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きまぐれな日々

国民投票法案が衆議院本会議で可決され、衆院を通過したが、ここに至る与党のごり押しは、昨年12月の改正教育基本法成立のいきさつからも十分予想されたことだ。
報じられているように、国民投票は早くて4年後の2011年である。今後護憲派には、以前のように護憲の世論が多数派になるような戦略が求められると思う。

国民投票、早くて4年後=有効投票の過半数で改憲
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070413-00000119-jij-pol

 国民投票法案が今国会で成立しても、施行は「公布から3年後」と定められている。さらに憲法改正案の審議や周知などに1年程度かかるため、国民投票の実施は2011年の秋以降となる。
 国民投票法案のうち国会法にかかわる部分は先行して施行され、秋に予定される臨時国会から衆参両院に憲法審査会が常設される。ただ、国民投票法施行までは改憲案の審議や提出は禁じられており、この間は改憲に関する調査を行う。
 改憲原案は衆院なら100人以上、参院なら50人以上の賛成者を集めて国会提出する。憲法審査会で過半数、本会議で3分の2以上の賛成が衆参両院で得られれば、国会が改憲を発議する。

(時事通信 2007年4月13日 17時2分)


さしあたっては、きたる参議院選挙では、何が何でも安倍晋三率いる自民党を惨敗に追い込むことが必要だろう。

さて、今週は何といっても、「覚悟はしていたけれど」の石原慎太郎圧勝がショックだった。

当ブログは、対立候補の浅野史郎氏を応援していたが、この立場からの視点としては、またまた当ブログの記事にリンクを張ってくれている 『たんぽぽぽのなみだ?運営日誌』 の記事がよくまとめられているので、下記に紹介する。

東京都知事選(2)
http://taraxacum.seesaa.net/article/38488877.html

(前略)

敗因はいろいろと分析されていますし、いくつもあると思いますが、
わたしが考えるいちばんの原因は、東京はそれだけ石原慎太郎が、
支持されているところなのだ、ということでしょう。

(中略)

ようするに、はじめから、だれが出ても勝てなかったのだと思います。
石原慎太郎は、公費濫用などが批判され続けて、就任以来、
最低の支持率になっていましたが、それでも50%以上ありました。
それに追い討ちをかけるように、いわゆる識者たちは、
石原の批判をせず、だまりこんでいる始末です。

こうした状況ですから、出馬だけでも、かなりの覚悟が必要でしょう。
実際、強すぎる石原の前に、みんな二の足を踏んでしまい、
民主党は、独自候補を立てられずじまいでした。
このままでは、かたちだけの選挙になりそうでしたし、
不選敗だけでも避けられればいいと、一時期わたしは思ってましたよ。

そんな中で、浅野さんが手をあげたおかげで、一筋の希望が現われたのでした。
これ以降、批判的扱われかたが目立ったとはいえ、
メディアも注目して、くりかえし公開討論会を開くなどしたのでした。
選挙らしい選挙になっただけでも、前回から比べたら大躍進でしょう。
イシハラに、2度の「泣き寝入り」だけは、避けられたのだと思います。

きびしい状況にあって、あえて出馬してくださった、浅野史郎さんの、
勇気と大健闘ぶりに、あらためて敬意を表したいと思います。

『たんぽぽのなみだ?運営日誌』 2007年4月12日より)


たんぽぽさんは、「だまりこんでいる」の部分で、さりげなく当ブログにリンクを張ってくれている。

さて、東京都に限らず、知事選では「有権者が変化を求めなかった」と評された。これについて、「週刊ポスト」 4月20日号で、私の大嫌いな田原総一朗が、興味深い指摘をしている。

田原は、1月の宮崎県知事選では東国原英夫氏が圧勝したのに、東京都知事選では浅野氏が石原に歯が立たなかった理由として、近年の景気回復(といっても東京、名古屋などに限られた話なのだが)によって、都民がホッと一息ついて、変化を求めなかったからだろうとしている。そのうえで、東国原氏の勝利については、『県民は、彼には大きな変化を起こす "危険" がなく、強烈なリーダーシップもないと判断したのだと考える。「東国原」としてではなく、「そのまんま東」として支持されているのだ』とし、浅野氏については、『浅野氏がいくら変化を起こそうと訴えても、都民はピンとこない。むしろ変化を危険視するような風潮さえ出てきていると思う』と指摘した。

これは、田原にしては鋭い指摘だと思う。そういう「風潮」を生み出したのは田原自身らではないか、とも思うが、東京都知事選の報道やネット言論に接していてずっと感じたのは、都民は石原(やコイズミ)が見させてくれた夢から醒めたくないのだろうな、ということだ。東京だけ景気を回復させ、地方との格差を拡大「してくれた」コイズミや石原が生み出す幻想を、東北訛りの改革者に壊されてたまるか、といった感じの、実に排他的なムードがそこにはあったのだ。

田原によると、石原と会っても、以前のように論争を仕掛けてくるような態度は見せないという。そして田原は、『五輪招致のような強い政策が打ち出せない空気の中で、知事という立場に石原氏が飽きてしまう』ことを懸念しているそうだ。

今後4年の任期を全うできるかもわからない男を三選させてしまった東京都民の「民度」の低さには、あきれるしかない。


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誰かがやらなければならない役割というのがある。今回、浅野史郎氏はそれをやったのだと思う。

民主党が吉永小百合さんの擁立を検討しているのではないかといわれた時期があった。

今やすっかり御用ジャーナリストと化した有田芳生(ヨシフ)は、それを警戒し、先回りして民主党批判の記事を、ブログ 『酔醒漫録』 (2月18日付) に書いていた。
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2007/02/post_cffa.html

以下引用する。

ある知人から昨夜電話で意外な話を聞いていた。その確認をする。民主党が都知事候補に吉永小百合さんを擁立しようとしていたというのだ。何人かに聞けば、たしかにそのような動きはあったようだ。小沢一郎代表が2回会ったという情報もあれば、いや構想段階で終ったとの情報もある。いずれにしても政策で選考するよりも先に知名度で有権者を投票に導こうという発想そのものが間違っている。

(有田芳生の『酔醒漫録』 2007年2月18日 『幻の都知事候補?吉永小百合』より)

有田は、民主党が「政策で選考するよりも先に知名度で有権者を投票に導こうという発想」をしていると言うのだが、これって石原慎太郎のやり方そのものではないのか?

