きまぐれな日々

先月末の衆院選のNHK開票速報で、いの一番に当確が報じられたのが岡山2区の民主党前職・津村啓介だった。津村に敗れた自民党前職の萩原誠司は、比例復活もならず、国会議員の座を失った。

今回の衆院選で、自民党の中国ブロックは、比例名簿1位に岡山3区の阿部俊子を記載し、2位と3位にはそれぞれ比例単独候補を置いたので、4議席を獲得した自民党同ブロックは、小選挙区での落選者が1人しか復活できず、それが広島4区の中川秀直だった。岡山1区や5区で民主党がもう少し頑張っていれば中川(女)も中川(酒)同様落選に追い込めたのだが、今回の選挙では近畿地方を除く西日本でアンダードッグ効果が起き、中国ブロックでも広島県以外では自民党が粘り腰を発揮し、中川(女)は九死に一生を得た。

しかし、小泉郵政選挙でさえ小選挙区で敗れた岡山2区の萩原誠司や同4区の橋本岳(故橋本龍太郎元首相の倅)には、比例復活などあり得ない。選挙の数か月前から、この2人は落選確実と見られており、実際そうなった。

このうち、萩原誠司は元岡山市長だが、2期目の任期途中の2005年、郵政民営化法案に反対した岡山2区の熊代昭彦元自民党議員への刺客として市長職をなげうって立候補した。結果は、小選挙区で熊代氏を追い落とすことには成功したが、民主党の津村啓介に敗れて比例復活で辛うじて当選したのである。あの郵政選挙でさえ小選挙区で負けるくらいだから逆風下の今回は当選がおぼつかなかった。

2005年の総選挙直前の様子を、熊代昭彦陣営から生々しく伝えているのが、熊代元衆院議員の娘さんが書いているブログ『岡山の青い空』である(下記URL参照)。
http://kumamusume.blog76.fc2.com/blog-entry-13.html
http://kumamusume.blog76.fc2.com/blog-entry-14.html

熊代氏は、今回の衆院選にも立候補したが3位と惨敗、落選した。選挙は民主・津村啓介氏の圧勝で、自民・萩原誠司は大きく引き離されて敗れ、自民系無所属の熊代氏はその萩原氏にも大きく引き離された。さらにその下に国民新党の赤松和孝氏が続いた。この選挙区では、自民系も民社国系も分裂選挙を戦ったのだった。熊代氏が同じ岡山の平沼赳夫を頼らなかった理由等々、細かい事情は知らない。

だが、少なくとも一つだけいえるのは、小泉郵政選挙で落下傘候補として比例復活で当選した萩原氏は、当然ながら「小さな政府」を支持し、「自己責任論」を訴える立場に立っていたと見なされることだ。

その萩原氏が、衆院選での自民党の敗因を分析するために自民党本部で開かれた「党再生会議」で、「何か仕事が欲しい」と訴えると、場内には寂しい笑いが漏れたという。
http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20090915163.html

元岡山市長で、小泉自民党の落下傘候補がこのざまである。萩原氏は岡山のハローワークに仕事を探しに行けば良い。そして、身をもって「自己責任社会」の厳しさを知るべきだろう。

一方、発足した鳩山由紀夫新内閣の支持率は、毎日新聞調査で77%に達した。毎日の調査では、小泉内閣には及ばないものの、細川護煕内閣を上回る数字だという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090917-00000096-mai-pol

毎日の数字は他社と比較しても特に高く出ているが、他社でも朝日新聞71%、共同通信72%などと軒並み高支持率をたたき出している。いずれも小泉より下で、細川内閣と同程度のレベルだ。

しかし、新内閣は早くも民主党の公約だった「政府会見を記者クラブ以外のメディアにも開放する」という方針を反故にしようとするなど、驕った姿勢を見せている。特に、平野博文官房長官が元凶らしい。週刊朝日の山口一臣編集長が厳しく批判している。
http://www.the-journal.jp/contents/yamaguchi/2009/09/post_90.html

内閣発足早々これでは先が思いやられるが、今後もこういう驕った姿勢を見せ続けるようでは、早晩内閣支持率は急落するだろう。有権者は自民党と麻生太郎に退場勧告を出しただけであって、鳩山由紀夫を積極的に支持した人は決して多くない。新内閣には謙虚さが必要だ。

それにしても、官房長官に平野博文とは、なんという人事だろうか。この男は松下(現パナソニック)労組の出身だが、私などどうしても新内閣の環境・エネルギー政策が気になるので、電機連合の消極的な姿勢が頭に浮かんで、嫌な予感にとらわれる。これは、他の多くのブログも指摘していることだが、誰しも気になることだと思うから当ブログも書かないわけにはいかない。平野博文を官房長官に据えるセンスでは、環境相に福島瑞穂を持ってくるような大胆な人事を鳩山首相が行おうはずもなかった。環境相の小沢鋭人は鳩山首相の側近である。何かと自民党政権からの変化を抑えようとする姿勢が目につく鳩山首相を思う時、大胆な環境・エネルギー政策の転換にもブレーキがかかるのではないかと危惧する。

自民党から奪い取った権力の座にあぐらをかいていたら、民主党の面々も次の総選挙のあとには、現在の萩原誠司と同じように、「何か仕事を欲しい」と党執行部に訴える醜態をさらす羽目になるのである。新内閣には、もっと緊張感が欲しい。


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9月に入った。今日は、いつもの朝ではなく、夜にブログを書いているが、予告通り今後は書きたいことがある時に更新する。これまでは、平日はよほどの場合を除いて毎日の更新を自分に課していたが、今後は毎日ではなくなるし、更新の時間帯も朝とは限らず、まちまちになると思う。

先月は読者の皆さまに多くのアクセスやコメント、ブックマーク、拍手などをいただいた。特に、選挙の結果を受けた昨日(8月31日)には、ブログ開設以来最多となるアクセスをいただいた。ブログの更新ペース変更についても、多くのコメントをお寄せいただき、管理人としては深く感謝するしだいである。当ブログは管理人にとって財産になっており、検索エンジン経由のアクセスも、7月から8月にかけてはかなりの数に達した。かなり前からだが、ブログで取り上げた対象が注目された時にはブログへのアクセス数が一時的に増えることによって、アンテナの役割も果たしている。そんな時には、その対象について新たな記事を書くこともあるだろう。そんなわけで、更新のペースは落とすけれども、ブログを閉鎖をするつもりは一切ない。またそのうち、切迫感に突き動かされて毎日更新するペースに戻す可能性だってないとはいえない。

選挙は民主党の圧勝に終わったが、別に革命的なできごとだとも思わないし、自民党があんな政党に堕してしまった以上当然の結果だから、興奮もしない。むしろ、私が投票した選挙区を含め、大部分の小選挙区で自民党と民主党の候補にしか勝つ可能性がなく、気に食わない自民党候補を落選させるためには、民主党候補に投票するしかなかったことに欲求不満が残る。そして、私自身がそうだったのだが、せっかく落選させたと思った自民党の候補者が比例区で復活したりするから、フラストレーションがたまるのである。それでも、私の選挙区では民主党候補がリベラルだったからまだましで、中にはコメントいただいたフリスキーさんのように、民主党候補が長島昭久だったりしたら、小選挙区は死に票を投じるしかなくなる。こういった不満を多少解消してくれるのが比例区だが、私の場合は比例区も最初から死に票になるとわかっている。このように、現行の選挙制度はとことん大政党に有利にできている。

