前者は、不祥事続出の石原が週刊誌などに激しく叩かれ、対立候補の浅野史郎、吉田万三、故黒川紀章の三氏からも激しい批判を浴びながら、いざ蓋を開けてみると石原が圧勝をおさめた。また、参院選では自民党への強烈な逆風の中、2候補を立てた自民党は、保坂三蔵候補が優勢で丸川珠代候補は落選必至と予想されていたが、開票結果はなんと丸川の当選、保坂候補の落選だった。

これらの例は、テレビなどでの露出度の高い候補は、たとえ自民党への批判が強い時期でも得票力があることを示す。これは、野党第一党の民主党が、風任せ戦術というか、ポピュリズムに走りがちな弱点を持っているせいだろう。だから、民主党をはるかに上回る威力を持った、さらなるポピュリズムには勝てないのだ。コイズミのポピュリズムにやられた2005年の衆議院選挙は、その最悪の例だが、民主党はこの時突きつけられた課題を未だに解決できていない。そういえばブログの世界でも、リベラル・左派系に論理より「共感」(というより同調圧力)を重んじる妙な風潮があって、ポピュリズムに流される傾向が強いことを示した騒動が先日あった。ただしこちらは同調圧力をかけた側の勝利には終わらなかったことが救いだ。

今朝の新聞は、「宙に浮いた」年金記録約5千万件のうち、氏名がオンライン入力されていない記録(約524万件)について、社会保険庁の補正作業の結果、約6万件は持ち主を特定できなかったことが判明した、と報じている。

年金で新たな問題が発覚するたに、政府が苦しい言い訳をして、年金問題に強い民主党の長妻昭議員らの厳しい追及にたじたじとなる、というのがいつもの構図であり、このニュースは自民党への逆風、民主党への追い風となるだろうが、大阪府知事選に与える影響は残念ながら小さいだろう。自民党が橋下を党本部の推薦とせず支持にとどめたのは、自民党への逆風の影響が及ばないための配慮とも考えられる。プライドも何もあったものではない話だが、政権や影響力を維持するためには何でもやるのが今の自民党だ。

大阪府知事選で橋下を落選に追い込む可能性は高いとはいえなくなっているが、心ある大阪の有権者には、決して諦めず、橋下を落選させるための投票行動をとることをお願いしたい。


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このところ、民主党に気の緩みが感じられる。憂慮すべきことである。

しばらく当ブログが脇道にそれていた間に、大阪府知事選の告示があって選挙戦に入っているが、マスコミの情勢調査によると、信じられないことに自民・公明が支持している橋下徹候補が、民主党・社民党・国民新党推薦の熊谷貞俊候補にかなりの差を開けてリードをしているようだ。

マスコミは、橋下が先行して熊谷候補が激しく追う、と書いているが、同じ表現が昨年4月の東京都知事選の情勢調査記事で用いられ、ふたを開けてみれば石原慎太郎の圧勝だった。現時点で、既に逆転は難しい差がついていると考えるべきだろう。

自民党本部からも公明党からも推薦が得られなかったにもかかわらず、橋下は両党支持者のそれぞれ7割を固めたのに対し、熊谷候補は民主党支持者でさえ6割しか固められず、社民党支持者にいたっては2割しか固められずにいる(毎日新聞調査より=下記URL)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080121-00000005-mai-pol

民主党の小沢一郎代表は、新テロ特措法の採決まで欠席して、大阪府知事選の応援に駆けつけたのだが、その割に民主党の戦いぶりは、どこまで本気かと言いたくなるものだ。

たとえば、熊谷候補推薦に共闘してくれた社民党への扱いは、まことにぞんざいなものだそうだ。だから社民党の支持層を全然固められないのだろう。それに、マスコミへのアピールも全然しない。かつて、大阪府知事選というと、横山ノックが不祥事を起こして任期途中で退任する以前は統一地方選の時期に行われていたせいもあるが、東の東京都知事選と並んで注目を集め、各党が推薦する候補を熱心にPRしていたものだ。しかし、今回の民主党には全然熱意が感じられなくて、極右ポピュリストにして新自由主義者である橋下徹の当選に協力しているかのようにさえ見える。非常に腹立たしい。

ことは、地方選に関することだけではない。国政の場でも、新テロ特措法での腰砕けぶりや、防衛疑獄への追及の不熱心さも目にあまる。後者については、小沢一郎代表をはじめ、前原誠司ら民主党内にも疑惑をささやかれる議員が多いせいではないかと疑ってしまう。

それにもまして一番いけないのは、生活重視と言いながら具体策を打ち出す熱意に欠けているように見えることだ。「ガソリン値下げ隊」のようなパフォーマンスばかりが目立つが、本当に国民の側に立った政治を目指しているようにはとうてい見えない。福田首相が国民生活への配慮を言い出した時、民主党はクリンチ作戦だといってこれを批判したが、民主党が自民党との差異を鮮明にする社会保障政策を次々と打ち出していれば、福田首相のクリンチ作戦を許すことはなかったのではないか。

自民党と民主党の首脳は、いちおう「カイカク離れ」を目指しているように見えるが、経団連に代表される財界は、両党に新自由主義カイカク路線に戻れと圧力をかけ続けていることだろう。昨今の株安についても、マスコミは「福田内閣がカイカクに不熱心である」ことに原因があると批判し始めている。またかという感じだ。ITバブルで日経平均が2万円をつけた2000年の株価を、コイズミ・安倍の両内閣は一度も回復したことはないではないか。それどころか、コイズミが極端な新自由主義政策をとったことによって、2001年から2003年にかけて株価は大きく下げた。そして、企業の自助努力によって株価は回復したのである、そうも言いたくなる。コイズミは、株価下落局面では「株価に一喜一憂しない」と言い、上昇局面では「カイカクの成果だ」とほざいた。そして、現在の株安を報じるマスコミは、「コイズミ・安倍時代にはカイカクの成果で株価は上昇した」と称してグラフを見せるが、2000?2003年にかけての株価下落の部分を表示しなかったりする。今回の株価下落は、サブプライムローンの破綻をきっかけにしたアメリカの住宅バブル崩壊によるものであり、長年の対米隷従政策によって、経済の波がアメリカと連動するようになってしまった日本がとばっちりを食っているだけの話だ。日本政府が新自由主義を放棄しようとしているからなどでは断じてない。福田内閣がカイカクを後退させようとするからこんなことになったんだ、などとテレビなどのマスコミで騒ぐ輩は、悪質なデマゴーグである。

それにしても、ここにきての新自由主義勢力の巻き返しはすさまじい。北川正恭、東国原英夫らが発起人となって発足した「せんたく」(「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」)もその一環だと私は見ている。北川自身、90年代前半の「政治改革」の局面における新自由主義のプレーヤーだったし、徴兵制などの極右的発言を繰り返している東国原や、東京都知事選で石原慎太郎と相互応援した神奈川県知事の松沢成文が加わっていることから、この連合は新自由主義と新保守主義、それに東国原に象徴されるポピュリズムが合体した性格を持つと私は考えている。これは、地域・生活者起点どころか国民生活の破壊につながるものだ。こんな勢力の台頭を許してはならない。

昨年の参院選での自民党大敗や、このところのマスコミの論調の変化で、新自由主義勢力はもう力を失ったなどとなめてかかると、手痛いしっぺ返しを食うのではないか、そう当ブログは危惧している。


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わかる人にしかわからないだろうが、例の騒ぎは本筋では終わっているものの、周辺でなお残り火がくすぶっていて、水をもってしてもなかなか鎮火し切らない。ただ、水掛け論に終わらなかったことだけは確かだ。

今回の件は、インターネットやブログという媒体の持つアナーキー性や、それとポピュリズムとの親和性、さらにはファシズムを呼び込みかねない恐れなど、根の深い問題を持っていると思うのだが、これについてはもはや今回の件を離れて一般論として論じるべき段階にきていると思う。だからここではこれ以上触れない。ただ、ブログ管理人は今なお各所でコメントを書き回っていて、主張すべきことは主張し続けなければならないと考えている。

さて、今回は雑誌記事の紹介をしたい。保守系の雑誌である「週刊文春」は、このところあまり買わなかったのだが、最新の1月24日号にはいくつか面白い記事が出ている。

新テロ特措法の採決を小沢一郎・民主党代表がドタキャンしたことへの批判記事も出ているが、その中で安倍晋三が元気一杯だったと書かれていたのには笑った。小沢がいないのを知ると、安倍は「本当は賛成なんだろ!」と野次り、近くに座っていたコイズミは、それを聞いて吹き出したのだそうだ。だが、テロ特措法をめぐるドタキャン劇では、総理大臣の座まで投げ出した安倍が先例を作っている。安倍にだけは小沢を笑う資格はないと思うのだが、安倍という男はまともな神経を持ち合わせていないようだ。

