きまぐれな日々

1月28日の「きっこの日記」が、久々にライブドア事件に絡んで沖縄で変死した故野口英昭さんのお姉さまとのメールのやりとりを公開している。何か1年前の興奮が甦る思いだ。

実は、ちょうど1年前、昨年1月28日の「きっこの日記」の表現が、私にはいまだに忘れられない。当時、きっこさんはこう書いている。

そして、ひとつだけ言えることは、沖縄で死亡した野口英昭に関しては、捜査当局は完全に「自殺ではなく他殺」って線で捜査を開始してる‥‥って言うか、すでに、ほぼ全容をつかんでる。具体的には書けなくて申し訳ないんだけど、あたしは、野口英昭が殺されたイキサツを知って、あまりにもビックル飲みまくりの事実に、カンジンのビックルを飲むのを忘れたほどだ。
時期が来て、野口英昭の死に関する事実が明らかにされたら、ニポンどころか、世界中を駆け巡る大ニュースになるし、ライブドアは破壊的なダメージを受けるだろう。だから、真実を知ってるあたしの個人的な意見としては、フジテレビは、今のうちにトットとライブドアなんかとは縁を切っておいたほうが身のためだと思う。
(中略)
現に、今回のライブドア事件に絡んでる政治家は、安倍晋三であり、武部ブタであり、バカボン竹中であり、他にもいるけど、すべてが自民党の議員なのだ。安倍晋三は、インチキ洗脳宗教モドキのコンサルタント会社を通じて、ヒューザーだけじゃなく、覚醒剤で逮捕されたダイナシティの元社長、中山諭とも深くつながってるし、ライブドアともつながってる。
(中略)
親の代から家族ぐるみでイカレタ新興宗教に心酔してる安倍晋三は、馬淵議員から「秘書からの電話はあったのか?」って質問されたら、まるでおキツネ様が乗り移ったみたいに早口でワメキ出したけど、顔を真っ赤にしてコーフンしちゃって、言ってることが支離滅裂で、チンプンカンプンだった。その上、カンジンの質問にはまったく答えないから、ヨケイに疑惑が深まった。ま、安倍晋三に関しては、イカレタ新興宗教の問題よりも、ホニャララ団との癒着の問題のほうが大きいし、ライブドア問題と耐震偽装問題の全容が解明されたら、間違いなく議員辞職だろう。だから、安倍晋三をアトガマにしたいコイズミは、党を挙げての証人喚問拒否を続けてるんだけど、果たして国民がそれを許すだろうか?‥‥なんて思う今日この頃なのだ。

(「きっこの日記」 2006年1月28日「諸悪の根源は自民党」より)

これを読んだのは、忘れもしない土曜日の午後だった。目がパソコンのディスプレイに釘付けになった。きっこさんがビックルを飲むのも忘れた事実って、世界中を駆け巡る大ニュースって、いったい何なんだろう。これを読んだ誰もがそう思ったことだろう。

さらに驚いたのは、その2日後に発売された「週刊ポスト」(2006年2月10日号)が、沖縄で変死を遂げた野口英昭さんが「安晋会」の理事だったと暴いたことだ。
耐震偽装事件でも、森田信秀建築士が、謎の「自殺」を遂げていた。そして、ヒューザーの小嶋社長が「安晋会」の会員だったことは、ライブドア事件の強制捜査の翌日の昨年1月17日に行われた小嶋社長の証人喚問において、民主党の馬淵澄夫議員の質問に答えた小嶋社長自身が認めた。

世間を騒がせた2つの大きな事件に、いずれも「自殺」者が出ていて、いずれにも「安晋会」の名前が出てくる。これはいったいどういうことなのだろうか。しかも、野口英昭さんに至っては、自身が「安晋会」の理事だというではないか。あまりの「安晋会」の闇の深さに、背筋が凍る思いだった。

当時、巨大掲示板「2ちゃんねる」で、延々と野口さん変死事件に関するスレが立てられ続け、その議論は土曜日の深夜になると決まって白熱し、思わせぶりな情報がずいぶん書き込まれていた。そこでは、ライブドアに深く関わった自民党議員として、「A」や「T」(お調子者ではない方)のイニシャルが挙げられていた。もちろん、「2ちゃんねる」情報だから必ずしもあてにはならないことは断っておかなければならない。

しかし、当時、検察はマスコミに情報をリークし続けていた。私は、特に毎日新聞がかなり真相に迫っていると感じていた。2月も10日を過ぎ、毎日新聞が事件の全体像を描き始め、疑惑はまさに暴かれようとしていた。

それにさかのぼること2週間の1月末、民主党の鳩山幹事長は「ライブドアの投資事業組合に自民党の政治家が関係している可能性が強まった」と発言していた。そして、2月12日、NHKテレビの「日曜討論」で、司会者が鳩山にこの件について誰が関係しているのかと質問した。

