きまぐれな日々

小沢新党「国民の生活が第一」など中小野党が出した参院の問責決議案に自民党が乗って可決したことは、民主党の野田佳彦(「野ダメ」)首相に解散を先延ばしする口実を与えただけだった。自民党の総裁選の日程が決まると同時に、谷垣禎一総裁は「死に体」となった。

当ブログの「天敵」安倍晋三が出馬の意向を表明し、同じく出馬が報じられている石破茂が安倍晋三と連携を模索していると伝えられる中(これは多分実現するだろう)、谷垣禎一の出身派閥の長である古賀誠や森喜朗(シンキロー)ら長老連は、谷垣禎一を見限って石原伸晃に乗り換えようとしている。総裁選にはその他に安倍晋三の属する派閥の長である町村信孝が立候補に意欲を見せている。

騒がしさを増す自民党総裁選とは対照的に、それに先だって行われ、総理大臣に直結する与党・民主党の代表選には閑古鳥が鳴いている。旧小沢派の山田正彦やリベラルの会の平岡秀夫らが対抗馬の擁立を模索するも、さっぱり盛り上がらず難航している様子。そんなさなかに、あの「お調子者」にして「野ダメ」や前原誠司と同じ松下政経塾出身の原口一博が出馬に意欲を示したのには開いた口が塞がらなかった。今や「小沢信者」からも見捨てられた感のある原口を担ごうなどという酔狂な人間なんてどれくらいいるのだろうか。

2009年の自民党総裁選は同様に活気がなかった。この時には石破茂は当時所属していた額賀派の支持を得られず出馬を見送り、石原伸晃は谷垣禎一の応援に回り、安倍晋三は身代わりに西村康稔を立てた。政権復帰近しと見るや一斉に出てきそうな安倍・石破・石原らの欲の皮には心底むかつく。

その中でも最悪なのはいうまでもなく安倍晋三だが、普通なら5年前にぶざまな政権放棄をやらかした安倍なんかに「再チャレンジ」の可能性などあるはずはない。その不可能を可能にしたのは橋下徹率いる「大阪維新の会」である。事前に漏れて潰れた大阪の「家庭教育支援条例案」は、安倍晋三のブレーンにしてトンデモで悪名高い「親学」の提唱者・高橋史朗の案に基づくことが暴露されて話題になったのはついこの春のことだ。そして安倍内閣最大の悪行は2006年暮の教育基本法改定だった。

そのことから、橋下徹と安倍晋三のつながりは容易に推測されたが、マスコミ報道の表に出てきたのは、橋下が安倍に「橋下新党」入りを要請していたことを報じた8月15日の朝日新聞の報道だった。

そんな橋下を甘く見て、「維新」を吸収合併して「みんなの維新」にしようと提案し、橋下に一蹴されたあげく、所属する国会議員を引き抜かれまくって怒り狂う醜態を演じたのが渡辺喜美である。「みんなの党」の人気はとうにピークを過ぎて落ち目だという現実に渡辺は気づいていなかったのだろうか。

さらにみっともないのは小沢一郎である。今朝(9月3日)の朝日新聞にも、小沢が「国民の生活が第一」の候補を100人程度擁立し、大阪維新の会、減税日本、新党大地・真民主などと連携して民自公3党に対抗する考えを示したなどと報じられている。しかし現時点で既に自民党総裁選は「民自公3党路線」か「維新との連携重視」かが争点になろうとしており、前者を代表する谷垣禎一は出馬まで危ぶまれているのである。小沢一郎は「維新との連携重視」を訴える安倍晋三と組もうというのだろうか。

小沢新党「国民の生活が第一」の醜態はこれにとどまらない。参院で同党の外山斎は従軍慰安婦の問題に絡んで河野洋平元自民党総裁・衆議院議長の参考人招致を要求し、同党参院幹事長の森裕子(森ゆうこ)もこれに同調する考えを示した。

この外山の国会質問について、同党は党議拘束をかけていないから、あれは外山個人の発言であって党の見解ではないのではないかとして同党を庇おうとする意見も一部に見られるが、同党内から外山や森の発言を批判した例を私は寡聞にして知らない。何より、小沢一郎がトップに立つ集団においては「忖度」がその真髄であり、小沢大先生の意向に背いたと見るや、たちまち側近の山岡賢次らに「査問」されるのが同党の体質である。そして外山斎はともかく、森裕子が山岡賢次らに査問されようはずがない。そもそも、外山の質問が小沢一郎を含む「国民の生活が第一」執行部の承認を得ていないと考える方が不自然だ。

