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きまぐれな日々

来年1月に行われる大阪府知事選候補として、自民党が橋下(はしもと)徹弁護士に白羽の矢を立て、これに対して橋本弁護士が「出馬の意思はない」とコメントしているという。これは、それでなくても低い自民党のイメージをさらに低下させるニュースだった。

橋下は、大阪弁護士会に所属する弁護士であるが、同時に「タイタン」なる芸能事務所に所属する芸能人でもある。幸か不幸か、私は平日はあまりテレビを見ない人間なので、橋下をテレビで見た記憶は皆無だ。だが、ネット検索で見る限り、橋下は憲法9条の改変はおろか、徴兵制や核武装まで肯定している極右らしい。そして、なんといっても光市母子殺害事件に関して、橋下がテレビで弁護団に懲戒請求を行うよう視聴者に呼びかけたことは見逃せない。

皆さまよくご存知のように、光市母子殺害事件に関しては、テレビは一貫して被告に極刑に処すべきとする大キャンペーンを張っている。ネットでも、大部分の保守系ブログに加え、いくつかのリベラル系有力ブログがこれに同調している。しかし、当ブログが8月22日のエントリで指摘したように、この事件に関しては、死刑制度の是非以前に事実関係がはっきりしないところが多い。冷静な思考力を持った人間であれば、両方の意見を吟味して判断を下すことになると思うが、テレビというマスメディアを利用して一方の意見を煽り立てる橋下のやり方は、大衆から思考を奪おうとするものであって、典型的なポピュリストのやり方だ。ポピュリズムの何が悪いといって、大衆から思考を奪い、異論を許さず言論を一方向に導こうとするところだ。これは、容易にファシズムにつながる。だから、私はこの橋下という男はきわめて危険な体質を持っていると考えており、選挙に勝てる人材だからといって、安易に橋下などを擁立しようとした自民党に、「そこまで堕ちたか」と深く失望した次第だ。当ブログは、「自Endキャンペーン」に参加していて、反自民党の立場に立っているが、たとえ敵でも自民党にはもっとまともな敵であってほしいと思う。

なお、佐藤優によると、ポピュリズムがファシズムに変質するのに必要なのは「やさしさ」であって、やさしくなければファシズムではない、だから(冷酷非情な)コイズミは衆議院の3分の2を占める議席を獲得しながらファシズムを完成させるには至らなかった、と指摘している(『ナショナリズムという迷宮』)。私はなるほどと思ったし、ことさらに「愛」だの「やさしさ」だのを強調するポピュリストには特に警戒しなければならないと考えている。彼らの実体は全体主義者にほかならないというのが私の意見だ。光市母子殺害事件などの問題に関しても、被害者の親族への思いやりを強調して世論を一方向に誘導しようとする行き方には、危うさを強く感じる。

当の橋下は、立候補を辞退したと報じられたものの、朝日新聞の報道には、「橋下弁護士、出馬に慎重姿勢」との見出しがついており、ここからは、なお橋下出馬もありうるとのニュアンスが感じられる。

さらに自民党は、大阪府知事選では民主党と相乗りしようという姿勢を露骨に見せている。もし橋下が自公の候補になれば、ポピュリズム全盛のこの時代にあっては、民主党は誰を立てても勝ち目が薄いと思うが、万々一、「橋下が立候補して民主党が自公に相乗りする」などという形が実現するなら、世も末だろう。そもそも、自民党が政党のプライドをかなぐり捨てて、ポピュリストの擁立や民主党との相乗りを模索するという動機はただ一つ、政権を失いたくないからだ。ひたすら政権を維持するために、マスメディアの寵児にして国民人気の高いタレント弁護士(とは名ばかりのポピュリスト)や先だっての参院選で圧勝した政敵のはずの民主党にすがろうとする。1か月前の「大連立」協議も、その線でとらえるべきだろう。自民党にはもはや恥も外聞もない。民主党の鳩山由紀夫幹事長は、自民党との相乗りをしない方針を明言しているが、与党の候補者が誰にになろうともその言を貫いてほしいものである。


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