有田は、さらに以下のように続ける。

民主党に限らず、ほとんどの政党、政治家は言葉が貧困だ。ハンナ・アーレントは「理解と政治」(『アーレント政治思想集成』、みすず書房)という論文のなかで常套句(クリシエ)の問題点を指摘している。「世論の質を向上させる」ためには言葉に敏感でなければならない。認識と理解の相互関係だ。訳者の理解でいうならば「いま生じている出来事に対する驚きを旧い言葉で封じるのではなく、それにふさわしい言葉の探求へとつなげてゆくこと」である。何か悪政があればすぐに「ファシズム」という言葉を使うことは、知的怠慢であるだけでなく、画一主義(コンフォーミズ厶)へ陥ることだ。日本の政党は「マニフェスト」などを強調しながら、そこに政治哲学がない。いつまでも是正されない最大の欠陥だろう。アーレントはフランツ・カフカが述べたことを引用している。

真理を語ることは難しい。真理はなるほど一つしかない。だがそれは生きており、それゆえ生き生きと変化する表情を持っているからだ。

(有田芳生の『酔醒漫録』 2007年2月18日 『幻の都知事候補?吉永小百合』より)

なんともペダンティック(注)な文章だ。ナチを避けてフランスに逃れながら、パリで逮捕され、一時抑留キャンプに収容されたのち1941年にアメリカに亡命したユダヤ人のハンナ・アーレント (1906-1975) が、自らの言説が、有田によって間接的に石原慎太郎を擁護するために使われたと知ったら、間違いなく激怒したことだろう。

有田はこの文章で、実に卑怯な言論を展開していると思う。

しかし、それほどまでに有田が立候補を恐れた吉永小百合は、立候補どころか今回の都知事選に関して何の発言もしなかった。

前長野県知事の田中康夫にも、一時東京都知事選の立候補に色気があるといわれた時期がある。しかし、彼もまた立候補するどころか、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」で、右翼である櫻井よしこと馴れ合いながら、石原慎太郎にも浅野史郎氏にも嫌味を言い、櫻井に「あなた、立候補なさいよ」などと言われていい気になっていた。

この放送を見て、「田中康夫の立候補もあり得る」と騒いだ向きもあったが、私はそれはあり得ないだろうと思っていた。

田中は、石原が立候補すると知って出馬しないことに決めたという噂が一部に流れていた。私はそこらへんが真実に近いと思っている。つまり、田中は石原に勝つ自信が全くなかったのではないか。だからこの男は立候補しないのだ、そう予想していたし、実際その通りだった。

吉永小百合や田中康夫に限らず、今回声を挙げなかった「リベラル系」の著名人たちには、市民的勇気が全く欠けていた。何も浅野氏だけではなく、吉田万三氏という選択肢もあったにもかかわらずである。今回口をつぐんだ人たちは、石原を支持したも同然だと私は考えている。

今回、浅野氏の応援団には、中山千夏、矢崎泰久、永六輔ら、1977年の参院選で「革新自由連合」を結成した時のメンバーが名を連ねていた。当時は、勇気を持った「文化人」たちが大勢いたのだ。30年前の人たちにできたことが、なぜ今の若手や中堅の「リベラル」な人たちにはできなかったのか。今の時代では、口をつぐむことが最大の罪だと私は思うのである。

今回、石原の対立候補として立つことは、どんなに格好悪い結果になろうとも、誰かがやらなければならなかったことだ。そして、浅野さんはそれをやった。「火中の栗を拾った」のだ。

これは、決して無駄にはならないと思う。


(注)ぺダンティック [pedantic] : 日本語では「衒学(げんがく)的」。「学者ぶった」「もの知り顔の」の意。


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東京都知事選の選挙戦もいよいよ終盤だが、石原慎太郎のにらみが雑誌メディアにもある程度通用したのか、告示前に頑張っていた「週刊ポスト」「週刊現代」「週刊朝日」「サンデー毎日」などの記事が、選挙戦に入ってかなりトーンダウンしてしまった。

ネットでも、公職選挙法違反には相当しないはずの「落選運動」まで自粛する動きがあったのは残念である。

今日は、まず告示後にもある程度頑張った「サンデー毎日」(4月15日号)の記事の紹介から始めたい。

記事は、『「圧勝予測」で早くも "ゴーマン復活" 石原慎太郎の「死角」』と題されている。

選挙戦後半に入って、一時石原が最有力対抗馬と目される浅野史郎・前宮城県知事との支持率の差を広げ、一部の調査では「ダブルスコアで石原が圧勝する」という予測が出るようになって、選挙戦序盤では低姿勢だった石原の態度が再び元に戻って、放言を連発しているというのだ。

記事から、石原の放言を紹介する。


「ワシントンには何回も行きましたが、贅沢な旅行だとか、ガラパゴスに遊びに行ったとか、くだらんことでやられましたが‥‥」

(外国人犯罪に絡めて)
「六本木に行ってごらんなさい。アフリカ系アメリカ人じゃない、アフリカからじかに来た英語もしゃべれない連中が、あそこではあまりいいことをしていない」

(中国人向け新聞に載っていたアルバイト募集広告を引き合いに)
「どういうことなんだと聞いたら、日本語習ってる若者たちが夜、ひまだから、泥棒の見張りをするってんだ。一晩2万円」

(日本記者クラブの会見で)
「共産党(の批判)くらいは何でもないんだけど、一部メディアが横滑り(ママ)して、陰湿なバッシングを繰り返し、そういうこともあって、謙虚にならざるを得ないですな

(自民党の支持団体による総決起集会で)
「『朝日新聞』のバカが(共産党の)尻馬に乗って根も葉もないこと、そのまま書きやがって??」

(「サンデー毎日」 2007年4月15日号 『「圧勝予測」で早くも "ゴーマン復活" 石原慎太郎の「死角」』 より)


最後の「朝日新聞」云々は、「週刊朝日」の記事を指すと思われるが(朝日新聞本体の記事には、「都政の私物化」という表現がほとんど現れなくて腹立たしかった)、それはともかく「バッシングを受けてるから謙虚にならざるを得ない」とは、人をバカにした態度というしかないだろう。

雑誌が発行されたあとのできごとなので、記事には出ていないが、さる4月4日に石原が下北沢に遊説した時、下北沢の再開発に反対する住民から「住民感情を排除している」などの激しいヤジを浴びた石原がブチ切れ、「うるさい、黙ってろ!」と一喝、「(再開発について)いろんな意見を出してもらいたい。それを区長に取り次いでですね、当たり前の手順を踏んで、民主的にやるんだよ! 物事は多数決なんだから!」と怒り狂ったと報じられている。

選挙戦後半に入って、石原が「地」を出し始めたのである。

今回、各種メディアの調査で、対立候補の浅野氏が、支援する民主党の支持をまとめ切れていないと指摘されているが、その原因の一つとして、告示日に神奈川県知事選に立候補している松沢成文知事と埼玉県の上田清司知事が石原を応援したことが挙げられるだろう。これは、浅野陣営にとっては痛手になったはずだ。