以上の事実により、小沢新党「国民の生活が第一」は、安倍晋三や橋下の「大阪維新の会」と同様、歴史修正主義を志向する右翼政党であると断定せざるを得ないのである。なるほど、それなら維新の会や安倍晋三との親和性も高いかもしれない。仮に維新・安倍連合だけでは過半数がとれない場合には、小沢一郎も橋下や安倍に頼られる局面がくるかもしれないが、その可能性は低く、逆に小沢一派が朽ち果てていく可能性が極めて高い。

これまで小沢一郎に依拠してきた「信者」たちもいい加減現実を直視し、教祖や教団を見捨てて自立への道を模索してはどうかと思う今日この頃である。
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昨日のエントリで、10日夜7時から放送されたNHKテレビのニュースが、自民党総裁選の宣伝に30分を割いたと書いたが、実際には1時間に放送枠を延長した番組のうち、実に48分を自民党総裁選のコマーシャルに割いていたというのが真実らしい。

コメント欄で教えていただいたはぐれ雲さんは、ご自身のブログにこう書いておられる。

メディアの最大の関心事が視聴率や販売部数であるとしても、利潤追求の為の組織ではない NHK ならば、事情はいささか違って抑制的ではあるまいか。と思って見た昨日のニュースは、みのもんたも古舘も田原も真っ青になる位、最悪だったとしかいいようがない。いや最悪なのはこの報道の不公正さについて抗議の電話をかけた視聴者への、全く顧客を舐め切ったとしか考えられない「対応の責任者」の態度である。事情は次行から。一部を引用しておく。
dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2008/09/post-664e.html


以下、「内野光子のブログ」からの引用が続くが、ここに記されているブログ主の内野光子さんとNHKコールセンターとのやりとりは驚くべきものだ。以下引用する(質問者の内野さんと回答者のNHK職員を示す表記を変更した)。

― 総裁選のニュースをあれほどまでに、長く丁寧に流す目的は何ですか。

NHK 「はいはいはい、そんなことはっきりしてますよ、そんなことも分からないですか。わははは・・・。自民党のコマーシャルですよ
 (ここで、これって、NHKのひと?耳を疑ったのだが、)

― はいはいはい、は止めてください。なぜNHKがコマーシャルをするのか。

NHK 「必要だからですよ。必要だから」

― なぜ必要なのか。

NHK 「国民の関心が高いから。これはNHKの世論調査でもはっきりしてます。それに」

― 世論調査の人気や関心だけで、番組が決まるのか。NHKの公共放送としての見識はないのか。

NHK 「人気でなく、関心ですよ。お客さん間違っては困る。わははは・・・」

― 笑いごとではない。

NHK 「世の中明るくいきましょう」

― ふざけないでください。ほかに理由はあるのか。

NHK 「総裁は、国会で首相に決まります。だれが首相になるか、国際的関心も高いですよ」

― 国民にとって重大な別のニュースを犠牲にまでして、時間をとってやらなければならないことではない。

NHK 「お客さんの意見でしょ。それは。意見は全部ドキュメントとして、上は会長から担当者まで読めるようになってますから」

― 視聴者の意見はどう反映されるのか。

NHK 「放送で応えてますからね。番組を見てください」

― 24時間見ているわけにはいかないでしょう。どういう意見があって、どう応えるのかを伝える番組があってもいいではないか。

NHK 「そりゃそうだ、24時間見てたら死んでしまいますな。ほかに質問あるの?」

(「内野光子のブログ」より転載)



視聴者を馬鹿にしたNHK職員の対応も大問題だが、何より問題なのは、NHKの職員自らが、10日夜7時のNHKニュースが「自民党のコマーシャルだ」と認めたことだろう。もはやNHKはジャーナリズムであるとは言えまい。

9月10日に発売された右派月刊誌「Voice」の10月号に、テレビの右派電波芸者の一人である三宅久之と、やはり右翼文化人の上坂冬子の対談「解散・総選挙は秋にある?」が掲載されているが、その中にこんなやりとりがある。

 三宅 私はね、自民党が生き残る唯一の方法があると思っているんですよ。

 上坂 ホゥ、耳よりな話!

 三宅 それは福田さんが辞めることです。そして、きちんとした総裁選挙をやる。麻生太郎さんが出る。谷垣禎一さんも出馬する。与謝野馨さんも出たいなら出ればいい。ただ年寄りばかりでは絵になりませんから、小池百合子さんも出ればいいし、野田聖子さんでもいい。あるいは若手でたとえば後藤田正純さんでもいい。誰でもいいから、多少彩りも入れて、そして全国で選挙遊説を行うのです。
 いまは大衆情報化社会、平たくいえばテレビのワイドショーの時代です。これが取り上げるか、取り上げないかによって、すべてが決まる。民主党が代表選挙をやらないなら、それは自民党にとっても好都合です。対抗馬なく小沢さんの三選が決まれば、それは一日限りの一過性のニュースで終わってしまう。一方、自民党は総裁選挙をやって、北海道から沖縄まで二十日間くらいずっと街頭演説をやれば、テレビのワイドショーは毎日追いかけます。そして選挙が終わった直後に解散・総選挙をする。それでも勝てるかどうかはわかりませんが。