その他では、参議院の外交防衛委員会で「9.11陰謀説」を質問でブチ上げた民主党の藤田幸久議員をおちょくる記事も出ている。新聞社の社会部記者のコメントとして、陰謀論はもともと米国で広まり、日本ではベンジャミン・フルフォード氏が中心となって広めているが、証拠とされる資料には綻びがあって、いわゆる「トンデモ話」の1つとされていると紹介されている。記事には、「こんな話を国会の場で聞かされた出席者も、たまったものではないはず」と書かれている。町村官房長官は「まったく、なんなんだよそれ」といった感じで露骨にいやな顔をしていたそうだが、その町村氏は「UFOは絶対にいると思う」、「霊感だって信じている」と発言して話題になった人物だ。町村氏に藤田議員を笑う資格はない。その町村氏の「舌禍」を批判する記事も「週刊文春」に出ているが、ここではこれ以上紹介しない。

本エントリでメインの話題にしたいのは、ブラジル人のオカルト予言者を下村博文・前内閣官房副長官が礼賛したという記事である。

記事によると、NPOが運営する「超人大陸」というインターネット放送で、下村氏は半ば自慢げに「先日、面白い方と話す機会がありました」と、その会談の模様を紹介している。

この予言者は、ジュセリーノというブラジル人で、下村氏によると、9.11の同時多発テロを予知したほか、予言の90%が当たっているひとなのだそうだ。記事中に出てくる「テレビ局関係者」によると、「イラク戦争や、サダム・フセインの潜伏情報も事前にアメリカに通報していた」とのことだ。日本についても、地下鉄サリン事件や阪神大震災、長崎市長射殺事件を予言したと言っているらしい。

とはいっても、昨年3月に東京で大地震が起きてパニックになると予言して外れ、アル・ゴアが次期大統領になるとか、2010年に消費税35%になるなどと予言しているそうだ。この消費税に関する予言が、下村氏に気に入られたのかもしれない(笑)。

下村氏は、「各国政府が環境問題について立ち上がっていかなければ、天変地異的な異常現象を含め、災害等が起きることによって、地球そのもののポールシフトというか、地軸がずれることによって世界中で大地震が起きる。人類にとっても30年後、40年後、たいへんな被害が起きる可能性が高いと」主張している。

このような予言を満載したジュセリーノの予言書は、トンデモ本の版元として有名な「たま出版」から出版されているのだが、下村氏はその信憑性には何の疑問も抱かず、堂々と宣伝している。「トンデモ本」に詳しいさるブロガーに教えていただいたのだが、なんとその映像をインターネットで見ることができる(下記URL)。
http://www.akibach.com/shimomura/shimomurayochi.html

下村氏はこの予言者を信奉しているはずなのに、名前をずっと言い間違え続けているところが笑える。

ところで、この下村氏だが、若手では代表的な「日本会議」系議員の一人であり、安倍晋三に極めて近い人物である。
当ブログでも、何度か下村氏を取り上げたが、まず一昨年11月23日付の、"嘘つきが「教育改革」を進め、テロ肯定者が「伝統と創造の会」を主宰している" を挙げておく(下記URL)。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-184.html

この記事で、下村氏が稲田朋美や山谷えり子などとともに、小泉首相の靖国参拝への礼賛や、中国、韓国批判、歴史教科書の検定強化などの主張を次々に展開したことを紹介している。

下村氏は、イギリスの教育改革を視察したメンバーの1人であり(視察団長は平沼赳夫)、当ブログは、改正教育基本法が成立した翌日の一昨年12月16日付のエントリ "毎日新聞の報道?改正教育基本法は「改憲へのステップ」" (下記URL)で、毎日新聞の記事を引用しながらこのことを紹介した。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-201.html

毎日新聞の記事(当然、現在ではリンク切れ)の引用部分を一部再掲する。

首相(注:安倍晋三)と下村博文官房副長官、山谷えり子首相補佐官の3人は、かつて保守系の議員連盟「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」のメンバーで、従軍慰安婦などの記述を「自虐的」と批判する「新しい歴史教科書をつくる会」と連携。「つくる会」は保守系の運動団体「日本会議」ともつながる。
 サッチャー改革に着目した「日本会議」幹部の橋渡しで、下村、山谷両氏は04年9月、国会議員6人による「英国教育調査団」に参加した。両氏は「サッチャーは教育の英国病を立て直した」と高く評価するが、識者の間では「所得によって受けられる教育の格差が拡大した」(藤田英典国際基督教大教授)との批判も根強い。

(毎日新聞 2006年12月16日付紙面より)

この記事が指摘するように、サッチャーの教育改革には新自由主義的側面が強く、それを信奉する自民党のいわゆる「超保守派」(平沼赳夫、城内実らとも近い)が新自由主義的傾向を濃厚に有していることは、どんなに強調しても強調しすぎることはない。

そして下村氏は、従軍慰安婦問題に日本軍の関与はないと発言し、アメリカとの関係をこじらせてしまった。昨年3月27日のエントリ "タカ派のエロ拓をハト派にしてしまった安倍内閣の異常" でこれを紹介している(下記URL)。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-294.html

こんなにも勇ましい極右議員の下村氏がオカルト予言者に入れ上げているなんて、本当に呆れるが、そもそも下村氏の大ボス・安倍晋三は、統一協会や慧光塾などのカルト宗教とかかわりの深いとされる人物だった。

「週刊文春」の記事は、下記のように結ばれている。

 総理は「四人の神」(注:「週刊文春」の昨年9月20日号の報道で、慧光塾、最福寺、新生佛教教団、安倍洋子を指す)、官房副長官は「オカルト予言者」??。安倍晋三内閣とは、いったい何だったんだろうか。

(「週刊文春」 2008年1月24日号収録 "ブラジル人「オカルト予言者」を礼賛した下村博文" より)

ブログで「トンデモ」が蔓延しても、現在のブログの影響力ではその害毒はたかが知れているが、有力な政治家の間で、「トンデモ」や「オカルト」が蔓延しているのは、憂慮すべきことだ。そして、政治家の程度は国民の程度を反映するのである。
第169通常国会が18日に召集され、福田康夫首相が施政方針演説を行った。この中で、福田首相は「国民の立場に立って」という言葉を多用し、小泉純一郎内閣、安倍晋三内閣と続いた新自由主義路線を見直すととれる方向性を示した。これに対し、昨年の参院選で生活者重視を打ち出して、新自由主義政策を掲げた安倍自民党に圧勝した民主党は、「またクリンチ作戦が始まった」と批判している。

ほぼ予想通りの展開である。私は福田政権が新自由主義をむき出しに掲げるよりははるかに結構な方向性だと思うが、課題は本当に自公政権に新自由主義離れができるかだと思う。

最近、朝日新聞が新自由主義推進の主張を強めているとよく指摘されるが、案の定、「では「改革」はどうする」 と題した社説を掲げた。ただ、朝日新聞の「経済右派」(新自由主義支持)ぶりは何も今始まったものではなく、昨年2月23日のエントリで指摘したように、2002年10月26日の社説では、「不良債権――「竹中いじめ」の無責任」 と題した社説を掲載し、竹中平蔵を大々的に擁護する論陣を張っていたのである。

それはともかく、福田首相が施政方針演説で「カイカク」離れの方向性を見せたのと呼応するかのように、自民党選挙対策委員会は、衆院岐阜1区について、郵政造反組で離党し、のちに復党した野田聖子元郵政相を公認候補とする方針を固めた。これに伴い、佐藤ゆかり議員には「国替え」をしてもらい、B層の有権者が多そうな東京などの都市部での公認候補にするつもりのようだ。つまり、地方では新自由主義離れをしながらも、大都市では今なお「コイズミカイカク」に幻想を持つB層有権者もつなぎ止めようということであり、自民党の「カイカク」離れがポーズにすぎないことを示唆している。自民党とは、政権さえ維持できればあとはどうでも良い政党なのだ。

