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きまぐれな日々

10月度の「きまぐれな日々」のアクセスデータをちょっと紹介してみる。

アクセス数は、FC2カウンタによるトータルアクセス数が33,104件(9月度比29.4%増)で、FC2アクセス解析によるユニークアクセス数が21,607件(9月度比28.7%増)、トータルアクセス数が35,409件(9月度比26.6%増)となった。
月の前半は、前月よりアクセスがかなり減ったが、月半ばあたりからアクセスが増え、後半には耐震偽装問題の記事などで急増して、結局ブログ開設以来6か月連続のアクセス数増加となった。

特に、『週刊現代の記事「安倍晋三は拉致問題を食いものにしている」』『週刊ポストが報じていた「アパ壷三」の疑惑』 の2本がアクセスを稼いだ。前者は、「週刊現代」の記事にもとづいた民主党・森ゆうこ議員の質問に、安倍晋三首相が切れて懲罰動議騒ぎになったという話題性があったが、後者は、雑誌発売時にはほとんど顧みられなかった「週刊ポスト」の記事の紹介だ。この雑誌記事は、マスコミにはほとんど報じられなかったのにネットでは超有名という、イーホームズ・藤田社長の告発の信憑性を裏づけるものだった。そして、これを紹介した記事を掲載した10月24日、当ブログは、これまでに経験のないアクセス数を記録した(FC2カウンタで2,737件、FC2のアクセス解析ではユニークアクセス数1,837件、トータルアクセス数3,026件)。

正直言って、発行部数60万部を誇る「週刊ポスト」の1か月前の記事を紹介しただけで、こんなにアクセスを集めるとは思わなかった。このことから思い出したのは「フロー」と「ストック」の概念である。週刊誌にしてもブログにしても、発信される情報は「フロー」と言って良いだろう。一方、安倍晋三のスキャンダルについての情報をため込んで整理し、いつでも引き出せるようにしておく作業は、ストックの形成に相当するだろう。
(註:blogをフロー、wikiをストックとしてとらえる議論は、従来からなされている。たとえば、http://diary.yuco.net/20050129.htmlなど)

この「ストックの形成」は意外にも盲点になっている。だからこそ、週刊誌の記事を再発掘したに過ぎない記事が、多くのアクセスを集めたのだろう。こういう観点から見ると、たんぽぽさんの「祝電事件リンクリスト」作成の作業などは、地道だが大変貴重だと思う(たんぽぽさんは、AbEnd初期のメンバーなのだが、ある時期から、AbEnd活動の一線とは距離を置かれるようになった。しかし、その後も星影里沙さん主宰のメーリングリスト「オカシイ世の中討論委員会」などで活躍されていて、実質的なAbEndメンバーであると私は考えている)。

とにかく、安倍晋三にはあまりにスキャンダルが多すぎて、頭が混乱してくるほどだが(「サワヤカな安倍晋三は」参照)、安倍のスキャンダルが報じられた時、すぐさま関連資料を引っ張れるようにしておき、機動的に対応して騒ぎを拡大することが、AbEndには求められると思う。
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教育基本法の記事を書こうと思って、条文を読んでいたら、TBSテレビ「NEWS23」で、膳場貴子キャスターがその前文を読み上げた。

法律には珍しいこの前文は、教育基本法日本国憲法と緊密にリンクした法律であることをよく表している。この法律が、右派の政治家の目の敵にされたのは、そのせいでもあるだろう。

教育基本法改定の、自民党案民主党案をリンクしておくので参照されたいが、民主党の「日本国教育基本法案」も、ある意味自民党案以上に問題の多い法案で、小泉前首相や安倍晋三首相は、これを高く評価(!)しており、この間安倍は民主党案の丸呑みを言い出した。それに対し、小沢一郎が代表になって、前原時代の迷妄からいくぶん覚めた民主党は、10月26日の読売新聞社説が書くように、法案の採決阻止へと動いている。

ここで注意したいことが2つあって、一つは、この動きは「共謀罪」をめぐるこの春の動きに似ていることだ。民主党の動きはブレまくっており、ここらへんが、右派と左派の両方に色目を使って、結局どちらも取り込めずにいる民主党の姿を象徴している。
もう一つは、読売新聞が教育基本法改定賛成の立場を明確にしていることだ。かねてからナベツネこと渡邉恒雄・読売新聞社会長が安倍晋三と手打ちをしたに違いないと私はにらんでいたが、その確信はますます強まりつつある。両者は、教育基本法改定をステップとして、日本国憲法改定へと歩を進めるという点で完全に一致している。

これに対し、教育基本法改定に反対を唱えている知識人の一人が立花隆氏だ。以前のエントリでも紹介したが、立花さんの記事「安倍晋三への宣戦布告」(「現代」2006年10月号)から、教育基本法改定反対を明記している部分を再び抜粋する。

教育基本法批判の先頭に立ってきた文教族のドン、森喜朗前首相のごとく、日本をまた「天皇中心の神の国」に戻したいという人ならともかく、そうでなければ、日本の教育基本法はグローバル・スタンダードからいって標準的な内容のものである。
教育基本法はあくまで「個を尊ぶ」ことを教育の基本に置いている。それは、先の南原の言にあったように(筆者注・この記事で立花さんは南原繁・元東大総長について論じている)「自由な精神的独立人」をできるだけ沢山作り、その結合体として日本を作っていくことを構想していたからだが、多分、復古主義者たちはそこのところも気に食わないのだろう。もっと権威というか政府に従順な人々が社会に満ちあふれることを望んでいるのだろう。
だが、歴史が教えるところは、そのような権威に従順な(教育勅語に忠実な)人々が作った社会は、結局のところ、弱い社会にしかならず、個の価値がより尊ばれている社会と戦争したらあっさり負けてしまったということである。
真に強大な国家を作ろうと思ったら、やはり南原がいったように、「自由な精神的独立人」の結合体がよいのである。為政者からいったら、それは不従順で、政府のいうことをさっぱりきいてくれない、いつも文句タラタラで、うるさいことばかりいっている連中が多い社会(アメリカは歴史的にいつもそうだった)になってしまうかもしれないが、結局はそのほうが、いざとなると強いのである。

立花隆安倍晋三 [改憲政権] への宣戦布告?月刊「現代」 2006年10月号より)



要するに、自民党案にしても民主党案にしても、教育勅語の時代への回帰志向のあるものだということで、軍国主義大嫌い、靖国神社大嫌いで国家神道を否定するナベツネ(当ブログの過去の記事『ナベツネと靖国と安倍晋三と(その2)』を参照)が、教育基本法改定を推進していること自体、自己矛盾もいいところだと思う。