 上坂 そんな低俗な方法しかないんですか。もう正論は通らない時代なんでしょうか。政治上の駆け引きではなく、本当に国家のことを心配している人が一人でも名乗りを上げるやり方は通用しないんですかねえ。

(「Voice」 2008年10月号掲載 「解散・総選挙は秋にある?」より)


この対談は、おそらく先月行われたものだろう。三宅久之が冗談半分で言っていた見え透いた猿芝居のシナリオを、本当に自民党が実行したことにも呆れるが、それに対する上坂のリアクションには爆笑した。そりゃきょうび、「正論」なんて誰も読みませんよ、って意味が違うか(笑)。それはともかく、右翼文化人・上坂冬子が言うところの「低俗な方法」を現に今自民党はやっているのだし、NHKはそれを報じる「ニュース番組」の時間枠を拡大した上、その大部分を「自民党のコマーシャル」に割いたのである。ここまで政権政党と公共放送のモラルが低下したことは、戦後に限って言えばいまだかつてなかっただろう。

上坂冬子は、対談の上記引用部分のあとで、「視聴者もバカではないし、最近はテレビを見る目も肥えてきて、「あれは本物」「これは偽者」ぐらいの見分けはつきますよ」と言っている。この見立てが正しいことを信じたいが、3年前の郵政解散・総選挙のことを思い出せば、楽観ばかりもできない。

今度、マスコミの情報シャワーに騙されて、それまでの意見を変えて総選挙で麻生太郎の自民党に投票する人間がいたら、その人はもはや「B層」の名にすら値しない。上坂冬子言うところの「低俗なバカ」以外の何者でもないだろう。


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民主党を意識して、総裁選をダシにしたメディア・ジャックなどありとあらゆる手を尽くして自党の宣伝に余念のない自民党。これを見て、3年前の「郵政解散・総選挙」を思い出した人は多いだろう。

だが、私は3年前と今年は違うと思う。3年前は、コイズミが誰も想像し得ない大博打を打って、それがまんまと当たった。しかし、今年は自民党の狙いがあまりに見え透いていて、意外感が全くないのである。

私も、今の状況に既視感を覚えるが、3年前ではなく5年前の2003年を思い出している。この年は、森内閣当時の2000年6月の総選挙から3年を経過し、解散ムードが徐々に高まってきて、夏頃には「11月9日総選挙」が囁かれるようになっていた。面白いことに、5年前は今年と暦が同じなのだ(3月1日以降。今年はうるう年なので、1月と2月は暦が1日ずれている)。

この年は、総選挙に向けた民主党と自由党の合流があり、このタイミングに自民党は総裁選に続くコイズミ再改造内閣の発足をぶつけた。この時の自民党の切り札は、コクミンテキニンキが高いとされていた安倍晋三の幹事長抜擢であり、自民党は「安倍幹事長効果」で支持率の浮揚と総選挙の勝利を狙った。

この内閣改造は、コイズミ内閣の支持率を急上昇させた。朝日新聞調査では49%から59%に、毎日新聞調査では54%から65%に、日経新聞調査では45%から実に65%に、それぞれ大幅な支持率の伸びを見せた(下記URLを参照した)。
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/sijiriotu.htm

この年は、自民党総裁選が9月8日告示、20日投開票。コイズミに対し、積極財政派が三分裂したこともあって、選挙はコイズミの圧勝(今年は、山本一太と棚橋泰文が撤退してもなおカイカク派が三分裂しており、ちょうど逆のケース)。コイズミ再改造内閣は9月22日発足だった。ここで安倍晋三を自民党幹事長に起用し、内閣支持率も大幅にアップさせた。コイズミ内閣発足後、大きく値を下げていた株価も、この年4月を底に、上昇に転じていた。森内閣よりはるかに人気の高いコイズミ内閣で、自民党は議席を大幅に増やすはずだった。

しかし、自民党はこの年11月9日の総選挙で、議席を減らしてしまったのである。獲得議席数は自民党237議席、民主党177議席。出口調査では、民主党が自民党に迫る議席を獲得する見込みと報じられ、緊張が走ったが、いざ開票してみると、自民党が意外と粘り、議席減を小幅にとどめたのだった。

この年、これだけ自民党がメディア対策を行いながら総選挙に敗れたことは、実はこの頃既に、「カイカク」という名の新自由主義政策に国民が疑問を抱くようになったことを意味すると私は考えている。翌2004年の参院選でも、獲得議席数は民主党50議席、自民党49議席で、前年の衆院選に続いて自民党は敗北し、役立たずであることが明らかになった安倍晋三は、幹事長の職を解かれたのである。

