きまぐれな日々

 今日は更新を止めようかと思ったが、考えてみれば来週はもう黄金週間の真っ只中なので、今週更新しておかなければブログの存続も覚束ない(?)と思い、全く気の乗らない記事を書いて更新することにした。

 共同通信の世論調査で、内閣支持率が58.7%を記録した。「単純比較はできないが前回から6.3ポイント上昇」とのこと。調査方法の変更か何かがあったのだろうが、ここに来て一段と安倍政権支持率が高まった。
https://this.kiji.is/228775846727501300

 一昨年7月を底とする安倍内閣支持率のV字回復について、これまで、岩盤が堅くなったというイメージでとらえていたが、明らかに権力者夫妻の「お友達」に不正な利益供与がなされた森友学園事件を持ってしても内閣支持率が膨らみ続ける現実を目の当たりにすると、風船が膨れ上がるイメージでとらえるほかないのではないかと思うようになった。

 正直言って、ここまで安倍内閣支持がバブル的に膨れ上がる事態は想像しなかった。先月内田樹は『AERA』に

 劇的な成功を遂げた政治家たちは例外なくイエスマンを周りに集め、ついにはその中で最も臆面もなく阿諛(あゆ)追従するものを「具眼の士」とみなすようになる。そして、手厚い褒賞でその炯眼に報いようとする。そのプロセスは歯車仕掛けの悲劇のように進行する。私たちは今その終幕近くに立ち会っている。

と書いたが、内田樹の楽観的な予想はもののみごとに外れた。
https://dot.asahi.com/aera/2017030800065.html

 とはいえ、今のような政治のあり方が「持続可能」であるはずはないだろう。膨らみ過ぎた風船はいずれ弾ける。「崩壊の時代」はいつかは終わる。しかし、その時に日本という国がどうなるっているかは想像もつかない。

 日本の政治の現状については、昨夜このブログにいただいた鍵コメにて知った『読む国会』に手際良くまとめられている。それらのエントリ3件のダイジェストと前述の共同通信の世論調査が記された鍵コメは、『kojitakenの日記』に転載した。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20170424/1492986278

 同じブログに、今朝「『疑わしきは罰せず』は、権力者に対して用いる言葉ではない」と題したエントリが公開されたので、以下に抜粋する。
http://www.yomu-kokkai.com/entry/innocent-until-proven

(前略)司法と行政が結託すれば、もはや国民が対抗出来る手段はない。

 だからこそ、司法の場においては、例え政治家・公人に対してであろうと、推定無罪の原則は固く守られるべきである。それは司法の価値を守るために、必要な原則だ。

なぜ権力者は、疑惑に対して潔白を証明する責務があるのか

 上で述べたように、推定無罪の原則というのは、あくまで司法が過ちを犯す事を前提とし、あるいは、ときに為政者の意のままに操られるというリスクを勘案し、個人の権利や言論の自由を守るために存在するものである。

 今般の安倍総理をめぐる一連の問題は、全く別の話である。

 むしろ、為政者の疑惑というのはもみ消され、闇に葬られることが多い。絶対的な権力のもとで、権力者に不利な証拠など、出るはずがない。

 だからこそ、三権分立が存在しているのだ。行政府は予算の執行や法案の成立に関して立法府の承認を必要とし、憲法に適合しているかは司法府が判断するのだ。

 そして、立法府が行政府の権力を監視する手段として、独自に国政調査権が認められている。

(憲法第62条の引用を省略)

 証人喚問や、参考人招致は、この憲法62条が定めるところの国政調査権によって担保された権利である。

 「疑わしきは罰せず」というのは、あくまで司法の場においては推定無罪を原則にするというルールであり、証拠をもみ消せば政治的に責任を取る必要がない…という意味ではない。

我々は何をすべきか

 私がしつこく書き続けているが、これは外形的には政治的な口利きにしか見えない。

 ある国家の首相夫人が名誉校長になり、特殊な思想の学校に賛同した。そこから極めて異例なスキームで、土地価格の値引きがされた。更に財政状況が怪しい中で、府の認可が降りた。

 そして、その国の内閣は交渉記録などの証拠の提出や、夫人の証人喚問など、潔白を証明するためにクリティカルな行動を拒んでいる。

 これが通常のデュー・プロセスである、というなら、なぜこのようなことが起こったのかストーリーを説明する他に無い。

 そして、それを説明するためには、内閣が徹底した調査をするしか無いのだ。

 もし政府に「疑わしきは罰せず」という原則を適用するなら、あらゆる疑惑は闇から闇へ葬られるだろう。なぜなら、原則的に言えば、あらゆるデータや物的証拠は政府の内側にあるからである。

 つまり、政府の汚職疑惑は、内部調査によってしか明らかにならないのだ。

 我々は、司法の場における「疑わしきは罰せず」の原則と、行政府や立法府の場における「疑わしきは罰せず」を分別する必要がある。

 政府の説明が足りない時は、めげることなく「きちんと調査しろ」といい続けるしか無い。なぜなら、我々がいい続け、監視しない限り彼らがわざわざ内部の不正を調査するメリットなど存在しないからだ。

 「自浄作用」という言葉が忘れられて久しいが、そんなことを今の政府に期待するのは、高望みというものだろうか。

 権力者の沈黙に対して、声を上げることを諦めた時にやってくる世界は、私にとって今よりも不快なものであろう。だから、私はしつこく「証拠を出せ」「ちゃんと答弁で説明しろ」と言い続けることにする。

(『読む国会』 2017年4月24日付エントリ「『疑わしきは罰せず』は、権力者に対して用いる言葉ではない」より)


 正論そのものだ。

 しかし、現実には安倍政権支持者のみならず、政権批判派の中にも、これまで政権が意図的にでっち上げてきた(としか私には思えない)安倍昭恵の「家庭内野党」の幻影を振り払えないのか、きちんと安倍昭恵の証人喚問を要求できない老舗の「リベラル」ブログすら存在する。同ブログは、安倍昭恵の「参考人招致か証人喚問か(記者)会見」を求めてはいるが、籠池泰典が証人喚問された当日の2月23日に自民党と民進党が合意して行われた、翌24日の財務省前理財局長・迫田英典の参考人招致が疑惑解明に何らの貢献をもたらさなかったことを思えば、同ブログの腰の引けた姿勢は安倍政権の逃げ切りを助けるだけのものでしかない。

 市井のブロガーでさえこのていたらくだから、野党の惨状もそれに見合ったレベルだ。民進党は7月2日投開票の東京都議選を機に、本当に崩壊するとしか思えない。同党は都議選候補にするつもりだった現職あるいは前職・元職を「都民ファーストの会」に引き抜かれて離党しても、もはや対抗馬を立てる力もなければ、離党を認めず除名処分にすることさえできない。国会議員の長島昭久は除名処分になったようだが、これは党の大物だったからだ。そんな民進党をあてにしてきた「野党共闘」も風前の灯火といえる。

 昨日のTBSテレビ『サンデーモーニング』は、90年代の「政治改革」の局面で小選挙区制を推進した田中秀征や岸井成格らによる、さながら「懺悔大会」の様相を呈していた。これを見ながら私は「今頃やっとかよ。四半世紀遅いぞ、気づくのが」と思った。山口二郎が岩波新書から小選挙区制の推奨が書かれた『政治改革』を出してから24年。鳩山一郎や田中角栄がやろうとして果たせなかった小選挙区制が社会党を巻き込んで実現してしまった過程に呆気にとられた私は、ブログを開設してからも一貫してずっと小選挙区制に反対し続けてきたが、「政権交代」待望全盛期の2009年前後には相手にされなかった。一昨年に再び小選挙区制反対論を書いたら、ふざけたコメンテーター(spiritと名乗る人間だ)にふざけたTweetを書かれたので激怒して昔から小選挙区制に反対していたぞ、と証拠を示す記事を書いたことがあるので、下記にリンクを張っておく。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20151129/1448763347

 民進党が崩壊したらいやでも新しい政党が立ち上がらざるを得なくなるだろうと思うが、その政党には小選挙区制廃止と比例代表制を中心とした選挙制度の樹立を公約として掲げてもらいたいものだ。私の意見では中選挙区制の復活ではダメで、あくまで比例代表選中心の選挙制度であるべきだ。数年前に消滅したみんなの党の提案が、定数の大幅削減以外は良い案だったと記憶する。

 しかしそれ以前に、日本という国がまともに存続し得るだろうかという不安が先に立つ今日この頃なのである。
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 アメリカと北朝鮮との間に緊張感が高まり、森友学園事件がニュースの中心から去った現在、妙な現象が起きている。そもそも米朝の緊張関係が本物かどうかについて議論が分かれているのだ。

 「リベラル・左派」の間では、金正恩は自らの政権を守りたいだけだ、脅威を言い立てる安倍政権の思惑に乗ってはならないとする議論が人気のようだ。しかしこの議論は、北朝鮮の脅威についてはその通りだと私も思うけれども、北朝鮮の非ではなく脅威についての考察が完全に抜け落ちている。

 それは「トランプの脅威」だ。

 トランプ政権が何をやるかわからないことは、先のシリア攻撃で証明された。だが、これに関しても奇妙なことがある。

 昔からアメリカ国民には、大統領が他国を攻撃するとそれを熱狂的に支持する特徴がある。私が今までで一番呆れたのは、1998年にビル・クリントンがモニカ・ルインスキーとの不倫を暴露されて支持率を落とした時にアフガンとスーダンを空爆して支持率をV字回復させた時だ。

 それでは今はどうなっているのだろうかとネット検索をかけてみたがよくわからない。あるサイト(下記URL)によると、「トランプ大統領の支持率は3月中旬で43.8%まで落ち、就任直後よりは良いものの、就任期間中ではかなり低い数値となってい」たが、「ロイター通信が発表している情報をもとに支持率を分析してみたところ、現時点での政権支持率は46.6%となっています。これは3月中旬の支持率の落ち込みから考えると、大分挽回しているように見えます」とのことだ。
https://chanare.com/archives/1138

