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きまぐれな日々

三が日最後の昨夜、当ブログのアクセス数が突如はね上がった。新規のエントリも公開しなかった休日で、1時間あたり100件前後のアクセス数で推移していたのが、21時台に215件、22時台には480件、23時台になっても409件を記録したのだ。何事かが起きたなと思ったら、民主党の元衆議院議員・永田寿康が自殺していた。「偽メール事件」から3年弱。鬱状態になり、昨年秋にも手首を切って自殺を図って未遂に終わったが、今度は飛び降り自殺だった。汚名返上はかなわなかった。

新自由主義者だった。東京大学工学部物理工学科を卒業したが、大蔵省を経て政界に身を転じ、若くして国会議員になった。学生時代から野心家だったに違いない。永田は衆議院議員時代、「東大生へのメッセージ」でその思想信条を述べている。以下にその一部を引用する。

◆ 失敗した人が責任をとるということが当たり前の国にしたい

────日本はどうなったらいいですとか、日本をこういう風にしたいといったお考えがあると思いますが、それはどのようなことでしょうか

 失敗した人は責任をとるような「当たり前」の国にしたいですね。「当たり前」って言葉を軽々しく使うべきではないけれども、今の日本というのは、責任をとらないような国になってしまったんですよね。

(中略)

 僕とか民主党が目指してる社会ってのは、失敗した人が責任を取るっていう社会なんですよ。まあ、失敗した人が責任を取った結果、その責任をとった人が路頭に迷ってホントに生活できないようにもなってしまってはかわいそうだから、もしそうなったら社会みんなで暖かい手を差し伸べて、助けてあげると。生活ができるようにはしてあげると。だけども、その後に今度は、その後に、失敗の教訓を社会に生かしてもらうように、再チャレンジの機会を与えるのも、これもまた、社会の責任だと思うんですよ。失敗した人が責任をとらないって言う社会と、失敗した人が、一回責任をとるんだけれども、再チャレンジできる社会ってのは、これは、本質的に異なる。似て非なるものだね。だから、やっぱり、僕は、いったん責任をとると、成功したら、成功した人なりに、経済的社会的、ありとあらゆる面で一つの報いを得ると。

(中略)

 他人の成功をうらやんだりひがんだりしない。で、その、他人の失敗を許すようなこともしない。そういう社会にしたいですね。


永田は自らの言葉通り、「偽メール事件」の責任を取って議員辞職した。だが、あの事件で永田は、本当は議員辞職では償い切れないくらいの大罪を犯したと私は考えている。「郵政総選挙」で自民党が圧勝した直後だというのに、耐震偽装事件、ライブドア事件、米国産牛肉輸入問題、防衛施設庁の官製談合事件の「4点セット」によって自民党は国会論戦で守勢に立たされていた。特にライブドア事件では、エイチエス証券副社長の野口英昭氏が沖縄で謎の死を遂げたことによって真相究明が困難になっていたとはいえ、東京地検は政治家の立件も視野に入れて取調べを行っていたし、マスコミや野党も政府を厳しく追及していた。ライブドアのダミーの投資事業組合には政治家が関与していたと言われ、NHKの『日曜討論』(2006年2月12日放送)で、民主党の鳩山由紀夫幹事長は、「安倍(晋三)官房長官」(当時)の実名を挙げた。そんな事件追及の機運が頂点に達した頃に永田が起こしたのが、「偽メール事件」だったのである。

永田は、偽メールをもとに自民党幹事長(当時)の武部勤を追及した。武部はおそらく「クロ」だったが、肝心の追及に用いたメールがニセモノだった。電子メールをプリントアウトしたもののコピーと称するものを証拠として挙げたのだが、そんなものはワープロソフトなどでいくらでも偽造できる。国会の答弁で、当時の首相・コイズミは直ちに「ガセ」だと喝破したのだが、あるいは自民党が永田をはめた罠だったのかもしれない。いずれにせよ、この一件で国会におけるライブドア事件の追及は急に下火になってしまった。投資事業組合の疑惑ばかりか、「自殺」したとされる野口英昭氏や耐震偽装事件のヒューザー・小嶋進が「安晋会」の会員であったことが報じられて苦境に追い込まれていた安倍晋三は、危機を脱して、以後自民党総裁レースを独走した。そればかりではない。新自由主義のひずみを追及する機運自体が弱まってしまった。

