中国の大地震に対するネット右翼の暴言の乱暴狼藉ぶりは、本当に目にあまるものだ。その代表例が悪名高い「2ちゃんねる」であることはいうまでもない。
「人気ブログランキング」上位のネット右翼のブログは、さすがにそんなことは書かない。書いたが最後、コメント欄が「炎上」し、あちこちのブログや掲示板に叩かれ、場合によってはブログの閉鎖に追い込まれるリスクがあるから、ブロガーはそんなバカなことはしない。そして、そんなネット右翼のブログが被災者に対するお見舞いの記事を書くと、コメント欄には「○○まで屈中に寝返ったか」とか「気でも狂ったか」などのコメントが殺到するのである。ネット右翼ブロガーはいちおうそれをなだめる文章を書くのだが、コメンターを強く批判することはしない。そんなことをしたら、当該ブログは読者の大部分を失ってしまうからである。
要するに、ネット右翼のブログが、2ちゃんねるに代表されるきちがいネット右翼の温床になっているということだ。
リベラル・左派とされるブログのコメント欄にも、ネット右翼の非常識なコメントが寄せられることがある。たとえば、「「猫の教室」 平和のために小さな声を集めよう」には、下記のようなコメントがあった。
http://heiwawomamorou.seesaa.net/article/96533526.html#comment
当ブログの一昨日のエントリ "四川省地震を「天罰」というネット右翼?筋の通らぬネット言論" にも、下記のようなコメントがあった。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-637.html#comment3344
このコメントに対して私は、
このコメンターのリモートホストは、p4212-ipad12wakayama.wakayama.ocn.ne.jp だ。つまり、和歌山県から発信されたメッセージである。和歌山県人の方は、このコメンターを「和歌山県の恥」として怒るべきだろう。
ところで、同じエントリに対し、いくつか気になるコメントがあった。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-637.html#comment3358
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-637.html#comment3359
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-637.html#comment3362
はっきり言わせてもらうと、最初に挙げた2つの2ちゃんねる系ネット右翼の暴言よりもっと許せないと私が感じるのは、ここに挙げた「Sera」、「与志」、「右派」といったHNのコメンターたちの発言だ。
「あんなキチガイと本物の右派は関係ないよ」と言わんばかりだが、なぜ彼らは「右派言論」の信用を落とす役割しか果たさない「きちがいネット右翼」を強く非難しないのか。
テレビでは、勝谷誠彦を筆頭とする極右コメンテーターが、ヒステリックな中国非難を展開している。四川大地震という大惨事を、自らの政治的プロパガンダに利用しているように私には見える。勝谷の最近の活躍ぶりは、「勝谷誠彦」を検索語とする当ブログへのアクセスがこのところ増えていることからも伺われる。当ブログ開設以来、累計アクセス数のもっとも多い記事は、2006年7月29日付の "電波芸者・勝谷誠彦の生態" であり、この記事には毎日数十件のアクセスがあるのだが、チベット騒乱あたりからそのアクセス数が一段と増えているのである。
もちろん、勝谷自身はこのエントリの最初のほうで触れたネット右翼のブロガー同様、中国人は死ねなどとは言わない。だが、中国(や韓国、北朝鮮)に対して普段から憎悪に満ちた言論を展開している勝谷が、四川大地震における中国政府の対応を非難する時、ネットワークの末端では主張が極端になって、「中国人は死ね」などという言葉になってしまうのだ。こういう状況について、勝谷にはきわめて重い責任があるし、「あんな掲示板のキチガイ」などとうそぶく「良心的右派」のつもりでいる人たちにもそれぞれ責任がある、そう当ブログは主張する。インターネット上の主張は全世界に対して発信されていることを忘れてはならない。例の「水からの伝言」騒動で、「コメント欄で他人の陰口を叩くな」などと意味不明のことを言う人がいるが、私は全世界に向けて特定ブロガーやコメンターに関する批判的言辞を発信しているつもりだ。陰口を叩くんだったら、メールでやる。