昨日のエントリには、高速道路の無料化や環境エネルギー政策に関する興味深いコメンター同士のやりとりがあった。環境エネルギー政策というと、TBSテレビの「サンデーモーニング」で寺島実郎や金子勝がよく取り上げるのだが、その寺島氏は、今月中旬に総理大臣に就任する民主党の鳩山由紀夫代表のブレーンともいわれている。その寺島氏は、飯田哲也氏およびNHKの取材班との共著『グリーン・ニューディール―環境投資は世界経済を救えるか』(日本放送出版協会刊「生活者新書」、2009年)を最近出版している。私は日曜日、つまり総選挙の投票日にこの本を買ったが、まだ読んでいない。

ところが、ブログにいただいたコメントでぽむさんに教えていただいたのだが、飯田哲也氏が選挙期間中の終盤に「日経エコロミー」に公開したコラム「各党マニフェストを読む――総選挙後の環境エネルギー政策の行方<下>」で、自民党と民主党の高速道路に関する政策を、「3周遅れ」(自民党)vs「周回遅れ」(民主党)との争いだとして厳しく批判しているのである。ここらへんはなかなか面白そうなので、次回以降のエントリで取り上げてみたいと思う。今日は紹介のみにとどめておく。

実は、総選挙の終盤戦あたりから、ブログ開設以来初めてでもないけれど、「ブログ疲れ」に襲われたのも確かなのである。普段ならグリーンニューディールについて書かれた「生活人新書」を読み、飯田氏のコラムも読んで、気合を入れてブログを書くのだが、そこまで元気が戻っていない。しかし、今日は月初めの日だし(関東大震災の「震災記念日」でもある)、大量にいただいたアクセスやコメント、ブックマークなどへのお礼のエントリを上げておこうと思った次第である。

あとは、最近は公開していないが、月々のアクセス解析のまとめも行っていて、7月末以来先月末まで、城内実について書いたエントリへのアクセスが特に多かったことがわかっている。昨年11月の国籍法改正騒ぎの時に書いた、『テロ行為と極右政治家・城内実だけは絶対に許せない』(2008年11月20日付)は、古いエントリなのに、ここ1か月あまりの間に、1万2千件以上のアクセスを集めた。これは、当ブログとしては過去に例のない特定エントリへの集中的なアクセスだった。城内実について取り上げて多くのアクセスがあったのは当ブログだけではなく、国籍法改正当時の城内実のブログ記事についた「はてなブックマーク」でも城内は集中砲火を浴びたし、ネット右翼が多く集まるといわれる巨大掲示板「2ちゃんねる」でも、眞鍋かをりさんの写真を用いたポスターの件で、城内実は擁護をはるかに上回る批判や罵倒を受けた。しかし、これらネットでの城内実批判は、静岡7区の選挙結果に何の影響も与えなかった。選挙終了後、新たに加わった「はてブ」コメントを見ると、

こんな差別主義者が当選したとは……こういう記事こそ、テレビで報道すべき。

とか、

ああ、静岡7区の当選者どっかで聞いたような気が…と思ったらやっぱりこいつだったか。/ こんな奴がだんとつで通るんだもんなー。

などと書かれているが、残念ながらネットの影響力など、テレビとは比較にならないほど小さい。今回の総選挙での民主党勝利にも、民主党支持ブログの果たした役割など無視できるほど小さいと私は考えている。小泉郵政総選挙の時には、熱狂的に小泉自民党を支持した「2ちゃんねる」や、当時次々に現れた政権支持の立場に立つブログの影響力がどんどん増していくように思われたが、その後は必ずしもそうなってはいない。郵政総選挙当時、「チーム世耕」と呼ばれた自民党のネット工作部隊も、おそらく担当者や外注先が変わったのだろうが、鳩山民主党を誹謗中傷するくだらないアニメを作って逆に自民党への票を減らす役割しか果たさなかった。

そんなわけで、今後は今までほどブログにしゃかりきにはなれないだろうとは思うが、もちろん今後もブログは継続するので、読者の皆さまにご愛顧いただければ幸いである。


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衆院選は予想通り民主党が圧勝し、「政権交代」が起きることになった。自民党の下野は、1994年以来15年ぶりとなる。1994年に自民・社会・さきがけの連立政権が成立した時は、自民党もついに社会党と組まざるを得なくなったか、と思い、まさかその後15年間も政権与党の座を守り続けるとは思いもよらなかった。特に、2001年の小泉純一郎政権以降、日本は政治も社会もガタガタになってしまった。新政権は、日本を立て直す重大な責務を担うことになる。菅直人もしばらくは四国遍路の続きをする暇などないに違いない。

自民党は119議席に議席を減らした。83人いた「小泉チルドレン」は10人を残すだけとなった。公明党は小選挙区の全候補者が落選するなど21議席にとどまり、共産党(9議席)と社民党(7議席)は現状維持、国民新党は1議席減の3議席にとどまった。「みんなの党」が1議席増の5議席、新党大地は現状維持の1議席、新党日本は田中康夫が当選して1議席、平沼グループは3議席、その他無所属が3議席(うち連立政権系が2議席)を獲得した。

小選挙区制が極端な結果を招くことは、今さら書くまでもないのでくどくどとは述べない。問題は、「政治改革」論者がもくろむような「(民主党と自民党による)政権交代可能な二大政党制」ができあがったといえるのかということだ。今回、自民党にどんな政治家が残るのか、私は注目していたが、結局残ったのは世襲議員と右翼議員ばかりだった。私は、無所属を含めて、当落線上にいるといわれた8人の右翼候補の当落に注目していた。町村信孝、中川昭一、稲田朋美、森喜朗、野田聖子、高市早苗、平沼赳夫、鳩山邦夫。彼らのうち、落選したのは「もうろう会見」で不信を買った中川昭一だけだった。安倍晋三、麻生太郎、城内実などは余裕の楽勝だった。投票日の朝、朝日新聞7面に載った自民党の全面広告には、日の丸と思しきグレーに塗りつぶされた円をバックに、「日本を壊すな。」と大書されていたが、日本をぶっ壊したのは自民党政権だったのだから、「お前が言うな」と言いたくなる。広告の文面も、「偏った教育の日教組に、子供たちの将来を任せてはいけない。」などと書かれているが、自民党はかつての国民政党から、ひどいイデオロギー政党に落ちぶれてしまったんだなあと思う。イデオロギーにばかり走って国民生活にかかわる問題をないがしろにした自民党が嫌われていることを何もわかっていない。そして、自民党をガタガタにした森喜朗、安倍晋三や麻生太郎が残り、世襲の小泉進次郎が当選し、小泉チルドレンの中でも極右の稲田朋美が生き残り、6年前の選挙でさえ落選した高市早苗が比例復活とはいえ議席を守った。落選濃厚と見られた野田聖子や小池百合子も、土壇場で比例復活を果たした。自民党が次期総裁に誰を選ぶのかはわからないが、残っている議員の顔ぶれから考えて、たとえ清和会以外から総裁が出たところで、自民党の右翼イデオロギーむき出しの体質は変わらず、党勢の急回復は望むべくもないだろう。

それにしても、自民党最大の敗因は、麻生太郎を総裁として選挙を戦ったことだろう。麻生というと、野中広務に対する差別発言で悪名が高いが、最近出た野中広務と辛淑玉の共著『差別と日本人』(角川oneテーマ21, 2009年)の中で、野中広務は、

麻生太郎が、(2001年)3月12日の大勇会の会合で「野中やらAやらBやらは部落の人間だ。だからあんなのが総理になってどうするんだい。ワッハッハッハ」と笑っていた

と書かれた手紙を受け取り、この真偽について自民党の政治家たちに聞いたところ、のち国民新党に転出した亀井久興が、確かに麻生がそうした発言をしたと証言したことを明らかにしている。

