きまぐれな日々

昨日(7/14)の枝野幸男官房長官の発言には呆気にとられてしまった。

http://www.asahi.com/politics/update/0714/TKY201107140323.html

首相の「脱原発」発言を修正 枝野氏「総理の希望」

 枝野幸男官房長官は14日の記者会見で、菅直人首相が「脱原発」社会をめざす考えを表明したことについて「政府の統一見解というより、国民的な議論を進めていこうというのが今の政府の立場だ」と語った。首相発言は政府見解ではないとの認識を示し、事実上、発言を修正したものだ。

 首相は13日の記者会見で「計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもやっていける社会を実現していく」と表明した。

 これについて枝野氏は「総理は遠い将来の希望を語った。今すぐにという次元で言ったのではない」と説明。そのうえで「原発を活用しながら、段階的に依存度を下げることは、ほぼ国民的なコンセンサスが得られている」とし、今後、原発を稼働させながら依存度を下げる手法について議論を深める考えを示した。

(asahi.com 2011年7月14日14時14分)


このニュースを知って最初に思い浮かんだのは、菅直人首相が「シャブ中(麻薬中毒)止めます」とは言ったけれども「シャブやめます」とまでは言えなかったのに、それにさえ永田町や霞ヶ関界隈では反発が猛烈に強くて、絶対にシャブを止めるな、という麻薬密売人が日本の政治経済を支配してるんだな、ということだ。

さらに思い浮かんだのは、「みんなでラリれば怖くない」という標語であって、もちろん昔のツービートの標語のパロディだが、最初に何を入れるかがすぐ決まらなかった。「原発」では字足らずだし、「メルトダウン」だと字余りのうえ、意味のつながりもあまり良くない。だから、ピッタリくるとはいえないけれども「放射能」として、それをこの記事のタイトルにした次第だ。

さらに、「脱原発」の応援歌として、プロ野球・阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」(正式名称は「阪神タイガースの歌」)の替え歌「原発降ろし」も思いついた。「六甲おろし(颪)」とは六甲山から吹き下ろす風のことだし、また歌詞の中にある「蒼天翔ける日輪」の「日輪」というのは太陽のことだから、「阪神タイガース」を「自然エネルギー」と言い換えれば、脱原発、自然エネルギーの応援歌になるかもしれない、などと馬鹿なことを考えて現実逃避していたのだ。まあ、現実に吹いている風は、巷では「原発降ろし」が強いけれども、永田町では「菅降ろし」の方が圧倒的に強い。

ところで、枝野発言のニュースを、読売や産経は大はしゃぎで伝える一方、毎日や東京(中日)は論評抜きで淡々と枝野幸男のコメントのみを伝えている。朝日はその中間で、

首相発言は政府見解ではないとの認識を示し、事実上、発言を修正したものだ。

という論評を差しはさんでいる。このあたりに、報道各社の原発問題に対するスタンスがよく出ている。

朝日は、7月13日の菅直人首相の記者会見に合わせて(に決まっている)「脱原発」の社説特集を組み、これまでにも徐々に「脱原発」へと傾斜してきた社論を鮮明にするとともに、菅首相の記者会見に対しても、全国紙の中ではもっとも強く支持を打ち出した(7/14)。

しかし、政治部や経済部の記者はそうではなく、2面や3面の記事は「菅降ろし」に同調するような見出しを掲げた記事ばかりだ。それは、社論を決める論説室でも同じらしく、14日付「社説余滴」で同紙の松下秀雄論説委員が書くところによると、朝日新聞の論説室でも「菅降ろし」の声は日に日に高まっているらしい。それは、松下氏と同じ政治社説担当のほか、経済社説担当の論説委員に特に強い傾向だろうとは容易に想像される。

松下氏のコラムの全文は、asahi.comには掲載されていないが、ブログ『きょうも歩く』の7月14日付記事「代案なき首相不信任案はファシズムの道」に転載されている。同ブログ経由で松下氏のコラムの一部を引用する(一部誤記を訂正した)。

(前略)

 もちろん文句はある。指示が遅い、内閣の足並みをそろえてくれ・・・ 。それを批判するのは当然としても、「とにかく辞めろ」と騒げば、原発を守りたい人たちと同じ動きになる。脱原発に向かう次のリーダーの目星もつけずに菅おろしを急げば、原発推進派を利する。合理的ではない。

 「けしからん」の一点のみで手を組むのは危うい。

 典型例が戦前のドイツだ。多くの政党が政府を倒そうとするばかりで、議会は首相を選べなくなった。その混迷をついて、ナチスが台頭する。

 おそらく現代の日本も、同じ罠にはまりかけている。

 先月の内閣不信任騒動を思い出そう。自民党とともに、民主党の小沢一郎元代表のグループも不信任案に賛成しそうだった。でも政策がまったく異なる両者の共闘は、たぶんそこまでだ。ドイツの例となんと似ていることか。

(中略)

 次の政権を「つくる」ための議論より、「おろす」ことに血道を上げる。そんな理性的でない対応こそが、日本政治の病理であり、短命政権と政治の混迷を招いてきた。

 ドイツは戦後、過去を反省して、後任を決めないと首相を不信任できない「建設的不信任」制度を設けた。

 日本も、その精神に倣ってはどうか。ポスト菅は誰か。新首相のもとで与野党はどう協力し、何を実現させるか。菅おろしに明け暮れるより、「次」の議論を進めるのだ。

(朝日新聞 2011年7月14日付 「社説余滴『菅おろし』に見る政治の病」(松下秀雄)より)


穏当な主張であって、松下氏の言う通りだと思うが、ドイツで台頭したのがナチスなら、日本で台頭するかもしれないのは橋下徹だとは、これまた私だけではなく多くの人たちが思っていることだろう。

『日本がアブナイ!』の最新エントリ「菅の脱原発会見に批判続出も、橋下は絶賛。首相の思いを、国民の思いに。」でも、橋下の発言が取り上げられている。同記事には、橋下ともども「My大天敵」であるあの『スポーツ報知』の記事がリンクされているが、この記事によると、

 大阪府の橋下徹知事は府庁で記者団に「確実に国民の声をくみ取っている。これからが大勝負なので具体図を描いてほしい。今まで誰もこんな大号令は掛けられなかった」と首相の姿勢を評価。

 低迷する首相の支持率については「吹っ切れた状態でぐいぐい進んでいけば、確実に上がると思う」と持ち上げた。

とのこと。橋下には空気が読めているのだ。つまり、いっとき「菅降ろし」の風が吹き荒れようと、東電原発事故はいっこうに収束しておらず、放射能による汚染の悪いニュースは今後もどんどん出てくるのは絶対に間違いない。その時、過去に原発を擁護していた政治家は淘汰され、生き残るのは自分だ、そう橋下は計算している。ある意味、橋下にとってこんなにおいしい状況は滅多とないだろう。

原発推進勢力の顔ぶれを見よ。中曽根康弘、渡邉恒雄、石原慎太郎、与謝野馨、平沼赳夫、鳩山由紀夫などなど。みんな、もうすぐ政治の世界からいなくなってしまう人たちばかりだ。現在、橋下の世代の人間が「原発推進勢力」に同調するほど愚かなことはない。

それがわかっていないのが、民主党の吉良州司、長島昭久以下の右翼議員で、彼らは菅首相の記者会見が行われた13日、なんと「原発の早期再稼働」を求める文書を提出した(『kojitakenの日記』7月13日付エントリ「民主党の右翼系国会議員11人が「原発の早期再稼働」を要求(菅首相の即時退陣も)」参照)。

愚かな小沢信者は、このニュースを報じる読売新聞ほかの記事にリンクを張って「菅降ろし」の気勢を上げているが、ついに小沢信者は極右にして原発推進勢力である連中とも意気投合するかに至ったかと呆れるばかりだ。

数年後、彼らが橋下徹を熱狂的に支持している様子が目に浮かぶ。もし橋下が天下をとるようなことがあったら、その時こそ私は日本を脱出することを決意するだろう。
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先週土曜日(9日)に放送されたNHKスペシャルは、まず中部電力の浜岡原発停止を受けて、佐賀県知事の古川康があたかも懊悩しているかのような映像を流したあと、原発推進ないし維持派が2人(奈良林直、澤昭裕)、脱原発派が2人(飯田哲也、後藤政志)、それに東電原発事故を契機に「脱原発」の意見を持つようになったというノンフィクション作家の吉永みち子の5人が、三宅民夫の司会で討論するという構成だった。

イントロの映像があまりに古川康の真意からかけ離れた白々しいもので、父親が九電社員の古川は、最初から原発を再稼働させたい意図しかなく、玄海町長の岸本英雄に至っては、弟が経営する地元の土建業者が「原発マネー」で潤っていたという「トンデモ首長」だった。これを報じる西日本新聞及び朝日新聞の記事を追記欄で紹介する。

Nスペの討論の方は、吉永みち子が「脱原発」寄りだったから3対2かと思いきや、司会の三宅民夫が露骨に原発推進派寄りだったから3対3で、しかも現在話題の九電「やらせメール」事件は、番組開始時にテロップで示されただけで討論では一切議論されず、原発にはつきものの「被曝労働」や「電源三法交付金」の問題にも全く触れないなど、NHKが原発推進勢力に迎合する土俵を作っているのがミエミエで、きわめて不愉快だった。

しかし、討論で過激な原発推進の立場でしゃべっていた奈良林直の発言があまりにひどかったせいか、討論は「脱原発」側の優勢に終わった。番組が紹介していた視聴者の意見は、賛否相半ばしていたが、後半では「脱原発」寄りの意見が若干多く紹介されるようになったのは、現実に番組に寄せられた意見には圧倒的に「脱原発」側に立つものが多かったであろうことを想像させるものだった。

なお、奈良林直に対する批判は、別ブログの『kojitakenの日記』で行っている。これまでに下記の3件を書いた。


2件目の記事に書いたように、当初今回のエントリは奈良林直を批判するものにしようかと思ったのだが、あまりにデタラメな「トンデモ学者」であることがわかったのでやめた。ただ、こんな「トンデモ」な人間でも、東芝で原子力村のために貢献すれば大学教授に「天上がり」でき、原子力安全委員会の専門委員になれたというアカデミズム及び原発行政の腐敗には暗澹たる思いだ。

昨日は、それなら原発再稼働に関する政府の統一見解をテーマにしようかと思ってブログの更新を延期したのだが、これがまた典型的な「玉虫色」の決着、問題の先送りであって、論評する気にもならないものだった。

そこで、meditation2011さんが当ブログへのコメントで教えてくださった、「原発を再稼働させなければ電力不足になる」という虚偽宣伝に反論する名古屋大学・高野雅夫准教授の試算の紹介を、今回のエントリの目玉にしたい。以下転載する。

http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1197.html#comment12325

比嘉様がすでに紹介されていますが、名古屋大学の高野雅夫准教授による東電、中電、関電電力供給量についての試算、私もかなり説得力あると思いました。

●電力は本当に足りないのか?を検証
http://www.youtube.com/watch?v=oHQX2QboIyc
●原発電力は足りないのか?を検証vol2
http://www.youtube.com/watch?v=VAOzja7J0-c
↓は高野准教授ブログの該当エントリー
http://blog.goo.ne.jp/daizusensei/e/5d6a77320c641c30b6ed32cf97bde105