おそらく、自民党主流派がもっとも恐れているのは、平沼赳夫一派が民主党と接近して、民主党・国民新党・平沼新党の連立政権が成立して自民党が下野するケースだろう。平沼新党は自民党にも手を突っ込んでくる。安倍晋三、中川昭一、麻生太郎らも平沼と気脈を通じている。だから、平沼一派の切り崩しを許さないために野田聖子を強くつなぎ止める必要があると考えたのだろう。自民党にとって妥当な選択であるとともに、新自由主義勢力を窓際に追いやる意味や、民主党と平沼新党が野合して、国家社会主義につながりかねない恐ろしい政権が成立することを阻止する意味でも、自民党のこの選択を歓迎したい。もちろん、当ブログは岐阜1区での野党候補の当選を願うことはいうまでもないが。


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昨日のエントリで、「災害による被害は、天災への備えを十分にするとともに、人災による被害の拡大を抑えなければなりませんが、現在全盛の新自由主義は、それに反するものです」と書いた。

この問題を取り上げたのがNHKで昨夜放送された「NHKスペシャル・命のセーフティーネットは築けるか?生かされない震災の教訓?」である。この番組の放送は、「晴天とら日和」で知った。
http://blog.livedoor.jp/hanatora53bann/archives/51142979.html

大都市に直下型地震が起きた場合、東京や名古屋では1万1千人、大阪では実に4万2千人もの死者が出ると予想されている。この事態を改善するためには住宅の耐震補強工事が必要で、自治体によっては補助金を出すのだが、新自由主義によって拡大した所得格差のために、ちょっとやそっとの補助金くらいでは耐震補強工事に手を出せない住民が激増しているというのだ。この問題を、NHKは正面から取り上げた。

私はかつて阪神間に住んでいたことがあるが、阪神大震災が起きた時にはすでに離れていて私自身は難を逃れた。かつて存在した商店街が復興せずそれっきりになってしまったり、住宅が密集していたあたりが更地になってしまった例を知っている。

そのような悲劇は、もちろん自然現象にも関係することだから完全には抑えられないにしても、被害を最小限に食い止める努力をしなければならないと思うのだが、主にアメリカからの圧力で推進された新自由主義政策から起因する所得格差の拡大は、逆に被害を拡大するものだ。

9.11のテロを批判することももちろん必要だろうが、それよりもアメリカがそれに対してとった報復行動(アフガンやイラクでの殺戮)や全世界への新自由主義の輸出、それらによって世界各国で起きている格差問題を批判する方が重要で喫緊の課題だ。それは、現に行われている殺人や人権蹂躙の問題だからだ。日本において年間3万人を超える自殺者の多くは、新自由主義による殺戮の被害者だと思う。そのあたりを考慮しない表面的な言論があまりに多いが、おそらくテレビなどのマスコミによって思考力を奪われた結果なのだろう。

今の日本は、「貧乏人は地震が起きたら住宅の倒壊で死ね」という格差社会だ。それを作り出したのは誰かということを、よく考える必要がある。


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13年前の今日、1月17日、阪神・淡路大震災が起きました。
お亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともに、現在もなお苦しまれている被災者の方々に、心よりお見舞い申し上げます。

災害による被害は、天災への備えを十分にするとともに、人災による被害の拡大を抑えなければなりませんが、現在全盛の新自由主義は、それに反するものです。

そういったことをじっくり考える一日にしたいものだと思います。
昨年末来のブログ間のゴタゴタについて、そろそろ総括すべき時期がきたように思う。

当ブログで昨年秋頃から展開したポピュリズム批判が、昨年末の陰謀論および擬似科学批判につながり、その過程で 「水からの伝言」 をめぐるブログ間のもめごとが起きた。

既に多くの方から指摘されているように、批判を受けた側は、別に 「水からの伝言」 を信じているわけではなく、かつてトンデモだと指摘されていたことを知っていた。だから、批判を受けた時に適切な対応さえとっていればよかったのだ。「あんな2年前の件で謝罪なんて」という意見が出たが、最初の処理が適切であれば、謝罪の必要もなかった。それが、ブログにコメントを寄せた人たちに煽られる形で、フテキセツな対応をとってしまったから、問題がこじれたのである。

ただ、リベラル・平和系ブログ言論に、陰謀論や擬似科学を受け入れやすい体質があることを今回の件は浮き彫りにしたと思う。これを克服しなければ、リベラル・平和系のブログ言論が普遍性を持つことはない。その意味で、この問題は乗り越えなければならない壁だった。

この件は、批判を受けた側との共闘を表明したブログ(「雑談日記」)が、その過程でお得意の他ブログに対する誹謗・中傷を撒き散らし、同ブログの 「自民党TBP」 からの締め出しに発展した。

いつまでも同ブログの管理人・SOBAのような誹謗・中傷の常習者をコミュニティに入れておくことは、リベラル・平和系ブログ言論にとって百害あって一利なしである。というのは、新たに政治ブログに参入しようとしている人から見ると、わけのわからないおっさんが「俺のバナーをブログに貼れ」と強要し、それにブロガーが唯々諾々と従っているさまを見ると、参入する気持ちが萎えるからだ。これは、ブログへの参入障壁を高めている。昨年後半以降、良いブログの新規参入が少ないとは、誰もが感じていることだろう。だから、「自民党TBP」がSOBAを排除したのは、いずれは避けて通れないことだったと私は考えている。

本件について、「nagonaguの日記」 が、本質を突いたまとめの記事を掲載しているので、ここにご紹介する。下記のリンク先をご参照いただきたいと思う。
http://d.hatena.ne.jp/nagonagu/20080114#1200274906

本件、特にSOBAを排斥しようとした記事について、「こんな記事は読みたくない」とのご批判を数多くいただいたが、今回で一区切りをつけ、次のエントリからはもとの調子で記事を公開したいと思う。これまでの騒動で、ご迷惑をおかけした多くの方には、遺憾の意を表したいと思う。特に、コメント欄に再三参入させていただき、当ブログにもコメントとトラックバックをいただいたお玉さんには、感謝と謝罪の意を表させていただく。特に最初にお玉さんのブログに寄せたコメントは(あえてリンクは張りません)、表現がかなり乱暴だった。深くお詫びしたい。

また、「らんきーブログ」 の管理人・ぶいっちゃんさんは、私がブログを開設したての頃にたいへんお世話になった方である。その方と、最近は関係がこじれっ放しになったことはまことに心苦しい思いだ。残念ながら、政治ブログのあり方としては「らんきーブログ」と「きまぐれな日々」には相容れないものがある。ぶいっちゃんさんは、もともとはポピュリズム、陰謀論、擬似科学のいずれとも無縁な、無色透明の人だと思うのだが、残念ながらそれらに絡めとられやすい弱点があると私には思われる。これは、ブログ言論を危険な方向へ導きかねないと私は考えるから、どうしても「らんきーブログ」と「きまぐれな日々」は衝突してしまうのである。それでこのようなことになってしまったのだが、人間としてのぶいっちゃんさんには何の恨みもないし、たいへん感謝もしている。「らんきーブログ」の政治記事に対しては、今後も批判的であり続けると思うが、それはそれ、これはこれということでどうかご理解いただきたいと思う。

※ お寄せいただいたコメントは、ブログ管理人が「荒らし」と判断するもの以外原則として承認し、掲載していますが、必ずしも当ブログ管理人がコメントに書かれた内容が妥当であると考えているわけではありませんので、読者の方には自己責任でご判断をお願いします。


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トラックバックいただいた星影里沙さんの 「憧れの風」 からの、標記の件に関する呼びかけに、当ブログも応じたいと思う。
http://yuirin25.seesaa.net/article/77996078.html

この記事は、「青空文庫」 による、著作権保護期間の延長を行わないよう求める請願署名(下記URL)への協力のお願いである。
http://www.aozora.gr.jp/shomei/

星影里沙さんは、大学で音楽を専攻された方で、著作権権利期間の延長に以前から反対されている。
http://yuirin25.seesaa.net/article/21796274.html

個人的には、梅原猛の 『神殺しの日本』 (朝日新聞社、2006年)という本の存在を里沙さんに教えていただいたことがもっとも思い出深い。おかげさまで、「神殺しの日本」という検索語でGoogle検索をかけると、当ブログの記事が2番目に検索される。
http://www.google.co.jp/search?source=ig&hl=ja&rlz=&q=%E7%A5%9E%E6%AE%BA%E3%81%97%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&meta=

また、青空文庫については、昨年6月6日の 「きっこの日記」 を是非ご参照いただきたい。
http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=338790&log=20070606