コイズミがこの状況を打開するには、切り札を切るしかなかった。それが2005年の郵政解散・総選挙であり、この時の指導者の狂気が国民を惑わせてしまい、とんでもない国難を招いてしまったと私は考えている。

実際の時代の流れは、03年衆院選と04年参院選の延長線上、すなわち自民党の党勢の漸減にある。昨年の参院選は、国民生活の困窮を無視してひたすら改憲指向のイデオロギー政治を行った安倍内閣の非常識な政策のせいで、その延長線上よりさらに自民党の議席が下回る劇的な結果になった。あれは極端な例としても、自民党は、公明票の上積みがあってももはや政権を維持するに十分な議席は獲得できないほど支持を失っていると考えるべきである。

なぜそうなってしまったかというと、コイズミ?安倍が推進した新自由主義政策が、中産階級を破壊してしまい、自民党は従来のような国民政党から、富裕層のために政策を行う階級政党に変質してしまったからだ。そのため、日本の社会では貧富の差が著しく拡大した。今年の自民党総裁選では経済政策が争点になっているが、経済政策で一番マシなのは積極財政派の麻生太郎であり、他は再分配を否定する人たちなので論外である。しかし、麻生の政策も結局大企業に傾斜した再分配なので全然財政出動の効果が上がらない。「バラマキ」がダメなのではなくて「バラマキ方」に問題があるのだ。財政出動自体に「バラマキ」とレッテルを張る昨今の風潮はおかしい。新自由主義の思想に毒されすぎている。

さて、そんな自民党に対抗すべき野党・民主党の政策だが、昨日小沢一郎が発表した「新しい政権の基本政策案」は、無難に項目を列挙しただけという印象だ。これでも、自民党は「バラマキ」と批判するのだろうが、私は逆に「国民の生活が第一」という割には物足りない印象を受けた。

最後の「国連の平和活動に積極的に参加する」というのは、昨年秋に言い出した「ISAFへの自衛隊参加」の含みを残しているのではないかとか、選挙制度のことは何も書いていないけれど、衆議院の比例代表の部分を削減して小選挙区の比率を増やすという小沢一郎の持論は取り下げていないのではないかとか、再生可能エネルギーの利用推進は、そっけない書き方だが本当にやる気があるのか、などと疑念は尽きないが、当ブログとしてはまた総選挙になったら「戦略的投票行動」を主張せざるを得ないのがじれったいところだ。当ブログは、せめて比例代表部分を大事にしたいと考えている。総選挙では、自公だけは勝たせてはならないが、民主党が変な方向に暴走しないためにブレーキをかける勢力(左なら社民・共産、右なら国民新党)を伸ばすことも必要だ。ただし、極右は論外である(ガス抜きに2議席程度を確保するくらいは諦めざるを得なさそうだが)。

これから約2か月後に予想される衆議院選挙まで、また疲れる政治の季節が延々と続くが、まずは富裕層のためだけの政治と化してしまった状態から原状を回復するための選挙だと私は考えている。いわば、日本社会が再びスタートラインに立つための選挙だ。


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都会地区に住んでいた子供の頃、どうして総理大臣は地方出身者ばかりで、東京や大阪からは出てこないのだろうかと思っていた。よく、「一票の格差」が問題とされた。一票は、都会では軽く、田舎では重い。この格差が縮まれば、自民党の議席は減り、野党の議席が増えるはずだった。選挙制度は、中選挙区制より比例代表制の方が良いとされ、田中角栄が持ち出した小選挙区比例代表並立制導入を図った公職選挙法改正案(通称「カクマンダー」)は、野党の審議拒否と朝日新聞などマスコミの猛反対にあって、田中は同法案の国会への提出を断念した。

その田中の野望は、20年後に小沢一郎によって実現されたわけで、現在の自民党と民主党の対立構造は、三十余年前の福田赳夫と田中角栄の対立をそっくり引き継いでいるといえる。田中角栄は、積極財政路線をとり、全国にカネをばら撒いて道路網を作ったが、これは都会と地方の格差を縮小する効果があった。田中の地元・新潟県や、竹下登の地元・島根県など、自民党の有力政治家のお膝元では特に道路が立派であるとはよく言われることで、行き過ぎが問題になっているが、田中内閣当時には意味のある事業だった。

また田中は、総理大臣就任の翌年である1973年(昭和48年)を「福祉元年」と名づけて福祉に予算を振り向けていった。たとえば、現在では当たり前になった点字ブロックは、私のごく小さな頃にはなかった。これが急激に増えていったのは田中角栄のおかげであり、現在では日本は点字ブロック大国といわれるまでになった。

