きまぐれな日々

12日に投票が行われる東京都議選は、民主党が第一党になるのはもはや確実で、自公が過半数を確保できるかも怪しい情勢らしい。都議選は中選挙区制をとるので、極端な議席の増減は起きにくいが、有権者の投票行動は自民党を見捨てて民主党へと雪崩現象を起こしていて、このままなら小選挙区制をとる衆議院選挙で、前回の郵政総選挙で菅直人が当選した東京18区以外のすべての選挙区を制した自民党の大幅な凋落は避けられないだろう。

「麻生降ろし」が言われているが、舛添要一にしても石原伸晃にしても、こんなところで火中の栗を拾いに行って、自らの政治生命を絶つ真似はしないのではなかろうか。通常国会の会期は7月28日までで、末日に解散すると投票日はおそらく8月30日か9月6日になる。解散できなければ任期満了選挙となり、事実上8月11日公示、8月23日投票しかあり得ず、総選挙を先送りするためには8月10日までに臨時国会を召集するしかないが、そこまであからさまな延命策は自民党のイメージをさらに悪化させ、選挙に悪影響を与える逆効果しかないから、さすがにそんなことはできないだろう。結局、麻生首相が7月28日に解散する「追い込まれ解散」しか選択肢はないのではないか。

それにしても不愉快なのは東国原英夫や橋下徹の妄動である。東国原は、宮崎県民や自民党からの反発が予想外に強いことに、「快く応援していただけていない。予想以上の逆風だ」と述べたとのことだが(毎日新聞による)、政権の座を維持するためには何でもやる自民党は、それでも東国原と話をまとめて立候補させると私はにらんでいる。だから、東国原に対する攻撃の手を緩めるつもりは全くない。

東国原に対する風当たりは相当に強いのだが、橋下徹と民主党がともにすり寄り合っていることを批判するブログがきわめて少ないことには、いったい何のための政権交代なのかと思ってしまう。「橋下徹」を検索語にしてGoogle検索をかけると、当ブログの2007年12月13日付エントリ「大阪府民は「極右ポピュリスト」橋下徹を打倒せよ」が表示され、このエントリは通算のアクセス数が1万件以上を数えるが、橋下は単にタレント弁護士時代に徴兵制や核武装論を唱えたり、光市母子殺害事件の弁護団の懲戒請求を煽ったりしただけではなく、一度に346人の府立高校非正規職員の首切りを行ったり、大阪の私立高校生とガチンコで論争し、私学助成がなくなったら高校に通えなくなる、知事さんどうにかしてください、という高校生の訴えに対して、「あなたが政治家になって変えてください」と自己責任論を言い放った(この件については、私が昨年のベストエントリに選んだ『kom's log』の名エントリ「ボクタチの闘争」を読み返されることをおすすめしたい)。こんな橋下徹は、コイズミや竹中の新自由主義だとか格差社会に反対するのであれば、絶対に許してはならない政治家であり、その橋下が自公のパーティには出ないと宣言しただけで橋下を「見直す」などの大甘の姿勢を見せるようでは、政権政党が代わったところで政治は何も変わらないのではないかと思わざるを得ない。橋下の唱える「道州制」は、経団連お墨付きの政策である。以下、最近ROMしている「平成海援隊BBS」のスレッド「鳩山代表の変調」中の浮船亭田中屋さんの解説を拝借する。

橋下知事の道州制は、経団連お墨付きのヤツです。
経団連が道州制を求める理由はよくわかります。管理部門の統合で公務員が削減できる。県単位の許認可権がなくなり広域的に事業展開できる。
得意の州単位の審議会潜入で政策反映ができる。
関西州ならば関西全体でプールした金を京阪神地区にこれまでと桁違いに打ち込める。

重点地区への効率的投資が可能になるわけです。

(「平成海援隊BBS」 No.27419 浮船亭田中屋さんの投稿 (2009/07/09 09:30:54)より)


つまり、経団連の求める道州制は、関西州であれば、京阪神だけが栄え、兵庫県・京都府の日本海側や奈良県・和歌山県の山間部などを衰退させる効果をもたらす。州間の格差についても、自民党の政治家は口先では国の再分配機能で何とかすると言うけれども、格差がますます拡大していくことは避けられないだろう。原口一博や鳩山由紀夫がすり寄り、「連携」まで口にした橋下の政策の実態はかくのごとしなのである。

そもそも、きたる総選挙はもともと「コイズミカイカクの審判」や「反貧困」を争点にすべき選挙であって、「地方分権」なんかは争点としては優先順位がごく低いはずである。昨日のエントリにいただいた、亀井静香氏に扮した観潮楼さんのコメントが面白いので、以下に紹介する。

「自民・民主ともこんな優先順位が下の下の話にこだわるのは、
他に突っ込まれるとまずい話があることの裏返しなんだな。
それ以前に小泉の毒に何も学習してないだろ。
安っぽいヒーロー待望論がろくな結果を招かなかったのはサルでもわかることだろうに。
これから起こることはその『質』が厳に問われないと無意味だぞ」

(観潮楼さんのコメントより)


「地方分権」をメインの争点に据えようとすること自体、以前にも観潮楼さんからコメントいただいたように、「脱改革」隠し、「反貧困」隠しの争点のすり替えである。現在の動きは、自民・民主両党とも本質的に新自由主義政党であるため、「反貧困」が争点であっては、経団連のご機嫌を損ねてしまって困ることに起因しているのではないかと勘繰られても仕方がない。

これから起こること、すなわち政権交代の「質」が厳しく問われる必要がある。文句を垂れるのは政権を奪取してからにしろ、などと言って批判を封じる愚かな姿勢からは、何も生まれてこない。


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今朝の新聞は、JR西日本の山崎正夫社長が在宅起訴された件で紙面が埋め尽くされている。4年前の福知山線脱線事故について、業務上過失致死傷の罪に問われたものだ。

この事故は、端的に言って乗客の安全よりも収益を重視した、民営化されたJR西日本の経営姿勢の問題であり、社長の起訴は当然だと思うが、罪を社長だけにかぶせて済む問題ではないだろう。もとをただせば、国鉄の民営化は果たして手放しで賛美して良いことなのかという疑問に行き着く。現在の日本では、中曽根康弘は偉大な政治家だったとしてほぼ評価が固まっているが、中曽根は日本における最初の新自由主義総理ともいえる人物であり、バブル経済をもたらしたのも中曽根時代の民活(民間活力の活用)路線である。つまり、バブル崩壊後20年近くも日本経済が低迷したのも、福知山線で悲惨な事故が起きたのも、極言すればすべて中曽根のせいなのである。

