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きまぐれな日々

テロ特措法の期限が切れ、自衛隊の補給艦「ときわ」と護衛艦「きりさめ」に撤収命令が出された。

防衛利権の件では、新聞にも宮崎元伸・山田洋行元専務の実名が載るようになり、宮崎氏が東京地検に対し、防衛庁長官経験者二人に、車代の名目で裏金計200万円を支払ったと供述した、と報じられている。

だが、今日はこれらの件はひとまず措いておき、昨日行われたプロ野球日本シリーズ第5戦の話題をとりあげたい。

すっかり不人気になったプロ野球といえど、日本シリーズともなると注目され、連日テレビの地上波でも放送される。ただ第5戦はテレビ東京系の中継だったので、首都圏、関西、中京圏、福岡地区、北海道、それに岡山・香川を除くエリアでは地上波での中継がなかった。

ついでにいうと、高知の白バイとバスの衝突事故の冤罪報道で、高松に本社を持つ瀬戸内海放送の報道が注目されているが、これは、高松高裁で裁判が行われたこともあるが、同局をはじめとする香川・岡山の局は、両県にまたがった放送エリアを持ち、地方としては珍しい地上波民放5局体制なので競争もそれなりにあり、地方局としては取材力があるからできた報道なのだろうと思う。

話を日本シリーズに戻すと、中日ドラゴンズが53年ぶりの日本一を決めた第5戦で、とてつもない大記録が達成されようとしていた。それは、中日先発・山井大介投手の完全試合である。中日は、日本ハムのエース・ダルビッシュ有から挙げた虎の子の1点を山井が守っていたのだが、山井は8回まで1人の走者も許さず、あと3人で完全試合というところまでこぎつけた。

私はそれまでテレビ中継を見ていなかったのだが、この経過を知って急遽テレビのスイッチを入れると、画面に中日のリリーフエース・岩瀬仁紀投手が映っていた。これを見て、山井が安打を許して岩瀬が出てきたのだろうと思ったが、走者は出ていなかった。中日の落合博満監督は、9回のイニング冒頭から岩瀬をリリーフに送っていたのである。

これには大いに驚くとともに、嫌な気持ちがした。落合の言い分は、日本一を決める大事な試合だから、普段の勝ちパターンの野球をしたのだということだろう。だが、完全試合というのはフォアボールもエラーも許されない大記録で、今調べてみたら前回の完全試合は巨人の槙原寛己が1994年に記録したもので、中日ドラゴンズにいたっては球団創設以来誰一人として完全試合を達成していない。今回、山井?岩瀬のリレーで達成した完全試合が、公式戦・ポストシーズンを通じて初の記録ということになる。

私はアメリカに渡った野茂英雄投手のファンで、彼の先発試合はテレビでずいぶん見たが、アメリカは投手の分業制が徹底していて、先発投手はある球数に達すると好投していても交代させられるのがセオリーだ。だがこれには例外があって、投手が相手を0点に抑えていた場合、本来なら投手交代の球数であっても続投することが多い。野茂が完投した試合の多くは完封試合のはずだ。ましてや、ノーヒットノーランだとか完全試合になると、続投が当たり前だ。延長戦になる場合などでは投手が交代するが、完全試合を続けている場合はそれでも交代はないだろう。それが個を重んじるアメリカのやり方だ。

ところが落合監督は、球団史上誰もやったことのない大記録を、53年ぶりの日本シリーズ制覇を達成しようとするその試合でやるという、プロ野球史上おそらく二度と起こりえないようなとんでもない大記録の芽を摘んでしまったのである。

昨日、中日ファンはどう思っているのかと、Yahoo!掲示板の「中日ドラゴンズ」カテゴリを見に行ったら、山井投手のコメントが出ていた。出所は不明だが、ラジオ中継の中日ベンチレポートあたりではないかと思われる。
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=1834700&tid=bf7a1a6a5ia5ia54a5sa5baa5za5ja5sa5ha5la1dda59a5ha5ta5ca5afa1vgae&sid=1834700&mid=228047

1-0のままだったら、完全でも9回頭から岩瀬でいくと7回に監督から言われた
しかも8回に爪を傷めてしまった。
一応、9回頭に監督が続投するか?ときいてきたけど岩瀬さんに
胴上げ投手になってほしかったし、自信がなかったから断った

悔しくないというのは嘘じゃないけど、とりあえずシーズンで結果残してからです、僕の場合は。

(中日ドラゴンズ・山井大介投手のコメント)


落合監督は、試合後、山井が交代を申し出たと言っていたようだが、実際にはあらかじめ交代の方針が山井に告げられており、9回になって再度打診を受けた山井がそれを断ったといういきさつのようだ。おそらく山井は一度打診を受けた時点で交代を覚悟しており、まさかもう一度打診されるとは思っておらず、かつ落合の本心は交代だとわかっていたから、つい断ってしまったのだろうと思う。打たれてからならともかく、大記録達成を目前にしてそのチャンスを自分から放棄する人間など、おそらく誰もいないだろう。

「報道ステーション」で、野村克也・東北楽天ゴールデンイーグルス監督が、あの場面で投手を交代させるのは落合監督だけだろうと批判していたが、私は最近の監督だったら代えかねない監督はいくらでもいると思う。阪神タイガースの岡田彰布でも藤川球児をマウンドに送っただろう。新聞で、スポーツジャーナリストの長田渚左が「長嶋さんだったら代えなかったかな」とコメントしているが、もし長嶋巨人が強力なストッパーを持っていたとしたら、長嶋こそもっともこの場面で投手交代をしそうな監督だったというのが私の認識である。その一方で、原辰徳だったら投手を代えなかっただろうなとは思う。

組織を個に優先させるのが、最近ますます強まっている日本社会の風潮である。新自由主義が蔓延し、一見「個」が好き放題やるような社会になったと錯覚されがちだが、組織の都合で個をいかようにもしてしまうのが新自由主義の本質であり、その意味で落合のやった投手交代は、すぐれて新自由主義的だったと私は考える。プロ野球に新自由主義を導入したのは渡邉恒雄(ナベツネ)であり、その走狗になったのが長嶋茂雄である。だから、長嶋こそもっともこういう場面で投手交代をしそうな監督だと私は思うのだ。

こんな野球は見たくない。こんなことをしているからプロ野球の人気は落ちていくのだ。現役時代には、プロ野球史上最も「個」を貫いたプレーヤーだった落合博満がなぜこんなことをしたのだろう。山井大介は続投を「断った」(実際には「断らされた」)ことを今ごろ後悔しているに違いないし、おそらく一生後悔し続けるのではないか。山井大介は、マスコミに出て憤懣をぶちまければ良いと思う。


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