特に下記の文章は、陰謀論や擬似科学に容易に絡め取られてしまうブログ言論の現状を思いながら読みたい。

‥‥そんなワケで、あたしは、坂口安吾の「堕落論」も知らず、金子光晴の「絶望の精神史」も読んでないようなニポン人は、「ウヨク」とか「サヨク」とか主張する以前に、政治について発言するスタートラインにも立ってないと思ってる。だから、そういう人たちは、インターネット上のヨタ話を聞きかじっただけの薄っぺらい主張なんかしてないで、おとなしくオセンべでも食べながらマンガでも読んでればいいと思う。ま、顔の見えないインターネットの世界だからこそ、ニポン人としての最低限の必読書も読んでないような人たちが、イッパシの言論人を気取ってワラワラと湧いてるんだと思うけど、いくら顔が見えないからって、アベシンゾーのゴミ拾いパフォーマンスじゃあるまいし、自分の無知をさらけ出すような幼稚な主張は、みっともないからやめといたほうがいいと思う今日この頃なのだ。

(「きっこの日記」 2007年6月6日 「平成堕落論」 より)


ネット情報のみに頼るブログはダメだ、という私の持論を繰り返させていただく。

‥‥そんなワケで(笑)、当ブログも里沙さんの呼びかけに賛同したいと思う。以下、里沙さんの記事から引用する。

第2期が2月29日までなんで
お願いしますデス。

えーと、何はとりあえず
http://www.aozora.gr.jp/shomei/に目を通してくださいまし。

著作権保護を引き伸ばす欠点について
分かりやすく書かれてありますわ。

そんでもって、
理解いただけた方は
コレをダウンロードしてくださいな。
http://www.aozora.gr.jp/shomei/shomei.pdf

☆彡要Adobe Reader

でーこれプリントアウトしてくださいな。

コレ1枚に5人署名できるようになっているので
一人でも、また5人集めても良いので
書き込みましたら
こちらに送ってください。

連絡先及び署名送付先

青空文庫
〒160-0008
東京都新宿区三栄町8番37号
http://www.aozora.gr.jp/
aozora_shomei@yahoogroups.jp

お願いしまーす<(_ _)>

封筒用紙もありまして
こちらになります。
http://www.aozora.gr.jp/shomei/atesaki.pdf

これもPDFですです。

では、ミナサマ、
ご協力をお願いいたしますデス<(_ _)>



ビデオのタグ↓
<embed src="http://www.veoh.com/videodetails.swf?permalinkId=v213693PSM4bpBY&isVlog=true&id=1&player=videodetails" width="425" height="340" type="application/x-shockwave-flash" pluginspage="http://www.macromedia.com/go/getflashplayer"></embed>

もしこのタグより小さいものが欲しい場合は
こちらのタグにするか、
width="425" height="340"の部分の数字を
もっと小さくしてみてください。

(「憧れの風」 2008年1月12日 「創作の原点が絶たれてしまう、大ピンチ(ーー;)」より)



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当ブログの昨日のエントリには、ずいぶんご批判をいただいた。

当ブログはコメントおよびトラックバックを承認制にしているが、スパムや、神学論争と化して永遠に平行線をたどる内容のもの(主にネット右翼の嫌がらせ)以外は掲載することにしている。

たまたま、昨日の記事はあるブログをタイトルで名指しして罵倒したものだったため、多くの読者から共感を得られず、批判のコメントが殺到した。

これらを読んでいて、当ブログの読者には「信者」はほとんどいないんだなあ、と思った。良いことである。ブログの記事が間違っていると思ったら間違っていると率直に指摘してくれる読者というのは、ブログの管理人にとってはありがたい存在である。お追従のコメントを寄せる人たちばかりが目立つブログというのは、良いブログとはいえない。

とはいえ、どんなに読者の反発を招こうとも、一昨日及び昨日のブログの主張を撤回するつもりはない。私は、盟友のブログに対してあるブログが行った誹謗中傷に対して激怒したのであり、当該ブログを弾劾するために、「禁じ手」をいくつか使った。罵倒用語、ブログのアクセス数への言及、それに相手ブログを排除しようとする物言いなどである。

当ブログは、これらが「諸刃の剣」であることを承知の上でエントリに盛り込んだ。つまり、「やるか、やられるか」の真剣勝負の覚悟で、該ブログ(「雑談日記」)を非難したのである。当ブログは該ブログと同じ立場に立つとは思っていない。不倶戴天の敵であると認識していることを明記しておく。

但し、上記の「不倶戴天の敵」以外に当ブログがこれまでに何度か非難したいくつかのブログに対しては、そのような認識は持っていない。もちろん批判はいろいろ持っているが、批判と人格の否定は異なる。当ブログ管理人には、批判を受けて喜ぶ天邪鬼なところがあり、それは当ブログ管理人が自分の書いた記事に対して自信を持っていることの裏返しでもあるのだが、適切な批判はブログやブログ管理人を成長させる糧だと考えている。

だから、当ブログへの批判を遠慮される必要は何もない。今日は、いただいた批判コメントの中から、お玉おばさんのコメントを紹介したいと思う。内容についてはあえて何も言わないが、当ブログに批判コメントをするに際して、心理的障壁が高かったように見受けられることについては、当ブログ管理人の不徳のいたすところであり、それについては心からお詫びしたい。

それでは以下にお玉おばさんのコメントを紹介する。いくつかいただいたコメントの中で、このコメントを選んだ理由についても、読者の方々でお考えいただければ幸いである。


kojitakenさま
このあなたへの苦言を全て表に出された行為を私は潔い事だと思います。今のこの状況で、批判コメントを表に出す
あなたに敬意を表します。

その上で、私たちは政治ブロガーとしての真の「危機感」を共有することはできませんか?私はあなたほど知的に読者を引きつけることができません。いつもまず感性と感情、そして素朴な思いが先立つ者です。
その上、実は誰とも共闘というワクの持てない変わり者です。多分誰とも違う・・でもあなたも元々は誰とも違う方ですよね?
色々批判されてますが、そして私も今のあなたには思うところはありますが、元々の理知的な記事を書かれていたあなたを知っている人が多いからあなたは人気ブロガーであるのではないですか? 
敵対することのやめられないブログを一切スルーする。多少考え方が違うブログでも許容する、なにか疑問があるならばまず、個人的にメールする、(もちろんそれが叶わなければ仕方ないですが。。)そういう寛容さで、真の敵と戦っていけませんか?

私も反省すべき点を見いだしております・・・でも、いま一番困るのはリベラル系ブログが2分してしまうことだと私は思います。よそのブログが何をやっているか、なんて本当はあなただってどうでもいいことではないでしょうか・・・もちろんあなただけではない、あなたを影で批判する方に対してもこの文章は向けております。

あなたにコメントするのに私は手が震えるほどの勇気を出しております。・・・でもきっとそれはあなたも同じだったのかな?とも感じております・・・
私はリアル社会で護憲運動をすることが大事なので、つい、所詮ブログだと申してはおりますがあなたのように影響力のあるブログにはたくさん教えて頂きたい、そう思っております。

こんかいの騒動のせいで、今真に問わねばならない政治の話が全て追いやられております。でも私たちは、リベラルブロガーのもめ事に終始しています・・気がつけた人間からこれをやめない限り・・何をも動かせない。

失礼なことを承知でコメントさせて頂きました。このような無礼をどうかお許し下さい。

2008.01.12 23:55 URL | お玉おばさん #e2xIBKiE [ 編集 ]


[追記]

たんぽぽさんから、下記のコメントをいただいた。

わたしのことでしたら、とくに気にしてないですので、
あまり気を遣わないでも結構ですよ。
『雑談日記』の反応は予想通りで、むしろ失笑したくらいですので。
(どうか、怒りを静めていただけたらと思います。)

当人(わたし)の気持ちがどうあろうと、
他人のブログをいやしめてまで、自分のブログを自画自賛するのは、
糾弾されることである、という考えかたも、もちろんあるけれど...