さらに、真の伝統回帰の立場から「教育勅語の時代への回帰」否定を立論されているのが、梅原猛さんである。
国境なき記者団」が発表した世界各国の「言論の自由」のランキングを取り上げた前のエントリの記事『日本の「言論の自由度」は世界51位』は、掲載した当初、「共謀罪反対」などの記事と比較して、トラックバックやコメント件数の増え方が鈍く、やはりこうした話題は不人気なのか、と思っていた。

しかし、「きっこの日記」10月26日の「報道の自由とは?」で同じ題材が扱われたためかどうか、徐々に多くのコメントをいただくようになった。そのうち、現時点で最新のコメントはこだんさんによるもので、「反ナチス法」が制定され、極右の言論が制限されているドイツが上位にランクされているのはおかしい、また、極度にナショナリズムが高まっている韓国が、日本より上位にいるのはおかしい、という内容だった。

これは、読者数の少ないコメント欄でのやり取りで答えるには重いテーマなので、新しいエントリを起こすことにした。

ドイツにおける戦争責任の追及および言論の自由のあり方というのは、実は一筋縄ではいかない問題だ。一般には、A級戦犯の岸信介が戦後わずか12年で首相に就任したことに象徴されるように、戦争犯罪を曖昧にしてきた日本とは対照的に、ナチスの戦争犯罪を厳しく追及し続けてきたと賞賛されることが多い。しかし、すべての戦争責任をナチスにだけ押し付けて、実は多くの戦争犯罪を不問に付したという批判もある。この説に関しては、木佐芳男の「"戦争責任"とは何か」(中公新書、2001年)という本があり、勝谷誠彦がこれを激賞しているのだが、勝谷のような右翼は、往々にして「ドイツでも清算されなかった戦争犯罪がたくさんある」ことを、日本の戦犯を免罪する論理へのすり替えに悪用する傾向があるから、騙されないよう注意する必要がある。

一方で旧東ドイツにはシュタージと呼ばれる秘密警察の問題もあり、シュタージには、ゲシュタポ関係者が多数登用されていたという説もある。少なくとも、旧東独はとんでもない監視国家だった。
このあたりの議論は、とてもでないが私の手に負えないので、下記Wikipediaの記事でも参照していただきたい。

「戦争犯罪?Wikipediaより ドイツの戦争犯罪観」

「シュタージ?Wikipedia」

ただ一つ、私が言いたいのは、確かに「言論の自由」は、本来、極右の主張にまで適用されるべきものであり、その意味で、ドイツでナチス支持の言論が制限されていることには問題があるかもしれないが、ナチスは、過去に、ホロコーストをはじめとした大規模な犯罪を犯しており、再びナチス支持の思想を持つ政党が政権をとれば、また同様の犯罪が繰り返されないとは限らず、従って、これを非合法化するのは止むを得ないのではないかということだ。ナチスをオウム真理教に置き換えてみるとわかりやすいかもしれない。

そして、法律によって極右思想であるナチスを禁止しているドイツと、極右思想を持つ首相・安倍晋三に対する批判を、マスメディアが事実上タブーにしてしまっている日本のどちらが、言論の自由が保障された国といえるのか(ブログや雑誌では安倍批判があふれ返っているが、大新聞と全国放送のテレビは、山ほどある安倍のスキャンダルへの追及がタブーになっている)。少なくとも私は、ドイツを日本よりはるか上の順位をつけた「国境なき記者団」に対して、全然違和感を覚えない。

さて、続いては韓国との比較だ。
「国境なき医師団」というNPOがある。1999年のノーベル平和賞受賞で有名になった。

10月17日付「四国新聞」のコラム「一日一言」を最初に読んだ時、なんで「国境なき医師団」が「報道の自由ランキング」などというものを定めるのかと不思議に思ったのだが、記事をよくよく見ると、「国境なき記者団だった。これは、私にとって初めて見る名前だった。

まず、その「四国新聞」のコラム「一日一言」を引用する。これは、同紙の一面下段に連載されているコラムで、「朝日新聞」でいうと「天声人語」に相当する。

 日本三十七位、最下位は北朝鮮。ロシアは百三十八位で、パレスチナ自治政府やイラク内の米国よりも悪いとされた。「国境なき記者団」による二〇〇五年の報道の自由度ランキングだ。

 ロシアは大国だが、報道に関してはまだ途上国らしい。報道の自由を抑圧する指導者リストでも、プーチン大統領が北朝鮮の金正日総書記らとともに名指しされている。過去十五年間に殺害された記者は二百人以上とも言われる。

 今月初めには著名な女性記者、アンナ・ポリトコフスカヤさんが何者かに銃殺された。チェチェン紛争の際、独立派に対し軍事作戦を決行したプーチン政権の手法や軍の汚職への厳しい批判で知られた人だった。

 大統領は殺害犯を非難する声明を出したが、それを本心だと思う国民は少ないだろう。むしろ政府が命じたとも疑われている。新聞、テレビへのメディア規制は強まり続けており、ロシアは旧ソ連時代に逆戻りしつつある。

 彼女が狙われたのも今回が初めてではなかった。やはり政府が武力でねじ伏せたロシア人学校人質事件では、取材途中の旅客機内で紅茶に毒を盛られた。脅迫も日常茶飯事。それでも彼女は報道をやめなかった。

 いや、母国がそんな状況だからこそ彼女は報道し続けた。権力の監視こそが記者の役割であり、それが民主主義を守り母国を守ると信じていたからだ。国民の怒りと政府批判は高まっている。

 日本では、新聞記者が殺されることはまずない。だけどその役割はロシアより軽いわけではない。チェック機関としての役割は果たせているか、なぜ三十七位なのか、自問している。ただいま新聞週間。

(「四国新聞」 2006年10月17日「一日一言」より)


コラム子は、「日本では、新聞記者が殺されることはまずない」と書いているが、重要な事件を見落としている。1987年5月3日に起きた、「赤報隊事件」である。朝日新聞阪神支局の小尻知博記者が銃殺されたこの事件は、決して忘れてはならないと思う。
なお、この「赤報隊事件」には、統一協会がかかわっていたという説がある。そうではない、という説もあって、定説にはなっていないが、少なくとも朝日新聞社に、「とういつきょうかいのわるくちをいうやつは みなごろしだ」とタイプ打ちされた脅迫状が届いたことは、紛れもない事実だ(下の写真を参照)。そして、今年5月、安倍晋三は統一協会の関連団体の大会に祝電を送っていた

