FC2ブログ

きまぐれな日々

渡辺秀央らがぶち上げた新党「改革クラブ」は、姫井由美子の離脱によって、政治資金規正法上の政党要件である「国会議員5人以上」を満たすことができなくなり、立ち上げ早々宙に浮く形となった。

「J-CASTニュース」は、テレビ朝日のワイドショーで同局の解説委員が、姫井氏が誘いを受けた背景として、 「自分の後ろ盾として、同じ出身の平沼(赳夫衆議院議員)さんに近寄り、『平沼新党』に合流したい、という思惑がある」と解説したと伝えている。平沼赳夫の関与は、テレビでも取り沙汰されていたようだ。

「改革クラブ」という、新自由主義者(ネオリベ)がつけそうな名前がついている新党だが、参加を表明した4人は、新自由主義者というより国家主義的な新保守主義者(ネオコン)である。自民党からの働きかけがあったと言われているが、現在の自民党執行部の中心を占める「旧保守」ではなく、保守の中でも特に右寄りの、私の用語でいえば「極右」にあたる人たちである。

一人一人見ていくと、渡辺秀央は拓殖大学を卒業して中曽根康弘の秘書を務めた経歴がある。大江康弘は、関西では超金持ちで低学力の学生が行くことで有名な芦屋大学を卒業して、同郷(和歌山県)の民族派右翼議員として知られていた故玉置和郎の秘書を務めた。日本会議国会議員懇談会にも加盟している。荒井広幸は、自民党を離党(のち除名)され、田中康夫を代表に立てて新党日本を結成したが、一昨年の首班指名で安倍晋三に投票する愚挙を犯したため、国民新党から統一会派を解除されたうえ、のちには田中康夫とも対立して無所属になった。松下新平には、派手な活躍はないが、「しんぶん赤旗」が報じるところによると、靖国神社の戦争博物館・遊就館で8月中の企画として上映されている映画「南京の真実」(「南京大虐殺」はなかったと主張する戦争美化映画)の「製作委員会賛同者」リストに、平沼赳夫、稲田朋美、松原仁、西村眞吾、それに前述の大江康弘らとともに名を連ねている。また、大江康弘同様、日本会議国会議員懇談会に加盟している。いずれもそうそうたる極右議員だ。

ここで注目されるのは、荒井広幸が自民党を除名された人物であることだ。マスコミは、4人全員が自民党とのかかわりが深い、だから自民党の手引きで行動したのだろうと推測するのだが、私は極右の巨魁・平沼赳夫が彼らに手を回して新党を結成させ、平沼が次期衆院選候補者を集めて結成をもくろんでいる新党に対応する参院側の政党として位置づける狙いがあったのではないかと想像している。

姫井由美子だけはこの4人と異質だが、姫井は岡山県選出の参議院議員である。これで平沼との結びつきが頭に浮かばないほうがどうかしていると私などは思うのだが、それは私が岡山から瀬戸内海をはさんで対岸に位置する香川県に住んでいて、両県は民放テレビの放送エリアを共有しているために岡山のニュースに接する機会が多いせいに過ぎないのだろうか?

前記「J-CASTニュース」によると、姫井が同郷の大政治家である平沼に接近しようとしたというのだが、私の見方は違う。総理大臣の座を狙う政治的野心からいっても、政治家としての残り時間からいっても、平沼の方から姫井に誘いをかけたと見る方がずっと自然だろう。

しかし、土壇場の姫井の変心で、新党は宙に浮いてしまった。渡辺秀央と大江康弘は、もともと「反小沢一郎」の急先鋒のような人たちだったから、彼らは赤っ恥をかかされたことになる。それとともに、「改革クラブ」が平沼新党の参院側パーティーになった場合、「改革クラブ」は小沢一郎に刃向かう勢力という位置づけになるから、平沼新党と国民新党がブリッジとなって自民党(コイズミ一派を除く)と民主党(社民主義勢力を除く)で連立した「大連立」ならぬ「中連立」政権を樹立して、自らが総理大臣に就任しようという平沼赳夫の野望(私はそんなところではないかと想像している)は、実現が極めて難しくなった。

少し前からうすうすと感じていたのだが、小沢一郎は平沼赳夫と組もうとは思っていない。平沼と組みたいのは、むしろ国民新党の方だろうが、これには社民党の強い反対が予想される。それでも、社民党を連立から除くのは、かつての細川?羽田内閣時代の小沢一郎の所業を思い出せば大いにありうる話だが、当時と今で違うのは、民主党内で小沢は旧社会党の人たちと親密だということだ。だから、民主党、国民新党、平沼新党の三党連立も考えにくい情勢だ。

