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きまぐれな日々

ネットにおける政治的言説の特徴として、右翼、左翼を問わず極端な意見やとっぴな意見が常識的な意見と入り混じっていて区別がつきにくく、前者の声が大きいのでそれらばかり増幅されることがあげられる。

たとえば昨年の参院選では、ネットにおいては右では維新政党・新風、左では9条ネットの人気が高かったが、選挙ではいずれも惨敗だった。

当ブログは当時、明記はしなかったが、既成野党への投票を促す記事を書いていた。9条ネットを応援するブログの中には、「比例区は天木直人、選挙区では好きな政党を」などとトンチンカンなことを言うところもあったが、自公政権を倒すためには選挙区にこそ「戦略的投票」が求められるのは当然だ。あまりに政治的センスの欠如したブログがネットの政治的言説をあらぬ方向に引っ張っていってしまう危うさが、政治ブログの世界にはある。

ひところ騒動になった「水からの伝言」の件などは、騒動になったこと自体馬鹿げた話だが、あの時のバトルで擬似科学批判側に立ったブログを、「日共系」と認定した共産党嫌いの独善的なブロガーがいた。当ブログは当該ブロガーに対してコメント・トラックバック禁止措置をとっている。

かと思うと、先日は今ごろになって突然、あの騒動は「典型的な解同(部落解放同盟)の差別確認会(糾弾闘争)」だったなどと言い出し、擬似科学批判側に立ったブログを「解同系」と断定する頭のおかしなブログが現れた。どうやら、昔共産党から極左側に袂を分かった親中国系の小政党の関係者あるいはシンパではないかと想像されるのだが、同じブログが「日共」と言われたり「解同」と言われたりするのには笑ってしまう。共産党と部落解放同盟は「犬猿の仲」で有名なのだ。

右側では、世間一般にはほとんど支持者がなく、選挙になっても供託金を没収されるだけの極右が、「ネット右翼」としてネットでのみ勢力を誇っているが、左側もそれと同じで、極端な反共主義者だの毛沢東主義を信奉する極左だのの声がやたらと目立つ。

たまに、政治ブログの参入者や読者が増えないのは、「政治に詳しい人たちが内輪で議論をしているだけで、排他的で入り込めないからだ」と言う人がいるが、そうではなく、世間一般では歯牙にもかけられない極端な主張や、世間の悪はすべてユダヤの陰謀だとする「ユダヤ陰謀説」、新潟地震は地震兵器HAARPが引き起こしたなどと主張する擬似科学愛好家などが大手を振って歩いている「政治ブログ界」には近寄る気がしない、というのが世間一般の人たちの感覚なのだと思う。

「庶民的」を自称する「わかりやすいブログ」のアクセス数が全然伸びないのは、そういったブログの主張に普遍性が乏しく、説得力がないからだ。この種のブログは、前記の極端な主張をするブログや、陰謀論や擬似科学に傾きがちなブログに対しても、常識的な主張をするブログに対するのと同様な、友好的な態度をとることが多い。私は何も特定のブログを念頭に置いて書いているのではなく、そのようなスタンスのブログは少なからず存在する。これは、自然科学でいうならまともな学術書とUFOや超能力の本を同列に論じるようなものであって、そんなブログは政治に興味のある人には相手にされないし、政治に興味のない人はそもそも政治ブログなんて読もうと思わない。だから、そういったブログは全然マスにリーチしないのである。なぜ、だめなものはだめだと言えないのだろうかという気がするが、おそらく何がまともで何がトンデモかを判別する能力に欠けているのだろうと想像している。

保守にせよリベラルにせよ、オーソドックスな主張を展開するブログがもっと現れてほしいものだと思う今日この頃だ。


[参考記事]
「たんぽぽのなみだ?運営日誌」 より "極左対解同"
(2008年4月12日)
http://taraxacum.seesaa.net/article/93111588.html


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「たんぽぽのなみだ?運営日誌」 による擬似科学 「水からの伝言」 批判が話題を呼んでいる。
http://taraxacum.seesaa.net/article/75373760.html