それと同じことだ。「たかが掲示板のネット右翼」のコメントが多数、全世界に向けて発信されている。中国のブログや掲示板で日本や日本人を敵視するメッセージが多数発信されていることが日本でも報じられているが、日本から世界に向けて発信されているメッセージについて日本人が鈍感であってよいはずがない。ましてや、信用を傷つけられているはずの右派の論者がなぜ怒らないのか全く理解できない。彼らが「一部のキチガイのやることにいちいち騒ぐな」と言うのは、彼ら自身がその「一部のキチガイ」と同意見だからではないのか。
今回いただいたコメントの中でもっとも悪質だと私が考えるのは「与志」氏のコメントで、同氏は最初に「相変わらず相手にしなくていい、ネット掲示板のネタに反応しなくても」と書き、それに続いて四川大地震への中国政府の対応を批判し、「日中友好や信頼関係修復だのパンダ外交だの、あんた達の好きな妄言に役立つのにね。倒壊した学校校舎で泣いている親達の姿と情けなさでコチラが泣けてくるよ。」と結ぶ。被災者の方々に同情するような文章を書いてはいるが、真意はリベラル・左派系の言論を批判することにある。四川大地震への言及は、ダシに使われているに過ぎない。その偽善的な文章には反吐が出る。
ちょっと想像もつかないほど卑劣な言論だ。2ちゃんねるなどで「中国人はもっともっと死ね」と叫んでいるきちがいネット右翼どもの千倍も万倍もたちが悪いと、私は思う。
#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党関係の記事も、どうかご覧下さい。
↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。

「人気ブログランキング」上位のネット右翼のブログは、さすがにそんなことは書かない。書いたが最後、コメント欄が「炎上」し、あちこちのブログや掲示板に叩かれ、場合によってはブログの閉鎖に追い込まれるリスクがあるから、ブロガーはそんなバカなことはしない。そして、そんなネット右翼のブログが被災者に対するお見舞いの記事を書くと、コメント欄には「○○まで屈中に寝返ったか」とか「気でも狂ったか」などのコメントが殺到するのである。ネット右翼ブロガーはいちおうそれをなだめる文章を書くのだが、コメンターを強く批判することはしない。そんなことをしたら、当該ブログは読者の大部分を失ってしまうからである。
要するに、ネット右翼のブログが、2ちゃんねるに代表されるきちがいネット右翼の温床になっているということだ。
リベラル・左派とされるブログのコメント欄にも、ネット右翼の非常識なコメントが寄せられることがある。たとえば、「「猫の教室」 平和のために小さな声を集めよう」には、下記のようなコメントがあった。
http://heiwawomamorou.seesaa.net/article/96533526.html#comment
日本の震災時にシナ人の連中はあざ笑って居たそうですよ。
もっと中国大陸で地震が発生してシナ人なんか全員
死ねば良いですね。今、瓦礫の中で苦しんでるシナ人はせいぜい苦しんで死にな。
----------------------------------------
支那蛆虫のクソガキが折り重なって野垂れ死んだのは爽快でした。日本国民は、全員、大爆笑しました。
支那蛆虫のクソガキが折り重なって野垂れ死んだのは爽快でした。日本国民は、全員、大爆笑しました。
支那蛆虫のクソガキが折り重なって野垂れ死んだのは爽快でした。日本国民は、全員、大爆笑しました
Posted by 2ch ネット右翼代表 at 2008年05月15日 01:09
当ブログの一昨日のエントリ "四川省地震を「天罰」というネット右翼?筋の通らぬネット言論" にも、下記のようなコメントがあった。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-637.html#comment3344
中国人は日本の災害時に日本人死ねと言って
騒いだ連中ですので同情の余地はありませなね。今回はネット右翼の行動が正しいです貴方の言い分だと日本人全員が中国人に親近感
を持って居る様に言っていますが大半の日本国民は中国が嫌いですよ。愛国心の無い左翼偏向思想の者など今は流行せん。
最後に私から中国に送る言葉を述べます。
中国人の皆さん大地震おめでとうございます。もっともっと死者が増えると良いですね。今瓦礫の中で苦しんで居る被災者の方は
せいぜい苦しんで死んで下さいねwwwww。
