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きまぐれな日々

昨日(10月3日)は仕事が忙しかったのでニュースを全く見ていないのだが、国会の代表質問で民主党の長妻昭議員が異例の詳細質問を行ったという報道を、朝日新聞のサイトで知った。
http://www.asahi.com/politics/update/1004/TKY200710030353.html

この記事によると、
党を代表して立つ代表質問は、党幹部が大きなテーマに絞って質疑を行い、各論は委員会審議に委ねることが多い。このため、自民党からは「大きな理念、政治手法をうかがうのが本会議質問の品位だ」(伊吹文明幹事長)、「いかにも委員会での質疑的な質問を本会議でやるとなれば、国会のルールを見直さないといけない」(大島理森国対委員長)といった異論が噴出した。
(asahi.com 2007年10月4日)
とのことだ。もちろん長妻議員は、自民党は痛いところを突かれるからそういうことを言うのだろう、と反論している。いずれにしても、国会の質疑に新しい風を吹き込む試みは評価されて良いと思う。

さて、長妻議員同様、ブログの政治記事にも新しい風が吹き込まれても良いと思う。トラックバック・ピープルで「郵政民営化凍結」のテーマが既に200件以上のトラックバックを集めているが、こういう個別の案件に絞ったテーマの議論を深めていくのは良いことだと思う。以前にも、大津留公彦さんの作成された「教育基本法」のテーマなどがあった。

反面、疑問を感じるのは、オーバーラップする部分の多いテーマであって、これが3つも乱立する状態はどうかと思う。ただでさえそんなに広がりのない政治ブログが、セクトに分かれても仕方のないことだ。私は、「AbEndキャンペーン」の頃には、できるだけセクト横断的な広がりを持たせようと努力したが(特にキャンペーン草創期にあちこちのブログにトラックバックを呼びかけた頃)、現在の状況には「なるようにしかならない」とあきらめている。当ブログとしては、いくつものTBPにTBするのは面倒くさいので、記事に合致したテーマのTBPが存在する時を除いて、通常は「自民党TBP」にのみTBしたい。

とにかく、参院選で与党が大敗したことによって、ようやくコイズミ?安倍政権時代にまかり通ってきた、数の力を頼んだ与党の横暴の時代が終わって、長妻議員の質問の例を引くまでもなく、国会でもまともな政策論議が行われる時が来たのである。そんな時に、ブログが政党の合従連衡についての床屋政談をしていても仕方がないと思う。

そもそも、安倍晋三と違って福田康夫は攻めにくい相手である。その理由を、一昨日のエントリで用いた外交・安全保障政策の2次元ダイアグラムを用いて説明したい。

一昨日のエントリにいただいた「広島瀬戸内新聞ニュース」からのトラックバック「外交・安全保障政策の二次元分析」で、いろんな政治家や政党の政策スタンスを2次元グラフ上に位置づけているが、ほぼ納得できるものだ。これに、一昨日のエントリで書いた吉田茂・鳩山一郎・岸信介らの位置づけを加えて、一部の政治家を追加及び割愛(スペースの都合上)したものを以下に示す。

071004_2d-diagram2


民主党など野党は、福田康夫首相のスタンスを「民主党にすり寄っている」と批判しているが、福田首相のスタンスは、森・コイズミ・安倍と続いた過去7年の首相と比較すると、実際に民主党のスタンスにかなり近いのは確かだと思う。上記のグラフで第3象限にいる勢力にとって、前首相・安倍晋三との距離は非常に大きいし、安倍はきわめてラジカルな極右政策をとろうとしたので、それが民意とかけ離れていることもあって攻撃が容易だった。ところが、福田は第1象限にあっても原点に近い立場である。だから攻めづらいのだが、警戒すべきは、福田を操ろうとしている森喜朗あたりの右寄り勢力からの圧力が派内でかなり強いことだろう。「教育再生会議」が廃止されずに継続し、山谷えり子が福田内閣でも首相補佐官に居残ったのも、森の圧力以外には考えられない。そして、どちらかというと政治的信念が弱いように見える福田は、やすやすと森らの言うことを聞く傾向があるように見受けられる。

以上が当ブログの現状分析である。なまじ、福田首相本人のスタンスが中道寄りであるばかりに、世論は福田首相を信用しやすい。そして、テロ特措法(給油新法)の議論では、自民党はその福田のキャラクターを利用しようとしていると思う。

「広島瀬戸内新聞ニュース」の別のエントリ「給油停止は、9条護憲につながる本丸!」は、この問題の重大さを指摘して、天木直人氏のブログを引用しながら、共産党・社民党にこの問題の議論に力を入れるよう呼びかけている。

この問題では、自民党は民主党にすり寄るように見せかけて、給油新法の議論では、給油に反対する民主党を「国際世論から外れた非常識な態度」などとして攻撃するのだろうと思う。既に世論は給油賛成に傾きつつあるが、給油がれっきとした憲法違反の戦争行為であること、給油の大部分は実際にはイラク戦争に使われてきたことなどを指摘して、自民党の政策を批判する必要がある。

また、上記の2次元ダイアグラムには入っていない経済政策こそ福田内閣のアキレス腱である。自民党にあっては、コイズミは神聖不可侵になっていて、「コイズミカイカク」を否定することは福田首相にはできない。今後はより徹底した「カイカク」(新自由主義政策)批判が求められると思う。


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