中曽根以後の新自由主義の大立者というと、誰しもコイズミを思い浮かべるだろうが、そのコイズミも次の総選挙には出馬せず、次男の小泉進次郎を世襲させて引退する。では、コイズミに代わる新自由主義の旗手は誰かということになると、これはもう橋下徹に尽きるだろう。

JR西日本社長起訴のニュースに隠れて、今朝の朝日新聞紙面には記事が見当たらないが、asahi.comは、「鳩山代表、橋下知事に秋波 「非常に民主党に近い」」と題した、看過してはならない記事を掲載している(なお、このニュースはスポーツ紙が大々的に報じているようだ)。以下引用する。

鳩山代表、橋下知事に秋波 「非常に民主党に近い」

 橋下徹・大阪府知事が8日、民主党本部を訪問し、同党の原口一博「次の内閣」総務相と意見交換した。橋下知事は同党の政権公約で国と地方の政策協議について地方に拒否権などを認めるよう要望。原口氏は前向きな検討を約束し、「人気知事」への配慮をにじませた。

 橋下氏は会談で、民主党が国と300基礎自治体の「2層構造」構想を棚上げしたことについて「2層構造はおかしいと述べたら、素早く対応してくれた」と謝意を表明。「国と地方のあり方が根源的に変わる、統治機構のあり方をマニフェストに入れてほしい」などと求めた。

 原口氏は会談後、記者団に「涙が出るくらい感激した。真剣に考えて具体的に提案し、戦略的にやっている」と激賞。鳩山代表も記者団に「非常に民主党に近い。私どもの地域主権の考え方を、道州制という方向で協力点を見いだしていけるのではないか。連携を取り合っていきたい」と秋波を送った。

 その後、橋下氏は公明党にも同じ提案をした。北側一雄幹事長は「党のマニフェストの中にもしっかり反映できるようにしていきたい」と前向きな姿勢を示した。

(asahi.com 2009年7月8日20時48分)


やはり懸念していた通り民主党の鳩山由紀夫代表は橋下徹にすり寄った。鳩山氏というと、2000年の民主党運動方針案では「社会主義インターへの加盟を検討する」としていたはずなのに、2001年にコイズミ内閣が発足すると、コイズミとカイカク競争をする方針を打ち出し、コイズミに共闘まで呼びかけたことが苦々しく思い出させる。民主党の中でももっとも「小さな政府」寄りであるにもかかわらず、党内でももっとも「格差是正」を熱心に呼びかける鳩山氏(いったいどうやって格差を是正するんだ?)は、軽くて流行になびきやすい人物だと私は考えている。神輿を担ぐ小沢一郎にとっては、軽いのは都合が良いのかもしれないが、国民にとってはいい迷惑である。正直腹が立って仕方がない。

救いは、テレビ報道でさえ、首長たちにすり寄る自民党や民主党の政治家を批判していることだ。記事を書きながら見ていたテレビ朝日「やじうまプラス」では、伊藤洋一氏が、橋下のクレームに応じて政策を変更する構えを見せた細田博之を例に挙げて「人気者に国政が振り回されるのはみっともない」と言えば、江川紹子氏が、「道州制って言うけど、道州制によってかえって格差が拡大するってこともあるんじゃないか」と、橋下らが唱える政策の中身がほとんど問われていないことを批判した。

それにしても、鳩山氏を批判する人たちを「自公工作員」とまで罵りながら鳩山氏を祭り上げていた人たちは、今回の醜態をいったいどう説明するのだろうか。この件に関して、昨日、フリスキーさんからいただいたコメントを紹介する。

『東国原宮崎知事?橋下徹大阪知事?中田宏横浜知事?
露木順一開成町長?中村時広松山市長からなる
「首長ペンタゴン」、らが結集して、第三極を編成しようとしている。
有権者は目くらましに騙されてはならない。
この第三極は自民別働隊の「偽装CHANGE」勢力である。』

植草氏は6月26日のエントリーでこう主張していますが、


今日の朝日新聞電子版では、
橋下氏の地方分権の主張について

『原口氏は会談後、記者団に「涙が出るくらい感激した。
真剣に考えて具体的に提案し、戦略的にやっている」と激賞。
鳩山代表も記者団に「非常に民主党に近い。
私どもの地域主権の考え方を、道州制という方向で協力点を
見いだしていけるのではないか。
連携を取り合っていきたい」と秋波を送った。 』

こうあります。

http://www.asahi.com/politics/update/0708/TKY200907080336.html

植草さんと鳩山さんを応援している人たちはこのずれを
どう受け止めるべきなんでしょうね。

もし植草氏ご本人がこのコメント欄をお読みでしたら、
貴ブログでこの点について解説をいただけると有難いのですが。

2009.07.08 21:34 フリスキー


植草一秀氏が当ブログを読んでいるとは思われないので、植草氏のブログにTBを送ることにする。別に回答を強要するつもりはないが、ご解説いただけるとありがたい。私の意見は、首長連合の主張なんかに有権者が騙されてはならないという植草氏の主張に同感であり、植草氏のいう「首長ペンタゴン」(こういうレッテル張りは適切とは思わないが)にすり寄ろうとしている鳩山由紀夫代表は、厳しく批判されなければならないと考える。

読者の皆さまはいかがお考えだろうか?


