きまぐれな日々

今週は毎日ブログを更新していたし(いつもの早朝ではなく、深夜の公開が多かったが)、ちょっとブログ疲れもあるので、アメリカによる北朝鮮のテロ支援国家指定解除に関するおすすめのブログ記事を2つ紹介する。いずれも内容が詳しいし、納得できる記事なので、わざわざ当ブログが内容のない記事を書くよりは、それらを紹介したほうが良いと思った。

まず、『日本がアブナイ!』の6月27日付記事「テロ指定解除は、日本が米国離れをして自立した国家になるビッグ・チャンスかも!」(下記URL)。
http://mewrun7.exblog.jp/8203860/

管理人のmewさんは、必ずしも護憲派ではないとのことだが、その外交・安全保障についての考え方は典型的な「ハト派」だ。最近は、反貧困でリベラルと民族主義系右派が提携しようとする動きが盛んだが、これは、格差が拡大し、生活に苦しむ人の心に、排外主義を声高に叫ぶ民族主義系右派の訴えが浸透しつつあることのあらわれではないかと私は懸念している。政治思想面では国家主義、経済政策面では新自由主義をとった安倍政権の時代には、反新自由主義でリベラル・左派と民族主義系右派が提携する意味合いもあったが、比較的ハト派的な外交・安全保障政策の方向性を持つ福田政権に変わった現在、リベラル・左派が国家主義的な外交・安全保障政策を唱える民族主義系右派と提携する意味合いは失われていると当ブログは考えている。そんなブログ管理人にとって、外交・安全保障政策に関する『日本がアブナイ!』の主張には、共鳴するところが多い。

今回の同ブログの記事から一部を引用する。

 何だかウヨ保守系の政治家や識者、国民の中には、福田首相に批判の矛先を向けようとするような雰囲気もあるのだけど。
 それは、チョット違うのではないかという感じがする。(・・)

 じゃあ、安倍氏が首相なら、このテロ指定の解除を止めることができたのだろうか?
 おそらく、その答えは「NO」だろう。
 
<そんなに言うなら、安倍氏や麻生氏など、それなりの地位にあった超保守派の議員は、すぐにでも米国に飛んで、ブッシュか政府高官に直接会って、解除するなと迫ってみればよかったのに。(+_+)>

 そもそも、私は、以前から、何故、安倍氏ら拉致議連の人たちの多くが、米国の北朝鮮に対するテロ支援国家の指定と、日本人の拉致問題をリンクさせることができると考えているのか、すご〜く不思議に思う&理解しかねる部分があった。(-"-)

(『日本がアブナイ!』 2008年6月27日付記事 「テロ指定解除は、日本が米国離れをして自立した国家になるビッグ・チャンスかも!」より)


まっとう至極な主張で、当ブログも、こんな当たり前のことがなぜ国民の共通認識にならないのか、経済紙である日経新聞が、なぜ産経新聞以上に過激にアメリカを批判するのか、朝日新聞までもが、なぜ社説から天声人語に至るまで保守派メディアと同様の方向性をとるのか、さっぱりわからない。

2つめのおすすめ記事は、『「猫の教室」 平和のために小さな声を集めよう』の6月28日付記事 「北朝鮮核申告は、評価すべき前進だと思うのだが。」 (下記URL)。
http://heiwawomamorou.seesaa.net/article/101689259.html

眠り猫さんの政治的スタンスは、私とかなり近いが、小沢一郎に懐疑的な私に対して、もう少し小沢氏に容認的だ。だが、ともすれば政治思想的にも経済政策的にも「右」に傾きがちな民主党の方向を、少しでも脱保守のリベラル側に持っていくよう国民が働きかけるべきだという認識で一致している。それは、国会における議席数からいっても止むを得ないことだ。日本が焦土になってから、いくら「私たちは正しい主張をしていたのに」と言っても何の意味もない。

こちらからは、記事から拉致問題に触れた部分を引用する。

 拉致問題については、私は以前から、日本は北朝鮮ときちんと対話の場を設け、アメリカの背後からものを言うのではなく、独自外交で北朝鮮と交渉し、できれば日朝の窓口を開き、日本人が現地入りして拉致問題の調査にあたれるように、国交正常化に向けて交渉すべきと考えている。
 ただひたすら制裁だとか、非難を続けていても、何も出てこないのは、これまでの北朝鮮の対応からわかりきっていることだ。また、日本独自の外交を行えないあたり、日本の外交力のなさを如実に示している。

 この背景には、北朝鮮を敵視し続けることによって、弾道ミサイル防衛構想など、軍拡を進める口実にしたい、軍需利権を漁る安倍らの政治業者の思惑が絡んでいるのであろう。旧ソ連時代の北方領土問題と同様、問題の存在を言いたて、相手国に罵声を浴びせるだけで、実際の具体的解決行動を全くとらず、その問題を口実に軍拡を続けてきたのが日本の自民党政府である。

 はっきり言えば、拉致被害者の家族の方々は、威勢の良いことを言う与党政治家にだまされているのであって、自民党には、拉致問題解決の意図は無いのである。与党に必要なのは、軍拡の理由として使える仮想敵国にすぎない。

(『「猫の教室」 平和のために小さな声を集めよう』 2008年6月28日付記事 「北朝鮮核申告は、評価すべき前進だと思うのだが。」より)


要は、安倍晋三の極右的・反動的政策のほうが間違っていたのだ。6年前、コイズミ内閣の官房副長官だった安倍は、対北朝鮮強硬論を唱えて「コクミンテキニンキ」を獲得した一方、官房長官として拉致被害者家族に応対した福田康夫は、「冷酷な応対ぶり」を非難されて人気を落とした。このいきさつからなのか、安倍晋三と福田康夫はソリが合わない。

当時、人気急上昇で図に乗った安倍は、菅直人や土井たか子を「間抜け」呼ばわりし、とてもむかついたのを覚えている。あの当時は、安倍を批判することがはばかられるような、とてもいやな空気があった。しかし、ここにきて『世界』7月号に掲載された衛藤征士郎や平沢勝栄、それに安倍と口喧嘩した山崎拓などの発言を知るにつれ、自民党の政治家の意見も変わってきていることを感じる。相変わらず、ヒステリックに対北強硬論を唱え続けているのは安倍や平沼赳夫など、ごく一部の極右政治家たちだけだ。

田原総一朗も、『世界』7月号に、「水面下の交渉は始まっている」という文章を寄稿している。

田原は、横田めぐみさんの遺骨とされる骨について、北朝鮮は本物、日本は偽物だと主張しているが、英国の科学雑誌『Nature』のインタビューで、鑑定した当事者が結果は確定的でないと答えたことを紹介している。

この件は、一昨年の7月に、『カナダde日本語』 の記事 「安倍は総裁選のためにめぐみさんや北朝鮮まで利用している」 で知った(下記URL)。
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-185.html

この記事を読んだ私は管理人の美爾依さんに頼んで、『Nature』の記事のpdfファイルを送ってもらった。2年前の懐かしい思い出だ。

田原総一朗は書く。

 あえて記す。宋日昊(筆者注:日朝国交正常化交渉担当大使)の説明には不自然だと感じられるところはない。どちらかといえば、北朝鮮側が "死亡した" と発表した八人を "生きている" と主張している日本側の方に無理があるのではないか。それに、日本側が調査を依頼していない人々の中には生存者がいる、と、これは交渉に当たった外務省の当事者から直接聞いた。