とういつきょうかい
(画像をクリックすると拡大画像が見られます)

さて、話が脱線してしまったので、「国境なき記者団」の発表した「報道の自由度ランキング」の話題に戻ることにする。
きっこの日記」を通じて、イーホームズ・藤田社長が告発した「アパグループ」の耐震偽装疑惑の話題がネットでは持ち切りだ。

この件については、スパイラルドラゴンさんの「らくちんランプ」の記事「藤田東吾社長の告発文の内容は真実です」が、今年6月7日の衆院国土交通委員会の質疑で、民主党の馬淵澄夫議員が「アパグループ」の耐震偽装疑惑について鋭く追及していたことを紹介している。
蛇足だが、この6月7日というのは、安倍晋三が統一協会関連団体の大会に祝電を送ったことが発覚した直後であり、私はこの問題について騒ぐのに夢中で、耐震偽装問題のことなど全く眼中になく、かつては毎日訪れていた馬淵議員のHPも全然見なくなっていた。地道に耐震偽装問題を追い続けていたスパイラルドラゴンさんに敬意を表する。

そしてこの件は、「週刊ポスト」9月29日号にも出ていたのだ。私はこの号を買い求めていたのだが、記事も読まずに放置していた。これは、安倍が自民党総裁選に勝つ直前の記事で、この頃には安倍批判記事を掲載する雑誌が多すぎて、全部を追いかけることなどとてもできなくなっていたのだ。

以下、記事のタイトルと書き出しの部分を引用する。

新政権と「安晋会」の闇を徹底追及1
ヒューザー小嶋」「ライブドア野口(怪死)」だけではなかった
安倍晋三「集金マシーンに(もうひとつの)耐震偽装人脈!」

姉歯秀次・元一級建築士の公判が始まり、司法の場で改めて耐震偽装問題が問われている。が、その一方では、「非姉歯物件」の問題が、調査も処分もなく、"封印"されていることを本誌は突き止めた。その偽装に関わった企業の「政界ルート」を追うと、"次期首相"安倍官房長官につながっていた?

森、武部を従える「筆頭発起人」


安倍晋三・官房長官を真ん中に、その背後でラフな横縞シャツの男性と、派手な帽子を被ったスーツの女性が微笑む一枚の写真。
「日本を語るワインの会」というタイトルで企業の広報誌に掲載されたものだ。
男性はホテル経営やマンション開発で急成長しているアパグループの元谷外志雄代表、女性は夫人で自らCMにも登場するアパホテル社長の元谷芙美子氏だ。
「ワインの会」は元谷夫妻の自宅(東京・港区)で毎月開かれており、写真は昨年10月12日、安倍氏が官房長官に就任する直前に撮影された。

(「週刊ポスト」 2006年9月29日号より)

さらに同誌は、今年開催される予定だった「アパグループ創業35周年記念大創業祭」の発起人名簿を入手したとして、森喜朗、武部勤、羽田孜、鳩山由紀夫ら、自民・民主党の重鎮が並ぶ中、筆頭に「内閣官房長官・安倍晋三」の名前があることを紹介している。
引き続き同誌より引用する。

しかし、パーティは「ある問題」で中止され、この写真と名簿は安倍新政権の最大のアキレス腱になった。「ある問題」とは知られざる耐震偽装事件である。
実は、この「ワインの会」の5日前、国土交通省に耐震偽装事件発覚の伏線となる2件の「情報提供」が行われた。その一つ、ヒューザーのマンションについては事件化したが、もう一つはアパグループが埼玉県に建設中の大型マンションに関するものだった。
詳細は後述するが、その後、国土交通省は検査会社イーホームズ(今年5月に会社清算)からの報告によってアパグループのマンションに耐震偽装があることを把握しながら、現在も調査中で、関係者の処分はおろか事件の公表さえされていないのである。(太字は筆者)

(「週刊ポスト」 2006年9月29日号より)

なんと、アパグループの耐震偽装疑惑は、1か月も前に「週刊ポスト」が報じていたのだ。

記事はさらに続く。
先ほどトラックバックいただいた「雑木帖」さんの記事「共謀罪:24日の法務委員会で強行採決の可能性」が、「衆院補選後の24日の法務委員会で、共謀罪が自民、公明の「数の論理」で強行採決をはかられる公算が高まってきたらしい」と伝えている。

共謀罪については、これまで、東京新聞や毎日新聞が少しずつ記事にしてはいたが、「雑木帖」さんの記事によると、ようやく日経新聞や朝日新聞も、政府が今国会で共謀罪成立を目指していることを報じ始めた。しかし、雑木帖さんが挙げられている朝日新聞の記事は、毎日新聞の記事の完全なあと追いになっており、このことは、このところ全く精彩を欠く朝日新聞の惨状を象徴している。

ともあれ、これらの報道によって、前のエントリのタイトルとして書いたように、『安倍晋三は衆院補選前だから「共謀罪強行採決」を隠している』可能性がますます高くなった。何度も書くが、安倍晋三ならこのような卑劣なことをやりかねないと私は考えている。

さて、共謀罪ももちろん大事だが、ここ数日、ネットではホットな話題になっているのに、全国紙や全国ネットのテレビ局が全く取り上げないのが、イーホームズ藤田東吾社長による、耐震偽装事件の新たな告発である。
平日の日中は、ちょっとしたTBやコメントへの対応はともかく、ブログに記事を書くほどのまとまった時間がとれない(メモ代わりの「kojitakenの日記」にだったら走り書きのような記事は書けるけど)。だから、記事を書くのは夜間か早朝が多い。

‥‥そんなワケで(笑)、既に多くのブロガーの方たちが紹介されている、「共謀罪」に関する海渡雄一弁護士のメッセージ(「情報促進流通計画byヤメ記者弁護士」さん経由)についても、当ブログと「kojitakenの日記」の両方について、非戦さんからコメントをいただきながら、記事にするのが遅くなってしまった。

とりあえずは、海渡弁護士のメッセージを転載する。

共謀罪の行方に関心を寄せるすべての方へ
                               海渡 雄一(弁護士)

 本日18日、日弁連主催の共謀罪反対集会が開催されました。私はパネルディスカッションのコーディネーターをつとめたのですが、次のような情報を総合すると、共謀罪は10月24日法務委員会の法案審議冒頭に強行採決される可能性が高いと結論づけるに至りました。
みなさん、直ちに、強行採決を許さないという声をあらゆるところから上げて下さい。まだ、時間は残されています。