今回のドタバタ劇で、平沼新党の結成自体が遠のいたように思う。

自民党は、福田改造内閣発足に伴う人事で、「カイカク離れ」色を強めた。森喜朗は、郵政民営化を含むコイズミカイカクの見直し・再評価を明言した。

それなら、いつまでも平沼赳夫一派を放逐しておく必要もないはずだ。改造内閣人事は、コイズミチルドレンに冷たく、極右に優しいものだった。自民党は、民主党との提携が難しくなった平沼赳夫たちに復党してもらってはどうだろうか。

城内実には、静岡7区で自民党の公認候補になってもらって、民主党の斉木武志と戦う。この対戦なら、当ブログとしてはまことに残念ながら、城内が圧倒的に有利だろう。静岡7区にいては当選の見込みが全くないコイズミチルドレンの片山さつきには、佐藤ゆかり同様首都圏に回ってもらってチャンスを与える。

当然、岡山3区は平沼赳夫を自民党公認で立て、民主党は対立候補を立てる。現状では自民党候補と極右の一騎打ちになってしまい、これでは有権者に示される選択肢が右に偏り過ぎる。

各政治家の政治思想および経済政策の立ち位置からいっても、これがいちばんすっきりした形だと思うのだが、いかがだろうか。


#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 および 「トラックバックピープル・民主党」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党および民主党関係の記事も、どうかご覧下さい。

↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

岡田克也、前原誠司、野田佳彦、枝野幸男らが次々と民主党代表選レースから降り、小沢一郎代表の無投票での3選がほぼ決まり、と思われた時、波乱が起きた。

昨日(8月28日)昼に、民主党の渡辺秀央氏ら3人の民主党参院議員が民主党を離党し、無所属の荒井広幸、松下新平両氏とともに新党「改革クラブ」を結成すると発表した。

民主党を離党する3人は、渡辺氏のほか、大江康弘氏と姫井由美子氏である。このうち、昨年の参院選で自民党の大物議員・片山虎之助氏を破って、「姫の虎退治」として民主党躍進の象徴ともされた姫井由美子の離党には驚かされた。

「改革クラブ」に参加予定の5人のうち、姫井由美子を除く4人には、「右翼政治家」という共通点がある。

民主党の政治家は、大雑把に言って、(1)旧保守、(2)新自由主義者(ネオリベ)、(3)新保守主義者(ネオコン)、(4)社会民主主義者・修正資本主義者に分かれる。自民党の政治家には、(4)はほとんどおらず、大きく(1)から(3)に分けられる。つまり、自民党と民主党の議員は、その政治思想および経済政策のスタンスは、民主党にのみ存在する社民主義者を除いてオーバーラップしている。これらのうち、経済政策的には(1)の旧保守と(4)の社民主義(または修正資本主義)が比較的相性が良く、1994年からの自民・社会・さきがけの三党連立は、前年の93年に成立した、非自民・非共産の7党連合による細川護熙内閣の新自由主義に対抗して、修正資本主義・社会民主主義を打ち出した政権であったとの見方もできる(実際には、政権奪取のためには自民党が手段を選ばなかっただけという色合いが濃いけれども)。

一方、政治思想的には見かけ上(2)と(4)が近く、コイズミ政権が朝日新聞や毎日新聞などにも歓迎されたのは、「カイカク」というフレーズが「革新的」なイメージを振りまいたためだ。だが、新自由主義が馬脚を現した現在は、まず民主党、そして最近では自民党も「カイカク離れ」を、少なくとも表面上は見せるようになった。いわゆる「偽装CHANGE勢力」は(2)の新自由主義者であって、彼らが「反攻」を目指しているのは確かなのだろうが、90年代半ば頃から政府が進めてきた新自由主義政策によって格差の拡大や貧困に直面する人たちの増加によって、新自由主義自体が国民の支持を得られなくなっている。また、「旧保守」も、現状に不満を持つ国民にだいぶ前に愛想を尽かされており、だからこそ、新自由主義の正体が明らかになる前の今世紀初頭に「コイズミカイカク」がもてはやされたのである。