永田の罪はあまりにも重かった。永田の議員辞職や民主党の前原誠司代表の辞任は当然だった。だが、命をもって償う必要まではなかった。昨年11月に永田が自殺未遂をした時、民主党候補として衆院選に立候補して再起を図りたい希望があったが、党に受け入れられなかったという話を聞いた。かつての民主党は、永田のような新自由主義者が幅を利かせていたが、新自由主義批判がトレンドとなった今、かつて失敗を犯した永田に再び国会議員への道などあろうはずもない。「再チャレンジ」には長い道のりが必要だったと思うが、「偽メール事件」以前には挫折を知らなかったかもしれない永田にとってはとても耐えられなかったのだろう。

かくして、新自由主義者は自ら死を選んだ。「自己責任論」に自らとらわれ過ぎたのだろうか。自殺に同情はしないが、哀しい死だったとは思う。


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今日で7月は終わりだが、今月当ブログへの来訪者で比較的目立ったのは、検索語「永田寿康」によるアクセスだった。「永田寿康 現在」や「永田寿康 その後」という複合語による検索が多かった。また、日付では7月18日に集中しており、この日だけで、「永田寿康 現在」で71件、「永田寿康」で48件、「永田寿康 その後」で34件、その他3件を合わせて、「永田寿康」を含む検索語で計156件のアクセスがあった。

永田元議員の「偽メール事件」当時はまだブログを開設していなかったが、昨年7月14日、永田について触れた記事「東大卒官僚あがり政治家の目を覆う劣化ぶり」を公開した。この記事に「永田寿康」というタグをつけたが、同じタグをつけた他の2つのエントリと一緒にネット検索で引っかかるようだ。
http://caprice.blog63.fc2.com/?tag=%b1%ca%c5%c4%bc%f7%b9%af

なぜ今月、それも特に7月18日に検索語「永田寿康」経由のアクセスが急増したかというと、この日、永田元議員が「国政報告会で創価学会の名誉を傷つけた」として千葉区検に略式起訴されたからだ。

以下、これを報じる毎日新聞記事より。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080719ddm041040167000c.html

名誉棄損:永田元衆院議員を略式起訴??千葉区検

 千葉区検は18日、民主党の永田寿康元衆院議員(38)が議員在職中の05年8月に開いた国政報告会で「創価学会が不正な選挙活動をした」などと虚偽の発言をしたとして名誉棄損罪で略式起訴し、罰金30万円を請求した。

 起訴状によると、永田元議員は05年8月28日、千葉県習志野市で開かれた自身の選挙区である党県第2区総支部の国政報告会で「過去3回の東京都議選で創価学会は都外の学会員の住民票を都内に不正に移し、公明党候補を当選させ、都から宗教団体の認可をもらおうとした」などと発言し、同学会の名誉を傷つけた。千葉県警が任意で事情聴取し、6月4日に書類送検していた。【寺田剛】

毎日新聞 2008年7月19日 東京朝刊


この起訴について、JanJanのさとうしゅういち記者は、

 誰であれ、どの団体であれ、公に政治活動をすればそのことに対して批判なり論評を、他勢力や有権者から受けるのは当然のことです。その程度の覚悟もなくて政治をやるなと申し上げたい。この程度のことで、永田さんが起訴されるような状況が、さらにエスカレートすれば、うかうか政治活動ができないではないですか?今度は政策論争すら難しくなりかねません。

と批判している(下記URL参照)。
http://www.news.janjan.jp/government/0807/0807192392/1.php

私は、これなど創価学会と公明党の強権的体質がむき出しになった象徴的な一件で、今後の新政権の枠組には断じて公明党を入れるべきではないと考える。以前にも書いたが、公明党と組むと必ず組織が腐る。社公合意(1980年)の社会党しかり、新進党しかり、そして現在の自民党しかり。

『サンデー毎日』(8月10日号)が、「公明党は総選挙で与党が敗北したら連立を解消して、民主党と組む」として自民党を脅していると報じている。消費税増税派の与謝野馨が急に消費税増税に不熱心になったのはそのせいだろうと同誌は読んでいる。