根拠1
民主党の平岡議員(法務委員会理事)が、今国会では自民党が法務委員会でどの法案を審議するか、順番を決めようとしない。順当に行けば、信託法から審議にはいるというのが普通だが、そのような話が一切ない。平岡議員は、与党は、共謀罪から審議すると通告するのは間違いないだろうと言われている。

根拠2
与党理事が平岡議員の来週月曜の行動予定をしつこく聞いていたと言うことである。
これは、月曜日23日に法務委員会理事会を開催して、24日の開催日程から強行してくるためである可能性があることを示している。

根拠3
採決予定を明らかにしないのは、22日の補選までは、強行採決の意図を隠し、市民の反発を避けて、補選での与党勝利の障害要因をなくしたいためだというのが、平岡議員の分析だ。

根拠4
政府与党がこれまで、強行採決に失敗してきたのは、事前のノーティスがあり、市民側がこれに反対する準備をすることができたためである。この経過に学んで、政府与党は事前の計画を徹底して隠し、逆に今国会の成立は困難という情報を流して、市民の油断を誘い、一気に準備不足のところを襲おうとしているのではないか。

根拠5
法務省と外務省のホームページでのこの間のなりふり構わない日弁連攻撃は、日弁連の疑問にはホームページで既に応えたとして、国会審議を省略して強行採決を正当化する口実づくりとも考えられる。日弁連は既にこのホームページにも反撃しているが、http: //www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/complicity.html 政府側は、論理的な説明は不可能であろうから、問答無用の正面突破を図る可能性がある。

根拠6
政治力学的にも、もし、補選で与党が勝利した場合には、この瞬間をおいて、共謀罪の一気成立をはかるタイミングは考えられない。このときを外せば、次の参院選が焦点化し、また、条約起草過程の解明や世界各国の条約実施状況の問題など、与党側は追いつめられていく一方だ。

確かに、このシナリオには、弱点もある。このような乱暴なことをすれば、野党の反発を招き、国会が中断されてしまい、他の重要法案の審議に差し支える可能性があるという点である。
また、補選で与党が一敗でも喫するようなことがあれば、状況は変わるだろう。

しかし、今日の集会で、ジャーナリストの大谷さんが、今週末には予備選だけでな
く、核実験もありうることを指摘し、二度目の核実験を背景に、安部政権による国内には北朝鮮の工作員が3万人もいるのだから、共謀罪は当然必要だ、不要だなんて言う奴は非国民だというムードが作られ、一気に共謀罪を成立させようとしてくる可能性があるという予言をされていた。
大谷さんは10月15日に予定されていたサンデープロジェクトの共謀罪特集が北朝鮮特集に飛ばされ、放映が11月に延期されたという事実も報告された。北朝鮮情勢は、補選にも共謀罪の行方にも大きな影を投げかけている。

とにかく、来週火曜日は最大の警戒警報で迎えなければならない。後で泣いても手遅れなのだから。

(「情報促進流通計画byヤメ記者弁護士」 2006年10月19日付より転載)

さて、遅れついでに、いくつか追加しておこう。
10月17日付と18日付の「きっこの日記」が、耐震偽装事件に絡んで逮捕・起訴されて18日に有罪判決を受けたイーホームズ社長・藤田東吾被告による、これまで明らかにされていなかった新たな耐震偽装に関する疑惑の告発を伝えている。

藤田社長はこの告発をプレスリリースした。私は、昨日(18日)の正午頃に読んだ「きっこの日記」(10月17日付)でこれを知ったので、午後3時頃、ネット検索をかけて各メディアの報道状況を調べた。

その結果、見つかったのは東京新聞のサイトの記事だけだった。私は、メモ代わりに用いているもう一つのブログ「kojitakenの日記」にこれをアップしておいた(kojitakenの日記?東京新聞「『アパ物件にも偽装』 藤田元社長暴露」)。

私は、他の大手新聞社も、時間が経てば東京新聞の後追いをするだろうと思ったのだが、そうはならなかった。そして、東京新聞の親会社で、名古屋では圧倒的なシェアを誇る中日新聞のサイトにも、この記事は出ていなかった。

きっこの日記」は、たたみかけるように10月18日の日記でもこの件を取り上げた。そこにも書かれているように、やはり藤田社長の告発を掲載したのは「東京新聞」だけだったようだ。
同日の日記は、藤田社長のきっこさん宛のメッセージを掲載しており、17日付に載ったプレスリリースともども転載可とのことなので、これも「kojitakenの日記」に載せた(kojitakenの日記?「イーホームズ藤田社長のプレスリリースときっこさんへのメッセージを転載」)。

それにしても呆れるのは、安倍晋三が絡む疑惑になると、途端に沈黙してしまう大手新聞やテレビ各局だ。一昨日、「メディアはアベのものではない」というタイトルの記事を書いたばかりだが、このタイトルは撤回しなければなるまい。

メディアはやはり、アベのものなのだろうか?


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先週、「らんきーブログ」のぶいっちゃんの300本目のエントリ「ブログは誰のもの?」に対して、「ブログはみんなのもの」という返礼記事で応じた。そして、「らんきー」のコメント欄で、「ブログはアベのものではない」という続編を書くと公約したのだったが、それを果たせずにいた。そこでは、政治権力側がたくらんでいる、ブログ言論の統制について書くつもりだった。

しかし、安倍晋三首相はブログどころか電波媒体まで私物化しようとしているのだ。そこで、タイトルをちょっと変更して、新しい記事をアップすることにした。

総務省は、NHKの短波ラジオ国際放送で、拉致問題を重点的に扱うよう、NHKに対する命令書に明記する方針を固めたそうだ。詳しくは、下記asahi.comの記事をご覧いただきたい。

「拉致問題、NHKに放送命令へ 総務省、明文化の方針」(asahi.com 2006年10月14日 06時08分)

新聞社のサイトの記事は、すぐリンクが切れてしまうし、朝日新聞本紙にはより詳細な記事が出ていた(10月14日付)。そこで、いつもメモ代わりにしている私のもう一つのブログ「kojitakenの日記」に、朝日の3面に出ていた与野党の議員や学者のコメントを紹介した(『「短波 拉致に重点を」 NHKに放送命令へ?総務省』 =「kojitakenの日記」2006年10月15日)。
自民党の議員でさえ、この政策に疑問を投げかけていることに注目される。この議員が名を秘しているのは、党内に表立って安倍批判ができない空気があるせいだろう。