これは、おそるべき発言であって、「あんなのが総理になってどうするんだい。ワッハッハッハ」というのは、麻生太郎自身に向けて発せられるのが相当の言葉だ。しかし、自民党はそんな麻生太郎に国民的人気があると勘違いして、麻生を総理大臣にして選挙を戦って惨敗した。これは、解党に値する知性の劣化というほかなく、私は自民党が119議席もとったのは議席の与え過ぎだと思う。自民党と民主党の二大政党制など幻であり、今後の日本の政治は多党制へと移行しなければならない。

それにしても、こんなひどい差別意識を持つ麻生太郎を易々と当選させてしまった福岡8区の有権者には呆れるばかりだ。同じことは、国籍法改正に関して、差別意識むき出しの醜いブログ記事を書いた城内実を圧勝させた静岡7区の有権者についてもいえる。これでは、日本人というのは差別に鈍感な民族であると言われても仕方がない。麻生太郎や城内実らの差別主義者を落選させることは、次回総選挙の課題として残ってしまった。

今回、有権者は民主党の圧勝をもたらしたが、懸念していた通り保坂展人(社民党)や亀井久興(国民新党)を落選させてしまった。かつてコイズミの郵政民営化に熱狂したと同じ人たちが、今回は「政権交代」の風に流されたのだからどうしようもないが、今回の選挙結果をもって有権者の民度が向上したなどとは間違ってもいえない。

最後にマスコミの予想と結果との関係だが、北陸・中国・四国・九州や青森県などではアンダードッグ効果が見られたが、都市部では逆にバンドワゴン効果が起きた。福井県と高知県では自民党が全勝し、このうち高知1区は橋本大二郎と民主党候補が票を食い合ったための漁夫の利だったが、福井1区の稲田朋美が小選挙区で当選したのには失望させられた。四国では小選挙区で自民党が民主党の5議席を上回る8議席を確保し、地元メディアを握る香川1区の平井卓也をまんまと復活当選させてしまったし、中国地方では広島県以外の4県で自民党はすべて小選挙区の議席を守り、民主・国民新の計9議席を上回る計10議席(平沼赳夫を入れれば11議席)を獲得したために、せっかく小選挙区で落選させた広島4区の中川秀直を比例で復活当選させてしまった。石川2区の森喜朗の当選を含め、北陸・中国・四国は自民党の極悪議員にとどめを刺し損ねた結果が目立った。もっとも、こうした地方の自民党の「最後の抵抗」が、かえって自民党の復活を難しくするかもしれない。地方の有力者との結びつきと右翼イデオロギーを特徴とする政党に明るい未来があるとはとても思えず、今後とも自民党の党勢は衰える一方であると考えるべきだろう。今回の下野で、公明党との提携が解消されるのも自民党にとっては痛く、自民党は今後万年野党に甘んじることになるに違いない。

あと、小政党も今のままでは将来は暗い。特に、ほとんど主張が変わらない社民党と共産党が別々の党であるために大きな無駄が生じていることを今回ほど強く感じさせた選挙はなかった。このまま民主党がもくろむ「比例区定数削減」なんかをやられたら、両党は事実上消滅するだろう。今後の政治のあり方として、民主党にブレーキをかけるべきは、自民党ではなく社民主義勢力であると私は考えており、そのためには今回以上に自民党を衰退させて、社民主義勢力を育てる必要がある。それには、社民党や共産党自身が変わる必要もあるのではないかと強く思うものである。


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第45回衆議院議員総選挙の開票が始まった。

NHKの出口調査では、各党の議席数予測は以下のようになっている。

自民党 84?131議席 → 119議席
公明党 12?36議席 → 21議席
民主党 298?329議席 → 308議席
共産党 7?18議席 → 9議席
社民党 4?15議席 → 7議席
国民新党 3?6議席 → 3議席
みんなの党 3?10議席 → 5議席
新党大地 0?2議席 → 1議席
新党日本 1?2議席 → 1議席
改革クラブ 0議席
幸福実現党 0議席
諸派・無所属 4?8議席 → 6議席

とりあえず、与党の惨敗と「政権交代」は確実な情勢だ。


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衆院選の選挙戦は、今日(29日)午後8時で終了する。かつて、2001年の参院選の選挙戦終了時、当時岡山に住んでいた私は、たまたま山陽本線のとある駅前を通りがかり、選挙運動を終えた瞬間、民主党陣営の人たちがみな、やるだけのことはやったという達成感や満足感と虚脱感の入り混じった表情を見せたことを印象深く思い出す。しかし翌日の開票速報で、全国で最も早く伝えられたのは、対立候補だった自民党・片山虎之助の当確だった。その片山は、6年後にまさかの「姫の虎退治」によって討ち取られてしまう。片山を討ち取った姫井由美子は、さらにその1年後に「改革クラブ」に参加しようとして果たせなかった。今頃は、あの時改革クラブに行かなくて良かったと思っているだろう。

今回も、どんなに劣勢に追い込まれている陣営も、8年前の参院選における岡山の民主党陣営のように、最初から全く勝ち目のない戦いを展開している陣営も、戦っている人たちはみな必死で、終わった時には達成感や満足感や虚脱感を持つことだろう。8年前、正直言って私は、どうせ勝ち目のない戦いなのに空しさは感じないのかなあと思ったが、私が間違っていた。余裕の戦いぶりを見せていた岡山の自民党はその後弱体化し、「郵政総選挙」でさえ2区と4区を落とした(比例で復活)。岡山はその後も「姫の虎退治」の舞台となったし、今回の衆院選では、元自民党の大物・平沼赳夫が岡山3区で接戦になるという驚くべき状態を現出させている。岡山4区で情勢が思わしくないとされる橋本岳の父・故橋本龍太郎元首相は、かつてほとんど地元入りなどしなかったと聞くし、今回、岡山3区からは「平沼さんはこの4年間いったい地元のために何をしてきたのか」という声が聞こえてくる。一方、その平沼赳夫のグループにいる静岡7区の城内実は、4年間ドブ板に徹してきた。だから、国籍法改正をめぐっておかしなことをブログに書いても、ポスターをめぐる変な問題が起きても、城内実の優勢がびくともしなかった一方、無風に油断していた平沼赳夫が思わぬ苦戦を強いられているのかもしれない。もちろん、城内実が地元メーカーの支援を受ける一方、小沢一郎の肝煎りで岡山県のコンビニ業界の組合が民主党支援を打ち出したとされる件の影響などもあるのだろうけれど。

城内実は、ネットにおいて、左派というか「反グローバリズム」を気取る人たちからの人気が高いが、彼らは選挙の情勢が城内実は優勢なのに平沼赳夫は思わしくないと見るや、巨大掲示板で平沼赳夫を邪魔者扱いし始めた。私はこれを、『kojitakenの日記』に記録しておいた(下記URL)。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20090828/1251448524

ネットにおける支持者の質などかくのごとしである。おそらく、彼らは城内実の後援会とは何の関係もなく、単に一部の城内実応援ブログに感化されているだけなのだろう。もちろん、城内実応援ブログは平沼赳夫の悪口など書かず、平沼赳夫を応援するスタンスをとっているが、ブログを書いて意見を発信する側はそれなりに筋が通っていても、それを読んで感化される連中は、排外主義にかぶれ、「悪徳ペンタゴン」の言説にかぶれ、「内外タイムス」の飛ばし記事を妄信するなどして、「ひいきの引き倒し」をしたあげく、結局自ら支持しているはずの政治家をスポイルしてしまうのである。城内実も、衆議院議員への返り咲きは確実だろうから、これを機に周囲の人たちやネットとのかかわり方を見直した方が良いと思う。国会議員としての軽挙妄動は、それこそ政治家として命取りになりかねないからだ。