 私は、いつまでも頑迷にフィクションの部分にこだわって圧力一辺倒を続けるのではなく、現実的な交渉をすすめるべきだと思うが、最近得た情報では、どうやら日朝間の非公式の交渉ははじまっているようである。

(『世界』 2008年7月号掲載 田原総一朗「水面下の交渉は始まっている」より)


安倍晋三の欺瞞が誰の目にも明らかになる日は、もう遠くない。


[追記] (2008.6.29)

『世界』7月号発売後の6月11、12両日に北京で日朝外務省による非公式実務者協議が行われたが、田原総一朗は、6月29日放送のテレビ朝日「サンデープロジェクト」で、水面下では昨年末から交渉が行われていたと発言した。

同番組において田原と高村外相が対談したが、アメリカによる北朝鮮のテロ国家指定が解除される8月11日までに拉致問題の交渉が進展することは間違いなさそうだ。

なお、横田めぐみさんの遺骨とされる骨のDNA鑑定の件については、田原は番組では発言しなかった。


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2年前の今頃。新保守主義と新自由主義に対する国民の支持は、そのピークに達していた。

そのやくざ的なキャラクターで国民の人気を集めた小泉首相は、経済政策を竹中平蔵に丸投げし、その竹中は国民生活を痛めつける極端な新自由主義政策をとったが、コイズミが「カイカクなくして成長なし」と絶叫するや、国民の多くはその妄言を信じた。そして、コイズミは靖国神社への参拝の強行などで、国粋主義化した一部国民(ネット右翼を含む)から拍手喝采を得たのである。

小泉政権は新自由主義(ネオリベ)と新保守主義(ネオコン)の傾向を兼ね備えた性格を持っていたが、コイズミは実は「ノンポリ」といっても過言ではない空虚な人間だった。前述のように、経済政策は竹中平蔵に丸投げしており、「コイズミカイカク」とは実質的には「竹中カイカク」だったし、「皇室は最大の抵抗勢力」と言ったとされるコイズミは、本質的はネオコンからはほど遠い人間だった。単なる無責任男に過ぎない。

それに対して、コイズミの「反ネオコン」ともいえる体質に強烈に反発したのが、本物の「ネオコン」連中だった。そして、彼らの熱烈な支持を集めたのが安倍晋三だったのである。

小泉政権のあとを受けた安倍晋三政権とは、コイズミ(実は竹中平蔵)の新自由主義政策をそのまま引き継ぎつつ、政治思想面ではコイズミより大きく右に振れた極右的性格を打ち出した。それは、「経済極右兼思想極右」ともいうべき、およそ考えられる限りもっとも凶悪な政治権力だった。

だからこそ、当ブログは安倍政権成立前から安倍の体質に警鐘を鳴らし続け、安倍の首相就任を阻止すべく、「カナダde日本語」が提唱した「AbEnd(安倍を「the End」させよう!)キャンペーン」に、真っ先に参加した。

それからまる2年。安倍内閣の寿命はちょうど1年だったから、その倍の月日が流れた。安倍は一昨年9月に総理大臣になったが、その2か月前の06年7月にNHKテレビで放送された「ワーキングプア」などをきっかけにして、「コイズミカイカク」の負の側面が論じられるようになり、新自由主義に対する批判が急速に広まっていった。しかし、のちに「KY」と揶揄された安倍は、そんな空気を読むことができず、財界の言いなりで「ホワイトカラー・エグゼンプション」を、「少子化対策として必要」などと発言して、国民の失笑と怒りを買った。

安倍は経済政策には全くの不熱心で経団連のいいなりになる一方、イデオロギー政治には異様なまでに熱を入れ、改正教育基本法、国民投票法案、教育改革関連三法案など、憲法改定の布石となる諸法案を次々と強行採決で成立させた。

このように、安倍はコイズミのネオリベ政策をそのまま継承すると同時に、コイズミでさえやらなかった強烈なネオコン政策を推進した。この1年間の安倍政治の犯罪性は、どんなに強調しても強調しすぎることはない。

ネオリベとネオコン。一昨年から昨年前半にかけて、国民生活により大きな脅威だったのは前者だ。「ブログ論壇」といえるものが存在するかどうかはともかく、ブログの世界でも、反ネオリベで右派と左派の部分共闘もあって良いという主張があり、当ブログも当時それに賛成した。一方で、安易な「野党共闘」論への批判も当時からあり、それについて当ブログは、「右派とは是々非々で臨むべし」というスタンスをとった。

昨年7月の参院選で安倍率いる自民党が大敗し、「国民の生活が第一」というスローガンを掲げた民主党が圧勝した。民意は、新自由主義を否定したといえる。その2年前の総選挙で、「郵政民営化」というコイズミのまいたエサにつられて新自由主義を諸手を挙げて受け入れたばかりというのに劇的な様変わりだったが、自民党はコイズミが「抵抗勢力」を駆逐してすっかりネオリベ政党と化していたので、このままでは次の総選挙では自民党の敗北は必至という状態となって今に至っている。

安倍政権は参院選の敗北で「死に体」となり、2か月後に退陣に追い込まれたが、その後を受けた福田康夫内閣は、いわば最初から「死に体」の内閣だ。それでも成立後しばらくはそれなりの支持率を得ていたが、今では内閣支持率は20%前後に落ち込んでいる。

新自由主義が否定された民意を受けて、福田首相は「脱カイカク」を指向しようとしたが、党内はコイズミによってネオリベに固められていて思うに任せない状態だ。一方、参院選で勝利した民主党も、小沢一郎代表が「大連立」構想に走ろうとしたり、前原誠司が新自由主義者としての立場から民主党の政策を批判するなど、国民の期待に応える動きをしているとはいえない。民主党は、かつて「カイカク」の先鋭性をコイズミ自民党と競ったこともある政党だから、方向転換もなかなかスムーズにはいかないのだ。

先日、参議院で福田首相の問責決議案が可決されたが、福田首相はこれを無視した。さとうしゅういちさんは、「JanJanNews」で、

 福田さんは、
1、総理を辞任するか、
2、後期高齢者医療制度をはじめとする負担増を撤回するか、
3、解散総選挙をするか。
 その3つに1つしかないと、私は考えます。

と主張している。

スジ論としてはその通りだと私も思うが、福田首相が自分からそんなことをするとは考えられない以上、民主党など野党がその方向に追い込むべきだ。特に、国民生活にとっては、二番目の「負担増の撤回」が重要だ。だが、民主党は必ずしもそういう動きをしていない。

解散総選挙というが、解散権を持っているのは総理大臣であり、民主党は自民党を解散に追い込まなければならない。解散に追い込むためには、反自民勢力がいくら団結しても、衆議院で自公が3分の2以上の議席を持っている以上何の意味もない。自民党の団結を切り崩し、自民党から造反者を出させなければならないのである。

その意味からも、既に自民党を追い出された平沼赳夫一派からのラブコールに色よい反応を示す小沢一郎や鳩山由紀夫には強い疑問を感じる。むしろ彼らのやるべきことは、自民党内でコイズミ−安倍政権の延長線上にある路線を快く思わない人たちを引き抜くことなのではないか。

かつてそれを得意としたのは自民党で、1994年には加藤紘一、野中広務、亀井静香らが社会党の村山富市を口説いて、自社さ連立政権を発足させた。これには菅直人も噛んでいる。また、1996年の総選挙後には、加藤紘一と野中広務が新進党議員を「一本釣り」して寝返らせたこともあった。