「kojitakenの日記」の別エントリで、ゴンベイさんがコメントされているように、これこそ「安倍晋三は拉致問題を食いものにしている」証左だと思う。金正日の前ではヘコヘコしておきながら、日本に帰れば勇ましい反北朝鮮の言葉で、最近日本で主流になりつつある右翼的言論に迎合する。そして、日本人を含むアジアの人民を戦争に導こうとしている。これが安倍晋三の正体なのだ。

この件に関して、「kojitakenの日記」でも紹介した上智大の田島泰彦教授のコメントを、こちらでも紹介しておく。

「放送局が何を流すか自律的に判断するのが放送法の大原則だ。時の権力が特定の放送内容を指示したり禁止したりして情報をコントロールするのは、放送制度の根幹にかかわる」
(田島泰彦・上智大教授(メディア法)のコメント=「朝日新聞」 2006年10月14日付紙面より)

ひらたくいえば安倍は「1984年」の「ビッグ・ブラザー」になりたいということだ。

ところで、ここからもともと企図していた内容へと戻りたいと思う。昨年、巨大掲示板をフルに活用して(?)、総選挙に圧勝した自民党だが、おそらく今後は掲示板よりブログを利用しようと考えていると思う。
このところの「反安倍」の言論をめぐる講談社の活躍は、まことに頼もしいものがある。
月刊「現代」では、10月号、11月号と2ヵ月続けて安倍晋三を批判する特集を組んだ。「週刊現代」では、7週続けて安倍の血脈に関する記事を掲載したあと、前のエントリでも取り上げた「安倍晋三は拉致問題を食いものにしている」という記事で、安倍の「媚朝外交」を暴露した。
そして、「FRIDAY」10月27日号では、安倍の統一協会への祝電に関して、新事実を暴露している。『安倍晋三統一教会にカタ入れする」新首相の暗部』という記事がそれだ。
あまりの講談社の大活躍につられて、思わず記事を連発してしまう羽目に陥ってしまった(笑)。

今年5月13日、福岡で開かれた、統一協会の関連団体「天宙平和連合」主催の「祖国郷土還元日本大会」に安倍が祝電を送り、翌日広島で行われた同大会でも祝電を送っていたことは、ハムニダ薫さんのスクープであまりにも有名で、AbEnd参加者なら誰知らぬ人はないだろう。

ところで、統一協会と安倍の関係は、安倍の祖父・岸信介や父・安倍晋太郎の時代から続いていたものだから、祝電を送ったのは今に始まったことではなかったはずだ。6月当時、このことについてネット検索していたら、「きちが石根」(別名「きち☆石根」、「アインシュタインの予言」なる妄言を撒き散らしたことでも悪名高いきち☆いブログw)というサイトが、それを裏付ける記事を載せていたので、「安倍晋三は以前から統一協会に祝電を送り続けていた」という記事で、これを紹介したことがある。脱線するが、これはAbEnd前夜の6月16日に書いた思い出深い記事だ。ってなんか前のエントリの記事と同じノリですね(笑)。

ところで、安倍が以前から統一協会に送っていたことに関しては確信を持てたが、具体的にいつの大会に祝電を送っていたかという情報は、当時のネット検索からは得られなかった。
「FRIDAY」の記事は、それを暴くものだ。
もう既に多くの人が指摘していることではあるが、成立早々各方面から批判を浴びた安倍晋三内閣が、電撃的中国・韓国訪問の最中に行われた、北朝鮮の「核実験」のおかげで、大いに追い風に乗ったようだ。

立花隆さんが、『安倍外交 "神話"の試金石 北朝鮮の「核」と「拉致」』立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」第86回)で指摘しているように、安倍晋三首相は、アジア外交でポイントを獲得した形で、政権の前途を占う最初の試金石とされていた来週末投票の衆議院補欠選挙の情勢は、当初予想されていた接戦ではなく、自民党の圧勝になる可能性が出てきた。

もちろん、ここまでの展開で安倍の最大のサポーターとなったのは、金正日北朝鮮である。

月刊「現代」10月号掲載の記事で、安倍晋三に宣戦布告した立花氏は、国会での論戦で惨めな姿をさらした安倍が、外交舞台では堂々たる立ち居振る舞いをしたことについて分析し、一定の評価を与えている。安倍晋三が、亡父・安倍晋太郎の外相時代、長く晋太郎氏の秘書を務めていたことや、小泉政権の中枢に居続けた経験がものをいっていると指摘している。敵の獲得ポイントでも冷静に評価しているのは、さすがは立花さんといえるかもしれない。

もちろん、立花さんは安倍が戦後民主主義を破壊しようとしていることを批判しているわけだから、「総理大臣との資質には疑問」としているが、具体的な安倍批判については、次回以降に書かれるようで、今回はパスしている。そして代わりに、安倍の最大のセールスポイントである「拉致問題」が、逆に安倍のアキレス腱になる可能性を指摘している(この議論については、立花さんのコラムを直接参照されたい)。

立花さんも触れているように、民主党の森ゆうこ議員が、国会で「週刊現代」10月21日号の記事「安倍晋三拉致問題を食いものにしている」という記事を持ち出して安倍に質問したのに対し、安倍が怒り狂って審議が中断したのだが、ここでは、この「週刊現代」の記事についてちょっと詳しく書いてみたい。

この記事のタイトルを見た時、私はただちに「カナダde日本語」の7月1日の記事 「安倍は総裁選のためにめぐみさんや北朝鮮まで利用している」を連想した。ちょっと脱線するが、これは、AbEndキャンペーンの提唱者・美爾依さんの記事の中でも特に印象に残ったもので、こういう記事を多くの人に読んでもらおうと、AbEndキャンペーン普及工作にいっそう力を入れるきっかけになった、思い出深い記事だ(注:当時私は、上記趣旨のコメントをこの記事に寄せましたが、ネット右翼の気に障った記事でもあるようで、嫌がらせのコメントもついています)。

さて、以下に安倍を激怒させた「週刊現代」の記事を紹介することにしよう。
本当に核実験だったのか、あるいは核実験だったとしても成功したのかどうかさえ定かでない、北朝鮮の「核実験」のニュースで日本中が染め上げられているかに見える時、沖縄パトリオット・ミサイルが搬入された。これを伝えているのが、「きっこの日記」10月9日の記事「洗脳パトリオット」である。この日記に出てくる平良夏芽さんは、当ブログの記事「安倍政権成立目前の日、辺野古で牧師さん逮捕!」で書いた、反基地活動家の牧師さんのことだ。