ポイントとしては

  1. エネ庁発行電力開発の概要2010、すなわち一般電気事業者(電力会社)が経産省へ届け出ている供給量を元に現在停止中の原発分を差し引いた形で試算している。
  2. 番組では水力、卸電気事業者(電源開発)揚水、稼動原子力、火力、卸電気事業者火力に(東電分について)緊急設置電源分も加味した上で、精査し供給量を出している。結果東電6207万kW(昨年並み需要6000万kWとすると3.3%余力)、中電3035万kW(昨年並み需要2709万kWとすると12.5%余力)、関電3863万kW(昨年並み需要3138万kWとすると18.8%)となる。
    高野准教授の推測では、関電は燃料調達計画により15%削減目標としている可能性が高い。
    なお、中電、関電は稼動原子力0。
  3. 東電から稼動原子力491万kW分を0とした場合、供給量5716万kWとなり、昨年並み需要とすると余力▲5.0%となる。
    という試算に対して
  4. 番組として東電へ確認。他の一般電気事業者からの応援融通や自家発等からの受電あるも、卸電気事業者含む揚水で7(,8)月とも▲284万kW、火力で▲259万kW(、他に細かな部分で差があり)東電回答供給量は7月で5680万kW(、8月で5750万kW)となる。
  5. 東電によれば、揚水で差がある理由は貯水池推量変化、夜間電力需要により最大出力使えるかどうか変化する。火力で差がある理由は定期点検や経年劣化により停止中の発電所がある、とのこと。
  6. 揚水に関して番組は㈱日本総合研究所、宮内洋宣研究員に確認。宮内氏は揚水は毎日フル稼働できないが、ピーク時にはフルに使える切り札中の切り札、と回答。
  7. 橋下府知事によると関電は詳細資料出してこなかったが、府と関電で今後詳細詰めていく。今までも供給量について突っ込むと大ガスの自家発電があるとか色々言ってきた。
  8. 電力会社には更なる説明責任がある。
といったところでしょうか。

いずれにせよ、大手メディアも経済界も電力不安をあおりにあおっています。
今までも火力の稼働率を50%→70%にUPすればとか、企業に自家発電は6000万kWもあり、送電線使用料=託送料を安くして送電網を開放すれば、原子力より確かなバックアップ電源となる、またはPPS(特定規模電気事業者)がどんどん増える、といった原発0時代対策あるいは今夏のピーク需要対策に関する論はありました。
しかし、あまりにアバウトすぎる、また、送電網の開放には安全面含め詳細な制度設計が必要となる=時間がかかる、さらに企業の自家発電をピークに使うには個々の企業負担となる燃料代、メンテ費、人件費等ランニングコストの問題やNOx,SOx規制他法的規制面を無視した論と言わざるを得なかった。
高野准教授試算も東電、中電、関電三電力のみの紹介であり、他電力の状況はわかっていません。
しかしながら、東電も一方で4-5月にエネットなど特定のPPSより適正価格(=買い叩)で供給を受けていますし、仮に他社受電(=他電力よりの受電)分110万kWがなくなろうと自家発等からの受電70万kWではなく更に増やせば、5700-5800万kW程度までは積み上がるのではないかと思っています。
そういったことからも三電力に関しては、彼らの自助努力にて無理な節電を行わずとも十分乗り切れる、非常に説得力のある試算だと思います。

(次期代表戦をにらんで)前原氏が鳩山氏に協力要請とか、鳩山氏が海江田氏に早く辞任して代表戦に立候補しろと言ったとか、山岡氏が前原氏に接近とか、何が真実かはわかりませんが民主党内原発維持・推進派も必死のようです。しかし経産省や電力会社の原発安全PRはもはや止め処も無く疑われている。
11日には例のストレステストの位置付けを政府統一見解として発表されるようですが、どんな中身になろうと説得力は無いでしょうね。
次は(必然的に電源三法交付金の位置付けも明確になる)コスト面、供給量面両方セットで論理的に反論できる場をどうにか作っていくことですね。

2011.07.09 18:18 meditation2011


「電力が足りない」キャンペーンの嘘を暴く作業は、これまで「そんなの当たり前だよなあ」と思ってほとんどやってこなかったが、梅雨明けして猛暑の季節になった現在、電力会社やNHKなどマスコミの虚偽宣伝に対する反論の必要性が増してきたことに、鈍感な私もようやく気づいた次第だ。meditation2001さんをはじめ、同主旨のコメントをお寄せくださった皆さまに感謝したい。

以下は追記。ブログのトップページからアクセスされた方は、下の "More ..." をクリックすると、玄海町長の弟が経営する企業「岸本組」に巨額の原発マネーがわたっていた新聞記事の紹介が表示されます。
先の戦争に敗れた時のことは生まれていなかったので実感の持ちようがないけれども、あの当時、戦争に負けてからも「国体護持」にこだわり続けていた人たちは多かったらしい。それから二十数年後に「国体」という言葉を私が知ったのは、もちろん国民体育大会の略語としてだった。戦時用語の中でも、「国体」という言葉の意味を知ったのはずいぶん遅かった。

しかし、戦争に負けても日本の指導者たちにとって大事だったのはその「国体護持」であり、占領軍に命じられて政府が設置した憲法問題調査会(松本烝治委員長)が作成した新憲法の素案は、国体護持を第一義とした極めて反動的なものだったらしい。

現在民主党の執行部や自民党が考えている原発問題の位置づけも、終戦直後の憲法問題の位置づけと似たようなものなのではないか。

特に最近目にあまるのは岡田克也や前原誠司の反動ぶりであり、岡田克也は建設中の原発はそのまま建設を続行するのが当然だと語り、前原誠司に至ってはこんな発言をした。
http://www.asahi.com/politics/update/0626/TKY201106260180.html

前原前外相「急激な脱原発はポピュリズム」 首相を批判

 民主党の前原誠司前外相は26日、神戸市内で講演し、菅直人首相が原発政策見直しに意欲を示していることについて「今の民主党は少しポピュリズム(大衆迎合)に走りすぎている。私も日本が20年先に原発をなくすことは賛成だ。しかし、振り子が急激に脱原発に振れた時、皆さんの生活が一体どうなるか考えるのが本来の政治だ」と批判した。

 首相が主導した中部電力浜岡原発の運転停止についても「止めることの是非と、止め方の是非を後で検証しなければならない」と語った。

(asahi.com 2011年6月26日19時26分)


この発言によって、前原は原発推進勢力の一員であることをはっきり認めたといえる。前原に限らず、現在「ポスト菅」として取り沙汰されている政治家にはろくな人間がいない。だから、テレビ朝日の『朝まで生テレビ』で視聴者に「次の総理大臣は誰が良いか」と聞くと、「該当者なし」が最多で、それ以外では小沢一郎、菅直人の順番で多いなどという結果になる。

小沢信者はよく「小沢さんなら何とかしてくれそう」と言うが、最近増えてきたのは「菅さんなら原発を止めてくれそう」という幻想だ。しかし、国民が誰かに何とかしてもらうという考えを持ち続ける間は、何の成果も得られないと私は考えている。

読者の皆さまは、社会生活において、いったいなぜ一度決まって進み始めたものを「止める」ことがこんなに難しいのかと思われた経験はおありでないだろうか。私にはある。それは何も官僚の特性ではなく、民間でも「保守的」とされるところでは普通にある。ただ、その傾向は特に官僚に強いとはいえるだろう。

原発を止めるとは、そんな慣性力(惰性力)を止めるということである。東電原発事故のような大事故が起きなければこれを止める動きはすべて圧殺され続けていたという事実は空恐ろしい。今朝(6月27日)の朝日新聞1面トップに、「電力の選択 ポスト3.11」と題された連載記事の第1回が掲載されているが、1982年の衆院科学技術委員会で初めて質問に立った社民連の菅直人議員は自然エネルギーについて質問を行い、1年後に自殺した中川一郎科学技術庁長官に「原子力はいらないという口実に利用するな」と釘を刺された。社民連は「脱原発」を掲げる政党だったが、その社民連から出発した菅直人は、民主党時代の2002年にもまだ国会の質問で将来的には原発を縮小すべきだと述べた(昨日のテレビ朝日『サンデーフロントライン』で映像が紹介されていた)。しかし、総理大臣に就任すると、権力を守るために経産省や電力会社に従う方針をとり、原発の比率を2030年に5割にするという目標を掲げたり、海外への原発売り込みに精を出すなど、実際にやったことはむしろ極端な原発推進政策だった。

一昨日から昨日にかけて、佐藤栄佐久前福島県知事が書いた『福島原発の真実』(平凡社新書、2011年)という本を読んだ。昭和天皇の重体が騒がれた1988年9月に福島県知事に就任して以来、2004年の知事選で5選されたが、5期目に収賄容疑で逮捕された。しかし二審で収賄額ゼロでの有罪という前代未聞の判決を受け、現在上告中だ。事実上無罪なのだが、元特捜検事の宗像紀夫が主任弁護士を務めたためにこんな判決になったといわれている。つまり宗像はその敏腕で事実上の無罪を勝ち取ったのだが、判決自体は有罪で検察側に花を持たせたというわけだ。

佐藤前知事は、経産省や電力会社から見ると、反原発ではないものの厄介者、という位置づけだったようだ。前記著書の55頁に「全国初のプルサーマル事前承認」と題された一節がある。これは、佐藤県政3期目、1998年の判断だった。佐藤氏の本を読む直前にたまたま図書館で見かけた、渡部行なる人物が書いた『「原発」を誘致しよう! ― 優れた電源、地域振興で大きな成果』(日刊工業新聞社、2001年)と題された原発推進トンデモ本にも、佐藤知事(当時)の「英断」は高く評価されていた。それが、1999年のJCO再臨界事故を受けてプルサーマル計画が延期になったあと、2002年に発覚した東電の事故隠しを契機に、佐藤前知事は「国との全面対決」(前掲書第5章)へと向かっていった。当然、プルサーマルの承認は撤回された。このあたりからあとの、何が何でも原発を推進するという経産省(の原発推進派官僚)のエネルギーと、それに乗っかる東京電力、それに「原発が止まると大停電になる」と煽る、読売・日経といった原発推進新聞のキャンペーンはすさまじいばかりだ。

この「電力が足りない」キャンペーンについては、今後NHKと読売を中心とするマスメディアがバンバンやらかしそうなので(既にやっているけど)、佐藤氏の著書の第7章「大停電がくる」から、2003年当時の報道を紹介しておく。2002年の事故隠し発覚を受けて、2003年には東電の全原発が停止されていたのである。

『読売新聞』は4月20日付紙面で、「原発は急に立ち上がらない」というタイトルの社説を掲げた。
「電車は線路上で立ち往生し、信号が消えた道路は大渋滞に陥っている。要約戻った家はロウソクで薄暗く、料理もままならない。高層住宅は断水し、トイレにも困る―。
 関東全域で、大停電という悪夢が、現実のものになろうとしている」

 このような書き出しで、「大停電」の恐怖をあおった。そして、
「地元に反対の残る再稼働を前に、経産省と東電、県と町村が決断の責任を押し付け合っているように見える」

(佐藤栄佐久『福島原発の真実』(平凡社新書、2011年)184-185頁)


佐藤前知事は朝日新聞に反論を寄稿したが、すると今度は日経新聞が読売と同主旨の社説を掲げてきた。それらについては、佐藤氏の著書を直接参照されたい。私が特に取り上げたいのは、この時の政府の手口だ。以下再度引用する。

 03年4月、資源エネルギー庁は新たな「アメ」を用意してきた。プルサーマルを受け入れた自治体に対して、電源三法交付金から、使用済み核燃料に対して拠出する交付金の額をMOX燃料はウラン燃料の2倍に、それまで設備容量ベースで算定されていた交付額は発電電力量に応じた算定方式に見直され、プルサーマルは、ウラン燃料の発電に対して3倍額を交付することに決めたのだ。

 官僚が、「クスリをやるぞー」と大声で触れて回ったようなものである。なりふりかまわぬそのやり方は、私が問題提起した、「原発とはもともと危険なもの。そのことを認めた上で、どうしてもエネルギー確保のために必要なら、考えうる最大の安全対策を行い、地元の了承のもと運転をする」という考え方のみじんもない施策である。

(佐藤栄佐久『福島原発の真実』(平凡社新書、2011年)185-186頁)


これが電源三法交付金による「シャブ漬け」行政の実態だ。

佐藤前知事が辞職したあとの2006年、福島県知事選が行われ、民主党推薦で参議院議員から転じた佐藤雄平氏が当選したが、この人は原発推進勢力の大物・渡部恒三の元秘書。必然の帰結として、福島県の原発対応は国のいいなりに逆戻りしてしまった。これを「やはり経世会は宏池会より悪い」と言ってしまったら皮相的に過ぎるだろう。現に谷垣禎一は自民党の原発推進勢力の前になすすべなしの惨状を呈している。

