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きまぐれな日々

 橋下徹が仕掛けた「大阪都構想」の住民投票が僅差で橋下の敗北に終わった件は、大阪を除く日本全国での話題としては、住民投票前よりも住民投票後の方が盛り上がっている異常な様相を呈している。

 なにしろ、「ネオリベ」との蔑称で呼ばれることのある新自由主義者たちが、負け惜しみやら、住民投票で反対票を投じた大阪市民に対する誹謗中傷やら、果ては少し前に「小沢信者」がネットで展開して嘲笑を買っていた「不正投票」の陰謀論を有名テレビキャスターが大真面目で口にするなど、想像を絶する反対派バッシングを繰り広げたのだ。『kojitakenの日記』で取り上げた面々の名前を挙げると、辛坊治郎ちきりん、宇野常寛長谷川幸洋らだが、他にも池田信夫(ノビー)や田原総一朗らをはじめ同類はごまんといる。

 大阪のマスメディア、特にテレビ、5局の中でも読売テレビ、関西テレビと朝日放送の3局は橋下の応援団以外の何物でもないといわれる。さらにその中でも読売テレビが突出していて、その読売テレビに出演して害毒を撒き散らしているのが辛坊治郎である。しかし辛坊の悪口は『kojitakenの日記』にずいぶん書いたので、ここではこれ以上繰り返さない。

 時折大阪にお住まいの都構想反対派の方の悲鳴にも似たコメントを目にするのだが、メディアという権力を笠に着た橋下(とその一派及び応援団)の横暴は、他の都道府県に住む人間の想像を絶しているのではないかと思われる。橋下一派とその応援団は、有権者の半分(投票率を考慮すると3分の1かもしれないが)に戦争を仕掛けたようなものだと感じる。

 仮に、現在再び「大阪都構想」の住民投票が行われるなら、橋下に煽動されたメディアのバッシングによって居心地の悪い思いをさせられた人たちが投票行動を変え、賛成が多数を占めてしまうだろう。それは、「上からのファシズム」としか言いようがない性質のものだと思う。

 「大阪都構想」の住民投票をめぐる議論で、何よりも批判すべきは、こうした橋下とその一派及び応援団の暴力的所業である。それなのに、朝日新聞の元「天声人語」子・冨永格は「リベラル側に橋下徹がいない不幸」を説き、それに呼応して「橋下さんくらいファシストと遠い人はいないと思います。何でもかんでも『ファシズム』に結びつけるあるいはレッテルを貼る社会風潮こそ怖い。」などと見当違いの呟きを発する人士が現れる。だから「リベラル」は勝てないのである。

 今、橋下と同じ手法で強引な政治を行っている人間がいる。安倍晋三である。安倍晋三には橋下のようなカリスマ性はないが、橋下にはない「世襲貴族」という属性がある。今の日本は、いかに安倍が「ポツダム宣言」も知らない(理解していない)暗君であろうが、その暗君が独断専行を恣(ほしいまま)にできる脆弱な社会である。ましてや安倍晋三の権力の大きさは橋下の比ではない。

 住民投票で橋下に勝つのさえ薄氷を踏む「リベラル」が、敵の大将のカリスマを羨んでいるようなふがいなさでは、今後安倍晋三を倒す日がくる展望を開くのは、限りなく困難だ。
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前回のエントリへのコメントでも指摘したんですけど、そういう"カリスマ"を待望する悪癖がここ20年で強くなった感がありますね。だって以下の様なことを言う内田樹が、少なからず"リベラル"に支持されてる訳ですから。

「有権者がほんとうに望んでいるのは、実は『変化』ではありません。『いま、日本で何が起きているのか』についての、すとんと納得のゆく説明と、この危機的状況から脱出するために国民的な統合をなしとげる指南力のある『国家ヴィジョン』です。」(『週刊金曜日』2011年12月9日号から)

この発言は橋下徹批判のインタビューの中で出たものですけど、その橋下と同じことをやれ・そればかりか今の安倍政権・更には欧州で勃興している様な「ソフトな極右」を見習えって言っているんですよね。そうでなくても、こういうやり方って、ここ20年間の政治状況で繰り返し行われた"喜劇"だったりするのです。小選挙区主体の選挙区を導入した"政治改革"に始まり、"小泉劇場"小沢一郎や鳩山友紀夫による民主党の"政権交代"ムード脱原発"第三極"待望"ハシズム"・・・・・何も学ばず繰り返されてきたんですよ。『いま、日本で何が起きているのか』についての、すとんと納得のゆく説明を解り易く提示し、この危機的状況から脱出するために国民的な統合をと煽りまくり、指南力のある『国家ヴィジョン』を提示しては解り易い"敵"を設定し激しく攻撃する。絶えず繰り返され、それが当然だと思っているのが殊政治に関心を持つのに多いから、問題は根深いのです。

前回のエントリへのコメントでも、元大阪府民~氏とこの点で応酬になったのですけど、繰り返しますが両大戦期間の"政治の季節"とよく似ている気がしちゃうんですよね。極右反動から共産党までもが院外団紛いの組織を形成し、メディアを通じて煽動するばかりか街頭宣伝も活発に行い時に対立する党派同士で暴力沙汰になることもしばしば・・・・・それだけ人々の政治に対する関心が高かった(現在の我々と比べても投票率一つ取ってみても高かった)と言えますけど、こういう歪んだ「関心」と「参加」が民主主義の"健康"にとって望ましいものとは到底思えないんですよね(嘆

2015.05.25 08:38 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

カリスマ待望論というのは、もう古いよね。決定的に古い。
民度の低い地域で「社会主義」が誕生した20世紀世界では、左翼陣営にもスターリン教や毛沢東教のような個人崇拝が広く蔓延していたけれど、そういうカリスマ的なものに対する肯定感や待望論って、民主主義(思想・制度・運動)の対極にあるんですよ。カリスマ(出現)願望は、本来「代行主義」であり他者依存癖であり、究極的には「神頼み」的心情です。自己の無力感とそれへの開き直り。ペシミズムの裏返し。
つまり、疎外や疎外運動、疎外運動の結果に対する無自覚・無批判でしかない。
でも、疎外だけでなく、疎外の自覚や疎外の克服願望をも生み出すのが市場経済社会の矛盾。市場経済という矛盾です。だから、カリスマ願望は市場経済の発展や市場経済による人格性の陶冶が遅れていた時代の名残、反映でしかない、ということでしょうよ。
自分たちが創り出したものが、それを創り出した自分たちに超然と君臨し、全能性や全的支配力を発揮する。まさに神であり、シェークスピアやゲーテが喝破した貨幣(資本)の本質です。でも、それらは全て、疎外の産物ですよ。無人島でロビンソンクルーソー的な生活をしてみれば直ちに了解出来るw