私は、これらの流れを受けて、(4)の社会民主主義・修正資本主義に政策を転換すべきだと考えているのだが、なかなかそうは問屋が卸さず、自民党は(2)の新自由主義者を冷遇し、旧保守が中心となって、ネオコンの取り込みによって政権を維持しようとしている。厄介なことに、民主党にもネオコンは結構いるから、彼らは、国民の支持を失いつつあると知りながら、自民党側からのアプローチについ傾くのである。さらに厄介なことに、(3)のネオコンは、実は「隠れネオリベ」的体質を持っている。ここでは便宜上ネオコンとネオリベを分けて考えているが、両者の間には強い相関があるのだ。

しばらく前に郵政造反組の平沼赳夫氏によって構想がぶち上げられた「平沼新党」は、(3)のネオコンの典型である。彼らは、市場原理主義への反対を声高に叫ぶことによって、本来(4)に流れるべき人たちを(3)に吸引することを狙っているが、イデオローグの櫻井よしこがかつて郵政造反議員を批判したり前原誠司を称揚していたことなどから明らかなように、彼らは多分にネオリベ的要素を有している。首領の平沼赳夫自身、サッチャーの教育カイカクを熱心に支持しており、本質的に新自由主義者だ。私には、彼らの方こそ「偽装CHANGE」の名に似つかわしいと思える。

今回、4人の右翼政治家のメンバーと、平沼赳夫と同じ岡山県選出議員である姫井由美子という組み合わせを見て、私はすぐ、この造反劇は平沼赳夫の差し金ではないかと疑った。もちろんこれは仮説に過ぎず、その真偽はまだわからない。考えをめぐらせて見ると、もう一つ可能性があって、それはネオコンを取り込もうとする自民党の差し金ということで、この場合、平沼新党も自民党に取り込まれる対象となり、一度立ち上がって選挙で一定の議席数を得たのち、自民党に合流することになるだろう。最悪の場合は、平沼新党と国民新党をブリッジにして自民党と民主党をくっつけた「大連立」政権の樹立ということになる。この場合、結果的には「偽装CHANGE勢力の反攻」と同じ効果をもたらすわけで、単にプロセスが違うだけで、行き着く先は同じ民意無視の権力亡者と強欲な金持ちによる地獄の政治になる。悪政のもと、日本は焦土と化してしまう。

今回の渡辺新党が平沼赳夫の直接の差し金による場合、渡辺新党は今後立ち上げられる平沼新党の参院側の対応政党となり、いずれ両者は合同することになるだろう。自民党からの差し金である場合、渡辺新党と平沼新党は表向き別々に行動するが、この場合は両方ともいずれ自民党に吸収されることになるだろう。民主党の一部も、それに吸い込まれる。

最終的には、民主党から(4)の社会民主主義・修正資本主義の勢力は弾き出され、社民党や共産党を合わせたところで、勢力は議会の3分の1を占めることができず、新自由主義は復活し、日本国憲法は改定されてしまうのではないか。こんな暗い予感を抱かずにはいられない今回の3議員の造反劇だった。

それにしても、渡辺秀央や大江康弘は許せても、姫井由美子だけは許せない。前二者が極右議員であることは、最初から経歴などから明らかだったが、姫井由美子は実は姫の皮をかぶった狼だったからだ。「姫の虎退治」どころか、狼が赤頭巾ちゃんならぬ虎を騙し討ちにしたようなものだ。私でさえ無念でならないのだから、姫井に投票した岡山県の人たちの心中はいかばかりだろうか。姫井が実質的な与党議員となった今となっては、姫井が当選するくらいなら、NHKカイカクをめぐって竹中平蔵と厳しく対立した旧保守の政治家である片山虎之助が当選していた方がまだマシだったと思うのは、私だけだろうか。

民意を無視した裏切り行為を働いた姫井由美子には、議員辞職を求めたいが、厚顔無恥な姫井由美子が辞職するはずもなかろう。とてもいやな気分の週末を迎えてしまった。


[追記] (2008.8.29 19:00)
なんと姫井由美子が民主党離党を撤回し、渡辺秀央らの極右新党結成の構想は宙に浮いた。
http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008082901000497.html

なんて人騒がせな議員だろう。「姫の皮をかぶった狼」というより、「姫の皮をかぶった鵺(ぬえ)」とでも呼ぶべきだろうか?

もっとも、当ブログは既に姫井由美子を見限っており、姫井を許したりなどはしないことを明言しておく。


#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 および 「トラックバックピープル・民主党」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党および民主党関係の記事も、どうかご覧下さい。

↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング