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きまぐれな日々

派遣切りに続いては正社員切り。ほとんどの企業が業績を悪化させ、2008年10?12月期のGDPは、年率換算にして二桁のマイナスが見込まれている。そうなれば、石油ショックの頃の1974年1?3月期以来34年ぶりになる。そして2009年1?3月期も同様になるのではないか。

こういう怒涛のような現実の前では、たとえば民主党の前原誠司が麻生太郎首相を「やるやる詐欺」だと非難して国会が紛糾したなどというニュースを聞いても、空々しくてまともに取り上げる気にならない。

昨夜のテレビでは、毎日放送(TBS系)が制作している久米宏の番組に竹中平蔵が登場し、しゃべりたい放題しゃべっていた(毎日放送は大阪の放送局だが、番組の収録は東京で行われているそうだ)。「私がそんなに悪いのか」とかなんとか、そんなキャプションがついていたが、テレビもようやく竹中平蔵が非難を浴びていることは認めたものの、積極的に竹中の反撃を後押しするありさまだ。特に、毎日放送だけでなく大阪の民放がネオコン・ネオリベの牙城になっている。先の週末に日本テレビで湯浅誠らが出演した貧困問題の番組を関東ローカルでやっていたそうだが、その時間帯に関東を除く日本列島の大部分では、日テレ系の大阪・よみうりテレビが制作するやしきたかじん司会の右翼番組が流れていた。私はこの番組をほとんど見ないが、橋下徹をスターダムにのし上げる原動力になった番組の一つだそうだ。また、ネット右翼のブログで、「アンカー」「ムーブ!」など関西の番組起こしも、などと謳っているところがある。前者は関西テレビ(フジテレビ系)、後者は朝日放送(テレビ朝日系)制作の番組で、ネット右翼の喜ぶような内容なのだろう。後者に勝谷誠彦が出て妄言を垂れ流していることは風の便りで聞いている。

久米宏の番組では、ビデオで流れた森永卓郎や亀井静香のコメントを竹中が批判していた。スタジオにおける竹中に対する批判者は荻原博子と作家の室井佑月だったが、「経済ジャーナリスト」の荻原は完全に竹中に押されて竹中の言い分を部分的に認めながら食い下がるスタンスしかとれなかった。室井佑月はブログを開設していて、リベラルな思想信条の持ち主のようだが、昨年4月を最後に更新されていない。とてもないが竹中には歯が立たない。室井佑月に竹中批判の役割を押しつけるのは酷だ。久米宏はというと中立の司会者に徹していたが、何も言わないということは実質的に竹中を後押ししていたに等しい。そもそも、『ニュースステーション』時代も、久米宏はむしろコイズミ・竹中の「カイカク」に好意的だったように思う。

金子勝や森永卓郎らでも竹中の猛攻を受けてたじたじになるほど、速射砲のように繰り出される竹中の雄弁はすさまじく、電波媒体で竹中と論争して視聴者に「竹中を言い負かした」という印象を与えるのは不可能に近い。田原総一朗あたりが司会する番組だと、田原や御用コメンテーターたちが竹中の援護射撃をするからなおさらだ。

だが、活字の世界では竹中批判が圧倒的に主流で、だから竹中も電波媒体で必死に反撃するのだろう。今後どうなるかというと、竹中の顔など見たくもないという視聴者が増えて、竹中では視聴率が取れないというデータが出て、それでやっと竹中の出番が減っていくのだろうが、その時には日本経済は今以上にひどい泥沼にはまっているだろう。

秋までには必ず総選挙もあるのだが、日に日にひどくなる不況の中、どんな結果になるかはかえって不確実さを増しているように思う。というのは、民主党も国民の積極的な支持を得ているとはいえないからだ。無党派層の票は自民党よりは圧倒的に民主党に流れるだろうが、不況があまりにひどくなって政治への絶望感が深まると、投票率自体がかなり下がる可能性があり、そうなると自民党が第一党の座を守る可能性さえ出てくる。『週刊現代』の2月14日号に、4月26日投開票を想定した総選挙の予想が出ているが、3人の評論家は、民主党過半数から自民党第一党維持まで予想が割れている。ただ、苦戦が予想されていた自民党大物が巻き返す一方、コイズミチルドレンの不振は続いていて、ネオリベ勢力の大幅な議席減だけは間違いない。

共産党の得票率は大幅に上がると思うのだが、小選挙区の比重の高い選挙制度に阻まれて大幅な議席増には至らない。改めて90年代の「政治改革」の罪深さを思う。そもそも、「カイカク」と名のつくものにろくなものはない。