2008.01.13 01:33 URL | たんぽぽ #ZiqE0vWU [ 編集 ]

今回、私が「雑談日記」に対してブチ切れた直接の原因は、たんぽぽさんが書かれている件だが、「雑談日記」は、従来からさまざまなブログに対して同様の誹謗中傷やいやがらせを行ってきた。かかる同ブログの言動を見ていると、例の「STOP THE KOIZUMI」の紛争にしても、一方的に主宰者側に非があったとはいえないのではないか、と思うようになった。それに、同ブログは「リベラル・平和系」のブログ言論の質を向上させるために何の貢献もしていない。それ以前に、その卑劣な行動には、人間として許せないものがある。以上を考え合わせて、同ブログを排除すべき時がきたと判断した次第である。記事中でたんぽぽさんを示唆する表現をしてしまったのはいささか軽率だった。お詫び申し上げる。


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あの品性下劣なブログ 「雑談日記」 は、ついに 「自民党TBP」 からパージされた。

「雑談日記」およびその管理人・SOBAを批判し、「自民党TBP」からのパージを宣言した 「カナダde日本語」 は、一昨日(日本時間10日)、昨日(同11日)の2日間で、1万件を超えるアクセスを叩き出した。遅ればせながら SOBAを非難する記事 を公開した当ブログも、昨日は今年最多の3,498件のアクセスを記録した。読者の方々がいかにSOBAを忌み嫌っているかの証左だろう。

「美しい壺日記」 の管理人・やっしゃんさんからは、裏ブログ 「kojitakenの日記」 宛に、下記のようなお叱りをいただいた。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20080111/1199983298#c1200063677

dj19 2008/01/12 00:01

あのバーナーのせいで気分を害されていた一人です。
あんな人の作ったバーナーをよく貼れるなぁとずっと思っていました。

遅すぎじゃないですか決断するの(笑)

本音をいうと、私は「AbEnd」に加わる前からSOBAのバナーは大嫌いだったのだが、トラブルメーカーであるSOBAとの面倒ごとを恐れて、あの下品なバナーを貼っていたのだった。バナーを外すのが遅すぎたという批判に対しては、返す言葉もない(笑)。

いつまでもくだらない泡沫ブロガーの悪口ばかり書いていてもしょうがないのだが、現実の政治の状況は、新テロ特措法の衆院再議決による成立だとか、その際の小沢一郎らの棄権だとかの不愉快なニュースばかりなので(こういうニュースを聞くと、昨年民主党が小沢を代表の座から追い落とさなかったことは痛恨事だと思える)、ついつい現実逃避をしたくなってしまうというワケだ。

そんな不適切なブログから勝手に連帯を表明されたブログも良い迷惑だと想像するのだが、そういえば「リベラル・平和系」とカテゴライズされることが多いブログの中に、かの悪名高いストーカー系ネット右翼の「フテキセツなブログ」と相互リンクを張っているところがあった。これは、リベラル系のブログの管理人に対してストーカー行為を働いたりする悪質なブログなのだが、なぜそんなところと「人間力」が自慢のリベラル系ブログが相互リンクを張っているのだろうか?

とにかく、ひとことで「リベラル・平和系」のブログといっても、おかしなところだらけだ。日本の政治ブログが普遍性を持つようになるまでの道のりは長く遠い。


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よく、「リベラル・平和系ブログ」などという言い方がされるが、考えてみれば、「俺が作ったバナーを貼れ」と強要するブログの横暴に屈して、ペタペタと悪趣味なバナーを貼るのって、「リベラル」の看板が泣く行為だ。かつてはあのブログはアクセス数が多かったし、あちこちでトラブルを起こしたうるさいブログだから、厄介ごとに巻き込まれるのはメンドクサイと思って、しょうもないバナーだなあと内心では思いながらも、押し売りに屈してしまったというのが多くのブロガーの実情ではないだろうか。

ほかならぬ当ブログも、そんなバカげた行ないをしてきたのだが、下記の記事を読んで、改めて水から、いや自らのことなかれ主義が間違っていたことを再認識した。

http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-730.html

http://taraxacum.seesaa.net/article/77657453.html

いま私は、自らの不明を恥じ、わがブログの過去のエントリに山ほど残っている、愚か者が作成したバナーへのリンクを削除し続けているところである。

馬鹿に屈してはならない。


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狭い世界で馴れ合っているブログ界の沈滞ムードをよそに、世界の変化のめまぐるしさはますます加速する一方だ。たとえば、昨日の朝刊はアメリカ大統領選の民主党候補者争いにおけるバラク・オバマの勢いを報じていたが、アメリカのテレビがヒラリー・クリントンの涙を大写しにするや情勢が一変し、ニュー・ハンプシャー州の予備選はヒラリーが勝った。ヒラリーはオバマより新自由主義色が強いし、何より反日的な候補なので、私にとっては残念な結果だった。

日本でも今年には衆議院の解散総選挙が予想されている。今のままの枠組みのまま、たとえば秋に総選挙が行われるなら、昨年の参院選同様、民主党の勝利、自民党の敗北に終わることは必至だが、危機感を強めた自民党は、政界再編成へと大きく動き始めている。

自民党には、大きく分けて福田康夫総理・総裁に代表される旧保守、中川秀直やコイズミチルドレンに代表される新自由主義勢力、それに麻生太郎・中川昭一・安倍晋三らに代表される復古主義勢力の三派があり、これらが野合している。一方、民主党にもこれらに対応する三派があり、加えて社会民主主義的勢力を抱えているのは皆さまよくご存知の通りだ。

正確にいうと、同じ新自由主義勢力でも、自民党のほうがネオリベにネオコンを加味した傾向が強いのに対し、前原誠司ら民主党の新自由主義勢力は、男女共同参画についてはリベラルな傾向が強い。また、自民党で復古主義的な勢力の一部には、反新自由主義的な傾向があるが、男女共同参画についてはバックラッシュ的(反動的)な傾向が強い。総じて、経済政策では自民党と民主党の諸派閥の政策はかなりオーバーラップする部分が多く混沌としているが、政治思想的には自民党と民主党の開きは、一般に持たれているイメージよりは、かなり大きいように思われる。

とはいえ、自民党と民主党はともに保守政党であるとはいえるだろう。昨年の参院選は、あからさまな新自由主義政策を掲げる安倍自民党と、政策を社会民主主義寄りに転じたように見えた小沢民主党の対決となり、民主党の大勝、自民党の大敗に終わったが、何度も書くように、次の衆議院総選挙は、そんな単純な図式にはならない。

両党のどのグループがどんな合従連衡を目指し、それに小政党がどう絡むか、という話は、以前に書いたことがあるかどうかは記憶がさだかではないが、どうせありきたりのことしか書けないからここでは省略する。問題は、わが国・日本がどんな方向に進むべきかということだ。

さとうしゅういちさんの 「広島瀬戸内新聞ニュース」 に教えていただく形で、特集記事 "「北欧」はここまでやる" が掲載されている 週刊 「東洋経済」 1月12日号 を購入した。その特集の冒頭を引用する。

 医療、年金、介護問題など、日本は今、社会保障にかかわるさまざまな難問に直面している。いずれも有効な解決策が見当たらない。
 その背景にあるのは、社会の活力低下。つまり少子高齢化と格差社会の出現だ。OECD(経済協力開発機構)の調査では、日本は平均より半分以下の収入しかない国民の割合(貧困率)が、先進諸国の中でアメリカに次ぐワースト2位だ。「一億総中流」の時代はとうの昔に終わってしまった。
 日本だけではない。市場経済を重視して規制緩和を求める「新自由主義」が世界に成長と繁栄をもたらす一方、貧富の拡大は世界的な課題になりつつある。1990年代終わりから「第3の道」を標榜し、新自由主義と福祉政策を融合させようとした英国は、確かに福祉政策で一定の成果を上げた。だが、その水準は決して高くない。世界中が福祉政策とどう向き合うか、模索を続けているのだ。
 経済成長を望むなら、"平等" は犠牲にしなければならないのか。
 95年から2006年までの1人当たりGDP伸び率と、平等性を測る指数であるジニ係数との相関を調べると、興味深い事実が浮かび上がる。GDPの高い伸びを示しているのは、むしろ所得の平等性が高い国々(ジニ係数の低い国)が多いのだ。少なくとも、ここからは成長と平等がトレードオフの関係にあるとはいえない。やはり、健全な中間層の存在こそが、経済社会を成立させる前提ではないのか。

(週刊 「東洋経済」 2008年1月12日号掲載 "特集/「北欧」はここまでやる" より)


引用部分は、40ページにも及ぶ特集の導入記事の、そのまた冒頭部分だが、以下、1993年に1人当たりGDP世界トップだった日本が、2006年に15位に沈み、その間1人当たりGDPが1.7%減った(ドル換算ベース)一方、高福祉政策をとる北欧諸国が高成長を遂げていることが指摘されている。同じ時期に、ノルウェー2.64倍、フィンランド2.31倍、デンマーク1.87倍、スウェーデン1.83倍といった具合だ。

1993年といえば、細川内閣発足の年だが、個人的な実感としても、国内メーカー製の電気製品の高品質のピークはこの頃だったと思っている。その後、グローバルな競争に巻き込まれた日本メーカー製品の品質は低下の一途をたどった。わが国の工業は、明らかにその長所を失いつつある。