ただ、田中がスタートさせた福祉国家への道は、早々に挫折することになる。「福祉元年」の1973年は、第一次石油ショックの年でもあった。すさまじいインフレが起き、田中内閣の支持率は大幅に下がった。「大きな政府」指向の田中内閣の政策は、財政赤字を招いたが、これを厳しく批判して緊縮財政を唱えたのが福田赳夫だった。田中内閣内部から造反を起こしたのは福田赳夫と三木武夫であり、田中内閣が立花隆らの「金権批判」によって倒れたあと、三木武夫が後継総理大臣になったから、田中はロッキード事件で逮捕されたようなものだった。ロッキード事件では、中曽根康弘にも黒い噂が流れたが、三木は田中派・大平派連合軍と福田派の両方を敵に回しながら中曽根派との協力関係で辛うじて政権運営をしていたせいか、中曽根は「灰色高官」にさえならずに済んだ(もちろん、本当に潔白だったのかもしれない)。

結局三木は「解散カード」を反主流派連合に封じ込められて任期満了選挙に追い込まれ、これに大敗して政権を退いた。あとを受けた福田赳夫は、緊縮財政路線をとって物価の上昇を抑えたが、不況を招いてしまい、故石川真澄の『戦後政治史 新版』(岩波新書、2004年)を参照してみても、「福田内閣の業績としては、得意の経済より、日中平和友好条約の締結をあげるのが普通である」と書かれている。日中平和友好条約締結(1978年)は、いうまでもなく田中角栄が1972年に日中国交回復を成し遂げたからこそできた業績であった。1978年のトウ()小平来日直後に自民党の総裁選予備選が行われ、これに大平正芳が圧勝して総理大臣が交代したが、そのせいもあって、いつの間にか私はトウ小平の来日は大平内閣当時の出来事かと勘違いしてしまっていたくらいだ。福田赳夫内閣時代の印象というと、1978年夏に相次いだ「有事立法」の議論だとか福田首相の靖国神社公式参拝などの「タカ派」的な悪印象ばかりが強い。福田康夫は、コイズミがこじらせた中国との関係を改善したり、靖国神社不参拝を早々と公言して、例年夏に話題になる靖国問題を下火にさせたが、父親との共通点と相違点がそれぞれあって面白い。ただ、福田康夫内閣の政策と福田赳夫内閣の政策を比較すると、前者の方がずっと右寄り(新自由主義寄り)であって、それは福田康夫がコイズミの政策を継承せざるを得なかったところからきている。

何が言いたいかわからないだらだらした文章になってしまっているが、ここで言いたいことは、田中角栄が始めようとした福祉国家への道は、石油ショックと新自由主義の台頭、それに福田赳夫らによって阻まれてしまったということだ。余談だが、世界最初の新自由主義政権とされるチリのピノチェト政権は、1973年9月11日に、アメリカが後押ししてアジェンダ政権をクーデターで転覆させたことによって発足した。2001年のテロといい、2005年の日本の郵政総選挙といい、9・11とはやたらと不吉な日である。

日本のセーフティーネットを支えていたのは、民間企業や農協など公共団体による福利厚生だったが、コイズミが、というより徐々に自民党政権が進めていってコイズミが一気に加速させた新自由主義政策がそれを破壊してしまったために、福祉国家への道が早々と阻まれたために低福祉国家にとどまっていた日本において、ヨーロッパの比ではない急激な格差・貧困問題が生じたのである。

9月1日付エントリで、8月31日に行われた「反?貧困全国2008キャラバン 高松集会」に、民主・社民・共産の野党3党の政治家は、2人の民主党国会議員(小川淳也衆院議員と植松恵美子参院議員)を含めて出席したが、自民党の政治家は3人の国会議員が祝電を送ってきただけだったと書いた。実は、自民党議員からの祝電が司会者に読み上げられると、会場がざわめいたのである。それは、いかなる意味を持つざわめきだったのだろうか。集会は、決して左派にだけ開かれたものではなく、講演会の演者・湯浅誠氏の著書『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書、2008年)では、政府の社会保障削減政策を批判した自民党の尾辻秀久衆院議員が好意的に取り上げられたりしている(その一方で、舛添要一は皮肉を込めて描かれている)。しかし、香川県選出の自民党の世襲議員たち(衆議院の香川県の選挙区は3つあるが、すべて自民党の世襲政治家が選出されている)は会場に姿を現さなかった。私は、それでなくとも自民党には批判的だが、この3候補はすべて当選するに値しない人たちだと改めて思った。

それにしても、自民党総裁選に出馬の意思を表明している政治家たち、あれはいったい何だ。小池百合子、石原伸晃、与謝野馨。みな東京選挙区選出議員ではないか。麻生太郎、山本一太、石破茂、棚橋泰文。みな世襲政治家ではないか。石原伸晃にいたっては、東京選挙区選出にして世襲議員、しかも父親はあの石原慎太郎と、およそマイナスの要素ばかりを寄せ集めたような政治家だ。