たんぽぽさんは、当ブログが前首相・安倍晋三の統一協会祝電事件騒ぎに加わった一昨年6月に知り合ったブログ仲間であり、過去にも山谷えり子が安倍晋三と共謀してジェンダーフリーバッシングのアンケート結果を捏造したことを教えてもらったことがある。
http://taraxacum.seesaa.net/article/28316022.html

リンク先のエントリにも書かれているが、その内容があまりに衝撃的だったので、当時何度も当ブログでたんぽぽさんのブログを引用しながら山谷のことを取り上げた。

昨年末頃から、当ブログが陰謀論や擬似科学を批判するエントリを何本か公開したのも、たんぽぽさんからの影響が強い。最初に紹介したたんぽぽさんの「水伝」(「水からの伝言」の略称)への批判について、あたかも当ブログの教唆によって書かれたかのように思っているむきもあるようだが、全く事実とは異なることを明言しておきたい。確かに昨年末に当ブログも「水からの伝言」を批判したが、これはたんぽぽさんの影響抜きにはあり得なかった。

さて、たんぽぽさんや私に対して、「陰謀論や擬似科学を批判する、心の狭い人たち」だとして批判するコメントを見たことがある。他のブログでも同じ人のコメントを見たことがあり、そちらでは相手にされなかったようだが、陰謀論はともかく擬似科学とは文字通り「科学もどき」であって、批判を受けて当然だろう。

私が擬似科学を批判する理由の一つに、新自由主義によって激しいダメージを受けた技術立国・日本を立て直すために、技術の基礎となっている科学に対するまっとうな見方が普及してほしいという思いがある。科学的なアプローチは、思いのほか困難を伴う知的作業である一方、擬似科学に身を任せるのは実に気楽な営為だ。アインシュタインの相対性理論は誤りだったと主張するコンノケンイチという擬似科学者が、「9.11自作自演説」を唱えているのは興味深い。

アメリカや中国、インドといった国は、いずれも科学技術を重視している。アメリカは、軍事的な必要性もあって、先端技術の多くを国策として、巨額の投資をしている(その意味では、アメリカは決して「小さな政府」などではないと指摘されている)。中国政府の要人に、技術畑出身の人が多いというのも、よく言われることだ。私は、日本も最先端の技術は国策化すべきであると考えている(但し、アメリカと違って軍事目的を指向しないことが必要だ)。それだけに、新自由主義のくびきから解き放たれたいと熱望しているはずの、日本のリベラル系の人たちが擬似科学に無批判だというのは、心胆を寒からしめる光景だ。アメリカの言うことを真に受けてレッセフェール(自由放任主義)の政策をとる日本の新自由主義政治家は、大たわけだと思う。

ようやく、たんぽぽさんに厳しく批判された側にも、トンデモ批判を受け入れよと促すコメントが現れて、事態が少し改善されたのにはほっとさせられた。批判を許さないという態度は全体主義以外のなにものでもない。

ところで、昨年の政界は安倍自民党対小沢民主党という、実にわかりやすい対決の構図ができていて、反政府系のブログも結束しやすかった。現在は、いろんなブログが好き勝手な方向に動こうとしているが、それで良いのではないかと私は思う。いつになるかわからない次の解散総選挙では、自民党の民主党もいくつかのグループが綱引きをして、昨年の参院選みたいに単純な構図にはなりっこないのだ。

その意味で、選挙のスローガンしか語らないブログはもうだめなんじゃないかと思う。少なくとも、たとえば縦軸に政治思想、横軸に経済政策をとった場合、自分はどこに位置し、どの党のどのグループとどういう距離にある、くらいの意識を持って書かれた記事でなければ、私は読む気にはならない。記事にそれを明記せよというのではない。書き手の強い気持ちが伝わってくる文章であれば良いのだ。今年の政治ブログは、政局主義から脱却すべきだ。

とにかく、擬似科学及び政局主義と訣別した時、政治ブログは飛躍的によくなると思う。


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