福島県は、2010年8月29日に、正式にプルサーマル計画受け入れを決めたのだった。その半年あまりのち、東京電力の福島第一原発の事故で、MOX燃料を用いていた3号機も1,2号機と同様、メルトダウンを起こした。

佐藤栄佐久氏は、菅直人首相の浜岡原発停止の判断を高く評価している。「菅首相はこれで、初めてリーダーになることができる」と書いている(前掲書241頁)。しかし、総理大臣一人の手で原発は止められない。

いい例が、18日に海江田万里経産省が行った原発の「安全宣言」である。菅首相はいったんこれにお墨付きを与える発言をしたあと、何やらモゴモゴと口ごもっている。いうまでもこの「安全宣言」は、経産官僚からの強い突き上げに海江田大臣や菅首相が押し切られたものだ。

もちろん、地元は納得しない。首長らが反発している。世論の反発も強い。昨日(26日)、TBSテレビの『サンデーモーニング』では、原発推進派だった過去に頬かむりしている毎日新聞主筆の岸井成格が、「安全宣言は脱原発の動きを止めようとしたものだろうけれども、これは逆効果だ」と言っていた。しかし、佐賀県(玄海原発)や愛媛県(伊方原発)といった、西日本の保守的な自治体の動きが不穏だ。しかもこれらは、よりにもよってプルサーマル計画を受け入れたところだ。

止めるには、何より地元の議員や地元の人々が立ち上がることが何より求められる。そんな中、希望の持てるニュースが報じられた。以下に紹介する。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20110624-OYT8T00989.htm

敦賀市議会が「原発偏重脱却」

 敦賀市議会原子力発電所特別委員会は24日、国にエネルギー政策の見直しなどを求める意見書を全会一致で決定した。当初の原案には、原発推進派の注文で文言修正が相次いだが、「再生可能エネルギーに転換を図る」などと明記。同委は「脱原発の要求ではないが、これまでは原発に偏り過ぎだった」としている。30日の本会議で可決される見通し。(藤戸健志)

 意見書は4項目で、▽将来的にエネルギー政策を見直し、再生可能エネルギーに転換を図る▽原発の安全確保を図るため経済産業省から原子力安全・保安院を分離・独立させて権限を強化する▽原発周辺の避難道路の早急な整備――など。

 原案を提出したのは、福島原発の事故を受け、4月の市議選で初めて脱原発を前面に訴えた今大地晴美市議(無所属)。「敦賀半島の原発から半径20キロ圏内に市全域が入る。多くの市民が不安に感じている」と意見書提出の意義を訴えた。 最も議論が白熱したのが1項目の「期限を定めてエネルギー政策を見直し、再生可能エネルギーに転換する」。「風力発電などで原発の代替はできない」などの反対意見が相次ぎ、「期限を定めて」が「将来的に」へとトーンダウンした。

 原案の表題「エネルギー政策の見直しを求める意見書」にも反対意見が続出。傍聴席の市議から「市議会は日本原子力発電敦賀原発3、4号機の増設を認めないと受け止められる」といった場外発言を機に、賛同者が「(政策の見直しを)求める」の削除を要求。「エネルギー政策の見直し等についての意見書」への修正で何とか合意した。

 終了後、今大地市議は、「修正されたとはいえ意見書が通ったことに正直、驚いた。福島原発の事故で市民の感覚も変わり始めている。原発の立地地域が意見書を出すことに意味がある」と話した。

(2011年6月25日 読売新聞)


あの高木孝一がかつて市長を務めていた敦賀で、原発推進勢力の強い抵抗にあって妥協を余儀なくされながらも、こんな動きが起き、それを原発推進メディアの親玉・読売新聞が報じる。

こういう動きは各地で起きていると思われる。この動きをさらに拡大するためには、腕力や粘り腰があるらしい大物政治家に頼るのではなく、市民一人一人が立ち上がらなければならないと思う今日この頃である。


[追記](2011.6.28)

記事の最後に触れた敦賀市議会だが、週明けの27日、「脱原発」意見書案を再審査する動議が出され、一転して否決されてしまった。
http://www.47news.jp/CN/201106/CN2011062701000900.html

「脱原発」意見書案を否決 敦賀市議会、一転再審査

 敦賀原発や高速増殖炉原型炉もんじゅを抱える福井県敦賀市議会の原子力発電所特別委員会は27日、24日に全会一致で可決した、将来的な再生可能エネルギーへの転換を国に求める意見書案を、一転して賛成少数で否決した。

 24日の可決後「脱原発の意見書案が可決」と一斉に報道されたのに関し「原発を否定したわけではない」などと動議が出され、再審査した。

 意見書案は「ほぼ市全域が半径20キロ圏内に入り、多くの市民が不安を感じている」と指摘。(1)エネルギー政策を見直し将来的に再生可能エネルギーに転換(2)原発の安全基準見直し(3)避難道路や避難施設の整備―などを求めた。

2011/06/27 19:11【共同通信】


やはり高木孝一(前福井市長)や高木毅(自民党衆院議員)を排出(註:誤変換ではない)した敦賀の原発推進勢力はしぶとかった。
例年、5月の連休明けは苦手な季節で毎年疲れが出るのだが、いつもの年だと6月には元気を取り戻すのが常だった。私にとって、梅雨の前半はむしろ相性の良い季節なのだ。当ブログが安倍晋三批判で政治ブログの世界に乗り込んだのも、5年前の6月だった。

ところが今年はそうはいかない。次第に朝起きるのが遅くなり、かと思うと深夜に目が覚める日々が続くなどして、体調が乱れがちだ。東日本大震災以来、「異常な時代」に突入したための疲れなのか、単に年のせいなのかはわからない。当ブログの運営においても、コメントやトラックバックの承認が滞りがちになっていることを申し訳なく思う。

政治の世界も異常だ。もともと変な世界なのだが、異常さに磨きがかかっている。だから、人々が疑心暗鬼になっている。

昨日(6月16日)の朝日新聞夕刊のコラム「素粒子」には、こんな文章が出ていた。

 首相が旗降る新エネ買い取り案は宙づり。再始動の地下式原発議連は何狙う。もやもや多し。梅雨空早く晴れよ。


これを読んで私が思い出したのは、前回のエントリでも取り上げた「地下式原発議連」と「菅降ろし」を関連づけた東京新聞の記事(10日付)だ。私の周囲でも、先日の「自公小」の不信任案騒ぎは、菅直人首相がエネルギー政策の転換を狙っていることを潰す狙いがあったのではないかという声がよく聞かれる。国民の間には「脱原発」を求める空気が日に日に強まっているのに、それが永田町には全然伝わっていないように私には見える。

マスコミは、読者や視聴者を相手に商売しているから、受け手のニーズを無視できない。だから、朝日新聞にせよ毎日新聞にせよ徐々に「脱原発」色を強めているのではないか。読売は、原発を推進してきた「原子力の父」にしてA級戦犯容疑者だった正力松太郎(不起訴処分になった)が社主を務めていたし、現在も原発推進政治家の元凶である中曽根康弘の親友・渡邉恒雄(ナベツネ)が主筆だから今も原発推進に決まっているし、産経ももともと右翼紙だ。しかし、「原発推進」ないし「維持」の論調をとる地方紙がどれくらいあるのか。原発立地自治体の地方紙はどうだかわからないが、おそらく大多数が「脱原発」指向の論調をとっているのではないか。

そんな空気を読んだ「バル菅」は、再生可能エネルギーの全量買い取り制度(FIT)の関連法案成立に意欲を見せ始めた。すると、これまで菅首相を支えてきたはずの民主党主流派も「菅降ろし」に走り出す始末だ。特に目立つのは岡田克也であり、この男は獰猛な原発推進派政治家としての正体を露(あらわ)にするようになってきた。さすがは元通産官僚である。

本当は、今回は『世界』7月号に掲載された飯田哲也の「日本のエネルギー政策の民主化を」という論文を取り上げようと思っていたのだが、『vanacoralの日記』からリンクを張られている飯田哲也と岩上安身の対談の文字起こしの内容があまりに生々しくて強烈に印象に残ったので、急遽方針を変えてこれを紹介することにした。

岩上安身は、世の人々を小沢一郎支持へと流し込もうとしている人物だが、小沢信者としては珍しく「電源三法」を取り上げたりする見識は持っている。だが、これから引用するのは主に飯田哲也の言葉だ。まず、上記『vanacoralの日記』に引用されている部分の前に飯田氏がしゃべったことを以下に紹介する。

飯田:とにかく国民の世論は今間違いなくエネルギー政策原子力政策を変えろということで一致をしていると思うんですね
で、一方で官邸とか国会とかあるいは霞が関とか永田町は 全く逆向きに動いていて

今本当に古い仕組みに戻るか、国民がエネルギー政策を変えられるか。のホントに今瀬戸際で

浜岡を止めるアレもメルケルに比べれば弱いんですけれども
「止めて下さい」という要請ですから・・・

メルケルは4日後に7基止めたのですけど
ただ、あそこから日本のいわゆる思考停止オヤジどもが作っている、どうしようもない古い人たちが逆ギレし始めて
で、あれからまず、電気が足りないキャンペーンが始まったわけです

4月の下旬には 一瞬小春日和的に東電は「夏は大丈夫だもう計画停電はやらない」と
そういう形で経団連も25%減らしますということで
割と一瞬ゆるい時期があったんですが
アレがあってからいきなり電気が足りないキャンペーンが始まるわけですね

朝日新聞なんかでも夏は7社が足りないとですか
一面トップで、あれはまったく根拠を持たないデマです

(中略)

今度は国家戦略室、ここは経産省が乗っ取っているAチームと菅さんが直接連れてきたBチーム(民間人)とがあって
これはAチームが完全に仕切っているのですね

仙谷さんはもう民主党政権になった暮れぐらいまでに洗脳が完全に終わっているので
もう、彼は原子力に対してはダメですよね
それから、玄葉さんも洗脳が完全にほぼ終わっていて

菅さんがいない間に、とにかくこの国家戦略室
実は経産省の出島部隊が政治主動を装いながら実は経産省の役人が全部仕切ると
しかも、放射能の5重の壁じゃなくて経産省も5重の壁が作ってあるんですよね
で、なおかつ詳しい事は経産省の総合資源エネルギー調査会と原子力委員会で決めるというふうになっている

この人たちってはっきり言ってまな板の上のコイな訳ですよ
「あんたたちが間違いをやっているわけでしょ」という人たちが
自分たちが全部料理しますからっていうんで、料理人の側に回っていて
7日に会議があって事実上エネルギー環境会議の第一回目に相当するのが開かれて
その秘密の議事録を私は入手したのですが
あのぉ、ほんとに原子力政策ありきで
「もう、すでに、安全対策津波対策終わっています。安全です」というふうに
海江田さんが報告しているんですね
海江田さんが報告するメモは当然経産官僚が作っていて
もう、「いっちょ上がり」というふうなのが進んでいるわけです

このエネルギー環境会議で物事を進ませる中身の食い破りと
上部構造としては例の何故こんなところで不信任案が出るんだというあの不信任案と
しかもそれの根拠になったのは安倍晋三が全くニセ情報
最初の注入がどうのこうのという話しでしょ


昔民主党の永田議員でしたか?自殺まで追い込まれた虚偽答弁みたいな事を安倍晋三がやっているわけですから
そんなの本当は追い詰めなければいけないのに
それを追い詰めるメディアはゼロですよね


で、それがいきなり大連立騒ぎになって
しかも候補は野田さんとか
これは完全に財務省の傀儡政権で
増税財務省ラインと原子力経産ライン。そしてその間をつなぐのが東電ゾンビスキームで
東電を生かさず殺さずで国民の電気料金を垂れ流しながら
今の独占体制を維持しようという
完全に経産省と財務省の傀儡で動く大連立が今動いているわけですよ