 上記サイトには「これは今のトランプ大統領の動き方に対して好感を持っているアメリカ国民が増えているということなのかもしれません」と書かれているが、私はそうは思わない。3月中旬の43.8%に対して4月中旬が46.6%なら横バイだろう。シリア攻撃と北朝鮮への強硬姿勢では支持率を目立って上向かせることはできていないように思う。

 一方、シリア攻撃でいち早くトランプ支持を表明した(政府筋は「決意を支持した」だけだと言い訳しているが、そんなものは日本国内でだけしか通用せず、朝日や毎日に腰の引けた記事を書かせるだけの効果しかない)安倍政権の支持率も、読売新聞の調査で4ポイント上げている(下記URL)。しかも問題はその中身だ。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170416-OYT1T50104.html

米の対北圧力「評価する」64%…読売調査
2017年04月16日 22時07分

 読売新聞社は14~16日、全国世論調査を実施した。

 核・弾道ミサイル開発を進める北朝鮮に、米国が軍事力を背景に圧力を強めていることを「評価する」は64%で、「評価しない」の27%を大きく上回った。北朝鮮のこうした動きに脅威を感じる人は、「大いに」60%と「多少は」33%と合わせて93%に達し、「大いに」は前回調査(3月18~19日)から6ポイント上昇した。

 安倍内閣の支持率は60%(前回56%)、不支持率は29%(同33%)。北朝鮮への脅威を「大いに感じる」とした人に限ると、支持率は64%に上った。

 外国からミサイル攻撃を受ける前に、相手の基地などを攻撃する「敵基地攻撃能力」を日本が保有することを検討すべきだと「思う」は58%、「思わない」は35%。米軍のシリア政府軍に対する攻撃で、安倍首相が化学兵器の拡散と使用を抑止する米国の決意を支持する考えを示したことを「評価する」は54%、「評価しない」は35%だった。

(読売新聞 2017年04月16日 22時07分)


 そもそもこの世論調査そのものに「トランプの脅威」という観点がないし、トランプに盲従する安倍政権を支持する日本国民が多く、「北朝鮮の脅威」については読売やNHK(岩田明子ら)の宣伝が行き届いてか、警戒する人たちが多数派のようだ。

 統計的に有意差が出ているわけではないが、印象論としては、「実際にシリアに軍事行動を起こしたトランプのアメリカより、トランプへの盲従をいち早く表明した日本国民の方が、より時刻の独裁者を強く支持している」ように思われる。

 しかし、実際には「リベラル・左派」の多くの人の意見の通り、北朝鮮は攻撃を仕掛けなければ自らアメリカや韓国や、ましてや日本に攻撃を仕掛けることは考えられない。真に警戒しなければならないのは、シリアでトランプがやったような軍事行動だ。

 核抑止論の最大の問題点として、おかしくなった独裁政権による核兵器使用を止められないことが昔から言われているが、自らの命が危ないと思った時の金正恩は、まさにそれに典型的に当てはまる。そして、世界各国の戦力から言って、北朝鮮が自ら核攻撃を仕掛けてくることがないことは明らかだから、より深刻な脅威はトランプ(政権)にある、としか考えられないのである。そんなことは誰が考えてもわかることだろうと私は思うのだが、現実はそうではない。安倍政権は日本にとって最大の脅威であるトランプに盲従し、多くの国民はトランプを信頼して北朝鮮に脅威を感じ、政権批判派の国民は北朝鮮の脅威などないと力説するもののトランプの脅威には鈍感だ。後者は、北朝鮮がアメリカに攻撃された時に北朝鮮が本物の脅威になることを見落としている。当然ながら、日本のなすべきことはトランプにブレーキをかけることであってトランプに盲従することではないはずなのだが、安倍独裁政権に飼い慣らされて常日頃から読売新聞やNHK岩田明子の宣伝を真に受けている日本人にはそれがわからない。これが現状ではないか。

 その「鈍感さ」の典型例を見たと思ったのが、昨日(4/16)のTBSテレビ『サンデーモーニング』に出演した毎日新聞の幹部級科学記者・元村有希子だ。同番組の常連で私が好まない寺島実郎が、日本は国連を中心とした問題解決を行うようアメリカに働きかけるべきだという普通の意見を発したあと、元村有希子は「国連はロシアや中国の拒否権発動によって無力化されている」と言った。これは番組の最後の方で寺島実郎から再反論を受けたが、さらに元村氏は「安倍総理は『外交上手』と言われているが、その手腕が問われる」と言ったが、安倍晋三を「外交上手」などと言っているのは、読売やNHKに加えて、あんたのところで「世界のアベ」とか「安倍首相は賢いから日本会議を距離を置こうとしている」などと宣伝した「異能記者」伊藤智永らだろうが、と画面を見ながら毒づいてしまった。今回に限らず元村有希子からはいつも、括弧付き「リベラル」または都会保守、という私がしばしば批判している市井の某ブロガー氏と似たような印象を受ける。そして、この手の「リベラル」(都会保守)こそが安倍政権最大の補完勢力になっているのではないかと思う。

 よく午後のコンビニで目にするのは夕刊フジの「斬首作戦」の見出しで、私はそのような日本が核攻撃を受けるリスクを煽る見出しをつける極右夕刊紙の編集者の神経が全く理解できないのだが、そういえばこの夕刊紙は、トランプが当選を決めた直後に、まだ大統領がオバマだったにもかかわらず安倍晋三がトランプに媚を売りに行った時に安倍がトランプの「攻略」に成功したかのような見出しをつけていた。しかしいま現実を見ると、したたかなのはどう見ても習近平をも動かす「ディールの政治」の独裁者・トランプの方であって、中国の独裁者・習近平でさえトランプの前では「格落ち」のように見える。まして安倍晋三は「外交上手」どころか、森友学園事件で見せた「瞬間湯沸かし器」的短気によって籠池泰典を証人喚問の場に自ら引きずり出したあげくに「首相夫人付」(安倍昭恵の「秘書」)のノンキャリア経産官僚の「FAX」が暴露されて傷口を広げた一件から明らかな危機管理能力の絶望的な低さを持つ無能な政治家でしかない。私の感覚では、日本は北朝鮮の次くらいに自国の安全保障リスクの高い国になってしまっているように思われる。もちろんトランプに手玉にとられる習近平にせよ、安倍晋三と比較するとはるかに格上だ。ましてやトランプやプーチンとでは安倍晋三とはまるで比較にならない。しかしそれにもかかわらずまだ政権側の「宣伝」が有効であり続けているために、安倍政権は当分続くとしか思われない。まさに絶望的な「裸の王様(夫妻)」を戴く帝国、それが今の日本だ。

 下記『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事(下記URL)は、これまで書いてきたようなことを考えている私がもっとも納得できるものだ。
http://hiroseto.exblog.jp/25697988/

 どうも最近晋三の顔色が悪い・・「日本最後の総理」になる可能性が強まり、ガクブルではないのか?

 朝鮮(金正恩帝)については、ハッキリ言えば、「皇室安泰」が一番です。要は戦中の日本が「国体護持」にこだわったのと同じこと。従って、アメリカ側から攻撃がなければ金正恩側から攻撃することは考えられない。その意味で「北朝鮮は脅威ではない」という言い方も、正しいという見方も出来る。

 特定秘密保護法やら安保法やらをごり押しするために、朝鮮をネタにしてきた面はある。

 しかし、トランプが前のめりに金正恩を攻撃すれば、自衛権の発動として金正恩が反撃するのは明らかである。そもそもが、朝鮮戦争自体が「終戦」していないのだから。

 トランプにとっては黄色人種の国がどうなろうが関係ない。
 他方、トランプ政権内で「アンチ・クリントン/ブッシュ」のチャンピオンであるバノンが失脚した結果、トランプと事実上大連立を組んだクリントン・軍産複合体一派も、別の考え方(欧米民主主義を至上とする考え方)から、日本会議と関係が深い安倍には批判的である。

 そして、韓国と日本が壊滅すればクリントン/ブッシュ系列の大手企業の復興需要も望める。

 「安倍ジャパン」は国民を巻き添えにしつつ、「トランプ・クリントン大連立政権」によって死刑台におくられようとしている。これが、実像ではないかと思う。

 それを知っているが、自分ではどうにも後戻りが出来ない。さすがに安倍晋三も、それを隠し通せるほど賢くはないので顔色が悪いのではないか?

 今まで、朝鮮をネタにして国民を脅してきた路線が、いつのまにやら国を滅ぼすことになったことにさすがに愕然としているのではないか?