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先月末以来、当ブログのアクセス数は普段より多めの日が続いているのだが、これは別に当ブログの人気が上がったわけではなく、東国原騒動が勃発した直後から、連日東国原を叩き続けたためだ。支持、不支持は別として東国原騒動に関心を寄せる人が多かったのである。なぜかというと、それは東国原がテレビの人気者だったからで、ネットの影響力なんてテレビの足元にも及ばない。

その東国原は7日の古賀誠・自民党選対委員長との再会談で、次期衆院選への出馬を明言せず、結論を先送りした。毎日新聞は、「東国原知事:効果に疑問も 自民内で擁立慎重論拡大」と書いている。

党内では「知事人気に頼る手法は間違っている」(丸山和也参院議員)との批判も目立つ。

と報じているが、その丸山和也自身がテレビでの人気をあてにした自民党の出馬要請に応じて一昨年政界入りした男だから、「お前が言うな」と言いたくなる。だが、自分のことを棚に上げているとはいえ正論は正論だ。

最初に古賀誠が東国原を宮崎に訪れて衆院選出馬を要請し、それに対して東国原が自民党総裁という条件をつけたことが報じられると、早速テレビ局が街頭インタビューで「総理にしたい人」は誰かときくと、東国原が鳩山由紀夫や麻生太郎を抑えてダントツの一位になった。その理由をきくと、「なんとかしてくれそうだから」と答えるのがお決まりになっている。

2001年に自民党総裁になったコイズミが国民から歓呼を持って迎えられたのは、「自民党をぶっ壊す」と叫んだからだ。コイズミさんなら、この閉塞状況(当時すでに自殺者の数が年間3万人台に乗ってから4年目だった)を変えてくれるだろうと、大多数の国民が期待したが、実際にコイズミがぶっ壊したのは国民生活だった。いま、東国原は「私が自民党を変えるんです」と言う。その言葉を聞いて、コイズミを思い出した人も多いだろう。そして、劣化版コイズミである東国原には何もできまいという失望感が広がり、東国原人気はしぼんでいった。テレビを見ていても、最初から東国原に否定的だった伊藤洋一は、騒動勃発から1週間後には「東国原さんも、もう飽きられましたよね」と東国原を小バカにしていたし、江川紹子は「この人、本当に人気あるんですかねえ」と言っていた(いずれも7月2日)。4日と5日に行われた朝日新聞調査でも、

 東国原知事への立候補要請で自民党の印象がどう変わったかを尋ねると、「印象が悪くなった」が44%で、「変わらない」が47%。「よくなった」は7%しかいなかった。

 自民支持層でも「印象がよくなった」は9%止まりで、「悪くなった」が37%いる。東国原氏擁立で取り込みたいであろう無党派層でも「印象がよくなった」は6%、「悪くなった」が41%だった。
(asahi.com 2009年7月6日5時1分)

との結果が出ている。

だが、それでも自民党が東国原擁立にこだわるのは、ひとたび東国原が出馬要請を受ければ、テレビが追いかけを開始し、ワイドショーが連日東国原の映像で埋め尽くされることを狙っているからだろう。これには、「自民党の支持率を底上げしようとする狙いが露骨だ」と、党内からも批判が出ているとのことだ。実際、ここまで見え透いた「猿」芝居も珍しいだろう。

思うのだが、もう誰か有名人を「なんとかしてくれそう」と頼るのはやめなければならないのではないだろうか。この日曜日(5日)に、さとうしゅういちさんのお誘いを受けて、岡山で行われた連合中国ブロック総決起集会に行ってきたのだが(私自身は連合とは無関係の部外者である)、江田五月参議院議長の国政報告会で、江田さんがオバマ米大統領の "Yes, we can"を例に引いて、「"I"も、『友愛』も大事だけれど(この部分にウケた)、"we"が大事だ、どっかから知事さんがやってきて変えてくれるんじゃなくて、自分たちの手で政治を変えていくんだ」と仰っていた言葉が、ウィットにも富んでいて印象に残った。かくいう私もこれまで何もしてこなかったのだが、もうそれでは生活は守れない、社会を良くすることはできないと思うようになった。

反自公の政治的な意識を持ち、掲示板に積極的に投稿している人の中にも、「小沢先生、鳩山先生、植草先生が政権交代の三種の神器だと思ってきました」などと書く人がいることにショックを受けたことは先日書いたが、3人の教祖様を実像以上に崇め奉る態度も、いい加減に止めるべきだろう。鳩山由紀夫氏については、静岡県知事選で呆れたことを言っていた情報を、sweden1901さんからいただいた。以下に紹介する。

なお、鳩山代表は川勝氏のことを次のように評して応援していました。
「小渕首相や安倍首相の下で日本の知性として様々な政策を世に出した方が、今は民主党の色を丸出しにして戦っている。全力で応援したい」(6月26日読売新聞静岡版:リンク切れ)


どうしてこんなことを言う人が「政権交代の三種の神器」の一つになり得るのか、私にはさっぱり理解できないし、故人献金の問題が発覚した鳩山氏は、自民党の与謝野馨や二階俊博ともども辞任が相当だと思うのだが、それでも鳩山氏が野党第一党の党首である以上、鳩山氏を利用しようとするのは悪いことではないと思う。鳩山氏のブレーンには寺島実郎氏がおり、鳩山政権ができれば寺島氏の考え方が政策に反映される可能性もある。そうなれば、外交や環境・エネルギー政策は現在の自公政権より改善されることが期待されるのである。

たとえ遠回りでも社民・共産を支持するのが本筋ではないかとのコメントもいただいたが、両党は小政党になってしまった今でも互いに仲が悪い。社民党を支持する勢力は、地方では地元の利権と結びついていることが多く、民主党が候補を立てても、自公候補に社民党や連合が相乗りして、自公社対民主の構図になる地方選挙もある。一方、共産党は地方の利権構造を厳しく批判するが、孤高を保つというか、孤立主義に走る傾向が強い。だから、社民党と共産党が手を結ぶことは今後とも全く期待できない。それくらいなら民主党を中から食い破る方がまだ可能性がありそうだ(それでも比例区で民主党に投票する気には私はならないが)。とにかく、自分たちの過去を思いっきり棚に上げて、スローガンだけでも「国民の生活が第一」と言い出すほどには、民主党は世論に敏感だ。但し、党の指導者の実像は「三種の神器」どころではない、旧来の自民党の体質そのままの保守政治家であることは、前記のsweden1901さんのコメントからも明らかなのだが。これは、読者の皆さまに是非参照していただきたいコメントなので、もう一度リンクを張っておく。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-945.html#comment6331

だが、民主党の実態がかくのごとくではあっても、実質的に経団連や地方の支配層の操り人形に過ぎない東国原や大阪府知事の橋下徹を、「何かやってくれそうだ」などと頼ることは愚の骨頂である。もちろん、民主党が橋下にすり寄って政策を新自由主義寄りに変えるであろうことには、最大限の注意と批判が必要だ。もはや誰にも頼れない。自分たちで変えていくしかないのである。


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ついに2009年も後半に入った。時の流れのあまりの早さに愕然とするが、年の前半と後半の境目に、血圧が高くなる不快なニュースが続いた。