2015.05.25 15:19 URL | #CrLMSZ1k [ 編集 ]

住民投票に勝つのにも薄氷を踏むリベラルって、事実でないことをいうのはよくないね。
反対派はリベラルとイコールではないことは火を見るよりも明らか。
大阪市廃止は、大阪の自民党だけじゃなくて自民党本部も反対してた。
本部から大阪に使者が来たのを知らないの?
対して民主党本部は何してたわけよ?
てか、大阪で維新に票を食われたのって「民主」だというのも既に定説化してる。
事実に「色」をつけてはならない。

2015.05.25 22:15 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]

ネット上で活躍していた大阪市廃止反対派のリベラル層については、メインでやってた人々はかなり空気を読んで動いていた。
彼らは賢い。
維新信者が「首相も都構想に賛成している」と嘘こいてまわってたけど、それに対して反対派の最前線にいた人々は、自らの思想信条に関係なく、「安倍首相は賛成も反対もしてない、嘘つくな」とひたすら事実を述べて応戦してたもんね。
殊更安倍首相やガースー官房長官と橋下松井の関係をあげて、安倍批判と橋下批判を常にごっちゃにして叫ぶはかりで他に有効打を打てない外野のリベラルは正直足手まといでうざかった。
(但し、安倍と橋下批判をセットにしていても、他に役に立つ情報が提供できる人や、説得力のある反対理論を展開できる人は別だけどね。
それはそれで力になるから)
無邪気にいろんなことを絡めるからリベラルは負けるんじゃないのか?
安倍支持不支持と大阪市廃止賛成反対は全く別の事象だよ。
この場合は、叩きたいならガースーだけ叩けって。
それならさほど文句は言われない。
どころか、地方の選挙で自民がこけまくる原因を作っているのは奴なので、ガースーは逆神として嘲笑の的でもあったわけだが。

2015.05.25 22:48 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]

https://twitter.com/tanutinn/status/545266634441916417
“正直なところ、イスラム国なんかに比べたら往時のソ連や今のキューバは常識的で、十分に話し合える相手でしょう。人類の言葉が通じるというか007シリーズでいえば初期の敵役。オバマは内政的にはレイムダックでしょうが、米国民と同時にキューバ大衆に直接呼びかける姿勢は、格好良くて涙出そう。”

https://twitter.com/tanutinn/status/560897993671716864
“ムハンマド風刺画転載で東京新聞がおわび「イスラム教徒を傷つけた」。謝るくらいなら初めから…という思いはサザン桑田さんの紅白事件に重なります。弊紙は見送りましたが、私は「あの程度」を宗教上の配慮で自粛する必要はないと考えます。じゃあ豚肉料理のレシピはどうなんだ、となりかねない。”

富永格で思い出したのがこの二つのツイート。
イスラム国は話が通じないと断じて彼らがどうして生まれたのか?あるいは何をしてもよいに回収される可能性も無視。
結果地域に住む住民のことも無視することになる。
シャルリー・エブドの表現の自由は何よりも尊重されるもの。しかも豚肉料理のレシピなんてムスリムが避けられるものと同一に並べて主張している。
典型的な同化主義者で、かつ、コメントツリーにもあるようにイスラモフォビアと言われても仕方ないレベル。

こういう差別問題や基本的人権がわかっていない人が言うところのディベート力を持ち有権者を味方につけられるカリスマ的存在とは?
非常にわかりやすいと思うのですがね。
こういうのにリベラルは騙されないでほしいとは思いますが、果たして・・・

そもそも能動的に政治参加する意識が希薄で、デモやストともなれば「迷惑」だというのが多数派。
非常に厳しい現状の中で、例えば5・3横浜での壊憲・反原発・反格差集会。
あれも3万人集まったということで、よかったよかったではない話のはず。
むしろなぜ呼びかけ人に「子どもは放射能を跳ね返す力がある」などと信濃毎日に書いたドイツ文学翻訳家やら、都知事選で脱被曝には無理解で、熊本県知事時代には水俣病患者にとことん冷たかった細川を応援した出家作家なんぞが名を連ねていたのか?
こういった人たちは福島県内外でおきていること、自主避難者への住宅支援打ち切りの話、県民健康調査でももはや過剰スクリーニングなんて論法が通用しないことは明白になってきている甲状腺癌増加の話、あるいは県農連会長が「実害だ」と言っているのに「風評被害」などというたわごとがまかりとおっていることについて、どう思っているのか?

つまりは基本的人権の重大な侵害が大規模に行われていて、かつ、その責任追及や被害請求も阻害されている状況にあることを無視して、反原発ですか?戦争反対ですか?
それって何の冗談ですか?って話になりかねないですよ、ということ。
さらに反格差でいえば「組合はメーデーで俺たち労働者の権利について主張しないでなぜ戦争反対なんだ」なんて言う(事実誤認をしている)人たちに声が届きますか?って話。

今後安倍政権及び草の根保守団体は、壊憲発議に向けて橋下維新が今回展開した宣伝戦をより巧妙に、より大規模に行ってくるでしょう(というかそう公言している)。
「戦争法案」反対運動が一時盛り上がったとしても、可決されてしまった後はどうか?
「秘密保護法」可決後を見れば、世間の関心の移ろいというのがよくわかりますね。
先は長い。欺瞞に満ちたリベラルの声なんぞ本当に世間に届くのか?
むしろそう自問自答していくほうがブレも少なくなるでしょうし、カリスマ願望なんぞ抱くこともないでしょう。

2015.05.26 06:33 URL | white noise #- [ 編集 ]

前回エントリで触れた内田樹の都構想の投票結果についての感想の全文を、本人が自ブログに全文掲載 http://blog.tatsuru.com/2015/05/22_1208.php してたので一読してみました。

いやぁ、相も変わらずの劣化言説ですなぁ。確かにバブルに浮かれて無駄なハコモノに桁外れの税金を投じたことは二重行政だろうが都制だろうが起こり得たって点など一部は肯けるとこがありますけど、権限をトップに一元化して、下僚は判断しない代わりに責任もとらないという仕組みの方が「効率的だし、楽でいい」とぼんやり思う人を増やしたのは、そもそも「『いま、日本で何が起きているのか』についての、すとんと納得のゆく説明」「危機的状況から脱出するために国民的な統合」「指南力のある『国家ヴィジョン』」という内田氏の主張にも責任の一端がある訳で、それを負わずして市民社会も民主制は長くはもつまいと清談に終始しては、では貴方の言動の責任は?って突っ込みが来るのも当然って気がしますね。