2008.05.15 16:24 URL | ネット中立 #qcUiy8ek [ 編集 ]
このコメントに対して私は、
和歌山県からここにコメントしてきた「ネット中立」なる人物のコメントは、とてもひどいものですが、ネット右翼の醜悪なコメントの典型例としてさらしものにしておきます。というコメントを返して、そのままブログ上にさらしものにしておいた。
このコメンターのリモートホストは、p4212-ipad12wakayama.wakayama.ocn.ne.jp だ。つまり、和歌山県から発信されたメッセージである。和歌山県人の方は、このコメンターを「和歌山県の恥」として怒るべきだろう。
ところで、同じエントリに対し、いくつか気になるコメントがあった。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-637.html#comment3358
一部のキチガイを引用してネット右翼全体の発言と捉えるほうがよっぽどアレかと思うんだけど、俺って間違ってるかな。
2008.05.16 10:18 URL | Sera #HfMzn2gY [ 編集 ]
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-637.html#comment3359
相変わらず相手にしなくていい、ネット掲示板のネタに反応しなくても・・・・ね。
今回、見ていて胃が痛くなるのは、こんな事態でも中共が面子を守るために沢山の中国国民が犠牲になっていることですかね。
それで被災地の状況が分からないまま、高度な位置からペットボトルの水を落下したり、軍隊を落下させたりと回収・合流に困難が生じるのに、無駄な想像力も働かせない暴挙に出る。
さらに、海外に高度な救助技術を持った国があるのに受け入れを要請しない中国政府、逆に派遣に関して中国を説得できない日本政府も無能。
そもそも東南アジア地域は、ここ最近を見ても分かる通り自然災害が多い地域なんだから、今までの首脳会談や協議で災害対策についての協定を作ればいいのに、そんな思い付きもない点でも両国政治家は無能過ぎ。
日中友好や信頼関係修復だのパンダ外交だの、あんた達の好きな妄言に役立つのにね。倒壊した学校校舎で泣いている親達の姿と情けなさでコチラが泣けてくるよ。
2008.05.16 16:58 URL | 与志 #- [ 編集 ]
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-637.html#comment3362
今回のような災害があれば、どこの国でもネット上で馬鹿なコメントをする輩はいるので、そんなものにいちいち反応すること自体無意味なのでは。
傍から見ると、わざわざブログで記事にして、あなたが「ネット中立」のような人物をわざと煽って、↑のようなコメントをさせているようにしか見えません。
2008.05.16 20:44 URL | 右派 #- [ 編集 ]
はっきり言わせてもらうと、最初に挙げた2つの2ちゃんねる系ネット右翼の暴言よりもっと許せないと私が感じるのは、ここに挙げた「Sera」、「与志」、「右派」といったHNのコメンターたちの発言だ。
「あんなキチガイと本物の右派は関係ないよ」と言わんばかりだが、なぜ彼らは「右派言論」の信用を落とす役割しか果たさない「きちがいネット右翼」を強く非難しないのか。
テレビでは、勝谷誠彦を筆頭とする極右コメンテーターが、ヒステリックな中国非難を展開している。四川大地震という大惨事を、自らの政治的プロパガンダに利用しているように私には見える。勝谷の最近の活躍ぶりは、「勝谷誠彦」を検索語とする当ブログへのアクセスがこのところ増えていることからも伺われる。当ブログ開設以来、累計アクセス数のもっとも多い記事は、2006年7月29日付の "電波芸者・勝谷誠彦の生態" であり、この記事には毎日数十件のアクセスがあるのだが、チベット騒乱あたりからそのアクセス数が一段と増えているのである。
もちろん、勝谷自身はこのエントリの最初のほうで触れたネット右翼のブロガー同様、中国人は死ねなどとは言わない。だが、中国(や韓国、北朝鮮)に対して普段から憎悪に満ちた言論を展開している勝谷が、四川大地震における中国政府の対応を非難する時、ネットワークの末端では主張が極端になって、「中国人は死ね」などという言葉になってしまうのだ。こういう状況について、勝谷にはきわめて重い責任があるし、「あんな掲示板のキチガイ」などとうそぶく「良心的右派」のつもりでいる人たちにもそれぞれ責任がある、そう当ブログは主張する。インターネット上の主張は全世界に対して発信されていることを忘れてはならない。例の「水からの伝言」騒動で、「コメント欄で他人の陰口を叩くな」などと意味不明のことを言う人がいるが、私は全世界に向けて特定ブロガーやコメンターに関する批判的言辞を発信しているつもりだ。陰口を叩くんだったら、メールでやる。