しかし、ダメージを受けたのは浅野陣営だけではない。松沢氏の対立候補を担いでいる自民党神奈川県連にも、大変な痛手になった。

それでなくても劣勢の予想されている選挙で、こともあろうに敵の応援にきた石原に、神奈川県連は当然ながら激怒した。しかも、「コイズミチルドレン」らがつくる「83会」から、神奈川県連に石原応援の要請があったことが、県連の怒りの火に油を注いだ。

河野太郎・自民党神奈川県連会長は、3月23日、自身のメルマガにこう書いたそうだ。

知事選で戦っている相手の応援に入ってきた奴のところになんで応援に行かなければいけないのかと県選出の一回生がかみついた。だいたい、自民党の推薦もいらないと言ってる人じゃないの? 一体全体、どーしちゃったんだ」

自民党神奈川県連が推薦する杉野正氏の選対事務局長を務める新堀典彦県議(前県連幹事長)は自民党本部に対してこう怒る。

「地方への差別ですよ。ふざけんじゃないよ、と言いたい。同じく推薦を出していないのに、向こう(石原知事)には手厚い支援をしている。こっちには応援の弁士さえ来ない」

前出の河野太郎氏は、メルマガにこうも書く。

「(推薦依頼は)中川秀直幹事長、石原伸晃幹事長代理のところでストップがかかる。(杉野氏は)世論調査の支持率が低いから、と」

県連副会長の語る裏事情はこうだ。

都知事選に危機感を持った石原父子の意向を、中川(秀直)幹事長が酌んだのです。杉野氏に推薦を出せば、石原知事と松沢知事の共闘はできなくなる。最初からこっちに推薦を出すつもりなどなかったんでしょう。だったら、こっちは都知事選では浅野氏を応援しようという声も出ている

神奈川の自民党員には、特別に都知事選の選挙権を与えたいと思ってしまうのは私だけだろうか(笑)。

それにしても、自らの選挙のためなら、かつて所属した自民党さえも私物化する石原の、底なしの傲慢さに腹が立つと同時に、石原に頭が上がらず、言いなりになる自民党の情けなさにも呆れる。

私は「サンデー毎日」の記事を読んで、杉野氏に同情してしまった次第だ。松沢などという男は、どうせ自民党よりもっと右のネオコンに決まっているだろうから、なおさらだ(そうでなかったら石原なんかを応援するはずがないだろう)。

さて、長くなったので以下は足早に済ますが、記事は築地市場移転先から、強アルカリ性を示す「異常な水」が検出されたことも報じている。

この移転計画について、石原は「僕が決めたことじゃない」などと述べているが、これは真っ赤な嘘である。3月29日、東京ガスが(石原都知事就任後の)2000年6月の時点で、土壌汚染を理由に市場の移転を「受け入れ難い」と認識していたことを示す公文書を、共産党都議団が明らかにした。東京都は、2001年2月に一転、市場移転の基本合意を東京ガスと結んでおり、同党は「石原知事のトップダウンであることは明らか」と主張している。誰がどう見たって、共産党の主張が正しく、石原が大嘘をついていることは明白だろう。

さて、記事の最後に、山口浩・駒澤大グローバル・メディア・スタディーズ学部助教授がネット上で開設している「都知事選予測市場」が紹介されている。
http://www.h-yamaguchi.net/

これについて、「サンデー毎日」の記事から引用する。


 予測市場とは、市場メカニズムを使って将来の結果を予測する手法で、言わば「神の見えざる手」で物事の結果を解析する試みだ。発祥の地・米国では大統領選の結果やアカデミー賞受賞作を、世論調査より正確に予測した実績があるという。
 選挙の予測市場では、各候補者を株の銘柄に置き換え、各候補者の予測得票率を株価に見立てて株を売買する。「A氏の得票率が予測より低い」と思えばA株を買う。逆に高いと判断すれば売る。正確な予測をするほど利潤(ここではゲームとしてのポイント)が得られるため、参加者には正しい予測をしようとする動機付けが働くという。

(「サンデー毎日」 2007年4月15日号 『「圧勝予測」で早くも "ゴーマン復活" 石原慎太郎の「死角」』 より)


これによると、マスコミの世論調査とは異なり、石原と浅野氏は大接戦を演じている。まだ石原の方がわずかにリードしているとはいえ、その差は縮まっている。

選挙戦はいよいよ大詰めにさしかかってきた。


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今回は、東京にお住まいの読者からいただいた情報をもとにお送りする。但し、文章には管理人が手を加えている。

以下紹介する。

     *   *   *

今回の都知事選で、現職候補は、圏央道と外環道を餌に、「日本のシリコンバレーをつくる」などと言っているが、外環道こそ現職候補の政治姿勢の実像を表している。

彼は国と対峙し、自らに「ディーゼル規制をする環境派」というイメージを与えたが、実は、外環道をめぐる事実を調べると、むしろ、国と手を取り合って、東京の環境を壊して行く者の姿が見える。

最近、東京大気裁判が原告の望む方向になりつつあり、都民の中に、道路問題は終わったように思う人もいるが、実際は、外環道ができれば、東京の空も地下も破壊するものになるだろう。

特に地下水系がズタズタにされ、国分寺外線や野川などの水系も被害を被ることになる。
(管理人注:後述するように、外環道は大深度地下を利用する構想だが、地下水に与える影響は十分考慮されていないことが指摘されている)

実は私(読者の方)は、外環道の予定地近くに住んでいて、直接被害はないものの、1999年に外環道問題が浮上した時、関心を持っていろいろ調べたことがある。その結果、外環道がきたら引っ越すしかない、という結論に達したのだった。だから外環道の話には無関心ではいられない。

「東京外環自動車道 - Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%A4%96%E7%92%B0%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E9%81%93

東京外環自動車道(とうきょうがいかんじどうしゃどう、英称:TOKYO-GAIKAN EXPRESSWAY)は、東京の周りを環状のように走る東京外かく環状道路(東京外郭環状道路)の自動車専用部(高速自動車国道)であり、東京外環、外環道、外環と略す。一般国道298号と併せて東京外かく環状道路(東京外郭環状道路)、略称で外かん(外環)又は外環道と呼ぶ。なお、和光北以西には並行する一般国道はない。

東京の周りを取り囲んで、東名高速・中央道・関越道・東北道・常磐道・京葉道路・東関東道を相互に接続する計画だが、現在開通しているのは関越道(大泉IC)から三郷南ICまでの区間のみである。