何と言うのか、制度設計がどれほど適切でも、運用者に知恵と技能がなければ、制度は機能しない。逆にどんな不出来なシステムでも、「想定外のできごと」に自己責任で対処できる「まともな大人」が要路に一定数配されていれば、システムクラッシュは起きないと述べている点から、近代の官僚制ないしは組織論を理解出来ていない。というのか、(適切な組織と優秀な人材の)どちらも必要であるかの様に言いながら、結局は人治だ・徳治だと言ってしまう内田氏の言い回しが詐術的にさえ思えますね。自分なぞは、「想定外のできごと」に自己責任で対処できる「まともな大人」が居なくてもクラッシュにも対応でき「想定外」にも機能し得る組織設計の方が、まともな「市民的常識」だと思うんですけどね。

2015.05.26 19:37 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

カリスマの出現を待望するようなバカな観念論者もバカな自称唯物論者も、バカウヨもバカサヨやバカリべも、市場経済の矛盾やその積極的意義を暴露したマルクスの叙述を知らないんだよね。

封建制社会とは異なり、自由で対等・平等な人間関係を建て前(=公認の価値基準)にしなければ成立・定着出来ない市場経済システム(なぜなら、商品交換関係のシステムである市場経済は、自由で対等・平等な私的所有者たちの間でのみ存立可能な人間関係(=交換関係)を自らの死活条件とするから)は、その建て前を措定するだけでなく、他方に存在する労働現場での実態としてはそれを否定もする矛盾したシステムなのですからね。自由で対等・平等な人間関係を、資本の下での労働という隷属、服従の関係に転回させてしまうのが市場(=商品交換関係)を不可欠な構成要素としている資本のシステムなんです。
だから、その矛盾の存在が、社会的意識に一層の、そして十全・完全な、民主主義の徹底という希求を芽生えさせる。そこには、カリスマ願望のような疎外の無自覚に伴う意識を発生させる余地は、基本的に存在しないのですよ。市場経済システムの下では、カリスマや神の存在願望ではなく、本来は自分たち人類の全員がカリスマ的・神的な存在であったのだということの覚醒・自覚が生まれてくる。対象的存在として崇めたてられるカリスマや神とは、疎外の産物に過ぎないのだ、本来は自分たちに潜在している全能性の外部投映なのだということを悟ることになる。
市場経済システムって、人類史的存在意義が深く大きいものなのですねw
市場経済システムを経由することなくして、未来社会の到来なんてあり得ないのですよ。
市場の未熟こそが、市場経済システムによる人格陶冶の未完こそが、北朝鮮社会でありスターリン体制であり橋下や安部の登場でもあるのです。

2015.05.26 21:39 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

大阪都構想って、平たくいえば、
「橋下府政のもとで激しく膨らんだ大阪府の借金を、大阪市の税収と資産を横取りすることによって返済しよう」
というものなのです。
このことをご存じの方は一体どれくらいいらっしゃるでしょうかね。
これが大阪以外では案外伝わっておらず、もっぱら橋下のいう「統治機構」「指揮系統の一元化」とやらの問題として考えている人々も多いのでは?
これでは事の本質を充分に捉えきれません。
まさか、この期に及んで
「橋下が超過激な緊縮財政で大阪府を黒字にした(財政は黒字になったけどそれで人々が苦しんでいる)」
などと勘違いしてはいないでしょうね。
実際は、少額の支出をセコセコ切って、知事重点事業にその何倍もの無駄金をつぎ込んだ(これがいわゆるハコモノ主体ではなくて、教育関連のものが大きなウエイトを占めていることも重要)のですよ。
こういう事実が大阪以外の人に正しく伝わっているのか、今さらながらなんか不安になってきたんですが。
橋下の場合、その過激な言動に引きずられて、背後に隠れた事実をつい見落としがちになるのですよ。
これにひっかかった典型が香山リカで、「反橋下外野リベラル」の印象を非常に悪くしたんです。
対して、都構想における大阪府と大阪市(仮に特別区が設置されたとしたら、大阪市域)との間のカネの流れに言及した藤井聡は、大阪の反対派の信頼を得たわけです。
彼は、特別区から吸い上げた税金が区に還流されず、大阪府の借金返済に充てられる可能性を指摘していました。
これは都構想を橋下の失政隠しであると認識していた人々にとって、強い支えになる発言でもありました。
文壇系の反橋下リベラルにはここまでのことはできないでしょう。

2015.05.26 23:03 URL | 元大阪府民からの伝言 #- [ 編集 ]

>大阪都構想って、平たくいえば、「橋下府政のもとで激しく膨らんだ大阪府の借金を、大阪市の税収と資産を横取りすることによって返済しよう」というものなのです。

上手い表現しますね。95点はもらえる模範解答だと思いますよ。
チョイ訂正するとしたら、「返済しよう」ではなく、「誤魔化そう」か「なおも続けよう」でしょうか?

2015.05.27 08:18 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

大阪都構想なるものが、二重行政は単なる表向きの理由であって、本音は府財政の穴埋めに使おうというのは、これはまさしくという感じですね。
http://www.huffingtonpost.jp/kenji-eda/osaka-ishin_b_7348904.html
江田憲司の代表辞任のコメント記事ですが、ここで触れられている
”そう、大阪都構想は、国政政党・維新の党にとっても「一丁目一番地」、最重要課題と位置づけて、その実現に邁進してきた構想なのです。”
”「中央集権」を打破し、将来の「地域主権改革」「道州制の導入」につながる、この国のかたちを変える一大改革、その歴史的一歩となるはずの構想でした。”
ってやつね。
これ最初は関西広域圏構想が兵庫・奈良両県知事の拒否にあった→堺市の拒否→今回の住民投票って流れがあったわけで、本当に二重行政とやらが問題だとするならば、あまりに規模が小さすぎるわけでして。
仮に最大限橋下に好意的だったとしても、じっくり周辺自治体とも再度協議を重ねて理論構築すべきでしたし、今回の住民投票はあまりに拙速だったといわざるを得ませんね。