一方で、自公では過半数を取れるか怪しく、仮に過半数を確保できても参院の少数与党が続くことに頭を痛める自民党の中には、相変わらず民主党との大連立を模索する動きがあると読む人もいる。

これらはいずれもありうる話だ。公明党も自民党も、なんとしてでも権力にしがみつきたい。両者とも民主党に接近しようとするのは当然の成り行きだろう。

しかし、自民党と公明党には、コイズミ、安倍、福田と7年半も続いて、日本の社会をぶっ壊した新自由主義政治の責任をとってもらわなければならない。戦犯を政権に残して、日本の再建などできるはずがない。民主党は現与党の一部と組もうなどとせず、社民党や国民新党との連立の構想をあくまで守ってほしい。場合によっては、「民共合作」もありだろう。現在、格差や貧困の問題にもっとも熱心に取り組んでいるのは共産党であり、それと比較すると社民党は硬直した「9条命」の旧来左翼が多く、支持率急増がいわれる共産党と比較して党勢が伸び悩んでいる。

一番いけないのは、民主党が極右と組むことである。ここでは、当ブログがしつこくしつこく書く、平沼赳夫一派を念頭においている。

今後、アメリカは間違いなく極東から手を引く。極東に力を割く余裕はアメリカにはもはやないからだ。同じ「従米」といってもコイズミと安倍晋三には大きな違いがあって、コイズミはアメリカの望む「グローバリズム」を日本に導入しようとしたが、安倍はアメリカに寄生して日本を軍事大国にしたがった。アメリカにとってはコイズミは望ましかったが、安倍は疎ましかったのだ。だから安倍は、従軍慰安婦問題でアメリカに揚げ足をとられ、ブッシュに謝罪させられる羽目に陥ったあげく、参院選前に松岡元農水相の自殺と「消えた年金」問題のダブルパンチを食らって選挙に惨敗し、政権の座を追われた。

コイズミによって自民党をたたき出された平沼一派は、だから自民党を離れたあとは急速に反米色を強めている。そして、今後安倍晋三が政界の表舞台に復帰することがあるとしたら、安倍は「反米右翼」政治家に変貌しているのではないかと当ブログは予想している。

新自由主義への批判が、反米の風潮につながるのは当然ではある。中曽根康弘以来の新自由主義政策は、イギリスやアメリカのやりかたに倣ったものだったし、90年代以降、アメリカが日本にグローバリズムを押しつけ、経済戦争で優位に立ったことは確かだと私も思う。

しかし一面、コイズミを熱狂的に支持したのはほかならぬ日本人自身なのだ。日本人は、水から、いや自らの手で郵政選挙でコイズミ自民党を選び取り、自国をぶっ壊したのだ。アメリカ憎しに走るより、まず自らを省みなければならない。

「反米右翼」のもっとも危険な点は、彼らが同時に「反中」「反韓」「反北朝鮮」も唱えていることだ。「反米」とか「反中」などというより、「排外主義」なのだ。排外主義では国際政治でつま弾きにされるだけだ。それこそ、「いつか来た道」ではないか。

もう一つ、どういうわけか「反米右翼」は陰謀論や疑似科学との親和性がやたらと高い。極右ブログの中には、独立党やリチャード・コシミズのブログにリンクを張っているところもある。そして、これは別のブログだが、「右も左もない、オレは下や」と言いながら、平沼赳夫の一の子分である城内実を応援している。私の目には、これは欺瞞そのものの態度に映る。

とにかく、当ブログは新自由主義に反対でさえあればどんな勢力もウェルカム、という態度はとらず、「排外主義」勢力に対しては断固として批判的なスタンスをとることを宣言しておく。以前から当ブログ管理人を苛立たせていた「ねこ」なる人物のコメントも、一昨日のエントリにいただいたものから承認しないことにした。当ブログ管理人の権限によって、排外主義的な主張に対する言論弾圧を実施する次第なので、今後「ねこ」氏には当ブログにコメントをされないようお願いする。この警告にもかかわらずコメントした場合、アクセス制限をかけるのでご承知おき願いたい。