安倍晋三が「偽メール事件」級のガセネタで声をうわずらせていた醜態を、私はもちろん叩いたのだけれど、5年前に「AbEnd」(安倍を『the END!』させよう)の合言葉のもと、安倍晋三批判の声を上げたブロガーの多くはいまや「小沢信者」と化し、安倍晋三のガセネタをもとに国会で菅首相を追及した自民党の谷垣禎一総裁を声を枯らして応援するていたらくだ(笑)。そういえば書いていて思い出したのだが、あのキャンペーンを始めてからまる5年くらいになるはずだ。今こそ「AbEnd Part-II」が必要なんじゃないか。

最近よく思う。いったい誰がこの「誰にも止められない」原発推進エンジンを作ってきたのか。かつて伊方原発(愛媛県)の建設を強行した四国電力社長(当時)山口恒則は、『国際経済』という雑誌のインタビューで、こんなことを言ったという。

(原発は)国の政策でやれというから急いでやったわけでしょう・・・濃縮が日本でできるわけでなし、再処理が日本でできるわけでなし、とにかく発電所だけがどんどんできていくのは早過ぎます。


上記は、鎌田慧の『原発列島を行く』(集英社新書, 2001年)の84頁から引用した。この発言は科学技術庁幹部の怒りを買ったとかで、雑誌は回収されたという。四電の社長といえど、この程度の発言力しかないのか。

かと思うと、東京電力の政財官への影響力は異様に強く、経産省の事務次官の首さえ飛ばす権力を持っているという。飯田哲也が『世界』7月号に書いているし、先日テレビで放送されたバラエティ番組『TVタックル』でも、高橋洋一だったかが言っていた。飯田哲也によると、電力会社と、市場原理主義の影響を受けた(=新自由主義の洗礼を受けた=引用者註)東大法学部卒のスーパーキャリアが主導権を持つ経産省との間には微妙な緊張関係があり、かつて通産大臣が電力自由化を検討するという「宣戦布告」が行われると、現役の通産大臣が三代続けて総選挙で落選して、電力会社の政治力を見せつけたという(『世界』2011年7月号39頁より)。

東電原発事故を引き起こすに至った原発推進システムは、安倍晋三の祖父・岸信介を含む官僚や政治家の先人たちが作り上げてきたものだろう。「電源三法」を作った「田中曽根」(田中角栄と中曽根康弘)や「原子力の父」正力松太郎も悪いが、もとをただせば岸信介に行き着く。岸は、戦前の商工省で「戦時経済」のスキームを作り上げた人間だ。岸こそ通産官僚の中の通産官僚だった。ひとたび動き始めると、その惰性を止められない原発推進システムには、岸のDNAが埋め込まれているような気がしてならない。その「昭和の妖怪」岸信介の孫が安倍晋三だ。瀬戸内海の自然を破壊して放射能の脅威にさらす、中国電力の論外な上関原発建設計画にも安倍晋三の影が差している。

飯田哲也・岩上安身対談の引用に戻る。


岩上:原発これからもやっていけるかどうかで経産省の中でも割れていた事がある

飯田:2004年ですね

岩上:そうですね。その時ことごとく脱原発派
経産省の中にいた脱原発派をバタバタと潰していった動きをした方がいた

飯田:はい

岩上:その方が今内閣の官房参与の中にいらっしゃる

飯田:はい

岩上:いらっしゃいますよね。望月(晴文)さん。
その方が書いている絵がある
この人を切れるかどうか・・・その勝負がかかっているんですよね
間違いなく菅さんが今の事をできるかどうかという事は、
そういう人を切り捨てる事が出来るかどうかにかかっているわけですよね

飯田:まぁ、それもそうですけし
民主党の政治主導で完璧に間違ってきたのは
ミイラ取りがミイラになった事をそのまま認めているわけですよ

本来の政治主導は首相、
菅さんが海江田さんに
今朝の新聞では事故調を経産省に置こうとした画策があったというのを菅さんが止めたという話があったでしょ
本来だったらそんなふうに役人が暴走する事を海江田さんに「止めろ」と言って指示しなければいけないし
それが出来ない海江田さんは出来なかったら更迭しなければいけないんですよ
それが本当の政治主導でしてね

日本はとにかく妖怪のように官僚が飛び回っていて
本当に自分たちの圏域を守るために今回の事故に関して
全く「屁」とも思っていないですよね

この、財務省も経産省も・・・
彼らがまさに魑魅魍魎(ちみもうりょう)のように動き回る状況をどう抑え込めるか
今国民の声が燃え上がるしかないんですよね

それが無いとエネルギー環境会議で財務省と経産省が思ったとおりのエネルギー政策になり
大連立で傀儡政権が出来て傀儡官僚政権が出来ると・・・
それはまず国民の世論が盛り上がって何とか阻止をするしかないと思いますね


そう、私は大きな赤字ボールドの文字で強調した、この部分に強く共感したのだ。四国電力の社長でも止められず、経産省の官僚は電力会社の政治力に太刀打ちできないという、正体不明の原発推進エンジンは、むろん日本の総理大臣やIT業界の大立者だけの手で止められるものではないし、ましてや総理大臣の首をすげ替えたら止められるものでは間違ってもない。国民の多数が「脱原発」に立ち上がって初めて止めることができるのだ。というより、国民の多数が立ち上がらない限り、止めることはできない。

飯田哲也と岩上安身の対談には、まだ少し続きがある。その部分は下記の追記欄にて紹介する。
先週の土曜日(11日)に、東京・新宿で行われた「脱原発」のデモに行ってきた。
110611_新宿画像はその時の様子。震災前から一度も使っていなかったデジカメの液晶ディスプレイが壊れていて、あまり良い写真は撮れなかったので、デモではひたすら声を上げていた。
デモはテレビのニュースや新聞でも報じられ、新宿のデモには主催者発表で2万人の参加者があった。当日は午前中雨だったが、昼過ぎには雨も上がった。晴れてたらもっと集まったかもしれない。

掲げられたスローガンは、ひたすら「原発止めろ」を訴えるものが大部分だった。「発送電分離」や「電力自由化」を訴えるプラカードもあったが、このところ当ブログでキャンペーンを張っている「電源三法廃止」を訴えるものは全く見当たらなかった。

でも、実際にデモに参加してみて思ったのだが、今はそれでいい。まず素朴な「原発止めろ」という声を国民一人一人が上げるところから始めなければならない。一日中ネットにかじりついて、「剛腕先生が総理になってあらゆる無理難題を解決してくれる」などという非現実的な妄想にふけるくらいなら、「空き管辞めろ、今すぐ辞めろ」とデモで叫べば良い。そう、デモでは東電とともに国の責任を問うプラカードは多数あったが、「空き缶辞めろ、小沢を総理に、小沢一郎で脱原発」などと書かれたKYなプラカードにはただの一つもお目にかからなかった。

それどころか、『vanacoralの日記』『日本がアブナイ!』にも取り上げられていた、「『地下原発議連』は『菅降ろし』の策動ではないか」とする東京新聞の記事がビラとして撒かれていた。この東京新聞の記事には、「地下原発議連」に小沢一郎側近の議員たちや鳩山由紀夫が参加していたことが書かれている。先日の「自公小」(自民、公明、小沢一派)による菅内閣不信任案提出劇は、原発推進勢力が「原発を守る」ための妄動だったという認識が、急速に「脱原発」派の人々の間に広まっている。

『日本がアブナイ!』の最新記事によると、ブログ著者の周辺では「こんなことなら、菅さんが首相を続けた方がずっとマシなんじゃない?」という声がチラホラ出ており、12日のテレビでは保守系キャスターの木村太郎氏まで、「菅が続けた方がいい」と言い、国民新党の亀井静香も8月までの続投を支持したという。

11日には、朝日新聞

東京電力福島第一原発の事故調査・検証委員会(事故調)について、政府の国家戦略室が経済産業省の影響下に置く構想を菅直人首相に提示していたことがわかった。首相の辞任表明後に提示したもので、首相は原発を推進してきた同省が事故調の「骨抜き」を画策したとみて拒否した。

と報じた。asahi.comに掲載された記事だけでは要領を得ないが、朝日の紙面には続きが書いてあり、それを読むといきさつがわかるようになっている。これを私は『kojitakenの日記』で紹介した。

私は、誰が聞いても辞意表明としか取れない言葉を菅直人首相が発し、それを受けて菅内閣不信任案が否決されたといういきさつからしても、菅直人が長く総理の座に居座るのは確かにおかしいけれども、不信任案が否決されておきながら菅内閣の即時退陣を求める自民党はもっとおかしいと思う。だから不信任案が否決された当初から、菅首相は8月いっぱいくらいで退陣するだろうと見ていたし、そうすべきだと思う。亀井静香が「8月までの続投を支持する」のも当然だ。

当面菅首相が続けた方が良いという意見は、脱原発、自然エネルギー推進論者として東電原発事故後にわかに有名になった飯田哲也(いいだ・てつなり)氏からも出されている。以下いくつか紹介する。

http://twitter.com/#!/iidatetsunari/status/79440218243080192

原発事故調「骨抜き」の動き 経産省画策、首相が拒否(朝日6月11日) 菅さん、頑張ってる。原子力・エネルギー政策に関する経産官僚の巻き返しを食い止める菅首相との対立。菅降ろしの政治闘争はこれに直結している。

6月11日 webから

これは前述の朝日新聞記事について。

http://twitter.com/#!/iidatetsunari/status/79883245398917120

「首相、自然エネ庁構想を披露」(時事通信 6月12日) 今日は終日広島でのTV収録でフォローが遅れたが、盛り上がったようでなにより。とにかく菅さんの指名は辞任の前にエネルギー政策の転換の道筋を付ける「徳川慶喜」の役回りだ。http://t.co/OANca5K

11時間前 webから



http://twitter.com/#!/iidatetsunari/status/80014367432785920

大連立騒動の裏で電力買い取り法案は廃案へ(日刊ゲンダイ2011/6/11)。自民党西村康稔議員(@nishy03)が名指しされています。311午前に閣議決定された歴史的な偶然の法案。政局に関わらず成立させて、歴史に名を残… (cont) http://deck.ly/~Yy4nt

2時間前 TweetDeckから

リンク先の記事(旧自由党時代からの小沢信者が運営するブログが小沢信者御用達の『日刊ゲンダイ』の記事を収録したもの)に書かれている、自然(再生可能)エネルギーを発電した電気を電力会社に強制的に買い取らせることを法律で義務付けるのが「全量買取法案」(再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案)は、東電原発事故が起きた3月11日に閣議決定された。これを廃案にしようとしているのが西村康稔ら自民党議員であり、岡田克也ら民主党の原発推進議員も廃案でかまわないと思っているらしい。

http://twitter.com/#!/iidatetsunari/status/80018468421898241

今国会の「一丁目一番地」である再生可能エネルギー推進法案(全量買取制度)まだチャンスはある。今週は6/14 17時~エネシフ勉強会→ http://bit.ly/gQYJyE その後も続々と国会内外で大きな集会が計画中。大連立や政局はいったん休止して、この救国の法案をぜひ成立へ。

2時間前 TweetDeckから

「大連立や政局はいったん休止して、この救国の法案をぜひ成立へ」。是非そうあってほしいものだが、自民党や小沢一派がそういう行動をとってくれるとは、私にはとても思えない。だからこそ、国民一人一人が立ち上がって声を上げる必要がある。

ここで、当ブログに寄こしてきた愚かしいコメントを晒しものにする。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1189.html#comment12186

皆さん、ちゃんと勉強しましょう。
 いくら発電効率が上がっても、直射日光が遮られれば発電出来ません。夕方には電気が途絶えます。そこから先は電力会社から電気を買わなければなりません。
 私は「原発容認派」ではありません。
 ただ、「脱原発」=「太陽光パネル」や「風力発電」では無いのです。 
 水力や火力も見直すべきです。 なのに「八ッ場ダム工事中止」を行った「民主党」を多くの国民は「拍手喝采」しました。
 原発災害を防ぐための対策は迅速にしろという割に「百年に一度」くるかこないか分からない「スーパー堤防」を廃止に追い込んだ「民主党」に「拍手喝采」した国民はいったいなんだったのでしょう。