ただ実際に橋下応援団であった関西を中心とする財界の思惑ってのも無視できなかったわけで。
それはずばり夢洲での総合リゾート特区(IR)ってやつですよね。
先ごろリベンジポルノで藤本光太郎なる人物が逮捕されたのですが、この人が参画していた大阪エンターテイメント都市構想研究会ってところ。
さっそくHP閉鎖されましたが、魚拓取っていた人いたのでご紹介↓
http://megalodon.jp/2012-1126-0019-21/www.osaka-entertainment.net/outline/
この設立趣旨と研究会座長の橋爪紳也、研究員の勝見博光ってのはまさに都構想推進の中核人物だったわけでして、藤本同様覚えておいて損はないです。
http://www.pref.osaka.lg.jp/toshimiryoku/entertainment/
まぁ夢洲の特区構想ってのは、ずばりカジノ特区でして、なぜ市営地下鉄まで民営化なのか?っていうと夢洲までの延伸計画がある(あった)からでしょう。
http://www.kansaidoyukai.or.jp/LinkClick.aspx?fileticket=v1mSW%2FCxOXA%3D&tabid=57&mid=528
ちなみに藤本は関西経済同友会・大阪府 ・市 改 革 検 証 委 員 会のスタッフとして名を連ね、ここが「大阪市営地下鉄事業の民営化実現を求める」提言を行っていたということですね。

そうそう夢洲といえば平松市長時代に脱原発の一環として、新型火力(GTCC)建設計画がありましたが、橋下がひねりつぶしたということもありました。
関西電力は原発依存度が高く、動かしても動かさなくても老朽化に伴いメンテ費がかさみますし、だから電力料金も割高になっていく構造なのですが、すでに5千件、265万kW分他社へ顧客が流れていると。
来年度の電力全面自由化ではてさてどうなるやら。関電も関西財界もアホですな。
和歌山市の関電LNG火力発電計画(370万kW相当)も環境アセス通っているのに、なぜか2024度以降新設とか。
まぁ関西は大阪ガスと中部電力の草刈場になるやもしれませんね。

とまぁ皮肉はさておき、安倍周辺と橋下周辺で似ているところといえば、これはもう特区利権。
それこそカジノ特区ってのは舛添がお台場での構想を拒否ったこともあってか、菅の地元横浜みなとみらいと大阪夢洲が名乗り上げてますからね(他にもありますが)。
(カジノに限った話ではないですが)特区ってやつは貧困ビジネスの色彩も強いですし、こういうのに上記橋爪だの勝見だのという大学人が群がっていたというのも、なんというかエリート型利権ってやつですかね。

ちなみにみなとみらい特区関連で言えば、アップルのR&D進出がありましたね。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ10I4I_Q4A211C1TJ2000/
いや、自主的にアップルが数ある候補地から選んだってのが表向きの話ですが、先の衆院選選挙期間中、さいたま市で安倍が当日アップルが発表する前に「あのアップルが最新の研究開発を日本で始める」とかPRしちゃいましたし、選定理由がオープンになっていないので疑わしいといえば疑わしいですね。

それと教育ですよ。
安倍・下村も一生懸命教育環境をどんどんずたぼろにしてくれていますが、すでにご指摘のあるように橋下維新もちょっと信じられないくらいひどいですからね。
ガキのころからギャンブル漬けにして国民はみな勝負師になれ、とおっしゃる橋下のやったことといえば、教育長のパワハラ、公募校長の相次ぐ不祥事・辞任、結果、新人教員が来てくれない、挙句の果てにはクソまずい学校給食と。
いやこれだけで、本来反対が多数を占めるべきだと個人的には思っていたのですが、どうやらそうではない人が大勢いたわけでして、しかも住民間の分断が起きていると。
橋下が次期市長選にリベンジ出馬するのしないの、総務相にどうかと政府高官が言ってる(By安倍のメシ友田崎史郎)だの、いろんな話が飛び交っていますが、こんな「改革バカ」再登板させてはダメですよね。
金に意地汚い実態解明に努力している人々がいますが、今がチャンス。
何とかがんばってほしいもんです(他力本願)。

それと「改革バカ」の橋下信者を私は決して笑えません。
だって国全体が狂気のさなかにあるのに、反対があまりにも弱い。
例えば東京オリンピックってやつね。
解体した後に新国立競技場の費用負担で舛添が怒っているから、問題がやっと世間様にも少しは認知されだしましたけど、あの屋根にしたって構造上可燃物で付けるしかない、とかもうそれだけで無茶苦茶な話なんですが、本当にやるの?ってレベルな話がゴロゴロ。
競技もあっちゃこっちゃ分散するようで、コンパクトなオリンピックってコンセプトどこ行ったんだ?てなことになってますし、主役のアスリートそっちのけで競技場の駐車場は「水素社会」PRのために燃料電池車だけとガチで話し進めているとか。
ちなみに多少(アスリートへの食の提供という意味で)関連する話ですが豊洲の新市場ね。
これも汚染土壌の問題だけではなく、水産部と青果部間の導線、アクセスが超絶不便ってことで、こんなので客が来てくれると思うほうがおかしな話なんで、両方あわせて都民の一大怒りのデモでもあれば別ですけど、そんなの起こる予兆まったくありません。
そういう納税大好き、権利主張不要、かつ、責任の追及もしない臣民の皆様に壊憲反対とか格差反対とか訴えていくことの難しさ、これくどいようですがよくよく考えていかないとダメですよ。

2015.05.28 00:29 URL | white noise #DGytXcAs [ 編集 ]

>元大阪府民~氏
藤井氏の事を矢鱈持ち上げているそうですけど、自分には引用された発言が寧ろ薄ら寒く聞こえますね。

要は豊かな大阪市の富は大阪市で全部使え!府全体に再分配させるな!!って解釈も出来ちゃう訳で、逆に都構想推進派にも逆用されかねない理屈なんですよ。先の住民投票でも京阪神モダニズム的な比較的豊かな地域で賛成票が多かった・特に(都構想の)"北区"では賛成一色だった訳で、我々が稼いでいるゼニをヨソモンに取られて堪るか!ってのと五十歩百歩の話でしかないのです。

何と言うのか、都構想と言う特定の争点で分断されている様に見えても、双方の言い分が実は似たり寄ったりという最近の政治論議の一般的な傾向がここにも現れているとしか思えないんですよ。藤井氏って今の安倍政権で参与格として"国土強靭化"に力を振るっている方ですけど、彼の都構想への論戦への関わりを見ていると橋下の顧問格の堺屋太一と何処が違うのか?って思いたくなるんですよね。豊かな大阪市が繁栄することによるトリクルダウンで府全体も豊かに、ってのではどっちもどっちとしか思えませんから。

2015.05.31 21:43 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

杉山さんも、資本主義社会の本質を誤認していますね。
それじゃ、民族間対立や世代間対立に物事を押し込めたがる連中と大差ないですよ。ま、「左翼」の中でも、資本主義社会の矛盾を資本家と賃労働者の対立という人格間対立に置き換え、矮小化している人間が多いようですから、マルクス学徒でもない人を責めてもしょうがないでしょうけどね。