こんな総裁選に、地方はすっかりしらけきっている(「kojitakenの日記」に、福島日日新聞と北海道新聞のコラムを紹介したので、興味があればご参照いただきたい)。読売新聞の報道によると、自民党は臨時国会序盤の各党代表質問が終わったタイミングでの解散を狙っているようで(いわゆる「臨時国会冒頭の解散」)、投票日は、朝日新聞の星浩が最短と言っていた10月26日よりは2週間遅い11月9日となりそうだという。そうなれば、5年前、コイズミが安倍晋三を幹事長に据えて必勝を期しながら敗れた総選挙と同日になるが、あの時の選挙では自民党が都市部で意外としぶとく粘ったために議席数減を政権にダメージを受けない程度に食い止め(翌2004年の参院選も同様の結果)、それが2005年の「郵政総選挙」における自民党の大勝につながった。

今度の総選挙は、昨年の参院選に続いて、地方から自民党に逆襲する番だ。参議院と違って、衆議院では自民党の各政治家の地盤が強いので、東北や中国・四国・九州などの地方では自民党有利と見る向きもある。特に四国はほとんどの選挙区を自民党が制するという予想もどこかで見たことがある。だが、本当にそうなるだろうか。

またも政局のことばかり延々と書き連ねたエントリになってしまったが、とにかく次の選挙で、世襲議員や新自由主義者の相当数に落選してもらわなければ、日本の再生は実現できない。

三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘の「三角大福中」は功罪相半ばする政治家たちだったが、いずれも地方で育ち、大志を抱いて政治の世界に飛び込んだ人たちだった。せめてそういう人たちが政治を担わない限り、1年で政権を放り出すような総理大臣が二代も続く醜態はなくならない。

民主党にしても、いずれは小沢一郎の呪縛を脱して、世襲政治家ではない次代の政治家が党を担うようにならなければならないと思うが、まずは自民党の世襲政治家や新自由主義者を一掃するところから始めなければならない。


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福田首相の辞任に伴って行われる自民党総裁選では、本命・麻生太郎の対抗馬に注目が集まっているが、その報道ぶりに各紙の思惑が見え隠れする。読売新聞あたりは、旧保守の思惑に従って紙面作りをしているように見える。

一方、信じられないまでに新自由主義(ネオリベ)の機関紙と化しているのが朝日新聞だ。

今朝の紙面(大阪本社発行統合版)を見ると、1面トップが「小池氏 出馬へ意欲」であり、第2社会面には「「急浮上 小池氏どう見る」と題された記事が掲載されている。2面の「時時刻刻 麻生氏の対抗 探せ」では、「改革派から誰か立てなきゃ」、「中川秀氏 候補選び奔走」、「小池氏 チルドレンに足場」などと、ネオリベ陣営から見た見出しのオンパレードだ。「上げ潮派」という俗称ではなく、「改革派」という呼称を用いるのは、暗にカイカクを唱えないものは「守旧派」(あるいは「抵抗勢力」)とみなすという、コイズミの論理の復活のようにも見える。実に気分の悪い紙面である。

ところが、共同通信の報じるところによると、その小池百合子は推薦人集めが難航しているようだ。
http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008090301000555.html

「総裁選、小池氏の推薦人集め難航 石原氏らも模索」と題されたこの記事は、石原伸晃の擁立の可能性にも言及しているが、

待望論のある小池百合子元防衛相、石原伸晃元政調会長とも現時点で立候補に必要な20人の推薦人を確保できていないもようだ。

と指摘しており、ネオリベ陣営が推薦人の確保さえもままならず、戦いの土俵にも上がれず惨敗する可能性も出てきた。

昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」は、石原伸晃擁立の可能性について報じていて、古賀誠、山崎拓、加藤紘一の三氏の会談では、石原擁立について話し合われたのではないか、と推測し、一部自民党関係者の声として、古賀が石原支持に踏み切れば、麻生に勝てるという見方を紹介した。

朝日本紙は小池百合子、テレビ朝日は石原伸晃というわけか、朝日はどこまでもネオリベが大好きなのだなあと呆れ返ってしまったが、古賀や山崎(石原伸晃は山崎派所属)はどうかわからないが、加藤紘一が石原伸晃を支持するとはとても思えない。

加藤は、昨年8月末の安倍改造内閣発足に伴って、石原伸晃が自民党政調会長に就任した際、石原を厳しく批判するコメントをした。
http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070827/skk070827008.htm

上記URLの産経新聞記事は、リンクが切れているが、下記のような内容だった。

 自民党の加藤紘一元幹事長は27日午前、石原伸晃氏の政調会長起用に対し
「的確な人事だったか疑問が残るし、石原氏にも酷な仕事になっていく気がする」
との見方を示した。党本部で記者団に語った。
 加藤氏は石原氏について「極めて都会的、市場原理(至上主義)的に見られている。そこをどう克服するかということだ」と、地方や弱者に配慮した政策実行が課題になるとの認識を強調。その上で「ほかのポジションで働いてもらった方が、伸び伸びできたと思う」と述べた。

