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きまぐれな日々

麻生太郎の「ナチスの手口を学んだらどうか」という発言が物議を醸している。この件に関して、昨日(4日)、『kojitakenの日記』に「麻生太郎の『ナチス発言』に見られる『建前』と『本音』」と題した記事を書いた。最初は今日の当ブログの記事にしようと考えていたが、気が変わって『日記』の方に出した。

要旨は建前としてはナチスを否認する立場に立っているはずの麻生太郎の本音が表れたというもので、同様の論考は記事からリンクして言及した2件のブログ記事をはじめとして多数あると思う。

今回、朝日や毎日などの新聞の初動が遅れ、海外(中韓や欧米)が騒ぎ始めてからやっと麻生太郎を追及する記事を書くようになったことが批判されている。新聞記者にしてみれば、「ナチスを否認している麻生さんが言い間違えただけだから」と考えて、発言の問題になった部分を省いた上で論評抜きの短い記事にしたり(朝日)、そもそも発言の翌日には報道しなかったり(毎日)したものであろう。記者たちの気持ちはわからないではないが、朝日・毎日とも後手に回った印象の悪さは否めない。

実際、麻生太郎は総理大臣時代の2008年に、民主党をナチスにたとえて批判する発言をしている(下記URL)。以下引用する。
http://www.afpbb.com/article/politics/2501065/3187903

麻生氏の民主党ナチス発言、鳩山氏「看過できない」

【8月5日 AFP】自民党の麻生太郎(Taro Aso)幹事長が4日、民主党をナチス(Nazis)に例えたと受け取れる発言をしたことに対し、同党の鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)幹事長は、党として麻生氏に謝罪を求める方針を明らかにした。

 日本経済新聞によると、麻生氏は前日、民主党の江田五月(Satsuki Eda)参院議長に就任のあいさつをした際、「歴史を見れば政権与党から民心が離れた結果、ナチスのような政党が政権を取った例もある」と述べたという。

 ときに舌禍で知られる麻生氏だが、ほかの報道によると「ドイツでもナチスにいっぺん(政権を)やらせてみようと選んで、ああなった」とも述べた。

 5日、記者会見した麻生氏は「民主党をナチスに例えたわけではない」と述べ、民主党が第1党を占める参院で、審議が行き詰まる状況を批判したのだと釈明した。

 しかし鳩山民主党幹事長は、「許し難い暴言。民主党と国民を冒涜(ぼうとく)している」と反発、「看過できる問題ではない。党として謝罪を求めたい」と述べた。(c)AFP

(AFP BBニュース 2008年08月05日 21:50)


改めてこの件を報じた記事を読み返して思うことは、「歴史を見れば政権与党から民心が離れた結果、ナチスのような政党が政権を取った例もある」という麻生の指摘にずばり当てはまるのが、安倍晋三を総裁に戴く自民党が圧勝した昨年の衆議院選挙にほかならないということだ。

かつての自民党政権は、岸信介が1960年に退陣して以降、2000年に森喜朗が密室の不明朗な選出過程を経て総理大臣になるまでの40年間で、保守傍流に政権を明け渡したことはわずかに福田赳夫(1976〜78年)と中曽根康弘(1982〜87年)の2度を数えるだけだった。しかし自民党は近年急速に右傾化し、小泉純一郎や安倍晋三など、本来絶対に総理大臣にしてはならなかった人間に長期政権を担わせた。2人の中でも特に論外な安倍晋三は、最初は1年で総理大臣の座を追われたが、しぶとく復活して2度目の今回は長期政権になる恐れが強い。

そんな中、「保守本流」の出である麻生太郎も極右の本音を抱いている。政敵をナチスにたとえたり、ナチスの「手口」などとネガティブな言葉遣いをするあたりが、「保守本流」の出である麻生の「建前」であろうが、『kojitakenの日記』で見たように、ナチスを容認し、そのやり方を学べというのが麻生の「本音」なのである。