資本のシステムたる現代社会の基本矛盾は、人格間の敵対や対立などではありませんよ。
それは、労働の疎外により産出されている、資本と人間(=人格=労働する諸個人)の間の矛盾です。
そう。疎外された労働によって日々産出されている疎外の産物=資本と人間の対立・矛盾。
疎外の産物の自立・主体化が真の主体である人間を支配し隷属させているという転倒現象。だから、企業の自立化運動に対して株主の中からさえ「会社は誰のものだ?」というような声が挙がってくる。株主の利益さえ無視してひたすら肥大化しようとする資本の自立化に疑問が呈されるような事態も産まれてくる。

資本のシステムとは、(労働)疎外の産物である物象(=資本)が自立・主体化して、人間による制御を不能にしているシステムなのです。
そこを直視出来ない人たちが、民族対立や世代間対立といったニセの土俵にからめとられる。真なる主体と、真なる主体を隷属させ自立化しているニセの主体との間の矛盾を見落とすことになる。W.バフェットのような人物でさえ批判する巨額の内部留保や課税逃避こそ、資本主義という疎外されたシステムの本質であり典型です。
資本のシステムとは、人間無き(究極的には資本家や株主さえ無き)システムです。だから、主体性奪還運動=疎外克服運動こそが必要になるのです。
分配政策なども、その系論であり構成部分にすぎません。

2015.06.03 10:32 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

カリスマ願望も巨額内部留保容認思想も、共に疎外運動への無自覚、順応という点では同じなんですね。
だから、分配・再分配要求なども、そういう要求を必要不可欠なものにする根拠・根源にまで眼を向けるようにならなければしょせんは表層的、弥縫的でしかない。原発事故は、その恰好な機会になったと言えるのではないか。
問題は、経済システムそれ自体、人間不在の生産、労働の疎外から根源的に発生しているのだということが霧の中から徐々に姿を現して来ている。GDP信仰や科学技術妄信なども、真の主体無きニセの主体による専横の下での疎外現象なのだと。

なお、道州制に連なる大阪都構想も、人間無き・地方自治無き資本の全体化・世界化運動への順応でしょうね。
資本のグローバル化局面では、現行社会の原理である私的諸個人の論理さえ資本の運動は呑み込もうとする。そこで、これまた疎外の産物たる国民国家のようなもので人格的存立を代位・擁護出来るかのような幻想が振り撒かれる。資本の全体主義に順応する立場が、対外局面では国家主義をガス抜きに使う。ヌエのように全体性が個別性に転回利用される。かくして新自由主義と排外的国家主義の双面の化け物が世界中で跋扈する事態に至る。
しかし、こういう事態に終止符を打つのもまた、労働の発展、生産のいっそうの社会化・国際的連携の深化なのですね。
やがて、地球は人間のものだという声が世界中で溢れ出てくるでしょう。知的財産も生活空間も生産体組織も、全てが人類のものだ、という声が。

2015.06.03 16:07 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20150603-00046261/

『「勝てる左派」と「勝てない左派」』から引用

<「政治は何が正しいかということとは関係ない。成功することが全てだ」という絶対に左翼が言いそうにないことを、ポデモスの党首パブロ・イグレシアスは言う。そしてその「成功」こそがスペインの左派が現在勝ち取っていることだ。

(中略)

彼は共産党のドクトリンに根付いたクラシックなスペインのインテリ左翼ではない。だが、現代の世界を病ませている原因を明確に指摘し、その終焉を目指す。それは緊縮政策であり、市場主義であり、グローバル資本主義だ。

(中略)

勝つためには、我々は左翼であることを宗教にするのをやめなければいけない。左翼とは、ピープルのツールであることだ。左翼はピープルにならなければならない

(中略)

「僕たちの言葉は往々にして排他的で、美辞麗句や専門用語が多く、レフトな思想の持ち主にしかわからない。そしてソーシャル・メディアは、左翼の厳格なる言葉遣いの規範に外れると言って左派同士が攻撃し合う場所になっている。正しい言葉で喋ったり、書いたりしていない人物は怪しいとされ、時には裏切り者とさえ呼ばれる」

「こんなことでは左派は単なる文化的反逆児でしかない。大勢の右派の群れから自分は離れていることを主張しているだけの、ほんの一部の反抗者、またはエモいガキである。(中略)だが、社会のあり方についてうるさく批評することではなく、社会を変えることを望むのであれば、左派はそのアプローチを根本から考え直す必要がある」

(中略)

ポデモスのイグレシアスは、「左翼は庶民に語りかけていない。ワーキングクラスの人々を異星人のように扱っている。為政者は僕たちがわけのわからない言葉を話す少数派のままでいることを望んでいるのだから、それでは彼らの思う壺だ」と学生たちを叱ったことがあるという。

ポデモスは、従来の左翼の悪癖について真剣に考え、改めることによって劇的に「勝つ」ことを始めた。これはスコットランド国民党(SNP)のニコラ・スタージョン党首にも共通している。欧州で新左派が躍進しているのは、彼らが「負ける」という生暖かいお馴染みの場所でまどろむことをやめ、「勝つ」ことを真剣に欲し始めたからだ。

右傾化する庶民を「バカ」と傲慢に冷笑し、切り捨てるのではなく、その庶民にこそ届く言葉を発すること。スペインの学者たちがやっていることは、実はたいへん高度な技だ。だがそれに学ばない限り、左派に日は昇らない。>

◆私の考え方も基本的に上記と同じで、全くその通りだと思います。左派は政治的に進化する必要があると思います。

2015.06.05 23:35 URL | 向日葵 #- [ 編集 ]

>「政治は何が正しいかということとは関係ない。成功することが全てだ」

負け続けていた(る)20世紀左翼に向けて、こういう言葉を発したくなる気分も解らないことではありませんが、しかし、似たようなプラグマチズムはロシア革命に「勝利」したスターリンにも(部分的にはレーニンにも)ありましたねw
まだ橋下並みの三日天下で終わるかもしれない「勝利」や実績しか示せていない人間が、一時の成果だけで自画自賛するのはやや傲慢・不遜だと思いますよ。
緊縮政策や市場原理主義やグローバル資本主義を終焉させると豪語しても、具体的な行程表も将来ビジョンも示せていないのが現在の貧しい状況です。欧州左翼は、旧スタ系も反スタ系も、EUへの対応という1点についてさえ各国で四分五裂しているのが現状です。

なお、政治もまた、価値認識(イデオロギー)を排除できないという点では 宗教と共通しています。イデオロギー拒否・否定という態度も一つのイデオロギーなのですから当然でしょう(民主主義だってイデオロギーの一つだ!)

