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きまぐれな日々

全国紙は、明らかに安倍内閣を支持している読売新聞や産経新聞に限らず、朝日や毎日にしても、安倍内閣に対してはまだまだ腰が引けた姿勢だ。

これに対し、地方紙はこのところ急激に安倍内閣批判の姿勢を強めている。地方紙の政治記事は、その多くが通信社の記事の配信であろうが、情報の取捨選択に社の姿勢が反映される。そして、多くの地方においては、全国紙よりも政権批判の姿勢が強いように思われる。

私の地元の新聞である「四国新聞」も、その例外ではない。この新聞は、昨年7月まで森田実氏のコラムを随時掲載していて、コイズミの「ネオリベ」経済政策に翼賛してきた全国紙とは明確に一線を画していた。その「四国新聞」2月9日付の紙面に、『政局最前線 首相の求心力低下加速 執行部からも不協和音』という記事が掲載されているので、その一部を紹介したい。

  公明党の松あきら女性局長が柳沢伯夫厚生労働相の辞任論を展開するなど、与党幹部から8日、安倍晋三首相の政権運営に公然と異を唱える発言が相次いだ。
  内閣支持率の続落に歯止めがかからない中で、与党執行部にさえ「首相の威令」が届かない求心力の低下ぶりが浮き彫りになった格好。塩崎恭久官房長官は「柳沢氏は信頼回復に努めている」と火消しに努めたが、政権のたがの緩みは覆い隠せない状況になってきた。

(中略)

  不協和音はこれだけにとどまらない。自民党の谷津義男選対総局長も同日のテレビ番組収録で、憲法改正を参院選の争点に掲げるとの首相方針に反して、「憲法改正は争点にはならない。政権公約(マニフェスト)は憲法改正ではなく、年金、教育、少子化など国民が身近に感じるものに焦点を当てたい」と強調した。

(中略)

  自民党の閣僚経験者は7日夜に「安倍首相は官房副長官時代に北朝鮮対応で活躍したから(党総裁選で)推したが、見込み違いだった。『倒閣』なんて、刺し違える覚悟のある議員が5人もいればできる」と強調。別のベテラン議員も8日、「もう閣僚と党執行部を全部取り替えるか、森内閣の時のように首相を替えるしかなくなってきた」と指摘するなど、不穏な発言も飛び交い始めているのが実情だ。
  自民党内では、内閣支持率の下落が民主党の支持率アップのつながっていないことを踏まえ「安倍内閣は、政権批判の受け皿になれない小沢一郎率いる民主党に支えられている」との自嘲気味な声も聞かれる。
  小泉純一郎前首相も7日夜、都内で自民党の中川秀直幹事長らと会食した際にこううそぶいた。
「小沢さんを大事にしたほうがいいな」

(「四国新聞」 2007年2月9日付紙面より)

この記事は、途中で引用を省略した部分に、共同通信実施の内閣支持率のデータが出てくるから、共同通信配信の記事と思われるが、朝日新聞その他の全国紙ではなかなか読めない生々しい記事で、もう安倍内閣が実質的に「死に体」であることは、この記事を読めばよく理解できるだろう。

それにしても、昨日の記事 『安倍政権はいつまで続くのか?』でも書いたことだが、安倍に対するマスコミの掌の返し方は、本当にあっけにとられるほどだ。いったい何が原因なのだろうか。

私は、国内・国外両方の理由によって、安倍がよって立つところの「日本版ネオコン」が、全く国民に受けないものに成り下がったことがその原因だろうと考えている。

すなわち、国内的には、コイズミ人気を支えていた、社会的には弱者にあたる若年層が、コイズミが推し進めたネオリベ政策の必然の帰結である「格差拡大」によって、支持層から離れていったことがあげられる。

また、国外に目を転じると、ブッシュ率いるアメリカのイラク侵略が誤りであったことが、ほかならぬ米国民の目にも明らかな状態になったにもかかわらず、安倍晋三はそのアメリカ、というより落ち目のブッシュに平身低頭するしか能がない。ご主人様の言うことには決して逆らわず、「うい奴」と可愛がってもらおうとしかしないやつなのである。そんなやつが国民の支持を失うのは当然のことだ。

アメリカの次期大統領が「初の女性大統領、ヒラリー・クリントンか、初の黒人大統領、バラク・オバマか」などと言われている時に、絞首刑になってもおかしくなかったA級戦犯でありながら、アメリカのお情けというより謀略によって命を助けられた上、首相にまでしてもらった岸信介の孫が首相をやっているなんて、なんてダサイことか。そんな感覚を持つ人が増えたということではないかと思う。

もうちょっと意地の悪い見方をすると、このまま安倍内閣の「日本版ネオコン」政策が進められると、ネオコン離れをしようとしているアメリカとの関係が悪化する恐れがあると思うが、これを主に経済界が懸念している影響が現れたのではないか、とも考えられる。

いずれにしても、安倍内閣の崩壊は、もう時間の問題だろう。安倍の時代錯誤的な極右路線は、もはや完全にトレンドから外れたといえる。


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注目の愛知県知事選と北九州市長選は、北九州では野党が快勝したが、愛知では自公が推薦する現職が辛うじて勝利を収めた。