沖縄のニュースを、本土の新聞はろくすっぽ伝えない。それは、何も右寄りといわれる産経新聞や読売新聞だけではなく、リベラル寄りといわれる朝日新聞、毎日新聞や東京新聞(中日新聞)だって同じことだ。

だから、沖縄の事件について調べようと思ったら、沖縄タイムス琉球新報のサイトを当たるに限る。当然ながら、両紙ともこの件を報じている。

「嘉手納に本体搬入/機動隊、反対派を排除」(「沖縄タイムス」 2006年10月11日付夕刊 1・5面)

米軍、24発嘉手納搬入 反対派を強制排除(「琉球新報」 2006年10月12日付)

北朝鮮ごとき困窮した国家など、外交政策で封じ込めるべきなのに、北朝鮮の脅威ばかり煽り立て、沖縄で進行している戦争への準備についてはほとんど報じない中央のマスメディアは、安倍晋三の共犯者だと断じざるを得ないだろう。


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北朝鮮核実験を強行したというのは、何だかんだいっても気が重くなるニュースだ。7月5日(米国時間7月4日)のミサイル発射といい今回といい、どうして北朝鮮安倍晋三の思う壺のタイミングで脅しをかけてくるのだろうか。

この件に関して、北朝鮮をかばい立てなどしてはなるまい。ずっと以前にも書いたことだが、私は北朝鮮というのはとんでもない犯罪国家だと考えている。麻薬密輸、拉致、殺人と、北朝鮮がやっている犯罪は数え切れないほどだ。

だが、だからといって、北朝鮮の挑発に乗って、軍拡・核保有などの軍国主義路線を突っ走るほど愚かなことはない。

今日は、長ったらしい記事は書かず、太田光中沢新一のベストセラー「憲法九条を世界遺産に」より、もっとも印象に残る箇所を引用するにとどめたい。この本は、最近、本屋では安倍晋三著「美しい国へ」と並べて陳列されており、書店によっては、安倍の本より売れ行きが良いようである。

以下引用する。

日本にたった一つ残された拠り所

太田 憲法九条は、たった一つ日本に残された夢であり理想である、拠り所なんですよね。どんなに非難されようと、一貫して他国と戦わない。二度と戦争を起こさないという姿勢を貫き通してきたことに、日本人の誇りはあると思うんです。他国からは、弱気、弱腰とか批判されるけれど、その嘲笑される部分にこそ、誇りを感じていいと思います。
中沢 僕もそう思います。日本国憲法というのは、日本人のドリームタイムなんです。ドリームタイムというのは、オーストラリアのアボリジニが、自分たちの根源の場所として確保している場所のことです。そこへはめったなことではたどり着けないし、現実には踏み込めないことだってある。その場所には、恐ろしい虹の蛇が棲んでいるともいわれてるんですが、そういう場所があることを知って、そこに心を向けることで、世界は正しい方向に向かっていける。
 現実には、そんなものは存在しない。かつても存在しなかったろうし、これから先も存在しない。しかし、そういうものについて考えたり、それをことばにしたり、地上にそういうものが宿ることのできる場所をつくっておくことは、人間という生き物の生き方にとっては、とても重大なことです。それを人類は捨ててきました。ところが、日本国憲法は、ことばでできた日本人のドリームタイムなんですね。このことばでできたドリームタイムによって、日本人は今まで精神の方向づけを行ってこられたんです。
 日本国憲法の文言をそのまま守っていると、現実の国際政治はとてもやっていけないよ、というのはほんとうです。北朝鮮が日本人を拉致した。こんな国家的な暴力にどう対処するんだと憲法に問いかけても、憲法は沈黙するばかりです。いつだって神々は沈黙するんですよ。イエス・キリストだって十字架の上で、このまま私を見殺しにするんですか、と神に向かって訴えたけれど、神は沈黙したままでした。
 おそらく日本国憲法も、そういうものだろうと思うんですよね。それはことばにされた理想なのですから、現実に対していつも有効に働けるとはかぎらない。働けないケースのほうがずっと多いでしょう。でも、たとえそれでも、そういうものを捨ててはいけないんです。そういうものを簡単に捨ててしまったりしたら、日本人は、大きな精神の拠り所を失うと思います。この憲法に代わるものを僕たちが新たに構築するのは、不可能です。
太田光中沢新一憲法九条を世界遺産に」=集英社新書、2006年=より)


この本の中でも、特に印象に残った箇所である。遠藤周作の「沈黙」を読んだ人であれば、この小説を思い起こさずにはいられないだろう。

俗耳に入りやすい、好戦的で勇ましい論調に対抗するのは並大抵ではないが、こういう時こそ日本国憲法に込められた平和主義の理想を高く掲げたいものだ。


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ブログを始めて間もなく半年になる。
当ブログの最初の記事は4月9日付だが、これは4月17日に書いて、日付だけ過去に遡らせたものだ。だから、あと10日ほどでまる半年ということになる。
その間、何度か大きな節目があった。当初から政治関係の記事の多いブログだったが、ハムニダ薫さんやカマヤンが暴いた「安倍晋三、統一協会に祝電」事件以来、反安倍晋三ブログであることを明確にし、美爾依さん提唱の「AbEnd」キャンペーンには、真っ先に賛意を表明し、キャンペーンのネーミングに寄与させていただいた。

6月頃の当ブログのアクセス数は、日に300?400件ほどで、それ以降、徐々に増えていって、安倍内閣成立を目前に控えた9月には、何度か日に1000件を超えたが、その頃多かった検索エンジン経由のアクセスが今月に入って激減し、現在は日に600?800件ほどである。重複をカウントしないユニークアクセスだと、400?500件の日が多い。

私はブログの方向性を決めるに当たって、もちろん「AbEnd」ブログだから、安倍晋三の目指す「醜い国」づくりを阻止し、安倍を「the End!」させるという目標があるが、記事の反響や、アクセス解析のデータをかなり参考にしている。FC2ブログのアクセス解析機能は、他のブログと比べて充実しているのだそうだ。

当ブログは、まだアクセスが少なかった6月頃から、政治ネタを扱っているせいか、出版社、放送局から省庁、衆参両議院、果てはナンミョーに至るまで、いろんなところから訪問を受けた。安倍の祝電問題が「FLASH!」に載る直前には、反政権の記事を載せることが多い、ある大手出版社から、祝電の件をサーチワードにした検索を受け、これはこの件がマスコミに載る直前だなと思ったのだが、当時その出版社はこの件をなぜか取り上げず、大いに失望させられたものだ(現在では、もっとも活発に安倍批判を展開している出版社だが)。