2011.06.13 01:41 世直し大工


「ちゃんと勉強すべき」なのは、「世直し大工」と称する大馬鹿者の方だ。火力発電を維持しなければならないのは当然だが、電力の平準化のためにはスマートグリッドが盛んに検討されている。たとえば、近年はハイブリッドカーや電気自動車が普及してきたが、電気自動車に搭載されたリチウムイオン電池などのバッテリーに夜間に余分な電力をためておく。そうすると昼間に電池を充電する需要を減らすことができる。1台1台の電気自動車に搭載されている電池の容量はしれているが、塵も積もれば山となる。もちろん、電力を貯蔵するのは何も電気自動車の電池には限らない。そして、全国のどこにどれだけ電力が貯蔵されているかを、デジタル通信網を利用して管理する。要するにインターネットと同じ発想だ。分散管理にも弱点や技術的な問題はあるとも指摘されているようだが、大きな流れとして、電力も集中管理から分散管理へと移行するのは必然の流れだろうと私は考えている。

おそらく、「世直し大工」は、上記の事情など百も承知の上で、知っていてわざと何も書いていないのだと私は確信する。それは直感的にわかる。この論者の卑劣さが私には許せない。八ッ場ダムにしたって、中止すべきであるのには別の理由もあるのだが、それも完全に無視している。当ブログの読者の方々には、こんな人間に騙されないようにしましょうね、と呼びかけるばかりだ。そういえば、この「世直し大工」とは、ずっと前にも当ブログのコメント欄でやり合った記憶がある。

ところで、電源三法についてだが、前回のエントリに観潮楼さんから『世界』7月号に清水修二・福島大副学長の論文が載っているとのコメントをいただいた。同じ号には飯田哲也氏も寄稿している。これらについても、追って当ブログで紹介したいと考えている。
参院選の民主党大敗の余韻はいまだ残るが、今後は9月5日の民主党代表選をめぐる政局となるのだろう。連立の枠組の話は、民主党代表選の結果によっても大きく左右されるため、8月中に急展開することはないだろう。

一昨年の民主党代表選は、小沢一郎の工作が功を奏して無投票での再選となったが、今度は党規約通り国会議員のほか地方議員、党員、サポーターも参加する選挙になるだろう。もともと民主党には百家争鳴の気風があったはずだが、小沢一郎時代には小沢の「剛腕」に押さえつけられていた。今度はそういう状況ではないのだから、保守派、新自由主義派、リベラル派、左派などがそれぞれ候補を立ててしのぎを削ればよいと思う。注目されるのはもちろん小沢グループの動向だが、先月の代表選のように、新自由主義者の樽床伸二を再び担ぐようなことが万一あれば、底が割れてしまうだろう。

参院選の民主党大敗については、菅直人首相の消費税増税発言のみならず、昨年秋に政権交代したのに、民主党政権が少数の例外を除いて何も変えることができなかったことに対する審判が下ったと考えている。菅首相(代表)はもちろん立候補するだろうが、菅氏及び、もし立候補するのであれば鳩山グループの候補者には、特に政権発足後今までの民主党政治の総括と、それを受けてのビジョン提示が求められる。「官僚叩き」がウリの「みんなの党」と同じことを、政権与党がしていてはならない。

昨日、金子勝と児玉龍彦の共著『新興衰退国ニッポン』(講談社、2010年)を読んだが、この本の第6章「産業 メイド・イン・ジャパンの没落─環境エネルギー革命にも乗り遅れて」で、民主党が昨年の衆院選前に打ち出した環境エネルギー政策の転換が骨抜きにされたことを批判している。以下引用する。

 民主党は2009年の総選挙の前に、マニフェストと「INDEX2009」(政策集)において、遅ればせながら環境エネルギー政策の転換を打ち出した。CO2削減の具体策として、あらゆる再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り価格制度、排出権取引(キャップアンドトレード方式)、そして地球温暖化対策税(環境税)の導入の三本柱を重要政策として位置づけたのである。これに対して、当時の麻生政権は民主党の政策を妨害する為に、個人住宅(一般家庭)の太陽光発電の余剰電力のみを対象とする固定価格買取制度を提案した。個人の住宅を主たる対象とした太陽光発電買い取りは、明らかに産業的な太陽光発電を考えていない。

 だが、こともあろうに民主党政権は、この妨害政策を自ら引き継いで、2009年11月から実施してしまった。その上に、2009年12月30日に発表した「新成長戦略(基本方針)?輝きのある日本へ?」においても継承して、それを他の再生可能エネルギーに拡張することにしてしまったのである。

(金子勝・児玉龍彦 『新興衰退国ニッポン』(講談社、2010年) 163-164頁)


要は鳩山政権発足早々に、民主党政権は早くもマニフェストを後退させ、菅直人が中心となってまとめた「新成長戦略」でもそれを踏襲したというのだが、鳩山由紀夫首相(当時)が、官房長官に平野博文、経産相に直嶋正行という、「旧民社」の2人を据えた時点で、この政策後退は避けられなかったと考えられる。旧民社のバックには電力総連がいるから、発送電の分離など電力会社が受け入れられない改革を必要とする政策など実施できないの。これでは、経団連の中枢にいる電力会社の意向に逆らえない自民党政権と何も変わらない。だからこそ鳩山政権は、麻生元首相が打ち出した政策を、自ら進んで継承した。

これぞ「旧民社の害毒」。この「旧民社」への批判を抜きにして、民主党政権10か月の総括はあり得ない。鳩山政権をダメにした「旧民社の害毒」と、菅政権をダメにしている「松下政経塾の害毒」の両方に対する批判が、政権交代に期待した人たちには求められると思うが、特に小沢一郎シンパたちの間には、前者を等閑視する傾向が強い。こういうのを「ポジショントーク」という。

鳩山政権時代に衆議院で強行採決で可決されたものの、参院では成立していない「地球温暖化対策基本法」にしても、官僚や産業界によって骨抜きにされていることを、今年3月に飯田哲也氏が指摘している(下記URL)。
http://nakata.net/jp/column/environment00007.htm

飯田氏は、政権発足直後に「25%削減」を実現するためのタスクフォース委員に任命されたが、「委員構成が各省益や旧政権の代弁者が入り交じっていたため、マニフェスト実現のための建設的な議論ができず、一字一句を巡るバトルの場となってしま」ったとのことだ(上記リンク先のコラムより)。政権発足当初から、鳩山政権の腰が引けていたことがよくわかる。

鳩山政権を牛耳った「旧民社」が、電力会社や電機会社の御用労組の意に沿った政策を進めようとしたのに対し、菅政権を牛耳る「松下政経塾」出身議員(「凌雲会」に多い)は、御用労組を介さずに、直接経団連と結びつこうとしているように見える。両者の害毒は実質的に同じである。

この経団連こそ日本の環境・エネルギー革命を遅らせる元凶であると、前記金子勝・児玉龍彦の両氏は指摘する。以下引用する。

 もちろん、世界の環境エネルギー革命に関して、日本を決定的に遅らせたのは政治だけではない。むしろ老朽化した経済界こそが、その元凶だった。政治の55年体制はリーダーの世襲化によって劣化し自壊したが、財界団体の中枢は、1950年代以来、製鉄、電力などを中心とする体制でほとんど変わっていない。つまり日本の財界だけが今日もなお55年体制のままなのだ。そして、この老齢化した日本経団連こそが、環境エネルギー政策による産業構造の転換に抵抗してきた「抵抗勢力」そのものだったのである。そして、自らの「既得権益」を守る為に、自らに都合のよい規制緩和や民営化を要求し実現する為に、小泉政権時代に政権の中枢に入り込み、「既得権益」批判を行い、自らに反対する者たちに「抵抗勢力」とレッテルをはって、「市場原理主義」的な政策を追求した小泉「構造改革」を一貫して支えてきた。財界はかつての農協や医師会にとって代わっただけであり、さながら「説教泥棒」のように振る舞ったのである。

(金子勝・児玉龍彦 『新興衰退国ニッポン』(講談社、2010年) 165-166頁)


金子・児玉両氏の論に沿っていえば、現在、経団連の「期待の星」は「みんなの党」だといえるかもしれない。経団連は、「民みん連立」あるいは「民主・自民・みんな大連立」の実現を熱望しているのではないだろうか。「みんなの党」の「反官僚」のポーズに騙されている人たちは、「みんなの党」と財界の関係について考えてみられると良いと思う。

経団連や大企業御用労組の影響力を薄めていかない限り、日本の政治は良くならない。そのためには、民主党のリーダーは「旧民社」と「松下政経塾」の毒を薄めていかない限り、政権交代に託した国民の夢を裏切るばかりである。現に鳩山由紀夫がそうだったから、支持率を暴落させて辞任に追い込まれたし、就任早々支持率を「V字回復」させながら、再び急降下して参院選でも惨敗した菅直人も、影響を与える勢力に「旧民社」と「松下政経塾」の違いがあるとはいえ、鳩山由紀夫と同じ道を歩んでいるように見える。

経団連や大企業御用労組の言いなりに政治を進める限り、民主党・自民党に限らず、誰が総理大臣になろうがあっという間に国民に見放される、前任者たちと同じ道を歩むだけだということを、保守政治家たちは肝に銘じるべきだろう。


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前々回前回のエントリで、鳩山政権を批判するスタンスを明確にした当ブログだが、これは、民主党の中でも最も反動的な勢力である旧民社党系の政治勢力が、現在鳩山政権において主導権を握っているためである。野党に転落した自民党や新自由主義政党である「みんなの党」など、民主党以下の政党であることはわかり切っているから、はなから相手にもしていない。

これまで、民主党政権をマンセーしてきた「政治ブログ」を指導してきた人たちも、プリズムを透過した光のようなスペクトル分布を見せるようになっている。たとえば、植草一秀はあくまでも鳩山由紀夫への忠誠を誓う姿勢を崩さないが、天木直人は鳩山由紀夫への「決別」を宣言した。『きっこのブログ』は「一応は支持している」とは書いているものの政権批判を強めている。『きっこのブログ』が非難する鳩山内閣の「自衛隊イラク派遣は合憲」との閣議決定には、閣僚である福島瑞穂も関与しているから(もちろん民主党中道左派の菅直人も関与しているが)、社民党だけが批判を免れるわけにもいかない。巷では社民党の辻元清美は遠くない未来に社民党を捨てて民主党入りするに違いないなどと噂されている(阿部知子は比例復活の当選だから党籍変更はできない)。

指導者たちがこうだから、彼らのフォロワーたちも右往左往しており、あくまで植草一秀に忠誠を誓う者、「三種の神器」(小沢一郎、鳩山由紀夫、植草一秀)のうち鳩山由紀夫だけを見捨てる者、ブログの更新を止めてしまった者や、更新はするものの政治に関する記事を書かなくなった者など、散り散りばらばらになりつつある。熱心に城内実を支持していた者は、現在彼が情熱を燃やしている政界再編を宣伝するのだろうか。

私の政治的立場は、1977年に故江田三郎を支持した頃から基本的に変わっておらず、漸進的に社民主義的な福祉国家を目指すというものであって、だから現在の民社国連立政権のうち左側を占める部分に親和的なのだが、現在の政権はそれら(民主党中道左派の菅グループや同左派の横路グループ及び社民党)と、歴史的経緯から鳩山由紀夫を支持してきた、民主党内最右派(極右)の旧民社系が手を組んだ形となっており、その間に位置する民主党内右派及び同中道右派には反執行部が多い。だから、左派の力が弱ると、いきなり旧民社系の影響力が強まって、政権が急に右旋回するのだ。もちろん、右旋回した鳩山政権など支持できない。ただ、党内力学のねじれで生じた混乱だから、何も衆院を解散する必要などはないと考えており、2002年末に鳩山由紀夫代表(当時)の拙劣な党運営が招いた民主党の支持率急落を、後任代表の菅直人が立て直したように、総理大臣を鳩山由紀夫から菅直人に交代するのが良いと思う。もちろん、その際には小沢一郎も民主党幹事長を辞任すべきだろう。