まず、田母神俊雄が、8月6日の原爆記念日に、「ヒロシマの平和を疑う」と題した講演会を計画していることが報じられた(毎日新聞記事参照)。この講演会は、「日本会議広島」主催で、会場はなんと原爆ドーム近く、広島市中区のメルパルク広島である。

これに対して広島市の秋葉忠利市長は29日、「被爆者ら市民の心情に配慮して日程変更を検討してもらいたい」とする要請文を、田母神と日本会議広島に送ったが、日本会議広島の井坂信義なる人物は「核兵器廃絶こそが私たちの願い。理想は同じでもいろいろな考え方があり、議論すらするなというのは言論封殺だ」とコメントした(上記リンク先の毎日新聞記事による)。

私の知る限り、プロ野球の広島東洋カープは、8月6日には原爆ドームのすぐ近くにある広島市民球場では主催ゲームを行わなかった。主催戦が行われる日程が組まれても、6日の試合は呉や福山、あるいは隣県岡山の倉敷マスカットスタジアムなどで行っていた。新球場に移転した今年以降も、おそらく同様なのではないだろうか。また、「kojitakenの日記」にkyotokyotoさんから寄せられたコメントによると、

広島では8月6日はたしかプールも休みだったはず。海での遊泳も推奨されません。
それはあの日、水を求めて数多くの人が苦しみ命を落としたことを配慮してのこと。

とのことだ。原爆記念日は、静かに犠牲者たちを悼む日である。日本会議広島は秋葉市長の要請に「言論封殺だ」などと反発するが、秋葉市長は何も講演会を行うなとは言っていない。市民感情に配慮して日程を変えよと言っているだけだ。日本会議広島の井坂信義の言うことは、「信義」なる名が泣く、まるでやくざのような言いがかりである。腹が立って仕方がない。

もう一つ不愉快きわまりないのは、毎日新聞が一面トップで報じている、「東国原知事の入閣で調整 分権改革担当を検討」というニュースだ。記事の冒頭部分を引用する。

麻生首相:東国原知事の入閣で調整 分権改革担当を検討

 麻生太郎首相が閣僚人事で、次期衆院選に自民党公認候補として擁立を打診している東国原英夫宮崎県知事を入閣させる方向で検討していることが6月30日分かった。首相は閣僚の兼務解消などに伴う人事を一両日中に断行する方針で、東国原氏を地方分権改革担当などのポストで処遇することで調整している。衆院選に向け、国民的な人気の高い東国原氏を自民党の「選挙の顔」にすることで、民主党に対抗するのが狙い。

 首相は6月30日、人事について、「しかるべき時に、しかるべき方をと、前から考えてはいました」と記者団に語った。(後略)

(毎日新聞 2009年7月1日 2時30分)


もちろん今朝から民放テレビの、ニュース番組というよりワイドショーに近い番組はこの話題で持ちきりで、テレビ朝日の三田園訓は自民党と東国原を激しく批判していたが、コメンテーターの中には東国原を擁護する者もおり、何より自民党は東国原を比例代表東京ブロック1位で処遇する方針とのことだから、大阪と並ぶ「B層」の巣窟である東京では自民党の票がかなり増える恐れがある。せめてもの救いは、衆議院の比例区が参議院の「非拘束名簿式」ではなく「拘束名簿式」であることで、比例区に東国原の名前で投票しても無効票になる。一昨年の参院選で、「比例区は天木直人、選挙区では好きな政党を」などという素っ頓狂な呼びかけをしたブログがあり、当ブログはその妄言とともに「非拘束名簿式」の弊害を厳しく批判し、それがもとで一部のブログ連とやり合ったことがあるが、衆議院選挙の比例区が「非拘束名簿式」であれば東国原の名前を書くB層都民が続出したことは間違いない。

それにしても、東国原を自民党のカイカク派(反麻生)と反カイカク派(親麻生)が争奪戦を繰り広げている形だが、注意すべきはいざ総選挙となればカイカク派も反カイカク派も同じ自民党であり、彼らは党内抗争を自らの得票につなげることが得意中の得意であることだ。

普段は良識的なコメントをしていた加藤洋一・朝日新聞編集委員までもが「コイズミさんの夢をかなえてあげたいですね」と口走った4年前の郵政総選挙の時と今は明らかに空気が違い、東国原についてはテレビのコメンテーターでも評価が分かれるし、B層の多い都民といえど、いくら東国原が熱弁をふるっても「自民党」と書くのは抵抗がある人が多いだろう。だが、これまでの東京都知事選、大阪府知事選などを思い出しても、当初は野党の対立候補者の善戦が予想されながら、選挙戦が進むにつれてどんどん石原慎太郎なり橋下徹などの勢いが増し、最終的には彼らの圧勝に終わったことが忘れられない。彼らの圧勝をもたらしたのはマスコミであり、都知事選の時には一時「護憲派」を自認していた芸能人・藤原紀香があっさり石原応援団に加わったし、府知事選の時には大阪の民放やスポーツ紙がいっせいに橋下を応援した。今回は、東京では東国原、大阪では(選挙とどういうかかわり方をするのかは知らないが)橋下を連日民放やスポーツ紙などが大々的に応援し、最終的には藤野真紀子川条志嘉らまでまさかの再選を果たしてしまう悪夢もちらりと脳裏をよぎる今日この頃なのである。


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金曜日のエントリ「やはり東国原英夫らの妄動は「新自由主義の逆襲」だった」は、当ブログとしては5月以降では一番の人気エントリになったが、土日は外出して日常生活から離れており、政治番組も一切見なかった。

その前、金曜日のテレビ朝日「放送ステーション」では、時々同番組に出演する寺島実郎が、東国原と橋下の妄動を厳しく批判した。寺島氏は、4年前の「郵政総選挙」同様のワンフレーズ選挙にするな、「地方分権」のワンフレーズで、さまざまな国政の課題をそっちのけにしてしまうと、日本の行く末を誤りかねない、と強い調子で語り、前日(木曜日)に東国原と橋下を手放しで賛美した古舘伊知郎は憮然とした表情を見せた(ざまあみろ)。4年前の「郵政総選挙」の時とは違い、権力側の妄動に反撃する姿勢を見せる知識人がいることに救いを感じた。