当ブログは、もちろん衆院選が終わっても更新は続けるが、これまでのように平日は毎日更新するペースは改め、書きたいことが生じた時に新しいエントリを公開することにしたいと思う。「書を捨てて街に出よう」という言葉があるが、私は、「書」さえ読み足りていないので、「ネットを捨てて書を携えながら街に出よう」というのを新たなモットーにしたい。とは言っても、「書を捨てて街に出よう」と言う人が、実際には書を捨てないと同じように、私もネットは捨てないが、これまでのようなかかわり方は改めたいと考えている。

私がなぜブログで政治のことなどを書くようになったかというと、「郵政総選挙」以前には、あんなバカバカしい小泉政権なんかは、誰かが止めてくれるだろうと思っていたのに、あんな信じられない結果が生じてしまったからだ。もちろん、「郵政総選挙」以前に立ち上がっていた先人もいるし、「郵政総選挙」の情勢があまりに自民党優勢だったために、選挙期間中の投票日直前にブログを立ち上げた先人もいる。そして、選挙結果に危機感を抱いてブログを立ち上げた人たちは大勢いて、そんな中で2006年4月になってようやくブログを立ち上げた私は、ブログを立ち上げてから1年間くらいは、「後発組」として引け目を感じていたものである。

結局、ブログ開設から3年4か月が経って、その影響力が限定的であることだけはわかった。政治ブログの運営は、コストパフォーマンスが良いとは決して言えない。少し前にブログの意見に反対するコメンターたちとやり合った時、ある方が当ブログ管理人を弁護して、「ブログで毎日政治的な意思表示をするのはエネルギーが必要だ」と言ってくださったことがあり、私はそれに大変感謝しているが、確かにかなりのエネルギーが必要なのである。現在予想されている民主党の独り勝ちは、必ずしも私の望む姿ではなく、もっと左右を問わず小政党(極右や自民党との連携を志向する勢力を除く)が伸びてほしいし、それを阻害する民主党の「衆院比例区定数80削減」を阻止する戦いは今後も継続しなければならないと思っているが、それでも自民党・公明党の下野を機に、ブログに割く労力はある程度削減することにしたい。

それにしても、「野党共闘」のスローガンを掲げていた一連のブログが、民主党の主張する比例区定数削減問題を見て見ぬふりをし続けたのは残念至極であって、結局彼らの行動原理は「長いものに巻かれよ」以外の何物でもなかったことの証左だ。いくら、「小さな政党こそ共闘魂を発揮せよ」と叫んだところで、小政党の議席獲得を邪魔する民主党の比例区定数削減に賛成しているのでは、小政党に対して、大政党である民主党に「小異を捨てて付き従え」と強要する「上から目線」の議論に過ぎない。真に彼らのなすべきことは、共闘に参加しない共産党やその支持者を批判することではなく、民主党の「数の横暴」(比例区定数80削減の主張)に反対しない民主党支持者を批判することだろう。彼らは「庶民目線」を強調するが、庶民とは「郵政総選挙」で自民党をバカ勝ちさせたり、今回の選挙で民主党に票を集中させて、保坂展人、阿部知子(社民党)や亀井久興(国民新党)ら、真に日本にとって必要な政治家たちを見殺しにしかねない存在でもあるのだ。

いずれにしても、間違いなく民主党を中心とした政権が成立する。新政権は、情報公開についてはこれまでの政権よりは期待できるが、「なんとかしてくれそう」という幻想は通用しない政権である。民主党の新自由主義的な体質も、必ずしも悪いところばかりではなく、市民の政治参加を促す側面も持っているのだろうけれども、市民が何もしなければ、たとえば「地方分権」などは、既得権を持っている腐敗した地方の有力者が、これまで以上に好き勝手をするだけに終わってしまう。実際、地方を衰退させた小泉構造改革に、これら地方の有力者は反対しなかったどころか積極的に支持さえした。東国原英夫の真の狙いも、利権の拡充にあった。だから、これからは「なんとかしてくれそう」という発想を捨てない限り、日本の政治も社会も人々の暮らしも、決して良くならないと思う。話し言葉は必ずしも得意ではないが文章を書くことは好きな私にとっては、ブログを書くことが「なんとかしてくれそう」を脱却するための試みの手段だったし、現在の情勢を見て、「これではいけない」と危機感を持つ方は、新たにブログを開設されるのも良いと思う。ただ言えるのは、ブログを開設するにせよリアルで活動するにせよ、誰かが「なんとかしてくれそう」という発想だけは捨てた方が良いということだ。

その「なんとかしてくれそう」を脱却する第一歩が、衆議院選挙に投票することだ。まず一票を投じて意思表示をするところから、すべては始まる。


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昨日(27日)、期日前投票を済ませてきた。昨年9月1日に当時の福田首相が辞意を表明して解散政局になり、政治空白が延々と続いたあげくに、断末魔の叫びのような自民党による民主党へのネガティブキャンペーンが最後に来て、やっと有権者の審判が下る。まったくもってひどい1年間であって、あっという間に過ぎたともいえるが、反面思い返してみると実に長かった。

郵政総選挙で水ぶくれした自民党議員たちは、ろくなことをやってこなかった。今回の総選挙は、おそらく今後「政権交代選挙」とでも呼ばれるのだろうが、今度は民主党議員たちが水ぶくれすることになる。なにしろ全員に近い候補者が当選するといわれているのだから、その中には使えない政治家たちもかなりの数いるだろう。だからといって自民党に生き残ってほしいと思う政治家は数えるほどしかいない。巨大掲示板を見ていると、「4年前と今回の選挙で、国民は小選挙区制の面白さを知ってしまった」などと書いている者がいるが、冗談じゃない。前回生まれたバブル国会議員たちは今回葬られるが、新種のバブル国会議員たちが生まれる。玉石混交のその中から、日本を背負って立つ本当の政治家が出てくるのだろうが、小泉チルドレンたちからそんな者が出てきただろうか? まさか、チルドレンにしては珍しく小選挙区で競り合っている稲田朋美なんかの名前を挙げるんじゃないだろうな。間違いなく復活する無所属の城内実らともども、右派民族主義系の政治勢力が残るだけだったら、その間自民党は何をやっていたのだということになる。あるいは、選挙でどうなるのかは知らないが、中川秀直や小池百合子などの新自由主義改革派がこれからの日本に必要だというのか? 彼らは国民に絶望しか与えなかったではないか。

これまた選挙の情勢が怪しい与謝野馨が、大勝するであろう民主党の「一党独裁」を懸念しているというが、これにも違和感がある。与謝野馨自体、これからの日本にとっては必要のない政治家だと私は考えているが、「政権交代」の実現だけで結集した民主党は寄せ集め政党であり、成員の主義主張はさまざまで、そんな政党の「独裁」と言われても、疑問符が浮かぶばかりなのだ。ただ言えることは、小選挙区の恐怖があるために執行部には逆らいづらいことで、誰の目にも明らかなのは、民主党の実質的な支配者は小沢一郎だということだ。70年代後半から80年代前半にかけて、「闇将軍」と言われた田中角栄を思い出す人も多いだろう。西松事件で代表の座を退いた小沢一郎の時代は終わった、と見る向きもあったが、そうはならなかった。今展開されているのは、かつて自民党内で展開されていた経世会と清和会の抗争が、民主党と自民党に分かれて続いている光景だ。清和会の流れは、前世紀には岸信介と福田赳夫が、それぞれそう長くない期間政権を担っただけだったが、2000年の森喜朗内閣以来、延々と清和会の時代が続いた。麻生太郎はもとは違うけれど、実質的に清和会の傀儡(かいらい)だった。闇将軍が森喜朗だったのでは、日本の政治がガタガタにされたのも当然だろう。