さて、長くなるのでいったんブレイクを入れる。後半は小沢一郎とその支持者たちへの批判なので、「またか」と思われる方は読まない方が賢明かもしれない(笑)
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昨年秋、麻生太郎が自民党総裁及び日本国首相に就任した直後に、全国に麻生の顔写真とともに「麻生が、やりぬく。」、「まずは、景気だ。」と大書されたポスターが張られた。目ざわりかつ不愉快なポスターだったが、かけ声とは裏腹に、麻生は何ら有効な景気対策を打ってこなかった。選挙をすると政治空白が生じると言って、衆議院の解散を先送りし続けたが、麻生内閣発足以来の5か月あまりこそ、政治空白そのものだった。

しびれを切らしたのは国内ばかりではなく、英フィナンシャル・タイムズまでもが日本の衆議院の解散を要求するという未曾有(笑)の事態になった。しかし、昨日(1日)のいわゆる「政治番組」では、これを題材に政府要人に解散を迫る展開になると思いきや、ワンテンポ遅れた郵政民営化の議論で時間を潰していた。いつも余裕綽々(しゃくしゃく)の竹中平蔵に亀井静香が舌鋒鋭く切り込み、竹中が冷静さを失って声を荒らげていたのは見ものではあったが、喫緊の課題は郵政民営化の是非ではない。そう思った。

もう誰もが感じていることだろうが、諸外国の景気対策はずっと早い。台湾で給付金の案が持ち上がったのは日本より遅かったが、既に実施されて経済効果が出ている。オバマは大胆な景気対策を打ち出し、富裕層の所得税減税を廃止して、逆に富裕層に増税する方針も示した。しかし、麻生は「まずは、政権延命だ」、「麻生が、さぼりぬく」とばかりに何もやらない。読売新聞や朝日新聞は、あろうことか強烈な消費税増税・緊縮財政論者の与謝野馨を次期自民党総裁に擬するありさまで、よほど日本経済を根底からくつがえしたいものと見える。いまや日本は、無能な政府とマスコミに破壊されようとしている。

本当は、昨日の「政治番組」では麻生内閣を解散総選挙に追い込む、そんな展開が期待されたのだ。だが、そうはならなかった。

いうまでも私は、現在の自公政権に反対である。だが、昨年秋以来、何度も「解散総選挙を先送りにすればするほど、自民党の議席は減る」と主張してきた。解散を先送りすると、いつかは情勢を自民党に有利にする「神風」が吹くとは、日本が「神の国」であると言ったことのある森喜朗なら考えそうなことだが、鮫の脳みそが夢想するような事態が起きるはずもない。

私は別に自民党のために早期解散を主張して、自民党の議席減に少しでも歯止めをかけさせてやろうなどと思ったわけではなく、既に安倍晋三政権の頃から政権担当能力を失っていた自民党政権が、これ以上続くのに耐えられなかっただけの話だ。特に、首相が福田康夫から麻生太郎に代わってからはひどかった。安倍、福田、麻生の三代の中では、辛うじて見どころがあったのは福田康夫だけであり、それでも福田にも合格点はつけられないが、麻生太郎に代わった時点で、「こりゃダメだ」と思った。しかし、ここまでひどいとは想像もしなかった。自公与党の連中はもうだいぶ前から「麻生がここまでバカだとは思わなかった」などと言っていたし、2009年度予算案成立を機に、自民党内から公然と麻生下ろしの声が上がっているが、麻生は彼らが選んだ総理総裁なのである。仮にこの時期に自民党総裁選を実施するとして、その大義名分など何もないし、何より彼らが総選挙を回避する口実に用いていた「政治空白」を自ら作り出すことになる。いくら「自民党のコマーシャル」をやるマスコミだって、今度は批判するだろう。

それでは、麻生がこのまま居座り続けたらどうなるだろうか。昨日のTBSテレビ『サンデーモーニング』で、田中秀征が「このまま麻生政権が続いて3月末を迎えると、不況が麻生さんのせいにされる」と言っていた。実際、世界金融危機の発生自体は麻生のせいではないが、昨年9月末の麻生内閣発足以来の無策によって景気の足を引っ張ったのは、明らかに麻生のせいである。「まずは、景気だ。」というかけ声には、実体が何も伴っていない。それどころか、アル中の中川昭一がG7で醜態をさらして辞任に追い込まれると、後任に(読売や朝日の思惑通りに)与謝野馨を据えた。仕事のやる気は何もないのに、権力の座にだけは醜く固執する。最悪の政権である。ようやく、さしもの自民党議員からも早期の解散総選挙を求める声が出てきた。