東国原がアドバルーンをぶち上げた直後には、「次の総理大臣は誰が良いか」とのテレビ局の街頭インタビューで東国原が鳩山由紀夫と麻生太郎を大きく抑えたが、これもわずか数日で勢いがしぼんだ。古賀誠が東国原を訪れて衆院選出馬を要請したのが6月23日で、前記の街頭インタビューはその日に行われたものだが、その2日後にフジテレビが首都圏で行った調査では、「次の総理大臣」の人気調査で東国原は鳩山由紀夫(15.0%)はおろか、舛添要一(8.4%)や岡田克也(7.8%)より下の4位(7.6%)だった。5位はコイズミ(5.8%)で、麻生太郎はやっとこさ6番目だ(4.6%)。売名パフォーマンスで売った鳩山邦夫は3.0%しかなく、橋下徹に至ってはわずか0.8%だった。もちろん大阪でインタビューすれば橋下はもっと多いのだろうが、全国区での人気はまだ知れている。ただ、橋下の場合はひとたび口を開けば勢いで人を引っ張る能力を持っていることは、山口県光市母子殺害事件の弁護団の懲戒請求をテレビで煽った時の実績から明らかだから、強い警戒を要すると思う。橋下がアジった番組は、首都圏では放送されていないやしきたかじん司会の極右番組で、読売テレビ(大阪)が製作して首都圏以外の日本の大部分で放送されている。庶民の町と言われて人々の反骨精神が旺盛で、かつては自民党の支持率も低かった大阪から、こうした極右のうねりが生じていることは、まことに嘆かわしい限りだ。

その橋下にも、古賀誠から衆院選出馬の要請があったことが報じられている(産経新聞記事参照)。東国原と違ってここで大はしゃぎしなかったのが橋下のしたたかなところだ。東国原は、自民党の「カイカク勢力」に決起を呼びかけるなど、舞い上がった言動をとり、「なんで自民党にすり寄るんだ、みっともない」という印象を視聴者(笑)に与えたことがマイナス材料となった。「郵政総選挙」でコイズミを応援した伊藤洋一が東国原には最初から冷淡だったことは6月25日付エントリ「静岡県知事選・東京都議選で苦戦の自民党と、東国原の野望」で書いた通りだが、それだけに古舘のはしゃぎぶりには狼狽した。だが、情勢は東国原や古舘が望むような方向には必ずしも進んでいないようだ。日曜日の「サンデープロジェクト」は、私は見ていないが、聞くところによると、出演者はみな東国原らの妄動には冷淡だったそうだ。

そして、昨日の日曜日に投開票が行われた横須賀市長選では、コイズミや公明党、それに自民・民主の一部や連合などが応援した現職の蒲谷亮一市長が無所属の前市議・吉田雄人氏に敗北した。既に元首相・安倍晋三の地元下関市でも安倍系列の候補者が完敗しているが、その波は「カイカク」の本丸・コイズミの地元にも及んだということだろう。そんなコイズミ系列の蒲谷市長を、連合や(一部とはいえ)民主党も応援していたことは、70年代末からずっと続く地方自治体での共産党を除く「オール与党」体質が今も続いていることを示すが、民主・社民両党や連合などは、こんな時代錯誤から一刻も早く脱却してもらいたい。いくら「自公民相乗り」だろうが、「現職」というだけで住民の反感を買って敗れるのが最近の地方選挙の特徴だ。下関で安倍系列、横須賀でコイズミ系列が敗れたのは、「現職」が忌避されたためだろう。もっとも下関の場合は現職の江島潔が出馬せず、後継候補が敗れたのだが、江島が出馬しなかったのは、立候補しても勝てないと判断したからだと言われている。

東国原人気がいまいち盛り上がらないのも、東国原が「自民党のカイカク派」なんかに決起を呼びかけたりしたからだろう。なんだ、東国原は自民党とつるんでいるのかという印象を視聴者に与えると、それだけで人気はしぼんでしまう。橋下徹はそんなことは百も承知しているから、自民党からアプローチを受けていながら、民主党に色目を使うなどの手練手管を使う。それにまんまと引っかかる鳩山由紀夫や菅直人も情けないが、日曜日のフジテレビの番組では、民主党の岡田克也幹事長が「東国原がやっていることは、郵政総選挙におけるコイズミの『刺客作戦』と同じだ」と批判したそうだ。鳩山由紀夫が「反自民」で岡田克也が「親自民」だなんて言ってたのは誰だ、と嫌味の一つも言いたくなる。

電波芸者たちの話題の的は、麻生首相がいつ解散するか、そのことばかりだが、私はもういい加減にこの話題には食傷しており、そんなことはどうでも良いと思えてきた。ブログへのアクセス解析を見ていても、土曜日には「棚橋泰文」を検索語にしたブログへの来訪が少しあったが、この売名屋が「麻生降ろし」の声をあげていたであろうことは、アクセス解析を見て見当がついたし、実際その通りだった。

政策そっちのけで、対民主党及び自民党内の謀略合戦ばかりが繰り広げられている現在の醜態こそ、「郵政総選挙」で有権者が自民党に圧倒的な多数を与えたことの結果だ。ありもしない「カイカクの断行」なんかに期待してコイズミに騙されたから、こんなことになった。麻生首相がいつ解散しようが遠くない先に必ず行われる総選挙では、今度こそ騙されないようにしたいものである。

[追記]
読売新聞で読んだのですが、フジテレビで東国原を批判した岡田克也も、他の番組では橋下に容認的な発言をしていたそうです。これでは鳩山由紀夫や菅直人ともどもダメですね。


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やはり東国原と橋下はつるんでいた。言いだしっぺは、元巨人の桑田真澄に似たいやらしい風貌の横浜市長・中田宏だったらしい。以下、日経新聞の記事を引用する。

橋下大阪知事、中田横浜市長らが政治グループ立ち上げ

 大阪府の橋下徹知事は24日夜に東京都内で横浜市の中田宏市長らと会談し、地方分権の推進を目指す自治体首長らで政治グループを結成することを正式に決めた。次期衆院選の各政党のマニフェスト(政権公約)を精査し、グループとして支持政党を表明したい考えだ。

 関係者によると、会談には中田市長のほか、松山市の中村時広市長と神奈川県開成町の露木順一町長が参加。「20人程度の首長が賛同している」(知事側近)としており、今後、ほかの首長にも参加を呼び掛ける。