もちろん、このような結果になった原因は、柳沢厚労相の女性差別発言にある。今回の選挙が与党の2勝なら与党は開き直ることができたし、野党の2勝なら政権は柳沢を切るしかなかっただろう。
今回、1勝1敗に終わったことで、安倍は柳沢を切ろうにも切れず、与党にとっては2敗よりさらに厄介な結果となったという見方に、私は賛成する。

なお、安倍が柳沢をかばった理由というかメカニズムを、弊ブログにトラックバックいただいた景野禎夫さんのブログ「斜47°」の記事『産む機械発言は失言か?』が軽妙にカリカチュアライズしていて、とても秀逸だと思う。当ブログの当記事をお読みの読者の方には、是非リンク先の「斜47°」の記事をお読みいただくことをおすすめする。

しかし、そんな安倍を追い詰めながら愛知県知事選で勝てなかった民主党も、ふがいないの一語に尽きる。絶対勝てるはずもない選挙に候補者を擁立して惨敗し、供託金を没収された共産党ともども、恥をさらしたというべきだろう。今回、民主党は共産党の選挙協力を拒否したというのだが、お互いメンツにこだわって恥をかいた形だ。小異を捨てて大同につく形で、国民投票法案に反対する形で歩調を揃えた社民党や国民新党と比較すると、民主党と共産党の醜態は、野党第一党と第二党の座にあぐらをかいていると非難されても仕方ないだろう。この緊張感に欠ける両党は、どんなに非難しても非難のしすぎにはならないだろうと私は思う。コイズミやアベシンゾーの圧政に苦しむ多くの国民は、極楽トンボとしかいいようのない民主・共産両党には頭にきているだろうし、私もその一人だ。

もっとも、さらに深刻なのが自民・公明の与党であることはいまさらいうまでもない。

朝日新聞に愛知県知事選での年代別投票先のデータが掲載されていたが、これを見ると、若い世代ほど神田氏への投票が少なかった。20?30代がこぞって自民党支持に流れた一昨年の「郵政総選挙」の傾向は、もはや完全に過去のものになったといえる。

創価学会の支援を得ていながら、共産党候補に票を食われた3野党推薦の候補に肉迫された自民党の足腰の弱り方は、半端ではないというのが私の分析だ。

今回の選挙では、民主・共産・自民・公明の4党はすべて敗北したと私は考えているが、その中でももっとも負けっぷりが悪かったのは、やはり自民党だろう。このまま安倍晋三を首班とする内閣が続けさせるのは、自民党にとっては「座して死を待つ」に等しい状況だと思う。

こんな状態になってもなお、自民党内から反安倍の気運が盛り上がらないとしたら、自民党は死んだも同然だと思うのだが、この党には復元力はまだあるのだろうか。

今後の動きを注視したい。


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柳沢伯夫厚生労働大臣の「女性は産む機械」発言が波紋を呼び、世論調査では柳沢の辞任を求める声が圧倒的多数だ。

柳沢の首を切ることさえできない安倍晋三首相の任命責任は、むろん厳しく問われるべきだが、今回は、柳沢発言を生み出した背景を考えてみたい。

安倍内閣閣僚の「不規則発言」は、何も柳沢厚労相だけには限らない。久間章生防衛相が、アメリカの対イラク戦争開戦について、「ブッシュ大統領の判断が誤っていた」と批判した。これ自体は、正当な批判だと思うが、これまでタカ派色を露骨に示してきた安倍内閣の閣僚からこのような発言が出るとは驚きで、政府・与党内では問題視されているようだ。

安倍内閣が発足したばかりの昨年には、久間発言とは逆向きのベクトルを持つ「核兵器保有の議論はあってもよい」とする中川昭一政調会長や麻生太郎外相の発言が話題になったこともあった。この時、安倍首相は曖昧な態度に終止した。何度も指摘するように、安倍はかつて官房副長官時代の2002年に「戦術核の使用も違憲ではないと、かつて岸信介元首相が言っている」と講演会で述べたことがある。実は岸が「違憲でない」としたのは戦術核の「保有」までであり、安倍は、岸でさえ言わなかった超絶極右発言をしたのであって、これこそが安倍の本音にほかならないのだが、首相就任後は一転して「非核三原則を守る」と言っている。

この発言が話題になった頃、朝日新聞の星浩編集委員が「政態拝見」という同紙のコラムで、『核論議を考える 哲学なき問題提起の空虚さ』(2006年11月14日付)という記事を書いている。これに興味深い指摘があるので、紹介したい。