未開通区間のうち、三郷南IC?松戸IC間は、一般道の供用が開始され用地買収がほぼ完了し、工事も順調に進んでいる。松戸IC?高谷JCT(東関東道)間は、用地買収等が遅れている影響で着工できず、同区間の開通は2015年度ごろにずれ込む見込み。
一方、関越道(大泉)?東名高速(東名)間は全線地下トンネルによる建設で、計画を調整中。

外環道は、現在のところ連結している他の高速道路とは別料金(均一制料金)である。


このWikipediaを見ると分かるが、現都知事はディーゼル規制を言う傍ら、就任直後から外環道の推進に手を染めている。

当時、尼崎公害裁判や、東京大気裁判などもあり、かなり道路問題の話題がメディアをにぎわしていたと思う。どちらも原告に有利な画期的な判決が出て、これからは道路を造るという時代ではない、という印象を持ったものだった。ところが、その時に降って湧いたような外環道の話。

(注)
尼崎公害裁判
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/amagasakihannketu.htm

東京大気裁判
http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/DieselTokyo102902.htm


しかも当時東京都はとても環境先進自治都市で、「東京都環境白書2000」という報告書を出していた。

さて、「週刊朝日」3月30日号に、現職候補と対立新人候補(前宮城県知事)の対談記事が掲載されている。その中から、少し気になったところを見てみたい。

『ラッシュの緩和のために国会と霞が関を移転するよりも、いま中途半端になっている外環道と圏央道を完成させれば、渋滞は45%は緩和される。そうしたら首都機能を移転する必要はないじゃないですか』

現職知事のこういう発言があるのだが、この45%の渋滞の解消の根拠となるのが、都内の通過交通(都内に用事がないのに都内を通るだけの車両)の多さ、ということらしい。

ところが当の東京都の出している「東京都環境白書2000」で、その都知事の言っているデータが事実に基づかない事を証明しているのである。

http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/kikaku/hakusho/2000/tkh2k_2.pdf

このPDFファイルの34ページに以下のような記事がある。
-----------------
第2部 自動車と都市環境の危機
3) 区部の交通量の95%は区部に用事のある車

 では、区部を走る自動車は、どこから出発してどこに行く車が多いのだろうか。区部を走行する自動車を大別すれば、(1) 区部から出発して区部外に出る車、または、区部外から区部に到着する車(内外交通)、(2) 区部内のみで動く車(内々交通)、(3) 区部には用がなく単に通過するだけの車(通過交通)という3種類に分けられる。図表2-20で見た発生集中交通は、(1)と(2)の合計であり、 (3)の通過交通は含まれていない。
 図表2-22は、この3種類の交通の量を示したもの (平成6年度 道路交通センサス)である。(1)?(3)の総合計は、660万台であり、通過交通の35万台は、全体の5%強にあたる。したがって、区内を走行する自動車の約95%は、仕事や買い物、家事など何らかの目的のために区部に目的地や出発点を持つものである。 一方、区部の中でも都心部だけをみれば、通過交通の割合はもっと高い。首都高速道路東京線を例にとれば、一日の利用台数約94万台のうち、約3割にあたる約27万台は、都心環状線を通過するだけの交通である。

-------------------------

つまり、23区内の車の移動は95%が区内に用事があって動くもので、外環道は23区の周りに作られるものだから、外環道が出来たところで、現職候補の言うように45%も渋滞が減るとはとても思えないのだ。それに、こういう明確なデータを東京都自身が出しているのである。では、現職候補はどこのデータを使って渋滞が45%も減ると言っているのだろうか? 今度是非開示請求してみたい。

加えると、上のデータでは確かに都心環状線の交通量の3割は通過交通である。また、湾岸線などは長距離トラックでいっぱいだが、羽田や神奈川方面から千葉へ行く車がわざわざ練馬や埼玉を通る外環道を迂回していくとは思えない。しかも外環道は別料金になるのだ。

仮に環状線の渋滞が無くなったとしても、都内の一般道路の渋滞は減らないのである。道路を造ることで解決する問題とは思えないし、ある新人候補(建築家)の言うように、都心の高層ビルの建築が区部内の交通量を増やしているだろう。現職候補の言っていることは矛盾だらけである。

また、現職候補は対談の最後に、

『東京は公私を合わせて博物館・美術館の数は世界の首都で一番多いんですよ。そういったものの情報はあっても、利用度は非常に少ない。移動が難しいから渋滞を解消すると、非常に多岐に渡る高度な文化を享受できる。非常に魅力のある街になると思いますよ』

と言っているのだが、これもどうだろう。地下鉄や私鉄の発達した東京で車の移動を勧めるような発言は、地球温暖化が叫ばれる今、とても理解に苦しむ。また、絵を見るのが好きな私は、良くあちこちの美術館に行くが、公共機関の移動で不自由があるとも思えない。むしろ車で移動して、駐車場を探す方が大変だ。

ちなみに、実は外環道は高速道路で、都の管轄ではない。国(国土交通省)の管轄なのだ。国と対峙する、というよりは、一緒になって押し進めているようだ。外環道は地下40メートルに作られると言う。地下40メートルに道路を造る場合費用はどのくらいかかるのだろう。しかも高速道路だからジャンクションなども必要で、その分岐点を地中に作るのに一カ所何百億円掛かるか分からないとも言われているそうだ。地震の問題もあるだろう。

しかも既に出来ている、埼玉7都市では、周辺の街が寂れ、人通りが絶え、犯罪が増えている。経済効果も謳っているが事実は逆なのである。

汚染地への築地市場の移動といい、道路問題といい、本当に都民のことを考えているのか、結局はゼネコンや国の利権を守る為に税金を使っているのではないか、と都民として憤る話ばかりである。

     *   *   *

このお便りを受け取って、私も外環道による渋滞緩和についてネットで調べてみたが、渋滞が45%緩和されるという現職候補の主張の根拠を見つけることはできなかった。共産党は、都知事が開発計画の根拠となるデータを示さないまま、議会を散会してしまったと主張していたはずだ。

外環道をめぐる議論を見ていて、四国に住む私が直ちに思い浮かべるのは、3つのルートで架けられた本四架橋だ。巨額の費用をかけて完成されたこれらの橋は、いずれもメンテナンスが大変で、採算が合わず、今後さらに地域住民への負担がのしかかってくる(当初はあと2ルート、計5ルートの建設計画があった)。

大深度地下に高速道路を造るという外環道構想を推し進めたいという現職候補の主張は、本四架橋の愚を繰り返すものだろう。まさしく、1964年の東京五輪の頃の発想だと思う。そして、外環道建設や東京五輪招致など、ひたすら開発指向の主張をしているのは現職候補だけなのである。