こんなていたらくでも、コイズミら新自由主義者よりましという観点からか、「麻生内閣を応援しよう」という声も出ているようだが、冗談ではない。コイズミは次期総選挙には立候補せず引退する。コイズミチルドレンは大部分が落選するし、彼らを束ねている武部勤も落選する可能性が高い。コイズミ一派を恐れて無策の麻生を応援するなどというのは、「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」の類の愚挙だ。「かんぽの宿」問題で目立っている鳩山総務相を応援する、などと言っている人もいるが、亀井静香の言うように、郵政民営化の見直しは次期政権に任せておけばよい。

とにかく、有効な景気対策を打てない麻生内閣は、日本の社会と経済にとって百害あって一利なしなのである。可能な限り早期の解散総選挙を求めたい。


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下野後の代表質問の予行演習をしているかのような麻生太郎の所信表明演説だった。麻生は民主党に財源の提示を求めていたが、政府の2008年度補正予算案こそ、追加の財政支出は1兆8千億円に過ぎないものの、中川昭一財務相が「中央公論」8月号に発表した「日本経済復活のための13の政策」において、21兆円の財政負担が必要だとしている。中川昭一の提言では、財源中に消費税増税も含まれているが、麻生太郎は消費税を3年間据え置くと言っている。財源の提示が必要なのは自民党も同じだと思うし、田原総一朗でさえそう言っているのだが(田原は新自由主義者で中川昭一の景気対策には反対だからだろうが)、NHKは、民主党だけが財源を示していないかのような印象操作をしている。昨年、安倍晋三の息のかかったNHK経営委員長の古森重隆が、NHK会長を橋本元一から福地茂雄にすげ替えて以来のNHKの偏向報道は、目にあまるものがある。

今後、おそらく10月3日に衆議院が解散され、総選挙は10月21日公示、11月2日投票になるのだろう。3連休の2日目に投票日を設定するのは前代未聞で、鳩山由紀夫が「報道2001」で「投票率を下げたい公明党の以降によるものだろう」と言っていたが、もう一つ、アメリカの大統領選のあとに総選挙をもってくるのを、自公両党が異様に恐れているかららしい。大統領選は、今後の1か月でどう転ぶかわからないが、「民主党」のバラク・オバマが優勢と見られている。

米共和党は、ブッシュ政権の公的資金にも抵抗するほどの手のつけられないネオコン・ネオリベぶりを発揮しているから、マケインではアメリカ経済を立て直すことは困難だ。アメリカという国は、日本と違って行き過ぎが生じると元に戻そうとする復元力が働く。だから、私は大統領選はオバマが勝つに違いないと確信している。オバマが勝った場合、その結果が日本の衆院選に強く影響することは間違いないから、自公両党は何が何でも11月4日以前に投票日を設定しなければならないと考えているのだろう。

さて、今日のエントリではしばらく前から書こうとしてタイミングを逸しつつあった「身体検査」の問題について書きたい。

9月25日に朝日新聞が、

小渕優子・少子化担当相が代表を務める自民党群馬県第5選挙区支部が、国土交通省などの指名停止処分を受けた5社から、その処分後から07年までに計約720万円の寄付を受けていたことが分かった。

と報じたが、小渕優子にはそれ以前から別件の「古傷」が報じられていた。

それは、「サンデー毎日」8月10日号に掲載された、「本誌が身体検査! 「危ない大物議員」6人の「名前」」という記事に出ていたもので、福田改造内閣発足の直前に書かれている。「サンデー毎日」編集部の「身体検査」によって、改造内閣に入れてはいけないと列挙された議員の中に、小渕優子が細田博之・自民党幹事長とともに入っているのである。以下、「サンデー毎日」から引用する。