本屋には、まだ今月上旬に発売された月刊誌が売られていて、中曽根康弘と渡邉恒雄(ナベツネ)が対談して「自民党は150議席を切ったら永久野党になる」と言っている記事が載っているようだ。結構なことではないか。中曽根は、清和会とは別の流れだが、本質的にはイデオロギー政治家だし、新自由主義改革でも日本に爪あとを残した。「大勲位」などと祭り上げられている政治家だが、中曽根政治の否定的総括なくして日本の復活はあり得ないと私は考えている。

右派民族主義系の人たちから、よく「くだらない右や左のイデオロギーにとらわれている」と批判される当ブログだが、そんなことを言う人に限って右派イデオロギーが強烈で、国民の関心が極めて低い、民主党の「日の丸つなぎ合わせ事件」などにこだわり続ける。イデオロギー色の薄い人たちから、当ブログが「左右のイデオロギーにとらわれ過ぎている」という批判を受けることはほとんどないことも言い添えておこう。

とにかく、清和会的イデオロギー政治はもう要らない。生き残りが予想されている自民党の政治家の中には、そうでない人たちも多く、一部は新自由主義者で残りが保守本流といったところだと思うが、選挙後に行われる自民党総裁選の結果によっては彼らは身の振り方を考えるべきではないか。

清和会的イデオロギー政治家たちは、せいぜい右翼版の「たしかな野党」でも作ってはどうかと思う。彼らが2000年以降の9年間、日本をズタズタにしてきたことへの審判が下るのは明後日である。


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いよいよ総選挙の投票日まであと3日となった。政権交代はほぼ確実だ。国政選挙の本選としては、一昨年の参議院選挙以来、2年ぶりとなる。その参院選に続いて今回の衆院選でも民主党の勝利はほぼ間違いなく、来月に新政権が誕生することになるだろう。

しかし、一昨年の参院選では、投票日に向けて高揚感や緊張感があったのに対し、今回はそうではなく、むしろ重苦しい気分に支配されている。それは、政権交代後に来るものについて、必ずしもポジティブなばかりのイメージを持ち得ないからだ。

3年4か月前に私がブログを始めたきっかけとして、その前年の「郵政総選挙」における小泉自民党の圧勝と、その後に来ると予想された安倍晋三後継路線への強い反発があった。私は小泉純一郎の新自由主義政治に対しても、安倍晋三の政策として予想され、実際その通りになった改憲一直線の極右政治に対しても、ともに強い反感を持っていた。はるか昔の高校時代に、社会民主主義者だった政治経済の教師に影響を受けた私は、昔から護憲派であるとともにサッチャーやレーガンの就任当時から彼らに対して批判的な意見を持っていたが、その後の社会人生活においても、新自由主義化がもたらしたバブルの生成と破裂の波の影響をもろに受け、90年代後半には新自由主義を呪詛する立場に立っていた。大手企業に勤務していた方の中には、同様の経験をお持ちの方も少なくないだろう。私には90年代に大病を患った経験があるが、そのような劇的な災厄に見舞われるケースの他に、強いストレスによってうつ病を発症するケースも多く、いまやうつ病は日本人(や韓国人など)の国民病といえるのではないだろうか。

早くからグローバル経済の波を受けてきた人間にとっては、小泉改革など鼻で笑うしかない代物だったのだが、小泉政権が成立した2001年の時点では、そこまでの荒波にさらされていなかった日本人が多かったらしく、小泉が叫ぶ「痛みを伴う改革」を、皆嬉々として受け入れた。大怪我を負った貴乃花の優勝に、「痛みに耐えてよく頑張った! 感動した!!」と絶叫している小泉を見ながら私が考えていたことは、おそらく貴乃花はこの怪我が元で引退に追い込まれるだろうなということと、もしそうなっても小泉は何もしないだろうなということだった。そして、その予感は現実のものとなった。

あの時、田中真紀子が小泉を応援したこともあって、小泉内閣は空前の高支持率を記録した。小泉や田中真紀子への批判が許されないような空気が形成された。今回もその田中真紀子が民主党入りしたニュースを聞いて、ああ、また8年前のようなことになるのかなと思った。8年前、民主党代表を務めていた鳩山由紀夫は、小泉と改革競争をすると言って小泉に共闘まで呼びかけたが、その鳩山由紀夫が首相になる。そして、国債の増発はしないと言って、財政再建に注力する意向を鳩山由紀夫が口にしたニュースを聞いて、これじゃ小泉政権発足当時の再現じゃん、と思ってしまったのである。これでは、散々な痛みを蒙ったこの8年間の日本社会の経験が無駄になってしまう。民主党政権への批判はほとんど支持されないだろうから、まさに小泉フィーバーの再現が予想される。これでは、重苦しい気持ちにもなってしまおうというものだ。

今回の選挙戦前に、共産党は「自民も民主も同じ」として批判してきた方針を改め、成立が予想される民主党政権に対しては是々非々で対応することを言明した。私は、民主党の一部に改憲志向が見られるほかに、同党がともすれば新自由主義に接近する傾向が強いことを危惧しており、共産党にはできるだけ多くの議席を獲得してもらって、民主党のネオリベ化に歯止めをかけてもらいたいと思っている。

そして、連立政権内で民主党のネオリベ化に歯止めをかける役割を期待したいのが、国民新党と社民党である。ただ、両者を比較した場合、護憲や環境・エネルギー政策においてはブログ管理人は社民党に立場が近いけれども、社民党もまた小泉政権発足当時は「改革」という言葉をポジティブな意味合いで用いていた、否、4年前の「郵政総選挙」の時でさえ、福島瑞穂党首の顔写真が大写しになった社民党のポスターには、「国民を見ずして、改革なし」という文字が躍っていた。民主党政権のネオリベ化を阻止する役割に限って言えば、社民党より国民新党の方が頼りになる。

いずれにせよ、内閣に参加せず、野党の立場から連立政権を牽制する共産党を含めて、社民党や国民新党にも適度な議席配分を行うことによって、民主党政権に歯止めをかける選択をしたいものだと考えている。

なぜこんなことを書くかというと、いうまでもなくマスコミが行った選挙の情勢調査で、民主党の圧勝が予想されているからである。最新の朝日新聞調査では、民主党の予想獲得議席が下限307議席、中心値321議席、上限330議席に達している。330議席というと、候補者全員の当選を意味する。この場合、民主党の候補者の不足が生じ、民主党に投じた票が自民党を中心とする他党に回ることになる。

自民党は中心値103議席(89?115議席)の予想で、3分の1近くまで議席を落とすと見られており、公明党も議席を減らして24議席(18?30議席)程度にとどまると見られているが、共産党は現状維持の9議席、社民党は前回よりやや持ち直したものの2議席増の9議席、国民新党は現状から1議席減の議席が中心値として予想されている。新党大地は現状維持の1議席(最大2議席)、議席獲得が困難視されていた新党日本も、1議席(最大2議席)獲得の可能性が出てきた。政権に加わらないと見られる勢力では、みんなの党が現状維持の4議席、改革クラブは現有の1議席を失い、無所属は平沼グループの3議席(2議席増)を含む5議席の獲得が予想されている。以上からわかるように、民主党以外の政党で勢力を大きく伸ばすところはない。平沼グループは、元職2人の返り咲きが確実視されるが、平沼赳夫が公示直前に立候補を決めた西村啓聡(民主)と競り合いになっており、グループの長自身が落選する可能性がある。

