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きまぐれな日々

もう8年も前、小渕政権の頃の話だが、四国・愛媛県の石鎚山の麓から西条市までの舗装道を、酔狂にも徒歩で20キロ以上下りて行ったことがあった。道中、いくつかのすたれてしまった集落を目撃した。その中には、昭和の末期に村おこしを試みながら失敗した跡が残っているところもあった。これが四国の山間部の実情だ、と思った。

今日(12月2日)、テレビ朝日のサンデープロジェクトで放送された 「限界集落」 の特集を見て、直ちに思い出したのがわが目で見た山村の姿だった。「限界集落」 とは、過疎化などで人口の50%が65歳以上の高齢者になり、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落のことを指す(Wikipediaより)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%90%E7%95%8C%E9%9B%86%E8%90%BD

先ほど 「大津留公彦のブログ2」 からこの番組について書かれた記事のTBをいただいたが、大津留さん同様、私もこの番組を見て改めてショックを受けた。

番組で「限界集落」の典型例として紹介された高知県の大豊町は、香川県に住む人間が高知に行く時に通過するし、香川県民の水がめ・早明浦ダムにも近い場所だから、もちろん地名は知っていたが、山間部とはいえ、高知市に比較的近い大豊町で、事態が深刻化しているとは認識していなかった。

大津留さんの記事にも書かれているが、田んぼを減反政策でやめさせ針葉樹の植林をさせた林野庁の政策が裏目に出て、集落は過疎化してしまった。杉は成長するために50年かかりそれまで生活が出来ないので多くは他所に出てしまい間伐する人がいなくなり、針葉樹は間伐しないと下草が生えず土が乾き保水力が落ちる。その間、国産杉の価格は値崩れし、植林政策が始まった時の3分の1になった。

土が乾いて保水力の落ちた山林は、雨も降らず台風でもなかったのに、ある日突然、道路脇の山の斜面が崩落し、橋が落ちるという災害をもたらした。近年四国では台風に襲われた時の被害がひどく、特に3年前に相次いで台風に襲われた時は大きな被害が出たが、これにも政府の失政と関係はないのだろうかという思いが頭をかすめた。

一方、番組では政府の政策に逆らって針葉樹を植えずに複合農業でお茶やしいたけや栗を作ることに力を入れたおかげで 「限界集落」 化を免れた同じく高知県の十和村(現四万十町)の例も紹介されたが、これはあくまで例外的なケースだろう。

番組で、「限界集落」の分布が紹介されていたが、中国・四国・九州地方に集中していた。これらは、従来自民党への支持率が高かったが、先の参院選でその地盤が大きく崩れかかった地方だ。自民党の地盤もまた、保水力が大きく落ちてきたのかもしれない。

政治は誰のためにあるのか、といえばもちろん国民のためというのが当たり前の答えになるが、一口で国民といっても、たとえば大都市圏に住んでそこそこ平和な家庭を築き、暮らしにも困っていない人もいれば、存亡の危機に瀕した「限界集落」の住民もおり、ワーキングプアと呼ばれる人たちもいる。ワーキングプアとは、「働けど働けど、生活保護水準(年収200万未満)の生活しかできない人々」のことを指し、2005年に発表された厚生労働省の統計によると、全労働人口の4分の1が、ワーキング・プアに相当するという。

政治ブログの記事を書く人間には、少なくともブログに時間を割くことができる分だけ恵まれているともいえるが、世間の多くが自分と同じような感覚でいると考えない方が良いと思う。もっとも、当ブログも偉そうなことをいえた筋合いではなく、それは、管理人が今日の「サンプロ」を見てショックを受けたことからも明らかだ。

そういえば、そろそろ当ブログでも赤木智弘や雨宮処凛(かりん)について取り上げてみようか。


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