一方、小沢一郎は、1993年に自民党、2000年に自由党をそれぞれ割って出たことに象徴されるように、「壊し屋」の行動パターンを持っている。

今、もし民主党の主導権を小沢一郎ではなく菅直人が握っていれば、自民党に手を突っ込んで分裂を誘発し、福田政権を早期の解散総選挙に追い込むことができたかもしれないと思う。しかし、大連立騒動の時に、菅直人は腰が引けてしまった。1998年の参院選において民主党が勝ったあともそうだったが、菅直人はいつも肝心なところで腰が引けるという悪癖を持っている。このままでは菅直人の総理大臣就任は無理かもしれないと私は思っている。自民党では加藤紘一に似たようなところがあり、2000年の「加藤の乱」の失敗が翌年のコイズミ政権成立を呼び、日本の焦土化を招いてしまったのは日本の政治史上の一大痛恨事だった。

「自社さ」から「加藤の乱」の頃まで緊密だったといわれる菅直人と加藤紘一の連携の目があれば、少しはましな政権ができるのではないかと今でも思うのだが、どうやらそんな方向には行きそうもない。安倍晋三ネオコン・ネオリベ内閣の悪政を総括するどころか、「真の保守」などと称する安倍に近い連中が集まったグループにまで色目を使う民主党執行部に対して、日に日に不信感が強まっていく。

なお、当ブログは平沼赳夫一派をしつこくしつこく批判し続けているが、現実問題としては、平沼新党の政権参加どころか、新党の結成さえおぼつかないと思う。平沼が新党を旗揚げしようとしても、ついていくのは郵政造反組以外には自民党・民主党の一部の極右政治家だけになると思われる。片山さつきは、あの人(平沼)は極右だから誰がついていくのだろうか、と言っているようだが、平沼一派は政界再編成の際に影響力を持つ勢力になど、間違ってもならないだろう。

ただ彼らは、コイズミ一派の従米を批判しつつ、加藤紘一らを「親中・親韓・親北朝鮮」だとして批判している。それでは、日本は国際的に孤立しろというのか。彼らの主張を推し進めると、日本は核武装を含めた軍事大国路線を目指さなければならないことになるはずだ。軍備増強には巨額の金がかかり、国民生活を圧迫する。それこそ、「国民の生活が第一」とは真っ向から対立するのだ。

当ブログは、「反ネオリベ」のためにリベラル・左派が極右と連携すべき局面はとっくに過ぎ去ったと考えている。より良い国民生活を目指すためには、反ネオリベ政権は極右勢力など取り込んではならない。


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世間一般は「春分の日」の休日という方が多いと思う。中には21日を休みにして4連休という方もおられるかもしれない。昨日は雨だったが、季節はすっかり春らしくなった。残念ながら今日も当ブログ管理人には仕事があるが、春分の日というと「新じねん」のおーるさんの命日ということになるのだろうか。今年はうるう年で20日が春分の日だけれど、一昨年はたぶん21日が春分の日だったから、明日が三回忌なのだろう。ご冥福をお祈りしたい。

さて、チベット騒乱を取り上げた一昨日のエントリが反響を呼び、15件の「はてなブックマーク」をいただいたせいもあってか、多くのコメントをお寄せいただいた。しかしその過半数が左右双方からの批判であって、チベット問題で声を上げている人を右翼呼ばわりするなというのがあったかと思うと、ダライ・ラマにはアメリカの息がかかっている、そんなやつを擁護するなというのもあった。文章のロジックを読めない人ばかりなので呆れてしまう。前者についていうと、「ネット右翼がここぞとばかり声を張り上げている」という意味のことを書いたが、「声を張り上げているのは(ネット)右翼(ばかり)である」などとはひとことも書いていない。それどころか、リベラル・左派系のブログも声をあげていると書いた。後者については、私は中国政府のプロパガンダの尻馬に乗って騒いでいる中国版ネットウヨともいうべき中国のブロガーを批判したのであって、彼らは中国の兵士がチベットの子供を射殺している動画が「YouTube」に公開されるやそれを削除する中国政府に対しては何も言わないのである。それに対する反論がダライ・ラマ批判というのは、全く筋が通っていない。要は、ネット右翼もネット左翼も揃ってバカばかりということだ。彼らは、日本なりアメリカなり中国なりの権力に媚びる「媚権派」としてひとくくりにした方が良いかもしれない。

今回失望させられたのは、この問題について日本共産党が沈黙していることで、かつて中国共産党にもソ連共産党にも批判を行い、北朝鮮による拉致問題についても、自民党や社会党がこれを無視していた1988年にいち早く国会で取り上げ、北朝鮮の犯行ではないかと指摘した共産党の伝統はどこにいってしまったのかと思う。前記「YouTube」の削除や、騒乱での死者を過小に見積もったり、一方的にチベット民族に非があるような映像を国内のニュースで流すなどの情報操作を中国政府がしていると全世界に報じられているだけでも、今回の騒乱について中国に疑念を持たざるを得ないというのが大方の見方だろうと思うのだが。

一方、「dj19の日記」で知ったのだが、民主党の枝野幸男議員を代表とする「チベット問題を考える議員連盟」が国会内で総会を開き、チベット騒乱への中国政府の鎮圧行動を「五輪開催国にふさわしく、武力の行使や人権侵害を行わないよう自制を求める」と非難する声明を発表したそうだ。この議連には自民党や社民党の議員も加わっている。社民党の阿部知子議員は、よくテレビでお目にかかる同党の政審会長だ。

しかし同じ「アベ」でも、安倍晋三が下村博文や稲田朋美と一緒にしゃしゃり出てきて、チベット出身でダライ・ラマ法王アジア・太平洋地区担当初代代表のペマ・ギャルポ桐蔭横浜大教授と国会内で会談して「チベットの人々の人権が確保されるよう努力したい」などと発言したのには鼻白む思いだ。この発言自体には問題ないのだが、加藤紘一議員の実家が放火されて全焼した時、多くの人がテロを非難するコメントをしたのに、当時首相だったコイズミと官房長官だった安倍はしばらく沈黙していた。
"小泉純一郎と安倍晋三が発した言論の自由への「負のメッセージ」"
(2006年12月3日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-192.html

また安倍は、伊藤一長・前長崎市長が市長選の最中にテロの凶弾に遭って死亡した時にも、テロを非難する言葉が口をついて出てこなかった。それどころか、犯人が所属していた暴力団が、安倍の非公然後援会「安晋会」と関係していたのではないかとの可能性が山岡俊介氏によって指摘された。
"長崎市長を射殺したテロの「真犯人」"
(2007年4月20日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-320.html

また、会談で安倍と同席した稲田朋美は、先日も靖国神社の映画を検閲しようとした件を当ブログでも非難したばかりだが、繰り返して書いているように、加藤紘一の実家へのテロを後援会で笑い話のように紹介し、実質的にテロを肯定した女だ。
"嘘つきが「教育改革」を進め、テロ肯定者が「伝統と創造の会」を主宰している"
(2006年11月23日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-184.html

国内で言論テロと断固として戦うどころか、事実上テロを助長している安倍晋三や稲田朋美に、どうしてチベットの騒乱を「人権問題として重視していく」ことなんかができるんだろうか。へそが茶を沸かすとはこのことである。