驕る平家、久しからずや、ですw
小成にぬか喜びしているようでは、彼らの左翼性もまた疑問です。

2015.06.06 09:05 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

>驕る平家、久しからずや、ですw
小成にぬか喜びしているようでは、彼らの左翼性もまた疑問です。

ポデモスのイグレシアス氏は小成にぬか喜びしているわけではないと思いますよ。また、彼らは一時の成果だけで自画自賛しているわけでもないと思いますよ。ポデモスもこのまま順風満帆に進むわけはなく、様々な壁にぶつかってこけたりするでしょう。

しかし、今の左派のように、特に日本の左派のように、左派にしか理解されないような政治的にマニアックな狭い世界に閉じこもっている限り、しかも、そのような左派にしか理解されないような狭い世界の中でさらに、左派どうしで内ゲバやセクト争いをしているようなウルトラ・マニアックな世界に閉じこもっている限り、左派は永遠に政治的な敗北が続くでしょう。

>彼らの左翼性もまた疑問です。

ポデモスのイグレシアス氏は、多くの一般庶民に理解されない、ワーキングクラスの人々の耳に届かない、その閉鎖的・排他的でカルト宗教的な左翼性を問題にされているのです。だから、イグレシアス氏の「政治は何が正しいかということとは関係ない。成功することが全てだ」という発言も、一時の成果だけでの自画自賛ではなく、また、勝てれば何でもありといったような意味でもなく、どんなに正しい(と自分達が信じている)主張をしても、一般庶民に理解されなければ、政治的にはあまり意味がない【政治以外、例えば学問的には意味があるかもしれませんが】といったような意味だと思いますよ。

ちなみに、ポデモスとは思想や方法論・アプローチの仕方は異なると思いますが、日本でも湯浅誠氏はポデモスと同じような、現状の左派に対する問題意識を持っておられると思います。ポデモスの主張よりも、下記URLの湯浅氏の主張【『政府との関係、社会運動の立ち位置について』の項目】の方がより分かりやすいのかもしれません。

『政府との関係、社会運動の立ち位置について』
http://yuasamakoto.blogspot.jp/2012/03/blog-post_07.html

2015.06.06 19:51 URL | 向日葵 #- [ 編集 ]

>しかし、今の左派のように、特に日本の左派のように、左派にしか理解されないような政治的にマニアックな狭い世界に閉じこもっている

>ポデモスのイグレシアス氏は、多くの一般庶民に理解されない、ワーキングクラスの人々の耳に届かない、その閉鎖的・排他的でカルト宗教的な左翼性を問題にされているのです。

具体的には、日本左翼のどういうことについて」言いたいの?
日本左翼には、彼らの「解り易さ至上主義」が招いてしまっている弊害も大きいとオレは感じてるんだけどねぇ・・・

>日本でも湯浅誠氏はポデモスと同じような、現状の左派に対する問題意識を持っておられると思います。

なぁ~んだぁw湯浅程度の人間をヨイショしているんだぁw 湯浅には、反貧困ネットや派遣村やっていた無党派活動家の中からも失望が出ているんだけどねぇw

2015.06.08 11:20 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

>具体的には、日本左翼のどういうことについて言いたいの?

左派の何が問題なのかという事は、前々回の投稿文での『「勝てる左派」と「勝てない左派」』からの引用で示しています。『「勝てる左派」と「勝てない左派」』で述べられていることは欧州の左派に関してですが、日本の左派にも当てはまることだと思います。また、前回の投稿文で紹介したURLで掲載されている湯浅誠氏のご意見でも述べられています。それ以上のことはご自分でお考えになってください。

>なぁ~んだぁw湯浅程度の人間をヨイショしているんだぁw 湯浅には、反貧困ネットや派遣村やっていた無党派活動家の中からも失望が出ているんだけどねぇw

何で湯浅氏のご意見が掲載されているURLを紹介しただけで、湯浅氏のヨイショになるのかよく分かりませんが、前回の投稿文で「ポデモスとは思想や方法論・アプローチの仕方は異なると思いますが、日本でも湯浅誠氏はポデモスと同じような、現状の左派に対する問題意識を持っておられると思います。ポデモスの主張よりも、下記URLの湯浅氏の主張【『政府との関係、社会運動の立ち位置について』の項目】の方がより分かりやすいのかもしれません」と述べた通りで、ポデモスのイグレシアス氏の主張【「政治は何が正しいかということとは関係ない。成功することが全てだ」といった事】の意味を知るためのご参考になると思い、湯浅氏のご意見が掲載されているURLを紹介しただけです。

誤解なきように述べておくと、私が前回の投稿文で紹介したサイトで湯浅氏が述べておられることは、全て正しいという意味ではありません。また、当りまえのことですが、一応述べておくと、ある人物のある言説を正しいと評価すること、イコールその人物の思想や行いは全て、或はおおむね正しいと評価することではありません。

貴方は湯浅程度の人間と仰いますが、そういった偉そうなことを仰る貴方が、これまでどれだけ反貧困のためにご尽力されたご立派な方なのかは私は存じ上げませんが、また、近年の湯浅氏の政治的スタンスに対して私は基本的には批判的ですが、「湯浅程度の人間」などという、これまで貧困層のために尽力してこられた【湯浅氏のおかげで命を救われた方々も少なからずいらっしゃるでしょう】湯浅氏を見下した傲慢なことは、私は言えませんね。

日本の左派が多くの一般庶民から支持されない、或は嫌われる一つの大きな要因はそういった傲慢さ、唯我独尊性なのではないでしょうか。実際、左派に対するそういった批判をよく耳にします。

2015.06.08 20:41 URL | 向日葵 #- [ 編集 ]

左翼批判の具体的内容を問われても湯浅に丸投げしている人間が、湯浅に対しても批判が少なくないことを指摘されると今度は傲慢だ独善だと開き直る。
これじゃ、自説開陳にも湯浅擁護にもなっていないじゃん?w小泉の「構造改革」的お題目や橋下の「二重行政」中傷と空疎な点で大差ないんじゃない?
まず、具体性!
自説を具体的内容を伴って展開してくださいなw
じゃなきゃ、単なるレッテル貼りです。

それから、お互いの「実践」活動を列挙紹介も証明も出来ないネット上の匿名議論で、妄想によるアテこすりは無意味な論点シフトですよ!