 では、首相(注:福田前首相)が避けるべき閣僚候補を見ていこう。

 まず、刑事事件にかかわる「関係者」は論外だろう。その点で「落選確実」なのが、官房長官候補として呼び声の高い細田博之元官房長官(64)と、同じ群馬県選出で首相が親近感を持つといわれる小渕優子衆院議員(34)だ。

 国土交通省発注の公用車運転業務をめぐり、天下りした同省OBらが談合を繰り返していた疑いがあるとして公正取引委員会が7月15日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で業界を立ち入り検査したが、最大手の「日本道路興運」(東京都新宿区)から、二人とも「資金提供」を受けた過去があるためだ。

 (中略)小渕氏の資金管理団体「未来産業研究会」の政治資金収支報告書によると、06年5月11日に東京・赤坂のホテルで開かれたパーティーの際、日本道路興運の前社長から100万円の個人寄付を受けていた。小渕事務所は本誌(「サンデー毎日」)の取材に「(前社長とは)先代(小渕恵三元首相)からのお付き合いです」と回答した。

(「サンデー毎日」 2008年8月10日号掲載 「本誌が身体検査! 「危ない大物議員」6人の「名前」」より)


要は、小渕優子は亡き父から引き継いだ利権にまみれた世襲政治家というわけで、よくこんな人物を閣僚に起用したものだと思うが、それもそのはず、上記「危ない大物議員」の中には、なんと首相になった麻生太郎自身の名前も出ているのだ。

「サンデー毎日」は、文部科学省関係者から得た情報として、麻生にはカネ絡みの疑惑が囁かれているとしている。再び同誌から引用する。

 その(カネ絡みの疑惑の)一つが今年4月、文科省を舞台に警視庁が摘発した贈収賄事件だという。参院議員元私設秘書と同省キャリア技官が逮捕・起訴されたが、麻生氏は森喜朗元首相に次ぐ文教族。

「技官周辺で、麻生氏サイドと関係が深いとされる "教育施設ブローカー" が暗躍していた疑いがある。麻生氏が表舞台に出れば、この "ブローカー" の存在が注目されるでしょう」(文部科学省関係者)

(「サンデー毎日」 2008年8月10日号掲載 「本誌が身体検査! 「危ない大物議員」6人の「名前」」より)


この件とは別に、麻生が支部長を務める自民党福岡県第8選挙区支部が、国立病院発注の機器納入を巡る汚職事件の贈賄側企業から、1995年から2007年までに計400万円の献金を受けていたことが、28日に報じられている。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080928AT5C2801828092008.html

世襲政治家は、父や祖父から能力は必ずしも引き継がないが、利権は引き継ぐ。だから、世襲政治家には金に絡む疑惑がいろいろ出てくる。そして、世襲政治家たちで固められたのが麻生内閣である。

政権が民主党中心になったって、日本の政治がめざましく良くなることは期待できないのかもしれないが、少なくとも世襲政治家たちで固められた麻生内閣よりはまともな仕事をしてくれるのではないかと思う今日この頃なのである。


「サンデー毎日」が挙げた「危ない大物議員6人」として挙げたのは、上記3人の他、中川秀直、矢野哲朗、武部勤の三氏です。


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今年も「9・11」がやってきた。

新自由主義に反対する者にとっては、厄日である。世界最初の新自由主義国家といわれるチリのピノチェト政権は、1973年9月11日に、アメリカの差し金によって、アジェンデ大統領を暗殺しての軍事クーデターで成立した。2001年9月11日のニューヨークでのテロは、アメリカに「テロとの戦い」の口実としたアフガン(やイラク)における暴虐のチャンスを与えてしまった。そして、2005年9月11日には、新自由主義の権化ともいえるコイズミ自民党が、歴史的な大勝をおさめ、以後日本国民は次々と打ち出される負担増や社会保障削減などの圧政に苦しむことになった。