 安倍は10年前、ブッシュからアフガン派兵(給油)継続を求められたが、参院選惨敗でそれが果たせず、政権を投げ出したという説がある。

 今度は、政権を投げ出すときにはもはや、手遅れ、ということになりかねない。

 一刻も早く、この男を引きずり下ろすことだ。

(『広島瀬戸内新聞ニュース』 2017年4月15日)


 一刻も早く安倍晋三を政権の座から引きずり下ろさなければならない。私もそう強く思うのだが、トランプが北朝鮮への強硬姿勢を示し、いち早く安倍晋三がトランプの支持を表明すると内閣支持率上昇でそれに応えてしまう日本国民が自らの手で安倍晋三を引きずり下ろせるとは日々思えなくなってきている。

 そんなわけで、ブログ開設まる11周年を迎えて12年目に入った最初の記事でも、できれば使いたくはない「崩壊の時代」という言葉を持ち出して記事を締めることになってしまったのだった。嗚呼!
 新年度に入り、トランプ政権のアメリカがシリアを攻撃して安倍晋三が直ちに「支持」を表明した。また北朝鮮をめぐる情勢も緊迫の度を増し、極右夕刊紙の『夕刊フジ』などはトランプのアメリカが金正恩の首を獲るとの見出しを頻繁に掲げて煽動している。日本国内では民進党の長島昭久の離党届提出が話題を呼んでいる。

 こうしたニュースの数々によって森友学園事件はすっかり影が薄くなった。籠池泰典の証人喚問で疑惑の中心が安倍昭恵に移ったことによって注目度が下がった稲田朋美に至っては、一時期の「辞任必至」ムードはどこへやら。結局安倍晋三・昭恵夫妻も稲田朋美も迫田英典も松井一郎もみんな逃げ切ってしまいそうな勢いだ。しかもその過程において安倍政権は「閣議決定」の連発によって、オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実、代替事実、などと訳される)の製造マシンと化し、リアル『1984』のオーウェル的恥知らず政権の正体を剥き出しにするようになった。そんな戦後最悪の政権を国民の約半分もの人間が支持している。

 まずアメリカのシリア攻撃について、これに批判的な論評をした朝日新聞と毎日新聞が同じ言葉を用いている。

http://www.asahi.com/articles/ASK475FWTK47UTFK00T.html

米のシリア攻撃、苦肉の支持 政府、化学兵器を前面に
小野甲太郎
2017年4月7日21時50分

 トランプ政権によるシリア攻撃に対して、日本政府は7日、「米国政府の決意を支持する」と表明した。日本独自の情報は限られ、国連安保理決議も採択されない中での米政権による「単独行動」。ただ、同盟国である日本は化学兵器の非人道性を前面に掲げ、米政権の軍事行動ではなく、その政治姿勢に支持を示す苦肉の策を講じた。

 攻撃判明から約2時間後の7日正午すぎ、岸田文雄外相は「事実関係の確認と調査に努めている」と記者団に繰り返した。外務省幹部は「日本政府としての対応を決めるのに、あと数時間はかかる。まず状況を確認しなければならない」と語った。

 同日午後3時すぎ、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合を開催。その場で政府の対処方針を確認した上で、終了後に安倍晋三首相が米政権の決意に対する支持と、ミサイル攻撃は「これ以上の事態の深刻化を防ぐための措置」だと位置づけて理解を表明した。

 今回、化学兵器の使用についてアサド政権が否定する中で、日本政府は「シリア軍が化学兵器を使ったという証拠を持っていない」(政権幹部)という状況だった。さらに、米政権による攻撃の正当性を担保する根拠も判然とせず、外務省幹部は「国際法的な根拠に乏しく、米政権への『支持』まで表明できない」と率直に語っていた。

 そこで日本政府が編み出したのが、英国が表明したような軍事行動そのものへの支持ではなく、米政権の姿勢に焦点を当てる手法だった。まず、化学兵器の使用についてはアサド政権を名指しせず、「化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米国政府の決意」を取り上げて支持。その上で、軍事行動をいったん「これ以上の事態の深刻化を防ぐための措置」だと位置づけ、それに理解を示すという表現にした。

 官邸幹部は「手放しの支持ではない」と認める。さらに、今回の攻撃により米ロ関係が緊張するのは必至で、ロシアのプーチン政権と北方領土交渉を進展させたい日本政府は、日ロ交渉に与える影響を懸念する。

 攻撃判明後に米政府を含む関係国から情報収集し、「決意支持」表明に至った日本。では、米国からの事前通告はあったのか――。菅義偉官房長官は7日の記者会見で問われ、「我が国と米国は常日頃から緊密に連携をとっている。コメントは控えたい」と明言を避けた。(小野甲太郎)

(朝日新聞デジタルより)


https://mainichi.jp/articles/20170408/k00/00m/010/177000c

米、シリア攻撃
日本政府 苦肉の「支持」「理解」
会員限定有料記事 毎日新聞2017年4月8日 00時32分(最終更新 4月8日 01時21分)

 米国のシリア攻撃に対し日本政府は「米政府の決意を支持」しつつ、国際法上の根拠がはっきりしない攻撃そのものへの評価は「理解」にとどめた。北朝鮮の核・ミサイル開発という身近な脅威を抱える立場で、同盟国・米国に最大限の協調姿勢を示す苦肉の表現。安倍政権はロシアとの関係も重視しており、アサド政権による化学兵器の使用を否定するロシアにも配慮したとみられる。

 過去の米国の軍事行動でも、日本は微妙な対応を迫られてきた。(後略)

(毎日新聞より)


 毎日新聞の記事は「会員限定有料記事」とあるので、無料部分のみ引用したが、朝日・毎日両紙とも「苦肉」との言葉を用いている。これはいうまでもなくニュースソースが同じことを意味する。

 私には、両紙ともアメリカのシリア攻撃を「批判」しながらも、「苦肉」の表現を用いた安倍政権に「理解」を示しているようにしか読めない。腰が引けている印象だ。ましてや、シリア攻撃を支持した読売や産経の記事がどんなものであるか、実は読んでいないのだがさぞかしひどいものに相違ない。

 いくら「苦肉の策」であろうが、アメリカがやらかす暴挙に真っ先に「支持」ないし「理解」を表明するアメリカの属国としてしかみなされないのは当然だろう。私自身は当然ながら今回のアメリカのシリア攻撃に理は全くないとの立場だ。

 その安倍政権が、一方ではアメリカが嫌うであろう教育勅語の学校教育での使用には大いに前向きだ。これには朝日・毎日はおろか日経・読売にまで批判され、支持している主要メディアは産経だけである。

 繰り返し指摘するが、「安倍政権は日本会議と手を切れ」と書いた立命館大教授・上久保誠人ら「グローバルインテリ」の提言は受け入れられなかった。毎日新聞の伊藤智永は、安倍首相は賢いから日本会議とは距離を置き始めているとの見通しを先月末の『サンデー毎日』に書いたが、先週号の同記者のコラムからはそのトーンが消えた。代わりに、安倍昭恵の右翼思想が安倍家に嫁に入って培われたこと、森友学園事件には安倍昭恵と籠池諄子という妻同士の強い結びつきが引き起こしたものであることを指摘している。

 伊藤記者はまた、毎日新聞のコラムに、安倍昭恵に「秘書」がいることや昭恵の「右翼趣味」をメディアは知っていながら、安倍晋三の妻ならこんなものかと慣れっこになっていたと書いている。つまり毎日(や朝日)を含む各メディアは、昭恵が首相公邸に陣取って「秘書」たちを従え、玉座に座ったまま面会者に「謁見」していることも、昭恵が極右であることもみな知っていながら、伊藤記者の表現を借りれば「昭恵氏の政治『権力』にまるで鈍感だった」、つまり昭恵による国政の私物化に問題意識さえ持たなかった。それどころか安倍昭恵の「家庭内野党」という虚像を作り上げるのに積極的に協力までしたのだから、毎日や朝日を含む「リベラル」系メディアの罪はあまりにも重い。

 おかげで「リベラル」はすっかり腑抜けになってしまって、安倍昭恵の証人喚問すらまともに要求できない「リベラル」が続出するありさまだ。このところ森友学園事件の追及の機運はやや下火になっているが、今回の事件を通じて、安倍昭恵が安倍政権の最大のアキレス腱であることがはっきりわかった。昭恵に関してこれまでメディアが報じなかった「黒い疑惑」やトンデモぶりが次々と明らかになっている。森友や加計などの極右教育者に対する数々の口利き疑惑に始まり、「水からの伝言」を盲信するトンデモや、あげくの果てには暴力団員との交際まで報じられた。まるでスポーツ選手か芸能人みたいだ(そういえば三宅洋平とも意気投合していた)。

 安倍晋三は昭恵について追及されるとすぐキレる。昭恵の実像を暴くことは、これまで「昭恵=家庭内野党」の虚像に騙されていた「リベラル」を初めとする人々の幻滅を誘うとともに、安倍晋三の失言を引き出す可能性がある。

 正直言って、私は安倍昭恵の追及を突破口にする以外、ここまで「安倍政権支持」で岩盤化した民意を変えさせることは難しいのではないかと思う。正攻法で挑んでも固い岩盤にはね返されてしまう。2015年の安保法案の攻防をめぐる「立憲主義」の威力は絶大だったが、最終兵器ともいうべき「立憲主義」(この保守思想は「両刃の剣」だと私は考えているが)をもってしても、毎日新聞の世論調査で安倍内閣支持率を32%に下げるのが精いっぱいだった。あの時、「リベラル」たち(私が思い浮かべるのは高橋源一郎だ)は「法案は成立したけれどSEALDsが出てきた。負けたけど勝ったようなものだ」と浮かれていた。あるいは安倍晋三が「戦後70年談話」に「4つのキーワード」を入れたことで、「これでネトウヨらの支持も安倍政権から離れて、政権が倒れる日も遠くない」と喜んでいた、自身を「中道」と思っているらしい「リベラル」のブロガーもいた。しかし、後者については、「安倍さんって極右だと思ってたけど、戦後70年談話に争点となっていた4つのキーワードを入れたりして結構普通じゃん」と思った人々の方が多く、自称「中道」氏(私は「都会保守」とみなしている)の思惑はみごとに外れた。SEALDsと共著を出した高橋源一郎の思惑もまたみごとに外れ、SEALDsの後進の団体が立ち上げられたが、彼らのデモに集まる人たちの数は激減した。

 最後に夏の都議選と長島昭久の民進党離党届提出に触れる。間違いなく「都民ファーストの会」(別ブログでは「都民ファ□ストの会」と表記しているが、こちらのブログでは正式名称で表記する)の大躍進が見込まれる都議選だが、民進党から大量の離党者が出て「都民ファースト」に参加するのが目立つ。長島昭久は自らの地元から離党者が出た責任をとって都連幹事長の役職を辞任したのだが、呆れたことに同じ日に長島自身も民進党の離党届を提出した。

 この件に関して、民進党にいては当選が覚束ないと危機感を抱く現職や元職の都議が一斉に「都民ファースト」に走ったというより、小池百合子への共感を蓮舫が表明して協力を申し出たことに対してすげない態度をとった小池百合子(やその手下である「極右中の極右」野田数)が、民進党の協力を拒絶していながら民進党の現職・元職の引き抜きを行うという外道もいいところの暴挙に出ていることを指摘しておかなければならない。民進党から「都民ファースト」に移籍した者の間から、「都民ファーストからのアプローチがあった」との複数の証言が出ているようなのである。

 しかし、「安倍昭恵=家庭内野党」という虚像に簡単に騙され、昨年末に「小池都知事と公明党と民進党の協力にちょっとワクワクして」いたような自称「中道」は、無邪気に長島の離党を喜ぶていたらくだ。小池百合子はまぎれもない極右であり、本当の中道であるならば危険視及び敵視をしなければならない政治家だと私は確信するのだが、「都民ファーストの会」の悪意を疑うこともなく、「小池新党合流に警戒も、民進党の中道路線&野党共闘に期待」などと書いていられるお花畑ぶりには呆れるほかない。

 いや、前記お花畑氏は極端な例だけれど、それ以外の「リベラル・左派」諸氏に対しても、「都民ファーストの会」への警戒心が弱すぎると思う。なんで長島昭久のような国会議員が「都民ファーストとの独自の連携」を追求すると報じられるのか、疑問に思わないのだろうか。誰が考えても、「都民ファーストの会」は単なる地域政党ではなく、かつて橋下徹がやったような国政進出を視野に入れている、というより都議選前に衆院選が行われる可能性が低いことを考えると、都議選での躍進を踏み台にして、次期衆院選に大量の候補者を立てるとしか私には想像できない。

 ここで、なぜ都議選前に衆院選が行われる可能性が低いと考えるかといえば、来年9月の自民党総裁選に3選されるつもりでいる安倍晋三は、今年9月までに衆院解散・総選挙を行うと、自らの総裁任期中にあともう一度解散総選挙を行わなければならなくなるからだ。だから安倍晋三が都議選前に解散総選挙を行う可能性は低い。「都民ファースト」の国政政党版からの立候補を考えているであろう長島昭久も、都議選前の衆議院解散はないと計算したから民進党離党に踏み切ったものと思われる。仮に都議選前に解散をやられてしまうと、長島は自民党に入るくらいしか生き残る手段がなくなってしまう。長島は東京の民進党では柿沢未途の次に得票力のある議員なので(それでも前回は選挙区で負け、海江田万里を落選に追い込んだw)民進党を離党できたが、そうではない議員はおいそれと離党できない。しかし、柿沢と長島の次に得票力があり、かつ極右である松原仁あたりは離党できる力はある。松原が離党するかどうか微妙だとは思うが。

 概して、「リベラル・左派」は小池百合子と「都民ファーストの会」を甘く見すぎだと思う。このままだと、近い将来日本の国政は自民党と「都民ファーストの会」の国政政党版という、世界でも他に類を見ない「極右二大政党制」が実現してしまう。そうなると「野党共闘」など吹っ飛んでしまうと危惧する今日この頃なのである。
 先週はやや忙しくて時間がとりづらかったのでお休みした。今週も土日に『kojitakenの日記』に何本も記事を書き、かつ珍しくもコメント欄にも駄文を書き続けたために、多忙のピークは過ぎたもののこのブログの記事を書く時間はほとんど取れずにきた。この記事は朝起きてからやけくそ気味に書いている。

 本当なら先週はアメリカでのトランプ・安倍会談について何か記事を書くべきところだったかもしれない。しかし、NHKが「強面のはずのトランプさんが、安倍総理には優しかった。よかったよかった」式の、実にくだらない報道をして、視聴者の多くを安堵させたらしい。しかも、TBSの『サンデーモーニング』までもが、尖閣を日米安保の対象にすることを確認した、こんなことは初めてだと喜ぶ岡本行夫のコメントを垂れ流すていたらくだった。そんなことはオバマ政権までと全く変わらない話であって、しかもアメリカは尖閣における日本の施政権は認めていても、領有権は認めておらず、トランプがその方針を変更したという事実もない、そのことはその前の週(2/5)の放送で寺島実郎が正確に指摘したばかりだったのに、その翌週に岡本行夫にデタラメをしゃべらせることによってTBSは掌を返した。先々週には「思いやり予算の駐留米軍経費負担が他国のお手本だなんて、そんなこと言われて喜んでちゃダメですよ」と歯切れの良かった岸井成格までもがトーンダウンしていたことには心底落胆させられた。やっぱり岸井は岸井だったな、と昔岸井を天敵視していた頃を思い出したくらいだ。

 こんな報道の状況で気になるのは、人事さえままならず、国際情勢にも悪影響を与える方言を繰り返しているトランプの意向をトランプに成り代わって欧州の首脳に説明する、などと意気込む安倍晋三(トランプに引き回されての暴走にしか私には見えない)のあり方は、日本にとってリスクが大きすぎないかということだ。NHKを筆頭とするメディアが安倍政権の翼賛に走ることは、安倍のトランプ盲従リスクを増幅することに他ならない。それを考えると憂鬱さは増す一方だ。

 ところで、昨日(19日)の『サンデーモーニング』は、テレビをつけてはいたもののまともに見てはいなかった。昨今話題の、「安倍晋三記念小学校」転じて「瑞穂の國記念小學院」に国有地が格安というか激安(事実上のロハともいわれる)で払い下げられた一件は、この番組に一瞬触れられたらしいが私は気づかなかった。少なくともまともには扱わなかった。極右の森友学園への利益供与に関するこの一件に関しては、大阪維新の会(国政政党としては日本維新の会)の松井一郎やらOB(?)の橋下徹やらパシリの足立康史やらの暗躍について、維新を脱北、もとい離脱した上西小百合がよく知っているらしいから、それを待つことにしようか。もちろん私は上西が言うような日本会議や安倍晋三の無罪説は信用しないが。

 もう一つ私が憂鬱でならないのは小池百合子人気だ。先週の『週刊現代』が小池百合子総理大臣待望論の特集を組んでいたことに先週末気づいたが、この週刊誌は今週も懲りずに「60人の政治部記者に聞いた『小池百合子はいつ総理になるのか』」という特集を組んでいるらしい。

 この週刊誌は講談社が堕して、もとい出しているが、他のポスト、文春、新潮がいずれも右翼誌であるのに対し(右翼度は長らく新潮>文春>ポストだったが、最近は新潮>ポスト>文春かもしれない)、現代は括弧付き「リベラル」層を主なターゲットにしていると言って良いだろう。それにふさわしく小池百合子を持ち上げるというわけだ。

 なぜ小池百合子が『広島瀬戸内新聞ニュース』のさとうしゅういちさんの言うところの「グローバル・インテリ」に受けるのか、不支持にとどまらず小池百合子が大嫌いな私にはさっぱりわからないのだが、2001〜06年の小泉純一郎人気と大いなる共通点がありそうだ。だが、小泉純一郎にせよ小池百合子にせよ、なぜか都市部の特に中産階級以上の人たちにウケる。

 安倍晋三は大嫌いだが小池百合子には期待するという読者の方がおられたら、なぜ安倍は不支持なのに小池を支持するのか、その理由を教えていただけないだろうか。

 こう書いても皆さん答えてくれないだろうなとは思うが。なぜならブログ主たる私は小池百合子が大嫌いだし、小池支持のコメントをいただいたら、おそらく私はそれをこのブログよりはアクセス数のずっと多い『kojitakenの日記』に転記して晒しものにする可能性が高い。

 しかし、原則として無記名にしないようにお願いしてきたブログのコメント欄だが、実際には無記名でも受け付けているので、是非教えていただけませんか。よろしくお願いします。
 突然「カジノ法案」の審議が衆院内閣委員会で始まったのは11月30日だった。わずか6時間の審議を経て委員会で強行採決されたのは12月2日だった。

 右翼新聞である読売や産経の反対をものともせず、また法案に慎重な姿勢を示していた公明党に「自主投票」を強いてまで、会期末の12月14日までの法案成立を目指す安倍晋三は、極悪な独裁者以外の何者でもない。

 本屋である極右雑誌の表紙を見て笑ってしまった。日本はトランプ、プーチン、習近平、金正恩、ドゥテルテといった独裁者たちに包囲されるというのだ。今後、さらに欧州各国が続こうとしているのだという。

 笑わすなよ。トランプより4年も早く、日本は極右の独裁者を総理大臣に選んでいるじゃないか。今では独裁政権にすっかり慣れ親しんでいて、国内に反対だらけの法案を超特急で強行採決して成立させ、それは施行直後のごく短期間を除けば日本の社会と経済に害毒しかもたらさないにもかからわず、安倍晋三がそんなことをやらかしても、内閣支持率は下がるどころかこの1年半近くずっと上がり続けている。先進各国に先駆けて独裁政治権力に馴致されてしまったのが、日本国民だ。

 カジノ法案に関しては、野党も醜態を晒している。民進党では11月24日に前原誠司、長島昭久、松野頼久ら「有志議員」が「IR議連」を発足させていた。下記は産経新聞記事

民進党有志議員がIR推進議連を発足 党執行部のカジノ法案反対の姿勢を覆す勢いはなく…

 民進党の有志議員は24日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案の早期成立を目指す議員連盟を発足させた。この日の初会合には執行部と距離を置く非主流派議員が顔をそろえた。ただ、参加議員は約40人にとどまっており、IR法案の審議入りに慎重な執行部の判断を覆す勢いはない。

