きまぐれな日々

立ち上げたばかりの鍋党ブログ「Nabe Party ? 再分配を重視する市民の会」だが、発足から数日が経ち、アクセス数は日に100件ほどに減った。要するに現時点ではほとんどゼロに近い地点にいるというわけだ。

mixiに、コミュ「鍋党?再分配を重視する市民の会」を立ち上げた時から、ブログとホームページの作成はいずれ必ずやらなければならないと思っていたが、私としては鍋党のブログを当ブログや「kojitakenの日記」のような個人ブログの延長線上で運営するつもりは全くなく、会または会員からのお知らせを機動的に発信するほか、「鍋党」の主旨にご賛同いただける方(特に個人ブログをお持ちでない方。何もmixiコミュの会員には限らない)の意見を幅広く汲み上げ、自由に発信していく場にしたいと考えている。個人ブログの代替品とは全く位置づけていない。たとえば当ブログは、毎週月曜日(月曜日が休日の場合は火曜日)と金曜日の更新というルールを勝手に定めているが、鍋党ブログは縛りはなるべく少なく、発信が必要な時に発信するというスタイルをとりたい。

とはいえ、ブログには管理という厄介な問題があり、発足直後にメンバー間の意見対立が原因でブログの管理が混乱するという問題にさっそく行き当たったところである。鍋党ブログのあり方について、読者の皆さまのご意見ご要望があれば、当ブログにでも「鍋党ブログ」にでも、公開・非公開を問わずコメントいただければ幸いである。気軽にアクセスでき、みんながかかわることのできる、敷居の低いブログにしたいと考えている。

さて、「鍋党ブログ」にいただいたコメントだが、私が投稿したテストコメントを除く最初のコメントは、「みんなの党」支持者からのものだった。
http://nabeparty744.blog111.fc2.com/blog-entry-1.html#comment2

コメントは、下記のように書き出されている。

みんなの党は「給付つき税額控除(負の所得税)」など、再分配政策も打ち出しています。

それと、再分配や社会保障を重視することと、政府の大きさは関係ない気がしますが。効率的な税制をしくことで「小さな政府で大きな保障」も可能です。


コメントはこのあと、猪瀬直樹が書いた「小泉改革批判への大反論 セーフティネットを壊したのは守旧派だ」 というタイトルの噴飯ものの文章からの引用が続くが、それはともかくとして、みんなの党が再分配を全く考慮していないとは私も言わない。

私は、渡辺喜美というのはつまらない政治家だと考えているが、「みんなの党」のシンパには、前々回および前回のエントリでも名前を挙げた飯田泰之のような優秀な学者がいる。以前、当ブログが再分配に重きを置いていないとして飯田氏を批判したことがあり、それを飯田氏のブログにご注進に及んだ人間がいたが、飯田氏は、僕への批判としては納得できるものだ、と書いていた。財政政策による再分配も、金融政策もともに重視するが、現時点では後者により重きを置くのが飯田氏らの行き方だろうけれども、それは社会保障切り詰めなどの「サービスの小さな政府」を狙う人たちに利用されるだけに終わってしまうのではないかというのが、私が懸念していることである。

とはいえ、私は「なんとか信者」のような「善悪二元論」はとらないから、「みんなの党」支持者の意見であっても、取り入れるべきは取り入れるし、当ブログのコメント欄も、mixiコミュも、「みんなの党」支持者にも門戸は開放している。mixiコミュの方には、「みんなの党」どころか、河村たかし支持者の入会も受け入れたほどであり、現在までのところ入会を拒否した人は一人もいない。ただ、明らかなネット右翼や平沼赳夫・城内実の支持者ら、私が受け付けない人間からの入会申請があった場合は、この限りではない(笑)。

「みんなの党」支持者である、「朱の盤」さんからは、「ポジショントーク」の件に関して、下記のようなコメントをいただいている。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1146.html#comment11178

個人のブログに来といて「『ポジショントークです』と書いといてください」はないでしょ。
そりゃ個人の気持ち、『私心』からポジショントークしてますって。どこのブログも。
そうじゃないブログなんて、よっぽどの『国士』さま、政治家さまでない限り無いんじゃないですか。
(団体ブログ、あるいは差し出がましいながら、鍋党再配分ブログをやるとなると、その辺りの前置きはあった方が無難でしょうけれど)