  核論議について考えたい。
  北朝鮮の核実験を受けて自民党の中川昭一政調会長が「核兵器保有の議論はあってよい」と火をつけ、麻生太郎外相も「議論は必要」と追随した。
  与野党から批判が相次いで、中川氏が「しばらくは様子見」と発言を控えたため、事態は沈静化しているが、この問題に決着がついたわけではない。この間に聞いた3人の話を中心に論じてみよう。
  まず、高村正彦元外相。自民党内きっての外交通だけあって論理は明解だ。
  「私の知る限り、自民党内で外交や安全保障に影響力のある人の中に核武装論者は1人もいない。ほかの党にも見当たらない。『核武装の是非について議論しよう』といっても、賛成論者がいないので論争にはならない。だから、核論議容認論は意味がない」
  日本の核武装を最も警戒しているのが中国だ。これはいけないと思った中国は、核開発を断念するよう北朝鮮を懸命に説得するはずだ。中川氏らの発言には中国を牽制する狙いが込められている??といった解説が自民党内で聞かれる。これにも、高村氏は冷静に反論する。
  「中国を含めて海外では、日本の核武装に対する警戒心は以前から強く、日本国内とは比べものにならない。いま核武装論をちらつかせたからといって、中国があわてるわけではない。むしろ、核廃絶を求めてきた日本が核武装の可能性に言及することで、国際社会の信用を失うマイナスの方が大きい」
(「朝日新聞」 2006年11月14日付 「政態拝見 『核論議を考える 哲学なき問題提起の空虚さ』」=星浩編集委員執筆=より)

この高村氏の発言に従えば、建前はともかく本音では核武装論者である安倍晋三は、「自民党内で外交や安全保障に影響力のある人」ではないということになるのだが(笑)、まあそれはおいといて、自民党内でも閣外ではまともな発言が聞かれることは救いだろう。

しかし、このコラムを読み返して本当に面白いと思ったのは、上記に続く部分だ。引き続き引用する。

  次に、ある官房長官経験者の見方である。
  「核問題についての安倍首相の考え方は、幅広いというか、曖昧だ。かつては、核保有も憲法上は許されるという発言もした。だから、閣僚や自民党幹部は『このぐらい発言しても構わないだろう』と見透かしているフシがある。安倍氏や塩崎恭久官房長官がきちんと仕切らないと、問題発言は続くだろう」
  確かに、小泉前首相に比べると、安倍氏の政策の立場は、核問題に限らず幅広い。小泉政権下で郵政民営化法案に反対して離党を強いられた無所属議員たちも、安倍政権になって復党が許されようとしている。首相の動向に敏感な与党議員が、首相の「許容範囲」を見計らって発言しても不思議はない。
  だが、首相や側近が閣僚や党幹部の「好き勝手な発言」を放置しておくと政権の基本姿勢が不明確になって求心力を失う。中川氏らの発言を軽視していると、いずれは安倍政権の土台を揺るがすというのだ。
(前掲コラムより)

このコラムで元官房長官氏が予言した通り、安倍内閣の閣僚は「不規則発言」を続出させ、政権は急速に求心力を失ってきて、それらは政権の土台を揺るがすようになった。

この元官房長官氏の慧眼には敬服するが、発言の主はいったい誰なのだろう。私には、福田康夫氏であるように思えてならない。

ところで、安倍が柳沢の首を切れないのは、総裁選で柳沢にお世話になった恩義からだ、などといろいろな説明がされているが、本当のところは安倍が柳沢の発言に同感だから、発言の重大さを理解できなかったせいだろうと私は思っている。

なぜなら、下記「成城トランスカレッジ! ?人文系NEWS & COLUMN?」の記事が示すように、安倍は熱烈にジェンダー平等論を敵視する政治家だからだ。

「成城トランスカレッジ!」より
『特濃ソース。 自民党とつくる会のジェンダーフリーバッシングに関するソース』 (2005年11月1日)

本当は、こういう話題は、盟友のたんぽぽさんがとても詳しいのだが、たんぽぽさんは、貴重な情報を目立たないところに置かれる傾向があるので(笑)、知識の浅い私が紹介することにする。この記事も、以前たんぽぽさんに教えてもらったものだ(読者の方は、是非リンク先をご参照ください)。

「成城トランスカレッジ!」の記事にも書かれているように、官房長官は本来は男女共同参画を担当するのだが、過去に安倍が官房副長官を務めていた第2次森改造内閣、第1次小泉内閣の頃から、男女共同参画特命大臣が置かれていて(この頃は福田康夫氏が担当大臣)、安倍は大キライな男女共同参画の仕事を免除されてきた。そして、「郵政総選挙」での自民党大勝を受けて安倍が官房長官になると、男女共同参画は猪口邦子氏が担当大臣になったのである。

安倍は男系天皇に熱心にこだわっており、この点で女系天皇容認論者だったコイズミとは鋭い対照をなすことはよく知られている。その安倍が、なぜ父方の祖父にして、大政翼賛会の非推薦で当選した平和主義者・安倍寛を完全にないがしろにして、母方の祖父であるA級戦犯・岸信介を崇拝しているのか、私には全く理解できないのだが、それはともかく、柳沢の発言は、すなわち安倍の本音でもあると、私は理解している次第だ。

だから、話を柳沢の辞任くらいで終わらせてはならないだろう。野党には、これを機に一気に安倍内閣を倒すくらいの気迫が欲しいと思う。


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