今回の選挙戦で、民主党の圧勝がマスコミで予想されても、それが民主党になびく有権者の投票行動に歯止めをかける「アンダードッグ現象」が起きず、逆に民主党へと票が集中する「バンドワゴン現象」が起きるのは、それだけ自民党が有権者の強い嫌悪の的になっていることのあらわれだ。私も、票が自民党に流れないこと自体は、歓迎すべきことだと思う。ただ、昨日のエントリで書いたように、自民党で選挙戦を有利に進めている数少ない候補の中には、安倍晋三と麻生太郎が含まれていることが私には気になる。歴代の自民党総理大臣の中でも、もっとも質が低いのがこの2人だと私は考えているからだ。神奈川11区の小泉進次郎には、さすがに落選の可能性があるようだけれども。

民主党以外の野党に票を流すことによって民主党に歯止めをかける動きは、特に朝日新聞の予想する社民党の予想獲得議席数が、前回調査より増えていることからうかがわれる。これは、マスコミの情勢調査を知った有権者が投票行動を見直したこともあるだろうが、全国を回っている小沢一郎の戦術も効いているのではないかと私は思っている。当ブログは読者に特定の投票行動を勧めたりはしないが、東京ブロックにおける保坂展人(社民党)、南関東ブロックにおける阿部知子(社民党)、中国ブロックにおける亀井久興(国民新党)などは、個人的に是非とも議席を守ってほしいと思う候補者たちである。実績のあるこれらの候補者たちは、必ずしも議席獲得の目処が立っているとは言い難い。当ブログ管理人は、社民党や共産党との政策一致度が高いことは、ブログの右側カラムに示した毎日新聞「えらぼーと」の結果から明らかだが、国民新党というと、日本会議ともつながりのあるタカ派のイメージを持たれる方も多いだろう。おそらく、同党の中心人物である亀井静香がかつて自民党でも右派とされた旧中川(一郎)派に属し、現在でも日本会議のメンバーであることからきているのだろうし、小泉政権時代には亀井静香は「抵抗勢力」として悪役のイメージが強かった。現在では、その小泉改革自体が格差を拡大して国民生活を壊したという評価がほぼ定着しているが、憲法や外交・安全保障問題に関して国民新党の候補者はいかなるスタンスをとっているかを「えらぼーと」の結果から見てみよう。

まず憲法問題(9条関係)を問う第1?3問。

0908_えらぼーと_国民新党1

候補者によって、核武装も視野に入れたタカ派から、9条改憲にも集団的自衛権の政府解釈見直しにも反対するハト派までいるが、島根2区の亀井久興と鹿児島3区の松下忠洋の2人は、憲法9条改正にも集団的自衛権の政府解釈見直しにも反対しており、はっきりしたハト派といえる。特に、小沢一郎をはじめとして民主党に結構いる、9条改憲には反対だが集団的自衛権の政府解釈は見直すとする「解釈改憲派」とは違って、正真正銘の「ハト派」であることは強調しておきたい。

続いて、外交姿勢を問う問18?20の3問。

0908_えらぼーと_国民新党2

ここでも、アフガン派兵にはっきり賛成しているのは、熊本4区の松永真一と東京25区の真砂太郎だけである。「えらぼーと」への回答を見ると、国民新党の候補者の中でも、亀井久興はもっともハト派の候補者といえる。一方、これらの問いにほとんど答えていない岡山2区の赤松和隆は、核武装についてのみ「情勢次第で検討する」と答えている。岡山2区は、民主党候補がいるのに国民新党も候補を立てた選挙区になっており、同区の有権者で反自公の意見を持つ方の中には、赤松候補に良い印象を持たない方が多いと思うが、赤松候補は当選の望みがほとんどない一方、比例区で国民新党に投票することは、朝日新聞の情勢調査でも島根2区で苦戦が伝えられる亀井久興候補を救済することにつながる可能性がある。

おことわりしておくが、私は中国ブロックの読者の方に、「比例区は国民新党に」などと勧めているわけではない。実際、朝日新聞の情勢調査を読むと、従来絶望的と考えられていたこのブロックにおける共産党の議席獲得の可能性も出てきたようだ。閣外から連立政権を牽制することを重視したければ共産党に、連立政権内での牽制力を重視したければ国民新党に、いや、そんな戦略より民主党や社民党を支持しているんだと仰る方は、それぞれの支持政党に投票すれば良いと思う。もちろん、読者の中には自民党や公明党、あるいは「みんなの党」などを支持される方もおられるだろうから、それぞれの支持政党に投票すれば良い。ただ、戦略的投票行動の一例を示してみただけである。私が望む中国ブロックの選挙結果については明記はしないし、繰り返すがこの記事は特定の候補者や政党への投票を推奨するものでは一切ない。また、本エントリで取り上げたのはあくまでも中国ブロックの例であって、たとえば東京ブロックや南関東ブロックでは、戦略的投票行動は、ここで書いた例とは異なる形になることはいうまでもない。

ただ、ことほどさように現行の衆議院の選挙制度は厄介なものである。しかし、民主党がもくろむ比例区の定数削減が実現すれば、このように小政党の議席ををなんとか増やそうとする努力さえできなくなってしまう。

それでもあなたは民主党の主張する「衆議院議員の比例区定数80削減」を支持しますか、と、これだけははっきり読者の皆さまに私から問いかけたい。


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明日(27日)、朝日新聞に総選挙の「中盤の情勢」が掲載されるそうだが、今朝の同紙4面に掲載された「編集委員座談会」で、テレビ出演で有名な星浩編集委員が「揺り戻しはない」と断言している。おそらく、明日掲載される情勢調査結果も、これまでの民主党圧勝の流れから大きく外れるものにはならないだろう。

座談会は、これまで朝日新聞で「政治改革」の旗を振ってきた早野透、星浩両氏に、坪井ゆづるという編集委員が加わっているが、坪井氏は自民、民主両党の政策を「ばらまき」と批判しており、民主党政権成立後、朝日新聞的・財務省的スタンスから政府・与党(民主党)を批判する急先鋒に立つことになるのかもしれない。早野氏は、麻生首相の第一声は「おわび」から入った、これでは選挙にならないと自民党をバカにし切っているし、星氏は、「判官びいき」は負けている方にも何か理があって、かわいそうだから起きる、と自民党の「自業自得」だと言っている。間違いなく民主党シンパであると思われる両氏は、中盤にして大差がついた選挙戦を眺めながら、早くも勝利の美酒に酔っているかのようだ。

星氏は、自民党には「政権にいるから応援する人」と「政治家個人のファン」の2種類がいるが、前者は情勢が悪くなって一気に逃げている、とも指摘する。ネットでもよく指摘される「媚権」の人たちのほか、現実問題として与党とのパイプを構築しなければ生活に差し障りが出る人たちがいて、そうした人たちが自民党を見放すのは当然といえるだろう。星氏と早野氏は、政官業癒着に頼れなくなった自民党が総裁選でどんな指導者を選ぶのかまで推測しており、加藤紘一、谷垣禎一、石原伸晃、舛添要一らの名前を挙げている。私はそのリストに石破茂の名前も加えたい。

しかし、今自民党があてにしているのは、上記のような政治家たちを支持する有権者ではない。同じ朝日新聞の2面には、自民党がネットで展開している民主党に対するネガティブ・キャンペーンの記事が出ていて、自民党が作成したネガキャンアニメが、既に60万回再生されたと報じている。なんでも、自民党のネガティブキャンペーンには過去の実績もあり、1996年の総選挙では消費税率3%引き上げを主張していた新進党を自民党が新聞の全面広告で「新進党は、本当は何%ですか」と批判して、これが効いて新進党は選挙で議席を減らしたという。