そして、93年に発足した細川内閣は、宮沢内閣にとってかわる「非自民・非共産連立政権」だったが、一方で旧保守の経済政策を、新自由主義の政策を掲げる新保守の政策へと切り替えようとした内閣だったという位置づけも、忘れてはならない。翌94年の自社さ連立政権(村山内閣)には、旧保守と社会民主主義勢力の連立という意味合いもあり、この政権を担った人たちがもっと有能だったら良かったのだが、結局自民党を延命させるだけの役割しか果たせなかったことは、一大痛恨事だった。その後、橋本内閣、小渕内閣と経世会系の内閣が続きながら、経済政策は新自由主義色が強まっていき、2000年、ついに政権が国家主義と新自由主義の融合を重視する森派へと移行、2001年には日本で最初の本格的新自由主義内閣であるコイズミ内閣が発足して、国民生活は大きなダメージを受けたのである。安倍内閣に至るまで、総理大臣が代わるたびに政治が悪くなっていった印象がある。しかし、安倍晋三より劣る総理大臣というのは考えられないから、日本の政治の劣化にもようやくピリオドが打たれようとしているというのが、私の現状認識だ。なにも福田康夫を評価するのではなく、最低最悪の安倍晋三よりはいくらかましだろう、という意味だ。

しかし、福田康夫内閣では、安倍より悪くなることはなくとも、安倍内閣に至るまでの歴代内閣が損ねてきた日本の国力を再浮上させることはできない。

前にも書いたように、自民党にも民主党にも旧保守、新自由主義勢力、復古主義勢力の3派があり、民主党にはこれに加えて社会民主主義勢力もある。また、野党では国民新党が旧保守で、社民・共産両党が社会民主主義勢力だ。私は政権の枠組みとしては、旧保守と社会民主主義勢力の連立が好ましいと考えている。ここで注意すべきは復古主義勢力で、コイズミによって自民党を追われた平沼赳夫が、新党結成をもくろんでおり、新党が結成されたあかつきには、自民党の麻生太郎、中川昭一、安倍晋三といった復古主義勢力と提携を探るものと思われる。現に平沼は中川昭一らと「真・保守政策委員会」なる勉強会を立ち上げた。

新党が結成されれば、それは野党だから、「野党共闘」論者の中には、民主党と平沼新党の提携を呼びかける人たちも出てくるだろうが、民主党と復古主義政党との野合は、昨年夏の参院選で民主党に投票した人たちの多くを裏切るものだと当ブログは考える。自民党が分裂した場合であれば、民主党は自民党の旧保守勢力と提携すべきである。親和性の高いのはその組み合わせだ。そして、前原グループには民主党から出て行ってもらって、自民党の新自由主義勢力と一緒にネオリベ新党でも結成してもらえば良い。

日本の政治や社会の再建への道のりは遠いが、地道に声をあげ続けるしかないと思う今日この頃だ。


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昨年12月29日のエントリで、行方不明になっていた岩田和輝くん(12)=横浜市=捜索への協力をお願いしていましたが、和輝くんは8日、無事保護されました。

下記は、横浜市都筑警察署からの告知です。
http://www.police.pref.kanagawa.jp/ps/93ps/93_idx.htm

皆さま、ご協力どうもありがとうございました。
2008.01.09 06:00 | おしらせ | トラックバック(-) | コメント(2) | このエントリーを含むはてなブックマーク
「たんぽぽのなみだ?運営日誌」 による擬似科学 「水からの伝言」 批判が話題を呼んでいる。
http://taraxacum.seesaa.net/article/75373760.html

たんぽぽさんは、当ブログが前首相・安倍晋三の統一協会祝電事件騒ぎに加わった一昨年6月に知り合ったブログ仲間であり、過去にも山谷えり子が安倍晋三と共謀してジェンダーフリーバッシングのアンケート結果を捏造したことを教えてもらったことがある。
http://taraxacum.seesaa.net/article/28316022.html

リンク先のエントリにも書かれているが、その内容があまりに衝撃的だったので、当時何度も当ブログでたんぽぽさんのブログを引用しながら山谷のことを取り上げた。

昨年末頃から、当ブログが陰謀論や擬似科学を批判するエントリを何本か公開したのも、たんぽぽさんからの影響が強い。最初に紹介したたんぽぽさんの「水伝」(「水からの伝言」の略称)への批判について、あたかも当ブログの教唆によって書かれたかのように思っているむきもあるようだが、全く事実とは異なることを明言しておきたい。確かに昨年末に当ブログも「水からの伝言」を批判したが、これはたんぽぽさんの影響抜きにはあり得なかった。

さて、たんぽぽさんや私に対して、「陰謀論や擬似科学を批判する、心の狭い人たち」だとして批判するコメントを見たことがある。他のブログでも同じ人のコメントを見たことがあり、そちらでは相手にされなかったようだが、陰謀論はともかく擬似科学とは文字通り「科学もどき」であって、批判を受けて当然だろう。

私が擬似科学を批判する理由の一つに、新自由主義によって激しいダメージを受けた技術立国・日本を立て直すために、技術の基礎となっている科学に対するまっとうな見方が普及してほしいという思いがある。科学的なアプローチは、思いのほか困難を伴う知的作業である一方、擬似科学に身を任せるのは実に気楽な営為だ。アインシュタインの相対性理論は誤りだったと主張するコンノケンイチという擬似科学者が、「9.11自作自演説」を唱えているのは興味深い。

アメリカや中国、インドといった国は、いずれも科学技術を重視している。アメリカは、軍事的な必要性もあって、先端技術の多くを国策として、巨額の投資をしている(その意味では、アメリカは決して「小さな政府」などではないと指摘されている)。中国政府の要人に、技術畑出身の人が多いというのも、よく言われることだ。私は、日本も最先端の技術は国策化すべきであると考えている(但し、アメリカと違って軍事目的を指向しないことが必要だ)。それだけに、新自由主義のくびきから解き放たれたいと熱望しているはずの、日本のリベラル系の人たちが擬似科学に無批判だというのは、心胆を寒からしめる光景だ。アメリカの言うことを真に受けてレッセフェール(自由放任主義)の政策をとる日本の新自由主義政治家は、大たわけだと思う。

ようやく、たんぽぽさんに厳しく批判された側にも、トンデモ批判を受け入れよと促すコメントが現れて、事態が少し改善されたのにはほっとさせられた。批判を許さないという態度は全体主義以外のなにものでもない。

ところで、昨年の政界は安倍自民党対小沢民主党という、実にわかりやすい対決の構図ができていて、反政府系のブログも結束しやすかった。現在は、いろんなブログが好き勝手な方向に動こうとしているが、それで良いのではないかと私は思う。いつになるかわからない次の解散総選挙では、自民党の民主党もいくつかのグループが綱引きをして、昨年の参院選みたいに単純な構図にはなりっこないのだ。

その意味で、選挙のスローガンしか語らないブログはもうだめなんじゃないかと思う。少なくとも、たとえば縦軸に政治思想、横軸に経済政策をとった場合、自分はどこに位置し、どの党のどのグループとどういう距離にある、くらいの意識を持って書かれた記事でなければ、私は読む気にはならない。記事にそれを明記せよというのではない。書き手の強い気持ちが伝わってくる文章であれば良いのだ。今年の政治ブログは、政局主義から脱却すべきだ。

とにかく、擬似科学及び政局主義と訣別した時、政治ブログは飛躍的によくなると思う。


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2008年は閏年で、アメリカ大統領選挙や夏季オリンピックのある年だ。
アメリカの大統領選では、8年ぶりに共和党から民主党へ政権交代があるかが注目される。昨年、フランスで親米のサルコジ政権、韓国では保守ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)政権が誕生したが、アメリカではもうだいぶ前からブッシュ政権がレーム・ダック化しており、日本でも参院選で自民党が大敗し、自民党政権の終わりが見えてきている。

韓国の政権にしても、金大中、盧武鉉の左派政権は、経済政策では新自由主義をとって国民生活を苦境に追いやった。そのあと、田中角栄の列島改造論を思わせるような政策を掲げる李明博が大統領になったが、果たしてうまくいくだろうか。あまり明るい展望は持てないように思う。