 議連会長の長島昭久元防衛副大臣は初会合で「一日も早く審議入りすべきだ」と強調。今後は党内議論を活性化させ、今国会中の法案成立を目指す方針を確認した。顧問は代表選に出馬した前原誠司元外相が就任し、幹事長に旧維新グループの松野頼久元官房副長官が就いた。

 IR法案をめぐっては、蓮舫代表が24日の記者会見で「射幸心や依存症の問題もあり、世の中で百パーセントの支持をいただいている法案ではない」と述べ、審議入りは時期尚早との見方を示している。24日の議連初会合の出席議員は12人のみで、党幹部は「IR法案賛成は党内ではごく少数で、審議入り反対の党の方針は変わらない」と語った。

(産経ニュース 2016.11.24 23:27更新)


 前原・長島・松野らはいつものようにみごとなまでの安倍晋三へのアシスト役を演じた格好だ。

 また、論外としか言いようがないのが自由党代表の小沢一郎だ。

 『kojitakenの日記』にも書いたが、小沢は何年も前から超党派の国会議員で作る国際観光産業振興議員連盟(IR議連 通称:カジノ議連)の最高顧問にデーンと鎮座ましましている。もっとも、この程度のことはこの男が長い政治生活の間でやらかしてきた数々の悪事の中ではほんの些末事に過ぎず、衆院選への小選挙区制導入で現在の安倍晋三独裁を招き入れた元凶も、この小沢である。その悪質度においては、安倍や小泉純一郎にも決して引けを取らない。

 もちろん日本維新の会及び地方政党の大阪維新の会は、今回のカジノ法案強行の直接の主犯だ。日本の中でも特に極右化が極端なのが大阪だが、カジノ誘致に特に熱心なのが、松井一郎が府知事を務める大阪である。安倍晋三は今回のカジノ法案の強引な成立で維新に恩を売り、その見返りに改憲に協力してもらおうという下心がミエミエだ。そして、そんな維新を応援して自らの「反骨精神」を満足させているつもりでいるのが、大阪の多くの有権者である。読売(「キョジン軍」)と何も変わるところのない金権球団となり果てたあげくに今シーズン広島に惨敗したプロ野球の阪神タイガースは、そんな大阪(及び神戸を含む阪神間)の堕落の象徴かとも思える。

 ただ、今回のあまりにも強引なカジノ法案の強行は、安倍晋三に隙が見え始めたことも感じさせる。とはいえ、その隙を突けないくらい日本の政治をめぐる言説が破壊され尽くしているなら、今後も日本はひたすら後輩への道を突っ走り続けるのかも知れない。
 今年は括弧付きの「リベラル・左派」が7月の東京都知事選で小池百合子に肩入れしたかと思うと、11月のアメリカ大統領選では「小沢信者」及びその流れを汲む人たちを中心とする「リベラル」どもが「クリントンよりトランプがマシ」と合唱するなど、「『リベラル』の劣化もここまできたか」と心の底からうんざりさせられる年だった。

 それは何も支持者に限った話ではなく、財政再建原理主義者の岡田克也のあとを受けた民進党代表の蓮舫が、党幹事長に岡田以上の財政再建原理主義者にして、政治思想的にも中道に近かった岡田よりもずっと右寄りの野田佳彦を指名したことで、ただでさえ衰勢のこの党の前途をさらに暗くしたのだった。

 野党第一党のふがいなさが与党の弛みを引き起こすのは世の常である。このところの安倍政権のダメっぷりにも本当に呆れるばかりだ。トランプが当選してTPPの発効が絶望的になってもTPP批准案を強行採決し、さらに関連法案をすべて成立させようとしている。その一方でまだ大統領にもなっていないトランプに会いに行って、おそらくTPP参加への心変わりをおねだりしたと思われるが、トランプはあっさり大統領就任初日にTPPを脱退することをビデオメッセージで明らかにした。

 その一方で、気候変動抑制に関するパリ協定の批准が遅れて発効に間に合わない醜態も晒した。パリ協定も、地球温暖化陰謀論という、世界ではアメリカの共和党と日本の括弧付き「リベラル」とノビー(池田信夫)ら一部のトンデモ人士にしか信じられていない妄論(それは重厚長大産業に大量の塩を送るものでもある)を信奉するトランプの当選によって先行きが怪しくなったが、それはともかく、なぜパリ協定を先送りしてTPPにかまけたかというと、マスコミ情報で漏れ伝えられるところによると、自民党の政治家たちが安倍晋三の意向を忖度したものらしい。これには開いた口が塞がらなかった。

 さらに、しばらく前から12月にプーチンを呼んで下関だかで行われるという日露首脳会談の成果を引っ提げて、衆院を解散して総選挙を行い、その結果が自民党の対象になることは目に見えているから、自民党総裁の任期の限度が3期9年に延長されたことと合わせて、いよいよ改憲に本腰を入れようと安倍が企んでいるなどという話もあった。

 しかし、日露首脳会談で安倍の思い通りの成果が出るはずなど最初からなかった。数日前に、ロシア国防省が択捉島と国後島に新型の地対艦ミサイルシステムをそれぞれ配備したことを発表したが、これなどもロシアが領土問題で譲る気など一切ないことを示している。

 マスコミは、ロシアの強硬姿勢をトランプの大統領選当選と結びつけているが、アホかと思う。ロシアは、仮にクリントンが大統領選に勝ったとしても、領土問題で譲るつもりなどあろうはずもなかった。私は、まだ大統領選の結果が出る前の10月19日付の『kojitakenの日記』に下記のように書いた。

 周知のように、永田町では安倍晋三が来年の党大会を1月から3月に先送りしたことから「年初解散説」が流れている。これは特に公明党と創価学会が積極的に流している話らしいが、日露交渉で挙げた成果を引っ提げての「北方領土解散」になるなどの話が取り沙汰されている。だが、安倍政権は日朝交渉の打開をもくろみながら全く糸口さえつかめなかったことがあることからもわかるように、外交には全く期待できない政権であると私は考えているから、次の衆院解散が「北方領土解散」になることはあるまいと確信している。

 もっとも、「野党共闘」が先の新潟県知事選で、右翼にしてネオリベの保守系候補を担いでやっとこさ自公の原発推進派候補に勝てる程度の力しかない現状では、いかなる口実で安倍晋三が解散に踏み切ったところで、毎度おなじみの自公の圧勝にお悪、もとい終わるであるだろうことだけは確実だ。


 案の定、という展開になりつつある。

 安倍晋三のトランプに対するTPP参加へのおねだりをトランプが一蹴することや、ロシアが領土問題で譲るはずなど全くないことなどは、素人の私にだって確実に予想できる程度のあまりにも当たり前のことなのだが、マスメディアはあたかもそれらが安倍晋三の思惑通りになるかのような「忖度報道」をしている。「権力批判が絶え果てた『崩壊の時代』」(by 坂野潤治)がここまで進むとは、と嘆かずにはいられない。

 トランプが「現実路線」をとるなどというマスメディアの「希望的観測」もまた、安倍晋三の願望に添ったものといえるだろう。だがこれもまたトランプを「反グローバリズムの星」と期待する「小沢信者」と同様の愚かしい手前勝手な願望に過ぎない。

 この土日に、故・森嶋通夫(1923-2004)が1988年に書いた岩波新書『サッチャー時代のイギリス』を読んだ。28年前の本だから当然ながら歴史的限界はあるが、森嶋氏の本はいつも刺激的で面白い。氏の生前からもっと読んでおけば良かったと思った。

 この本には、小選挙区制によってイギリスの首相の権力はアメリカ大統領をも上回るほど強大であり、その権力をもって「歴史の車輪を逆回転させる女」サッチャーが独裁政治を行っていること、それを可能にした小選挙区制の反民主主義的な性質などが指摘されている。しかし、本の書かれた6年後には、小沢一郎の「剛腕」などによって衆議院に小選挙区制が導入され、それは2005年の小泉郵政選挙、2009年の政権交代選挙を経て、2012年にサッチャーにひけをとらない極右政治家・安倍晋三の独裁政権を生み出した。

 トランプは「反エスタブリッシュメント」として「小沢信者」らの期待を集めているが、サッチャーもまた「反エスタブリッシュメント」であった。サッチャーは富裕層の出身ではなく、田舎町の食糧雑貨商の家に生まれた。父は市長を経験した地元の名士だったとはいえ、イギリスのエスタブリッシュメントからはほど遠い。英保守党内の旧保守の政治家たちはサッチャーに「ウェット」のレッテルを貼られて干され、代わりに新保守の極右政治家が重用された。

 最初は「労働党政権ガー」で支持を浮揚させたサッチャーだが、徐々に人気が落ちると、1982年にフォークランド戦争を引き起こして政権の人気を浮揚させ、1983年の総選挙での圧勝につなげた。さらに1987年の選挙の前には、持ち前の新自由主義政策である緊縮財政とは真逆(まぎゃく)の、日本のメディアなら「バラマキ」と称するであろう大判振る舞いを行ったあとに議会を解散してやはり総選挙の圧勝につなげた。なお、当時のイギリスでは現在の日本と同じように総理大臣が勝手なタイミングで議会を解散することができた。2011年に議会期固定法が制定されてこの悪弊が改められた。この点は日本も早くイギリスに倣うべきだろう。

 以後は1988年に書かれた森嶋通夫の本には出てこないが、その後サッチャーは1989年に究極の悪税である人頭税を導入して総スカンを食い、1990年に退陣に追い込まれたが、11年の長きにわたってイギリスに害毒を垂れ流した。その間にイギリスはたいした経済成長もできず(経済成長率は労働党政権より低かった)、その一方でイギリス社会の格差は拡大したのだった。