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はじめにおことわりしておくが、現在、統一地方選の選挙期間内なので、今回は選挙関連ではあるが、管理人の価値判断を含まない記事としてお送りする。

今朝(4月2日)の地方紙各紙には、共同通信の調査による統一地方選の情勢分析の記事が出ていると思う。

以下、四国新聞のウェブページの記事を紹介する。


東京は石原氏が一歩リード/北海道、福岡も現職優位
http://www.shikoku-np.co.jp/national/political/article.aspx?id=20070401000315

 第16回統一地方選挙で、共同通信社は1日までに、世論調査に取材を加味し、8日に投開票される13都道県知事選の情勢を探った。

 自民党系候補と民主党系候補が激突した5都道県知事選のうち、東京では、3選を狙う石原慎太郎氏が自民、公明両党支持層を固める一方、民主党支持層も取り込んで一歩リード。浅野史郎氏は無党派層で支持を広げつつあるが、民主党支持層をつかみきれていない。

 北海道、福岡では自民党系の現職が優位に立っている。北海道は、再選を目指す高橋はるみ氏が荒井聡氏らに先行。福岡も全国知事会長の麻生渡氏が稲富修二氏らに安定した戦いを展開している。
(以下略)

(四国新聞 2007年4月1日 19時39分)


ネットからはこれ以上の情報は読み取れないが、紙面を見てみるともう少し詳しい情勢分析が出ているので、以下に紹介する。


石原氏、自公支持層固める 浅野氏が追い上げ

 14人が立候補した東京都知事選は、世論調査結果に取材も加味して分析したところ、自民、公明両党が支援する現職石原慎太郎氏(74)が一歩リード、民主、社民両党が支援する前宮城県知事浅野史郎氏(59)が追い上げている。

 共産党推薦の元足立区長吉田万三氏(59)、諸派の建築家黒川紀章氏(73)がこれに続く。
 89.5%が「関心がある」と回答したが、約4割が誰に投票するかを決めておらず、終盤の情勢は変わる可能性がある。
 石原氏は自民、公明両党を支持する層で、いずれも8割近くを固めている。民主党支持層からも3割強の支持を得ており、前回調査(3月24, 25両日)より、食い込みを図っている。
 浅野氏は民主党支持層から約5割、社民党支持層から8割近くの支持を集めている。自民党を支持する層からは1割を集める。
 52.4%が「支持政党なし」と回答。この無党派層では、浅野氏が前回調査より追い上げ、石原氏は1割程度落とし、両氏はともに3割の支持を集めて拮抗(きっこう)する。
 吉田氏は共産党支持層から5割、無党派層で1割近くの支持を得ている。黒川氏は既成政党の支持層、無党派層でも広がりを欠く。発明家ドクター・中松氏(78)は支持が広がっていない。

(四国新聞 2007年4月2日付紙面より)


以下、気づいた点だけ指摘しておく。

まず、告示前と比較して、民主党支持層が、同党が支持している浅野候補から石原候補へとずいぶん流れたように見えること。

次に、ふだん結束の強い共産党支持層にしては、吉田候補への支持がまとまり切っていないように見えること。

最後に、これまでどこの調査でも、無党派層の支持が一番多いのは石原候補だと報じられてきたのだが、ここへきて初めて、石原候補と浅野候補が拮抗していると報じられたこと。

情勢分析は各社まちまちなので、この共同通信の調査結果を鵜呑みにすることはできない。この結果を見る限り、石原候補はかなりの優勢にあるように見えるが、引き続き今後の選挙戦に注目していきたい。


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2007.04.02 18:53 | 東京都知事選 | トラックバック(0) | コメント(-) | このエントリーを含むはてなブックマーク
私は四国在住だが、四国四県はどこも伝統的に自民党が強い。
自民党の強い地方というと、ほかに中国地方や東北地方がある。

ところが、今回の東京都知事選をめぐる報道を見聞きしていると、東京はいまや中国・四国や東北以上の、超強力な自民党の地盤、というよりネオコンの地盤になってしまったのではないかと思えてならない。

実は、このことを記事にしようと思いながら、「安倍晋三TBP」 のリンクリストを見ていたら、私が書きたかったのとほとんど同じことを、直前にTBされたさとうしゅういちさんの 「広島瀬戸内新聞ブログ版」 の記事 『東京出身広島人が見た東京の変質とネオコン化』 に書かれていたので、「納得できない判決」の件で、美爾依さんのブログ 「カナダde日本語」 に先を越された昨日に続いて、またまた驚いた次第(笑)。

全くの偶然だが、私もさとうさん同様、かなり長い時期を首都圏で過ごしたのち、7、8年前に地方に移った人間だ(ただし、さとうさんと違って、私の生まれ育ちは関西である)。

以下、さとうさんのブログ記事から引用する。

昔は、東京=リベラル、地方=保守という固定観念があったし、それはまあ正しかったと思います。

ところが、むしろ最近の政治情勢を分析する中で、東京の保守化というか、ネオコン化に衝撃を受けていた。
広島県の北部では9.11総選挙のときでさえ、小泉総理を支持する人は広島市民球場のレフトスタンドの横浜ファンより割合が少ないくらい(ものすごい少ないという意味)に思えた。亀井静香さんが無党派層の支持を多く受けた(常識とは反対で、ホリエモンのほうが地元大企業や業界団体に組織されている商店主らがつきました)。隣の岡山県でも自民党は2勝3敗。むしろ自民党への「小さな逆風」さえ感じました。

なのに、東京では、なんと小選挙区で自民党が24勝1敗。私は、一応、自民党が地方を切り捨てているから、地方では自民党への反発が強い。ただし、今まで業界団体などのつながりで、あるいは「自民党が安心」と思い込んでいる人もまだまだ多いので、野党優勢とまでいかない。一方都会では、小泉総理が田舎を叩いたのが奏功したのだろうと思いました。しかし、釈然としませんでした。

今回、東京に行き、事の真相を知った思いがします。外部者としてみた東京。そして地元との比較を通じてです。

まず、衝撃を受けたのは、高層のビル(お金持ちが住んでいる)が多くある。これが、都営三田線やメトロ南北線(私がいたときは営団だった)、半蔵門線が、私鉄と直通運転して異常に便利になっている。他にもつくばエクスプレス、臨海線、大江戸線など、交通網の整備が著しい。都民のみなさんには「当たり前」に見えるでしょうが7,8年間東京を離れていた私には、異常に見えます。逆に「自分は田舎ものになりきってしまったのかなあ」と自問自答しました。

そこで、私は、小泉純一郎さん、あるいは現都知事の政治の本質を思い知ったのです。

小泉純一郎さんの政治とは乱暴に言えば、実は、地方から東京に利益を付け替えただけではないでしょうか?