それと同じことだ。「たかが掲示板のネット右翼」のコメントが多数、全世界に向けて発信されている。中国のブログや掲示板で日本や日本人を敵視するメッセージが多数発信されていることが日本でも報じられているが、日本から世界に向けて発信されているメッセージについて日本人が鈍感であってよいはずがない。ましてや、信用を傷つけられているはずの右派の論者がなぜ怒らないのか全く理解できない。彼らが「一部のキチガイのやることにいちいち騒ぐな」と言うのは、彼ら自身がその「一部のキチガイ」と同意見だからではないのか。
今回いただいたコメントの中でもっとも悪質だと私が考えるのは「与志」氏のコメントで、同氏は最初に「相変わらず相手にしなくていい、ネット掲示板のネタに反応しなくても」と書き、それに続いて四川大地震への中国政府の対応を批判し、「日中友好や信頼関係修復だのパンダ外交だの、あんた達の好きな妄言に役立つのにね。倒壊した学校校舎で泣いている親達の姿と情けなさでコチラが泣けてくるよ。」と結ぶ。被災者の方々に同情するような文章を書いてはいるが、真意はリベラル・左派系の言論を批判することにある。四川大地震への言及は、ダシに使われているに過ぎない。その偽善的な文章には反吐が出る。
ちょっと想像もつかないほど卑劣な言論だ。2ちゃんねるなどで「中国人はもっともっと死ね」と叫んでいるきちがいネット右翼どもの千倍も万倍もたちが悪いと、私は思う。
#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党関係の記事も、どうかご覧下さい。
↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。

スポンサーサイト
中国四川省で大地震が起きた時、「フリー・チベット」と絶叫していた一部ネット右翼は「天罰が下った」などと騒いだらしい。
この地震の震源地はアバ・チベット族チャン族自治州ブン川(ブンはサンズイに文)県であり、震源地は壊滅的な打撃を受けていて、同県南部の映秀地区だけで死者が7700人に達する可能性があると報じられている。
http://www.asahi.com/special/08004/TKY200805140108.html
この地震を「天罰だ」などとほざく連中に、「フリー・チベット」を叫ぶ資格などないのは当然のことだ。
一方、「左」の方でも、ベンジャミン・フルフォードが「中国で起きた地震はアメリカの攻撃の可能性が高い」などと言っている。
http://benjaminfulford.typepad.com/benjaminfulford/2008/05/post-9.html
これをうれしそうに取り上げるブログも存在し、お決まりの「ユダヤ陰謀論」に結びつけて自己満足に浸っている。こういう態度を「反知性的」と言わずしてなんというのだろうか? 同じ政権に反対する者同士が分裂してはならない、などというたわごとを言う人たちがいまだに後を絶たないが、「筋の通らない味方は筋の通った敵より性質が悪い」という当ブログの主張を繰り返しておきたい。
もっとも、「人気ブログランキング」上位を占めるネット右翼のブログは、「筋の通らない敵」である。たとえば、瀬戸弘幸なる人物は、もともとは街宣右翼で、会社整理にまつわる恐喝で1986年10月に逮捕歴もあり、現在では暴力路線は捨てているそうだが、やはり徹底した反ユダヤ主義者らしい。こんなのが参院選に立候補しても得票がほとんどなくて惨敗するのは当然であり、ネット論壇での人気者は世間一般では全く相手にされていないのだ。
いわゆる「左」側にも同じことがいえ、擬似科学を簡単に信じてしまったり、天変地異を何でもかんでもアメリカや「ユダヤ」の陰謀に結びつけるネット言論が世間から相手にされないのは当然だが、そういう言論に対する批判を許さず、「政権に反対する勢力が分裂してはいけない」と言い出す馬鹿者があとを絶たないのには本当に困ったものである。
彼らの一部は、感情的になって「寄ってたかって一般人に対して傷つけるような悪口を書くことが許されるのか」と、おそらく顔を真っ赤にして怒り狂っている人もいる。そういう人の文章を読んでいると、驚くほど情緒過剰だ。