 新三役人事などに関しては「まだまだ(安倍晋三首相に)非常に近い人たちでやっているというイメージはぬぐい去られていない」と指摘した。

(産経新聞 2007年8月27日)


リベラルに近い旧保守の加藤と、小泉内閣や安倍内閣で重用された新自由主義者の石原が合うはずもない。毎日新聞は、

 石原氏は「高いハードルがある。私はグループのリーダーではなく、推薦人を集めて政策を作るまでにはきていない」と、属する山崎派の壁を口にする。

 同派会長の山崎拓前副総裁は、古賀誠選対委員長、加藤紘一元幹事長と会談した。「新YKK」と呼ばれる3人で、昨年の総裁選では福田総裁誕生に一役買った。麻生嫌いといわれた3人だが、今回は思惑が複雑に交差する。古賀派は総裁選に立候補経験のある谷垣禎一国土交通相も抱えており、3人で容易に方向性を出すことはできない。

と報じている。これを読むと、古賀誠も、石原支持を打ち出す可能性は低いように思われる。いま放送中のNHKテレビのニュースも、石原を推しているが、石原は旧保守の壁に阻まれるのではないかと当ブログでは予想している。

小池百合子も石原伸晃もダメだとなると、新自由主義陣営は土俵に上がることもできない惨敗ということになる。ネオリベ陣営を束ねるリーダーである中川秀直が立つという見方をする人もいるが、中川が麻生に惨敗すれば(出馬すればそうなるだろう)、ネオリベ陣営は再起不能の大ダメージを受ける。そうでなくても、次の総選挙ではコイズミチルドレンは枕を並べて討ち死にだ。そんな人たちに担がれて、万一自民党の総裁になったところで、総選挙を終えると、担いだ人たちがきれいさっぱり消え失せるという喜劇が起きる。森喜朗が、中川秀直の動きに「苦言」を呈して、動きを抑えようとするのも当然だろう。

結局、ネオリベ陣営は打つ手なしの惨敗に追い込まれ、「偽装CHANGE」勢力の脅威などどこにもなかったことが証明されるのではなかろうか。

一部から出馬を待望する声もあった野田聖子は不出馬を表明し、どうやら麻生太郎を支持するつもりらしい。与謝野馨の出馬も取り沙汰されているが、仮に出馬しても、「増税派」から一定の支持を得るものの麻生太郎に惨敗することは避けられない。これは、与謝野馨ではなく谷垣禎一が出馬した場合も同じだ。

民主党など野党から見ても、本当に手強いのは麻生太郎ら積極財政派だ。うっかり、「バラマキ」なるキーワードを用いて、新自由主義的スタンスから麻生を攻めようものなら、コイズミ?安倍の頃とは自民党と民主党の立場が入れ替わることになり、「結局自民党も民主党も同じじゃないか」と有権者に思われ、自公政権が存続する可能性が浮上する。

そうではなくて、同じ財政出動をするにしても、麻生のように大企業が潤う方向ではなく、多くの国民の生活に資するような方向性を打ち出すとか、社会保障を充実させるとか、「地球温暖化陰謀論」を論拠とするCO2排出削減の努力放棄でも、原子力発電推進でもない、再生可能エネルギー技術の開発推進を強く打ち出すなどの、自公政権にはできない政策をアピールする必要がある。

当ブログとしては、特に最後の「再生可能エネルギー技術の開発推進」を強く訴えたい。政局ニュースさえ続いていなければ、「毎日新聞叩きに反対する」キャンペーンとともに、ブログの目玉にしたいとさえ思っているのだが、なかなかそれがままらない状態であるのが残念だ。

願わくば、新総裁に就任するであろう麻生太郎が、臨時国会冒頭での解散などという挙に出ず、早くとも解散を年末くらいまで遅らせてくれればよいのだが、果たしてどうなることやら。


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自民党総裁選は、10日告示、22日投開票と決まった。22日までの間、くだらない自民党候補者のプロパガンダ合戦を聞かされると思うと、うんざりする。

今回の総裁選は、経済政策が論点となるとマスコミは報じている。大雑把に言って、自民党内の経済政策は、麻生太郎ら積極財政論者、谷垣禎一ら増税論者(別名緊縮財政派、財政再建派など)、中川秀直ら過激な新自由主義者(俗称「上げ潮派」)の三派に分かれる。経済政策ではいちばんマシなのが麻生らで、後二者は強弱の違う新自由主義の流れだ。