(「広島瀬戸内新聞ブログ版」の記事 『東京出身広島人が見た東京の変質とネオコン化』 より)


四国に住んで東京発のマスコミ報道やブログ記事などに接する時、そして時たま東京を訪れる時に感じる私の感覚からすると、さとうさんの記事にはとても共感できる。たまに東京を訪れると、私も浦島太郎気分を味わってしまうのだ。

東京都知事選をめぐる報道を見聞きしても、その感覚は変わらないどころかますます強まる。

今回、現職に対抗する対立候補の一人が、かつて地方で展開して功を奏した選挙戦が、今回は全然通用してしないという報道が伝わっている。「県民みんなが参加する選挙」を標榜し、小額のカンパを集めて選挙資金にするやり方は、今回も行われるはずだったが、告示直前に「公職選挙法で禁じられた文書配布に該当する可能性がないとはいえない」という理由で中止された。

公職選挙法の絡みでは、ブログ言論にもずいぶん自主規制が目立つ。「落選運動」は公職選挙法違反にはあたらないとされているのに、それさえ自粛しているブログが多い。

それに、何より気になるのが、「文化人」たちの沈黙だ。

今回、有力とされる対立候補を応援している文化人たちの中には、30年前の参議院選挙のために結成された「革新自由連合」の中心メンバーだった人たちがずいぶん目立つ。30年前にタイムスリップしたかのような錯覚に襲われるほどだ。

当然、みな30歳年をとっている。そして、若手や中堅の「リベラル」と思われる文化人たちはなぜか沈黙を守っている。中には、一昨日の記事で取り上げた藤原紀香のように、「護憲派」だったはずなのに、ゴリゴリの超タカ派である現職を応援する芸能人まで現れる始末だ。

なにか、地方からきた対立候補に対し、東京人が、異物でも排除するかのような反応を示しているように思えるのである。

とにかく伝わってくるのは、「物言えば唇寒し」という、首都・東京の寒々しい雰囲気だ。さとうさんのブログでも書かれているように、地方にはそんな雰囲気は全くない。だから、日本の中で東京が浮いているような気さえする。

そしてこの状況は、安倍内閣の極右的言論によって、いまや世界の中で日本が浮いてしまいつつあるのと二重写しになる。

なんともイヤな閉塞感を感じる今日この頃だ。


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東京都知事選において、現職を応援する8人の著名人による応援メッセージが印刷されたビラが配られたという。

その中で気になったのが、女優の藤原紀香が、「音楽・芸術・文化を大切にする」現職に「期待してます」というメッセージを寄せていたことだ。

特に気になったのは、下記の二点である。

まず一点は、このメッセージを発した藤原紀香という女優が、一部の人たちの間では「護憲派」として知られており、この夏行われる参院選に、彼女を候補者として擁立しようと真剣に考えていた人さえいたことである。その彼女が、「極右」としかいいようのない現職を大々的に応援するという転向をしたことの、護憲派の人々に与えるショックは、決して小さくない。

もう一点、聞き捨てならないのは、藤原が、応援する候補者を「音楽・芸術・文化を愛する」と形容したことだ。これは、音楽愛好家である私にとっては容認できない発言だ。

私は、この候補者ほど「芸術」や「文化」という言葉からかけ離れた人物はいないと思っている。

この男のもともとの職業は「小説家」であるが、私が文庫本で小説を読むようになった1970年代半ばには、すでにこの男の小説は文学好きの人間には相手にされていなかった。

私の世代の人間にとっては、この男は、もうだいぶ前に物故した著名な俳優の兄であるというに過ぎない。彼を「芸術家」と認知している人など、ほとんどいないだろう。

そしてこの男は、東京都の外郭団体である 東京都交響楽団 (通称・都響)に、実にひどい仕打ちをしてきたのだ。

下記URLの記事を参照していただきたい。
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/05-05/050512katayama.htm

ここに書かれているように、現都知事は、オーケストラへの補助金も約14億円から10億円に減額した上、さらに都響楽団員への有期雇用契約制度を提案した。また,この提案の理由において、「集客のためには演奏水準の向上が必要であり,楽団員を契約制に置き危機感を持たせれば、全体の演奏水準が向上する」という理屈を持ち出した。

この記事の筆者は、『およそ「文化人」のはしくれとは思えない理屈』と評しているが、その通りだと思う。私は、新自由主義的施策ほど芸術と結びつかないものはないと思うが、現職氏はそんなことには一切おかまいないだ。

私はクラシック音楽が好きで、かつて首都圏に在住していた頃には、何回か都響のコンサートに足を運んだことがある。上記のWikipediaの記述にあるように、このオーケストラは、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したオーストリアの大作曲家・マーラーの作品を重要なレパートリーにしている。

時折ヒトラーにたとえられることもある現職氏が、ヒトラーが迫害したユダヤ人の作曲家であるマーラーの演奏で知られる都響をいじめてきたのは偶然に過ぎないにしても、この男が「音楽・芸術・文化を大切にしている」とは、とてもいえないだろう (注:マーラー自身は1911年没であり、ナチスドイツに迫害される前に世を去っている)。

ピークを過ぎた芸能人が、芸能界にも多大な影響力を持っていると思われる現職氏に歯向かっては、飯の食い上げになるだろうことは容易に想像がつく。

しかし、だからといって、せっかく阪神大震災の被災者への援護や、憲法9条擁護の言論を通じて「人権派」のイメージがあった女優が、その看板をあっさりかなぐり捨てて、安易に転向してしまったことは、本人のためにも惜しまれるとしか言いようがない。

少なくとも、私がこの藤原紀香という女優に対して、評価できるものは何もなくなってしまったというのが正直な感想だ。


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当ブログはきたる東京都知事選で浅野史郎さんを応援しているが、浅野さんに関して、岩手県在住のsonicさんからコメントをいただいたので紹介する。

【岩手に生まれた者は強者の論理をとってはならないと言うこと】

浅野さんが当選すれば、石原都政の怪しい方向を正してくれると期待されているようです。
自分が言われているわけではないのに、同郷の者としては嬉しいやら恥ずかしいやらでくすぐったい気分です。

さて、民主党では岩手県民小沢一郎さんが党首となり、国政批判の先頭に立っています。
自民党では岩手の俘囚長を先祖にもつ安倍晋三さんがモゴモゴやっています。
これで都知事が浅野さんとなれば、岩手県人揃い踏みとなります。
(日教組の委員長も岩手人の森越先生です。連合の代表にでもなれば森越先生も日本のキャスティングボードを握るひとりになるかもしれません。)