朝日新聞にコメントを出している石澤靖治・学習院女子大教授は、「今回のネット広告も一定の効果がある」と言っているが、いかに麻生太郎首相の母校の系列大学に勤務しているからといって、あまりに自民党寄りの見方だろう。今回は、自民党の方が「4年間消費税率を引き上げない」と言っている民主党を批判しているのであり、自民党の方が負担増を求める立場だ。それに、多くのネット住民が指摘しているように、今回の自民党のネガキャンはあまりにも下品である。それでなくとも「責任力」をキャッチフレーズにしている麻生首相に対して、「お前が言うな」というのが国民の一般的な受け止め方ではないかと思う。

とはいえ、ちょっと気になるのは、今回の選挙戦を通じて、極右候補にはどうやら一定の人気があるらしいことだ。たとえば、自民党候補の中でもっとも楽な戦いを展開しているとされるのは山口4区の安倍晋三であり、その次が福岡8区の麻生太郎だ。同じ「ダメ総理三人組」の中でも、安倍や麻生ほどタカ派色を鮮明にせず、それどころか安倍の極右路線を若干修正した福田康夫(群馬4区)は、当初楽勝を予想されながら現在ではかなりの苦戦を伝えられているし、毎日新聞の「えらぼーと」への回答で、自民党には珍しく憲法9条改正と集団的自衛権の政府解釈変更にともに反対している後藤田正純(徳島3区)も選挙区での当選はかなり危うくなってきた。一方、「郵政造反組」として前回の総選挙で自民党を追い出された無所属の平沼赳夫(岡山3区)と城内実(静岡7区)は、ともに安倍晋三に立場の近い極右だが、楽勝の情勢だ。特に平沼赳夫は、かなりのタカ派候補でさえ核武装には「条件次第で」という但し書きをつけて検討の必要を主張するところを、但し書きなしの「検討すべき」を選んでいる。さすがに戦時中の極右・平沼騏一郎の養子だけのことはある超タカ派といっても過言ではないだろう。そんな平沼や城内(さすがの城内も核武装は「検討の必要なし」と答えている)をなぜか「政権交代ブログ」の一部が熱烈に応援しているが、彼らが同じ平沼グループでやはり当選確実とされる小泉龍司(埼玉11区)には目もくれないことも実に不思議である。小泉龍司は、後藤田正純同様、9条改正にも集団的自衛権にも反対しているが、彼が当選有力と見られているのは、単に埼玉11区に民主党が候補を立てていないためである。静岡7区や岡山3区には候補者を立てた民主党が、埼玉11区には候補を立てていないことは、平沼グループで当選の見込まれる3候補の今後を占う上で興味深い。岡山3区と静岡7区の民主党候補は、小選挙区では苦戦を強いられているが、比例区で復活する可能性が高い。また、岡山3区については、自民党の阿部俊子が比例区中国ブロックの名簿に1位で記載されており(他の中国ブロック候補は同順の4位で、中国ブロックの自民党候補には復活枠が事実上「1」しかないと見られている)、引き続き阿部氏が議席を確保することはほぼ確実である。

平沼赳夫の他に但し書き抜きの「核武装検討」を主張する極右は、自民党にもほとんどいないが、北海道11区の中川昭一はその数少ない例外だ。中川は、極右政治家であるにもかかわらず選挙で大苦戦しており、比例区での復活も危ぶまれているが、これは「もうろう会見」が影響しているものと思われる。いくら選挙に多少有利な極右でも、酔っ払って大失態を犯すような輩は、見捨てられて当然だろう。

この他にも、福井1区の稲田朋美が、苦戦とはされているもののなお当選の可能性を残しており、「小泉チルドレン」としては稀有の健闘といえるかもしれない。また、驚いたことに改革クラブの西村真悟も、まだ当選の可能性が消え去ったとまではいえないらしい。

以上見たように、幸福実現党などのキワモノは別にして、極右政治家の勇ましさには一定の支持が見られることは否定できないと思う。だからこそ、自民党が配布しているビラが北朝鮮の脅威が強調し、憲法改正を強く訴えているのだろう。とはいえ、極右政治家にシンパシーを持つ有権者が全有権者に占める比率は知れている。昨日のエントリでも書いたように、決してマジョリティではない。前記の平沼赳夫と城内実に関していえば、彼らのイデオロギーよりも、彼らが所属する自民党の党議決定に逆らって「郵政民営化法案」に反対したことが選挙戦を有利に進めている最大の理由ではあるのだろう。しかし、安倍晋三や麻生太郎が福田康夫より有利に選挙戦を進めていることを見ても、極右政治家のアドバンテージは無視はできないと思う。こんなことを延々と書くのも、今後民主党政権が批判を受けて支持率が低下した時、彼らが台頭するのを私が恐れているためであって、特に彼らが持ち前の国家主義的思想と「小泉改革路線」への批判を結びつけ、国家社会主義的勢力として台頭してきた時、日本の戦後政治が大きな危機を迎えるのではないかと恐れるものである。

[追記1] (2009.8.26 14:20)
本エントリで取り上げた朝日新聞編集委員の座談会は、その後asahi.comにも掲載されました(下記URL)。
http://www2.asahi.com/senkyo2009/news/TKY200908260028.html

[追記2] (2009.8.26 15:40)
最初、岡山3区の自民党候補・阿部俊子が護憲派であるかのように誤って書いてしまいましたが、「えらぼーと」への回答結果を確認したところ、9条改憲にも集団的自衛権の政府解釈見直しにも賛成していることがわかりましたので、この部分を削除し、それに合わせて文章を一部変更しました。


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マスコミが報じる「民主党300議席」の衆院選予想があまりにセンセーショナルなものだから、またまた陰謀論好きの人たちが、「実際より民主党が優勢のような報道をして、有権者に民主党の『勝ち過ぎ』を警戒させて自民党の獲得議席を増やそうとしている」などと言っている。しかし、ここ最近の地方自治体の首長選や東京都議会選挙のマスコミ予想と結果を覚えておられる方なら、それが根拠のない言説であることを了解されるだろう。最近はマスコミの選挙予想が大きく外れることは少なくなった。

もちろん、多少はマスコミの予想と選挙結果に違いが出る。たとえば2003年の総選挙では、「自民 過半数うかがう勢い」と予想されたものの自民党は237議席で過半数にわずかに届かなかったし、「自民 過半数確保の勢い」と予想された前回2005年の「郵政総選挙」では、自民党は過半数(241議席)の確保にとどまらず、296議席を獲得した。しかし、選挙の勝敗まで違えたわけではない。「郵政総選挙」の時は、解散から公示を経て選挙期間中に至るまで、自民党の支持率が上がり続けたという特殊な状況でもあった。一昨年の参議院選挙も、「郵政総選挙」とは逆に、自民党の惨敗が予想されていたが、結果はその程度が予想よりさらにひどかったものの、自民党の惨敗自体は予想通りだった。古くは「山は動いた」という土井たか子の言葉で有名な1989年の参院選でも、マスコミは自民党の大敗を予想していた。