 このサッチャー政権の歴史は、今後安倍晋三やトランプがいかなる道を歩むかを予想させるものでもある。トランプは、かつてブッシュ親子やビル・クリントンがやったように、内政が行き詰まると外国との戦争を引き起こしたり空爆をやったりするのではないか。また、自衛隊の海外派遣で戦死者が出て、それを機に安倍晋三が自衛隊の軍事活動をエスカレートさせたら、日本国民はそれを熱狂的に支持するのではないか。後者については、ブッシュ親子やサッチャーの戦争をアメリカ人やイギリス人が歓呼で応えたのに、日本国民は自衛隊員を死に追いやった安倍晋三を責めてその支持率を落とすとは、私にはどうしても思えない。

 これ以降はいつもの最後っ屁だが、「都議会自民のドン」と「戦っている」らしい小池百合子を応援して、このところテレビ(のワイドショー)の応援がやや不活発だとぼやく「リベラル」や、「トランプばかりを悪人呼ばわりするな、もっと安倍晋三を批判しろ」などとキーキー言っている現・元を問わない「小沢信者」たちには、「反既得権益・反エスタブリッシュメント」なら小池百合子やトランプはどこが橋下徹やサッチャーと違うのか、説明してもらいたいものだ。

 もっとも、彼らは2012年に小沢一郎が「私の考えは橋下市長と同じだ」と言った時に小沢一郎を批判することが全くできなかった。「リベラル」や「小沢信者」のみならず、紙面を挙げて総力で「日本未来の党」を応援した東京新聞も同罪だ。2012年の衆院選で日本未来の党が惨敗したことは本当に良かったと思うが、同時に最悪の安倍晋三独裁政権(第2次安倍晋三内閣)が発足してしまった。

 坂野潤治氏によると、この時に現在の日本の「崩壊の時代」の幕が開けたのだった。
 このところ、ずっと不愉快なニュースばかりが続いている。今回の記事は、当初先週の月曜日(24日)に公開する予定で書き始めたが、早々に文章に行き詰まってしまった。それを書き直したのがこの記事。

 最近、記事を書く(打つ)指の動きが鈍る大きな理由の一つが小池百合子であって、世の「リベラル」の多く、橋下徹にはなびかなかった者までもが小池百合子になびく風潮を見ていると、気持ちが鬱々としてくる。

 また蓮舫・野田佳彦の体制となった民進党の問題もある。安倍政権の経済政策は問題を多く抱え、成果も安倍晋三が政権再交代時に思い描いたようには上がっていないと思われるが、それでも国政選挙の度に有権者が自民党を選ぶ大きな理由の一つが、民進党の経済政策が安倍政権のそれと比べてさえもずっと劣るところにある。緊縮・財政再建志向の強い蓮舫と野田佳彦では、今後も民進党に多くを期待することはできない。

 また「野党共闘」の問題もある。現在は(小沢一郎が剛腕を発揮して成立させた)小選挙区制のおかげもあって、安倍晋三の自民党が異様なまでに選挙で勝ち続けているので、はっきり言って政策に大きな開きがある民進党と共産党を軸とした「野党共闘」には止むを得ない面もあるが、私が憂鬱さを感じるのは、野党共闘をしているのだからと言って、民進党への批判を「自民党を利するだけ」などと言って封じる風潮があることだ。

 安倍晋三の「一強」、すなわち独裁体制は強まる一方であって、総裁任期の延長も決まった。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H2A_W6A021C1000000/

自民、総裁任期「3期9年」を決定

 自民党は26日午後の党・政治制度改革実行本部の全体会議で、党総裁任期をいまの「連続2期6年」から「連続3期9年」に延長する案を決定した。党の意思決定機関の総務会で年内に了承する見込みで、2017年3月の党大会で党則を改正する。

 本部長の高村正彦副総裁が同会議で連続3期9年への変更を提案。「今まで任期を少しずつ延ばしてきた経緯もある。一般党員、国民から理解されやすいという意味で、連続3期までと変えるのが役員会の結論だ」と述べた。出席者によると、任期延長に関する反対論は出なかった。同本部の役員会では任期延長に関し「連続3期9年」と「制限の撤廃」の2案を検討してきた。

 いまの党則は連続3選を禁じている。12年9月に総裁に返り咲いた安倍晋三首相は15年9月に再選され、18年9月に2期目が満了する。党則改正を経て次期総裁選に勝利すれば、21年9月までの長期政権が視野に入る。憲法改正や外交課題に腰を据えて取り組みやすくなる。

(日本経済新聞 2016/10/26 13:49)


 安倍晋三の任期延長は、二階俊博と高村正彦が主導したようだが、なぜこの2人の政治家がそのような動きをするのかについては、党内外の情勢がそうさせているとしか言いようがない。自転車に乗っていて大怪我をして以来音沙汰のない谷垣禎一は、自民党が下野していた頃の自民党総裁だったが、あの悪名高い自民党の第2次憲法改正草案がまとめられたのは谷垣総裁時代だ。

 安倍晋三のような政治家が長期政権を保っているのは、日本国民の比較多数の求めているものと、私にはおぞましいものとしか思われない安倍政権の政策がそれなりに合致しているからだろう。日本全体で見ればそういうことがいえるが、少し狭く、東京や大阪に限定すると、東京では小池百合子、大阪では大阪維新の会(国政政党は日本維新の会)の支持が圧倒的だ。大雑把にいえば、日本全体では国家社会主義志向の強い安倍晋三が求められ、東京や大阪では思想的には小泉純一郎の流れを汲む新自由主義志向の強い小池百合子や大阪維新の会が求められているとみられる。

 言ってみれば、現在の日本は「不健全な膠着状態」に陥りつつあるといえる。一方、同じアジアでもフィリピンでは「アメリカとの訣別」をブチ上げる大統領・ドゥテルテが国民の圧倒的支持を得ているし、韓国では大統領・朴槿恵が民間人の崔順実(チェ・スンシル)氏に機密文書を渡した問題で、朴の辞任を求める大規模なデモが起きるなどしている。

 かつて「手かざし」で知られる怪しげな新興宗教とのかかわりが指摘された安倍晋三(鳩山由紀夫にも同様の疑惑があった)なども、叩けば埃の出る人間なのではないかという気もするが、それはともかく、これからあと5年も総理大臣を続けようという安倍晋三がそこまで権力の座に執念を燃やすのは、いうまでもなく「憲法改正」という究極の目標があるからだろう。

 だが、権力者の野望(権力の座のあるのに「『野』望」というのも変な言い方かもしれないが)と国民のニーズとのギャップが広がると、その摩擦は政治も社会も不安定にする。もちろん今は安倍晋三が強大な権力を持っているから、あと5年もかけて無理矢理「憲法改正」を実現させてしまう可能性は小さくないが、いったんそんな状態になってしまえば、そこから日本を立ち直らせるには気の遠くなるような労力と時間がかかるに違いない。もちろん私の目の黒いうちにその「再建」を見届けることなどできない。

 また、安倍晋三自身が今後あと5年以内にクラッシュする可能性も少なくなく、私はそちらになってほしいと思う。仮にクラッシュしたとして、その時に安倍晋三が受けるダメージは、2007年に総理大臣を投げ出した時よりも大きくなるだろうが、そうなったとしても自ら選んだ道なのだから何ら同情には値しない。

 安倍晋三が日本をクラッシュさせるくらいなら、安倍晋三自身が政治的にクラッシュした方がよほどマシであることはいうまでもない。ただ、そこに至る道筋が全く見えず五里霧中だから、昨今は記事を書く気力も萎えるのである。
 朝日新聞(8/8)の一面トップは現在行われているリオデジャネイロ五輪で水泳・男子400メートル個人メドレーで萩野公介が金メダルを獲ったニュースだった。

 4年に一度行われる五輪には、快哉を重ねる毎にというか私自身が歳をとるほどにというか、さっぱり興味がわかなくなってきている。特に、次回の東京五輪に対しては、東京というか日本でもう五輪なんかやってくれるなとずっと思ってきたから、その直前の大会である今回の五輪は見る気にもならない。

 このところ『kojitakenの日記』にはずっと都知事選に圧勝した小池百合子及び小池に異様に甘い日本の「リベラル」たちに悪態をつく記事ばかり書いてきた。

 今回は、それとは少し離れて、これまで気になっていながらまとまった書く機会がなくここまできた、稲田朋美の防衛大臣就任について書く。

 まさか安倍晋三が稲田朋美を防衛大臣にするとは思わなかった。仮に安倍晋三がどこかの国に自衛隊を派遣することになった時、ワシントンポストに「戦中日本の行いを軽視し、極右思想(far-right views)で知られる女性」と評された札付きの極右人士が防衛大臣でいて大丈夫なのか、と思う人は少なくないのではないか。

 女性の防衛大臣は第1次安倍改造内閣における小池百合子以来であって、その小池もまた極右だった。

 だが、小池の任期は長く続かなかった。第1次安倍改造内閣発足からさほど間を置かずして、安倍晋三が政権を投げ出したからだ。

 今回は独裁権力を恣にしている安倍晋三が政権を再び投げ出すことはまず考えられないが、稲田朋美が防衛大臣でいられる時期はそう長くはないかもしれない。それは安倍晋三がいつ衆議院を解散するかにかかっている。

 違憲の疑いが濃厚な「7条解散」だが、もうすっかり総理大臣の伝家の宝刀とみなす慣例が続いているから、現在の安倍晋三の最大の関心事は、いつこの「切り札」を切るかということに尽きるといえる。

 私は安倍晋三とは基本的に日本国民の生活には何の関心もなく、母方の祖父・岸信介がなしとげることのできなかった「憲法改正」を自らの手で行うことを唯一の目的とする政治家であるとみなしている。例の安倍政権の経済政策も、安倍にとっては改憲のための手段に過ぎない。