それでも、古寺多見さんのところは広い視点から意見を提言、またコメント欄に意見を取り入れてると個人的には思いますけどね。よっぽどひどくない限り。
意見が合わないと辛口の洗礼はありますけどね(苦笑)

2011.01.16 23:48 朱の盤


このコメントにある通り、朱の盤さんとは当ブログのコメント欄でよく喧嘩もしたが、リアルでも活動をされている真面目な方である朱の盤さんに対して、私は大いに好感を持っている。

そういう人たちの支持を「みんなの党」が集めている現状は、いっこうに「サービスの大きな政府」の路線を示そうとしないばかりか、なりふり構わず与謝野馨を一本釣りして財政再建至上主義に走るなど、反動化しているようにしか見えない現民主党・菅政権に大きな責任がある。菅直人と小沢一郎の民主党両巨頭が、ともに同じ「小沢一郎問題」を政争の具にして延々と抗争を繰り広げている現状も最悪だ。私が現在、名前も見たくないと思っている政治家は3人いて、それは菅直人、小沢一郎と与謝野馨である。

彼らの名前が出てくる政治のニュースは、もう見たくも聞きたくもない。そう思っておられる方は大勢おられるのではないかと思う今日この頃である。
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参院選が終わって2週間が経過したが、頭を去らないのが「みんなの党」の躍進と共産党・社民党の不振である。特に、選挙前に一部知識人やマスメディアが「みんなの党」への雪崩現象を起こそうとしていたことが、非常に気になった。

ここでいう「一部知識人」として私が念頭に置いているのは飯田泰之であり、マスメディアとして念頭に置いているのは『週刊朝日』である。前者はロスジェネ世代に人気のある経済学者で、後者は小沢一郎シンパの間で最近評判が高い週刊誌だ。

ところが、これにとどまらず、「みんなの党」支持者は意外に広範な広がりを見せていた。たとえば、「小沢一郎よ、今こそ立ち上がれ!」と題したエントリを上げて、世の小沢信者を狂喜させた天木直人もその一人だ。天木は、前記小沢一郎にエールを送った2日前のエントリで、比例区も選挙区もともに「みんなの党」に投票したことを告白している(下記URL)。
http://www.amakiblog.com/archives/2010/07/14/

小沢信者たちは、天木直人が民主党に「弓を引いた」ことをよく頭に入れておく方が良いというのはともかく、菅直人首相の突然の消費税増税発言以来、急に「みんなの党」に吹いた追い風はここまで強烈だったのかと恐れ入った。

当ブログのほか、「みんなの党」を「コイズミ亜流の新自由主義政党」として批判していたブログにも、「参院選で『みんなの党』に投票した」というコメントが寄せられた。これほど「みんなの党」ブームに沸いた中で、よく「みんなの党」はあの程度の議席増で済んだと思えるほどだ。もちろん、「みんなの党」支持者からしたら、これだけしか議席が伸びなかったのかと失望したことだろう。そこは、地方の一人区でしぶとく勝った自民党や、負けたとはいえ都市部で粘った民主党といった大政党に及ばなかったところだ。

ネットで見られる「みんなの党」支持者の意見でもっとも多いのは、「公務員の給料が高すぎる、もっと下げろ」、あるいは「公務員の数をもっと削減せよ」というものだ。特に私の目を引いたのは、「税金を原資にしている公務員の給料が民間より高いのは怪しからん。もっと公務員の給与を減らせば税負担は軽くなる」というロジックで、これは当ブログのコメント欄における論争でも見られたが、ここばかりではなくあちこちで、それも前述のように、普段新自由主義に反対しているブログのコメント欄などで頻繁に見られた。

これは、勤労者の所得減少が深刻であることの反映であるとは思うが、その怒りが民間の企業には向かわずに公務員に向かうところが不思議なところだ(高級官僚には怒りが向かって当然だけれど)。同一労働価値同一賃金という、賃金制度の大前提も、正社員の給与削減や解雇しやすさを正当化するために用いられているのが実情で、24日未明に放送されたテレビ朝日の『朝まで生テレビ』でも、城繁幸らがそのような主張をしていた。これに対して河添誠が反論し、正社員の給与水準を下げるのではなく、最低賃金を上げるべきなのであり、少なくとも最低賃金は生活保護基準より高くなければならないと主張していた。