「バラマキ」との蔑称を持つ財政出動だが、実はそれ自体再分配政策だ。だが、麻生や公明党の政策では、『広島瀬戸内新聞ニュース』の言い回しを借りれば、「大手企業が儲かる景気対策」+「公明党支持者をなだめる程度の飴」の組み合わせ程度の景気対策ということになる。つまり、せっかくの再分配政策なのに、それが大手企業などに還元されてしまうから全然効果が出ないのだ。

増税派や過激な新自由主義者は、そもそも再分配などしないと宣言しているわけだから論外である。彼らは、格差を拡大し、貧困層を増やす国賊どもだと言っても過言ではない。

懸念されるのは、朝日新聞が「バラマキ」批判キャンペーンをやって、コイズミカイカクの再来を露骨に待望していることだ。今朝の紙面を見ても、5面で「漂う政策」と題した連載を開始し、「財政規律 がけっぷち」、「バラマキの要求噴出」などの見出しが躍っている。これでは朝日新聞は、最悪の新自由主義新聞だと断じざるを得ない。政局のニュースが続いているので、このところ「毎日新聞叩きに反対するキャンペーン」が滞ってしまっているが、朝日の読者は、広告が少なくて薄いとはいえ、毎日新聞に切り替えた方がまだましなのではないかと思う。とにかく、このところの朝日新聞の論調はひど過ぎる。

その新自由主義勢力の最大の希望の星はというと、小池百合子なのだろうが、現在国民の間では新自由主義的な考え方はひどく不人気だ。それに何より、麻生ら旧保守に近い勢力(実際には麻生は新自由主義的側面と新保守的主義側面を持っているため旧保守とは言い難いが)と中川秀、小池ら新自由主義勢力がぶつかり合うと、自民党分裂の可能性が高まる。自民党は、もともと政権の維持だけを目的に寄り合っている集団だから、分裂につながる策動は抑え込まれるのではないか。ニュースでは石原伸晃の名前も挙がっていたが、ネオリベはせいぜいこの石原程度の小物を立てて、増税論者の谷垣禎一あたりも加えて、もちろん本命は麻生太郎で、マスコミ受けする「白熱した議論」をショーアップして見せる。総裁選が麻生太郎の圧勝に終わったあとは、「挙党内閣」を成立させ、それが国民に好感をもって迎え入れられたところで、間を置かずに解散総選挙を行う。それが自民党主流派の描くシナリオではないかと思う。

ところで、本エントリの後半ではひとつグラフをお見せしよう。実は、70年代以降の総選挙で自民党が勝ったといえる総選挙は1980年、1986年、それに記憶に新しい2005年の3回だけなのだが、それらはいずれもその前の総選挙からの経過年数が短かった。昨日のエントリの記事を書いていてそれに気づいた私は、70年代以降に行われた衆議院選挙について、前回総選挙からの経過日数と自民党獲得議席の増減をグラフにしてみた(議席数の増減は、石川真澄著 『戦後政治史 新版』(岩波新書、2004年)に拠った)。その結果、予想通り、前回総選挙からの経過日数が長ければ長いほど、自民党の獲得議席が減る傾向にあることがわかった。

前回総選挙からの経過年数と自民党獲得議席数増減(←クリックすると画像が拡大表示されます)

前回総選挙から3年以上経つのに自民党が議席を目立って増やした唯一のケースが1996年総選挙だが、この時はその前までの中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に選挙制度が変わった恩恵を自民党が受けたものだ。小選挙区制の恩恵を自民党が最大限に受けたのは、いうまでもなく前回、2005年の「郵政総選挙」だった。小沢一郎が深くかかわった90年代前半の「政治改革」の最大の誤りがこの選挙制度改悪である。朝日新聞の故石川真澄記者(前述『戦後政治史』の著者)は、このカイカクに強く反対したが、それを機に石川記者は朝日新聞の主流から外れていった印象を、私は持っている。

その石川記者は、選挙のデータを解析して、「亥年現象」(参院選と統一地方選が重なる12年に1度の亥年には、参院選の投票率が下がって自民党が敗れる)などの興味深い仮説を立てることで知られた人だった(但し、「亥年現象」の仮説は、昨年の参院選の投票率が高かったことで破られた)。

その石川氏に倣って、というにはあまりにお粗末ではあるが、当ブログも「前回総選挙からの経過年数が長くなるほど、自民党の獲得議席は減る」という仮説を立てたい。時間が経過して、任期満了に近づけば近づくほど、「解散カード」の威力が薄まるからという単純な理由だ。

現在は前回総選挙から約3年。選挙が1年先送りされると、自民党の議席はざっと20議席減るものと思われる。自民党が、臨時国会冒頭での解散をたくらんでいる理由もわかろうというものだ。

昨日、「報道ステーション」で星浩・朝日新聞編集委員が語っていたところによると、総選挙はもっとも早くて10月26日になるそうだ。


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