ひところは朝日・毎日を含む新聞が、民社国政権を「右」から批判する構図が広く見られたが、現在は旧民社系に引っ張られて急激に右旋回した鳩山政権に対し、マスコミの方はさほどぶれていないので(残念ながら、小泉政権時代以来、朝日も毎日も基本的には新自由主義志向の親米保守的な立場なのだが)、結果的に新聞の政権批判にも見るべき記事が出てきた。

前回のエントリで紹介した、「取り調べの全面可視化」に関する朝日新聞の記事もそうだが、同じ朝日新聞の21日付1面から2面にかけて掲載された「エコウォーズ」シリーズの記事でも、「地球温暖化対策基本法案」において明記された排出量取引制度の手法について、「総量規制を基本」としつつも「原単位の制度も今後検討する」という文言が、民主党政権の支持基盤である「連合」内の産別労組の働きかけが功を奏した形で導入されたことを指摘している。

この件に関しては、前々回のエントリで紹介した飯田哲也氏のコラムにも触れられているが、飯田氏は

単位当たりですから「作れば作るほどCO2を増やしてもよい」という歯止めを外す「欠陥制度」となるのです。

と指摘している。

この件に関して、内閣が揉めたことを朝日新聞は伝えている。以下引用する。

 法案づくりが山場を迎えた9日の副大臣級検討チームの議論は紛糾した。福山哲郎外務副大臣が「『原単位』にすると前政権と変わらない」と総量規制を唱えると、別の政府高官が「連合と2回協議を行った。連合は強い関心を示している」とクギを刺した。経済官庁の副大臣も「連合もパートナー。むげにはできない」と続けた。

 11日の閣僚委員会の議論も白熱した。ある閣僚が「総量規制にすると、生産量が制限されて売れないことになる」。これに岡田克也外相が「その場合は排出権を買えばいい」と反論。最後は鳩山由紀夫首相が引き取った。

 自民党政権下では、業界団体による負担軽減の働きかけが目立ったが、民主党政権下では鉄鋼業界の労組など「基幹労連」や電力業界の労組の「電力総連」の動きが活発だ。連合の中核的な存在だ。

(朝日新聞 2010年3月21日付紙面より)


記事はさらに、昨年11月中旬に電力総連が関係の深い国会議員でつくる「明日の環境とエネルギーを考える会」を開催し、それに33人が参加したが、この会の講演者は経団連のシンクタンク「21世紀政策研究所」の研究主幹であることや、日本鉄鋼連盟や電気事業連合会(電事連)など37の業界団体が今年2月26日付の日経新聞に出した意見広告に基幹労連の内藤純朗委員長が登場し、「温室効果ガス25%削減」の2020年中期目標への反対を訴えていることなどの「労使一体の働きかけ」を指摘している。

このように突っ込んだ記事を書く朝日新聞が、なぜ福山哲郎や岡田克也など、外務省側に立って主張する(つまり温室効果ガス削減を推進したい側の)政治家の実名は出すのに、産業界や御用労組の代弁者である政治家たちの実名を隠すのかは理解できないが、ネット検索をかけてみると、共同通信配信の記事は結構実名を出していることがわかる。経団連とつるんでいる御用労組労組を代弁している大臣は、もちろん旧民社系の直嶋正行経産相であり、環境相の小沢鋭仁(日本新党からさきがけを経由して民主党入りした鳩山首相の側近)も直嶋経産相に加担している。そして、福山哲郎と激論を交わした「経済官庁の副大臣」は増子輝彦という自民党から新進党を経て民主党入りした人物と思われる。さらに、「政府高官」とは政治記事用語で官房副長官を指すから、松野頼久または松井孝治ということになるが、両氏とも鳩山首相の側近である。つまり、旧民社系の直嶋正行経産相と鳩山首相側近の政治家たちが温暖化対策基本法を骨抜きにしてきたわけだ。共同通信配信の東奥日報記事によると、鳩山首相は、4日の参院予算委員会で、「基本法案がぼこぼこにされそうになっている」と表現したとのことだが、記事にもあるように、その背景には、一部産業界や支持母体の連合が強力に働き掛け、主要な対策が当初案から弱められつつある状況があったのであり、その働きかけに応じたのが旧民社系や鳩山首相側近の議員たちだった。

一部の小沢・鳩山信者たちに目の敵にされている岡田克也外相は、確かに普天間基地問題への対応などはひどいものだが、この件に関しては旧民社系や鳩山首相側近による法案の骨抜きに抵抗している。また、「温室効果ガス25%削減」は原発を増設するための陰謀だとする「地球温暖化陰謀論」も、やはり一部の小沢・鳩山信者らによってもまことしやかにささやかれているが、上記朝日新聞の記事からも明らかなように、原発増設で利益を得る電事連や電力総連は「温室効果ガス25%削減」に反対している。「地球温暖化陰謀論」は全くのナンセンスである。

鳩山政権の支持率急落は、民主党内の反執行部勢力が足を引っ張っているわけでも何でもなく、戦犯の最たるものは旧民社系と鳩山首相側近たちである。生方幸夫氏の副幹事長辞任に見られる執行部の過剰反応は、「仮想敵」を作ってそれへの敵対心を煽ることで結束を強めようとしているようにも見え、前述の植草一秀のブログ記事などはその要求に応える内容だが、そんなものに踊らされるほど有権者は愚かではない。

一昨日(21日)のテレビの政治番組では、大塚耕平内閣府副大臣が、法人税増税と消費税増税の大アピールをしていた。当ブログにも、ざまあみやがれ、やっぱり民主党政権は消費税増税路線まっしぐらではないかと勝ち誇ったコメントをしてくる人間もいる。そういう人たちには、2月24日に行われた第1回税制調査会専門家委員会議事録や、委員会のあとに行われた記者会見録を見よと言いたい。

私はむしろ、上記の資料とテレビにおける数々の大塚発言(それは、ほとんど放言といって良いものだった)の間に、あまりに大きなギャップがあることに唖然とするものだ。大塚耕平は民主党内では無派閥の人物のようだが、元日銀マンであり、社民的な政策を推進する人物であるとは思えない。そして、今回の大塚発言を聞いて、私はマスコミや財界に対して大塚が媚を売っていると感じた。

少し前に鳩山首相が「法人税減税が筋だ」と述べた時、「官僚の作文では『社会保険料の事業主拠出を合わせれば(日本は)突出していないとの指摘もある』が、やはり高い」とも言っていたことも同様で、この鳩山発言も「官僚批判」のポーズをとってマスコミや財界に迎合した発言だと思うが、鳩山由紀夫は、自らが代表を務める政党が「政治主導」で取りまとめたはずの税制改正大綱に「官僚の作文」というレッテルを貼って否定したも同然なのである。

こんな男に総理大臣を任せられないのは当然だ。鳩山由紀夫は直ちに首相を退任し、菅直人を後継の首相にすべきである。菅首相だとマスコミの政権攻撃はさらに激しさを増すだろうし、菅直人は6年前の「未納三兄弟」発言など、時に隙を見せる政治家でもあるだけに、鳩山由紀夫が「君臨すれども統治せず」のお飾りでいるなら、鳩山由紀夫を首相に据えた方がスムーズにいくかもしれないと思っていたのだが、鳩山の側近や鳩山自身が好き勝手をやり始めた現状は到底容認できない。鳩山由紀夫には一日も早い総理大臣辞任を求める。


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藤井裕久の財務相辞任、後任に菅直人という閣僚人事は、新春早々の大きな政治のニュースのはずだが、なぜか「リベラル・左派系」のブログの反応は鈍い。いや、政権交代ぼけとでもいおうか、ひところ過剰なまでにやかましかった数々のブログが、昨年暮あたりからすっかりおとなしくなったように思う。

リベラル・左派系ブログの中でも、経済問題に比較的関心を持っている人たちは、藤井前財務相の緊縮財政路線は、不況期にある日本経済をますます冷え込ませるものだと警鐘を鳴らしていた。藤井裕久と官房長官の平野博文を更迭しない限り、今年夏の参院選で民主党は負けると言う人もいて、実は私も同意見だったのだが、その日本経済の疫病神・藤井裕久が退任し、後任に菅直人が就任したのだ。これを重要視しない感覚はおかしい。

民主党びいきの人たちがどんなに庇ったところで、国民の多くはここまでの鳩山政権にスピード感を感じていなかっただろう。特に、何も変えようとしない官房長官の平野博文と財務官僚べったりの藤井裕久は印象が悪かった。発足当初からの鳩山内閣の支持率の落ち込み方も、安倍晋三や福田康夫、麻生太郎といった人たちが率いた自民党内閣と大差なかった。政党支持率ではなお民主党が自民党に大差をつけているから、鳩山首相ら個々の政治家に責めが帰せられる。そんな状況下で、藤井前財務相が体調不良を理由に職を投げ出した。小沢一郎の不興を買ってまで藤井氏の財務相就任にこだわった鳩山首相にとっては大きな失点となった。

後任の菅直人経済財政担当相は、昨年9月の鳩山内閣発足以来、国家戦略室を担当したが、これが開店休業であって、菅直人が暇そうにしているとはよくいわれていた。しかし、年末にかけて徐々に菅直人が目立つようになってきた。菅は、環境・健康・観光を「牽引産業」に位置づけて100兆円強の需要と476万人の雇用を生み出す目標を掲げた経済成長戦略を策定し、テレビなどでこれを宣伝するようになった。たとえば、元日にNHKで放送された今年最初のNHKスペシャル「生激論2010 にっぽん大転換!? 」に菅は出演し、多くのネオリベ出演者たち(塩川正十郎、永守重信、川本裕子ら)を向こうに回して熱弁をふるったようだ。伝聞形で書いたのは、私はこの番組を見なかったからだが、ありがたいことに『ニコブログ』が番組を文字起こししたエントリを公開し、当ブログにTBしていただいた(下記URL)。おかげで、番組での菅直人の発言を追うことができる。『ニコブログ』の管理人・ニコさんに感謝したい。
http://nikonikositaine.blog49.fc2.com/blog-entry-1068.html

最近、菅直人はよく「第三の道」を口にしている。小泉内閣の頃にも菅はよく「第三の道」を唱えていたが、これはなんのことはない、ケインズ主義と新自由主義の折衷だった。昨年12月27日に放送されたテレビ朝日『サンデープロジェクト』の党首討論でまたしても菅が「第三の道」と言ったのを聞いて、最初はまたかと思ったのだが、中身が以前とは違っていた。今回は、環境技術を柱にした需要創出の政策だった。それを元旦のNHKではさらに詳しく語っていたようだ。以下、『ニコブログ』より引用する。

経済の成長戦略
・公共事業による経済成長 第一の道
・企業の生産性向上 第二の道

公共事業によって経済成長を目指すやり方。規制緩和などによって企業の生産性を向上させることによって成長を目指す方法。鳩山内閣はこの2つの道をそれぞれ第一の道、第二の道と名付けていますが、これが巨額の財政赤字や格差拡大を生み出す原因になったとして今回、第三の道という考え方を示しました。

第三の道 新たな需要の創造
・環境、エネルギー 電力の買取制度 約50兆円の新規市場
・医療、介護 革新的医療・介護技術など 約45兆円の新規市場
・アジア アジア全体の所得倍増させ、それを日本の成長につなげる
・GDP(名目) 473兆円(2009年度)→650兆円(2020年度)



討論3 鳩山政権の新成長戦略 賛成?反対?