やはりもっとも注目されるのはアメリカの大統領選だろう。近年では1977?81年のカーター大統領、1993?2001年のクリントン大統領が民主党選出の大統領で、1976年にカーター氏が大統領選に勝利した時には、"Jimmy who?" などといわれて新鮮なイメージがあり、日本の新聞もカーター氏には好意的だったと記憶している。時代的には、カーター時代は日本経済の全盛期で、当時話題になった経済書は、ガルブレイスの「不確実性の時代」、ヴォーゲルの「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などだった。アメリカでは、自国に都合の悪いことが起きるたびに「日本の陰謀だ」とする陰謀論が流行したという(笑)。

しかし、79年からの英サッチャー政権、81年からの米レーガン政権が取り入れた新自由主義に日本もなびいてしまったのがつまずきの元だった。私はその元凶は中曽根康弘であると考えている。しかし、日本経済は好調だったし、中曽根は現実主義者だったので、日本では新自由主義の経済政策はさほど徹底されることはなかった。しかし新自由主義思想に基づく中曽根政権の民活(民間活力の活用)路線は、バブル経済を招いた。バブルを招いた中曽根の責任も重いが、バブルの後始末の政策を誤って、徐々に新自由主義的カイカクを進めてしまった橋本・小渕両政権の罪も重かった。橋本は消費税率引き上げで不況を招き、小渕は経済よりむしろ戦後民主主義の根幹を壊す戦争志向の諸法案の成立で、日本の政治をおかしくしてしまった。その間、アメリカから日本にプレッシャーをかけ続けたのがクリントン政権だった。本来決して右派的ではないはずの米クリントン、英ブレア両政権は、結局前政権(米レーガン?ブッシュ父、英サッチャー?メージャー)の新自由主義政策を引き継ぐしかなかった。だから、ビル・クリントンに対して持っている私の印象は、ジミー・カーターに対して持っているそれとは全く異なり、早い話私はビル・クリントンが大嫌いである。

日本で無能な森喜朗政権に対する国民のストレスがたまっていた2000年、アメリカの大統領選でブッシュが勝った。当時私は、世界平和のためには好ましくないが、経済政策に関しては民主党政権の方が手強いから、アメリカがブッシュならむしろアメリカに対して巻き返せるのではないかと思ったのだが、対米隷従主義者のコイズミが日本の首相になってしまい、その読みは狂ってしまった。コイズミ政権は、日本で初の本格的新自由主義政権となって、国民生活を痛めつけたのである。せっかくアメリカがアホのブッシュなのに、日本がそれ以下のコイズミや安倍晋三ではどうしようもない。政治家の程度は民度を映す鏡というが、ブッシュを8年も大統領にしたアメリカもひどいが、世襲でないと総理大臣になれなくなってしまった、「階級政党」自民党を延命させ続ける日本はもっとひどい。それにしても、2000年の米大統領選でアル・ゴアが勝ち、年末に加藤紘一が乱心を起こさなかったなら、日本の社会は現在とは全く異なるものになっていたのではなかろうか。

30年前にも、自民党は金権腐敗をずいぶん批判されたが、田中角栄、三木武夫、福田赳夫、大平正芳、それに(鈴木善幸をはさんで)中曽根康弘と、一通り政権の座に着いた実力者たちに世襲の政治家はいなかった。みな実力で総理の座をつかんだ。「頑張った者が報われる社会を」と安倍晋三はよく言っていたが、それはこの時代の自民党にこそ当てはまり、90年代以降の自民党には全く当てはまらない言葉だ。良くも悪くも「国民政党」だった自民党は、いつの間にか「階級政党」へと変わり果ててしまった。民主党は自民党と同じような政党だとよくいわれるが、両者のもっとも大きな違いは、民主党はまだ(支配する側の)「階級政党」にはなっていないことだろう。たとえば同じ新自由主義者でも、前原誠司は世襲政治家ではない。

それでアメリカの大統領選の話題に戻るのだが、注目のアイオワ州の党員集会で、共和党は右派のハッカビー、民主党は左派のオバマが勝った。私はもちろん大統領選では民主党の候補者に勝ってほしいが、その中でもヒラリー・クリントンではなくバラク・オバマに勝ってほしい。オバマはヒラリーよりリベラルだし、もしヒラリーが大統領になったら、1989年以来、アメリカの大統領選はブッシュ父子とクリントン夫妻によって24年間も寡占されることになってしまうからだ。これを、二大政党制ならぬ二大王朝制だ、と評する人たちもいる。

加えて、私は昨年2月にオバマに関する記事を書いたことがある。毎日新聞の報道を紹介したあと、オバマをほめて安倍晋三をけなしただけの他愛もない記事だが、「バラク・オバマ」を検索語にしてネット検索すると、上記の記事が比較的上位で引っかかるらしく、この検索語で当ブログを訪ねてくださる方がたまにおられる。そんなことも、私がヒラリーよりオバマをひいきにする理由の一つだ。

しかし何にせよ、ヒラリーとオバマには今後熾烈な候補者争いを展開してほしいと思う。両者の争いが激しくなればなるほど、大統領選で民主党候補が勝つ可能性が増す。米民主党は、新自由主義政策の見直しを志向している。その民主党の中でもオバマは最左派なので、あまりに左寄り過ぎて共和党候補に票が逃げていくと懸念する向きもある。だが、日本の政治に与える影響を考えた場合、ヒラリーよりもオバマの方がコイズミや安倍からの距離が遠い。劇的な変化を好まない日本人の背中を後押しする意味でも、オバマはインパクトが強い。

以前は、経済政策ではより日本を苦しめたのは共和党より民主党のほうだ、とずっと思ってきた。しかし、1981年にレーガンが大統領になったから82年に中曽根が民活路線を始めたのだし、2001年にブッシュJr.が大統領になったからコイズミが極端な新自由主義カイカクを始めたのである。日本の新自由主義化は、この2度の民主党から共和党への政権交代をきっかけにしている。日本政府の対米隷従は今に始まったことではないが、より日本経済に大きなダメージを与えたのは共和党政権だった。あの印象の悪いビル・クリントンの政策も、共和党政権の新自由主義を継承したからとられたのだと気づいたのは、比較的最近のことである。日常的には共和党政権の方が親日的に見えるのだが、肝心かなめの経済政策の基本については、やはり共和党政権のそれは日本経済とは相性が悪い。

アメリカが変われば日本も変わる。解散総選挙がいつになるかはわからないが、町村官房長官の更迭もできない福田康夫政権に、簡単に解散のカードが切れるとは思えない。解散は早くとも9月以降ではないかと私には思える。自民党のダメージを極小にするには、解散は早ければ早いほうが自民党にとっては好都合なのだが、それでは与党の3分の2の議席を失ってしまって手詰まりは解消できない。朝日新聞などは、元旦の社説で、衆院選で民主党が負けたら参議院での多数を振り回すなと主張していたが、早期の解散は自民党・民主党の双方にとってメリットが全くないので考えにくいのである。しかし、アメリカの大統領選の帰趨が見えてきたら、それに応じて日本がどういう針路をとればよいのか、政治家たちも方針を固め始める。そして、新自由主義指向から福祉国家指向へと転向した方が良いと判断した政治家は、かつて軍国主義者から民主主義者に転向した人たちのように、素早い変わり身を見せるだろう。

前記朝日の社説は、連立などがあってもそれは総選挙のあとにすべきだと主張している。それは正論だが、おそらくそうはなるまい。選挙をやる時には、既に新しい政権のスキームははっきりしているのだ。1993年の細川政権成立前の総選挙はそうだった。今回もおそらくそうなる。総選挙は、新しい枠組みを追認する儀式のような性格を帯びるだろうと私は予想している。日本国民の声が国政に及ぼす力は、まだまだ小さい。


[参考記事]

「カナダde日本語」 ? 「米大統領予備選: 「アメリカの底力」by冷泉彰彦」
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-724.html


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朝日新聞の元旦の社説で目を引いたのは、内容よりも「平成20年」という元号をタイトルと本文に用いたことだ。
http://www.asahi.com/paper/editorial20080101.html

天皇の即位によって時代が区切られる元号には、皇位継承ごとに数字がリセットされる不便さと相俟って、昔から違和感を持っていたのだが、平成に改元されてから、その不便さが多くの国民から敬遠されるようになったのか、使用頻度が減っている。官公庁の文書や産経新聞の記事などでは主に元号が使われるが、(産経新聞以外の)民間ではあまり使われなくなった。

しかし、それにもかかわらず、朝日新聞が「平成20年」を持ち出そうとした気持ちはわからなくもない。元号で「20年」というと、誰もが「昭和20年」に日本に起きた大きな変化を思い起こすからである。