 だが、安倍は明文改憲を行う前に9条の解釈改憲をやってしまった。アメリカにせっつかれて自衛隊を海外に派遣するケースもそのうち出てくるかもしれない。

 とはいえ、アメリカも秋に大統領選挙を控えている。ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの戦いは、少し前までは勝負にならずクリントンの圧勝だろうと思われていたが、アメリカでも「クリントンが大統領になるくらいならトランプの方がマシだ」という、小池百合子に投票した日本の一部「リベラル」にも似たバーニー・サンダース支持者のような人間が少なからずいるせいもあって、クリントンとトランプのどちらが勝つかは全く予断を許さない情勢になっている。アメリカがいつ自衛隊を自らの戦争に巻き込もうとするかはわからないが、しばらくはその機会はないと安倍晋三はみているのではないか。

 つまり、安倍晋三はそう長く稲田朋美を防衛大臣にとどめておくつもりはないかもしれない。今回の防衛大臣抜擢は、安倍がお気に入りである稲田の経歴にハクをつけるための人事であるように思われる。

 いつもの安倍晋三の行動パターンからいえば、汚れ役には安倍自身の思想信条とは比較的距離のある人物にやらせることが多い。想像したくもないが、第4次安倍内閣が発足する時には、そういう人物を改めて防衛大臣に据えるのではないか。そして稲田朋美には、大臣としては比較的重んじられない防衛大臣よりも、もっとランクが上とされているポストを割り振るのではないかと私は邪推する。

 今年衆参同日選挙を見送ったのだから、しばらくは衆議院の解散はないというのが普通の味方だろうが、参院選の直後に行われた東京都知事選は、「野党共闘」に亀裂を入れる結果に終わった。野党統一候補の鳥越俊太郎の得票は、小池百合子の半分にも満たない大惨敗だった。

 「野党共闘」は今後どうなるかわからない。民進党次期代表就任確実と見られる蓮舫は、党内右派にも左派にもいい顔をしようとしているように見受けられ、その蓮舫が現実に代表になった時、「野党共闘」をどうするのかは不透明になっている。

 一部からは、民進党は何も共産党から票を流してもらわなくとも、おおさか維新の会から票を流してもらえば良いのだから、「野党共闘」を続ける理由など何もないという声もある。

 確かに民進党にとってはその通りかもしれないが、お維にとっては違う。お維は、主に大阪や兵庫において、一時は民主党(当時)に流れながら、民主党に飽き足らなくなったり民主党政権に失望した人たちの心をつかんで成長した政党だ。民主党を叩くことによって大阪の人たちの拍手喝采を受けるというのがお維の行動パターンになっている。

 そんなお維にとって、民進党に票を流す行為は、それまでのお維の行動に矛盾するものであり、そんなことをしたら支持者が怒り狂って票を大量に失ってしまう。民進党に票を流すことはお維にとって自殺行為に当たるから、そんなことは絶対にできないのだ。

 だから民進党はお維とは組めない。しかし民進党自身、単独では議席の獲得が難しくなっている、だから共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの3党と組んで「野党共闘」を続けるしか選択肢はない。特に民進党代表なんかになった日には、そういう政治の現実に制約されて、代表のとり得る選択肢はごく限られてしまう。

 もちろんこの状態には、民進右派はフラストレーションを溜め込んでいる。私は、「野党共闘」の解消よりも民進党の分裂の方が起きる確率が高いと考えている。これは、自らも野田佳彦という右派政治家の派閥に属していながら今後民進党をまとめていかなければならない立場の蓮舫にとっては不都合な事態だ。右派グループに出て行かれてしまっては、「民進党を分裂させた政治家」という負の実績が残るだけになってしまう。

 蓮舫が民進党内のあらゆるグループにいい顔をしようとするのは、上記の党内事情によるものであろう。仮に私が蓮舫の立場にいたとしても、同じ行動をとるのではないかと思われる。だからといって蓮舫が私の好まない政治家であることには変わりはないが、ここで言いたいのは、蓮舫の行動には合理性があるということだ。

 いずれにせよ、安倍晋三は蓮舫が代表になったあと、民進党が「野党共闘」をどうするかを見極めつつ、仮に「野党共闘」の継続の方向が固まった場合は、野党統一候補の選定などの準備が整い切らないうちに早めに解散カードを切るものと思われる。

 これが普通の政治家であれば、衆参同日選挙を見送ったなら年内解散はないと考えられるが、あいにく安倍晋三は全く普通ではない異常な政治家である。だから、いついかなる時に解散カードを切ってくるかは全くわからない。常に警戒を怠ってはならないだろう。
 連休の谷間の平日なのでブログを更新する。さすがにあまり気分は乗らないが。

 まず、先週の衆院北海道5区補選のまとめ。あの補選において「野党共闘」を推進した人たちが「補選は成功だった」と強弁するのはわかるが、安倍政権を何としてでも倒さなければならないと考えている一般人の無党派の人間として、彼らの強弁を認めるわけには絶対にいかない。

 なんとしても投票率が低すぎた。4月の衆院補選で私が思い出すのは、2008年に民主党の平岡秀夫が自民党の山本繁太郎を破った2008年の山口2区補選だ。「政権交代」前夜で多くの有権者が民主党に期待していた頃の補選だが、何もかもが今回の北海道5区とは正反対だった。

 2008年の山口2区補選は、公示日の頃には大接戦で一部には自民候補の方が有利ではないかとも言われた。それが選挙戦が進むにつれて野党候補の勢いがどんどん増していき、マスコミの情勢調査でも野党候補有利と報じられ、蓋を開けてみると投票率69.00%で野党候補が勝った。

 2016年の北海道5区補選は、公示日の頃には大接戦で一部には野党候補の方が有利ではないかとも言われた。しかし選挙戦が進んでも野党候補の勢いはいっこうに上がらず、マスコミの情勢調査でも接戦ながら地元紙は自民党候補の名前を先に出した(同じ地元紙=北海道新聞=が公示日の頃に野党候補の名前を先に出して報じていた)。案の定、蓋を開けてみると投票率57.63%で野党候補は負けた。

 候補者の「タマの良し悪し」はほぼ2回の選挙で同じくらいだ。2008年の平岡秀夫は民主党リベラル派だったが、今回の池田真紀も共産党支持者にも抵抗なく投票できる候補者だった。一方の自民党候補は2008年の山本繁太郎が、個人(2014年死去)を悪く書くのは気が引けるが建設官僚時代「ノーパンしゃぶしゃぶ」の常連客だったとされる評判の良くない人物だったが、今回の和田義明も商社のビジネスマンとしての経歴にご執心で、町村姓を名乗れとの支援者の要望(なんて前時代的な!と私は呆れたが)を拒否するなど、自民党得意の土着的選挙戦を行うにはいささかドライすぎるのではないかと思わせる候補だった。

 しかし今回は投票率が伸びなかった。「kojitakenの日記」で私がグラフを示した通り、投票率から期待される野党候補の得票数を池田候補の実際の得票はやや下回った。

 言えるのは2つのことだ。まず、「野党共闘」の無党派層へのアピール度はきわめて低かった。一部には、「野党共闘」の相乗効果によって旧民主と共産の票を合わせたよりも票が増えるのではないかとも言われたが、そんな結果にはならなかった。

 また、池田候補は北海道の民進党で役職を持つ候補者だったから民進党の票はほとんど逃がさなかったと思われるから、共産投票の一部が寝たと考えるのが自然だといえる。これが2点目だ。

 上記の通り、池田候補は野党候補の中でももっとも「野党共闘」が成功しやすい、民進党の中でもリベラル色の強いと思われる候補だった。それでも「相乗効果」が起きないのであれば、民進党右派や共産党の候補を立てての「野党共闘」ならもっと悪い結果になったであろうことは容易に想像できる。

 このブログの読者のうち多くの方は、自分のところの選挙区に長島昭久のような民進党右派の政治家がいて、「野党共闘」だからといって共産党や社民党、あるいは生活の党と(以下略)などといった他の野党が候補を下ろして、さあ長島昭久に投票しろ、といわれて唯々諾々とそれに従うだろうか。私なら投票所に行った上で長島昭久も自民党候補も忌避する意思表示として白票を投じる。なお私の場合は何も長島昭久に限らず、松野昭久や江田憲司や木内孝胤ら旧維新の党の候補の多く(全部とは言わない)であってもこれを忌避して彼らには投票しない。

 一方、共産党候補が「野党共闘」で立った場合は、私なら投票するが、民進党支持者の少なくない人たちは共産党候補を忌避するのではないか。そう思うのは、2009年の政権交代選挙において民主党の支援を受けた香川3区の社民党候補が惨敗した印象が強いからだ。

 今回の補選について、よく「民進党支持者に共産党アレルギーがないことが証明された」と言われる。「共産党アレルギー」なんか安倍政権や自民党のプロパガンダに過ぎないとは私も思う。私が実生活で出会った「共産党アレルギー」の持ち主は、1930年代以前、つまり1939年以前の生まれの人に限られている。その年代の人たちには、治安維持法が生きていた頃のお上による刷り込みが強く残っている。しかしそれ以降の生まれの、たとえば団塊の世代の人たちから共産党アレルギーの言葉を聞いたことは一度もない。たとえば私が社会人になったころ、1935年頃の生まれの所長が「危険思想」という言葉を発して、先輩社員の失笑を買ったことがあった。「共産党アレルギー」なんて、そんな世代以上の人たちに限られた話だろう。

 もっとも最近では、単に「主義者」と書いて共産主義者あるいは社会主義者を指す、戦前に治安維持法などで取り締まる側が発していた言葉を同じ意味で使う、戦前の人間気取りのネトウヨがいるようだ。嘆かわしいことに、かつて「AbEnd」(安倍晋三を終わらせるブログキャンペーン)に共鳴して参加してくれたブロガーの中に、東日本大震災のあとの脱原発運動の行き過ぎに対する反感をこじらせて今ではネトウヨ同然になってしまった人が「主義者」という言葉をTwitterで発していた。こんな実例もあるから、ネトウヨの影響を受けた若年者の「共産党アレルギー」もいずれ無視できなくなる恐れもあるが、今はまだそんな悪弊は広くは浸透していないと思う。

