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きまぐれな日々

7月7日付エントリで、創価学会系の月刊誌『潮』の最新号(8月号)が「北欧特集」を組んだことをお伝えした。これまでコイズミ、安倍の新自由主義政治に協力してきた公明党が方向転換するのかと思っていたところ、『週刊新潮』の7月24日号が、「ついに「自民党」は創価学会「池田大作」に切り捨てられた! "福田降ろし" 画策の自民党を尻目に、公明党の新方針は "民主党と連立"」と題した記事が掲載されたらしい。

私はこの記事を読んでいないし(当地ではまだ読めない)、『週刊新潮』のことだからいい加減な飛ばし記事なのかもしれないが、自民党政権がいよいよ終わりに近づいてきたことだけは間違いなさそうである。

しかし、本当だったらとっくの昔に歴史的役割を終えていたはずの自民党政権を延命させてきたのは、コイズミの「カイカク詐欺」もさることながら、創価学会?公明党が選挙で自民党候補の票を上積みしてきたことは絶対に見逃せない。それも、70年代頃の公明党の主張とは正反対の、政治思想的には安倍晋三に代表される国家主義、経済思想的にはコイズミ?竹中平蔵に代表される新自由主義を前面に打ち出した、自民党政権史上でももっとも酷薄なコイズミ?安倍時代を支えた公明党の悪行は、どんなに非難しても非難しつくせるものではない。

かてて加えて、政教分離が全くなされていない創価学会?公明党の内部には、批判者を許さず、「水伝騒動」の「共感強要派」どころではないすさまじい同調圧力があり、ひとたび裏切り者とみなされたが最後、生命の安全さえおびやかされる目に遭うという(注)。

たとえばさる6月25日に、元公明党委員長・矢野絢也氏が東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見を行い、5月12日に創価学会と同会幹部7人に対して民事訴訟を提起した経緯について説明した。
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080626/26778

『オーマイニュース』に掲載された上記URLの記事には、「創価学会は「反社会的」「人権蹂躙」団体だ」というタイトルがついているが、この記事で取り上げられた矢野絢也氏は、『文藝春秋』8月号に「創価学会が脅えた私の「極秘メモ」」と題した記事を発表した。

私はこの記事を読んだが、ナベツネ(渡邉恒雄)がよく描く、戦後間もない頃に「極左冒険主義」をとった頃の共産党かと思わせる、おそるべき内容だった。

矢野氏は、一時政治評論家としてしばしばテレビで姿を見かけたが、最近とんとご無沙汰だ。その理由は創価学会に脅迫されていたからだった。1993?94年に『文藝春秋』に発表した矢野氏の手記が、12年後の2005年になって学会ににらまれ、矢野氏は創価学会の青年部によって「査問会」同然の吊るし上げを食った上、その翌日に矢野氏の自宅を訪れた3人の元公明党議員によって機密事項が多数記された手帳を持ち去られたという。

この件をめぐっては、3人の元公明党議員が、矢野氏およびこの件を報じた『週刊現代』と出版元の講談社を名誉毀損で提訴したが、矢野氏のほうも手帳の返還を求めて提訴を行った(いずれも2005年)。

一度は創価学会に謝罪し、マスコミでの政治評論活動をやめた矢野氏も、創価学会との闘いを始めたのである。

矢野氏は書く。

 なぜ、私がそこまで謝罪したり、大切な手帳を無理矢理にであれ持ち去られたりしたのか。不思議に思われる方もいるかもしれない。私は過去にもおいて、創価学会、公明党による造反者、敵対者への誹謗中傷がいかに執拗かつ激しいものであったかを身をもって体験しているのだ。とりわけ、私の前任公明党委員長だった竹入義勝氏、元創価学会顧問弁護士の山崎正友氏、日蓮正宗前管長の日顕師、元公明党都議会議員の藤原行正氏への攻撃はすさまじく、『聖教新聞』などで連載記事、特集記事を組んでは批判を継続し、およそ宗教団体、宗教人の発言とは思えないような口汚い誹謗中傷を掲載していた。

 この四人に対しては、学会の会合においても誹謗中傷は日常的であった。呼び捨てにし、指名を書いた紙を仏壇に置き、彼らを悪、学会を正義としてあたかも呪い殺さんばかりの祈りをするように会員に指導していた。また、会合における会場の出入り口の床に、彼らの名前を書いた紙を置いて土足で踏みにじらせるなど、常識では考えられないやり方で、会員の憎悪心を掻きたてていた。これは私が直接目撃したことである。このような人身攻撃は、それに連鎖、連動する学会離れ、造反を未然に防ぐための見せしめであった、といえよう。

(『文藝春秋』 2008年8月号掲載 矢野絢也 「創価学会が震えた私の「極秘メモ」」より)


なんともすさまじい話だが、ことに日蓮正宗の日顕師に対する攻撃は昔から有名だから、ご存知の方も多いと思う。竹入氏らを口汚く罵っている例もネット検索すれば見つかるが、あえて紹介はしない。ただ、それらを見ていると、創価学会が統一協会や日本会議、それに「独立党」などとなんら変わらないカルト集団であることが確信できると思う。

これらの勢力は、政権交代が近いと見ると、民主党にすり寄るし、民主党のほうもいまいち自らの力に自信を持ちきれないのか、各勢力に色よい反応を示したりする。2003年の総選挙や2004年の参院選で民主党が党勢を伸ばしたとき、菅直人らが公明党に誘いをかけるようなコメントをするのを見て、おいおい、ちょっと待てよと焦ったことを思い出した。ましてや、小沢一郎はかつて公明党を吸収して新進党を結成したことがある。

しかし、歴史的に見ると公明党と組んだ勢力はすべて没落していっている。1980年の社公合意で、それまでの全野党共闘路線から公明党重視に舵を切った社会党、前記の新進党、それに現在の自民党などである。組織内に言論の自由のない宗教政党と組むことは、言論の自由の確保が何より大事なはずの政党にとっては自殺行為だ。

そう、創価学会と公明党の間に政教分離は果たされておらず、竹入義勝氏や矢野絢也氏はそれを明言したために創価学会?公明党ににらまれ、激しい個人攻撃を受けることになった。

政権をとるためにどんなに数合わせしたくなっても、カルトとだけは手を結んではならない。

(注) 当エントリで紹介した矢野氏の記事によると、学会首脳が第三者を使って藤原行正氏の暗殺を計画しているとして、藤井富雄都議会幹事長が矢野氏の自宅を訪れて、暗殺計画の「取りやめ」を要請したとのこと。矢野氏は、暗殺依頼の真偽については記述を保留している。



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