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きまぐれな日々

17日に起きた暴力団員による伊藤一長(いとう・いっちょう)長崎市長射殺事件の謎は、深まる一方だ。

当初からずっと、マスコミは「犯人(山口組系水心会会長代行・城尾哲弥)の個人的恨みによる犯行」だとしている。
たとえば、下記朝日新聞の記事がその例だ。
http://www.asahi.com/special/070417a/SEB200704180035.html
(リンクが切れている場合は、下記まで)

この記事には、『県警は、動機に暴力団の組織的な背景はなく、同容疑者が市の対応に個人的な恨みを募らせて市長を狙ったとの見方を強めている。』 と書かれている。

しかし、上記朝日の記事より新しい、4月20日付の四国新聞によると、『城尾容疑者と市のトラブルは市長に報告させておらず、市幹部や市長の親族らは「(市長は容疑者と)面識はなく、個人的な恨みを持たれるはずはない」と証言している。』とのことだ。報道初期の段階で、マスコミがミスリードしたのではないかと、私は疑っている。

時事通信は、城尾容疑者と30年来のつき合いという松尾千秋弁護士の談話を報じている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070418-00000079-jij-soci
(リンクが切れている場合は下記まで)

ところが、この松尾という弁護士は、「日本会議」の長崎副会長で、「新しい歴史教科書をつくる会」の長崎県支部長なのだ。「日本会議」とは、加藤紘一代議士(自民党)の定義によれば、「日本最大規模の保守主義・民族主義系の政治・言論団体」(『テロルの真犯人』 169頁)とのことで、ひらたくいえば日本最大の右翼言論団体である。
下記URLのリンク先を見ていただければわかるが、石原慎太郎は日本会議の中央役員に名を連ねているし、安倍晋三は「日本会議国会議員懇談会」の副会長を務めている。安倍内閣は、「日本会議内閣」といえるとよく指摘される。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CB%DC%B2%F1%B5%C4

こう見てくると、最初に引用した朝日新聞が書いた「組織的背景はなく」というのが信じられなくなってくる。二番目に引用した四国新聞の記事の見出しは、「市長射殺に共犯者か」となっており、日本会議の関与はともかくとしても、かなりの程度、暴力団が組織的にかかわった犯行だったのではないかという疑いが濃厚だ。

ところで、『カナダde日本語』 経由で知ったのだが、犯人が所属していた暴力団・山口組系水心会は、ナント安倍晋三の非公式後援会として一部では有名な 「安晋会」 と関係があるのではないかとのことだ。これは、山岡俊介氏の「アクセス・ジャーナル」(4月19日)発の情報とのことで、山岡氏は、「週刊ポスト」 4月13日号の記事 『安倍首相秘書を襲った「右翼糾弾」に「複雑骨折」の暗部』 を元に取材し、「水心会」の名を記事中で挙げているのだそうだが、このサイトは有料であり、私は登録していないのでそれ以上の情報はわからない。「週刊ポスト」の現物は持っているが、同誌の記事中には「水心会」の名前は出てこない。

いくらなんでも、安倍晋三自身が長崎市長射殺事件に絡んでいたとまでは私も思わないが、伊藤市長を死に至らしめたものは何かということに関して、編集者・原田奈翁雄(はらだ・なおお)さんの評論文が 「四国新聞」(4月20日付) に掲載されているので、抜粋して紹介する。原田さんは1927年生まれ、筑摩書房で「展望」の編集長を務め、1980年には径書房を創業、95年に退職した。1989年には、「長崎市長への7300通の手紙」 を出版した。


長崎市長射殺事件の意味 憲法破り続けた結果 言論死守へ不断の対決を (編集者 原田奈翁雄)

(前略) 90年1月、本島市長は右翼の銃撃を受けて重傷を負った。
 事件は大きな衝撃だった。なんとか一命を、と祈った。だが、言論の自由とテロはせめぎ合いである。言論を守るためには、暴力と不断の対決を続けていくしかない。
 それから17年、いくつものテロが重なり、事態はさらに悪化しているといえる。それは、この間、日本国憲法第九条を立法、行政、司法が破り続けてきた事実と並行している。
 被爆の町の首長に対する度重なるテロ。私たちはどこかでいまだに暴力の効用を信じ、認めているのではないだろうか。米国は9・11テロに対して最大の暴力である戦争をもって応え、当時の日本の小泉首相は進んでそれを支持、自衛隊の派遣にまで至ったのである。
 戦争を容認する社会は暴力を容認している。そして、戦争を発動し得る者は政治権力以外には決してない。世界中の政府が交戦権を持つ限り、この地上からテロリズムを絶つことはできない。憲法九条だけが軍備の保有、政府の交戦権を認めず、戦争根絶の具体的な道を明確に示している。
(中略)
 核廃絶を強く求め続けた伊藤一長市長の良識と勇気に深い敬意と共感を抱いてきた私たちは、その死を心から悼みつつ、彼の、そして長崎、広島をはじめ、すべての戦争犠牲者たちの遺志を何としてでも実現する道を一歩一歩、歩もうとしているのである。あなたにも、ぜひともに歩んでいただきたい、と切望する。

(2007年4月20日付「四国新聞」より)

加藤紘一は、テロルの真犯人は「根無し草的に漂う現代人の心の隙間にこそ潜んでいる」と書いたが(『テロルの真犯人』 238頁)、そこまでしか書けないあたりが、自民党の政治家である加藤の限界だろう。

私ならこう書く。テロルの真犯人は、安倍晋三であり、小泉純一郎であり、石原慎太郎である。そして、彼らを支持する国民は、テロを支援しているも同然だ。むろん、彼らを打倒することのできない反対勢力(私も含む)にも重大な責任があると思う。


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