その後は、電通ではない広告代理店や、公共放送などのアクセスがあった。大新聞社からのアクセスにはなかなか気づかなかったのだが、最近になって新聞社からもアクセスを受けるようになった。そうそう、きっこさんや某有名ブログが書いていた、沖縄県からのアクセスもあり、「きっこの日記」3月19日の「お帰りなさいませ、ご主人さま♪」にも書かれているリモートホスト"xxxxx9.pref.okinawa.jp"からは、最近よく訪問を受けるが、残念ながら(?)これは沖縄県警からのアクセスではなさそうだ。しかし、TBSからのアクセスには、確かにきっこさんが書いているように3桁の数字がついていたし、超有名ブログと同じ経験が、アクセスが二、三桁も少ないブログで味わえるというのも、ブログをやってみなければ分からない面白さだ。
安倍晋三が総理大臣に就任し、超タカ派政権のスタートかと思いきや、村山談話や河野談話を追認したり、A級戦犯の戦争責任を認めたりするなどして、安倍首相のタカ派路線に期待を寄せていた右派諸氏を激怒させている。

手のひらを返すかのような安倍の豹変に、AbEnd提唱者の美爾依さんまでもがビックルを一気飲みしたようだが(笑)、「朝日新聞」は、無邪気にも安倍の豹変を評価するような社説を掲載している(「安倍政権 ちょっぴり安心した」=2006年10月7日付社説)。

朝日新聞ともあろうものが、こんなうかつな社説を書くとは困ったものだ。安倍の豹変を評価する一方で、社説は以下のように書いている。

ただ、中川昭一政調会長や、首相官邸のスタッフに議員グループ時代の同僚を登用し、教育改革などに取り組む態勢を敷いている。どんな方向を打ち出すか、注目していきたい。
(「朝日新聞」 2006年10月7日付社説 「安倍政権 ちょっぴり安心した」より)

これで安倍政権が狙っている「教育改革」を批判しているつもりだなどと言われても困るのである。全くニュートラルな、傍観者的記述。このところの朝日新聞の社説の中でも、とくにひどい一本と評さざるを得ないだろう。

ところで、私はだいぶ前から、安倍は首相に就任するなり、最初はソフトムードの演出を行うだろうと予想していた。

なぜかというと、自民党の総裁選において、当初ライバルといわれた福田康夫があっさり降りたり、右翼テロリストに実家を全焼させられた加藤紘一が、テロ直後には活発な言論を展開していたのに、その後おとなしくなった背後に、ナベツネこと渡邉恒雄・読売新聞会長の影を感じるからだ。
ジャーナリズムにとって、「ニュースソースを秘匿する権利」は必須のものだと認識していたのだが、3日、この問題に関する最高裁の初判断が示された(『「取材源」証言拒絶は正当、最高裁が初判断』=読売新聞 2006年10月4日 0時09分)
上記読売の記事から引用する。

米国の健康食品会社が米国政府に損害賠償を求めた訴訟の嘱託尋問に関連し、NHK記者が取材源に関する証言を拒絶したことの当否が問われた裁判で、最高裁第3小法廷(上田豊三裁判長)は3日、記者の証言拒絶を正当と認めた東京高裁決定を支持し、食品会社側の特別抗告などを棄却する決定をした。
決定で上田裁判長は、「取材方法が一般の刑罰法令に触れるなどの事情がない限り、原則として取材源に関する証言は拒絶できる」とする初判断を示した。
決定は、同小法廷の上田、藤田宙靖、堀籠幸男、那須弘平の4裁判官による全員一致の意見。国民の知る権利を守るために報道が果たす役割を高く評価した内容で、取材源秘匿を理由に証言拒絶が認められる判断基準を最高裁として初めて示した。
(「YOMIURI ONLINE」 2006年10月4日 0時09分)


この問題に関しては、主要紙の中で読売新聞が飛び抜けて熱心に報道している。それには理由があって、NHK記者の証言拒否とは別に、同じ件の報道を巡って、読売新聞の記者も米国の健康食品会社から訴えられ、第一審では、なんと「公務員が取材源の場合には証言拒絶は認められない」というトンデモナイ決定が出て、それに対して読売新聞が決定批判の怒りのキャンペーンを展開したことがあるからだ。

結局、この決定は二審で覆り、東京高裁は取材源秘匿の権利を認め、証言拒絶を全面的に認める判断を下した。それについては、当ブログでも以前に記事にしたことがある(『「取材源秘匿を全面容認」(東京高裁)=「きまぐれな日々」 2006年6月14日』)。

今回、最高裁の決定で、初めて取材源秘匿の必要を認める判断が下されたが、『民事裁判で取材源の秘密が保護に値するかどうかは、「報道の内容や社会的意義、取材の態様、取材が妨げられることによって生じる不利益の程度」と、「訴訟の持つ内容や社会的な意義、証言の必要性や代替証拠の有無」を比較して決めるべきだとする判断基準を示した』(二重括弧内は前記「YOMIURI ONLINE」10月4日付記事からの引用)。
先日、星影里沙さんのブログ「憧れの風」で、梅原猛さんの新刊の一節を紹介した記事(「思わず立ち止まった」)を目にした時、海外出張を目前に控えていた私は、梅原さんのこの本を、移動の飛行機の中や、現地のホテルで読もうと思い立ち、直ちに買い求めた。本のタイトルは、「神殺しの日本?反時代的密語」である。この本は、前半が、梅原さんが2004年4月から2年間、朝日新聞に連載していた「反時代的密語」を、後半が2001年に日本経済新聞に連載していた「私の履歴書」を、それぞれまとめたものだ。本は、哲学者の著書なので難解な部分もあるが、非常に面白くて、比較的短時間に読み終えた。

神殺しの日本―反時代的密語 神殺しの日本―反時代的密語
梅原 猛 (2006/09)
朝日新聞社
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星影さんは、『「神は二度、殺された」という、梅原さんの一文が衝撃的すぎて』(「思わず立ち止まった」より)、と書かれている。そこで、この本の「神は二度死んだ」という章から、長くなるが引用する。