大発会の1月4日、日経平均株価は616円安で、大発会としては過去最大の下げ幅となった。ニューヨークの原油先物価格が1バレル=100ドルを突破してアメリカの株式市場が大きく下げて始まったことから予想されたことではあるが、ついにきたかと思った。大発会の下げは、過去最大は1999年の426円だったらしいが、私は秒読みとなった平均株価4万円に向けて上げるだろうと思われた1990年を思い出す。バブル崩壊の予兆だった。なお99年は「ITバブル」によって年間では平均株価をかなり上げたが、ITバブルは翌2000年に崩壊した。

今年は、ずばり新自由主義の崩壊が始まる年になる。こう予感するのは私だけではあるまい。サブプライム問題は、「リスクの分散」が、実はリスクの全世界へのバラマキに過ぎなかったことを露呈した。実体経済をはるかに上回る投機マネーが駆けめぐり、エスタブリッシュメントたちや闇社会の大物たちが饗宴を繰り広げる。虚の経済が大きくなればなるほど、闇紳士たちの力も増す。最近読んだ田中森一の 『反転・闇社会の守護神と呼ばれて』 (幻冬舎、2007年)に、1992年、外為法違反の罪に問われて逮捕されそうになった山口組系の宅見勝組長(故人)をフランスの病院に入院させようと、当時「ヤメ検弁護士」として活躍していた田中(当時清和会顧問弁護士)が画策していた時、この計画に協力して骨を折ったのが安倍晋太郎事務所だったと書かれている(この記述にはおかしなところがあるが、追記で指摘する)。最近はヤクザというと財テクというのが通り相場になっていて、一昨年のライブドア事件の際にもずいぶん暴力団の影が噂されたものだ。

こうして支配者階級が闇紳士たちと一緒になってが空騒ぎをしている一方、国民の暮らしはよくなるどころか悪化の一途をたどっている。新自由主義を取り入れた国では、軒並み格差や貧困が、大きな社会問題になっている。

しかし、懲りないグローバリズムは、これまでにもアジア通貨危機やITバブルとその崩壊などで、全世界に害毒を撒き散らしてきたが、今またサブプライム問題を引き起こし、今度はヘッジファンドの資金の流入によって原油高になっているという。ここにきて国民もようやく、生活を窮乏させている元凶が何か、悟り始めたのではないかと思う。

日本では、昭和20年の敗戦で焦土と化したあと、連合国によって一変させられた政治体制下で、劇的な再興を遂げた。平成20年の変化は、昭和20年のような劇的なものにはならないかもしれないが、今度は日本国民の選択によって新自由主義と決別し、福祉国家建設への第一歩を踏み出す年になると希望的に予想したい。まずは、すっかり新自由主義政党と化してしまった自民党の政治を終わらせることである。すべてはそこから始まる。自民党は、民主党を自民党化して、あわよくば連立を組んで潜り込もうとするなど、ありとあらゆる手を打ってくるだろうが、その都度そのたくらみを指摘し、彼らの意図を挫いていきたいものだ。


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今年は、ブログ開設の頃の初心に立ち返って、「きまぐれ」に記事を書いていこうと思う。おそらく、昨年のような形では年間を通してブログにかかわることはできないと思うので、なるべく簡潔かつ効果的に主張を表現するすべを身につけ、磨いていきたい。

実質的な今年最初の記事は岡山の話題から。岡山県といえば、昨年の参院選で「姫の虎退治」を成就させ、民主党大勝、自民党大敗の象徴となった地域だ。

その民主党の岡山県連が、今年にも予想されている総選挙で岡山三区には候補者を立てない方針なのだという。無所属の平沼赳夫に配慮してのことだそうだが、非常に強い疑問を感じる。

平沼というのは、先日、中川昭一らと「新・保守政策委員会」という名称の勉強会を立ち上げた人物だ。この勉強会には、日本会議系の議員が雁首を揃えており、その中には安倍晋三に近い議員も多い。自民党の極右勢力を中心にした集団であり、新党結成を視野に入れているとも言われている。

この平沼がいる岡山三区に候補者を立てないということは、民主党が今後あるかもしれない政界再編の際、この平沼新党と連立を組む含みを持たせていることを意味する。これは、決して看過できない。

そもそも岡山は江田三郎(故人)・五月父子の地盤で、菅直人も本籍は岡山だ。社会市民連合発足当時からの、現民主党リベラル勢力の牙城。だからこそ、「姫の虎退治」も成就したのだ。その岡山で、なぜ民主党が極右の平沼赳夫なんかに遠慮して候補者の擁立を見送る必要があるのだろうか。

昨年の参院選において、片山虎之助はにっくき敵だった。当ブログも、四国四県と並んで岡山の動向には特に注目していた。最初はまさか勝てるとは思わなかったが、勝った時には快哉を叫んだものだ。しかし、敗戦が決まった時の片山虎之助の態度は潔かった。敵ながらあっぱれと思ったものだ。

この参院選で片山が敗れたのは、平沼赳夫の協力があまり積極的でなかったためともいわれている。つまり、平沼は間接的に民主党を助けたようなものといえるかもしれない。しかし、だからといって民主党が平沼にお返ししてやらなければならない理由など何もない。あれはあくまで自民党の内輪もめだ。

そもそも、片山虎之助と平沼赳夫を比較した場合、果たして平沼のほうが「よりマシ」な政治家だといえるだろうか。平沼赳夫は郵政民営化に反対票を投じたが、片山虎之助も当初郵政民営化に反対で、そののちも郵政民営化法案を骨抜きにしようと腐心した男だ。少なくとも片山虎之助は新自由主義者ではない。一方の平沼赳夫はというと、安倍晋三や山谷えり子とともに下記URLの書籍の共著者の一人となっていることからも分かるように、サッチャーの「教育カイカク」の信奉者である。
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31509641

サッチャーの教育カイカクとは、教育システムに国家主義のバックボーンを持たせるとともに、競争原理を大幅に導入した新自由主義的なものでもあるから、これの信奉者である平沼赳夫は、新自由主義者としての側面を確かに持っているといえる。

片山虎之助は、NHKを民営化しようとする竹中平蔵のたくらみにも抵抗してきた。「NHK利権に汚れている」との批判もあるが、竹中らの思うがままに民営化されるよりよほどマシだろう。昨年末に放送された 「ワーキングプア III」 のような優れた番組も、いまや民放は製作することができず、NHKが一人気を吐いているのが現状だ。

政治的スタンスを見ても、片山虎之助が津島派所属であるのに対し、平沼赳夫は一時清和会に所属していたこともある。民主党の平均的なスタンスにより近いのは前者だろう。

こうしたことを考えると、昨年片山虎之助をターゲットにして討ち取りながら、今年、片山よりずっと安倍晋三に近い平沼赳夫に対して不戦敗に甘んじようという民主党のスタンスは、私には全く理解不能だ。そこからは、民主党の理念といったものが、全く見えてこない。もし仮に、民主党が片山虎之助と平沼赳夫のどちらかと組まなければならない場合を想定した場合、民主党が選択すべき「よりマシ」な選択肢は片山であって平沼ではないと当ブログは考える。

私は解散総選挙の時期は今年の秋以降だろうと予想しているが、それまでに民主党には岡山三区に強力な候補者を立てる準備をしてもらいたいものだと思う。

結局いつもと同じような文章になり、書くのにも結構時間がかかってしまった。文章のクセは一朝一夕には直らないが、皆さま方には本年も当ブログをご愛顧のほど、どうぞよろしくお願い申し上げる。


[追記]
そういえば、昨年の参院選で全滅した四国の自民党議員には、清和会所属議員も、郵政民営化に積極的に賛成した議員も一人もいなかった。たとえば香川の真鍋賢二氏は大平正芳の秘書を務めていたことがあり、改憲は認めても憲法九条は維持すると主張していたし、高知の田村公平氏は安倍晋三のキャッチフレーズ「美しい国」を「馬鹿にされた気がする」と批判して話題を呼んだ。自民党にはまともな議員から順番にいなくなり、清和会だの丸川珠代だのといったろくでもないやつらばかりが残るように思う。


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皆さま

新年あけましておめでとうございます。

旧年中は「きまぐれな日々」の拙い記事をお読みいただき、どうもありがとうございました。旧年は、参院選で野党が勝利し、日本の政治状況にもようやく光が差し始めた年でした。本年は、いよいよ政権交代のかかる年になることでしょう。

本年が皆さまにとって素晴らしい年になりますよう、心より祈念いたします。

本年も、「きまぐれな日々」をどうぞよろしくお願いいたします。


  2008年元旦

  「きまぐれな日々」 管理人 kojitaken