私には、河添誠の意見は至極もっともな正論のように思われたが、番組に出演していた、今やリフレ派の論客となった勝間和代は、不満そうな反応を示し、持論であるインフレターゲット論を開陳したのだった。

ブログ主がコミュニスト(共産主義者)だという『紙屋研究所』が、「はてな」に移転する前の旧サイト時代に公開した雨宮処凛・飯田泰之共著『脱貧困の経済学』の書評で、飯田泰之が「最低賃金の引き上げは雇用を失わせる」、「派遣規制を行うな」と主張していることを指摘している。勝間が河添の最低賃金引き上げ論に色よい反応を示さなかったことで、私は上記『紙屋研究所』による雨宮・飯田の共著の書評を思い出した。

当ブログが菅首相が打ち出した消費税増税政策を批判した時、リフレ政策に目を向けよとするコメントをいただいたが、私はリフレ派を信用する気にはなれずにいる。その代わりに私は、「法人税を減税してもらわないとやっていけない企業だとか、最低賃金1000円に耐えられない企業は市場から退出せよ」と主張するのである。法人税の減税は、利益の出ていない中小企業には何のメリットもないが(これで潤うのは利益を上げている大企業である)、最低賃金を引き上げると潰れる中小企業が出てくるだろう。しかし私は、それも止むなしと考える。ブログ主がコミュニストだという『紙屋研究所』は、最低賃金引き上げとともに、雇用喪失のリスクを何らかの形で公的にカバーせよと主張するが、それでも残るであろう最低賃金分を払えない企業にはつぶれてもらう他はないと突き放している。

リフレ派は最低賃金の引き上げだとか派遣労働の規制などを言い出さないので、劣悪な労働環境であっても、仕事がないよりはマシだと諦めている人々の支持を得やすいのかもしれない。私は、そんなに虫のいい話があるのかと懐疑的になってしまうのだけれど。

それに、リフレ派の主張はトリクルダウン論の変種のようにしか思えてならないのだが、リフレ派は、トリクルダウン論は単なる金儲け優遇政策であり、それに対してリフレは経済成長重視路線であって、似て非なるものだと主張する。確かに、飯田泰之は税制の累進性強化を主張しており、一度当ブログで朝日新聞に載った飯田泰之のインタビュー記事を批判した時、お前の飯田泰之批判はアンフェアだと批判を受けたことがある。しかし、飯田泰之が『週刊朝日』で「第三極」という表現を用いて、暗に参院選での投票先として誘導した「みんなの党」が、再分配に重きを置く主張をしているかは私には疑問で、リフレ論者でロスジェネ世代に人気のある論客たちの「みんなの党」への傾斜が、日本社会に良い結果をもたらすとは、私には思えない。もっとも、「みんなの党」は、派遣労働の規制には反対しているが、最低賃金については、「景気や中小企業の経営状況を見極めながら、最低賃金を経済成長により段階的にアップする」としている。

また、リフレ派は何も「みんなの党」の専売特許ではなく、自民党の中川秀直ら「上げ潮派」、民主党の金子洋一や松原仁らがいる。松原仁というと、すぎやまこういちが応援歌「JIN・ジン・じん・仁・松原仁」を作ったことから、政治思想的には城内実の仲間といえるが、経済思想的には違うようだ。城内実は、相互リンクを張っている植草一秀の教えをかつて受けたとの情報もあるが、政治思想的には右派に当たる『株式日記と経済展望』の2005年10月26日付エントリ「FRB議長 リフレ派のバーナンキ氏を指名」(5年前の古い記事である)によると、

 おそらく、この領域(テレビによく出演するエコノミスト=筆者註)で唯一リフレ派といえるのは、ほぼ森永卓郎氏だけであろう。若干微妙なのは、リチャード・クー、植草一秀といった、財政派の論者たちの位置付けである。彼らは確かに景気重視派ではあるが、同時に、金融政策の意義を完全に否定してはばからない反金融緩和派でもある。したがって、上に定義した意味でのリフレ派には入らない。