近代日本においては神殺しは二度にわたって行われた。近代日本が最初にとった宗教政策、廃仏毀釈が一度目の神殺しであった。(中略)
そこで殺されたのは仏ばかりではない。神もまた殺されたのである。外来の仏と土着の神を共存させたのは主として修験道であるが、この修験道が廃仏毀釈によって禁止され、何万人といた修験者が職を失った。この従来の日本を支配した神仏を完全に否定することは、近代日本を作るために必要かくべからざることと思われたからである。福沢諭吉のような啓蒙思想家もこの神々の殺害を手助けしていたことは否定できない。
そして明治政府はこのように伝統的な神仏を全て殺した後にただ一種の神々のみを残し、その神々への強い信仰を強要した。それは天皇という現人神と、アマテラスオオミカミをはじめとする現人神のご祖先に対する信仰であった。(中略)
この現人神への信仰にもとづいて作られたのが、教育勅語という新しい道徳であった。(中略)教育勅語にはかつての仏教や神道の道徳はほとんど含まれず、現人神への信仰のもとに、儒教道徳に近代道徳を加えたものが羅列されたにすぎない。このような道徳のもとに日本は西洋諸国に追いつき、その挙げ句、アメリカ、イギリスという世界の強国に対してあえて戦争を仕掛け、手痛い敗戦を経験した。
この敗戦によって新しい神道も否定された。現人神そのものが、実は自分は神ではなく人間であると宣言されたことによって、この神も死んだ。(中略)
このように考えると、日本は西洋よりもっと徹底的に神仏の殺害を行ったことになる。この神仏の殺害の報いは今徐々に表れているが、以後百年、二百年経つと決定的になるであろう。道徳を失っているのは動機なき殺人を行う青少年のみではない。政治家も官僚も学者も芸術家も宗教心をさらさらもたず、道徳さえほとんど失いかけているのである。政治家や官僚が恥ずべき犯罪を行い、学者も、芸術家も日々荒廃していく世の動きに何らの批判も行わず、唯々諾々とその時代の流れに身を任せているのは道徳の崩壊といわねばなるまい。
最近、そのような道徳の崩壊を憂えて、日本の伝統である教育勅語に帰れという声が高まっている。しかし教育勅語はあの第一の神の殺害の後に作られたもので、伝統精神の上ではなくむしろ伝統の破壊の上に立っている。私は、小泉八雲が口をきわめて礼讃した日本人の精神の美しさを取り戻すには、第一の神の殺害以前の日本人の道徳を取り戻さねばならないと思う。
梅原猛「神殺しの日本?反時代的密語」=朝日新聞社、2006年=より)

まことに刺激的な指摘である。赤字ボールドはむろん筆者によるが、この部分以降で指摘されている、右翼の道徳観へのアンチ・テーゼは特に重要である。右でも左でもない、というより思想的には明らかに保守的である梅原さんが、右翼の思想に反対し、護憲を唱えている意味は大きいと思う。私は今後、この本や、以前読んだ太田光中沢新一著「憲法九条を世界遺産に」(集英社新書、2006年)、高橋哲哉著「靖国問題」(ちくま新書)、それに立花隆さんや辺見庸さんの文章などを適宜引用しながら、安倍晋三政権の思想へのアンチ・テーゼの意味も込めて、憲法や靖国を論じるブログを発信していき、最終的に「党派性を超えた普遍的な反戦・平和思想」といえるところまでに至りたいと考えている。


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FC2ブログがアクセス数、利用者数とも日本一になったんだそうだ。
今年4月、私がブログを始めるに当たって、なぜFC2を選んだかというと、ブログについてGoogle検索で調べてみたところ、一番評判の良かったがFC2だったからだ。

いざブログを始めてみると、他のブログサービスを知らなかったこともあって、最初のうちは良さがわからなかったのだが、他のブログサービスを用いている方といろいろやりとりをするうちに、FC2の便利さをどんどん感じるようになっていった。

FC2インフォメーションの「ブログ日本一!100万円プレゼント」を教えてくれた「カナダde日本語」さんをはじめ、多くのFC2ユーザーのブロガーの方々にもお世話になったし、何よりブログを始めてもうすぐ半年だが、あっと驚く経験の連続で、大げさかもしれないが人生が変わった。今ではブログなしの生活は考えられないほどだ。

今後も、FC2のさらなる発展を期待したい。
前の記事で、主要新聞のうち東京新聞だけが、安倍首相の所信表明演説に対して、安倍の「歴史認識」を問うたと書いた。

東京新聞に遅れること2日、毎日新聞も、腰が引けていた姿勢を反省したのか、安倍晋三の「歴史認識」を問う社説を掲載したので、紹介する。

「歴史認識 あいまいさに逃げ込むな」(毎日新聞 2006年10月2日付社説)

以下抜粋して引用する。

(前略)
自民党総裁選では村山談話や侵略戦争の認識が焦点になった。安倍首相は「(歴史認識は)後世の歴史家に委ねる」と言い、正面から答えなかった。
この言い方はいささかピントが外れている。歴史家に委ねるのは、政治家の歴史認識が正しかったかどうかの判断であって、政治家は歴史認識を他人に委ねることなどできない。
歴史認識とは、歴史の講釈をすることではない。首相は、国の命運を背負い、最終決断を下さねばならない立場にいる。「神に祈る気持ちだ」とつぶやいた首相もいた。常に人間観、世界観、歴史観が問われる職なのだ。
(中略)
いま目の前にはアジア外交の再構築という重要な課題がある。中国、韓国との首脳会談ができないという異常事態は困る、と米国からも迫られている。解決のカギは靖国神社参拝問題である。
首相は、官房長官時代に小泉純一郎前首相の靖国参拝を支持し、さらにA級戦犯の戦争責任を認めなかった。4月にはひそかに参拝したが、「行くとも行かないとも言わない」という「あいまい戦略」をとった。
(中略)
所信表明の中で首相は「日中相互の努力」と述べた。日本は、参拝するともしないとも言わない、中国は、事前に参拝しないという約束なしに会談再開に応じてもらいたい、というのが「相互の努力」のようだ。
(中略)
首相が日中関係を再構築するつもりなら、以前の状態に戻って、在任中の靖国参拝は凍結すべきだ。靖国神社に行くつもりなら、はっきり言うべきだ。今の日中関係は、過去に積み重ねた外交努力の上にある。あいまい戦略の先には、逃げ道はない。
(「毎日新聞」 2006年10月2日付社説より)

重要な問題に答えず、こっそり既成事実を積み重ねていくのが安倍のやり方なのか。極端に右に偏った思想信条以上に、こうした安倍の姑息さに対し、腹立ちを抑えることができない。


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