菅直人 大賛成
「第一の道と第ニの道が間違っているのではない、時代に合うか合わないか」
「本州四国の橋を3本造った頃から、雇用は地方に出た、お金は出た、しかし投資効果はほとんどありませんでした。で、借金は溜まりました。時代に合わなくなった第一の道は間違い。第ニの道はその後、小泉竹中路線というところで、デフレ状態の中でひとつひとつの企業の生産性を上げる、生産性を上げるのはいいんですよ、しかしそれを全部がやった時に、リストラされた人はどこへ行くのか。リストラされた人が失業の状態に、あるいは格差の中で留まったとすれば、日本全体としては成長しない。つまり企業はリストラできても、国は国民をリストラできないわけですよ。今の時代においては、需要をいかにして拡大していくのか。これは単純に財政を使うだけではありません。休暇を分散化させることによって観光を活性化させようとか。若干のお金を使うにしても、これは旧政権もやってますが、エコポイント、エコ住宅で、1兆円が5兆円10兆円の需要を生み出すような、そういう形をとることが今の時代、今の日本にとって重要だということで、あえて大賛成と書かせていただきました」

マエキタミヤコ 賛成 環境経済◎
・エコシフトしていくのはとてもいいが、新成長戦略という名前が分かりにくい
・直接人へというのはちょっと違うと思う、新しい産業を興していく
・自然資本を生かした経済に行くんだとはっきり言って欲しい

東国原知事 賛成(具体策、ロードマップが見えない)
・イギリスのブレア政権がやってるから斬新ではない
・今回の政策を見ると、自民党政権の延長でしかない、総花的
・内需を拡大するのはいいが具体的に何をするのか、投資はどうするのか、税制はどうするのか、先行きが不透明
・方向性は賛成

永守重信 反対、企業が主役となっていない
・必ずしも中身には反対ではない
・成長戦略をやるためには企業の力を借りないと不可能
・法人税は世界的にも高いし、最近は労働強化の政策で企業のためになっていない
・GDPの半分は企業の付加価値で稼いでいるのに企業の意見が入っていない
・バッシングが激しいが大企業や金持ちが1番稼いでいる
・大企業や金持ちを叩いて成長できるのか

塩川正十郎 反対、具体策がない
・マスコミの論説委員の意見を集めてきた感じ
・もっと具体的なことを書いてもらわないと、これは評論家の文章

菅直人
・この10年ほどで16本ほどの前政権での成長戦略があった、全部精査したが1本も達成できていない
・なぜ達成できなかったのか、つまりは縦割りの役所と族議員で従来の配分を変えられない
・過去の政権にだぶっているが、やれるかやれないか
・民主党は強固な族議員はいないし、縦割りは壊すから、私はできると言っている
・永守さんは企業に厳しいと言うが、企業が一番必要なのは需要、需要があれば企業は強い
・需要こそが企業の成長を導くから、エコポイントなど需要を通して企業の頑張ってもらう

永守重信
・グローバルで戦っている、今のような条件であれば海外に出てしまう懸念を持っている
・需要をますます減らしてしまう政策になっているのでは
・法人税が40%と高過ぎる

菅直人
・その法人税はもともと自民党政権からのじゃないですか
・今になって上げたわけじゃなくて今までの継続

金子勝
・法人税が高過ぎるというのは誤解がある、社会保障を合わせればヨーロッパより軽い
・民主党が弱いのは産業政策
・なぜ反対なのかというと、マニフェストをやってない、官僚の寄せ集め
・再生エネルギーの全エネルギーの固定価格買取、地球温暖化対策で環境税、ほとんど出てこない
・グリーン化と書いてあるが小さい、買取制度は全てを買い取らないといけない、今は家庭の余剰電力だけ

(『ニコブログ』 2010年1月4日付エントリ 「NHKスペシャル「生激論2010 にっぽん大転換!? 」 メモ&感想」より)


環境・エネルギー政策は金子勝が以前から盛んに唱えてきた分野だが、米ブッシュ前政権に追随するだけが能だった自民党政権は力を入れようとはしなかった。そのブッシュ政権でさえ後期には政策を転換し始めると、麻生内閣になってようやく太陽光発電、それも家庭の余剰電力だけ買い取る日本版FIT(電力の固定価格買取制度)の導入を決めたが、これには強い批判があって、ドイツが導入して成果を上げたような全種全量の買い取りにしなければいけないと金子勝は主張している。

なぜ日本版FITが中途半端になったかというと、新エネルギー(自然エネルギー、再生可能エネルギー)開発に力を入れる政策には、経団連および経団連と癒着している経済産業省の強い抵抗があるからだ。ちなみに私が懸念しているのは、直嶋正行経産相や菅直人の後任として科学技術担当相を兼任することになった川端達夫文科相が旧民社系の政治家であることだ。

NHKの番組で永守重信は「(民社国政権の成長戦略は)企業が主役になっていない(から反対だ)」と言っていたようだが、これは噴飯ものの主張であって、経団連や経産省の官僚に言われるがままに自民党政権が長年行ってきた政策が日本経済を全然成長させなかった、少なくとも働く者には全然実りをもたらさなかった(1998年から2006年まで民間給与所得は9年連続で減少した)からこそ、自民党は下野に追い込まれたのである。

以下に、番組をご覧になったニコさんの感想を紹介する。

ゲストの人選はどうにかならなかったのでしょうか。
NHKは極端な人ばかり集めましたね。
塩川氏なんて何のために呼んだのでしょうか。
いまだにバカの一つ覚えみたいに自己責任の連呼をしていて、トップが汚れていると民主党批判。それもいいですが、全部まずは自民党に言えという話です。川本裕子氏も新自由主義の申し子みたいな人でしたね。企業、供給サイドのことしか頭にないようでした。誰がお金を稼いでいるのか、と言っていましたが、労働者が消費してくれないと企業は稼げないんですけどね。今まで大企業を優遇してきて消費が増えたことがありましたか、と。マエキタミヤコさんも言っていることはけっこう賛同できましたが、全体的に発言がふわっとしていて、一般の人はピンと来なかったのではないでしょうか。もっと日本全体を見据えた、政策に詳しい人の意見を聞きたいんですよ。そんな中で金子勝氏の発言は注目していたので全文書き起こしたりしました。次世代のエネルギー転換が1番イノベーションを生み出しやすいという主張には同意します。CO2の25%削減が予定通りに実現できるかは別にしても、そこに向かっていかないと日本に新たな産業は育ちませんし、世界で生き残っていけないので、もっと具体的なビジョン、政策を打ち出して欲しいです。介護や農業だけでは景気はよくなりませんし、世界で戦えません。菅直人氏は思っていたよりちゃんとした認識はしていると思いましたね。国家戦略室が機能するか注目したいと思います。

(『ニコブログ』 2010年1月4日付エントリ 「NHKスペシャル「生激論2010 にっぽん大転換!? 」 メモ&感想」より)


うん、うん、そうだよなあと思いながら読んだ。偉そうに威張っている財界人や彼らと癒着してきた経産省の官僚と自民党の政治家、彼らの指南役だった竹中平蔵を筆頭とするサプライサイド経済学者、それに彼らに尻尾を振ってきた田原総一朗を筆頭とする電波芸者たち、彼らこそ日本経済を破壊してきたのではないかと私は思う。そして、民主党の政策でもまだまだ官僚寄り(というより「経団連寄り」と表現すべきだと私は思う)だと言う金子勝は、日本国内でこそ異端扱いされるが、それこそ世界標準ではごく普通の考えではないだろうか。だが、かつて「グローバルスタンダード」を唱えていた新自由主義者たちは、世界の趨勢から取り残されても日本国内でだけは新自由主義のドグマを守りたいかのような滑稽な姿を現在晒している。新自由主義国として鎖国するという自己矛盾が彼らの理想なのかと思えてしまうほどだ。

菅直人だって結構緊縮財政政策に傾きがちなところがあったり、かつては新自由主義とケインズ主義のあいのこを目指していたことがあるなど、その思想は玉虫色なのだが、それでも実行力はある政治家だ。その菅直人はネオリベのマスコミの激しい憎悪を買っていて、就任早々「経済オンチ」だとか「為替レートに言及した」などと批判されている。マスコミのいう「経済通」とは新自由主義者の別名だし、財務相が為替レートに言及することなど、小泉内閣時代に塩川正十郎が日常茶飯事のようにやっていた。しかし、当時のマスコミは塩川を全然批判しなかった。

なんだかんだ言って今年の政治において最大のキーマンはこの菅直人と、もう一人小沢一郎だろう。鳩山由紀夫首相は今後、「君臨すれども統治せず」的な立場になっていくのではないだろうか。産業政策に政府の介入など不要という新自由主義者の意見もあるが、電力の絡んだ政策は民間だけでなし得るものではなく、政府の強い指導力が求められるのは当然のことだ。そして、電力会社という規制に守られた存在が日本の電力政策を歪めているのが現状だから、この分野に関しては政府の政策としてその規制にメスを入れることも求められる。つまり、規制改革を行った上で新産業を創出していくことが政府に求められている。いわゆる新自由主義者が電力政策の規制緩和についてほとんど何も言わないのは、私には奇異に感じられる。要するにこれも政官業とマスコミによる「刷り込み」なのである。ネットの世界でも、経済右派の池田信夫も、経済左派ということになっているらしい植草一秀も、政官業及びマスコミのおあつらえ向きに「地球温暖化懐疑論」を唱えているから、ネットでもこの件を取り上げるブログは少ない。しかし私は、民社国連立政権が環境技術を柱に据えた経済政策をどのように推進するか、大いに注目している。


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10月1日付エントリ「地球温暖化懐疑論者「武田邦彦」教授の呆れたトンデモぶり」に、りりさんと仰る方から下記のようなコメントをいただいた。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1002.html#comment7736

武田邦彦 教授の呆れたトンデモぶりとあるが、呆れるほどではないと思う。
 理由は、将来の地球環境のことは誰にもわからない。わからないことを、さもわかったかのように一方的に言うのは馬鹿げているのであって、武田先生の独自の論も、その一つにすぎない。あらゆる見方があってしかるべきである。ただ、TV・新聞で報じられる内容だけで、信じきることはとても危険である。また、武田先生の論を唯一正しいと信じ込むことについても気をつけるべきである。
 だが、地球温暖化対策に力を入れる姿勢を見せているとあるが、世界にいい顔したいなら、鳩山個人の活動にしてもらいたい。国民の税金を使わないで欲しい。

2009.10.16 14:52 りり


やや表現に乱れの見られるコメントだが、言わんとすることはわかる。マスメディアが報じている「地球温暖化仮説」など本当に正しいかどうかなどわかったものではない、管理人が一方的に武田邦彦教授を批判するのはフェアじゃない。また、鳩山由紀夫首相が国連で意欲的な目標をぶち上げるのも、単なる鳩山首相の「ええかっこしい」ないし人気取りである。そんなことのために血税が使われてはたまったものではない。

おおよそ上記のようなことをコメント主は言おうとしたのではないかと思う。だがブログ管理人の私としては、率直に言って、いまだにこんなコメントを寄せてくる人がいるのかとうんざりした。私の言わんとしていることが全然通じていない。

いや、これは何もコメント主のりりさんだけの問題ではない。「人気ブロガー」としてもてはやされている新自由主義者の池田信夫が「地球温暖化陰謀論」を力説していることは、かつて『シートン俗物記』が辛らつに批評した通りである。

鳩山由紀夫内閣が成立した翌日(9月17日)に公開された『日経エコロミー』のコラム「飯田哲也のエネルギー・フロネシスを求めて」のエントリ「25%削減は可能であり希望だ・新政権における環境エネルギー政策の行方と期待」の中に、その池田信夫への言及があるので、以下に引用する。

「温暖化懐疑論」を論拠にしたエコノミストからの批判もあるが(例えば、池田信夫「温室効果ガス『25%削減』というポピュリズム」)、これらは無視してよい。温暖化サイエンスの世界であれば、学問論争として、温暖化仮説に対する異論は当然認められるし、実際にそのような「亜流説」を唱える人は存在する。しかし、圧倒的に少数派である上に、政策論から見れば、「予防原則」に反するのだ。人類と地球の未来を、そんな危なっかしいギャンブルに賭けられるわけがない。温暖化サイエンスの専門家ではない知識人が政策論を展開するなら、温暖化サイエンスの領域に関しては圧倒的に「主流」の学説を前提に議論すべきであろう。最低限、そのバランスは必要だ。しかし、明らかに亜流の「温暖化懐疑論」だけを論拠に、また予防原則などお構いなしに、政策論を発言すること自体が、「知識人」として不適格といってよいだろう。