2015.06.09 13:26 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

はははは、湯浅信者の向日葵氏にもピッタリ当てはまる批判を陽だまりの猫氏が2年も前に書いていたわw
下の一分の「湯浅氏」部分は、そっくり「向日葵氏」と置き換え可能でしょうよw

http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/f41fa8eb7ad4af348d1efb297e6c218b


>また、湯浅氏の論は、「社会運動や市民活動に対する不安や不信感」を持つ人たちの思考、志向のありかたをアプリオリに「善」とみなしているところがあります。
しかし、その「善」なる市民の「社会運動や市民活動に対する不安や不信感」はしばしば「誤解」や「偏見」に基づくものであったりすることも少なくありません。

向日葵氏や湯浅氏のような具体性無き左翼批判は、往々にして単なる偏見や誤解の産物でしかないんだよね!w

2015.06.09 14:27 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

>バッジ@ネオ・トロツキストさん

あのですねぇ、私は湯浅誠氏のことが語りたいわけでないし、彼をヨイショしているわけでもありません。

政治行動の価値は実効性(effectiveness)によってのみ評価される、というのが政治の常識です。また、であるがゆえに政治的な主張は基本的には『表出【自分(達)がすっきりしたか、カタルシスを獲得したか】』次元ではなく『表現【他者(自分達ではない者達)が理解したか、他者を動機付けたか】』次元が意識の焦点にならなければいけません。

ポデモスのイグレシアス氏は政治学者なので、「政治は何が正しいかということとは関係ない。成功することが全てだ」「左翼は庶民に語りかけていない。ワーキングクラスの人々を異星人のように扱っている。為政者は僕たちがわけのわからない言葉を話す少数派のままでいることを望んでいるのだから、それでは彼らの思う壺だ」といったご発言も、そういった政治の常識を踏まえたものだと思います。

ただ、政治行動の価値は実効性によってのみ評価される、というのが政治の常識といっても、多くの方々はご存じないでしょうから【実際に、バッジ@ネオ・トロツキストさんも「政治は何が正しいかということとは関係ない。成功することが全てだ」という発言を、一時の成果だけでの自画自賛と誤解されたでしょう】、その政治の常識が分かりやすく説明されていると思われる湯浅誠氏のご発言を紹介したのです。

具体的な事例に関しては、ある状況下においては実効的な政治行動における政治的主張の内容や態度や方法論が、別の状況下においてはその政治行動における政治的主張の内容や態度や方法論は実効的でなかったりして、その時々の状況によって何が政治的に実効的なのかという事は異なってくるでしょう。だからそれ以上のことはご自分でお考えになってくださいと申し上げたのです。

或は、あえて具体的な事例ということで言えば、前の投稿で「貴方は湯浅程度の人間と仰いますが、そういった偉そうなことを仰る貴方が、これまでどれだけ反貧困のためにご尽力されたご立派な方なのかは私は存じ上げませんが、また、近年の湯浅氏の政治的スタンスに対して私は基本的には批判的ですが、「湯浅程度の人間」などという、これまで貧困層のために尽力してこられた【湯浅氏のおかげで命を救われた方々も少なからずいらっしゃるでしょう】湯浅氏を見下した傲慢なことは、私は言えませんね。

日本の左派が多くの一般庶民から支持されない、或は嫌われる一つの大きな要因はそういった傲慢さ、唯我独尊性なのではないでしょうか。実際、左派に対するそういった批判をよく耳にします。」と左派の問題点を述べているでしょう。

また、「なぁ~んだぁw湯浅程度の人間をヨイショしているんだぁw」「湯浅信者の向日葵氏」といったように、レッテル貼りをしているのは貴方の方でしょう。

貴方のような煽り系の人間と議論しても時間の無駄になるだけなので、私はこれで議論を終了させていただきます。

2015.06.10 08:01 URL | 向日葵 #- [ 編集 ]

イグレシアスの「左翼は庶民に語りかけていない。ワーキングクラスの人々を異星人のように扱っている。為政者は僕たちがわけのわからない言葉を話す少数派のままでいることを望んでいるのだから、それでは彼らの思う壺だ」なる言辞と、向日葵氏が「ポデモスと同じような、現状の左派に対する問題意識を持っておられると思」う湯浅氏の左翼批判には、日本では具体性が無いから再三問い質しているのです。

例えば、現在焦眉の安部たちによる9条改憲策動や戦争法案にそくしては、日本左翼のいったい何が問題なのですか?
具体的指摘してみせてくださいなw
日本左翼も「ワーキングクラスの人々を異星人のように扱っている」と言うのですかい?w

オレは、「統一戦線戦術の欠落」などについては日本左翼批判をしていても、イグレシアスのような「左翼は庶民に語りかけていない。ワーキングクラスの人々を異星人のように扱っている。為政者は僕たちがわけのわからない言葉を話す少数派のままでいることを望んでいるのだから、それでは彼らの思う壺だ」などという「左翼批判」は、こと日本に限っては全くトンチンカンな偏見、中傷の類であり、そういう左翼批判を共有・普遍化しているのなら、イグも湯浅も向日葵氏もみな、世論を誤導するデマゴーグだと思うのですがねw

2015.06.10 11:27 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

バッジ氏と向日葵氏の論争(?)を横から眺めさせて頂きましたけど、自分としても向日葵氏の主張の方に軍配を挙げざるを得ませんな。

まぁ、湯浅氏も橋下評でミソをつけた感がありますけど、ここ数日読んでいる佐藤卓己『大衆宣伝の神話』 http://amzn.to/1GI4B22 を読んでいると、政治的な主張を訴え支持を得るのに所謂"左翼"がどれだけ右往左往し結果的にナチスに支持を奪われていったかってのが解る気がするんですよね。そもそも佐藤氏はドイツの"左翼"・こと社会民主党の宣伝や広報を中心として取り上げている訳ですけど、その社会民主党の創立者の一人であるラッサールってそれこそアジデーター的な才能の持ち主で、いわゆる学術的で言論活動を主としていたマルクスとはかなり性格を異にしていたんですよね。そのため社会民主党創立直後はラッサールの系列とマルクスの影響下にあったベーベルなどのアイゼナハ派が結構対立して言った訳ですが、社会主義者鎮圧法とか様々な社会政策の整備とかが進むにつれ、前者は労働者階級特有の"お祭り"から一般庶民的なイベントや政治行動へと穏健的になる一方、後者の方も学術的・政治的な啓蒙から大衆的な宣伝へ力点を置く形で政治的な位置が接近し、結果的には政権党にはなったものの一方で新たなアジデーター(ナチスと共産党)にその支持を奪われる側になってしまうんですよね。