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昨日(3月10日)は東京大空襲の日だった。今年は、TBSテレビで大空襲の特別番組が組まれたせいもあってか、ブログでも大空襲を取り上げたところが多かったようだ。当ブログでは昨年3月10日に東京大空襲を取り上げたが、昨年は大空襲を取り上げたブログはあまり多くなかったと思う。かつては、1945年3月10日の東京大空襲や、3月13・14日の大阪大空襲は、新聞などのマスコミによって大きく取り上げられていたものだ。

ところで、戦争末期に米軍が空襲を行ったのは、いうまでもないが東京大空襲や大阪大空襲だけではない。東京でも、3月10日の大空襲は下町が焼かれたのだが、4月4日には立川市が爆撃され、5月25日には渋谷など東京の山の手が大空襲を受けた。大阪でも、3月14日には港区が空襲を受けたが、6月8日には大阪市北部が大空襲を受けた。

各地にお住まいの皆さまは、ご自分の住んでおられる町が空襲を受けたかどうか調べてみられると良いかもしれない。四国・中国地方では、1945年6月29日に岡山、同7月4日には高松、徳島、高知、7月26日には松山が空襲を受けた。そして、8月6日には広島に原爆が投下されたのである。

何の罪もない市民を無差別虐殺したアメリカの悪逆非道ぶりには呆れて言葉もないが、"東京大空襲 日本は「抗議」、米は「黙殺」" と題された朝日新聞の記事によると、第2次世界大戦の末期、日本は都市部などへ繰り返される爆撃を「国際法違反だ」と米国に抗議していたが、米国は抗議を「黙殺」することを決定したという。約10万人が犠牲となる東京大空襲が始まったのは、その3日後のことだった(下記URL参照)。
http://www.asahi.com/national/update/0310/TKY200803100199.html

この記事によると、日本軍は1938年から中国・重慶などを無差別爆撃、死者は1万人を超えたとされるが、米国もこれを「国際法上の問題」と批判していたという。日本は、自国のやっていた無差別殺人に頬かむりしながらアメリカを非難したのだが、アメリカもそんな日本を非難しながら、同じことを日本に対してやったのだ。双方とも、どうしようもない外道の政治権力だったというほかない。こんな政治権力を持った国民は不幸だ。戦勝国たるアメリカの戦争犯罪に対しても、敗戦国の戦争犯罪同様、厳しくその責任を追及する必要があると当ブログは考える。ルーズベルトやトルーマンは、ヒトラーや東条英機に比すべき戦争犯罪人と評するべきだろう。

だが、日本人がアメリカの戦争犯罪の追及より前になすべきことは、日本人の戦争責任の追及だ。坂口安吾は、戦後いち早く天皇制の問題に切り込んだ作家だったが、その安吾に、「もう軍備はいらない」 (1952年)という文章がある。

東京大空襲のことを思いながら、ネット検索で行き着いたこの文章に感銘を受けた。何箇所か引用する。

 今日までの金持というものは、だいたいにねかせた財産をもち、その大小によって金持の番附がつくられるような富の在り方であった。莫大な預金、広大な所有地。そしてそれは泥棒が主として狙う富でもあった。だが、財産とか富貴というものがそれだけだとは限らない。泥棒がどうすることもできないような財産もありうるであろう。
 高い工業技術とか優秀な製品というものは、その技能を身につけた人間を盗まぬ限りは盗むわけにはゆかない。そしてそれが特定の少数の人に属するものではなく国民全部に行きたわっている場合には盗みようがない。
 美しい芸術を創ったり、うまい食べ物を造ったり、便利な生活を考案したりして、またそれを味うことが行きわたっているような生活自体を誰も盗むことができないだろう。すくなくとも、その国が自ら戦争さえしなければ、それがこわされる筈はあるまい。

(中略)

 日本という国も泥棒の心配がいらない身分におちぶれてみて、いろいろのことが分らなければならない道理であったろう。
 昔は三大強国と自称し、一等国の中のそのまたAクラスから負けて四等国に落ッこッたと本人は云ってるけれども、その四等国のしかも散々叩きつぶされ焼きはらわれ手足をもがれて丸ハダカになってからやッと七年目にすぎないというのに、もうそろそろ昔の自称一等国時代の生活水準と変りがないじゃないか。足りないものは軍艦や戦車や飛行機だけ。つまり負けるまでは四等国の生活水準を国防するために超Aクラスのダンビラをそろえて磨きあげて目玉をギョロつかせていただけのことではないか。
 人に無理強いされた憲法だと云うが、拙者は戦争はいたしません、というのはこの一条に限って全く世界一の憲法さ。戦争はキ印かバカがするものにきまっているのだ。四等国が超Aクラスの軍備をととのえて目の玉だけギョロつかせて威張り返って睨めまわしているのも滑稽だが、四等国が四等国なみの軍備をととのえそれで一人前の体裁がととのったつもりでいるのも同じように滑稽である。日本ばかりではないのだ。軍備をととのえ、敵なる者と一戦を辞せずの考えに憑かれている国という国がみんな滑稽なのさ。彼らはみんなキツネ憑きなのさ。本性はまだ居候の域を卒業しておらず、要するに地球上には本当の一等国も二等国もまだ存在せず、ようやく三等国ぐらいがそれもチラホラ、そんなものだ。大軍備、原子バクダンのたぐいは三好清海入道の鉄の棒に類するもので、それをぶらさげて歩くだけ腹がへるにすぎない。

(中略)

 けれども、現在どこかに本当に戦争したがっている総理大臣のような人物がいるとすれば、その存在は不気味というような感情を全く通りこしている存在だ。同類の人間だとは思われない。理性も感情も手がとどかない何かのような気がするだけだ。しかし私はその実在を信じているわけではない。むしろ、そういう誰かは存在しないのじゃないかと考える。それほどのバカやキ印は考えられない気になるからだ。
 けれども、日本の再軍備は国際情勢や関係からの避けがたいものだと信じて説をなす人は、こういう奇怪な実力をもった誰かの存在を確信しているのだろうか。そんな考えの人も不気味だね。同じ不気味にしても、完全犯罪狂の殺人鬼よりもそそっかしくてメンミツでないらしいので、ソラ怖しいよ。

(坂口安吾 「もう軍備はいらない」 より)

「もう戦争はコリゴリ」、それが当時の国民の圧倒的な声だったに相違ないが、日本の再軍備はその後進んで行き、現在では自衛を超えて、かつて非難し合いながら戦ったアメリカの軍事戦略に組み入れられるに至った。

そして、坂口安吾が想像もつかなかった、「本当に戦争したがっている」 化け物のような総理大臣は、坂口がこの文章を書いた54年後に現れた。その人物を、立花隆は「魑魅魍魎」と形容している。
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/06-10/061027asyura-tachibana.htm

安倍晋三は1年で首相の座を追われたとはいえ、「安倍的なるもの」は今も健在である。しかも、安倍やその前任者コイズミは、新自由主義政策をとって「格差拡大」を引き起こした。日本国民の安全は、外敵によってではなく、国の為政者によって脅かされた。現在の福田首相も、耳当たりの良い言葉を口にしているが、実行力が伴わず、コイズミや安倍が切った方向へと国は漂流している。