(飯田哲也 「25%削減は可能であり希望だ・新政権における環境エネルギー政策の行方と期待」 より)


「予防原則」とは、一言で言うと、環境行政においては「何かあってからでは遅い」という考え方に基づいて政策を行うべし、とする考え方であり、最近では花王の食用油「エコナ」が特定保健用食品(特保)から外れた時に、東京新聞(中日新聞)の社説でもこの「予防原則」が言及された。

当ブログ管理人も、「知識人」の範疇には入らないだろうが、「温暖化サイエンスの専門家ではない」人間であり、だからこそ学界で主流となっている温暖化仮説に配慮した考察をいつも行っているのである。私から見ると、明らかに私同様の素人であるブロガーたちが、自信満々に「これほどにも明らか」などと称して、温暖化仮説が誤っていると力説するのを見るたびに、なんて摩訶不思議な、と思う。なぜって、彼らがグラフを示しながら温暖化仮説の誤りが自明であると力説する記事をいくら読んでも、彼らの主張が明らかに正しいとは私にはどうしても了解できないからである。明らかに客観性を欠く主張を「自明」と断定して憚らない彼らには、冷静な判断力というものは持ち合わせがないのだろうと私は考えている。そして、このことは池田信夫にも当てはまる。「知識人」として不適格、と飯田哲也氏に断定される池田信夫のような人物が代表的なブロガーとされているところに、日本のブログ文化の未成熟さが現れている。

余談だが、池田信夫の名前を思い出してこの記事を書くきっかけになったのは、今月に入って、当ブログの今年(2009年)1月8日付エントリ「湯浅誠に対する池田信夫のみっともない嫉妬」へのアクセスが急増したことである。これは、検索語「湯浅誠」によるネット検索で当ブログを来訪されたものと思われるが、当然ながら、湯浅誠が菅直人副総理大臣兼国家戦略担当大臣に要請されて、国家戦略室へ政策参与として参加することが影響している。この人事は、ますます池田信夫の嫉妬心を刺激し、それが最近の池田信夫ブログを一段とヒステリックなものにしているのではないかと邪推する次第である(笑)。


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9月28日付エントリ「新自由主義かケインズ政策かの議論ではない。環境問題だ」は、私自身がコメント欄の論戦に参加してコメンターの方(資本主義者さん)に応戦したこともあって、過去最多のコメント数を記録した。しかし、ここしばらくネットにあまり時間を割けない状態なので、そのフォローとなるエントリを上げられずにきた。

議論は途中から「地球温暖化懐疑論」へと移っていったのだが、私がもっとも驚いたのは、懐疑論の論者として名高い武田邦彦氏が、信じられないほど粗雑な論述を行っているらしいことだった。これは、まず資本主義者さんが、

温暖化によって海水面が上がるというのは嘘ですよ(笑)

と言ったので、私が論拠を示せと要求したところ、

コップに氷を入れて水をコップの容量ぎりぎりまで入れましょう。で、氷が溶けたら水が溢れるんですか?北極の氷が溶けたら水面が上がるという人は実験してみましょう。水面はズバリ下がります。簡単ですね(笑)

と回答し、それに対して私が

モデルを立てる時には、そのモデルが現実をよくシミュレートできているかどうかの検証が欠かせないんですよ。そのモデルってめちゃくちゃでしょ? 現実の陸地は氷でできているんですか?

と否定的に応じ、さらに資本主義者さんが

東大卒の科学者がモデルとして出していたものです。確か、環境問題の嘘て題だったかな?

と書いたことから、資本主義者さんが武田氏の議論を引用していたことが判明したものだ。

この議論を受けて、フリスキーさんから武田氏を痛烈に批判するコメントをいただいたので、以下に紹介する。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1001.html#comment7578

資本主義者さんが、ご自身の地球温暖化現象否定論の論拠とされた
武田邦彦著「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」(洋泉社)に
目を通しました。

かなり怪しい本ですね。
まず、
北極の氷の融解による海面上昇についての言及ですけど、
やはり、武田氏は北極海の海氷(海に浮かんでいる氷)の融解を
アルキメデスの原理から説明しているにすぎません。
北極海ではなく、北極圏とくにグリーンランドの氷床(陸を被っている氷)の
融解による海面上昇の問題についてはスルーしてますね。
地球温暖化問題において論じられているのはこの氷床の部分なのに、
どういうわけか武田先生は北極圏における氷床の融解の問題をスルーされている。
北極圏については何が何でも浮かんでいる氷以外取り上げたくないようです。
これでは一般人をなめているとしか言いようがありません。
子供だましとしか言いようがありません。(笑)

次に、
武田先生は、環境庁発行の環境白書が、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)
のレポートを曲解した上で誤訳して地球温暖化の誤った結論を流していると
批判してています。
ところが、肝心の元となっているIPCCの文書ですが、それがどの文書を指しているのか
不明なのです。普通ならそのレポート名を出しますよ。
どういうわけか
漠然とIPCCのレポートとしか言いません。(笑)

さて、
そのIPCCの文書ですが、
オフィシャルなものとして出されているのは、
環境庁ではなくて、気象庁によって翻訳された文書
「IPCC第4次評価報告書第1作業部会報告書政策決定者向け要約」があります。

http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/index.html

この文書はIPCCによる公式文書であり、オリジナルの英文を気象庁が
日本語に訳したものです。訳文はオリジナルからの要約ではなくて、
気象庁による全文の翻訳です。
こちらを読んでみてください。

http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/ipcc_ar4_wg1_spm_Jpn.pdf

ここから以下、要所を引用しましょう。

(引用開始)

・第3次評価報告書以降の新しいデータによると、
グリーンランドと南極の氷床の減少が1993?2003
年の海面水位の上昇に寄与した可能性が非常に高い
(表SPM.1参照)。グリーンランドと南極の内陸の氷
床を源とする氷河の中には、流出速度が増加したも
のがあり、氷床内部から氷を流出させている。それ
に対応する氷床減少量の増加は、しばしば、氷棚の
縮小、減少または消失、或いは海上に浮かぶ氷河舌
の損失に引き続いて起こった。そのような力学的な
氷の減少は、南極の氷の正味減少量の大部分と、グ
リーンランドの氷の正味減少量のおよそ半分を説明
するのに十分な大きさである。グリーンランドにお
ける氷の減少量の残りの部分は、降雪による蓄積を
上回る融解による減少である。{4.6, 4.8, 5.5}

・世界平均海面水位は1961年から2003年にかけ
て、年平均1.8[1.3?2.3]mmの割合で上昇した。
1993年から2003年にかけての上昇率はさらに大き
く、年当たり約3.1[2.4?3.8]mmの割合であった。

北極の平均気温は、過去100年間で世界平均の上昇
率のほとんど2倍の速さで上昇した。北極の気温に
は大きな10年規模変動性があり、1925年から1945
年にかけても温暖な期間が観測されている。{3.2}

・1978年からの衛星観測によれば、北極の年平均海
氷面積は、10年当たり2.7[2.1?3.3]%縮小した。
特に夏季の縮小は10年当たり7.4[5.0?9.8]%と
大きい。これらの値は、第3次評価報告書で示され
たものと整合している。{4.4}

・1980年代以降、北極域の永久凍土の表面温度は全
般的に上昇した(最大3℃)。また、1900年以降、北
半球の地表面が季節的に凍結する領域の最大面積は
約7%減少し、特に春季における減少は15%に達し
た。{4.7}

グリーンランドの氷床の縮小が続き、2100年以降
の海面水位上昇の要因となると予測される。現在の
モデルでは、(工業化以前と比較して)世界の平均
気温が1.9?4.6℃上昇すると、気温の上昇による
氷の質量の減少が、降水による増加を上回り、表面
の質量収支が負に転じると示唆される。質量収支が
数千年間負の値であり続ければ、グリーンランド氷
床は完全に消滅し、約7mの海面水位上昇に寄与す
るだろう。

現在の全球モデルを用いた研究によれば、南極の氷
床は十分に低温で、広範囲にわたる表面の融解は起
こらず、むしろ降雪が増加するためその質量は増加
すると予測される。しかしながら、力学的な氷の流
出が氷の質量収支において支配的であるならば、氷
床質量が純減する可能性がある。{10.7}

過去及び将来の人為起源の二酸化炭素の排出は、こ
のガスの大気からの除去に必要な時間スケールを考
慮すると、今後千年以上の昇温と海面水位上昇に寄
与するであろう。{7.3, 10.3}

             (引用終了)
これがIPCC文書の引用部分です。

さて、
問題の武田邦彦先生ですが、
その出典不明の“IPCCのレポート”とやらの結論が、
「北極の氷も南極の氷も海面の上昇にはほとんど関係が無い」
というものだと漠然と述べています。
いっぽう、
上記のIPCCの報告書には、北極圏および南極における
氷床の融解による海面上昇について、きちんと言及しております。
どういうわけか、
武田邦彦先生は、この点には目をつぶる。
また、自説に都合の悪いところはすべて伏せて、
しかもIPCCの結論をねじ曲げて紹介している。
IPCCの報告に対する曲解も良いところです。
まあ、そもそも武田氏の引用するレポート自体が出典不明なので
アレですけどね。(笑)

また、
武田先生がしきりに曲解だ、誤訳だと批判する環境白書ですけど、
白書にはこう書いてあるのです。

「気温の上昇は、海水の膨張、極地及び高山地の氷の融解を引き起こし、
その結果として海面の上昇を招きます」

これは、IPCCの報告の結論と符合しています。
どこが誤訳なんでしょう。
ところが、武田先生は、この環境白書の結論をIPCCの結論と
“まったく逆になっている”と批判している。
さて、どこが逆なの?(笑)
どの部分がどうIPCCの知見と逆なのですか?
逆どころが、両者はきちんと符号しているじゃないですか!

ああ、武田先生の挙げている
オリジナルの文書がどれなんだか不明でしたね。(ここでも笑っちゃう)

はっきり言って、この本は子供だましの“トンデモ本”の類ですよ。
(後略)

(フリスキーさんのコメントより)


「リベラル・左派」に分類されるブログでも、一時期「地球温暖懐疑論」は大流行し、武田邦彦教授の主張の引用を繰り返していた有名ブログもあったが、そんなブログもいつしか消えてしまい、民主党を中心とした新政権が、地球温暖化対策に力を入れる姿勢を見せていることから、「リベラル・左派」ブログも「地球温暖化陰謀論」をほとんど言わなくなった。これは、政権交代で良かったことの一つだと私は考えている。

私は何も、地球温暖化に関する温室効果ガス仮説を100%正しいなどとは言っていない。仮説は仮説なのだから、それが否定的に検証されれば仮説を修正していけば良いだけである。しかし、仮説への批判が武田教授のようなトンデモであっては意味をなさない。地球温暖化仮説の可否以前の問題である。

同じコメントで、フリスキーさんは勝谷誠彦も槍玉に挙げている。

ちょっと面白い動画を見つけました。
既に見ているかもですが、

http://www.youtube.com/watch?v=2rYIhj4vGME&feature=related

この武田邦彦先生が出演している民放番組でして、ここでも
コップに入れた氷の話を持ち出して
同じ自論を繰り返してますけど、
そんで勝谷誠彦もコメンテーターでいるんですけど、
この勝谷が、「僕は地質学の専門家なんで・・・」と切り出してから、
この武田トンデモ論に乗じて御託を並べてる。
勝谷さんって地質学の専門家だったんですね。(笑)

(フリスキーさんのコメントより)


勝谷は早稲田大学文学部卒業だったと思うが、大学及び専攻分野に何の誇りも持っていない勝谷は、村上世彰や西村康稔を排出(誤変換ではない)した神戸の灘高校を卒業したことを誇りにしている。「地質学の専門家」というのは、灘高校における勝谷のクラブ活動のことなのである(笑)。ちなみに、勝谷は早稲田大学では「少女マンガ同好会」に所属していた。

武田教授といい勝谷といい、なんと形容したら良いのか、文章に詰まってしまう方々である。


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