当ブログは、昨日(9月10日)に累積アクセス数が200万件に達した。一昨日までのペースだと、200万件到達は「9・11」になりそうだったが、昨日は検索語「加藤千洋」(報道ステーションのコメンテーターを勇退することが報じられた)によるブログ訪問が殺到してアクセス数が増えたために、予想より1日早く200万件に到達した。ブログの記念日が「9・11」と重ならずに済んでほっとした次第だ。加藤千洋氏には、これまでの労をねぎらうとともに、当ブログの昨日のアクセス数を押し上げていただいたことに感謝したい。

そんな個人的な話は読者にはどうでも良いことだろうが、ブログにはプライベートな性格も強いので、ご容赦をお願いしたい。「9・11」についていうと、アメリカの「テロとの戦い」に安易に同調しすぎ、それに何の異論も差し挟まなかった日本政府の政策は間違っていた。だが、自民党総裁選ではそのことは一切議論されないし、昨日の朝日新聞社説にも、アメリカへの批判や注文はあっても、それに追随した日本政府や朝日新聞自身を含めたマスコミ言論への批判や反省はない。

前首相・安倍晋三が辞任を表明する前日の、昨年の「9・11」に当ブログが何を書いていたかと思って当日のエントリを読み返してみると、「コイズミ一派とアベシンゾー一派の内紛が始まった」と題されたその記事には、

安倍改造内閣で官房長官に与謝野馨を起用した時、与謝野が財務省を代弁する緊縮財政論者で、竹中平蔵や中川秀直の「上げ潮政策」と対立する人物であることから、あれっと思った人は多いはずだ(私はいずれの政策も正しくないと思っているが)。

とか、

田原(総一朗)は、安倍内閣に期待したのは、コイズミカイカクを引き継いで公務員改革をやってくれるものと期待したからだ、しかるに安倍は意に反して内閣改造で「カイカク」メンバーが軒並み閣外に去った、内閣の実権は麻生太郎と与謝野馨が握った、などとして今回の内閣改造を批判した。

などと書かれている。

今回の自民党総裁選は、いちおうコイズミ?竹中の「新自由主義過激派」からは少し距離を置く人たちの争いになっていることは間違いない。次期総理・総裁は麻生太郎で決まったようなもので、この流れはもはや変えられない。麻生の積極財政政策は、コイズミ?安倍の頃の過激な新自由主義政策よりはいくぶんマシだろうが、田原総一朗らの新自由主義者は、「自民党も民主党もどっちもバラマキなんだ!」と批判するだろう。番組に出てくる、中川秀直や前原誠司ら自民・民主の政治家たちは、それぞれ総選挙後の政界再編の政局をにらんで、微妙な言い回しの発言をするだろう。そんなことは今からわかっているから、政治番組で繰り広げられる茶番が今から頭に浮かんで、うんざりする。これからは、週末の政治番組を見る頻度を減らした方が良いかもしれない。精神衛生上よろしくないし、特に田原の番組など、たまにやる「言論は大丈夫か」のシリーズなどを除いて、見て得られるところは少ない。

ところで、麻生太郎について忘れてはならないのは、麻生がコイズミの新自由主義政権を支えてきた中心人物の一人だったことだ。亀井静香は、その麻生を強烈に批判している(下記URLの「夕刊フジ」記事)。
http://www.zakzak.co.jp/top/200809/t2008090836_all.html

最近、麻生氏は小泉改革路線を否定しているが、重要閣僚や党幹部として小泉改革に手を貸してきた張本人。国民生活をここまで破壊した責任者の1人だ。ほおかむりしてきれい事を並べるのはおかしい。自らを総括し国民におわびするべきだ。

(2008年9月8日 夕刊フジ)


全く亀井静香の言う通りで、麻生は昔からコイズミカイカクに反対していたかのような口ぶりで演説しているが、実は「カイカク」の張本人なのだ。

いってみれば麻生は、東条内閣の大臣でありながら、戦後総理大臣になった岸信介のような男だといえる。麻生の祖父、吉田茂は戦時中から親米英で、和平工作などをしてにらまれていた人物だった。政治思想的には吉田茂はゴリゴリの右派だったが、戦争には反対だったので、戦後首相になっても不思議のない人物だった。しかし岸は、日本人が戦争責任を総括しなかったことに乗じて総理大臣になった人物だ。自民党がコイズミカイカクを総括していないことに乗じて総理大臣になろうとしている麻生太郎は、自民党の無責任体質の象徴だといえる。そして麻生は、祖父の吉田茂より、祖父の政敵だった岸信介によほどよく似ている。