さて、実は郷土自慢で述べたわけではありません。
本来マイナーなはずの岩手人脈がかつて我が国の主要ポストについて活躍した時代を思い出したからです。
太平洋戦争直前、国内政治・外交・経済のあらゆる面で行き詰まりがおこり、その混乱の中、中央政界と軍で岩手県出身者・岩手縁者が台頭しました。
現在ではなかなか信じてもらえませんが、現在では平和主義者とされる米内光政と軍国主義者とされる東条英機は同じ郷土的・歴史的背景を背負っており、同じ時期に左右両極端の指導的立場を岩手県民が占めたことは実は偶然ではありません。(板垣征四郎と米内光政が中学時代からのツーカーだったことも忘れてはいけません。さらにこの人脈は何故か石原莞爾を経て宮沢賢治につきます)

話題のお偉いさんで岩手出身者あるいは岩手の縁者が目立つと、嬉しさの反面、そう言う良くなかった時代のことが思い出されて、言いようのない不安を感じてしまいます。

選挙戦を通して浅野さんは新自由主義への決別を明確にすると思います。
それで当選すれば、我が国のトレンドの大きな転換点になるでしょう。
逆に、当選後、浅野さんが新自由主義的な政策をとったり、石原的な堕落と傲慢に陥ったならば、かつて間違って歩んだ道に再びすすむことになるのかも知れないと心配もしています。

ここでsonicさんが書かれている「岩手の俘囚長を先祖にもつ安倍晋三さん」というのは、安倍晋三の父・故安倍晋太郎が生前、自らのルーツは奥州の安倍宗任(あべのむねとう)だと語ったことを指す。但し、安倍晋三の母方の祖父・岸信介は安倍宗任とはむろん無関係で、父方の祖父・安倍寛(あべかん)が安倍宗任の末裔だというものだ。「AERA」の昨年3月20日号で、吉田司さんがこのことを記事にし、当ブログの昨年7月30日の記事 『安倍のもう一人の祖父は「平和主義者」だった』 で吉田さんの記事を取り上げた。さらにこの記事に対してsonicさんから頂いたコメントを、昨年9月8日付の記事『安倍晋三は「安倍家の面汚し」』で取り上げた。これらの記事をお読みいただければ、経緯がおわかりになると思う。

それにしても驚いたのは、sonicさんのコメントに浅野史郎氏が岩手県出身だと書かれていたことだ。浅野さんといえば、誰しも宮城県出身というイメージをお持ちだろう。

そこでネット検索で調べてみたところ、2004年7月20日付の「浅野史郎メールマガジン」の記事が見つかった。

「浅野史郎WEBサイト 『夢らいん』」より 「浅野史郎メールマガジン バックナンバー」 2004年7月20日(第150号)
http://www.asanoshiro.org/mm/040720.htm

これは、高校野球で郷土のチームを応援することについての記事だが、確かに「私の場合、岩手県生まれであるが」と書かれている。但し、「岩手県代表校を応援する気にはならない」と続くので、生まれは岩手県でも育ちは宮城県であることがわかる。生まれた都道府県の隣県で育つのはよくあることで、私もそうだ。

sonicさんは、「選挙戦を通して浅野さんは新自由主義への決別を明確にすると思います」と書かれているが、おそらくそうだろうと私も思う。
一昨日、フジテレビの「報道2001」に都知事選の有力4候補が出演した時、浅野さんは石原都政の特徴をひとことで書けという司会者のリクエストに対し、「弱者に厳しい側近政治」と書いた。過去の宮城県知事選の時と同様、浅野さんは「勝手連」の支援を受けて「草の根選挙」で選挙戦を戦い、反新自由主義的な主張をしていくことだろう。

sonicさんは、「当選後、浅野さんが新自由主義的な政策をとったり、石原的な堕落と傲慢に陥ったならば、かつて間違って歩んだ道に再びすすむことになるのかも知れないと心配もしています」とも書かれている。これも、もっともな懸念だと思うが、都知事をそのような方向に向かわせないよう監視し、声をあげていくのも都民の務めだろうと思う(都民でない私がこんなことを書くのも何だが)。だが、都知事が石原慎太郎のように人の言うことに聞く耳を持たず都政を私物化する輩であるなら、いくら声をあげても無駄だろう。宮城県で情報公開の実績のある浅野史郎さんであれば、その点でも期待できると思うのである。



#当ブログは浅野史郎さんを応援します

浅野史郎 『夢らいん』
http://www.asanoshiro.org/

『浅野史郎さんのハートに火をつけよう!』
http://asano46.exblog.jp/


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私は毎日新聞の携帯サイトを利用している。他紙のサイトではなく毎日を選んだ理由は、無料でニュースが読めるからだ。もっとも、ニュース速報は有料であり、現在は月額料金を払ってこれも利用している。

その毎日のサイトに「日本のスイッチ」というのがある。
http://www.mainichi.co.jp/info/keitai/02.html

さまざまな分野から選んだ、毎週8問の二者択一のアンケートを行い、翌週その結果を発表するというものだ。

先週、その「日本のスイッチ」に、『次の東京都知事には、五輪誘致を進めてほしいと思いますか』という質問があった。その結果が、今日(3月19日)発表された。

その結果は、ナント 「YES」はたったの28%で、「NO」が72%だった。
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/etc/switch.html

この問いには、回答者は、YESかNOかを必ず答えなければならず、「どちらでもない」という選択肢はない。ありがちな誘導尋問もない。きわめてストレートなアンケートだ。そして、回答総数は35728人だった。無作為抽出ではない代わり、回答総数が多い。もちろん、当然ながら「NO」と答えた私のように、東京都民でも首都圏の住民でもない人間の回答も多い。首都圏や東京に限定すれば、多少は「YES」の回答が増えるかもしれない。しかし、全国で「YES」が28%しかいないのに、東京都民に限れば「YES」が50%を超えるとは、私には思えない。せいぜい30%台半ばだろう。

つまり、石原慎太郎が都知事選の目玉にしている「東京五輪の誘致」への支持などその程度のものなのだ。

石原は、過半数の都民が東京五輪を待望していると言っており、一部それを裏付けるようなマスコミの調査結果なども発表されているが、それらは標本数が少ない上、誘導尋問が設けられているに違いあるまい。そもそも無作為抽出といえるかさえ疑わしい。その点、毎日新聞の携帯サイトの質問はとてもシンプルだし、万のオーダーの回答が得られているのも良い。それに、毎日新聞は「右」でも「左」でもない新聞だから、このアンケート結果は国民の正直な声を反映したものだと思う。