そして、これにストップをかけるために努力すべき野党第一党の民主党も、枝葉にばかりこだわっていて国民の不信感を招き、福田内閣の支持率が下がっているのに、民主党の支持率も下がって逆に自民党の支持率がこのところやや上昇気味だ。小沢一郎体制が求心力を失いつつあるようだが、またぞろ前原誠司が対中強硬姿勢を叫んだり憲法改定を目指す超党派の議連に参加したりしてアピールし始めた。国民が生活の改善と安定を求めているのに、ごく一部の人たちしか求めていない憲法改定にばかり執心して選挙で惨敗したのが安倍晋三だったが、このまま前原の突出がエスカレートするようでは、民主党の党勢も落ちていくだろう。民主党の政治家たちは、なぜ手をこまねいてこれを黙認しているのか。

国民が求めているものと政治とのギャップがますます拡大してきた。こういう時には、強い指導者への渇望が起きやすい。きわめて危ない状態だ。特に「リベラル」を自認する政治家や言論人の奮起が求められる今日この頃だ。


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安倍晋三が町村派に復帰するらしい。
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2008/03/04/20080304ddm005010121000c.html

上記の毎日新聞の記事によると、首相就任と同時に森派(現町村派)を離脱した安倍は、昨年9月の首相退任後も無派閥のまま、福田首相と距離を置く中川昭一元政調会長らの勉強会「真・保守政策研究会」に出席するなどして、実質的に町村派のオーナーである元首相・森喜朗の不興を買っていたようだ。そのため、安倍の動きを封じるために森が安倍を町村派に復帰させようとしているのではないかと毎日新聞は見ているようだ。一方、時事通信は単純に、安倍が政治活動を本格化させるため復帰を決意したのではないかと見ている。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008030300803

当ブログとしては、毎日新聞の見方に軍配を上げたい。この手の水面下の動きに関しては、森喜朗と安倍では、その巧拙に大きな差がある。安倍など、森からすれば赤子の手をひねるようなものだろう。

ところで、このところ拡大しつつある超党派の動きの中には、憲法改定を狙うものもある。中曽根康弘が会長を務める新憲法制定議員同盟、自民党議員やOBで形成されていたのだが、4日、国会内で総会を開き、新たな役員として、鳩山由紀夫(民主党)や亀井静香(国民新党)を顧問に、前原誠司(民主党)らを副代表に迎え入れることにした。
http://www.asahi.com/politics/update/0304/TKY200803040304.html

90歳に手が届こうかという中曽根は今でも意気盛んで、大改憲連合を作ろうとしている。人生最後の仕事のつもりなのだろう。

ところが、上記のリンクを張った朝日新聞の記事にあるように、総会には安倍晋三も出席し、「改憲は私のライフワーク」と述べたらしいのだ。安倍は、生活問題を何とかしてほしい、という国民の願いをそっちのけにして、ひたすら憲法改定にのみこだわった「KY政治」をしたあげく、参院選で大敗して首相の職を追われたことについて、全く何の反省もしていないようだ。

このように、あつかましくも復権を付け狙う安倍が重要視していると思われるのが、先日の岩国市長選に出馬して当選した福田良彦氏が衆議院議員を自動失職したために、(それまでに衆議院の解散がない限り)4月27日に行われることになった山口2区の補選だ。すでに民主党は比例中国ブロックの平岡秀夫衆院議員が立候補を表明しているが、自民党は山口県出身の官僚・山本繁太郎氏に立候補を要請するようだ。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news-spe/iwakuni/08/iw_08_08030101.htm

この記事によると、自民党では安倍晋三の弟である岸信夫参院議員の出馬まで期待していたらしいが、擁立には至らなかったようだ。民主党は、岩国市長選では井原勝介前市長に対してなぜか本腰を入れて応援しようとせず、その結果選挙は残念な結果になってしまったが、ここで山口2区の補選まで落とすようでは、ますます安倍の復権に手を貸してしまうことになる。特に平岡秀夫は民主党にあっては前原誠司が代表を務めていた頃の改憲路線に異を唱えた人物でもある。

とにかく、安倍晋三を「過去の人」などとなめていたら痛い目に遭う。民主党は山口2区の補選には全力を挙げてもらいたい。


[参考記事]
「カナダde日本語」 より
"安倍晋三の復帰を祝して(自滅)" (3月4日)
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-804.html


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マスコミではあまり大きく扱われなかった岩国市長選だが、わずか1800票弱の差で決まったこの選挙は、投票締め切り直後に沖縄で米兵による女子中学生暴行事件が起きたせいで、よけいにその重みを増すことになった。

一昨年に行われた住民投票や市長選挙の結果を持ち出すまでもなく、自民党王国の山口県にあって、岩国は必ずしも自民党磐石の町ではない。それもそのはず、広島県と接し、広島市との距離の近い岩国市は、広島広域都市圏に属するとされる。広島県東部の福山市が、広島市よりずっと岡山市や倉敷市と近く、倉敷に郊外型大規模ショッピングセンターができた時福山の消費者がずいぶん倉敷に吸引されたことを思うと、広島県に属する福山より山口県に属する岩国の方がずっと広島との親近性が強いようにも思われる。

しかし、「広島瀬戸内新聞ニュース」 の記事 "大げさではない「身を挺して」" などを読むと、山口県民の方には申し訳ないが、「やはり山口県の選挙だったんだなあ」と思わずにはいられない。井原勝介前市長が「当選したら暗殺される危険がある」と警戒していたというのは、なまなかな状態ではない。

山口県を選挙区にする前首相・安倍晋三と暴力団とのかかわりがしばしば指摘されるが、1月30日には福岡高裁で下記のような判決が出た。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_08013057.htm (リンク切れ)

安倍前首相宅の車庫に火炎瓶を投げ込んだ暴力団組長の控訴を棄却…福岡高裁

 山口県下関市の安倍前首相宅の車庫に火炎瓶を投げ込み、乗用車を焼いたなどとして、非現住建造物等放火未遂罪などに問われた指定暴力団工藤会系組長高野基被告(57)の控訴審判決公判が30日、福岡高裁で開かれた。陶山博生裁判長は「陰湿かつ悪質極まりない暴力団特有の反社会性の高い犯行」として、懲役20年とした1審・福岡地裁小倉支部判決を支持し、高野被告の控訴を棄却した。

 弁護側は「被害弁償に努めており、刑は過酷に失する」と主張したが、陶山裁判長は「1審判決の量刑に不当なところはない」とした。

 判決によると、高野被告は、1999年の下関市長選で安倍前首相が支持する候補に選挙協力した見返りに金を要求したが断られた元会社社長小山佐市被告(70)(福岡地裁小倉支部で懲役13年の判決を受け、控訴中)から依頼を受け、2000年6〜8月、小山被告らと共謀し、前首相宅の車庫や講演会事務所に火炎瓶を投げ、乗用車3台を全半焼させるなどした。

(読売新聞九州版 2008年1月30日)

元首相・岸信介は右翼や暴力団に悩まされたが、これを手なずけたと言われている。山口県における地方選に暴力団の影がちらつくのが、そのことと関係があるかどうかはわからない。ましてや、今回の岩国市長選で民主党の腰が妙に引けていたことと関係があるかどうかは、もっとわからない。

ただ一ついえるのは、民主党は安倍晋三にトドメを刺すチャンスをみすみす逃してしまったことだ。そういえば、この時期になると思い出されるのが「偽メール事件」だ。ライブドア事件にかかわって変死を遂げた野口英昭・元エイチエス証券副社長が「安晋会」の理事だったり、投資事業組合とのかかわりを民主党の鳩山幹事長にほのめかされるなど、大ピンチにたっていた安倍官房長官(当時)が「偽メール事件」に救われたのが、2年前のこの時期だった。