 一方、横浜市の中田宏市長は25日、橋下徹大阪府知事らと共同で地方分権の推進などを目指す自治体首長の政治グループについて「各党の公約やマニフェスト、実行力を検討したり、(自分たちで)出したりする」と説明した。ただ次期衆院選に向けた支持政党の表明は「誤解を生む」として否定的な考えを示した。

(NIKKEI NET, 2009年6月25日 11:04)


テレビ報道は、「地方分権」グループ結成などと橋下らを持ち上げていた。特に、4年前の郵政総選挙を前にしたテレビ討論で、郵政民営化に反対する共産党議員の発言を大声でさえぎり、郵政民営化に賛成する立場から自分の意見を述べる「異様な司会ぶり」を見せた古舘伊知郎(2005年9月3日付「しんぶん赤旗」参照)は、手放しで橋下らを賛美していた。それだけでテレビを見るのが苦痛になった。

東国原は自民党にアプローチしているが、橋下は民主党に色目を使って揺さぶりをかけている。「報道ステーション」が言うには、「首相周辺」は、東国原は買っているが橋下を警戒しており、「橋下や中田宏が支持政党を表明するらしいが、そんなことを許しても良いのか」と言っていたとのことだ。やはり橋下徹は東国原英夫とは違ってしたたかである。

橋下らの言う「地方分権」の主張はたいしたものではなく、自民党にも民主党にものめる程度のものだとテレビのコメンテーターは言う。そして、大阪で橋下が行っていることは福祉の切り捨てであり、職員とサービスを削って府の資産を売却した結果達成した「黒字化」など、橋下自身が認めるとおり「ほめられた話ではない」。だが、この件で橋下には「ろくでもないことをやっている自覚がある」とブログで叩いたところ、橋下信者たちから猛烈なバッシングを受けた。橋下信者いわく、論理のすり替えだと言うのだが、「職員とサービスの削減」が「ろくでもないこと」でなくて何なのか、と言いたい。当ブログは、小沢一郎を批判した時にもバッシングを受けた経験があるが、橋下を批判するたびに受けるバッシングの強さは小沢を批判した時の比ではなく、橋下信者のパワーもさることながら、その数の多さには呆れるばかりだ。橋下でほめられるのは、世襲政治家ではないことくらいだと私は思う。

だが、世間一般の評価はそうではなく、橋下は大阪府民以外からも熱狂的な支持を受けている。だから、もし橋下が自民党支持をはっきり打ち出したら、「政権交代」など吹っ飛んでしまうだろう。昨日も書いた通り、橋下が自民党を支持する大義名分も思いつかないのだが、ニュースでは「グループ結成」などと言っているから、彼らは別に自民党でなくて新党でも構わないのだろう。そして、東国原は自民党のカイカク派に決起を呼びかけた。
http://mainichi.jp/select/today/news/20090625k0000e010057000c.html

東国原知事:「自民党改革派決起を」首長グループには期待

 次期衆院選に出馬の意欲を見せている宮崎県の東国原英夫知事は25日、県庁で記者団に対し「自民党の改革派にぜひ、決起していただきたい」と述べた。また、大阪府の橋下徹知事らが地方分権のために首長グループを結成する動きには「橋下知事とは意思疎通はできている。理念・信条は同じだ」と期待感を示した。

 知事によると、現在は自民党の返事を待っている状態だといい「これは地方の反乱。地方対国の戦いである。国民に関心を持ってもらいたい」と話した。

 県庁に寄せられる意見で出馬に反対が約8割と圧倒的なことには「実態を反映していないのではないか。組織票も考えられる」と述べた。

 知事は、自民党の古賀誠選対委員長が要請した立候補の条件に、▽自らを総裁選の候補とする▽全国知事会の要望を次期衆院選の党政権公約に盛り込むことを求めている。【石田宗久】

(毎日新聞 2009年6月25日 13時41分 更新:6月25日 15時8分)


思い出されるのが昨年旗揚げした「せんたく」(「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」)だ。北川正恭や東国原らが発起人になって発足したこの「せんたく」を、当ブログは昨年1月22日付エントリ「民主党の気の緩みと新自由主義勢力の猛反撃」で、下記のように批判した。

それにしても、ここにきての新自由主義勢力の巻き返しはすさまじい。北川正恭、東国原英夫らが発起人となって発足した「せんたく」(「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」)もその一環だと私は見ている。北川自身、90年代前半の「政治改革」の局面における新自由主義のプレーヤーだったし、徴兵制などの極右的発言を繰り返している東国原や、東京都知事選で石原慎太郎と相互応援した神奈川県知事の松沢成文が加わっていることから、この連合は新自由主義と新保守主義、それに東国原に象徴されるポピュリズムが合体した性格を持つと私は考えている。これは、地域・生活者起点どころか国民生活の破壊につながるものだ。こんな勢力の台頭を許してはならない。

(当ブログ2008年1月22日付 「民主党の気の緩みと新自由主義勢力の猛反撃」より)


今回の東国原らの動きは、まさにこの「新自由主義と新保守主義、それに東国原に象徴されるポピュリズムが合体した性格」を持つ運動である。それを、古舘伊知郎が手放しで賛美する。コイズミ劇場の悪夢が脳裏をよぎる。それなのに、鳩山由紀夫はのんきに「東国原の考えは民主党と同じ」などと言う。それどころか、読売新聞の報道によると、鳩山や菅直人は橋下らとの連携に意欲を示したという。かつて2001年に鳩山がコイズミに「共闘」を呼びかけ、カイカク競争をやったことが思い出される。せめて小沢一郎だったら鳩山のような間抜けなリアクションはしなかったのではあるまいか。

それにしても呆れるのは自民党の「カイカク派」に決起を呼びかける東国原の発言で、カイカク派というと中川秀直だの小池百合子だのの不愉快な顔しか思い浮かばないし(コイズミは引退するから除外)、場合によっては鵺(ぬえ)のような安倍晋三もその中に加わるかもしれない。だが、ほかならぬこいつらが新自由主義政策を進めて地方の経済と生活を破壊したから、地方は疲弊して、自民党の党勢も衰退したのである。「地域主権」を旗印にする人間が、なぜそんな奴等に決起を呼びかけるのだろうか? 東国原の言う「地域主権」など単なる方便に過ぎず、その真の狙いは新自由主義の逆襲だとしか私には思えない。