自民党と同じように民主党も、前原前代表時代までの新自由主義路線を総括していない。ここは、民主党が「カイカク」の総括を行ない、過去の誤りを認めて謝罪した上で、改めて「カイカク」の後継者たる麻生自民党との対決姿勢を打ち出すべきではないか。

前の参議院選挙が、「アベシンゾー審判選挙」であったとしたなら、きたる総選挙は、「コイズミカイカク審判選挙」であるべきだ。争点は、「カイカクの是非」である。「消えた年金」や後期高齢者医療制度の問題も、最終的には「カイカク」に絡めて論じられるべきだと思う。

自民・民主両党は、ともに「カイカク」を総括せよ。その上で、「脱カイカク」競争をしてほしい。特に、コイズミ内閣の中枢にいた麻生太郎は、コイズミ時代の失政の責任をどうとるのか、明らかにすべきである。


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福田改造内閣が週末に発足したばかりなのに、早くも新聞社が改造内閣の支持率調査を行い、その結果が発表されている。

私は、そんなの見るまでもなく、支持率は数ポイントアップする程度だろうと思っていたし、事実その通りで、朝日新聞の調査に至っては、支持率は横ばいだった。

ところが、読売新聞の調査だけは、支持率が大幅にアップして40%を超えた。読売は、直前の調査は面談方式で、今回は電話調査だから単純な比較はできないと書いているが、電話口で露骨な誘導尋問でもやったのだろうか?

まあ、読売新聞の内閣支持率調査は、他紙より大幅に高めに出るのが普通だから、今回の調査結果も驚くにはあたらないのかもしれないが、読売だけが突出して高いようだから、読売新聞の世論調査はその精度を疑われても仕方ないだろう。

ところで見逃せないのは、朝日、読売とも麻生太郎・自民党新幹事長の起用が評価されているという結果を出していることだ。朝日調査では51%、読売調査ではなんと66%の人が、麻生の幹事長起用を評価している。

そこで、当ブログでは麻生太郎の人となりを知る格好のエピソードを紹介したい。麻生が、安倍晋三、福田康夫、谷垣禎一の3人と「ポストコイズミ」争いをしていた一昨年6月24日に、「タカ派か極右かの選択」と題したエントリで一度紹介したことがあるが、その再掲だ。当時4人は、名前から一文字ずつをとって「麻垣康三」(あさがきこうぞう)と称されていた。しかしこの4人は、すべて世襲政治家だ。

魚住昭の著書『野中広務 差別と権力』(講談社、2004年)の「エピローグ」に麻生の本性をえぐったエピソードが紹介されている。2003年9月21日、野中広務は、引退前の最後の自民党総務会で、最後の発言として、次のように述べた。以下魚住さんの本からの引用。

「総務大臣に予定されておる麻生政調会長。あなたは大勇会の会合で『野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ』とおっしゃった。そのことを、私は大勇会の三人のメンバーに確認しました。君のような人間がわが政党の政策をやり、これから大臣ポストについていく。こんなことで人権啓発なんかできようはずがないんだ。私は絶対に許さん!」
野中の激しい言葉に総務会の空気は凍りついた。麻生は何も答えず、顔を真っ赤にしてうつむいたままだった。

(魚住昭 『野中広務 差別と権力』=講談社、2004年より)


軽薄な差別発言、それに対して抗議された時、何の反論もできないぶざまさ。これが麻生太郎の本質だ。一昨年当時、「麻垣康三」の中で一番首相になってほしくないのが安倍晋三だったが、その次が麻生太郎だった。

その麻生が、解散前に政権を福田康夫から禅譲されて、次期首相に就任すると観測する向きもあるが、とんでもない話だ。

極右にして新自由主義者、その上平気で部落差別発言をする麻生太郎のような男が総理大臣になったら、日本はアブナイどころか本当に終わってしまうと思う今日この頃だ。


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