「なごなぐ雑記」
に、「赤米壁論序説」 という、考えさせられるエントリが出ているが、当ブログは、日本の政界には 「アベの壁」 もあるように思える。それは、「アメリカの壁」と一体になっているのかもしれないが、なぜか安倍晋三という政治家はアンタッチャブルになっており、巨大な力に守られているような印象を以前から持っている。それは、参院選に惨敗したあと最悪のタイミングで総理大臣を辞任し、政治生命を断たれたかに思われてからも生きているのか。この男は復活を諦めてはいない。早い段階でトドメを刺しておかねばならない。

アンタッチャブルを感じさせるもう一つの現象は、今回の米兵暴行事件に関して、産経新聞などの右派勢力が、またぞろ「自己責任論」を持ち出して火消しに懸命なことだが、これは産経新聞ウォッチャーや、それに触発された方々が多くの記事を書いているので、当ブログがそれにつけ加えることは何もない。ただ思うのは、誇りも何もあったものではないということで、「自己責任」論者たちは、何のためにあそこまで卑屈な姿勢で言論活動をやっているのだろうかと思う。せっかく人間に生まれてきたのに、なんてもったいないと思う今日この頃だ。


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昨日から風邪を引いて寝込んでおり、残念ながら大晦日の記事は簡単なもので済ませるしかない。

各媒体の発表する「2007年10大ニュース」の1位と2位を争っているのが、参院選の自民党大敗(7月)と安倍晋三の政権放り出し辞任(9月)だ。「KY」(空気読めない)という「ギャル語」も、安倍晋三と結びつけられることによって流行語となった。

安倍政権発足に先立つこと3か月の昨年6月18日に、「カナダde日本語」 の呼びかけで始まった 「AbEndキャンペーン」 は成功裏に終了し、「自Endキャンペーン」 へと引き継がれた。「カナダde日本語」の管理人・美爾依さんは2007年度のアルファブロガーに選出された。

2008年には解散総選挙が予想されるが、それに先立って大がかりな政界再編が行われるだろう。このままでは自民党は「座して死を待つ」ほかない状態だからだ。自民党にも民主党にも旧保守、新自由主義勢力、極右勢力の3派があり、民主党にはそれに加えて社会民主主義勢力を抱えている。私は、きたるべき政界再編を経た総選挙のあと、旧保守と民主党の社会民主主義勢力、それに国民新党と社民党を加えた「反新自由主義・反国家主義」(反コイズミカイカク、反日本会議)の連立政権が発足するのが好ましいと考えている。共産党には「たしかな野党」として引き続き権力を厳しくチェックしていただき、新自由主義勢力、極右勢力および公明党には政権から退いてもらうという図式だ。そういえば、新自由主義勢力と極右勢力の間に反目が目立つようになったのも、今年を特徴づける現象だった。安倍政権は、両者の矛盾に引き裂かれた形となった。

ワーキングプア、プレカリアート、限界集落といった言葉が今年のキーワードとなった。私の身辺でも、ワーキングプアによってもたらされた悲劇が起きるのを目の当たりにした。ようやく新自由主義の弊害がNHKをはじめとするマスコミで語られるようになった。

安倍晋三がぶざまに政権を放り出し、世論の糾弾を浴びた今年は、大いなる変化へ第一歩を踏み出した年といえると思う。「大連立」構想が持ち上がるなど、「三歩進んで二歩下がる」現状ではあるが、来年は反新自由主義、反国家主義の流れはさらに強まるだろう。

最後に、今年一年間 「きまぐれな日々」 をご愛顧いただいた読者の方々に、厚くお礼を申し上げる。

それでは、皆さま、良いお年を。


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前々回のエントリ前回のエントリで述べた陰謀論批判について多くのコメントをいただいた。感謝したい。ただ、当ブログ管理人はコメント欄での議論には基本的に加わらない方針だ。コメント欄の議論に費やす時間があるなら、新しいエントリを公開したいと思うからであり、この点についてご了承願いたい。

さて、今年も残すところ今日を入れて6日となった。昨年のクリスマス・イブの記事にも書いたが、ヨーロッパではこれから1月1日までがクリスマス休暇になり、今ごろはあちこちで「メリー・クリスマス」の声があがっていることと思うが、日本ではクリスマスは昨日で終わり、あとは何日か働いたら年末年始の休暇という方が多いだろう。

マスコミは「10大ニュース」を発表する時期で、共同通信と加盟新聞社、ラジオ・テレビ契約社の報道責任者が選んだ2007年の10大ニュースが、24日付の地方紙各紙に掲載された。国内ニュースの1位が参院選における自民党の歴史的惨敗、2位が安倍晋三首相の突然の退陣・福田政権成立、3位が「消えた年金」で社保庁に対する怒り沸騰、4位が防衛装備疑惑で守屋武昌前防衛時間を逮捕、などとなっている。6位の「政治と金」問題が噴出、松岡利勝農相が自殺、というのを合わせて、上位に自民党政府の失態とそれに対する国民の怒りが現れたニュースが集中したのが今年の特徴だ。

2005年の10大ニュースの国内ニュース1位が衆院選における自民党の歴史的圧勝、2006年の10大ニュースの国内ニュース1位が安倍政権発足だったことを思えば、一昨年の誤った国民の選択が、「KY」と揶揄された安倍政権を生んでしまい、これが迷走したあげく自爆したのが今年だったといえる。民意は往々にして大きな誤りを犯すという良い見本である。

赤っ恥をかいて退陣し、引きこもっていて「うつ病」との噂もある安倍晋三だが、私は安倍を「過去の人」などと見くびっていると国民は痛い目にあうと警戒している。中には、「水に落ちた犬を叩くのを潔しとしない」とか、「安倍政権末期には安倍は郵政民営化に歯止めをかけようとしていた」などと言って、妙に安倍に甘い「リベ平」ブログがあって私は頭にきているのだが、安倍は復権への手を次々と打っている。中川昭一と無所属の平沼赳夫が呼びかけた極右議員の勉強会もその一つで、「真・保守政策委員会」なるオタッキーな名前がついた。これには安倍本人は加わっていないが、安倍に近い議員が雁首を揃えており、「AHA〜Nの会」(安倍、平沼、麻生、中川昭のイニシャル)との異名をとる。安倍が目指した復古主義的な政策を研究する勉強会であり、城内実がもし議員に返り咲いたら当然これに加わるだろう。

さらに、NHK経営委員会は25日、NHKの次期会長に、アサヒビール相談役の福地茂雄氏(73)を任命した(下記朝日新聞記事を参照)。
http://www.asahi.com/business/update/1225/TKY200712250259.html

既に20日の朝日新聞記事で予想されていた通りの人事である。
http://www.asahi.com/business/update/1220/TKY200712200372.html

25日の朝日新聞の記事にあるように、古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)が同氏を推薦し、異例の採決で12人中10人の委員が賛成して決まったものだ。異例というのは、菅原明子、保ゆかりの2委員が反対を表明したのだが、通常は全会一致で決められるためである。12月20日のエントリで指摘したように、NHK経営委員会の委員には、古森委員長以下、竹中平蔵や安倍晋三の息がかかっている人たちが多い。次期会長に選ばれた福地氏も、古森委員長と同じく、安倍晋三や与謝野馨前官房長官を囲む財界人の集まり「四季の会」のメンバーである。今後のNHKでは、昨年から今年にかけて放送されて評判をとった「ワーキングプア」などの良質な番組が制作されなくなり、代わりに新自由主義や復古的国家主義のプロパガンダが垂れ流されることを覚悟した方が良いだろう。安倍晋三は決して野望を捨ててはいない。

一方で防衛疑獄の捜査線上に安倍晋三の名前が浮かんでいるとの情報もある。
http://alcyone.seesaa.net/article/74229385.html

あの日刊ゲンダイでさえ「本当なの?」と書くくらいの情報だから、あまり期待しない方が良いかもしれないとは予め断っておくが、しかし現実に以下のような新聞記事(12月24日)がある。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200712240187.html

防衛族団体に1億円支払いか 山田洋行、受注見返り?