これまで解散について聞かれても何も語らなかった麻生太郎首相が、昨日突然、解散について「そう遠くない日だと思う」と言い出したが、これはカイカク派の逆襲を封じる狙いがあるものと思われる。麻生は、民主党を利するような解散はやるつもりはなかったが、「カイカク派」に寝首をかかれる危機が迫れば話は別だ。一刻も早く「バカヤロー」と叫んで衆議院を解散してもらいたい。さもなくば、麻生よりずっと悪質な国民の敵である「カイカク派」にしてやられてしまうだろう。

[追記]
観潮楼さんのコメントにある、「争点から『脱改革・反貧困』を露骨に外すのが狙い」という指摘が、今回の東国原・橋下騒動の本質を突いていると思います。


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東国原騒動を取り上げた昨日のエントリは、ユニークアクセス数で鳩山由紀夫が民主党代表に選ばれた直後(5月18日)以来、トータルアクセス数では小沢一郎が民主党代表を辞任した翌日(5月12日)以来のアクセス数を記録した。ワイドショーも大騒ぎした東国原騒動に興味をひかれた方が多かったようだ。

なんでも、騒動勃発の翌日にテレビ局が街頭で「総理大臣にふさわしいのは誰か」と聞いたところ、東国原は、2位の鳩山由紀夫や3位の麻生太郎を大きく引き離して1位だったそうだ。なぜ東国原を支持するかというと、「何かやってくれそうだから」と、選挙民が有名人を選ぶ時の典型的な回答が返ってきた。鳩山由紀夫や麻生太郎は何もやってくれそうにないらしい(笑)。

だが、そんな鳩山由紀夫や民主党でも、麻生太郎や自民党と比較すると「何かやってくれそうだ」と思われているようだ。今週号(7月5日号)の「サンデー毎日」は、電話調査の結果、民主党の分裂選挙になった静岡県知事選で、民主党推薦の川勝平太氏が、自民党推薦の坂本由紀子氏をわずかに抑えてリードしていると伝えている。この選挙では、民主党の元参院議員・海野徹氏と共産党推薦の平野定義氏も立候補しているが、川勝・坂本両氏に遠く及ばない情勢だ。

さらに同誌は、東京都議選でも与党の過半数割れを予想している。当ブログは、2か月前に同誌に載った予想を、間の悪いことに月曜日(22日)付エントリ「東京都議選と大型補正予算と麻生太郎と」で紹介したが、2か月前には民主党が議席を伸ばすものの自民党が第一党確保という予想だったのに、最新号では自民党39議席(5月3日号では45議席)、民主党48議席(同42議席)、公明党23議席(同23議席)、共産党12議席(同12議席)、生活者ネット2議席(同3議席)、諸派・無所属3議席(同2議席)となっており、微妙な情勢ながら自公が過半数割れするとの予想に変わった。麻生太郎首相が必死に都議選の応援に駆け回る気持ちもわかろうというものだが、応援先でも得意の言い間違いをするありさまで、逆効果かもしれない。なんでも、「惜敗を期して」と言ったそうだが、まさにその「惜敗」の予想が出ているというわけだ。

8月2日か9日の衆院選投票にするためには、天皇の外遊日程を考慮すると、7月2日までに衆議院を解散しなければならないそうで、優柔不断の麻生が静岡県知事選や東京都議選を前に決断を下せるとはとても思えない。だが、ここで決断しないと麻生は実質的に解散権を失う。東国原英夫は、自民党が窮地に陥っているのを見て、売名の絶好のチャンスだと思って攻勢に出ているが、果たしてどうなるか。4年前の「郵政総選挙」の時にコイズミを応援していた伊藤洋一は、「東国原さんはなぜ自民党にすり寄るのか。東国原さんも自民党もみっともない」とコメントしていた。テレビに応援されない東国原で「コイズミ劇場」の再来を起こすのは難しいだろう。ただ、警戒すべきは橋下徹であって、橋下が自民党を応援すれば情勢は一変する。とはいえ橋下が自民党を応援する大義名分が思い浮かばない。自民党が東国原の言う、「全国知事会がまとめた地方分権のマニフェストを一言一句、自民党のマニフェストに盛り込む」という条件を呑んで、自民党がカイカク者づらするのだろうか?

東国原にしても、自民党総裁選には国会議員でなければ立候補できないから、自らの野心のためには、まず衆院選に立候補しなければならない。しかし、衆院選で与党が過半数を確保すれば、これほど「政権交代」が必至といわれている状態で踏みとどまることになるから、普通に考えれば総裁選は麻生太郎の再選となる。そうなれば地方分権のマニフェストなど反故にされ、東国原は使い捨てだ。そう考えたら、知事会が自民党支持を打ち出すとは思えないのだが。

一方、民主党の対応も感心しない。東国原を牽制する記者会見を行った鳩山由紀夫代表は、東国原の考えは民主党に近いが、知事の職を全うすべきだと考えるから民主党から東国原に働きかけはしないと言っていた。東国原の考えというのは地方分権を指すのだろうが、東国原の思想はそれだけではない。東国原は、「徴兵制があってしかるべきだ」とか、「徴農制が必要だ」(同様の発言は稲田朋美も行った)などと発言した極右(極左とも紙一重かもしれない)である。そんな東国原と民主党の「考えが近い」などと言うのは、いくら鳩山が民主党の中でももっとも「右」に位置する政治家の一人だとはいっても、ちょっと軽率に過ぎる。世襲議員でもある鳩山に長く代表を務めさせるのは考えものであり、民主党は来年(2010年)の代表選を国会議員だけではなく党員、サポーターを入れた投票で行い、世襲政治を一掃してほしいものだと思う。しかし、実際にそうなるとはあまり思えない。権力者は、そうそう簡単に引き下がってはくれない。

テレビ朝日の「やじうまプラス」では、東国原騒動に延々と時間を割き、与謝野馨と渡辺喜美の迂回献金問題も少ししか取り上げなかった。まさに西松事件における小沢一郎と同じ手口で献金を受けていた与謝野や渡辺を易々と逃げ切らせてはならないだろう。番組では、東京・池袋で59歳の会社員が「介護に疲れた」と、73歳の妻を絞殺した事件を取り上げていて、江川紹子が「こういう事件が起きても、ベタ記事だったり載せない新聞社もある。10年前だったらもっと大きく取り上げられていたのに、こういう事件が増えて、それが当たり前になってしまったから新聞の扱いも小さくなった」と言っていた。画面には毎日新聞に掲載された記事が映し出されていたが、社会面の漫画のすぐ下に載った2段か3段の記事で、確かに扱いは大きくなかった。しかし、この番組自体に占めるこの事件の扱いも、新聞同様ごく小さなものだった。