「反貧困」と「平和外交」の二本柱で一致した勢力によって次期政権が形成されるべきだと当ブログは考える。宗教政党や「排外主義」勢力は、次期政権から締め出されなければならない。


#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 および 「トラックバックピープル・安倍晋三」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党および安倍晋三関係の記事も、どうかご覧下さい。

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いうまでもなく、私は安倍晋三が大嫌いだ。

しかし、世に流布している安倍晋三批判で、ひとつだけ納得できないものがある。それは、安倍晋三が成蹊大卒であることをもって安倍を揶揄することだ。

いうまでもなく、安倍晋三の頭は悪い。だが、出身大学どうこうの議論は、世に根強い東大信仰のあらわれでしかないと思う。

このところ私が呆れているのは、東大を出て官僚を経て政治家になった人たちの知性の劣化ぶりなのである。

昨年、「偽メール事件」を起こした永田寿康は、東大工学部を出て大蔵省に入省した経歴を持つ、民主党のネオコン議員だった(昨年議員辞職)。

その永田の10年先輩にあたるのが片山さつきだ。片山は、東大法学部卒で大蔵省に入省。一昨年、「コイズミチルドレン」として初当選し、政界入りしていきなり民主党の前原代表(当時)を「コイツ」呼ばわりしたのはあまりにも有名だが、この片山が作らせた、年金問題の責任を菅直人・民主党代表代行に押し付けるビラは世論の強い反発を浴び、あげくの果てに片山はテレビでの討論で長妻昭議員(民主)に一方的に論破された。

当ブログのアクセス数アップに大いに貢献してくれた大村秀章(笑)も、東大法学部卒で農林水産省に入省したのち政界入りした男だ。「安倍総理から年金問題の説明役をジキジキに命じられた」「この人がだめなら自民党はだめ」という触れ込みで「サンデープロジェクト」に登場したこの男は、前述の片山さつきよりさらにこっぴどく長妻昭にやり込められたが、その2日前にも、テレビで「選挙が国会議員の仕事だ」と主張し、「選挙に通った後からの方が国会議員の仕事じゃないの?」と切り返されて笑いものになっていたそうだ。これが東大卒官僚あがりの政治家の知性なのである。

余談になるが、片山さつきと大村秀章を難なく連破した長妻昭は、7月4日、衆院第一委員室で安倍晋三首相が答弁する決算行政監視委員会で質問に立つ予定だったが、長妻が質問に立つことを知った自民党議員は、会場に姿を現さず、委員会は流会になってしまった。要は、安倍は長妻に一方的にやり込められるのを恐れて敵前逃亡したのである。こんな情けない総理大臣がいまだかつて存在しただろうか。

ま、いまや誰もがアホだと知っている安倍のことはともかく、東大卒官僚あがりの政治家の話に戻ると、事務所費問題で時の人になった赤城徳彦も、東大法学部卒、農林水産省入省の官僚あがりだが、岸信介のデモ鎮圧のための自衛隊出動要請を蹴って、岸内閣を崩壊へと導いた祖父の面影は全くない。

世代からいうと、最初にあげた永田は1969年生まれだが、片山さつき、大村秀章、赤城徳彦の3人は同世代で、片山と赤城が1959年生まれ、大村は1960年生まれで、共通一次試験導入前後の世代に当たる。

別にこの世代に問題があるといっているわけではなく、片山と大村を攻め落とした長妻昭や、耐震偽装問題で名をあげた馬淵澄夫(民主)、鋭い国会質問で知られる辻元清美(社民)の3人は、いずれも1960年生まれであるが、彼らは東大卒ではないし、ましてや官僚あがりではない。つまり、世代全部がだめなわけではなくて、東大卒で官僚上がりの政治家にだめな人たちが目立つのである。

もちろん、彼らが全くの無能であるとは思わない。だが、彼らが政治家という職業を軽く見ているとは言えるのではないだろうか。片山さつきが前原誠司を「コイツ」呼ばわりしたのは、官僚時代からの習性であっただろうことはほぼ間違いなかろうし、大村秀章の「選挙が国会議員の仕事だ」という発言には、当選さえしてしまえばあとはやりたい放題だ、という元官僚の本音が露呈しているのではないか。