 しかし、「共産党アレルギー」まではなくとも、支持政党以外の政党の候補者の名前を書く心理的バリアは低くない。そんなことは当たり前だ。「野党共闘」がそれに打ち勝つには、無党派層へのアピールが欠かせないことはいうまでもない。従って、「野党共闘」が成果を出したと主張するなら、最低限候補者の得票が、各野党がバラバラに戦った時に想定される得票を上回らなければならない。それが絶対条件だ。こう考えると,今回の「野党共闘」は成功したとは言えない。これが結論だ。

 最後に安倍晋三とその政権について若干述べる。安倍政権の言論統制への強い嗜好は、どうやら自らの政権の質をどんどん落として行っているなと最近思う。なぜか思い出すのは「情けは人のためならず」という言葉だ。この場合は「情け」ではなく自政権に対する批判なのだが、自政権への批判を制限しないことは、何も野党やその支持者やマスメディアのためではなく、自らの政権を鍛えて強靱にするためにこそ必要なのだ。自らの政権に都合の悪いことがあってもマスコミを黙らせているから大丈夫だ、と思っているから、箍(たが)が緩むどころか箍が外れたとしか思われない答弁を閣僚が繰り返したりする。審議している法案を取り違えたいつぞやの石破茂の答弁など本当にひどかった。民主党政権時代に野党議員だった石破が政権閣僚に言った「恥を知れ!」という言葉を石破に送りたい。こんな政権が続いている現状こそ「崩壊の時代」のいうところの崩壊だ。つまり日本の政治が崩壊して行っている。

 さしあたり注目されるのは、今月安倍晋三の口から「消費税増税延期」の言葉が飛び出すかどうかだろう。時期は今月18日から20日にかけたあたり。その時期に安倍が消費税増税延期を言うのであれば、安倍が会期末の6月1日に衆議院を解散する可能性が高い。逆に、衆参同日選挙をやるつもりがないのなら、安倍は消費税増税延期発言を先送りするだろう。こう私が予想する根拠はただ一つ。モラルの低い権力者である安倍晋三の頭の中には、消費税増税延期を衆院選の争点にすることしかないと推測しているからである。
 昨日(24日)投開票が行われた衆院北海道5区補選について、前回の記事

事前のマスメディアの世論調査で大激戦とされていながら、蓋を開けてみると自公候補の圧勝に終わった年初の宜野湾市長選の悪夢が脳裏をよぎる。

と書いたが、その悪い予感は現実になった。

 衆院北海道5区補選は、自民党の和田義明候補が「野党共闘」の池田真紀候補を破って当選した。得票数は和田義明が135,842票、池田真紀が123,517票。12,325票の差がついた。池田候補よりちょうど1割多い票を和田候補が獲得したわけだ。これを「僅差」とみるわけにはいかない。予想外の大差がついたと言わねばならない。

 今回はあまりにもわかりやすい結果だったから、どこでも同じようなことが言われるに違いない。選挙前、よくTBSのニュースなどが、2014年の衆院選で故町村信孝が獲得した票と、民主・共産両党の候補が獲得した票の合計とはほぼ拮抗すると言っていた。2014年総選挙では投票率が58.43%で、町村が131,394票、民主・共産両党候補の得票の合計は126,498票だった。今回は投票率(57.63%)で14年総選挙をわずかに下回ったが、自民党候補の得票が4千票増え、「野党共闘」候補の得票は前回の民共票の合計より3千票減らした。だから前回の5千票差から1万2千票差に拡大した。

 さらに遡ると、2012年の衆院選では、投票率が60.18%、町村が128,435票、野党3党(民主、みんな、共産)の得票数合計が131,522票と、野党の得票数が町村を3千票上回っていた。また2010年10月の補選では投票率が53.48%、町村が125,636票、民共の得票数合計が109,718票だった。2009年の「政権交代総選挙」は投票率が76.32%と高く、町村も151,448票を獲得したものの、民主党の小林千代美が182,952票を獲得して圧勝した。この選挙では共産党は公認候補を立てなかった。

 上記直近5回の選挙からいえることは、まず無党派層の支持をつかまなければ自民党候補には勝てないということだ。昨日の東京は朝方天気が荒れたが、北海道5区では好天だったと聞く。しかし投票率は上がらなかった。「野党共闘」が無党派層の心をつかみ切れなかったことは明らかだ。

 さらに、より不気味なのは、「政権交代ブーム」に煽られて敵の町村信孝の得票も伸びた2009年及びそれ以前の選挙を除外して考えると、自民党候補の得票が徐々に増え続けていることだ。今回は、和田義明がどう見ても魅力に乏しい候補だった一方、池田真紀が共産党支持者にも投票しやすい印象の候補であったにもかかわらずこのような結果になった。先週の週刊文春だったかの保守系週刊誌が、民共共闘を「弱者連合」と評していたが、リベラル系メディアの多くは共産党は党勢を伸ばしていると書いていた。しかし私は、民進党も共産党もともに党勢は衰退傾向だとみていた。共産党は「国民連合政府」を言い出した昨年秋から急に党勢に翳りが見え始めた(それを象徴するのが2月の京都市長選における惨敗だった)。民進党に至っては泡沫政党・維新の党を吸収合併する以前と比較しても政党支持率を落としている。私は、「民進党」なる、かつての小沢一郎の「新進党」を思わせる政党名も災いしているのではないかと強く疑っている。つまり「野党共闘」の左右両翼(共産党と民進党)がともに有権者の心をつかめていない。

 今回の選挙以上に各党候補の得票数が少なかった1996年の衆院選の選挙結果を振り返ると興味深い。この時は町村が113,282票、新進党候補が61,846票、共産党候補が44,885票だった、進共候補の得票数合計は106,731票であり、町村の票に及ばなかった。そして新進党とはいわずとしれた小沢一郎肝煎りの野合政党だった。20年前に小沢が仕掛けた「政権交代可能な二大政党制」を有権者は支持しなかったが、現在の「野党共闘」にも同じことがいえるのではないかと思う。

 ところで、今朝(4/25)の朝日新聞1面トップの見出しは「同日選 首相見送り」(東京本社発行最終版)だった。産経は5日前に書いていたが、朝日が追随した。また北海道5区の補選を報じる毎日の記事(下記URL)にはこんなことが書いてあった。
http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160425/ddm/001/010/200000c

(前略)参院選前の大きなハードルだった補選を乗り切ったことで、消費増税をめぐる判断など、政権運営の選択肢は広がったとみられる。ただ、北海道5区補選の選挙戦は、政府・与党幹部らの想定以上の激戦となった。安倍政権の支持率は堅調だが、経済回復の足取りが鈍いことやアベノミクスの恩恵が地方に届いていないことへの批判が影響したとの指摘もある。政府・与党は参院選に向けた対応をあらためて検討する。

 自民党内には北海道5区補選に負けた場合、野党共闘が進む参院選の議席減も免れないとして、衆院を解散し「政権選択の選挙」となる衆参同日選を実施するよう求める声があった。だが、熊本地震で被災地自治体の負担が大きくなることに加え、北海道5区補選で勝利したことから、党内からは首相が同日選を決断する可能性は遠のいたとの見方が出ている。【高本耕太】

(毎日新聞 2016年4月25日 東京朝刊)


 「消費増税をめぐる判断など、政権運営の選択肢は広がった」とはどういうことだろうか。「永田町文学」の影響を受けた「竹橋文学」でもあるのか、意味をとりにくいが、「これで消費税率引き上げ延期を表明して、それを焦点にして衆参同日選挙を戦わなくても良くなった」と言うことなのだろうか。同じことを「築地文学」(朝日新聞)はこう表現する。

 一方、来年4月に予定する消費税率10%への引き上げについて、首相は衆参同日選とは切り離して判断する考えだ。

(25日付朝日新聞1面掲載記事「同日選 首相見送り」より。朝日新聞デジタルの無料公開範囲には含まれていない)


 こちらも毎日の記事と同様、安倍晋三は消費税増税延期を表明して衆参同日選挙の争点にしなくても良くなった、と書いているようにも読める。しかし朝日の記事はそれに続いて

政府・与党内では「熊本地震と世界経済の縮小を合わせれば、増税延期の理由になる」(自民党幹部)との声が出ており、増税は難しいとの見方が強まっている。

とも書かれている。さらに朝日2面の政局解説記事を読むと、

(前略)安倍首相は2014年末、消費増税の先送りを理由に衆院解散に踏み切った。今回も同じシナリオが予想されていたが、ある閣僚経験者は「増税して信を問わなくても、消費増税先送りを世論は受け入れる。解散しなくてもいいようになった」。これも、震災対応を理由として期待する。

などと書かれている。

 だがこれも変な記事だ。「消費増税先送り」を受け入れてこなかったのは、「世論」などではなく朝日や毎日など「リベラル」系の新聞ではなかったか。そして、安倍晋三は「増税して信を問わなくても、消費増税先送りを世論は受け入れる」からではなく、震災が起きたのに政局にかまけて衆院を解散するとは何事か、と批判を受けて、せっかく消費増税策送りを切り札にするつもりができなくなることを恐れている、というのが本当のところなのではないか。

 また逆に、5月に消費税増税延期を安倍晋三が表明するなら、安倍は1986年に中曽根康弘がやったような「死んだふり解散」をやるのではないかとの疑念がどうしても拭えないのである。

 今回の北海道5区の補選の結果を見ると、6月1日に衆院を解散して衆参同日選挙をやれば、自民党が圧勝して大手を振って改憲に踏み切れる、と安倍晋三が踏んだとしても驚くには当たらないのではないか。そう思わされる補選の結果だった。