この時の映像は忘れられない。というのは、この質問が出たとたん、自民党の武部幹事長(当時)の表情が一変したからだ。鳩山が口を開こうとした時、テレビカメラがとらえた武部の表情は、恐怖に満ちていた。あれほどまがまがしい表情には、滅多にお目にかかったことはない。武部は嘘のつけない男だ、私はそう思った。

しかし、鳩山が口にした名前は「武部幹事長」ではなかった。「安倍官房長官」だったのだ! しかも、この情報は民主党の調査でわかったものではなく、自民党からのリークだとも言った。これは大ニュースになる。私はそう思った。

しかし、この番組に引き続いて鳩山が出演したテレビ朝日の「サンデープロジェクト」では、鳩山は安倍の名前を出さなかった。どのテレビ局も、どの新聞も鳩山の発言をニュースとして扱わなかった。そして、鳩山発言の4日後、民主党の永田寿康議員(当時)が「偽メール事件」を起こした。ライブドアの堀江社長(当時)が発信したという電子メール情報を用いて、武部幹事長の疑惑を追及したのだが、ほどなくその電子メールがニセモノであることが明らかになり、民主党の信頼が地に落ちたばかりか、世間の関心が疑惑の本筋から外れた偽メール事件の真相究明に向かってしまった。

私が当時深く失望したのは、熱心に野口さん変死問題を追及していたある有名ブログが、偽メール事件が起きると一転して矛先を民主党に変えてしまったことだ。偽メール事件自体は確かにスキャンダラスではあったのだが、当該ブログは、一時期はこれの追及記事しか書かないという偏った態度に豹変し、ライブドア事件の核心からどんどん離れていった。その後、このブログは急速に読者の支持を失っていった。

自民党は反転攻勢に出て、耐震偽装問題の追及もライブドア事件の追及もあいまいにしてしまった。毎日新聞も、ライブドア事件の構図を描くのを止めてしまった。何より、鳩山は「投資事業組合への自民党議員の関与」の発言自体を撤回せざるを得なくなった。大スキャンダルに見舞われるかと思われた安倍晋三は難を逃れ、以後一気に自民党総裁に登りつめることになった。

こんな理不尽な話があるか。私はずっとそう思ってきた。

しかし、先日のアパ耐震偽装発覚で再び流れを変えるチャンスが到来した。アパの元谷会長もまた、「安晋会」の副会長だ。
耐震偽装事件だけではなく、ライブドア事件やそこから派生した野口英昭さん変死事件に、新たな光が当てられることを強く望んでやまない。特に、これまでふがいなさをさらしてきたマスメディアの奮起を望む。


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ブログをやっていると、最新のネット情報ばかり追いかけるようになってしまいがちだ。誰が真っ先にその情報をつかんだか、などとくだらないことが話題になる。やれ、耐震偽装の情報は「きっこの日記」より「2ちゃんねる」の方が早かったのどうの、という類である。

私は、耐震偽装問題については、一昨年11月から「きっこの日記」と「2ちゃんねる」の両方を追いかけていたので知っているのだが、断片的な情報では確かに2ちゃんねるの方が早いことが多かった。しかし、「2ちゃんねる」に出てなくて「きっこの日記」にだけ出ている情報は確かにあったし、それに何より、点をつないで線にしようとしていたのは「きっこの日記」の方だった。両者には、質的な違いがあったのである。

そして、自らブログを始めてみると、時期的には古くなってしまった情報を発掘して新たな光を当てると、出来事を再検証することができることを思い知った。フローだけじゃなくてストックも重視しなければならない。それにそもそも私には一次情報を素早く入手できるルートなど持っていない。

それに気づいて、ある時期から、書籍の紹介や、ちょっと古い雑誌記事の見直しなどを行い、ブログで紹介するようにしてきた。情報の洪水に流されて本質を見失ってはいけないと思う今日この頃だ。

そして、世の中には絶対に忘れてはならないことがある。昨日の阪神大震災メモリアルデーもその一つだが、今日1月18日が、ライブドア事件に絡んで変死を遂げた野口英昭さんの一周忌に当たることも、絶対に思い出さなければならないことの一つだろう。改めて野口さんのご冥福をお祈りしたい。

立花隆さんは、「彼(野口英昭さん)が死んでしまったが故にこの事件の背後に横たわる巨大な闇の世界とのつながりを追求する手だてが永久に失われてしまった」と書いているが(「メディア ソシオ-ポリティクス 第72回 『堀江被告の保釈・幕引きで闇に消えたライブドア事件』より)、私はそうは思わない。野口さん怪死事件の真相究明への努力は、今も続けられていると思うし、何よりライブドア事件には新自由主義の暗部が潜んでいる。すなわち、市場原理で全てが決まるかのように装いながら、その実「勝ち組クラブ」ができていて、彼らだけがオイシイ思いができる裏のシステムがある。「投資事業組合」の実像が暴き始めようとされたまさにその時、民主党の永田と前原が「偽メール事件」という奇怪な事件を起こして、真相究明はウヤムヤになったが、永田も前原も、コイズミ一派以上に過激な新自由主義者であることを見逃してはならないだろう。