「この程度の国民には、この程度の政治家」とは、竹下登の言葉だっただろうか。その究極が安倍晋三だと私は思うが、日本の政治家の信用が地に堕ちた今こそ、国民の力で政治を立て直し、この国を立て直していかなければならない。

国政選挙はテレビタレントの人気投票ではない。候補者の政策をよく吟味するとともに、どういう投票行動をすればこの国を少しはましにすることができるかをよく考えて、一票を投じたいものだ。


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一昨日(2月14日)の衆議院予算委員会で、自民党の小野次郎氏が質問に立ち、「支持率に一喜一憂せずにというのは、上がったり下がったりする場合の言葉です」と、安倍晋三首相を痛烈に皮肉った。

『小泉チルドレン、安倍首相に辛口のエール』 (asahi.com 2007年2月14日 11時07分=下記URLをクリックするとリンク先に飛びます)
http://www.asahi.com/politics/update/0214/006.html

※リンクが切れている場合、「kojitakenの日記」をご参照下さい

確かに、安倍内閣の支持率は、発足直後に60%台?70%台の高い数字を記録したあと、単調減少を続けているから、「一喜」する局面はなく、「一憂」ばかりのはずだ。最初の高支持率にしても、安倍や電通はもっと高い数字を狙っていたはずで、彼らにとっては期待外れだったという指摘が当時あった。つまり、安倍は内閣支持率に「一憂」する局面しかなかったはずなのだ。

この質疑については、翌15日朝のテレビ朝日「やじうまプラス」で取り上げられ、スタジオのアナウンサーも、コメンテーターの伊藤洋一、江川紹子、三田園訓の三氏も揃って大ウケしていた。出演者は皆、安倍晋三をバカにしきっており、もはやこれがマスメディアのトレンドになりつつある。

またまた mewさんのブログ「日本がアブナイ!」の記事『支持率に一憂X2の安倍内閣。閣僚、スタッフは尊敬どころか足を引っ張リ、森氏もイライラ!』に教えてもらったのだが、この痛烈な質問をした小野次郎氏は、コイズミの秘書官を務めていた人物とのことだ。

確かに、「Wikipedia」で調べると、小野氏は安倍より1歳年上、東大卒、まともな留学をして法学修士の学位を持ち、おまけに世襲議員でもない。

『小野次郎 - Wikipedia』(下記URLをクリックするとリンク先に飛びます)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E9%87%8E%E6%AC%A1%E9%83%8E

つまり、ありとあらゆる点で安倍晋三とは対照的な人物であり、当然、内心では小野氏は安倍をバカにしきっているであろうことは、想像に難くない。

国会外でも、安倍に強烈な逆風が吹いている。

「週刊ポスト」2月23日号と「週刊朝日」2月23日号は、ともに宗教団体「慧光(えこう)塾」とつながりのある環境リサイクル会社「ESI」に東京地検特捜部のメスが入った(ESIの社長を逮捕した)ことを報じ、捜査が安倍の周辺にまで及ぶのではないかと推測している。

特に「週刊ポスト」は、アパ、ヒューザー、ライブドアも含んだ安倍スキャンダルの相関図まで掲載しており、これは昨年3月に急逝されたおーるさんが、最晩年に作成された「安晋会」を中心としたライブドア事件の相関図を思い出させるものだ。「週刊ポスト」の相関図には、エイチ・エス証券の野口英昭副社長は「惨殺」されたと表記されている。

また、「サンデー毎日」2月25日号は、『4月政権「投げ出し」説も 裸の王様安倍晋三はあの竹下サンと同じ運命』と題した観測記事を掲載しているが、笑えるのが、安倍内閣が人気浮揚のために、内閣を改造して有名人を閣僚に据えようとしているという指摘で、その候補にあがっているうちの一人が、ナナナナナント!あの田原総一朗なのだ!!

