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きまぐれな日々

本当に民主党というのは困った政党、小沢一郎というのは困った政治家で、1989年の参院選後の社会党、1998年の参院選後の民主党の誤りを、三たび繰り返すのかと思ってしまう。

しかし、今回の騒動で、仕掛人が渡邉恒雄(ナベツネ)と中曽根康弘であったことはもはや誰にも否定できない。政治家である中曽根はともかく、世界一とされる発行部数を誇る新聞社の会長が、ジャーナリズムの本分から逸脱して、与党側に立った政界工作を行ったことなど言語道断だ。

小沢一郎だけ責めてナベツネを不問に付すのも、ナベツネだけ責めて小沢一郎を不問に付すのも、どちらもアンフェアだろう。この点、森田実はどちらも厳しく批判するフェアな態度をとっている。特に11月9日付の森田さんの記事には、地方在住者として考えさせられたので、以下に紹介する。

 小沢代表の辞意撤回で、民主党は危機を乗り切ったと考えている鈍感な民主党議員にあえて苦言を申し上げる。国民に目を向けてほしい。
 昨夜、地方で次をめざして孤軍奮闘中の何人かの前議員と新人候補に会って話をきいた。みんな苦労している。大変だなと改めて感じた。夜遅く帰宅してから地方の新人議員から電話があった。彼は毎日街頭に立って演説をしている。彼は、街頭演説をしていても、人びとの目が冷やかになったのがわかると言った。「大連立構想で民主党を応援していた人びとの心が民主党から離れたのかもしれません」と語った。
 「大連立・代表辞職騒動が起きてから、党幹部から連絡がありましたか?」と私が訊ねたところ、「何もありません」という答えが返ってきた。あまりにも忙しくて地方に連絡する時間がなかったのかもしれない。地方で苦しんでいる新人のことを考える余裕がないのかもしれない。
 だが、「大連立」になったら議会政治家への道が絶たれるかもしれない絶望的な状況に立たされる同志のことを党幹部が忘れているとしたら、こんなことでいいのかと言わねばならない。
 小沢代表が辞意撤回演説をしたあと、私は何人かの民主党議員と会った。皆、真面目で誠実な政治家である。彼らは異口同音に「小沢さんの演説はよかった。感動した。民主党は雨降って地固まるだ。よかった! よかった!」と言っていた。ほっとした気分とともに、高揚感が漂っていた。
 だが、私は違和感を感じざるをえなかった。国民に目が向いていないのである。落選中の同志への配慮が薄いのである。もしも民主党の良質な議員のなかにも「自分さえよければよい主義」がしみ込んでいるとすると、困ったことである。最も苦しい立場の人びとへの惻隠の情なくして、政党も政治家も成り立たない。この点、民主党の幹部にとくに考えてほしいと思う。

(「森田実の時代を斬る」 2007年11月9日付)

私は岸井成格だの田原総一郎だのといった電波芸者が大嫌いなのだが、彼らの主張とて一から十まで誤りばかりというわけではない。

田原は、今日(11月11日)のサンプロで、「日米構造協議(1989~90年)の時、アメリカに譲歩ばかりする小沢一郎に問い質したら、『日本がなくてもアメリカはやっていけるけど、アメリカがなかったら日本はやっていけないだろ』と答えた」と言っていた。これは何も今日初めて言ったわけではなく、以前にも田原が言ったり書いたりしていたことだ。その田原は、インド洋給油のイラク戦争転用疑惑の追及に対しても積極的な態度をとっている。

一方で、小沢一郎は安全保障政策でアメリカの影響力を脱して、国連中心主義に軸足を移そうとしている「隠れゴーリスト(ド・ゴール主義者)」として米政権から警戒されていたと手嶋龍一が指摘しているが(当ブログ9月28日付記事参照)、おそらく小沢には親米と脱米入欧(?)の二面があって、こと安全保障政策面になると後者が顔をのぞかせるというのが本当のところではないだろうか。

湾岸戦争の時に、小沢一郎がアメリカから不明朗な金を受け取ったことを福田康夫が突いた、それらもろもろの「旧悪」をネタに脅された小沢が「大連立」に応じようとしたのだ、などという噂話もあって、通常の噂とは違って「サンプロ」で公然と語られたりしている。明日(11月12日)発売の「週刊現代」にも、「平成ロッキード事件と小沢騒動/野中広務~小沢一郎と消えた湾岸戦費1兆円」と題した記事が掲載されるようだ。この記事を書いている松田賢弥氏は、昨年、同じ「週刊現代」で安倍晋三を批判する連載記事を書いていたジャーナリストだ。

「大連立」騒動による民主党の動揺は、小沢の留任で一件落着したかに見えるが、まだまだ続きがあるかもしれない。小沢にも累が及びかねない防衛利権の件に対して消極的な姿勢をとるブログもあるが、当ブログはそういう姿勢はとらず、自民党だろうが小沢一郎だろうが膿は徹底的に出してほしいと思う。

一方、毎日新聞の岸井成格は、今朝の「サンデーモーニング」で、「大連立」騒動の仕掛人とされる渡邉恒雄(ナベツネ)を、「行き過ぎだ」と批判し、「渡邉さんと読売新聞は真実を明らかにする必要がある」と主張した。久々に聞く岸井のジャーナリストらしい主張だった。今朝見たテレビの政治番組で、正面切ってナベツネ及び読売新聞の説明責任に言及したのは、この岸井だけだった。岸井が読売新聞の商売敵である毎日新聞の役員待遇の「特別編集委員」であることを割り引いても、勇気ある発言だったと思う。サンプロの田原総一朗はナベツネを名指しできず、「読売新聞」だとしか言えなかったし、ましてやその責任に言及もしなかったのだから。

いずれにしても、批判するならフェアにやりたいものだ。ついでに、福田康夫首相の責任については、どこのマスコミもほとんど批判しないが、これもフェアな態度とはいえないだろう。
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