このように、マスコミの予想は当たることの方が多いが、マスコミの予想と選挙結果が大きく食い違ったというと、1979年、1983年の衆院選及び1998年の参院選の例が挙げられる。1979年の衆院選は、当時自民党の支持率が大きく回復してきたところで、大平正芳首相が一般消費税の導入を掲げて打った解散だったが、これが有権者の反発を買い、選挙戦早々の時期に公約撤回に追い込まれた。しかし、公約撤回後にも行われた情勢調査結果には一般消費税への国民の反発が反映されず、マスコミは自民党の安定多数確保を予想した。当時の保守回帰の流れからして、妥当な予想と思われたが、いざ蓋を開けてみると自民党は過半数割れした前回(1976年)をさらに下回る議席数しか得られなかった。この総選挙後に起きた自民党の党内抗争のあと、前回選挙から1年も経たずに行われた1980年の衆院同日選挙でも、マスコミの情勢調査では自民党の圧勝が予想されたが、今度はその通りの選挙結果になった。しかし、田中角栄元首相がロッキード事件の一審で有罪判決を受けた直後に実施された1983年の衆議院選挙では、中曽根康弘率いる自民党の勝利が予想されながら自民党は議席を大幅に減らして過半数割れした(選挙後、新自由クラブと連立して自民党は政権を維持)。衆議院選挙のマスコミ予想が大きく外れたのは、この時が最後だったと思う。

比較的最近では、1998年の参議院選挙で自民党勝利のマスコミ予想が大きく外れたことは驚きだった。この時には、投票日直前に恒久減税をめぐる橋本龍太郎首相の発言が二転三転し、これが突然の有権者の自民党離れを招いたとされている。しかし、1998年といえば、「橋本行政改革」の悪影響によって景気や雇用情勢が悪化し、その後の小泉政権時代全期間を通してまで続いた9年連続の民間給与所得減少や、今も続く年間自殺者3万人超が始まった年だ。橋本政権の新自由主義政策は、明らかにこの流れを決定づけた。今にして思えば、あの時有権者はそれを敏感に察知し、橋本首相に退陣を促す投票行動に出たのではなかったか。とはいえ、そんな有権者も、橋本龍太郎の流れを受け継ぎ、それを極端に推し進めた小泉純一郎にはコロッと騙された。参院選では、その小泉時代の2004年にも、自民党の議席が予想ほど伸びなかったことがあったが、予想が大外れしたとまでは言えないだろう。

以上、マスコミの予想が大きく外れた3回の選挙のうち2回までが、税の問題で政権が批判を浴びたことが直前に自民党が支持を失った理由になっている。それを今回に当てはめると、消費税増税を声高に叫んでいるのは麻生首相の方だし、何かというと「財源は?」と口にする麻生首相に対しては、「お前が言うな」と思う人が多数だろう。選挙期間中の失言にしても、麻生首相が「金がないのに結婚しない方がいい」と発言したと報じられるなど、不利を予想されている側にマイナス要因が目立つ。それにもかかわらず「揺り戻し」が起きるかどうか、興味津々ではある。

うんざりさせられるのは、民主党のネガティブ・キャンペーンを満載した自民党の選挙ビラで、一昨年の参院選の時に「消えた年金」問題を民主党と菅直人のせいにするビラを作って批判を浴びたことなど忘れたかのようだ。特に今回のビラでは、北朝鮮の脅威を強調して改憲の必要性を訴える内容が中心になっているが、自民党はまさかネット右翼の意見が国民のサイレント・マジョリティであるとでも勘違いしているのだろうか。自らの公式サイトで、

内外のネットは「マスゴミ」「鳩左ブレー」とどんなに叫んでも、マスコミは「毒入りヤミ鍋」にどんどん薪をくべ、ぐつぐつ煮立てて国民に一生懸命食べさせようとしている。

などと平然と書く中川昭一などを見ていると、自民党の行く末が心配になってしまう。「マスゴミ」などというのは、政治ブログでも使用するだけで軽蔑の対象になる言葉だし、お菓子に引っ掛けた「鳩左ブレー」なんて中川昭一のサイトで初めて知った言葉だ。もし、ネットの言論が国民世論の代表だったら、一昨年の参議院選挙は、「維新政党新風」が第一党、「9条ネット」が第二党となって、その左右の中間に自民、民主、公明、共産、社民などの中道政党が細々と議席を占める勢力分布になったに違いない。

選挙結果がどうなるかはわからないが、ネットで目立つ極端に右に偏った意見に自民党の一部の政治家が引っ張られて、真のマジョリティを形成していると思われる中道右派(穏健な保守派)の票を自民党は失っているように見える。そして、その「一部の政治家」の代表格が麻生太郎首相ではないかと思えてならないのである。


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先週木曜日(20日)の朝日新聞を皮切りに、読売、日経、毎日、共同と続いた総選挙の情勢調査結果報道は、いずれも民主党の圧勝、自民党の惨敗を予測するものだった。これらのうち、読売新聞と日本経済新聞の調査は、日経リサーチに委託した同一の調査であることがネットで指摘されているが、それはともかく20日の朝日新聞が「民主300議席うかがう勢い」、21日の読売新聞が「民主300議席超す勢い」、22日の毎日新聞が「民主320議席超す勢い」と、日を追ってエスカレートしていった。これを、日ごとに民主党への追い風が強まったためか、それともあとから書く記者ほど大胆に記事を書けるためかは判断しかねる。だが、昨日投開票された熊本県の八代市長選でも民主・社民が支援する新人で前県議の福島和敏氏が、自公推薦の現職・坂田孝志氏を破った。自民党を忌避する流れは相変わらず強いと考えるべきだろう。

現在は、4年前の「郵政総選挙」の時と同じで、国民が熱病にうなされたような状態だ。4年前は「郵政民営化」、今回は「政権交代」が「魔法の呪文」になっている。特徴的なのは、民主・社民・国民新党・新党日本の候補のうち、民主党の候補への追い風は強烈だが、他の3党への風はさほどでもないことで、「推薦を受ける民主支持層を十分に取り込めていない」などと表現されるケースが目立つ。「民主党」の看板は、それほどまでにもありがたいものらしい。

一方、自民党の内部分裂その他の理由で自民党系の候補者が複数立っている選挙区では、概して自民党の看板を背負った方が劣勢だ。たとえば、前回の郵政総選挙の「造反組」のうち、無所属の平沼赳夫や城内実は優勢が伝えられているが、自民党公認の野田聖子は小選挙区での当選は難しいと予想されている。平沼・城内というと「郵政造反組」のほかに、「真正保守」(笑)もウリにしているが、同じ「真正保守」でも自民党公認の稲田朋美は苦戦している。つまり、中身は同じでも、「自民党」の看板が逆に選挙戦で不利に作用するというおそるべき情勢調査結果が出ているのだ。国民の自民党政治への怒りは、そこまで強烈だということなのだろう。

有権者の支持が小政党に向かいにくい状況は、ブロックによっては民主党の当選者をあふれさせ、自民党の候補者が当選する可能性を増やす。小政党の戦いとは難しいものだが、かといって民主党に合併されてしまえとはいえないだろう。少数政党がはっきりものを言える状況を確保していくことは、とても大事なことだ。中には、民主党支持の立場から(つまり「上から目線」で)、小政党こそ小異を捨てて大同について共闘せよ、などとお説教を垂れる人もいるが、そんな人に限って民主党の「衆議院の比例区定数80削減」に賛成しているか、または何も発言していない。そして、「民主党」の看板さえあればどんな候補にでもなびいてしまう「素朴な庶民感情」に訴える。しかし、4年前の「郵政総選挙」における小泉自民党の圧勝も、そんな「庶民感情」がもたらしたものであることを忘れてはならない。今回、「政権交代」ムードに浮かれる人の中には、4年前には「抵抗勢力」と戦う小泉純一郎を熱狂的に支持して自民党に投票した人が少なくないだろう。

それならお前は自民党に入れろというのか、と誤解する人がいたら困るから書いておくと、別に自民党にお灸を据える選択肢は、小選挙区も比例区も民主党に投票することだけではないということだ。右を見て左を見て、周りの人たちの多数派と同じ行動をとるという習性は、いい加減に捨てた方が良い。そうでなければ、いつまで経っても日本の政治は良くならない。


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