これには腹を抱えて笑ってしまった。こりゃわかりやすくていい。田原が安倍内閣に入ったら、視聴者は最初から田原が安倍側の人間であることを認識するだろうから、これ以上田原に騙されることもあるまい。そもそも、政府側の人間が報道番組の司会をすることは、報道の中立の原則を損ねるから、田原は「朝生」や「サンプロ」の司会から降りざるを得ないだろう。

だから、私は田原の安倍内閣入りは大歓迎である。田原には是非安倍内閣のスポークスマンとして熱弁をふるってほしい。誰もマトモに取り合ってはくれないだろうから(笑)。

まあ冗談はともかく、政府が野党から猛攻を受け、与党内からも反政府の言動が出始めている今の状況は、ちょっと1年前の今頃を思い出させるものがある。

当時のコイズミ内閣は、耐震偽装問題、ライブドア事件、米国産牛肉問題、防衛施設庁の官製談合の「四点セット」について、前原誠司率いる民主党など野党から国会で猛攻を受け、武部勤幹事長(当時)など落城寸前だったし、当時官房長官だった安倍晋三も、昨年2月12日に放送されたNHKテレビ「日曜討論」で、ライブドアの投資事業組合にかかわった自民党議員として、民主党の鳩山幹事長からその実名を挙げられるなど、とてもすんなり「ポストコイズミ」の自民党総裁候補におさまるとは思えないほどの状態にあった。

しかし、野党の一方的な攻勢、自民党の守勢を一変させてしまったのが、当時の民主党議員・永田寿康が引き起こした「偽メール事件」だった。昨年2月16日、当時のライブドア社長・堀江貴文からのメールの写しだというコピーを証拠物件として質問に立ち、武部幹事長を糾弾した永田だったが、ガセネタであることがすぐに暴かれた。

本当なら、これがガセネタであることがわかった時点で、素早く永田と前原代表が責任をとり、民主党は新体制で「四点セット」の追及を継続すべきであった。しかし、永田と前原が虚勢を張って無駄な抵抗をしたばかりに民主党は墓穴を掘り、「四点セット」の追及も実質的に止めてしまうという醜態をさらした。

当時、偽メール事件は偽メール事件として、この「四点セット」の追及は続けてほしいと思った国民は多かったはずだ。私もその一人である。しかし、民主党はそうしなかった。そして、この時の総括を民主党はまだしていない。それどころか、当時責任ある立場にいた前原誠司の率いる民主党ネオコン一派は、小沢代表・菅代表代行ら党執行部の意向に反する言動をしばしば行い、民主党の足を自ら引っ張っている。私は、前原一派は「隠れ自民党」であるとさえ思っている。

なぜ前原が自民党ではなく民主党に所属しているかというと、前原は世襲議員ではなく、自民党では世襲議員でなければえらくなれないからだという笑い話(半ば本気の話らしい)があるが、現在、安倍晋三率いるネオコン政権の支持率が落ち続けているのに民主党の支持率がいっこうに上がらないどころか、自民党の支持率と一緒に落ち続けている理由として、民主党内のネオコン議員一派の存在と、彼らが昨年引き起こした「偽メール事件」の総括を民主党がまだ行っていないことが挙げられると、私は声を大にして主張したい。民主党が真に国民政党になるためには、前原一派を切り捨てなければならないと思う。

何はともあれ、今日は「偽メール事件」からまる一年にあたる日だ。次に同様の誤りを犯したら、民主党は自民党より先にぶっ壊れるだろう。小沢執行部には、民主党が「背水の陣」にあることを十分認識して、厳しい党運営を求めたい。


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「きっこの日記」が、4月28日付「ニポンイチのタイコモチ」で告発した東大中退の人物だが、ネット検索をかけてみて、その実名をほぼ特定することができた。

証拠をつかんでいると主張しているきっこ氏自身でさえ伏せ字にしているので、何の証拠も握っていない私がここで実名を挙げるわけにはいかないが、ニヤリとさせられるのは、きっこ氏が28日の日記の中でヒントを潜ませていることだ。

8日の読者からのメールで、彼の所属を表す伏せ字が5文字というのは「?」だが、ここには「ライブドア」が入るのかもしれない。

まあこの男の実名を知り、その名前を元に改めてネット検索をしてみると、いかがわしい記事が次々と引っかかること。これが「勝ち組」の実態かと思うと、鼻白む思いだ。
2006.05.10 22:30 | 村上世彰 | トラックバック(-) | コメント(-) | このエントリーを含むはてなブックマーク