とのことである。植草は「みんなの党」に対しては当然ながら敵対的なスタンスをとっている。

前記『株式日記と経済展望』は、野口悠紀雄、榊原英資、木村剛、小林慶一郎、金子勝、斎藤精一郎、池尾和人各氏らを「反リフレ派あるいは構造改革派」と位置づけている。小泉・竹中に賛成だろうが反対だろうが一緒くただ。そして、同ブログは

景気対策としては減税を行いましたが主に高額所得者と法人の減税であり累進税をフラット化させて財政赤字を大きくしてしまっている。株式日記の表紙に載せているように財政赤字と景気回復を同時に行うためには、消費税の廃止と累進税率の強化が必要不可欠の政策であり、消費税の増税と所得税制のフラット化ではデフレがひどくなるだけだ。この結果失業者が増えて財政支出が増えて赤字はより大きくなるだろう。

と主張しているが、これは2005年の秋、「郵政総選挙」で小泉自民党が圧勝して間もない頃に書かれた記事である。当時は小泉構造改革全盛だったが、その綻びを繕いきれなくなったあと、社民主義的な行き方がとって代わると思いきや、リフレ派が台頭してきた。

参院選で「みんなの党」が躍進を遂げたこともあり、今後このような主張が大々的にアピールされると思われるが、私は大いに懐疑的である。日本国民は税金は大嫌いだから、「みんなの党」の主張が受け入れられて議席を伸ばしたのだろうし、最近は名古屋市長の河村たかしは、「官僚の一番好きな食べ物は、何ですか。税金にきまっとるがね。減税勢力出てきてちょう!」などと言って、ポピュリズムを煽っている。

しかし、私が示唆的だと思うのは、前記『紙屋研究所』が指摘している、当のリフレ派の飯田泰之の指摘である。以下引用する。

 国と地方をあわせた日本の税収は約85兆円です。それを日本の世帯数である500万で割ると170万円。税を170万円以上払っているのは、だいたい収入1000万円以上の世帯です。仮に所得を全部消費に使ったとしても、消費税と所得税込みで170万円払うのは収入1000万円以上なんです。
 なのに実際には、700?800万円どころか、年収600万円の人が「税金を払いすぎている金持ち」だと思って、小泉改革路線に賛同し、貧乏人を放置させようとしている。橋本内閣以降、そして小泉路線の想定した「税金を払いすぎている金持ち」は年収1000万円以上、それ以下は税金を納めない「貧乏人」なんです。

(雨宮処凛・飯田泰之 雨宮処凛・飯田泰之『脱貧困の経済学』 66頁、『紙屋研究所』より孫引き)


年収1000万円以下の世帯は、とられる税金より公的セクターのお世話になっている分の方が多い。だから飯田泰之もやみくもな減税など主張しないし、それどころか累進性の強化を主張している。河村たかしの叫ぶ「減税」を政治が推進すると、格差はますますひどくなる一方なのである。

だが、リフレ派の学者が投票を誘導した「みんなの党」に、税の累進性強化の思想などあるだろうか? 菅首相のブレーンの学者たちが、菅首相によって自説を消費税増税政策に換骨奪胎されたように、「みんなの党」への投票を誘導したリフレ派の論客たちも、渡辺喜美らの勢力拡張に利用されるだけではないだろうか? 「みんなの党」へ影響力がもっとも強いブレーンである高橋洋一は、小泉内閣で竹中平蔵の補佐官を務めた人物であり、「小泉政権下での規制緩和ですら、先進国では中くらいであった」と発言したことがある。高橋は、「霞が関の埋蔵金」を暴いた功績はともかく、財政政策を軽視する人間であり、再分配の思想など持っていない。「みんなの党」も同様の方向性を持っていることは、同党が徹底的な公務員叩きの主張をウリにしていることからも明らかだ。

私が朝日新聞に掲載された飯田泰之のインタビューを読んだ時、これは「地方切り捨て」につながる、典型的な都市部リベラルの発想だなと思って拒絶反応が起きたのだが、それでも再分配を重視する、つまり、税制政策にもそれなりの重きを置く点は、小泉構造改革路線とは一線を画するものかもしれない(もっとも朝日のインタビューで飯田は小泉構造改革に一定の評価を与えていたが)。しかし、飯田が投票を誘導した政治勢力は、再分配を重視などしておらず、やみくもな公務員叩きで人気を得るポピュリズム政党でしかない。


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