 前防衛次官汚職事件で元専務が逮捕された防衛商社「山田洋行」が、福岡県の旧日本軍毒ガス弾処理事業の下請けなどをした時期に、防衛族議員らが理事を務める社団法人「日米平和・文化交流協会」側に計約一億円を支払っていた疑いが浮上、東京地検特捜部が関係者の事情聴取を進めていることが二十三日、分かった。

 この事業は交流協会が調査業務を行い、神戸製鋼所が受注した。特捜部は既に交流協会事務所や山田洋行本社の担当部署を家宅捜索、一億円が下請け参入などへの見返りだった可能性もあるとみて経緯を調べているもようだ。

 関係者によると、毒ガス弾は福岡県苅田町の苅田港で発見された。処理事業は第一期から第四期まで行われ、発注総額は計約二百十億円。旧防衛庁は二〇〇三年二月、処理に先立つ調査業務の入札を行い、交流協会の前身「日米文化振興会」が約九百万円で落札した。

 振興会が同年三月にまとめた調査報告書を基に、防衛庁は十一月に第一期分の処理事業の入札を実施。神鋼が約二十一億円で落札し、その後も受注を続けた。山田洋行は第一期と第二期の途中まで機器の納入や潜水業者の手配などで下請けに入った。

 山田洋行は下請け参入した時期に、交流協会専務理事の秋山直紀(あきやま・なおき)氏が関係する米国の団体に、業務協力費名目で計六十万ドル(約六千六百万円)を支払い、〇六年度に神鋼と別の取引が成立した際にも、秋山氏側に計三十万ドル(約三千五百万円)を支払った疑いが持たれている。

 神戸製鋼所は「山田洋行が下請けに入ったのは事実だが、外からの圧力や口利きは一切なかった」としている。

(2007年12月24日 中国新聞)


神戸製鋼所といえば、安倍晋三が大学を出て3年間勤めた企業であり、安倍の地元・下関市では神戸製鋼所とその関連企業は「リサイクルプラザ」など下関市内のゴミ処理関係の事業を次々と落札しているし、下関港に大型商業施設「あるかぽーと」を建設するウォーターフロント開発計画の事業主体「下関みなとまち開発」にも出資している(俵義文、魚住昭、佐高信、横田一、週刊金曜日取材班編 『安倍晋三の本性』 より)。果たして、防衛疑獄への安倍晋三の関与はなかったのか。続報に注目したいと思う。

基本的には、現在日本で切実な問題となっている生活問題(生存権問題)をないがしろにしてイデオロギーに走る安倍晋三ら極右政治家は、日本にとって百害あって一利なしだと思うが、私が警戒しているのは、今後彼らが政界再編の過程で民主党に接近することだ。民主党には、平沼赳夫の選挙区に対立候補を立てないなどという馬鹿げた構想があるそうだが、日本に害をもたらす極右勢力との接近だけはやめてほしい。もちろん、片山さつきと城内実の選挙区にも民主党は強力な対立候補を立てるべきだと思う。

その政界再編も絡んで、来年は今年以上の激動の年になりそうだ。


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年末はどうしても忙しいので、ブログもふだんのペースでは更新できない。

当ブログは、しばらく前から月曜日を定休日にして、火曜から金曜までは前日夜に作った下書きをもとに、朝早起きして一気に書き上げ、公開してきていた。朝刊の記事が注目を引いたときは、急遽題材を変更することもある。出勤時刻という締め切りがあるので、おかしな箇所がいくつかあったりするが、それは昼休みまたは帰宅後に修正している。また、土日は時間帯には特にこだわらず記事を公開している。

しかし、昨夜は遅くまで仕事だったので、NHKスペシャルの年金特集も見られなかったし、記事の下書きもできなかった。おまけに今朝は早起きできなかったので、朝に記事を公開することができなかった。いつもの週と違って、日曜日に記事を公開せず月曜朝に公開したのだが、これが生活のリズムを乱し、やや疲れが出てしまったせいもある。本当は、日曜日の夜に放送されたNHKスペシャルの「ワーキングプア III」を見終えたらすぐに記事を書いて公開しようと思っていたのだが、番組が終わると同時に緊張感が緩んで睡魔に負けたのである。

そんなこともあって、今日はブログをお休みしようと思っていたのだが、昼ごろ携帯で見た 「きっこの日記」 の 「12月18日」 という日付を見て、今日が特別な日であったことを思い出した。それで、いつもよりちょっと早く帰宅して、ブログの記事を書く次第だ。

2年前の12月18日は日曜日だった。この日は朝からテレビの政治番組が耐震強度偽装問題を取り上げていて、あたかも「きっこの日記」がリアルのジャーナリズム(という表現が妥当かどうかわからないが)をリードしている観があったが、その「きっこの日記」にイーホームズ・藤田社長からのメールが掲載されたのである(2005年12月18日付)。

これを読んだ私は大いに興奮し、「今日はインターネットが社会を動かす力を持つようになった記念すべき日だ、私はそれを目の当たりにしているのだ」と思った。これが私がブログを始めようと思った最初のきっかけだ。もちろん、それ以前からコイズミを倒すためのブロガーズ同盟は知っていたが、私の背中を押したのはこの日の「きっこの日記」だった。

しかし根が怠惰な私が実際にブログを始めるまでにはその後4か月を要し、その間ライブドア事件や偽メール事件が起きた。ことに衝撃的だったのはライブドア事件に絡んだエイチ・エス証券の野口英昭副社長の沖縄での変死(「自殺」とされた)であり、「きっこの日記」はこの件に関しても、「ある往復書簡」 で私に大きな衝撃を与えた(2006年2月8日付)。しかし、民主党の大失策である偽メール事件がライブドア事件への追及の機運を一気にしぼませ、私がブログを始めた昨年4月には、政治をめぐる状況は再び閉塞感に覆われていた。私には、「コイズミカイカク」も許せなかったが、それ以上に戦前体制への回帰指向の強い安倍晋三が許せず、せっかく耐震強度偽装問題やライブドア事件で「安晋会」をめぐる疑惑が噴出しながら、偽メール事件に助けられて安倍が逃げ切ったことに対して強い不満を持っていた。

当時、次期総理大臣の本命と見られていた安倍を打倒する運動をやりたい、ひそかにそう思いながらブログを始めてから2か月近く経った頃、安倍が統一協会に祝電を送っていたことを教えてくれたのは、またしても「きっこの日記」だった(2006年6月6日付)。