そういう言説を見ていると、なんともいやな気分になる。昨年1月14日付のエントリ "年末年始に読んだ本(4)?「ナショナリズムという迷宮」(下)" で、立花隆さんが安倍晋三を批判しながら、「センチメンタリズムが国を危うくする」と指摘していることを紹介した。以下再掲する。
政治ブログについても同じことがいえると思う。正月からの「水からの伝言」をめぐる騒動は、一部で三たび燃え上がっていて、それは先の二回の議論での落ち着き先に感情的に納得のいかない人たちが、たびたび議論で否定された事柄(実際には存在しない「謝罪要求」を、さもあったかのように論じること)を、何度否定されても蒸し返してきて、しまいには情緒過剰の世界に行ってしまうというパターンを繰り返している。当ブログ管理人は、過去の二回については、ほぼ議論を追っていたが、三回目の今回はさすがにつき合い切れないので、そのごく一部しか把握していない。それでも、対立する両派には「共感派」対「批判派」というネーミングがついていることは知っている。この分類だと、当ブログは「批判派」に含まれる。そして、「批判派」から、「共感派」を「全体主義」だとする批判が出たのだが、私はこの批判は的を射ていると思う。上記の昨年1月14日付エントリでは、佐藤優の著書を引用して蓑田胸喜(みのだ・むねき)という戦前の国家主義思想家を紹介しているが、佐藤によると、
当ブログは、蓑田胸喜に煽られた戦前と同じ危うさが、コイズミに煽られた21世紀初頭の日本にもあるだけではなく、そのコイズミの流れをくむ政権を批判しているはずのブログの言説にも危うさが充満していると考える。
これを克服しない限りは、政治ブログの言説が普遍性を獲得することはできない。
#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 および 「トラックバックピープル・安倍晋三」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党および安倍晋三関係の記事も、どうかご覧下さい。
↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。

この地震の震源地はアバ・チベット族チャン族自治州ブン川(ブンはサンズイに文)県であり、震源地は壊滅的な打撃を受けていて、同県南部の映秀地区だけで死者が7700人に達する可能性があると報じられている。
http://www.asahi.com/special/08004/TKY200805140108.html
この地震を「天罰だ」などとほざく連中に、「フリー・チベット」を叫ぶ資格などないのは当然のことだ。
一方、「左」の方でも、ベンジャミン・フルフォードが「中国で起きた地震はアメリカの攻撃の可能性が高い」などと言っている。
http://benjaminfulford.typepad.com/benjaminfulford/2008/05/post-9.html
これをうれしそうに取り上げるブログも存在し、お決まりの「ユダヤ陰謀論」に結びつけて自己満足に浸っている。こういう態度を「反知性的」と言わずしてなんというのだろうか? 同じ政権に反対する者同士が分裂してはならない、などというたわごとを言う人たちがいまだに後を絶たないが、「筋の通らない味方は筋の通った敵より性質が悪い」という当ブログの主張を繰り返しておきたい。
もっとも、「人気ブログランキング」上位を占めるネット右翼のブログは、「筋の通らない敵」である。たとえば、瀬戸弘幸なる人物は、もともとは街宣右翼で、会社整理にまつわる恐喝で1986年10月に逮捕歴もあり、現在では暴力路線は捨てているそうだが、やはり徹底した反ユダヤ主義者らしい。こんなのが参院選に立候補しても得票がほとんどなくて惨敗するのは当然であり、ネット論壇での人気者は世間一般では全く相手にされていないのだ。
いわゆる「左」側にも同じことがいえ、擬似科学を簡単に信じてしまったり、天変地異を何でもかんでもアメリカや「ユダヤ」の陰謀に結びつけるネット言論が世間から相手にされないのは当然だが、そういう言論に対する批判を許さず、「政権に反対する勢力が分裂してはいけない」と言い出す馬鹿者があとを絶たないのには本当に困ったものである。
彼らの一部は、感情的になって「寄ってたかって一般人に対して傷つけるような悪口を書くことが許されるのか」と、おそらく顔を真っ赤にして怒り狂っている人もいる。そういう人の文章を読んでいると、驚くほど情緒過剰だ。