東国原が延命させようとしている自民党、なかんずく「コイズミカイカク」が何をしてきたか。きたる総選挙は、その審判を下す選挙にしなければならない。自民党は東国原を利用して争点隠しを図り、東国原は自民党の窮状につけ込んで野心を達成しようと動く。東国原や自民党に騙されるようではどうしようもないと思うが、またまた国民は騙されてしまうのだろうか。


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当ブログでは、月々のアクセスデータを集めて解析し、ブログ運営に役立てている。以前はデータの一部を公開していたが、記事にするのが面倒なのと、読者のニーズがない(アクセス解析のエントリはアクセス数が極端に下がる)ことから、現在は取りやめている。

アクセス解析をしていて最近気づいたことは、ブログに「民主党」を含む検索語で来訪される方が、「自民党」を含む検索語で来訪される方の数を逆転したことだ。西松事件で小沢一郎の秘書が逮捕された3月はまだ「自民党」の方が多かったが、4月に逆転し、それが今も続いている。

0905_検索語_民主党vs自民党


先月は、民主党小沢一郎代表の辞任表明、代表選、鳩山由紀夫新代表の選出と、民主党に関するニュースが多く、当ブログでも批判を含めて民主党を取り上げる機会が多かった影響もあるだろう。しかし、それが一段落した今月になってもペースは全然落ちていない。しばしば民主党を批判する当ブログでさえそうなのだから、熱烈に民主党を応援するブログはもっとすごいだろう。

今月10日に発売された「文藝春秋」7月号には、鳩山由紀夫の「わが政権構想 猛獣小沢をこう使う」という手記(「構成・角谷浩一(政治ジャーナリスト)とある)や、長妻昭、馬淵澄夫、細野豪志、福山哲郎4議員による「民主「四天王」直撃 鳩山政権で大丈夫?」という鼎談記事(司会・田崎史郎)が掲載されており、こういう記事も「政権交代」に心をとらえられ始めた人々の興味を引くのだろう。鳩山代表の手記には結構突っ込みどころがあるし、「四天王」(うち長妻昭と福山哲郎は小沢一郎に怒鳴り上げられた議員)の鼎談もそれなりに面白いので、機会があればブログで取り上げたいと思う。

民主党の攻勢の前にすっかり影が薄くなったのは自民党である。こうなってしまうと、自民党が橋下徹や東国原英夫らの人気にすがるのではないかとは、以前からずっと言われていたことだし、東国原は以前一度国政に転進しようとして宮崎県民の猛反発を招き、不承不承取り止めたことがあった。

昨日(23日)は「沖縄慰霊の日」で、自民党選対委員長で九州(福岡7区)選出の古賀誠は、例年沖縄全戦没者追悼式に出席してきたのだが、古賀はそれを取り止めて宮崎まで東国原英夫に会いに行き、衆院選への出馬を要請した。これに対し、東国原は「私を次の自民党総裁候補として、衆院選を戦うお覚悟があるのか」などと、逆に条件を突きつけ、結論は出なかった(下記URLの毎日新聞記事参照)。
http://mainichi.jp/select/today/news/20090624k0000m010023000c.html

東国原の盟友である大阪府知事の橋下徹は、東国原が「次期総裁候補なら」との条件を付けたことについて「本当に言ったんですか? しゃれとしか思えない」と笑い飛ばした(下記URLの毎日新聞記事参照)。
http://mainichi.jp/select/today/news/20090624k0000m010081000c.html

このニュースは、昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」のトップで取り上げられたほか、今朝の「スポーツニッポン」、「スポーツ報知」の一面トップを飾った。しかし一般紙の扱いは冷淡で(当たり前だ)、たとえば毎日新聞の一面トップは与謝野馨と渡辺喜美が商品先物取引会社からダミー団体を通じて迂回献金を受けていたという記事だった(下記URL)。
http://mainichi.jp/select/today/news/20090624k0000m040158000c.html

日本経済にとっては「疫病神」としか思えない緊縮財政論者の与謝野馨や、パフォーマンス先行の新自由主義者・渡辺喜美らが小沢一郎と同じようなことをやっていたというスクープだが、与謝野も渡辺も(私はどちらも大嫌いだが)、総選挙後は民主党との連携も噂されている政治家だから、民主党支持者の中には複雑な心境の方もおられるだろう(笑)。

それにしても不愉快なのは、バカバカしい自民党の東国原への出馬要請に大騒ぎするかたわらで、テレビ報道が社会保障費2200億円削減を「来年度は」取り止めたことを猛批判したことだ。いや、テレビ報道だけではなく、朝日新聞も「骨太の方針―負担先送りが招いた混迷」と題した社説でこれを批判し、政府に歳出構造の大胆な見直しや消費税増税を迫っている。朝日は明記こそしていないものの、同紙の主張する「歳出構造の大胆な見直し」が社会保障費削減を含むものであることは容易に読み取れる。少しはマシなのが読売新聞で、朝日同様消費税増税を主張しているとはいえ、「社会保障費抑制撤回は当然だ」と書いている。毎日新聞はなぜかこの件を取り上げず、「西川社長続投 ますます納得いかない」と題した社説を掲載した。社内にカイカク派と懐疑派の双方がいると見られる毎日新聞は、社会保障費削減の件から逃げて他紙の論調をうかがおうとしているのではないかと私などは勘繰るが、毎日新聞以外の新聞こそ「日本郵政の社長人事問題から逃げている」と主張する向きもあるかもしれない(笑)。それにしても、朝日新聞はもはや「経済極右」と言っても良いくらいだろう。だが、「リベラル・市民系」とされるブログで、朝日のネオリベぶりを批判しているところはそんなに多くない。「敵(ネット右翼)の敵は味方」の論理で、朝日に甘くなってしまうのだろうか?

バカバカしい東国原騒ぎや、懸念していた通り歳出削減と消費税大増税を叫ぶ朝日新聞の社説などを見ていると、こうしてブログを書いてあがいても、無駄に終わってしまうのではないかと思えてならず、ちょっとブログを書くモチベーションが下がってしまう今日この頃である。


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