さっそく当ブログは同日付でこの件を取り上げた。そこから、「カナダde日本語」 が提唱した 「安倍を異常終了させる」 ための 「AbEndキャンペーン」 に一番乗りで参加するまでは12日しか要していない。そして、「AbEndキャンペーン」がスタートしたのは、「きっこの日記」に決定的な衝撃を受けてからちょうど半年後に当たる昨年6月18日だった。今日は、それからまる一年半に当たる日でもある。

「AbEndキャンペーン」開始から1年あまりが経った今年7月29日に投開票が行われた参院選で自民党は惨敗し、安倍はそれでも居座る「KY」ぶりを見せたものの、2か月後に辞任した。「AbEndキャンペーン」の成功もあって、当ブログの累積アクセス数は10月8日に100万件を突破し、今月14日には120万件に達した。とはいっても1日平均のユニークアクセス数は2千件程度で、「きっこの日記」の数十分の一に過ぎないが、検索エンジンで検索する時、自分のブログが上位にいるのを目撃するのにも慣れてきた。たとえば、先日から「福田内閣支持率」を検索語にGoogle検索すると、なぜか当ブログが上位で引っかかる。

だが、この一年半で、ブログ世界の特殊性も痛感するようになった。政治ブログの数はあまりに少なく、そこでは、世間一般では通用しないような言説がまかり通る。ネットの言論をリアルの世論と同一視して失敗したのが2000年の加藤紘一だったが、今年は安倍自民党が同じ失敗を犯した。年金問題の責任を民主党の菅直人に押し付けようとしたビラを発案したのは自民党の片山さつきだそうだが、これを最初に見たとき、私は「2ちゃんねらーの喜びそうなビラだな」と思ったものだ。菅直人や土井たか子を笑いものにする言論は、確かに2ちゃんねるではウケる。しかし、現実社会では失政の責任を野党幹部に転嫁する言論は、為政者の無責任さを印象づけるだけだ。このビラは自民党の印象を悪化させる逆効果しか持たなかったが、片山さつきらは2ちゃんねるの言論を世論だと錯覚してしまったのではないかと当時想像したものだ。

しかし、権力側のこんな失態をリベラル・左派系ブログも笑ってばかりはいられない。具体的には指摘しないが、「リベ平ブログ」の多くを支配しているのも陰謀論とポピュリズム、それに原理主義である。「9・11」の自作自演説を当然の前提とするブログ、スローガンを連呼するだけのブログ、郵政民営化に反対でさえあれば極右とさえ手を結ぼうとするブログ、こういうブログの数々を見ていると、頭痛がしてくる。

かくいう当ブログも、安易なエントリを上げるようになってきていることを先日痛感した。そろそろブログとのかかわりを軌道修正しなければならない時期にさしかかってきたようにも思う。当ブログは、「ネット言論などというたいそうなものなんかやっているつもりはない」などとうそぶくことはしない。あくまでブログの質の向上と社会への意見の発信を意識している。だが、現状の当ブログはあまりに力不足である。実力を蓄積する時間を割くために、今後は更新の頻度が減るかもしれないが、どうかご容赦いただきたいと思う今日この頃である。


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今年の流行語 「KY」 の仕掛人が川上和久・明治学院大教授だったことを指摘した昨日のエントリに対し、名無しの方から
「川上氏は、「新しい歴史教科書をつくる会」から分派し、八木秀次が主催する「教科書改善の会」の「公民分野」の編集座長ですよ。
というコメントをいただいた。さらに、これに応じたドンスコイさんから
川上氏は10年位前までは
自衛隊による世論操作を追及したりしてた人なんですが
小泉訪朝後の保守ブームごろから、朝日新聞批判に参入して
いつの間にか八木たちとくっついてるんですよねー
とのコメントもいただいた。

そういえば当ブログは川上教授自身については調べていなかったことを思い出して確認すると、確かに川上氏は「つくる会」の公民分野の編集座長だった。その川上氏が、それ以前には自衛隊による世論調査を追及し、今年は流行語「KY」の仕掛人になったとすると、この川上教授というのは「空気を読みすぎる」人物だということになる。

ちょっと前に、たんぽぽさんに「つくる会」の藤岡信勝の転向について教えていただいた。
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/pseudo/planet.html

ちょっとこれを思い出したのだが、藤岡氏の方がより原理主義的で、川上氏の方がより風見鶏的だといえるかもしれない。ただ、通底する言葉としてまたしても「ポピュリズム」という単語を連想する。

そういえば、「KY」が安倍晋三を貶める流行語だったから当ブログも意識的に無視してきたのだが、「KY」という流行語には、ポピュリズムに流されることをよしとする風潮を煽ることに寄与するという負の側面があることを本当は指摘しておかなければならなかったところだ。これが、安倍の在任中であればそれこそ「KY」なのだろうが(笑)、この一年を振り返る段階の昨日のエントリには少なくとも盛り込まなければならなかった。川上教授について全然調べていなかったことと合わせて、当ブログの昨日のエントリは安易な記事との謗(そし)りを免れないだろう。率直に反省したいと思う。

「空気を読め」というのは、容易に「ポピュリズムに流されろ」に転化しやすい。「ポピュリズム」というのは、もともとは現在の日本で用いられているネガティブな意味の言葉では必ずしもないのだが、ここでは慣例に従って、コイズミや石原慎太郎、東国原英夫らに見られる大衆迎合主義や大衆を煽動するやり方を指す意味で用いる。

その空気が、たまたま今年は安倍晋三のむき出しの改憲志向・戦前回帰に否定的で、かつ格差社会を作った「コイズミカイカク」に懐疑的なものだったから、その空気を読めなかった安倍が「KY」になったのだが、これが右翼言論や新自由主義言論の全盛期だった4〜5年前だったら、安倍に反対する方が「KY」になっていただろう。右翼論壇が今でも「記念日」として大事にしている「9・17」 (2002年のコイズミらの北朝鮮訪問)で頭角を現したのが安倍晋三だったことを思い出していただければよいと思う。あの頃には安倍らを批判しにくい空気があり、図に乗った安倍が土井たか子や菅直人を「間抜け」と言ったのに激怒したことが、昨日のことのように思い出される。

このように、流行語に対する批判的な視点も欠かせないのだが、性懲りもなく現在の空気に即して述べると、大阪府知事選への出馬を表明した橋下徹や、橋下支持の方針が伝えられる自民党は「KY」だといえそうだ。出始めたマスコミの調査では橋下への追い風は弱く、終始石原慎太郎が圧倒的な優勢を保ち続けた今年4月の東京都知事選とはずいぶん様相を異にする。伝えられるところによると、橋下は、コイズミ政権時代には「コイズミカイカク」をマンセーし、自己責任論を声高に唱えてきたそうだ。典型的な「強者の論理」に立つ人間といえる。また、橋下が出演しているテレビ番組「たかじんのそこまで言って委員会」は、視聴者に、さらに「下」の階層の人たちに対する嗜虐感を刺激して人気を得ている番組とのことだ。こういう番組が育んだ新自由主義の風に乗って芸能人として台頭したのが橋下徹だった。その橋下や自民党は、いまや急激な空気の変化についていけずに「KY」になっているように思う。橋下が、やしきたかじんに背中を押されて出馬を決意したことを明かした件に対しても、批判が集中している。

大阪府知事選で橋下が敗れれば、自民党には大きなダメージになり、自民党政治の終焉の日はいよいよ目前に迫る。


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