で、話をスペインのポデモスそしてその党首イグレシアスに戻すと、『大衆宣伝の神話』での社民党の宣伝に関する佐藤氏の指摘と意外に重なっていると思いますし、何というのか「リベラル」「左派」の側にも示唆的な面があると自分は思うんですよね。「『勝てる左派』と『勝てない左派』」では「右傾化する庶民を『バカ』と傲慢に冷笑し、切り捨てるのではなく、その庶民にこそ届く言葉を発すること。スペインの学者たちがやっていることは、実はたいへん高度な技だ。だがそれに学ばない限り、左派に日は昇らない」と言ってますけど、そうでなくてもB層とか民度が低いとか蔑みはしても、彼らの切実な問題にどれだけ応えていったのかというのに「リベラル」「左派」には欠けている面が少なくないでしょう。その一方で、橋下は元より山本太郎とか古賀茂明とかの如きアジデーターが多くの賛同者を集めている、この現実と本質を見誤ると一生「勝てない左派」のまんまになるとしか思えないのですが。

2015.06.15 23:56 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

杉山くんも、もっと具体的な、政策や政治的争点にそくした左翼批判をしなさいな。
第二インターの例なんか持ち出したって、レーニンやスターリンが得意顔するだけだぜw

戦争法案でも労働法制改悪でもTPP問題でも反原発でも何でも良いから、左翼批判したいのならオレみたいにもっと具体例を挙げて批判するべきですよ。「勝てない」「勝てない」と嘆いて抽象的な左翼非難をしていても、対策も展望も出てこない曳かれ者の小唄ですw

なお、「勝てない勝てない症候群」も、カリスマ待望と同水準の代行主義や他力本願神頼みの類です。
肝心なのは、「己は何をなすべきか!」に自答することでしょう!

2015.06.16 07:58 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

>バッジ~氏
>>左翼批判したいのならオレみたいにもっと具体例を挙げて批判するべきです
貴方の主張で"具体的"なのって何処なのか、自分にも理解できないのですけど。
というのか、貴方が挙げた「戦争法案でも労働法制改悪でもTPP問題でも反原発でも」それこそアジテーションが目立ってなかなかには中には事実誤認やデマも多かったりして一時的な高揚感は得ても結果的には大勢の支持を得られなかったでしょう。軍事関係者なら徴兵制なんて無理筋なのに「9条が改正されたら徴兵制になる!」とか、所謂"放射脳"ととか。

2015.06.16 10:34 URL | 杉山真大 #hT4iJc3M [ 編集 ]

入力する端末を代えると編集出来ない様なので、さっきの続き(ぉ

そもそも貴方が挙げた問題は、確かに具体的ではあり巡りめぐって悪影響をもたらすものなんでしょう。しかし多くの一般市民にとって切実な問題なんでしょうかね?何れを取っても立場の違いや利害得失など様々な要因も絡んで、一部の人には重大でも多くの一般市民にとって切実な問題と言い切れるかは議論の余地ありだと思いますよ。

で、向日葵氏に対しても自分にも「世論を誤導するデマゴーグだと思うのですがねw」って風に、自分だけが真理を知っている・お前らは愚かだって物言いをやってるでしょ。イグレシアスが批判しているのは、その様な態度なんですよ。自らを「予言者」の高みに置き、他者を愚かだ・民度が低い・B層だと蔑む、そういう一方的"指導者"ぶってるとこが問題にされてるんです。しかも、その中身たるやデマゴーグも少なからずあって、尚且つアジテーションも目立つ有り様。これで大勢の支持を得られると思います?自分には、バッジ氏こそアジテーションで煽動しまくる面子と何ら変わらぬと思いますけどね。

2015.06.16 11:12 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

>貴方の主張で"具体的"なのって何処なのか、自分にも理解できないのですけど

「戦争法案」でも「9条」でも「原発」でも「TPP」でも「労働法制」でも、何でも良いから、貴兄が関心ある重要政治問題と「バッジ@ネオ・トロツキスト」の二つをキーワードにして検索かけてみろよw

>戦争法案でも労働法制改悪でもTPP問題でも反原発でも」それこそアジテーションが目立ってなかなかには中には事実誤認やデマも多かったりして一時的な高揚感は得ても結果的には大勢の支持を得られなかったでしょう。

反論材料に事欠いてデマるなよォwww
オレや左翼のそれらの議論や主張がいつどこでどんな内容の点で「高揚感」や支持を得られなかったの?

>しかし多くの一般市民にとって切実な問題なんでしょうかね?

おっそろしほど現実社会に対して無関心なペダンティストなんだねぇw自衛隊の海外派兵や改憲策動にすら切実感がないwww
さすが濱ちゃんの取り巻きですwww
あんた、リベラル風ウヨブログの方がお似合いだよ!

2015.06.16 19:31 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]

今までROMしていたものですが、少し意見を述べます。

向日葵氏の

〉貧困層のために尽力してこられた【湯浅氏のおかげで命を救われた方々も少なからずいらっしゃるでしょう】
つまりより貧困層に尽力してきた方なら、湯浅批判してもいいという事でしょうか?
私は掲示板に意見を書くのに投稿者の社会的地位を論点にするのは間違いだと思いますよ。
他の投稿者の社会的地位は知らないし、無関係なのが掲示板の前提ですよ。
社会的地位を問題にするなら、国内で総理大臣批判なんか不可能ですよ。
少なくても社会的地位を持ち出した事を向日葵氏は撤回した方がいいですね。
この件で無条件で向日葵氏に同意した杉山真大氏も同じです。

2015.06.16 21:50 URL | 一般的ウロタ #7BD1Of6s [ 編集 ]

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201506/2015062700066

橋下やイグレシアスの登場とも関連した「カリスマ待望」問題だろうから、大阪都構想をめぐる住民投票とも通底する主権者投票制度の問題にも注意を喚起しておきます。

なお、主権者投票制度について、下(=住民、国民)からの請求がある場合にしかその正当性を認めようとしない日本共産党的な主権者投票制度観は、チプラスや橋下のような、政策遂行における国民世論の活用やその対極にある「代議制の謙虚」を一律に認めないことにもつながるのだから、根本から再考すべきだと思う。
懸案事項への賛否を主権者に直接問う主権者投票制度は、9条改憲問題から、スコットランド独立、今回のギリシャ問題(さらにまた将来の沖縄?)のケースのように、内外で多様な事態が発生しているのだから、直接民主主義制度についての研究や政策的発展の課題としてこのまま放置してはおけまい。
21世紀には、「制度圏の堕落」も進む中で、オレは主権者投票制度の重要度が増してくるように思う。

2015.06.28 07:24 URL | バッジ@ネオ・トロツキスト #CrLMSZ1k [ 編集 ]













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