なんだか、竹中平蔵と自民党の反撃の様子ばかりを記述する意気の上がらないエントリになってしまったが、絶望してしまってはおしまいである。決して絶望してはならない。人民の一人ひとりが社会を、政治を変えていくという気持ちを持って思考し行動するしかないと思う今日この頃である。


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TBが通らないようなので。

下記、アップしました。

竹中平蔵のこの嘘はひど過ぎ「宮内義彦氏は郵政民営化に関わってない、委員会メンバーにもなってない」って←資料探したよ(笑)
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/02/post-207e.html

鳥取岩井簡保、建設費約12億円を1万円で売却、同じく指宿簡保、建設費約21億円を1万円で売却って、こんなの誰が納得できるか。
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/02/post-be65.html

かんぽの宿関連で役に立つかどうか分らんけど、郵政民営化承継財産評価委員会の第3回議事録PDFをテキストで保存。
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/02/post-d6e2.html

2009.02.05 09:47 URL | SOBA #XPXthLJ6 [ 編集 ]

kojitakenさん、皆さん、こんばんは

竹中はリベート術に恐ろしく長けています。
白を黒と要っても平気ですし、論理のすり替えなど、ヘッチャラ、議論に勝つためなら、あらゆるテクニックを駆使します。
普通の常識人や心の優しい人は、相手を打ち負かすために、あれほどの術や詭弁はできません。
見る人が見れば、竹中の言うことを通してよく考えれば、矛盾していることに気付くと思います。

2009.02.05 18:02 URL | 愛てんぐ #PARia3Ic [ 編集 ]

『週刊現代』で一番自民寄りの予想をした伊藤達美は、
自民党の機関紙に連載を持つほどのシンパなので順当かと。
今朝の毎日新聞の『発信箱』は与良正男だったんですが、
政治報道に自戒を込めたもので秀逸でした。
よくよく読むと『あらたにす』陣営への肘鉄にも読み取れました。

2009.02.05 18:56 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]

90年代の「政治改革」を大はしゃぎで後押ししていたのが、久米宏のニュースステーションだったんですよ。
深い考えではなく、「改革」したほうがいい、抵抗勢力は頭の古い連中だ、くらいのノリだったんじゃないかな。当時、選挙法の改正にまじめにとりくんでいた議員たちは、不正が防止できる法をつくろうとしていたんですが、彼らの言い分は大きく取り上げられないままに終わりました。

2009.02.05 19:24 URL | nessko #aIcUnOeo [ 編集 ]

米国GDPが4%弱減の同時期、その影響で日本は12%弱も減ってしまうという落差がすごいですね。
誰だよ、日本経済は他国より傷んでいないとか、先駆けて回復するとか言ってる奴は。
ひたすら外需に頼る経済として純化を強めれば、他国の景気悪化がレバレッジをかけて効いて来るのは理の当然じゃないか。

2009.02.05 20:43 URL | Gl17 #EBUSheBA [ 編集 ]

この久米宏の番組は橋下の特集の時は熱狂的な橋下信者の歌手を出し、田母神論文の時は田母神を擁護する評論家を出し、今回の竹中の時は金子勝や森永卓郎クラスではなくて、保険料の節約術程度しか語れない荻原博子を出したり、明らかに偏った番組作りをしてる感じがします。

またもう1つ気になったのが竹中支持の書き込みの多さ。
庶民生活をここまでひどくしたのが誰かまだわからないの?といいたくなる。
(こんな日本人が多いから、いつまでも自民党政権が続くのでしょうけど)
http://dogatch.jp/blog/tele-yatsu-program/

2009.02.05 20:57 URL | のと #- [ 編集 ]

竹中さんサイコパスってことなんでしょうね。

* 良心の異常な欠如
* 他者に対する冷淡さや共感のなさ
* 慢性的に平然と嘘をつく
* 行動に対する責任が全く取れない
* 罪悪感が全く無い
* 過大な自尊心で自己中心的
* 口達者で浅薄な魅力

(犯罪心理学者ロバート・D・ヘア(en:Robert D. Hare)の定義によるもの)

ヘアに従えばそういうことになる。
新自由主義とサイコパスは関係ありそう。

2009.02.05 23:34 URL | ソニック #- [ 編集 ]

直近の問題で、簡保の宿の売却が問題化し、郵政民営化の実態は郵政私物化である、と認識されてきました。さて、この簡保の宿を、竹中平蔵は不良債権と言い切り、破格の安値売却の正当性を述べていますが、国会の質疑により、あと2年で黒字化することは、郵政内部の証言からも出ています。竹中平蔵の言葉に真実が無いことは、このこと1つを取り上げても、多くの国民に理解されるのではないかと思っています。