今、政権側と反政権側の対立軸は大きく二つあって、一つは政治思想的対立、すなわち安倍内閣が進めようとしている国家主義的(極右的)政策の是非で、もう一つは経済思想的対立、すなわちコイズミ以来の新自由主義路線の是非だ。

前者は、日本の軍国主義化を望む国民は少数だと思うが、憲法問題については、長年にわたる改憲勢力の努力が実を結んできていて、新聞の世論調査でも、改憲を是とする意見の方が非とする意見より多いという結果が出始めている。これを受けて、朝日新聞や毎日新聞には社論を転換しようという動きがあるのではないかと私は思っている。現に、朝日新聞の発行している論壇誌「論座」の編集長は、14日のテレビ朝日の「サンデープロジェクト」で、自らが改憲派であることを公言した。

こういう背景があるから、安倍政権は「改憲」の是非を参院選の争点にしようとしているのだ。もし、この土俵に反政権側が乗ったら、選挙は与党が勝つだろう。

その意味で、民主党が生活の問題を参院選の争点にしようとしているのは、正しい戦略だと私は思う。この間の「ホワイトカラー・エグゼンプション」も、政権は法案の成立を断念せざるを得なかった。つまり、新自由主義路線の是非を争点の中心に据えるなら、選挙で十分与党を敗北に追い込むことができると思うのだ。

とにかく、コイズミの呪縛を一刻も早く断ち切ることが、反政権側の喫緊の課題だと思う。「AbEnd」のブログの中からも、コイズミを持ち出して、「小泉の主張ははっきりしていてわかりやすかった。それに比べて安倍は...」などという論法で安倍を批判をする記事が現れたので、私は危機感を抱いた。新聞などでは、このような形での安倍批判はよく見かけるが、「AbEnd」を標榜するブロガーまでもがそんな路線に乗ってはダメだ。本末転倒とはこのことだろう。そう思った私は、昨年の12月26日、『コイズミへの回帰ではダメだ。コイズミも安倍晋三もともに否定しよう』というタイトルの記事を書いた。

コイズミの「カイカク」は幻想に過ぎず、その実体は国民を不幸にする政策だった。現在、格差社会問題で安倍晋三が叩かれているが、安倍は、国家主義的な政治思想には興味があっても、経済政策には何の興味も持っておらず、周囲に言いなりになっているだけの男だ。経済政策問題で真に批判されるべきなのはコイズミであり、竹中平蔵なのである。

「AbEnd」のキャンペーン名を命名するのに一役買った私が書くのもなんだが、今後は「AbEnd」もコイズミ批判に回帰しなければならないと思う。「ポスト安倍」が「コイズミ」だという説も根強くあるからだ。昨日のエントリではないが、安倍が「狗(イヌ)」ならコイズミは本当の猛獣だ(虎やライオンにたとえたら、たとえられた動物が気の毒なので、何にもたとえずにおく)。とにかく国民を不幸にするコイズミ?竹中の新自由主義路線。これは、何が何でも倒さなければならない。何度も書くが、保守の中にだって新自由主義路線に反対する人たちは大勢いるのである。

これを倒した時、新自由主義の暗部ともいえるライブドア事件にも新たな光が当てられ、野口英昭さん怪死事件の真相究明にも進展が生じることになるのではないか。私はそう予想している。


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死んだ男の残したものは ひとりの妻とひとりの子ども

昨日のブログは、ドミニク・ヴィスと石川セリの2種類のCDで、武満徹の「死んだ男の残したものは」を聴きながら書いた。

この歌に歌われる死んだ男、死んだ女、死んだ子供、死んだ兵士は、いうまでもなく戦争の犠牲者だが、おととい書いた、大事件に絡んで「自殺」した人たちは、政治犯罪・経済犯罪に伴って命を落としたといえるわけで、彼らも戦死者に匹敵するほど痛ましい犠牲者だと思う。

たとえ犯罪にある程度加担していたと仮定しても、彼らの死は他の誰かを守るためのものであり、それが自殺であろうと他の死因であろうと、本来死ななくてもよかった人間の死である。

だからなんともいえず痛ましいのだ。もし、自分が彼らの立場だったらと思うと、これほど恐ろしいことはないだろう。

野口英昭さんには、ひとりの妻とふたりの子供がいた。
2006.05.22 22:41 | 野口英昭怪死事件 | トラックバック(-) | コメント(-) | このエントリーを含むはてなブックマーク