つまり、石原の公約の「目玉」は全然支持されていないのである。しかも、石原は東京五輪を誘致できなかったら「責任を取る」と言っている。しかし、2016年の五輪開催地が東京に決まる可能性は、周知のように非常に低い。昨日のフジテレビ「報道2001」の都知事選有力4候補による討論会で、浅野史郎さんが石原に「来年の秋にお辞めになる確率が85%ということですか?」(東京五輪の決定確率を15%と仮定している)と聞き、それに対して石原は「『責任を取る』というのは辞めるという意味じゃない」と答えていたが、石原はいったいどういう責任を取るつもりなのだろうか。

この討論会で、石原は五輪誘致は最重要ではないとまで言い出したが、以前、五輪を誘致したいから三選を目指すのだと言っていたはずだ。早くも再調査を約束させられている築地市場の移転問題と合わせて、石原の論陣は後退に次ぐ後退を余儀なくされている。現時点での論戦は、石原に対立する三候補が石原を圧倒している状況だ。

なお、明確に東京五輪に反対している黒川紀章、吉田万三両氏に対し、浅野史郎氏は「立ち止まって考える」という立場を表明したことが、あいまいだなどと叩かれている。

しかし、この「立ち止まって考える」というのは、フジテレビの討論で浅野さんが述べたように、事業計画を管理する際によく用いられる "Plan(計画) - Do(実行) - See(評価)"のサイクル(PDSサイクルと呼ばれる)において、"See"にあたるものなのだ。浅野さんは、1993年の宮城県知事就任直後に行った「保健医療福祉中核施設群構想」の見直しを回顧した文章でも、『計画をここで「立ち止まって」考え直してみようと』したと書いている(注)。そしてそのあと、浅野さんはドラスチックな大改革をしたのである。「立ち止まって考える」というのは、実務的な改革者である浅野さんならではの表現である。

フジテレビの番組では、「1964年の東京五輪の夢よもう一度」的な発言をする石原に対し、浅野さんは「それは20世紀型の開発指向の考え方だ。そういう意図での五輪招致なら、私は五輪反対に傾きつつある」と言っていた。この問題でも、石原対三候補の対立構造が明確になった形だ。
そして、この件で石原を支持する国民はわずか28%しかいないのだ。


(注) 浅野史郎 『疾走12年 アサノ知事の改革白書』 (岩波書店、2006年) 163頁


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告示前から論戦が白熱してきている東京都知事選だが、思い出すと4年前(2003年)の都知事選は石原の圧勝だった。

しかし、4年前は都知事選そのものより、石原が国政に復帰して首相を目指すかどうかが注目されていたように思う。前年の2002年、株価の暴落などもあってコイズミの内閣支持率はかなり低下し、石原総理待望論なども聞かれる状況だったからだ。

私はコイズミも大嫌いだが、コイズミと石原を比較すると石原の方がもっと嫌いである。コイズミは、いくらなんでも「ババァ発言」や身体障害者の人格を否定するような発言まではしないからだ。人気とりのためとはいえ、ハンセン病訴訟で国が敗訴したあと、控訴を断念したりもした。タカ派度からいっても、石原はコイズミより過激な「極右」だ。だから、石原が首相になるくらいならコイズミが続けていた方がまだマシだと思ったものだ。

あの頃、報道を見ていてコイズミと石原の間にずいぶん緊張した駆け引きがあったような印象を持っていたが、喧嘩の才能ではコイズミの方がはるかに上で、石原は結局国政に復帰する目はないと判断して、都知事選再選への出馬を決めたのだろうと思っている。つまり、4年前の都知事再選は、石原にとっては「デモシカ都知事」(都知事にでもなるか、都知事にしかなれない)だった。それで、1期目と比較して2期目の石原都政は、著しく緊張を欠くものとなり、それが「新銀行東京」の失敗などの失政や、ファミリーによる都政の私物化などにつながったのだろう。

最近、石原慎太郎、小泉純一郎、安倍晋三という、私にとって憎んでも憎みきれない3人の比較を考えることが多い。もちろん3人とも嫌ってやまないが、私の場合一番嫌いなのは安倍晋三で、次いで石原、コイズミの順だ。しかし、敵として一番手強いのはコイズミで、次いで石原、安倍晋三の順番になる。安倍晋三は、問題が起きた時、なんでわざわざそんな反応をして自滅するのかと思うほど馬鹿げたリアクションを示すことが多く、危機管理能力がゼロだ。最近、支持率が下げ止まっているなどといわれるが、それは週刊誌やブログなどによる安倍批判の言論が、東京都知事選に出馬する石原慎太郎を批判することにかなり割かれているせいもあろうかと思う。4月の統一地方選で予想される自民党の敗北のあと、安倍批判の言論は再び強まり、安倍内閣の支持率は再び下降していき、安倍内閣はレーム・ダック化すると私は予想している。

安倍と比較すると、さすがに石原は数段手強い相手だ。一昨日の「報道ステーション」(テレビ朝日)と「NEWS23」(TBSテレビ)に続き、今朝の「ウェークアップ! ぷらす」(読売テレビ=日本テレビ系)でも都知事選に出馬予定の4人が討論した。討論の初めの方で、浅野史郎氏と吉田万三氏が揃って石原の「新銀行東京」の失敗を、「石原の思いつきでやった政策だ、素人がやったのだから大赤字は当然の結果だ、トップダウンの施策の弊害が出た」などと鋭く追及する場面があり、石原はたじたじとなっていたが、司会者・辛坊治郎の石原寄りの進行にも助けられて、次第に石原の弁舌がなめらかになっていった。その内容は空疎そのものだったが、石原の語り口に魅入られる都民もいるのかもしれない。石原のポピュリストとしての才能は、かなり衰えてはきたが、まだまだ警戒しなければならないというのが私の感想だ。

そして、ポピュリストというとなんといっても抜群の才能を持っていたのがコイズミだった。もちろん、その才能は日本を悪くする方向に作用してしまったのであり、都知事選が終わったあとの参院選までの時期に、コイズミが自民党の危機を救うべくしゃしゃり出てきて、安倍の後見人気取りで振る舞い始める可能性もなきにしもあらずかと思う。

一昨年、国民を魅了したコイズミのポピュリズム。これを克服せずして日本を立て直すことはできないと私は思う。コイズミになびき、安易な「わかりやすさ」の誘惑に身を委ねる誘惑を、われわれ日本国民は断ち切らなければならない。

そのためには、コイズミよりは才能の劣るもう一人のポピュリスト・石原慎太郎の甘言に惑わされてはならない。石原さえ倒せないようでは、コイズミのポピュリズムを克服することなどできはしないと思う。


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