そういう言説を見ていると、なんともいやな気分になる。昨年1月14日付のエントリ "年末年始に読んだ本(4)?「ナショナリズムという迷宮」(下)" で、立花隆さんが安倍晋三を批判しながら、「センチメンタリズムが国を危うくする」と指摘していることを紹介した。以下再掲する。
センチメンタリズムが国を危うくする
実はそんなこと以上に、私がかねがね安倍首相の政治家としての資質で疑問に思っているのは、彼が好んで自分が目指す国の方向性を示すコンセプトとして使いつづけている「美しい国」なるスローガンである。情緒過多のコンセプトを政治目標として掲げるのは、誤りである。
だいたい政治をセンチメンタリズムで語る人間は、危ないと私は思っている。
政治で何より大切なのは、レアリズムである。政治家が政治目標を語るとき、あくまでも「これ」をする、「あれ」をすると、いつもはっきりした意味内容をもって語るべきである。同じ意味を聞いても、人によってその意味内容のとらえ方がちがう曖昧で情緒的な言葉をもって政治目標を語るべきではない。
人間Aにとって「美しい」ものは、人間Bにとっては、「醜い」ものかもしれない。政治は人間Aに対しても、人間Bに対しても平等に行われなければならないのだから、その目標はあくまでも明確に具体性をもって語ることができる内容をともなって語られなければならない。
歴史的にいっても、政治にロマンティシズムを導入した人間にろくな政治家がいない。一人よがりのイデオロギーに酔って、国全体を危うくした政治家たちは、みんなロマンティストだった。
政治をセンチメンタリズムで語りがちの安倍首相は、すでにイデオロギー過多の危ない世界に入りつつあると思う。
(「メディア ソシオ-ポリティクス」第93回「未熟な安倍内閣が許した危険な官僚暴走の時代」より)
政治ブログについても同じことがいえると思う。正月からの「水からの伝言」をめぐる騒動は、一部で三たび燃え上がっていて、それは先の二回の議論での落ち着き先に感情的に納得のいかない人たちが、たびたび議論で否定された事柄(実際には存在しない「謝罪要求」を、さもあったかのように論じること)を、何度否定されても蒸し返してきて、しまいには情緒過剰の世界に行ってしまうというパターンを繰り返している。当ブログ管理人は、過去の二回については、ほぼ議論を追っていたが、三回目の今回はさすがにつき合い切れないので、そのごく一部しか把握していない。それでも、対立する両派には「共感派」対「批判派」というネーミングがついていることは知っている。この分類だと、当ブログは「批判派」に含まれる。そして、「批判派」から、「共感派」を「全体主義」だとする批判が出たのだが、私はこの批判は的を射ていると思う。上記の昨年1月14日付エントリでは、佐藤優の著書を引用して蓑田胸喜(みのだ・むねき)という戦前の国家主義思想家を紹介しているが、佐藤によると、
蓑田は、論理の問題と心情の問題という、本来、分けて考えるべき問題をいっしょにこね回すことができる天才だったんです。そうして生み出された言説は、当時の日本人が抱いていたいらだちや集合的無意識を見事に掬うことができたんです。そんな天才的なアジテーション能力が彼の強みであり武器でした。01年の自民党総裁選で小泉さんが勝ったのは田中眞紀子さんによるところが大きいですよね。彼女の応援演説を思い出してください。聴衆は爆笑、拍手喝采でした。蓑田については、外国語や和歌に通暁した田中眞紀子さんが、戦前の10年間、論壇を席捲(せっけん)した。こんなふうにイメージしたらいいと思います。とのことだ。
(佐藤優・魚住昭 『ナショナリズムという迷宮 ラスプーチンかく語りき』=朝日新聞社、2006年=第14章より)
当ブログは、蓑田胸喜に煽られた戦前と同じ危うさが、コイズミに煽られた21世紀初頭の日本にもあるだけではなく、そのコイズミの流れをくむ政権を批判しているはずのブログの言説にも危うさが充満していると考える。
これを克服しない限りは、政治ブログの言説が普遍性を獲得することはできない。
#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 および 「トラックバックピープル・安倍晋三」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党および安倍晋三関係の記事も、どうかご覧下さい。
↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