2009.02.07 09:55 URL | scotti #4SSKmKVw [ 編集 ]

ネット右翼も呆れてるよ。Googleで「竹中平蔵」を検索して見て下さい。

2009.02.09 04:48 URL | 与志 #- [ 編集 ]

竹中平蔵とお粗末な毎日放送

 2009年1月1日のNHKスペシャル「世界はどこへ、そして日本は~」はよかった。
竹中対反竹中の激論になったが最後まで真剣で特に竹中と斉藤の討論はスリリングで見ごたえあった。
どちらの支持者にとってもまあまあではなかったかと思う。

2月4日のTBS「テレビっていうやつは」に、また竹中が出、しかもかなりのものになりそうと前宣伝していたので、この番組、このところいまいちで敬遠し勝ちであったが関心をもって聞いてみた。

腹立たしいとはこのことだ。
竹中を支持する、しないの問題ではない。
この手の番組のでき不出来は出演者の顔ぶれで大半が決まるが、その人選がなってなかった。
プロの力士対町内会相撲選手、オリンピック出場選手対学内運動会選手の競争であった。
これで激論を戦わすことになると思っていたのだろうか。
単純なことを竹中に指摘され、シュンとなることの繰り返し。
竹中はさぞや気持ちがよかっただろう。
結果として、いまや世間の総すかんを受けつつある人の独演会を聞くことになっていた。

竹中への反論は別に述べるとして以下の疑問が。

 A 出演交渉に当たって竹中の意見を聞き(この相手なら出ないなど)、その意向を受け入れたということはなかったか。
 B それはまったくないとして、出てくれないと話にならないので、局の方で気にいられようと「出席者に次のような人を考えています。ぜひご出演を」と気をまわすことはなかったか。

そういうことがないとしたら(あってもあるとは絶対に言わないであろうが)制作の毎日放送はレベルが低すぎるとしか言うほかない。
仮にも竹中は、長いこと政権の側用人を務めてきた慶応大経済学部の教授ですよ。知的レベルをそろえることぐらい当然の前提だろうに。

NHKの番組出演者はどうであったか。
金子 勝(慶応大経済学部教授)、岡本行夫(外交評論家)、山口二郎(北大教授)、八代尚宏(国際基督教大学教授)、斉藤貴男(フリージャーナリスト)それにあの勝間和代。
一人でもこのくらいの人間がでなければ話にならない。

話の過程で竹中が一瞬といえども、声を落として堪えているようにみえたのはアナウンサー久米宏が
 岩谷巌の著書の一文を紹介した時(一ツ橋の同窓だし、ハーバードで博士号取得)と
 竹中が国際競争力を高めるために法人税の減税が必要とし、労働者の賃金はまだ高いといったことに対して「輸出に頼らねばならない」という前提のままでよいのか指摘したときぐらいではなかったか。
アナウンサーの寸言が最もピリッとしていたなんて、制作者の明白な手落ちだ。

 NHKに負けないものを,そして重複しない人を,というのであれば、今一番注目の対象となっている中谷教授、それも無理ならミスター円の元財務官 榊原や野口教授その他いくらでもいたではないか。


ここで脱線する。
常々思っているのだけど、読売系列も毎日系列も関西のローカル局ってどうも水準が低いように思えてならない。(関西の人怒らないでね)。
東京が優れているというのではない。全国放送(全国紙)の記者、アナウンサーは新規採用後全国の支局に出され、多方面での経験・実績を経て中央に戻っている(一生異郷の地のままの人もいる。)。
ローカル局にそういう厳しさ・試練はどのくらいあるのか。
土地勘のあるところでぬるま湯につかりっぱなしという傾向はないか?
東京・大阪間のたまの異動なんて楽すぎる。
関西制作の全国ネット番組だからといって関西人的クセの強い人を選ぶなんてVSOPだ。

 余談
 久米本人も後味が悪かったようで、2・7土曜日のTBSラジオ「ラジオなんですけど」の冒頭10分近くは例の中谷の著書を朗読して鬱憤晴らしをしていた。
 注)このラジオ番組は関東、北海道全域、岡山でON AIRとのこと。
   


2009.02.11 09:11 URL | yumegarden #oMdbGc4w [ 編集 ]

しょうもないジャーナリストを見っけw
田原総一朗と関係がある坂本衛というジャーナリストがコイズミ礼賛、小さな政府論者で郵政民営化大賛成している。
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/
日付
02-14
02-13
02-12

2009.02.17 21:54 URL | ss #- [ 編集 ]













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